JP2008223552A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高耐久性のバルブタイミング調整装置の提供。
【解決手段】出力軸としてのモータ軸102とモータ軸102を支持する支持部材としてのハウジング100とを有し、モータ軸102から制御トルクを出力するトルク出力手段としての電動モータ4、モータ軸102と共に回転する入力軸としての遊星キャリア32を有し、遊星キャリア32へ入力される制御トルクに応じてクランク軸及びカム軸2間の相対位相を調整する位相調整機構8、軸方向に沿ってハウジング100を貫通して外周側にクリアランスを形成する軸部120と軸部120よりも大径の頭部122とを有し、ハウジング100を軸方向に挟んで頭部122と反対側にて軸部120が内燃機関に固定される固定部材としての螺子部材124、頭部122及び内燃機関の間にハウジング100と共に挟持される弾性部材140を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置に関する。
従来、電動モータや電動ブレーキ等のトルク出力手段から出力される制御トルクを利用して、バルブタイミングを決めるクランク軸及びカム軸の間の相対位相(以下、「機関位相」という)を調整するバルブタイミング調整装置が知られている。この種のバルブタイミング調整装置としては、トルク出力手段の出力軸と位相調整機構の入力軸とを連結し、出力軸から入力軸へ入力される制御トルクに応じて位相調整機構により機関位相を調整するようにしたものが、特許文献1に開示されている。
さて、特許文献1に開示の装置では、トルク出力手段の出力軸及び位相調整機構の入力軸間を継手機構により接続している。具体的に、この継手機構は、出力軸が軸方向に沿って挿入されると共に入力軸に嵌合連結されるI字状部材に対して、出力軸に固定されたピン状部材を入力軸及び出力軸(以下、それらの軸をまとめて「入出力軸」ともいう)の径方向に沿って挿入してなる。ここで、出力軸が挿入されるI字状部材の挿入孔及び出力軸の間と、ピン状部材が挿入されるI字状部材の挿入孔及びピン状部材の間には、クリアランスが形成される。
このような構成により、特許文献1に開示の装置では、I字状部材の挿入孔及び出力軸間のクリアランス分、I字状部材に嵌合連結する入力軸の出力軸に対する相対変位が径方向において許容される。また同様に、I字状部材の挿入孔及び出力軸間のクリアランス分、I字状部材に嵌合連結する入力軸の出力軸に対する相対傾きが許容される。故に、入出力軸間を接続するための組付時やその後の作動時においては、それら入出力軸間の径方向の位置ずれ(以下、「軸ずれ」という)及び傾きを吸収することができる。したがって、入出力軸に発生する応力が緩和されて、耐久性が高くなるのである。
特開2004−003419号公報
しかし、上述した特許文献1に開示の装置の場合、位相調整機構を駆動する上では比較的大きな制御トルクが求められるため、I字状部材や出力軸を径方向に可及的に大きく形成して強度を高めることが必要となる。故に、I字状部材の挿入孔及び出力軸間のクリアランスサイズには制限が生じてしまい、そのことが、入出力軸間の軸ずれ及び傾きの吸収効果を高める上でネックとなっていた。また、クリアランスサイズの制限下、組付時の静的な軸ずれに作動時の動的な軸ずれが加わるような場合には、当該動的軸ずれについての吸収代を十分に確保し得なくなるおそれもあった。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、高耐久性のバルブタイミング調整装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、クランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方のバルブタイミングを調整する内燃機関のバルブタイミング調整装置であって、出力軸と、出力軸を回転自在に支持する支持部材とを有し、出力軸から制御トルクを出力するトルク出力手段と、出力軸と共に回転する入力軸を有し、出力軸から入力軸へ入力される制御トルクに応じて機関位相を調整する位相調整機構と、入出力軸の軸方向(以下、解決手段の欄では単に「軸方向」という)に沿って支持部材を貫通して外周側の支持部材との間にクリアランスを形成する軸部と、軸部よりも大径の頭部とを有し、支持部材を軸方向に挟んで頭部と反対側において軸部が内燃機関に固定される固定部材と、この固定部材の頭部及び内燃機関の間に支持部材と共に挟持される弾性部材とを備えることを特徴とする。
