JP2005238217A - 気液分離器および燃料電池 - Google Patents

気液分離器および燃料電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2005238217A
JP2005238217A JP2004192360A JP2004192360A JP2005238217A JP 2005238217 A JP2005238217 A JP 2005238217A JP 2004192360 A JP2004192360 A JP 2004192360A JP 2004192360 A JP2004192360 A JP 2004192360A JP 2005238217 A JP2005238217 A JP 2005238217A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
liquid
fuel
flow path
extraction material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004192360A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Sone
浩二 曽根
Satoko Machida
佐土子 町田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2004192360A priority Critical patent/JP2005238217A/ja
Publication of JP2005238217A publication Critical patent/JP2005238217A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

【課題】 簡単な構造で小型、薄型で全方向対応の気液分離器を提供する。
【解決手段】 液体を通過させて気体の通過を規制する液体抽出材4と気体を通過させて液体の通過を規制する気体抽出材9とで構成される気液分離室8の高さ14を、前記液体の表面張力に依存する重力方向の最大気泡成長径16と比べてそれ以下に設定し、この気液分離室8に気体混合液体を送り込んで気液分離する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、液体と気体と混合した気体混合液体を、気体と液体とに分離する気液分離器に関し、特に気液分離器の姿勢が変化する携帯機器に用いられる小型燃料電池などに好適に利用できる技術に関するものである。
従来、メタノール燃料電池の燃料極においては、メタノール水溶液が化学反応により消費されて二酸化炭素ガスが生成される。このように液体燃料電池のセルスタックの燃料極側からは、二酸化炭素ガスと未反応メタノール水溶液との気体混合液体として排出される。未反応メタノールは燃料調整室に送られ、この燃料調整室でメタノール及び水が追加されることで最適濃度に調整して再利用されるため、前記気体混合液体から二酸化炭素ガスの気泡を分離排出する必要がある。
液体燃料電池に用いられる従来の気液分離器は、分離容器内で前記気体混合液体を重力により気体と液体とに分離して上部に設けた出口から気体を排出し、下部に設けた出口から液体を取り出す構成であり、上部の気体出口は、転倒時の液漏れを防止するために、液体の透過を妨げ、気体のみを透過する気液分離膜で閉じられている。このような構成は、例えば、特許文献1及び特許文献2において提案されている。
また、別の従来の気液分離器の例としては、液体の脱気装置に用いられている気液分離器を例に挙げることができる。これは、水を透過し難い疎水性多孔質中空糸膜を気体出口に配置し、空気を透過し難い親水性多孔質中空糸膜を液体出口に配置し、両方の中空糸膜を隣接して組み合わせている。この構成は、例えば、特許文献3及び特許文献4で提案されている。
特開平4−229958号公報(第2−3頁、第1図) 特開平11−128605号公報(第2−3頁、第1図) 特開平7−265634号公報(第2−3頁、第1図) 特開平9−313806号公報(第2−4頁、第1図)
しかしながら、(特許文献1)(特許文献2)のように重力を利用した構成の気液分離器では、気液分離器の上下が反対になったときには、下側になった気体出口を液体が塞いで気体の出口が無くなり、上側になった液体出口に、水より軽い気体が流出するなどにより、気液分離機能を失ってしまうという問題が発生する。
一方、(特許文献3)(特許文献4)のように多孔質中空糸及び管を応用した構成の気液分離器では、多孔性中空糸が高価なため装置自体が高価となる。また、多数の中空糸膜を配置して各中空糸の末端を出口領域に気密に封止する工法が難しいので、薄型化小型化が出来ない。さらに、多数の多孔質中空糸の封止に多量の充填型接着剤を用いるため、充填型接着剤から溶液への不純物溶出が起こりやすくなり、樹脂系接着剤への溶解性の高い溶剤系水溶液へは適用できないこととなって、使用溶液の適用範囲が狭くなるなど、多くの問題がある。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、小型化し易く、簡略な構造で安価に製造でき、姿勢が変わっても不具合を起こすこと無く気体と液体とを分離できるなど、携帯機器用などに適用できる気液分離器を提供することを目的とする。
本発明の気液分離器は、液体を通過させて前記気体の通過を規制する液体抽出材と前記気体を通過させて前記液体の通過を規制する気体抽出材との間に前記気体混合液体を送り込んで気液分離する気液分離室を備え、気液分離室の高さを、特定の距離以下に設定し、前記気体抽出材が重力方向の下側になるような気液分離器の姿勢の場合であっても、前記液体が重力により前記気体抽出材を覆って前記気体の出口を失ってしまうことのない構造を特徴とする。
本発明の請求項1記載の気液分離器は、気体が混入した気体混合液体を受け入れて気体と液体に気液分離する気液分離器であって、前記液体を通過させて前記気体の通過を規制する液体抽出材と前記気体を通過させて前記液体の通過を規制する気体抽出材との間に前記気体混合液体を送り込んで気液分離する気液分離室を備え、気液分離室の高さを、前記液体の表面張力に依存する重力方向の最大気泡成長径以下に設定したことを特徴とする。
この構成によると、気液分離器本体の姿勢の上下が反対になっても前記気体抽出材に気体が接すると共に前記液体抽出材に液体が接するので、簡単な構造で小型、薄型の全方位姿勢対応の気液分離を実現できる。
本発明の請求項2記載の気液分離器は、請求項1において、前記液体抽出材が、多孔質ガラス、又は親水性処理を行った多孔質ポリテトラフルオロエチレンの板若しくは膜であることを特徴とする。
本発明の請求項3記載の気液分離器は、請求項1において、前記気体抽出材が、多孔質ガラスを基材として孔部を含む基材表面にフッ素等の撥水性ポリマーを付与した材料、又はフッ素系基材に多孔処理を行って製造した材料、又は多孔質ポリテトラフルオロエチレンの板若しくは膜であることを特徴とする。
本発明の請求項4記載の気液分離器は、請求項1において、前記気体抽出材および前記液体抽出材の少なくとも一方に、補強用多孔板が密接して配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項5記載の気液分離器は、請求項1において、前記気液分離室が、少なくとも、前記液体抽出材と気体抽出材とのうちの一方の抽出材を配置した特定壁と、前記液体抽出材と前記気体抽出材とのうちの他方の抽出材を前記特定壁に対向する壁面に配置した対向壁とを含む複数の壁で形成され、前記気液分離室の高さが、前記特定壁と前記対向壁との間隔の最大距離であることを特徴とする。
本発明の請求項6記載の気液分離器は、請求項1において、前記気液分離室が、少なくとも、前記液体抽出材と気体抽出材のうちの一方の抽出材を配置した特定壁と、前記特定壁に対向する対向壁と、前記液体抽出材と前記気体抽出材とのうちの他方の抽出材を前記特定壁と前記対向壁の間に配置した側壁とを含む複数の壁で形成され、前記気液分離室の高さが、前記特定壁と前記対向壁との間隔の最大距離であることを特徴とする。
本発明の請求項7記載の気液分離器は、気体が混入した気体混合液体を受け入れて気体と液体に分離する気液分離器であって、気体混合液体が流入する流入用切欠部とこの流入用切欠部に連接され流入した前記気体混合液体を貯留する分離室用切欠部が形成された第1の流路板と、第1の流路板の面に当接して設けられ前記流入用切欠部の片面を閉塞すると共に前記分離室用切欠部の片面に対応する位置には前記液体を通過させて前記気体の通過を規制する液体抽出材が取り付けられた第2の流路板と、第1の流路板の面に当接して設けられ前記流入用切欠部の他方の面を閉塞すると共に前記分離室用切欠部の片面に対応する位置に前記気体を通過させて前記液体の通過を規制する気体抽出材が取り付けられた第3の流路板と、前記第2の流路板に一方の面を当接して設けられ前記液体抽出材によって分離抽出された液体を貯留する液体室用切欠部とこの液体室用切欠部に連接され前記分離抽出された液体が流れる液体流出用切欠部が形成された第4の流路板と、前記第4の流路板の他方の面に当接して設けられ前記液体室用切欠部と液体流出用切欠部との開口を閉塞する第5の流路板と、前記第3の流路板に一方の面を当接して設けられ前記気体抽出材によって分離抽出された気体を貯留する気体室用切欠部とこの気体室用切欠部に連接され前記分離抽出された気体が流れる気体流出用切欠部が形成された第6の流路板と、前記第の流路板の他方の面に当接して設けられ前記気体室用切欠部と気体流出用切欠部との開口を閉塞する第7の流路板とを備えたことを特徴とする。
本発明の請求項8記載の気液分離器は、請求項7において、前記第1の流路板の厚みを、前記液体の表面張力に依存する重力方向の最大気泡成長径以下に設定したことを特徴とする。
本発明の請求項9記載の気液分離器は、請求項7又は8において、前記分離室用切欠部の開口を覆う大きさで前記液体を通過させて前記気体の通過を規制する液体抽出膜を、前記第2の流路板に代わって、前記第1の流路板と前記第4の流路板とで挟持したことを特徴とする。
本発明の請求項10記載の気液分離器は、請求項7又は8において、前記分離室用切欠部の開口を覆う大きさで前記気体を通過させて前記液体の通過を規制する気体抽出膜を、前記第3の流路板に代わって、前記第1の流路板と前記第6の流路板とで挟持したことを特徴とする。