このようば請求項1に記載の発明によると、軸方向に沿って貫通した外周側の支持部材との間にクリアランスを形成する軸部及びそれよりも大径の頭部を有する固定部材は、支持部材を軸方向に挟んで頭部と反対側において軸部が内燃機関に固定される。それに加えて、固定部材の頭部及び内燃機関の間には弾性部材が支持部材と共に挟持されるので、出力軸を支持する支持部材は、弾性部材を弾性変形させつつ、内燃機関に対して入出力軸の径方向(以下、解決手段の欄では単に「径方向」という)に相対変位可能且つ相対傾き可能となる。したがって、弾性部材が弾性変形しつつ支持部材が内燃機関に対して径方向に相対変位する又は相対傾きすることによれば、共に回転する入出力軸間の軸ずれ又は傾き自体を抑えることができるので、それら入出力軸に発生する応力が緩和される。しかも、そうした支持部材の相対変位や相対傾きを許容するクリアランスについては、それを間に形成する固定部材や支持部材の設計自由度が比較的高いことにより、サイズの制限を受け難い。これによれば、内燃機関に対する支持部材の径方向相対変位及び相対傾きが制限され難くなるので、入出力軸における発生応力の緩和作用を発揮して耐久性を高めることができる。
請求項2に記載の発明によると、位相調整機構は、クランク軸と連動して回転する第一回転体と、カム軸と連動して回転する第二回転体と、第一回転体及び第二回転体のうち少なくとも一方に設けられた歯車部に噛合しつつ遊星運動することにより機関位相を変化させる遊星歯車と、遊星歯車を遊星運動自在に支持する入力軸としての遊星キャリアとを有する。このような構成の位相調整機構は、第一回転体及び第二回転体がクランク軸及びカム軸とそれぞれ連動して回転するのに伴い、当該機構全体として首振り運動するおそれがある。しかし、内燃機関に対して支持部材が径方向相対変位する又は相対傾きすることによれば、位相調整機構の首振り運動を吸収して入出力軸間の軸ずれ又は傾きを抑えることができる。
請求項3に記載の発明によると、第一回転体は、クランク軸との間に環状のトルク伝達部材が掛け渡されてクランク軸からトルク伝達されることにより回転する。これによれば、トルク伝達部材を通じたトルク伝達により第一回転体が回転することで、位相調整機構が首振り運動し易くなるが、当該首振り運動は吸収されるため、入出力軸間の軸ずれ及び傾きについては生じ難くなるのである。
請求項4に記載の発明によると、支持部材は、固定部材の軸部が貫通し当該固定部材の頭部及び内燃機関の間に弾性部材と共に挟持される本体部と、内輪が出力軸に固定されると共に外輪が当該本体部により係止される転がり軸受部とを有する。このような構成では、入出力軸が共に軸ずれする又は共に傾くと、内輪が出力軸に固定の転がり軸受部の外輪を係止する本体部も、当該軸ずれ又は傾きに応じた動きをする。こうした本体部の動きは、本体部及びそれを貫通する軸部の間のクリアランス、並びに頭部及び内燃機関の間に本体部と共に挟持される弾性部材の作用によって許容されるので、入出力軸間では、軸ずれ及び傾きが抑えられることになる。
請求項5に記載の発明によると、固定部材において頭部に隣接する軸部は、内燃機関に挿着される挿着部と、挿着部に隣接し頭部側から内燃機関に係合する係合部とが設けられてなる。この構成では、支持部材と共に弾性部材を挟持する頭部及び内燃機関の間の距離は、頭部及び内燃機関に係合する係合部の間における軸部の長さに対して、実質的に等しくなる。これによれば、軸部及び内燃機関の間において弾性部材を弾性変形可能に挟持するためのスペースを適正に確保して、内燃機関に対する支持部材の径方向相対変位及び相対傾きを確実に許容することができる。したがって、入出力軸間における軸ずれ及び傾きの抑制作用を十分に発揮させることができるのである。
請求項6に記載の発明によると、固定部材は、係合部に隣接する挿着部が内燃機関に螺合する螺子部材である。これによれば、螺子部材の堅締めにより係合部が内燃機関に係合するまで挿着部を内燃機関に螺合させることで、固定強度を確保すると同時に、頭部及び内燃機関の間に適正な距離を確保することもできるのである。
請求項7に記載の発明によると、固定部材の軸部は、弾性部材を貫通する。これによれば、支持部材を貫通する軸部が弾性部材も貫通した状態となるので、固定部材を介して弾性部材を支持部材に留めておくことができる。その結果、弾性部材の離脱が防止されるので、入出力軸間の軸ずれ及び傾きの抑制作用、ひいては耐久性の向上効果を長期に亘って享受することができる。
請求項8に記載の発明は、複数の固定部材と、各固定部材の軸部が個別に貫通する複数の弾性部材とを備える。これによれば、各固定部材の配設箇所に応じて適切な形態の弾性部材を使用することで最大効果を得ることが可能となる。
請求項9に記載の発明によると、複数の固定部材と、各固定部材の軸部が貫通する、それら固定部材に共通の弾性部材とを備える。これによれば、部品点数が少なくなるので、組立性が向上する。