本発明の請求項11記載の気液分離器は、請求項7又は8において、前記第4の流路板と前記第5の流路板とを一体に形成したことを特徴とする。
本発明の請求項12記載の気液分離器は、請求項7又は8において、前記第6の流路板と前記第7の流路板とを一体に形成したことを特徴とする。
本発明の請求項13記載の気液分離器は、気体が混入した気体混合液体を受け入れて気体と液体とに気液分離する気液分離器であって、前記液体を通過させて前記気体の通過を規制する液体抽出材と前記気体を通過させて前記液体の通過を規制する気体抽出材との間に前記気体混合液体を送り込んで気液分離する気液分離室を備え、前記気液分離室の高さ方向の一方の特定壁に、前記液体を通過させて前記気体の通過を規制する液体抽出材と前記気体を通過させて前記液体の通過を規制する気体抽出材とのうちの一方の抽出材を配置し、前記液体抽出材と前記気体抽出材とのうちの他方の抽出材を前記特定壁に隣接する壁面に前記気液分離室の高さ方向の他方の特定壁まで配置し、前記気液分離室の高さを、前記液体の表面張力に依存する重力方向の最大気泡成長径以下に設定したことを特徴とする。
本発明の請求項14記載の気液分離器は、請求項1、7又は13において、水と気体との気体混合液体を気液分離室に受け入れて気体と液体とに気液分離する気液分離器であって、前記気液分離室の高さを6ミリメートル以下にしたことを特徴とする。
本発明の請求項15記載の気液分離器は、請求項1、7又は13において、メタノール水溶液と気体との気体混合液体を気液分離室に受け入れて気体と液体とに気液分離する気液分離器であって、前記気液分離室の高さを3ミリメートル以下にしたことを特徴とする。
本発明の請求項16記載の気液分離器は、液体に気体が混入した気体混合液体を受け入れて気体と液体とに気液分離する気液分離器であって、気体混合液体が供給される第1、第2の気液分離室と、前記第1の気液分離室と前記第2の気液分離室との間に介装され、液体を通過させる一方、気体の通過を規制する液体抽出材と、前記第1の気液分離室に臨んで配設され、気体を第1の気体流路に通過させる一方、液体の通過を規制する第1の気体抽出材と、前記第2の気液分離室に臨んで配設され、気体を第2の気体流路に通過させる一方、液体の通過を規制する第2の気体抽出材とを備えたことを特徴とする。
この構成により、第1の気液分離室に気体混合液体が供給された場合だけでなく、第2の気液分離室に気体混合液体が供給された場合にも、気体混合液体から気体が良好に分離され、気体が除去された液体を液体抽出材を通して下流側に良好に通過させることができる。これにより、第1、第2の気液分離室を介して、双方向に気体混合液体が供給される場合でも、気体が除去された液体だけを下流側に良好に流すことができる。
本発明の請求項17記載の気液分離器は、請求項16において、第1の気液分離室における第1の気体抽出材に臨む箇所の高さと、第2の気液分離室における第2の気体抽出材に臨む箇所の高さとを、液体の表面張力に依存する重力方向の最大気泡成長径以下に設定したことを特徴とする。
この構成により、気液分離器がどのような姿勢であろうとも、第1の気液分離室や第2の気液分離室に供給された気体混合液体中の気体は、最大気泡成長径に達するまでに第1または第2の気体抽出材に接触し、各気体抽出材を通して第1または第2の気体流路に良好に排出される。
本発明の請求項18記載の燃料電池は、前記した構成の第1、第2の気液分離器と、燃料極と空気極とを有するセルと、液体燃料を溜める第1、第2の燃料タンクと、第1の燃料タンクの液体燃料を燃料極側へ送り出す第1の送り手段と、第2の燃料タンクの液体燃料を燃料極側へ送り出す第2の送り手段とを備え、燃料極を介して第1の燃料タンクと第2の燃料タンクとの間で双方向に液体燃料を供給するように配設し、燃料極と第1の燃料タンクとの間に第1の気液分離器を介装させ、燃料極と第2の燃料タンクとの間に第2の気液分離器を介装させたことを特徴とする。
この構成により、燃料極で発生した気体が混入した液体燃料が第1、第2の燃料タンク側へ送り出された際に、第1または第2の気液分離器により気体が分離されて除去され、液体燃料だけが第1、第2の燃料タンクに流れ込む。また、第1、第2の燃料タンクに溜められている液体燃料に溶け込んでいた気体が気泡となった場合でも、気体混合液体が第1、第2の燃料タンクから燃料極側に供給される際に、第1または第2の気液分離器により気体が分離されて除去され、液体燃料だけが燃料極に供給される。これにより、燃料極に良好に液体燃料だけを供給することができる。
本発明の請求項19記載の燃料電池は、請求項18において、第1の燃料タンク内の液体燃料の量を検知する第1のセンサと、第の燃料タンク内の液体燃料の量を検知する第2のセンサと、前記第1の燃料タンクから燃料極を介して第2の燃料タンク側へ液体燃料を供給している場合において前記第1のセンサにより第1の燃料タンク内の液体燃料の減少を検知した際に、第1の燃料タンクからの液体燃料の供給動作を停止し、第2の燃料タンクからの液体燃料の供給動作を開始させるように制御し、前記第2の燃料タンクから燃料極を介して第1の燃料タンク側へ液体燃料を供給している場合において前記第2のセンサにより第2の燃料タンク内の液体燃料の減少を検知した際に、第2の燃料タンクからの液体燃料の供給動作を停止し、第1の燃料タンクからの液体燃料の供給動作を開始させように制御するコントローラとを設けたことを特徴とする。
この構成により、何れの方向に液体燃料が供給される場合でも、第1または第2の気液分離器により気体が分離されて除去されるので、第1、第2のセンサにより液体燃料の量を誤って検知してしまうことを最小限に抑えることができるとともに、第1または第2の気液分離器を介することで第1、第2の燃料タンクから燃料極側に液体燃料を良好に供給することができる。
以上のように本発明の気液分離器によれば、気体が混入した気体混合液体を受け入れて気体と液体に気液分離する気液分離器であって、前記液体を通過させて前記気体の通過を規制する液体抽出材と前記気体を通過させて前記液体の通過を規制する気体抽出材との間に前記気体混合液体を送り込んで気液分離する気液分離室を備え、気液分離室の高さを、前記液体の表面張力に依存する重力方向の最大気泡成長径以下に設定したため、気液混合流体を容器の全姿勢にて確実に気体と液体に分離することができる。また、板材の積層構造を採用することによって小型化、薄型化が可能で、携帯機器用の燃料電池や、医療用輸液の気液分離などに好適に使用できる。
また、本発明の気液分離器は、気体が混入した気体混合液体を受け入れて気体と液体に気液分離する気液分離器であって、前記液体を通過させて前記気体の通過を規制する液体抽出材と前記気体を通過させて前記液体の通過を規制する気体抽出材との間に前記気体混合液体を送り込んで気液分離する気液分離室を備え、前記気液分離室の高さ方向の一方の特定壁に、前記液体を通過させて前記気体の通過を規制する液体抽出材と前記気体を通過させて前記液体の通過を規制する気体抽出材のうちの一方の抽出材を配置し、前記液体抽出材と前記気体抽出材のうちの他方の抽出材を前記特定壁に隣接する壁面に前記気液分離室の高さ方向の他方の特定壁まで配置し、前記気液分離室の高さを、前記液体の表面張力に依存する重力方向の最大気泡成長径以下に設定したため、気液混合流体を容器の全姿勢にて確実に気体と液体に分離することができ、燃料電池や、医療用輸液の気液分離、マイクロ化学分析システムなどに好適に使用できる。
また、本発明の気液分離器によると、液体の流れ方向に影響されることなく気液分離を行える構造としたので、気体混合液体が双方向に流れる場合でも、気体を良好かつ確実に除去して液体だけを良好に流すことができる。
また、気液分離室における気体抽出材に臨む箇所の高さを、液体の表面張力に依存する重力方向の最大気泡成長径以下に設定したことにより、気液分離器がその姿勢に影響されることなく、確実に気体と液体とに良好に分離することができる。
また、この構成の気液分離器を燃料電池における燃料極と燃料タンクとの間に介装することにより、燃料極に対して双方向に液体燃料を供給する燃料電池において、溶け込んでいた二酸化炭素ガスなどの気体が気泡として燃料タンクで発生した場合でも、この気体を外部に良好に排出させることができて、燃料極への液体燃料の供給機能を良好に確保でき、ひいては燃料電池の発電性能や信頼性を向上させることができる。また、燃料タンクの液体燃料の量を検知するセンサを設けた場合でも、燃料タンクの気泡をセンサにより検知して、燃料タンクの液体燃料がなくなったと誤判定することが防止されて、信頼性が向上する。
以下、本発明の各実施の形態と比較例とを図1〜図19に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1〜図4は本発明の(実施の形態1)を示し、図は比較例を示している。
図1と図2に示すように(実施の形態1)の気液分離器は、気体混合液体が流入する流入路6の一部を構成する流入用切欠部6Aが形成された第1の流路板7を中央にして、第1の流路板7の片側には、液体を通過させて気体の通過を規制する液体抽出材4が気密に取り付けられた第2の流路板5と、前記液体抽出材4によって分離抽出された液体が流れる液体流出用切欠部2Bが形成された第4の流路板3と、第5の流路板1とを積層し、第1の流路板7の反対側には、液体の通過を規制する気体抽出材9が気密に取り付けられた第3の流路板10と、前記気体抽出材9によって分離抽出された気体が流れる気体流出用切欠部11Bが形成された第6の流路板12と、第7の流路板13とを積層して構成されている。
詳しくは、第1の流路板7には、気体混合液体が流入する流入用切欠部6Aとこの流入用切欠部6Aに連接され流入した前記気体混合液体を貯留する分離室用切欠部6Bが形成されている。
第1の流路板7の面に当接して設けられる第2の流路板5は、前記流入用切欠部6Aの片面を閉塞すると共に前記分離室用切欠部6Bの片面に対応する位置に前記液体抽出材4が取り付けられている。前記液体抽出材4には、多孔質ガラスなど親水性の材料を使用した。
第2の流路板5に当接して設けられる第4の流路板3は、前記液体抽出材4によって分離抽出された液体を貯留する液体室用切欠部2Aが形成されており、液体流出用切欠部2Bがこの液体室用切欠部2Aに連接されている。
第5の流路板1は、第4の流路板3に当接して設けられ前記液体室用切欠部2Aと液体流出用切欠部2Bとの開口を閉塞している。
第1の流路板7の面に当接して設けられる第3の流路板10は、前記流入用切欠部6Aの他方の面を閉塞すると共に前記分離室用切欠部6Bの片面に対応する位置に前記気体抽出材9が取り付けられている。前記気体抽出材9には、多孔質ガラスを基材として、孔部を含む基材表面にフッ素等の撥水性ポリマーを付与した材料又はフッ素系基材に多孔処理を行って製造した材料を使用した。
前記第3の流路板10に一方の面を当接して設けられる第6の流路板12は、前記気体抽出材9によって分離抽出された気体を貯留する気体室用切欠部11Aが形成されており、気体流出用切欠部11Bがこの気体室用切欠部11Aに連接されている。
第7の流路板13は、第6の流路板12に当接して設けられ前記気体室用切欠部11Aと気体流出用切欠部11Bとの開口を閉塞している。
なお、積層された各流路板は、気密に接着及び接合されており、流入用切欠部6Aの開口を第2,第3の流路板5,10で閉塞して気体混合液体が流入する流入路6が形成され、分離室用切欠部6Bと液体抽出材4と気体抽出材9とで気液分離室8が形成され、液体流出用切欠部2Bの開口を第2,第5の流路板5,1で閉塞して分離された液体が排出される液体流出路2が形成され、気体流出用切欠部11Bの開口を第3,第の流路板10,13で閉塞して分離された気体が排出される気体流出路11が形成されている。
一般に、前記気体抽出材9に対する気体の通過圧力及び湿潤された前記液体抽出材4に対する液体の通過圧力Pは、多孔質材料の孔径をD、液体の表面張力をT、液体と多孔質材料との接触角をAとすると理論的には次式で表される。
P=(1/D)・4・T・(cos A)
ここで、液体と多孔質材料との接触角が90°を越えると、孔から液体を排出する圧力Pが働く。ここで、前記気体抽出材9が薄くて気体混合液体の流入圧力により変形する可能性のある場合は、気体抽出材9に密接させて図示しない補強用多孔板を第6の流路板12の側から固定すると良い。
一方、液体と多孔質材料との接触角が90°未満の場合、流体の入った孔から気体を排出する圧力Pが働く。ただし、乾燥している場合は、接触角が90°未満でも接触角の値が高いと孔出口から液体が涌き出るときに保持圧力が働き液体が透過し難くなるので、接触角は0°に近いほうが好ましい。ここでも、前記液体抽出材4が薄く気体混合液体の流入圧力により変形する可能性のある場合は、液体抽出材4に密接させて図示しない補強用多孔板を第4の流路板3の側から固定すると良い。
つまり、前記気体抽出材9や前記液体抽出材4が薄い膜である場合には、この気体抽出材9や液体抽出材4が気体や液体の圧力でたわんで破れたりする場合があるが、上記のように、気体や液体の流出を妨げない大きさの多数の孔(メッシュでも可)が形成され、かつ、気体や液体の流れの圧力でたわまない強度を有する補強板を、気体抽出材9や液体抽出材4の膜に対して気体や液体の流出側即ち気液分離室8の外側に設置することで、このような不具合を防止することができる。
さらに、液体抽出材4と気体抽出材9とで構成される気液分離室8の高さ14を特定の距離以下に設定するために、ここでは第1の流路板7の板厚が、図3と図4に示すように設定されている。図5に示す比較例と比べて説明する。
気液分離室8の高さ14は、対向して配置された前記液体抽出材4と前記気体抽出材9とで形成されており、この高さ14が図5に示すように広すぎた場合には、気体抽出材9が重力方向の下側になるような気液分離器の姿勢になると、液体が重力により気体抽出材9を覆い、気体の出口を失うため気液分離の機能を失う。
しかし、実験により気液分離室8の高さ(気体抽出材9と液体抽出材4の間隔)14を特定の距離以下にすると良好な分離機能が得られることが分かった。当然、他のあらゆる姿勢においても機能した。その高さとは、重力方向の最大気泡膜成長高さ16以下の高さである。
図5の気泡15に示す通り、気泡は浮力によって液体内部で上昇するため、重力方向の上側の前記液体抽出材4に気泡15が付着する。前記液体抽出材4は気体を通過させないで液体を透過していくので、徐々に気泡が集まり成長していく。
破線で示すように気泡15の成長と共に気泡形状が、球形から浮力により楕円形状になっていき、気泡の体積がある一定量を超えると重力方向の気泡径に変化が無くなり、横方向にのみ気泡が広がっていく現象がみられる。この重力方向の気泡径に変化が無くなったときの距離(矢印16で示す距離)を、重力方向の最大気泡成長径と呼ぶ。
この図5に示す比較例のように、第1の流路板7の板厚で決まる気液分離室8の高さ14が、矢印16で示す重力方向の最大気泡成長径より大きい場合には、気液混合流体の液体が下側にある前記気体抽出材9の全面を覆ってしまって気体の流出が無くなる。そして、上側にある前記液体抽出材4を液体が通過すると同じに表面に気泡が付着して成長して行き、ついには、重力方向の最大気泡成長径16の膜厚の気泡膜が前記液体抽出材4を覆い液体の排出も停止し、気液分離機能を失う。
これに対して図3に示す(実施の形態1)ように、気液分離室8の高さ14が矢印16で示す重力方向の最大気泡成長径以下になるように第1の流路板7の板厚を決定した場合には、前記液体抽出材4の表面に気泡が成長して最大気泡成長径に達する前に前記気体抽出材9に気泡が接触するので、前記気体抽出材9が気泡を吸着し吸収し気体流出流路11に排出するため、前記気体抽出材9が重力方向の下側になるという最悪のケースにおいても気液分離機能を正常に動作させることができる。
この重力方向の最大気泡高さ16は、図4に示すごとく、前記液体の表面張力に依存し、74mN/mの純水の場合で約6ミリメートル、約22mN/mのメタノール、エタノール、アセトンの場合で約3ミリメートルである。即ち、気液分離室8の高さ14は、使用液体の表面張力により限界値が異なることになる。
従って、液体が水の場合は、気液分離室8の高さ14を6ミリメートル以下に、メタノール水溶液の場合は約3ミリメートル以下にすると、気液分離器の姿勢が横転したり逆転したりした状態においても確実に気液混合流体から気体と液体を分離する機能を失うことなく動作させることができる。
また、このように各流路板を積層接合した簡単な構造によって、気液分離室8の高さ14を、確実に重力方向の最大気泡成長径以下の高さに配置することができる。
(実施例1)
気体抽出材9として孔径1ミクロンメートルで開口率約80%のポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略す)(基材接触角は108°)を100ミクロンメートルの多孔が形成されたSUS補強板と密着して用い、一方、液体抽出材4として孔径3ミクロンメートルで開口率約80%の親水処理PTFE(基材接触角は10°以下)を同様に100ミクロンメートルの多孔が形成されたSUS補強板と密着して用い検証実験を行った。
その結果、気体抽出材9と液体抽出材4との間隔を重力方向の最大気泡成長径以下にした場合、純水と10wt%メタノール水溶液の両方において、気液混合流体の圧力が約200mmHO以上で、全姿勢において正常に気液分離を行うことができた。
(実施の形態2)
図6と図7は本発明の(実施の形態2)の気液分離器を示す。
図1に示した(実施の形態1)では、第4の流路板3に形成された液体室用切欠部2Aと液体流出用切欠部2Bとの一方の開口を、別部材の第5の流路板1によって閉塞したが、この(実施の形態2)では、前記第4の流路板3と前記第5の流路板1とを一体に形成した第1の側板18を採用している。
具体的には、第1の側板18の第2の流路板5との当接面に、前記液体室用切欠部2Aと液体流出用切欠部2Bに応じて凹部を形成して構成されている。
また、図1に示した(実施の形態1)では、第6の流路板12に形成された気体室用切欠部11Aと気体流出用切欠部11Bとの一方の開口を、別部材の第7の流路板13によって閉塞したが、この(実施の形態2)では、前記第6の流路板12と前記第7の流路板13とを一体に形成した第2の側板19を採用している。具体的には、第2の側板19の第3の流路板10との当接面に、気体室用切欠部11Aと気体流出用切欠部11Bに応じて凹部を形成して構成されている。その他は(実施の形態1)と同じである。
(実施の形態3)
図8と図9は本発明の(実施の形態3)の気液分離器を示す。
図1に示した(実施の形態1)では、第1の流路板7と第4の流路板3の間に第2の流路板5が介装されていたが、この(実施の形態3)では、第1の流路板7の分離室用切欠部6Bの開口を覆う大きさで前記液体を通過させて前記気体の通過を規制する液体抽出膜4Aを、前記第1の流路板7と前記第4の流路板3とで挟持して、前記第1の流路板7の流入用切欠部6Aの片側の開口を液体抽出膜4Aを介して第4の流路板3で閉塞している。また、前記第4の流路板3の液体流出用切欠部2Bの片側の開口は液体抽出膜4Aを介して第1の流路板7で閉塞している。
なお、液体抽出膜4Aを第1の流路板7と第4の流路板3の間に介装した場合の液体の滲み出しは、液体抽出膜4Aの細孔を膜厚方向にのみ貫通するよう2次元加工した多孔質膜材料を使用することによって解消できる。2次元細孔は、放射線による直接加工及び感光性フッ素系樹脂及び感光性ポリイミド樹脂のエッチング加工などの従来工法で実現できる。また、液体抽出膜4Aとして3次元細孔の材料を用いる場合は、流路板3,7と同じ投影形状約20μm以下の厚みのアクリル系樹脂シートを、流路板3と液体抽出膜4Aの間と流路板と液体抽出膜4Aの間に挿入し、100℃以上の温度で加圧接合することで、液体抽出膜4Aの抽出領域の目詰まりなく密封接合でき液体の染み出しを防止できる。
また、(実施の形態1)では、第1の流路板7と第6の流路板12の間に第3の流路板10が介装されていたが、この(実施の形態3)では、第1の流路板7の分離室用切欠部6Bの開口を覆う大きさで前記気体を通過させて前記液体の通過を規制する気体抽出膜9Aを、前記第1の流路板7と前記第6の流路板12とで挟持して、前記第1の流路板7の流入用切欠部6Aの他方の開口を気体抽出膜9Aを介して第6の流路板12で閉塞している。また、前記第6の流路板12の気体流出用切欠部11Bの開口を気体抽出膜9Aを介して第1の流路板7と第7の流路板13で閉塞している。
なお、気体抽出膜9Aを第1の流路板7と第6の流路板12の間に介装した場合の気体の漏れ出しは、気体抽出膜9Aの細孔を膜厚方向にのみ貫通するよう2次元加工した多孔質膜材料を使用することによって解消できる。二次元細孔は、放射線による直接加工及び感光性フッ素系樹脂及び感光性ポリイミド樹脂のエッチング加工などの従来工法で実現できる。また、気体抽出膜9Aとして3次元細孔の材料を用いる場合は、流路板12,7と同じ投影形状約20μm以下の厚みのアクリル系樹脂シートを、流路板12気体抽出膜9Aの間と流路板気体抽出膜9Aの間に挿入し、100℃以上の温度で加圧接合することで、気体抽出膜9Aの抽出領域の目詰まりなく密封接合でき気体のもれを防止できる。