請求項10に記載の発明によると、位相調整機構は、支持部材よりも内燃機関側に設けられ、弾性部材は、支持部材よりも頭部側に設けらる。これによれば、支持部材を挟んで内燃機関及び位相調整機構と反対側に可及的に大きなスペースを確保した状態で、当該スペースにて弾性部材を頭部及び支持部材の間に挟持させることが可能になるので、弾性部材の組付が容易となる。
請求項11に記載の発明によると、弾性部材は、支持部材よりも内燃機関側に設けられる。これによれば、支持部材及び内燃機関の間に弾性部材が挟持されることになるので、内燃機関に対して支持部材が相対変位又は相対傾きして衝突することや、そうした支持部材の相対変位又は相対傾きにより振動が発生して内燃機関へ伝播することを抑制できる。したがって、支持部材の動きに起因する内燃機関への影響を低減することが可能となる。
尚、弾性部材は、例えば請求項12に記載の発明のように、弾性を有し固定部材の軸部が貫通する座金部材であってもよいし、請求項13に記載の発明のように、ゴム部材であってもよい。
請求項14に記載の発明は、固定部材の軸部が軸方向に沿って貫通する弾性部材としてのゴム部材に対し、当該ゴム部材を挟んで軸部と反対側から当接する当接部材を備える。このような請求項14に記載の発明によると、軸方向において頭部及び内燃機関の間に挟持されると共に軸部が貫通するゴム部材は、自身の弾性変形により、軸部と反対側となる外周側へ膨出し易くなるが、当該反対側から当接部材が当接することにより、膨出を規制される。この膨出規制によれば、ゴム部材が過度な弾性変形によってへたることを抑制できるのである。
請求項15に記載の発明によると、当接部材は、固定部材の頭部及び内燃機関の間に支持部材及び弾性部材としてのゴム部材と共に挟持され、固定部材の軸部が貫通する挟持部を有する。これによれば、頭部及び内燃機関の間に挟持されると共に軸部が貫通する当接部材の離脱が防止されるので、ゴム部材の膨出規制作用、ひいてはゴム部材のへたり抑制効果を長期に亘って享受することができる。
請求項16に記載の発明によると、入力軸及び出力軸の間を接続する継手機構を備え、この継手機構は、軸方向に沿って出力軸が挿入されて出力軸の外周側にクリアランスを形成する第一挿入孔が設けられると共に、入力軸に連結される第一継手部材と、出力軸及び第一継手部材のうち一方に設けられた第二挿入孔に径方向に沿って挿入されて外周側の第二挿入孔との間にクリアランスを形成すると共に、出力軸及び第一継手部材のうち他方に固定される第二継手部材とを有する。このような継手機構によれば、第一継手部材の第一挿入孔及び出力軸間のクリアランス分、第一継手部材に連結する入力軸の出力軸に対する径方向相対変位及び相対傾きを許容することができる。これによれば、継手機構の作用によって入出力軸間の軸ずれ及び傾きを吸収しつつ、吸収し切れない分については、支持部材及び軸部間のクリアランス並びに頭部及び内燃機関間の弾性部材の作用によって抑えることができる。したがって、より高い耐久性の実現が可能となるのである。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置1を示している。バルブタイミング調整装置1は車両に搭載され、内燃機関のクランク軸(図示しない)からカム軸2へ機関トルクを伝達する伝達系に設置されている。バルブタイミング調整装置1は電動モータ4、通電制御系6及び位相調整機構8を組み合わせてなり、クランク軸及びカム軸2間の機関位相によって決まるバルブタイミングを調整する。尚、本実施形態においてカム軸2は内燃機関の吸気弁を開閉するものであり、バルブタイミング調整装置1は当該吸気弁のバルブタイミングを調整する。
電動モータ4は例えばブラシレスモータ等であり、モータハウジング100、モータ軸102及びモータステータ103を備えている。
モータハウジング100は、ハウジング本体110及び転がり軸受112,113等から構成されている。ハウジング本体110は、共にカップ状を呈するステータフレーム114及びドライバフレーム115の開口部間に、概して板状の中間フレーム116を挟持させてなる。これらフレーム114〜116は互いの重なり部分によって取付部118を形成しており、当該取付部118によってハウジング本体110が内燃機関の固定節119(例えばチェーンケース)に取り付けられている。図2に示すように本実施形態のハウジング本体110には、後述するモータ軸102の回転方向において略等間隔をあけた三箇所にそれぞれ取付部118が設けられている。
図1に示すように転がり軸受112,113は、それぞれハウジング本体110のステータ及び中間フレーム114,116に固定されている。これら転がり軸受112,113は互いに共同して、モータ軸102の円柱状の出力部104を支持している。この支持によりモータ軸102は、図3の方向X,Yへ正逆回転自在となっている。