(実施の形態4)
図10と図11は本発明の(実施の形態4)の気液分離器を示す。
図1に示した(実施の形態1)では、気液分離室8の高さは、対向配置された前記液体抽出材4と前記気体抽出材9との間隔で形成されており、この高さを、重力方向の最大気泡成長径以下に配置していたが、この(実施の形態4)では、気液分離室8の高さを決定する液体抽出材4と前記気体抽出材9を、互いに隣接する壁面に配置している点が異なっている。そのため、図1の第2の流路板5、第4の流路板の2つの板を必要としない。
具体的には、前記気体混合液体を受け入れる分離室は、前記気体を通過させて前記液体の通過を規制する気体抽出材9Bが取り付けられた第1の流路板10Bの片面に、第1,第2の分離室ブロック7A,7Bを張り合わせて、第1,第2の分離室ブロック7A,7Bの間に流入用切欠部6Aと分離室用切欠部6Bと液体流出用切欠部6Cを形成し、分離室用切欠部6Bに前記液体抽出材4Bを取り付けている。流入用切欠部6Aと分離室用切欠部6Bと液体流出用切欠部6Cの開口は第2の流路板1Bを当接させることによって閉塞されている。
第1の流路板10Bの他方の面には、気体室用切欠部11Cとこれに連接した気体流出用切欠部11Dが形成された第3の流路板12Bと、この第3の流路板12Bに当接して気体室用切欠部11Cと気体流出用切欠部11Dとの開口を閉塞する第4の流路板13Bとを積層して接合されている。
この(実施の形態4)では、前記液体抽出材4Bが第1の流路板10Bと第2の流路板1Bに接して設けられており、気液分離室8の高さ14を、重力方向の最大気泡成長径以下とするように第1,第2の分離室ブロック7A,7Bの厚みが設定されている。
このように構成したため、気液分離室の対向する壁面の内の一方の特定壁に気体抽出材9Bを設け、この特定壁に隣接した壁面に垂直に前記液体抽出材4Bが配置されており、気液分離器が横転、反転した場合でも、流入用切欠部6Aから気液分離室8に流入した気体混合液体は、気泡が最大成長径に達するまでに気体抽出材9Bに接触し気体が気体流出用切欠部11Dへ排出され、液体抽出材4Bが気泡に覆われることなく気液分離機能を維持することができる。
さらに、本発明の(実施の形態1)より流路板の数が少なく、より小型薄型化が可能となる。
なお、この(実施の形態4)では液体抽出材4Bの面積が気体抽出材9Bより小さくなるので、気液混合流体の液体の比率が気体に比べて少ない場合に適している。気液混合流体の気体の比率が液体に比べて少ないときは、図10の気体抽出材9Bと液体抽出材4Bの位置を入れ換えれば良い。
なお、この(実施の形態4)では第1,第2の分離室ブロック7A,7Bと第2の流路板1Bが別部品で構成されていたが、第1,第2の分離室ブロック7A,7Bと第2の流路板1Bを一体に形成して部品点数を減らすことができる。同様に、第3の流路板12Bと第4の流路板13Bを一体に形成して部品点数を減らすことができる。
(実施例2)
気体抽出材9Bとして孔径1ミクロンメートルで開口率約80%のPTFE(基材接触角108°)を100ミクロンメートルの多孔が形成されたSUS補強板と密着して用い、一方、液体抽出材4Bとして孔径3ミクロンメートルで開口率約80%の親水処理PTFE(基材接触角10°以下)を同様に100ミクロンメートルの多孔が形成されたSUS補強板と密着して用い検証実験を行った。
その結果、気体抽出材9Bと第2の流路板1Bとの間隙を重力方向の最大気泡成長径以下にした場合、純水と10wt%メタノール水溶液の両方において、気液混合流体の圧力が約200mmHO以上で、全姿勢において正常に気液分離を行うことができた。
なお、この場合の重力方向の最大気泡高さ16は、具体的には、74mN/mの純水の場合で約6ミリメートル、約22mN/mのメタノール、エタノール、アセトンの場合で約3ミリメートルであるので、水と気体の気体混合液体を受け入れて気体と液体に気液分離する場合には前記気液分離室8の高さ14を6ミリメートル以下で良好な結果が得られた。メタノール水溶液と気体の気体混合液体を受け入れて気体と液体に気液分離する場合には、前記気液分離室8の高さ14を3ミリメートル以下で良好な結果が得られた。
上記の各実施の形態では、混合液体が流体する流入路と、分離抽出された液体が排出される液体流出路と、分離抽出された気体が排出される気体流出流路の少なくとも三つの入出流路を有しており、各出入口は一つづつ配設されているが、それぞれ複数個設けられていてもよい。また、気体流出流路および液体流出流路の位置も自由に設定することができる。
(実施の形態5)
以下、本発明の気液分離器およびこの気液分離器を備えた燃料電池を具体的な実施の形態に基づいて説明する。
図12において、この実施の形態の燃料電池は、セル101と、第1,第2の燃料タンクC1,C2と、単一の空気ポンプAPと、バッファタンクB1と、水貯蔵タンクC3と、メタノール貯蔵容器C4と、これらの間を接続する配管経路と、この配管経路に接続されたバルブや気液分離器L1、L2などを組み合わせて構成されている。
図12、図20に示すように、セル101は、固体電解質膜102を中央にして両面に、電極触媒層103を有する燃料極107と、電極触媒層104を有する空気極108とを形成して構成されている。また、セル101の燃料極107を中央にしてその両側に第1,第2の燃料タンクC1,C2を配設して、第1の燃料タンクC1と燃料極107とが第1の燃料供給流路116で接続され、第2の燃料タンクC2と燃料極107とが第2の燃料供給流路117で接続されている。
ここで、第1,第2の燃料タンクC1,C2は、図13に示すように蛇行した細い(直径3mm程度)サーペンタイン型燃料タンクで構成されている。例えば、蛇行した経路の一部となる凹部を形成した第1のガラス基板118と、第1のガラス基板118の凹部とは面同士が対称で蛇行した経路の一部となる凹部を形成した第2のガラス基板119とを、それぞれの凹部が内側になるように張り合わせて形成されている。図13における120は空気入口、121は液出入口である。
第1の燃料タンクC1の燃料出入口(以下、セクションS42と称す)には第1の気液分離器L1が介装され、第2の燃料タンクC2の燃料出入口(以下、セクションS52と称す)には第2の気液分離器L2が介装されている。
第1,第2の気液分離器L1,L2は、図15〜図17に示すように、複数枚(図15〜図17に示す場合は9枚)の流路板151〜159を積層して構成されている。そして、これらの流路板151〜159に、第1、第2の燃料供給流路116、117が接続されている第1の気液分離室131と、第1,第2の燃料タンクC1,C2が接続されている第2の気液分離室132と、前記第1の気液分離室131と第2の気液分離室132との間に介装され、メタノール水溶液などの液体を通過させる一方、二酸化炭素ガスなどの気体の通過を規制する親水性材料(詳しくは親水性多孔質材料)からなる液体抽出材133と、前記第1の気液分離室131に臨んで配設され、二酸化炭素ガスなどの気体を第1の気体流路136に通過させる一方、メタノール水溶液などの液体の通過を規制する疎水性材料(詳しくは疎水性多孔質材料)からなる第1の気体抽出材134と、前記第2の気液分離室132に臨んで配設され、二酸化炭素ガスなどの気体を第2の気体流路137に通過させる一方、メタノール水溶液などの液体の通過を規制する疎水性材料(詳しくは疎水性多孔質材料)からなる第2の気体抽出材135とが設けられている。ここで、第1、第2の気体抽出材134、135に臨んでいる前記第1、第2の気液分離室131、132の高さ(図15〜図17の場合には第1、第2の気液分離室131、132が切欠かれて形成されている流路板154、156の厚さ)は、メタノール水溶液などの液体の表面張力に依存する重力方向の最大気泡成長径以下に設定されている。なお、図15、図16におけるKは気泡を示す。
また、図12に示す第1の燃料タンクC1の空気出入口(以下、セクションS41と称す)には疎水性多孔質膜の第1のフィルタF1が介装され、第2の燃料タンクC2の空気出入口(以下、セクションS51と称す)にも疎水性多孔質膜の第2のフィルタF2が介装されている。
セル101の空気極108に空気を供給する空気供給流路は、空気極108の一端とバッファタンクB1とを管路122で接続し、空気極108の他端を第3の気液分離器L3とバルブV11を介して水貯蔵タンクC3の一端に接続している。なお、第3の気液分離器L3においては、空気極108側の流体から気体を分離して水分だけを水貯蔵タンクC3側に送る機能だけを有している。水貯蔵タンクC3の一端はバルブV6を介して前記第2の燃料供給流路117に接続されている。水貯蔵タンクC3も第1,第2の燃料タンクC1,C2と同じように、蛇行した細い(直径3mm以下)サーペンタイン型タンクで構成されている。
空気ポンプAPによって内部圧力が目標値を維持するように加圧されているバッファタンクB1は、バルブV1と前記第1のフィルタF1を介して第1の燃料タンクC1の空気入口に接続され、バッファタンクB1がバルブV3と前記第2のフィルタF2を介して第2の燃料タンクC2の空気入口に接続されている。また、バルブV1と第1のフィルタF1との接続点はバルブV2を介して大気に接続されている。バルブV3と第2のフィルタF2との接続点はバルブV4を介して大気に接続されている。
前記メタノール貯蔵容器C4には高濃度メタノールが封入された可撓性の袋123を収容する密閉室124が形成されており、この密閉室124はバルブV8を介してバッファタンクB1に接続されている。また、密閉室124はバルブV9を介して大気に開放されている。前記袋123の燃料出口は、異物混入防止用のフィルタF3とバルブV5を介して前記第1の燃料供給流路116に接続されている。メタノール貯蔵容器C4には余剰水タンクC5が併設されている。
余剰水タンクC5は、バルブV7を介して水貯蔵タンクC3の他端に接続されている。また、水貯蔵タンクC3の他端は、疎水性多孔質膜の第のフィルタF4とバルブV10を介してバッファタンクB1に接続されている。
さらに、前記セクションS42(第1の燃料タンクC1の燃料出入口)、前記セクションS52(第2の燃料タンクC2の燃料出入口)、前記セクションS41(第1の燃料タンクC1の空気出入口)、前記セクションS51(第2の燃料タンクC2の空気出入口)には、図14に示すように、第1、第2の燃料タンクC1、C2内の液体燃料の量を検知する第1、第2のセンサPとしての電極P1,P2が敷設されており、この電極P1,P2の間にメタノール水溶液が介在している電気抵抗値と、メタノール水溶液が介在しなくなった状態の電気抵抗値とに基づいて、各セクションS41、S42、S51、S52でのメタノール水溶液の有無を判別している。
なお、タンクC1,C2,C3の何れのものも、流路内部への撥液処理もしくは流路パイプに撥液材料を用いて構成されている。これは、流路壁面の濡れが高いと壁面に水膜が残存し、燃料の移動効率が悪くなるので、この点を改善する事を目的としている。より具体的には、タンクC1,C2,C3の流路内部へのフッ素系の撥液処理もしくはフッ素系のパイプ材料を使用して、流路隔壁に水膜及び滴を残すことなく燃料移動がスムーズで移動効率がよく、明確な液面検出が行える。
上記の各バルブV1〜V11は、運転状態に応じて電気的に開閉状態を切り換えることができる電磁弁が使用され、より好ましくは、開閉状態の切り換えのタイミングにセットパルス電圧を印加すると、セットパルス電圧が無くなってその後にリセットパルス電圧が印加されるタイミングまで流路が開状態に自己保持され、リセットパルス電圧を印加すると、リセットパルス電圧が無くなってその後にセットパルス電圧が印加されるタイミングまで流路が閉状態に自己保持されるラッチングタイプの電磁弁が消費電力低減の上で好ましく、図12において各バルブV1〜V11には各運転状態に応じてコントローラ125から前記セットパルス電圧とリセットパルス電圧が印加されている。なお、コントローラ125には起動時に各種バルブV1〜V11などを作動させるための起動専用電池を備えている。
各運転状態の「停止時」「起動時」「メタノール水溶液の供給」「メタノール注入」「水供給」「燃料または水供給タイミング」に基づいて詳しく説明する。
停 止 時
バルブV1〜V11は全て閉状態にセットされており、第2の燃料タンクC2にメタノール水溶液が入れられているけれども、第1の燃料タンクC1は空状態になっている。さらに、セル101の燃料極107と第1,第2の燃料供給流路116,117には、燃料が満たされている。水貯蔵タンクC3には希釈水または空気極108で生成された水が入っている。
起 動
空気ポンプAPをオンにすると、バッファタンクB1を介してセル101の空気極108に空気が送られる。空気極108の流路の流路抵抗などによりバッファタンクB1の圧力は数kPaまで上昇して安定し、スタンバイ状態となる。
メタノール水溶液の供給
a.待機ステージ
このメタノール水溶液の供給に際しての待機ステージでは、コントローラ125によってバルブV1,V3が閉状態、バルブV2,V4が閉状態にセットされる。
この時、コントローラ125は前記セクションS41,S42,S51,S52の電極P1,P2の電気導通度から、第1の燃料タンクC1が空状態、第2の燃料タンクC2が満状態かチェックする。具体的には、第1の燃料タンクC1の両端のセクションS41,S42のメタノールレベルがメタノールを検出できない状態(以下、このメタノール無し状態を"Low"と称す),第2の燃料タンクC2の両端のセクションS51,S52のメタノールレベルがメタノールを検出した状態(以下、メタノール有り状態を"Hi"と称す)かどうかをチェックする。
第1の燃料タンクC1が空状態、第2の燃料タンクC2が満状態でない場合には、コントローラ125は、バルブV2,V3を閉状態、バルブV1,V4開状態にして、バッファタンクB1からバルブV1とフィルタF1を介して第1の燃料タンクC1へ加圧空気を送り込み、第1の燃料タンクC1に残っていたメタノール水溶液を第1の燃料供給流路116と燃料極107と第2の燃料供給流路117、ならびに気液分離器L2を経て第2の燃料タンクC2へ移動させ、第2の燃料タンクC2から押し出された空気はフィルタF2からバルブV4を介して大気に放出される。
なお、待機ステージの終わりに第2の燃料タンクC2が満状態にならない場合には、メタノール水溶液が不足していると判定して、コントローラ125がこれを検出して第1の燃料供給流路116へ高濃度メタノールの注入を指示するとともに第2の燃料供給流路117へ水を注入するように制御する。
このようにして第1の燃料タンクC1が空状態、第2の燃料タンクC2が満状態になってから、コントローラ125は次の第1運転ステージを実行する。
b.第1運転ステージ
この状態では、バルブV1,V4を閉状態、バルブV2,V3を開状態にセットして、バッファタンクB1からバルブV3とフィルタF2を介して第2の燃料タンクC2へ加圧空気を送り込むとともに、第1の燃料タンクC1ではフィルタF1とバルブV2を介して内部空気を大気に放出可能な状態とする。これにより、第2の燃料タンクC2のメタノール水溶液は、加圧空気の圧力により気液分離器L2を介して第2の燃料供給流路117へ押し出される。第2の燃料供給流路117へ押し出されたメタノール水溶液は、燃料極107を通過し、この燃料極107の通過でメタノールと水が消費され、二酸化炭素ガスが発生して気液混合流となったメタノール水溶液が第1の燃料供給流路116を経て、さらに気液分離器L1で気液分離されて、気液混合流の二酸化炭素ガスが気液分離器L1で分離されて大気に排出される。気液分離で残ったメタノール水溶液だけが気液分離器L1を介して第1の燃料タンクC1へ流れ込む。
この場合に、燃料タンクC1、C2においては、メタノール水溶液に若干ではあるものの、二酸化炭素ガスなどの気体が溶け込んでいる。したがって、第2の燃料タンクC2からメタノール水溶液を送り出す際に、二酸化炭素ガスなどの気体が気泡となって生じる場合がある。しかしながら、図15に示すように、気液分離器L2においては、第2の燃料タンクC2から送られてきた液体中に気体が混入していた場合でも、第2の気液分離室132において溜まった気泡Kが成長して第2の気体抽出材135に接触した時点で、気体は第2の気体抽出材135を通って第2の気体流路137に排出される。これにより、第2の燃料タンクC2におけるセクションS52などの箇所で、気泡Kが溜まることが防止され、第2の燃料タンクC2において、メタノール水溶液が残っているにもかかわらず、セクションS52の気泡Kをセンサにより検知し、誤って第2の燃料タンクC2のメタノール水溶液がなくなったと誤って判定することが防止される。また、第2の燃料タンクC2内のメタノール水溶液は、気液分離器L2の箇所で滞ることなく、良好に第2の燃料供給流路117を介して燃料極107に送られる。
また、燃料極107において二酸化炭素ガスを含んで気液混合流となったメタノール水溶液は第1の燃料供給流路116を経て、図16に示すように、気液分離器L1の第1の気液分離室131に導入されるが、第1の気体抽出材134を通って第1の気体流路136に排出される。したがって、上述したように、二酸化炭素ガスが除去されたメタノール水溶液だけが、気液分離器L1を介して第1の燃料タンクC1へ流れ込む。
また、上記流路構成になっているため、メタノール水溶液が送り込まれる第1の燃料タンクC1の流路において液面境界ができ、その液面がセクションS42を通過し、セクションS41に向かって移動する。
メタノール水溶液がセクションS41に到達したことを検出したコントローラ125は、次の第2運転ステージに切り換わる。
なお、第1運転ステージの終わりに第2の燃料タンクC2のセクションS51,S52が"Low"レベルになっても第1の燃料タンクC1のセクションS41,S42が"Hi"レベルにならない場合には、所定量のメタノール水溶液が消費されたと判定して、コントローラ125がこれを検出して第1の燃料供給流路116へ高濃度メタノールの注入を指示するとともに第2の燃料供給流路117へ水を注入するように制御する。
c.第2運転ステージ
この第2運転ステージは、第1の燃料タンクC1から第2の燃料タンクC2へメタノール水溶液を移動させる運転ステージに切り換わる。具体的には、バルブV2,V3を閉状態,バルブV1,V4を開状態にセットし、バッファタンクB1からバルブV1とフィルタF1を介して第1の燃料タンクC1へ加圧空気を送り込むとともに、第2の燃料タンクC2ではフィルタF2とバルブV4を介して内部空気を大気に放出可能な状態とする。これにより、第1の燃料タンクC1に溜められていたメタノール水溶液は、気液分離器L1で気液分離された後に第1の燃料供給流路116へ押し出され、燃料極107に供給される。この燃料極107においてメタノールと水が消費され、二酸化炭素ガスが発生して気液混合流となったメタノール水溶液が第2の燃料供給流路117を経て、さらに気液分離器L2で気液分離されて、気液混合流の二酸化炭素ガスが気液分離器L2で分離されて大気に排出される。気液分離で残ったメタノール水溶液だけが気液分離器L2を介して第の燃料タンクC2へ流れ込む。
なお、第2運転ステージの終わりに第1の燃料タンクC1のセクションS41,S42が"Low"レベルになっても第2の燃料タンクC2のセクションS51,S52が"Hi"レベルにならない場合には、所定量のメタノール水溶液が消費されたと判定して、コントローラ125がこれを検出して第1の燃料供給流路116へ高濃度メタノールの注入を指示するとともに第2の燃料供給流路117へ水を注入するように制御する。
高濃度メタノールの注入の場合
高濃度メタノールを注入しない待機状態では、バルブV8,V5を閉状態,バルブV9を開状態にセットして待機しているが、高濃度メタノールを注入する場合には、バルブV9を閉状態,バルブV5,V8を開状態に切り換えて、バッファタンクB1からバルブV8を介してメタノール貯蔵容器C4の密閉室124に加圧空気を供給させる。これにより、供給された加圧空気の体積に応じて前記袋123が押しつぶされて袋123からフィルタF3とバルブV5を介して第1の燃料供給流路116に高濃度メタノールが注入される。この際の注入はコントローラ125が各々のセクションS41,S42,S51、S52が各ステージにおいて満状態になったかどうかを検出するまで行う。
水の注入の場合
第1運転ステージと第2運転ステージとの繰り返しの運転中には、次のようにして水貯蔵タンクC3に水が貯蔵される。つまり、バルブV7,V11を開状態、バルブV10,V6を閉状態にセットし、セル101の空気極108を通過した水と未反応空気混合流体とを気液分離器L3に流す。この結果、未反応空気は大気に排出され、水のみが気液分離器L3の親水性多孔質材料からなる液体抽出材を通過し、この水がバルブV11を通過して水貯蔵タンクC3に貯蔵される。水貯蔵タンクC3に水が送り込まれると、水貯蔵タンクC3の気液の液面は水の増加につれ、余剰水タンクC5に向かって移動する。余剰水タンクC5は、具体的には前記メタノール貯蔵容器C4の密閉室124の外側に併設された多孔質の材料で構成されており、水貯蔵タンクC3の容量を越える余剰水は、余剰水タンクC5の多孔質の材料に吸収して保持され、この多孔質の材料から大気に蒸発させて排出する。
水貯蔵タンクC3から第2の燃料供給流路117への水の注入は、次のように実行される。この場合には、コントローラ125により、バルブV8を閉状態に維持した状態で、バルブV7,V11を閉状態、バルブV6,V10を開状態に切り換える。これにより、バッファタンクB1からバルブV10とフィルタF4とを介して水貯蔵タンクC3に加圧空気が供給され、水貯蔵タンクC3に貯蔵されていた水がバルブV6を介して第2の燃料供給流路117へ注入される。この際の注入は、コントローラ125が各々のセクションS41,S42,S51、S52が各ステージにおいて満状態になったかどうかを検出するまで行う。注入が終れば、コントローラ125はバルブV7,V11を開状態、バルブV10,V6を閉状態に戻す。
上記の「高濃度メタノールの注入の場合」と「水の注入の場合」のそれぞれのタイミングは、以下のとおりである。すなわち、燃料極107においてメタノールと水とが消費されると、例えば、第2の燃料タンクC2に第1の燃料タンクC1から燃料を搬送する場合、セクションS41,S42が"Low"になってもセクションS51,S52が"Hi"にならない状態となる。この時にコントローラ125がメタノール濃度を見て、濃度が低いと判定した場合には高濃度メタノールを注入し、濃度が高いと判定した場合には水を注入する。
なお、前記メタノール濃度検出は、第1の燃料供給流路116と第2の燃料供給流路117との少なくとも一方に設けたメタノール濃度センサ(図示せず)の出力の直接の読み取り、またはセル101の発電力から間接的に読み取る。
このようにして第1の燃料供給流路116,第2の燃料供給流路117に注入された高濃度メタノールや水は、前記第1運転ステージと第2運転ステージとの繰り返しの運転によって迅速に均一に混合される。
なお、第1の燃料タンクC1,第2の燃料タンクC2の体積は、セル101の燃料極107の流路を含む、第1の燃料供給流路116から第2の燃料供給流路117までの流路体積と同等またはそれ以上が好ましい。それは、セル101の燃料が一方向で入れ換わるからである。
このようにセル101の燃料極107への燃料の供給を、第1運転ステージと第2運転ステージとの繰り返しの運転による双方向供給を行った燃料電池において、セル101の電流−電圧特性の測定を行った。その結果、第1運転ステージと第2運転ステージとの切り換えのタイミングでの電流,電圧変化は、検出されなかった。1mW以下の変化と予想される。
また、一方向だとセル101の燃料極の入口は、ガス無、メタノール濃度リッチとなる一方で、燃料極の出口は、ガス量が多く、メタノール濃度が低いという状態が連続的に発生する。したがって、入口側は発電出力が高く、出口側は発電出力が低くなり、空気極の入口側の寿命が低くなるとともに、燃料極の入口側におけるメタノール濃度がいつも高いので、メタノールクロスオーバーが発生して出力上がらなくなる。これに対して、上記の実施の形態のようにセル101の燃料極107への燃料の供給を双方向にすることでMEA(MEA=Membrane Electrode Assembly)膜の出力が平均化され、MEAの負荷も平均化される。また、入出口のメタノール濃度が、低,高と入れかわるので、メタノールクロスオーバーが低減される。
この結果、出力が上昇する。気泡の排出においても、流れが一方向だと気泡が燃料極の電極触媒層で比較的留まり易くなって燃料極の出口部からの気泡の排出能力が低下するが、流れが双方向だと、流入方向が変わるので、気泡が燃料極の電極触媒層から離反しやすくなり、燃料極の出口部で気泡量が多くなる。また、万一、一方向の流れにおいての気泡の排出能が低下した場合でも、入口位置が切り換わるので液体の流れの力によって、気泡の排出能が促進され、その結果、流体燃料の供給不足も発生し難くなり、長期間にわたって安定した動作を行うことができる。
また、空気極108に空気を送るエアーポンプAPを燃料極107での燃料供給手段(第1、第2の燃料タンクC1,C2の液体燃料を燃料極107側へ送り出す第1、第2の送り手段)にも使用しているため、従来のように空気極108に空気を送るエアーポンプAPとは別に設けた液体ポンプによって燃料極107へ燃料供給する場合に比べて、単一のモータで済む分だけ装置の小型軽量化を実現できる。さらに、液体ポンプを使用して燃料極107へ燃料供給していた場合には呼び水を与えなければ起動できなかったが、この実施の形態では空気極108に空気を送るエアーポンプAPを燃料極107での燃料供給にも使用しているため、前記呼び水が不要で、確実な起動を実現できる。
また、前記メタノール貯蔵容器C4から第1の燃料供給流路116への高濃度メタノールの注入にも、空気極108に空気を送るエアーポンプAPを使用しているため、メタノールに耐性のある特別な材料で作られたポンプを使用しなくても済み、メタノールの微量搬送に適している。燃料電池の姿勢を反対にしてメタノール貯蔵容器C4のメタノール出口に空気が接した場合であっても、確実にメタノールを注入できる。
また、重量分離方式の循環タンクの場合、携帯用の燃料電池では、上下逆さにされる恐れがあり、二酸化炭素ガスの排出ができないとともに、液面が揺れるので液面センサが誤動作し、さらに、振動があった場合は、循環タンクがシャッフルされて液体に多量の気泡が混入し、空気ポンプを誤動作させるという問題があったが、上記の実施の形態では、第1,第2の燃料タンクC1,C2の形状を管路で形成したため、メタノールと空気との液面が燃料電池の姿勢によらず一定となり、安定した動作を期待できる。
そして特に、燃料極107に接続された燃料供給流路116、117と燃料タンクC1、C2との間に介装した気液分離器L1、L2に、燃料供給流路116、117側の第1の気液分離室131に第1の気体抽出材134を臨ませただけでなく、燃料タンクC1、C2側に接続されている第2の気液分離室132にも第2の気体抽出材135を臨ませたので、燃料タンクC1、C2において、溶け込んでいた二酸化炭素ガスが気泡Kとして発生した場合でも、この気体を第2の気体流路137に良好に排出させることができ、第2の燃料タンクC2において、メタノール水溶液が残っているにもかかわらず、セクションS52の気泡Kをセンサにより検知し、第2の燃料タンクC2のメタノール水溶液がなくなったと誤って判定することが防止されて、信頼性が向上する。また、気液分離器L1、L2の第2の気液分離室132で気泡Kが溜まらないので、第2の燃料タンクC2内のメタノール水溶液がこの箇所で滞ることなく良好に燃料供給流路117を介して燃料極107に送られ、燃料極107へのメタノール水溶液の供給機能が向上し、ひいては燃料電池の発電性能を向上できる。
また、気液分離器L1、L2における気体抽出材134、135に臨む気液分離室131、132の高さを、メタノール水溶液の表面張力に依存する重力方向の最大気泡成長径以下に設定したので、気液分離器L1、L2がどのような姿勢であろうとも、気液分離室131、132に供給された気体混合液体中の気体である二酸化炭素ガスが、最大気泡成長径に達するまでに気体抽出材134、135に接触し、各気体抽出材134、135を通して気体流路136、137に良好に排出され、携帯用の燃料電池として用いられて、上下逆さにされた場合でも気液混合流体を燃料電池の姿勢に影響されることなく、確実に気体と液体とに良好に分離することができて、二酸化炭素ガスなどの気体を良好に排出できる。
ここで、気液分離器L1、L2における気体抽出材134、135に臨む気液分離室131、132の高さである、メタノール水溶液の表面張力に依存する重力方向の最大気泡成長径に関してさらに詳しく説明する。
一般に、気体抽出材134、135に対する気体の通過圧力および湿潤された液体抽出材133に対する液体の通過圧力pは、多孔質材料の孔径をD、液体の表面張力をT、液体と多孔質材料との接触角をAとすると理論的には次式で表される。
p=(1/D)・4・T・(cosA)
ここで、液体と多孔質材料との接触角が90°を越えると、孔から液体を排出する圧力pが働く。
一方、液体と多孔質材料との接触角が90°未満の場合、気体混合液体の入った孔から気体を排出する圧力pが働く。ただし、乾燥している場合は、接触角が90°未満でも接触角の値が高いと孔出口から液体が涌き出るときに保持圧力が働き液体が透過し難くなるので、接触角は0°に近いほうが好ましい。
さらに、液体抽出材133と気体抽出材134、135とで構成される気液分離室131、132の高さを特定の距離以下に設定するために、ここでは流路板154、156の板厚が、図18、図4に示すように設定されている。図19に示す比較例と比べて説明する。
気液分離室131、132の高さHは、互いに対向して配置された液体抽出材133と気体抽出材134、135との距離であり、この高さHが図19に示すように広すぎた場合には、気体抽出材134、135が重力方向の下側になるような気液分離器L1、L2の姿勢になると、液体が重力により気体抽出材134、135を覆い、気体の出口を失うため気液分離の機能を失う。
しかし、実験により気液分離室131、132の高さ(気体抽出材134、135と液体抽出材133との間隔)Hを特定の距離以下にすると良好な分離機能が得られることが分かった。その高さとは、重力方向の最大気泡膜成長高さY以下の高さである。
図19に示すように、気泡Kは浮力によって液体内部で上昇するため、重力方向の上側の液体抽出材133に気泡Kが付着する。液体抽出材133は気体を通過させないで液体を透過していくので、徐々に気泡Kが集まり成長していく。
破線で示すように気泡Kの成長と共に気泡形状が、球形から浮力により楕円形状になっていき、気泡Kの体積がある一定量を超えると重力方向の気泡径に変化が無くなり、横方向にのみ気泡Kが広がっていく現象がみられる。この重力方向の気泡径に変化が無くなったときの距離(矢印Yで示す距離)を、重力方向の最大気泡成長径と呼ぶ。
この図19に示す比較例のように、流路板154、156の板厚で決まる気液分離室131、132の高さHが、矢印Yで示す重力方向の最大気泡成長径より大きい場合には、気体混合液体の液体が下側にある気体抽出材134、135の全面を覆ってしまって気体の流出が無くなる。そして、上側にある液体抽出材133を液体が通過すると、同じ液体抽出材133の表面に気泡Kが付着して成長し、ついには、重力方向の最大気泡成長径Yの膜厚の気泡膜が液体抽出材133を覆い、液体の排出も停止し、気液分離機能を失う。
これに対して、図18に示すように、気液分離室131、132の高さHが矢印Yで示す重力方向の最大気泡成長径以下になるように流路板154、156の板厚を決定した場合には、液体抽出材133の表面に気泡が成長して最大気泡成長径に達する前に気体抽出材134、135に気泡Kが接触するので、気体抽出材134、135が気泡Kを吸着して吸収し、気体流出流路136、137に排出されるため、気体抽出材134、135が重力方向の下側になるという最悪のケースにおいても気液分離機能を正常に動作させることができる。
この重力方向の最大気泡高さYは、図4に示すごとく、液体の表面張力に依存し、74mN/mの純水の場合で約6ミリメートル、約23mN/mのメタノール、エタノール、アセトンの場合で約3ミリメートルである。すなわち、気液分離室131、132の高さHは、使用液体の表面張力により限界値が異なることになる。
従って、液体が水の場合は、気液分離室131、132の高さHを6ミリメートル以下に、メタノール水溶液の場合は約3ミリメートル以下にすると、気液分離器L1、L2の姿勢が横転したり逆転したりした状態においても確実に気体混合液体から気体と液体とを分離する機能を失うことなく動作させることができる。
さらに、上記実施の形態では、気液分離器L1、L2を複数枚の流路板151〜159を積層して構成したことによって小型、薄型が可能で、携帯機器用の燃料電池として特に好適に使用できる。
また、上記実施の形態においては、気液分離器L1、L2を燃料電池の構成要素部品として用いた場合を述べたが、これに限るものではなく、気体混合液体が双方向に流れるものに対して、良好に気液分離を行うことができ、医療用輸液の気液分離やマイクロ化学分析システムなどにも好適に使用できる。
本発明の気液分離器は、燃料電池における気液分離や、医療用機械器具の輸液ポンプにおける気液分離、マイクロ化学分析システムにおける気液分離などに好適に使用できる。
本発明の実施の形態1における気液分離器の断面図 同実施の形態の分解斜視図 同実施の形態における気液分離器の気液分離室内の高さが重力方向最大気泡成長径以下にしてある場合の動作を示す断面図 同実施の形態および実施の形態5の液体の表面張力と重力方向最大気泡成長径の関係を示す図 気液分離室内の高さが高い場合の比較例を示す断面図 本発明の実施の形態2における気液分離器の断面図 同実施の形態の分解斜視図 本発明の実施の形態3における気液分離器の断面図 同実施の形態の分解斜視図 本発明の実施の形態4における気液分離器の断面図 同実施の形態の分解斜視図 本発明の実施の形態5に係る燃料電池の構成を概略的に示す図 同燃料電池の第1,第2の燃料タンクの平面図 燃料タンクの要部拡大断面図 本発明の実施の形態5に係る気液分離器の燃料タンク側から気体混合液体が流れてきた場合を示す断面図 同気液分離器の燃料供給流路側から気体混合液体が流れてきた場合を示す断面図 同気液分離器の分解斜視図 同実施の形態5における気液分離器の気液分離室内の高さが重力方向最大気泡成長径以下にしてある場合の動作を示す断面図 気液分離室内の高さが高い場合の比較例を示す断面図 燃料電池の発電システムを説明するセルの拡大断面図
符号の説明
1 第5の流路板
2 液体流出路
2A 液体室用切欠部
2B 液体流出用切欠部
3 第4の流路板
4 液体抽出材
4A 液体抽出膜
4B 液体抽出材
5 第2の流路板
6 流入路
6A 流入用切欠部
6B 分離室用切欠部
6C 液体流出用切欠部
7 第1の流路板
7A,7B 第1,第2の分離室ブロック
8 気液分離室
9 気体抽出材
9A 気体抽出膜
9B 気体抽出材
10 第3の流路板
10B 第1の流路板
11 気体流出路
11A 気体室用切欠部
11B 気体流出用切欠部
11C 気体室用切欠部
11D 気体流出用切欠部
12 第6の流路板
12B 第3の流路板
13 第7の流路板
13B 第4の流路板
14 気液分離室の高さ
15 気泡
16 重力方向の最大気泡膜成長高さ
18 第1の側板
19 第2の側板
101 セル
102 固体電解質膜
103,104 電極触媒層
107 燃料極
108 空気極
116 第1の燃料供給流路
117 第2の燃料供給流路
125 コントローラ
131 第1の気液分離室
132 第2の気液分離室
133 液体抽出材
134 第1の気体抽出材
135 第2の気体抽出材
136 第1の気体流路
137 第2の気体流路
151〜159 流路板
AP 空気ポンプ(第1、第2の送り手段)
B1 バッファタンク
C1 第1の燃料タンク
C2 第2の燃料タンク
C3 水貯蔵タンク
C4 メタノール貯蔵容器
C5 余剰水タンク
L1 第1の気液分離器
L2 第2の気液分離器
H 気液分離室の高さ
P 第1の、第2のセンサ
V1〜V11 バルブ
Y 重力方向の最大気泡成長径

Claims (19)

  1. 気体が混入した気体混合液体を受け入れて気体と液体とに気液分離する気液分離器であって、
    前記液体を通過させて前記気体の通過を規制する液体抽出材と前記気体を通過させて前記液体の通過を規制する気体抽出材との間に前記気体混合液体を送り込んで気液分離する気液分離室を備え、
    気液分離室の高さを、前記液体の表面張力に依存する重力方向の最大気泡成長径以下に設定した
    気液分離器。
  2. 前記液体抽出材が、多孔質ガラス、又は親水性処理を行った多孔質ポリテトラフルオロエチレンの板若しくは膜である
    請求項1記載の気液分離器。
  3. 前記気体抽出材が、多孔質ガラスを基材として孔部を含む基材表面にフッ素等の撥水性ポリマーを付与した材料、又はフッ素系基材に多孔処理を行って製造した材料、又は多孔質ポリテトラフルオロエチレンの板若しくは膜である
    請求項1記載の気液分離器。
  4. 前記気体抽出材および前記液体抽出材の少なくとも一方に、補強用多孔板が密接して配置されている
    請求項1記載の気液分離器。
  5. 前記気液分離室が、
    少なくとも、前記液体抽出材と気体抽出材とのうちの一方の抽出材を配置した特定壁と、前記液体抽出材と前記気体抽出材とのうちの他方の抽出材を前記特定壁に対向する壁面に配置した対向壁とを含む複数の壁で形成され、
    前記気液分離室の高さが、前記特定壁と前記対向壁との間隔の最大距離である
    請求項1記載の気液分離器。
  6. 前記気液分離室が、
    少なくとも、前記液体抽出材と気体抽出材のうちの一方の抽出材を配置した特定壁と、前記特定壁に対向する対向壁と、前記液体抽出材と前記気体抽出材とのうちの他方の抽出材を前記特定壁と前記対向壁の間に配置した側壁とを含む複数の壁で形成され、
    前記気液分離室の高さが、前記特定壁と前記対向壁との間隔の最大距離である
    請求項1記載の気液分離器。
  7. 気体が混入した気体混合液体を受け入れて気体と液体に分離する気液分離器であって、
    気体混合液体が流入する流入用切欠部とこの流入用切欠部に連接され流入した前記気体混合液体を貯留する分離室用切欠部が形成された第1の流路板と、
    第1の流路板の面に当接して設けられ前記流入用切欠部の片面を閉塞すると共に前記分離室用切欠部の片面に対応する位置には前記液体を通過させて前記気体の通過を規制する液体抽出材が取り付けられた第2の流路板と、
    第1の流路板の面に当接して設けられ前記流入用切欠部の他方の面を閉塞すると共に前記分離室用切欠部の片面に対応する位置に前記気体を通過させて前記液体の通過を規制する気体抽出材が取り付けられた第3の流路板と、
    前記第2の流路板に一方の面を当接して設けられ前記液体抽出材によって分離抽出された液体を貯留する液体室用切欠部とこの液体室用切欠部に連接され前記分離抽出された液体が流れる液体流出用切欠部が形成された第4の流路板と、
    前記第4の流路板の他方の面に当接して設けられ前記液体室用切欠部と液体流出用切欠部との開口を閉塞する第5の流路板と、
    前記第3の流路板に一方の面を当接して設けられ前記気体抽出材によって分離抽出された気体を貯留する気体室用切欠部とこの気体室用切欠部に連接され前記分離抽出された気体が流れる気体流出用切欠部が形成された第6の流路板と、
    前記第5の流路板の他方の面に当接して設けられ前記気体室用切欠部と気体流出用切欠部との開口を閉塞する第7の流路板と
    を備えた気液分離器。
  8. 前記第1の流路板の厚みを、
    前記液体の表面張力に依存する重力方向の最大気泡成長径以下に設定した
    請求項7記載の気液分離器。
  9. 前記分離室用切欠部の開口を覆う大きさで前記液体を通過させて前記気体の通過を規制する液体抽出膜を、前記第2の流路板に代わって、前記第1の流路板と前記第4の流路板とで挟持した
    請求項7又は8記載の気液分離器。
  10. 前記分離室用切欠部の開口を覆う大きさで前記気体を通過させて前記液体の通過を規制する気体抽出膜を、前記第3の流路板に代わって、前記第1の流路板と前記第6の流路板とで挟持した
    請求項7又は8記載の気液分離器。
  11. 前記第4の流路板と前記第5の流路板とを一体に形成した
    請求項7又は8記載の気液分離器。
  12. 前記第6の流路板と前記第7の流路板とを一体に形成した
    請求項7又は8記載の気液分離器。
  13. 気体が混入した気体混合液体を受け入れて気体と液体とに気液分離する気液分離器であって、
    前記液体を通過させて前記気体の通過を規制する液体抽出材と前記気体を通過させて前記液体の通過を規制する気体抽出材との間に前記気体混合液体を送り込んで気液分離する気液分離室を備え、
    前記気液分離室の高さ方向の一方の特定壁に、前記液体を通過させて前記気体の通過を規制する液体抽出材と前記気体を通過させて前記液体の通過を規制する気体抽出材とのうちの一方の抽出材を配置し、
    前記液体抽出材と前記気体抽出材とのうちの他方の抽出材を前記特定壁に隣接する壁面に前記気液分離室の高さ方向の他方の特定壁まで配置し、前記気液分離室の高さを、前記液体の表面張力に依存する重力方向の最大気泡成長径以下に設定した
    気液分離器。
  14. 水と気体との気体混合液体を気液分離室に受け入れて気体と液体とに気液分離する気液分離器であって、前記気液分離室の高さを6ミリメートル以下にした
    請求項1、7、13の何れか1項に記載の気液分離器。
  15. メタノール水溶液と気体との気体混合液体を気液分離室に受け入れて気体と液体とに気液分離する気液分離器であって、前記気液分離室の高さを3ミリメートル以下にした
    請求項1、7、13の何れか1項に記載の気液分離器。
  16. 液体に気体が混入した気体混合液体を受け入れて気体と液体とに気液分離する気液分離器であって、
    気体混合液体が供給される第1、第2の気液分離室と、
    前記第1の気液分離室と前記第2の気液分離室との間に介装され、液体を通過させる一方、気体の通過を規制する液体抽出材と、
    前記第1の気液分離室に臨んで配設され、気体を第1の気体流路に通過させる一方、液体の通過を規制する第1の気体抽出材と、
    前記第2の気液分離室に臨んで配設され、気体を第2の気体流路に通過させる一方、液体の通過を規制する第2の気体抽出材と
    を備えた気液分離器。
  17. 第1の気液分離室における第1の気体抽出材に臨む箇所の高さと、第2の気液分離室における第2の気体抽出材に臨む箇所の高さとを、液体の表面張力に依存する重力方向の最大気泡成長径以下に設定した
    請求項16記載の気液分離器。
  18. 請求項16又は17に記載の第1、第2の気液分離器と、
    燃料極と空気極とを有するセルと、
    液体燃料を溜める第1、第2の燃料タンクと、
    第1の燃料タンクの液体燃料を燃料極側へ送り出す第1の送り手段と、
    第2の燃料タンクの液体燃料を燃料極側へ送り出す第2の送り手段と
    を備え、
    燃料極を介して第1の燃料タンクと第2の燃料タンクとの間で双方向に液体燃料を供給するように配設し、
    燃料極と第1の燃料タンクとの間に第1の気液分離器を介装させ、
    燃料極と第2の燃料タンクとの間に第2の気液分離器を介装させた
    燃料電池。
  19. 第1の燃料タンク内の液体燃料の量を検知する第1のセンサと、
    第1の燃料タンク内の液体燃料の量を検知する第2のセンサと、
    前記第1の燃料タンクから燃料極を介して第2の燃料タンク側へ液体燃料を供給している場合において前記第1のセンサにより第1の燃料タンク内の液体燃料の減少を検知した際に、第1の燃料タンクからの液体燃料の供給動作を停止し、第2の燃料タンクからの液体燃料の供給動作を開始させるように制御し、前記第2の燃料タンクから燃料極を介して第1の燃料タンク側へ液体燃料を供給している場合において前記第2のセンサにより第2の燃料タンク内の液体燃料の減少を検知した際に、第2の燃料タンクからの液体燃料の供給動作を停止し、第1の燃料タンクからの液体燃料の供給動作を開始させように制御するコントローラと
    を設けた請求項18記載の燃料電池。
JP2004192360A 2003-07-22 2004-06-30 気液分離器および燃料電池 Pending JP2005238217A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004192360A JP2005238217A (ja) 2003-07-22 2004-06-30 気液分離器および燃料電池

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003277194 2003-07-22
JP2004022329 2004-01-30
JP2004192360A JP2005238217A (ja) 2003-07-22 2004-06-30 気液分離器および燃料電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005238217A true JP2005238217A (ja) 2005-09-08

Family

ID=35020510

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004192360A Pending JP2005238217A (ja) 2003-07-22 2004-06-30 気液分離器および燃料電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005238217A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007005294A (ja) * 2005-06-24 2007-01-11 Samsung Sdi Co Ltd 気液分離装置
WO2007060866A1 (ja) * 2005-11-22 2007-05-31 Nec Corporation 気液分離装置及び液体供給型燃料電池
JP2007214103A (ja) * 2006-02-07 2007-08-23 Samsung Sdi Co Ltd 直接液体燃料電池の気液分離装置
JP2007273167A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Toshiba Corp 燃料電池
US7858246B2 (en) 2007-02-26 2010-12-28 Kabushiki Kaisha Toshiba Gas-liquid separation system and fuel cell system
WO2012001839A1 (ja) * 2010-06-29 2012-01-05 パナソニック株式会社 直接酸化型燃料電池システム
CN108371846A (zh) * 2018-03-30 2018-08-07 张维国 气液分离装置

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007005294A (ja) * 2005-06-24 2007-01-11 Samsung Sdi Co Ltd 気液分離装置
JP4575329B2 (ja) * 2005-06-24 2010-11-04 三星エスディアイ株式会社 気液分離装置
WO2007060866A1 (ja) * 2005-11-22 2007-05-31 Nec Corporation 気液分離装置及び液体供給型燃料電池
JP2007214103A (ja) * 2006-02-07 2007-08-23 Samsung Sdi Co Ltd 直接液体燃料電池の気液分離装置
JP4563344B2 (ja) * 2006-02-07 2010-10-13 三星エスディアイ株式会社 直接液体燃料電池の気液分離装置
JP2007273167A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Toshiba Corp 燃料電池
US7858246B2 (en) 2007-02-26 2010-12-28 Kabushiki Kaisha Toshiba Gas-liquid separation system and fuel cell system
WO2012001839A1 (ja) * 2010-06-29 2012-01-05 パナソニック株式会社 直接酸化型燃料電池システム
JPWO2012001839A1 (ja) * 2010-06-29 2013-08-22 パナソニック株式会社 直接酸化型燃料電池システム
CN108371846A (zh) * 2018-03-30 2018-08-07 张维国 气液分离装置
CN108371846B (zh) * 2018-03-30 2023-09-26 江苏新凯晟机械设备有限公司 气液分离装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5319056B2 (ja) 燃料電池システム
WO2006106884A1 (ja) 電気浸透流ポンプ及び液体供給装置
US7858246B2 (en) Gas-liquid separation system and fuel cell system
US20080241618A1 (en) Fuel cell
KR101096303B1 (ko) 연료 전지 발전 시스템 및 그 제조 방법
JP2005238217A (ja) 気液分離器および燃料電池
EP1840998A2 (en) Fuel cell system
JP2008235051A (ja) 気液分離装置
JP4285518B2 (ja) 接続構造体、流路制御部、燃料電池型発電装置及び電子機器
JP4234944B2 (ja) 燃料電池
US20070154768A1 (en) Fuel cartridge for fuel cell and fuel cell using the same
KR102501721B1 (ko) 수전해 장치
JP2010009855A (ja) 燃料電池装置
JP4893195B2 (ja) 送液装置の接続構造体、燃料電池型発電装置及び電子機器
JP5061666B2 (ja) 送液装置、燃料電池型発電装置、及び電子機器
US20080206620A1 (en) Gas-liquid separation system and fuel cell system
JP2009076258A (ja) 燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法
JP2006147455A (ja) 燃料電池システム用バルブおよび燃料電池システム
US10559837B2 (en) Fluid control valve
US20090169965A1 (en) Gas-liquid separating apparatus and liquid supply type fuel cell
JP2021077481A (ja) 気液分離器
JP2005222823A (ja) 燃料電池発電方法
JP2009080964A (ja) 燃料電池
KR102325399B1 (ko) 분리막 모듈의 압력 제어 시스템 및 그의 압력 제어 방법
JP2005166355A (ja) 燃料電池システム

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070123

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070206

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070717