図1,3に示すように、モータ軸102のロータ部105は出力部104から外周側へ突出する円板状を呈しており、ステータフレーム114内に収容されている。ロータ部105には、モータ軸102の回転方向に複数並ぶ形態で永久磁石106が固定されている。各永久磁石106は、ロータ部105の外周壁107側に形成する磁極の極性がモータ軸102の回転方向で交互に相反するように、設けられている。
モータステータ103はロータ部105の外周側に同心的に設けられ、ハウジング本体110のステータフレーム114内に収容固定されている。モータステータ103は、コア108及びコイル109を有している。コア108は鉄片を積層して形成され、モータ軸102の回転方向に複数設けられている。各コア108には、それぞれ個別にコイル109が巻装されている。
図1に示すように通電制御系6は、電動モータ4を通電駆動するドライバ回路6aと、当該回路6aを制御する制御回路6bとを備えている。本実施形態において、ドライバ回路6aはハウジング本体110のドライバフレーム115内に収容固定され、制御回路6bはハウジング本体110外に配設されているが、それら回路6a,6bの配設形態については、仕様等に応じて適宜設定可能である。ドライバ回路6aは制御回路6b及び電動モータ4の各コイル109に電気的に接続されており、それらコイル109への通電を制御回路6bからの指令に従って制御する。
したがって、ドライバ回路6aからの通電に応じて電動モータ4は、各永久磁石106へ作用させる回転磁界を各コイル109の励磁によって形成することにより、当該回転磁界に従う方向X,Y(図3参照)の制御トルクをモータ軸102に発生させる。その結果、モータ軸102が回転駆動されて、当該モータ軸102から位相調整機構8へ制御トルクが与えられることとなる。
図1に示すように位相調整機構8は、電動モータ4よりも内燃機関のカム軸2側に配設されている。位相調整機構8は、駆動側回転体10、従動側回転体18、遊星歯車機構部30及びリンク機構部50を備えている。
図1,4に示すように、駆動側回転体10は全体として中空形状であり、遊星歯車機構部30、リンク機構部50等を収容している。駆動側回転体10は、二段円筒状のスプロケット11の大径側端部に二段円筒状のカバー12の大径側端部を同軸上に螺子止めしてなる。スプロケット11は複数の歯16を有しており、これらの歯16とクランク軸の複数の歯との間において環状のタイミングチェーン13が掛け渡される。したがって、クランク軸から出力された機関トルクがタイミングチェーン13を通じてスプロケット11へ伝達されるときには、駆動側回転体10がクランク軸と連動して、当該クランク軸との間の相対位相を保ちつつ回転する。このとき駆動側回転体10の回転方向は、図4の時計方向となる。
図1,4に示すように従動側回転体18は、軸部17及び一対の連繋部19を有している。円筒状の軸部17は、駆動側回転体10と同心的に配置されている。軸部17の一端部は、スプロケット11の内周側に摺動回転自在に嵌合していると共に、同軸上のカム軸2の一端部にボルト固定されている。これにより従動側回転体18は、カム軸2と連動して当該カム軸2との間の相対位相を保ちつつ回転可能となっており、また駆動側回転体10に対して相対回転可能となっている。尚、駆動側回転体10に対して従動側回転体18が進角する相対回転方向が図4の方向Xであり、駆動側回転体10に対して従動側回転体18が遅角する相対回転方向が図4の方向Yである。
図1,4に示すように各連繋部19は、軸部17を径方向に挟む二箇所から外周側へ突出する平板状にそれぞれ形成されている。
図1,5に示すように遊星歯車機構部30は、太陽歯車31、遊星キャリア32、遊星歯車33及び案内回転体34等から構成されている。
外歯車からなる太陽歯車31は、カバー12に同心的にリベットかしめされて駆動側回転体10の一部としても機能する。即ち、太陽歯車31はクランク軸と連動して、当該クランク軸との間の相対位相を保ちつつ回転する。
全体として筒状の遊星キャリア32は、駆動側回転体10及びモータ軸102と同心的な内周壁部により入力部35を形成している。入力部35には一対の溝部36が開口しており、それら溝部36と嵌合する継手機構37を介して遊星キャリア32がモータ軸102の出力部104と機械的に接続されている。これにより遊星キャリア32は、出力部104から入力部35へ制御トルクを入力するモータ軸102と共に回転可能となっており、また回転体10,18に対して相対回転可能となっている。
遊星キャリア32はさらに、駆動側回転体10及び太陽歯車31に対して偏心する外周壁部により偏心部38を有している。
遊星歯車33は、太陽歯車31よりも歯数が所定数だけ多い内歯車部39を有している。遊星歯車33は、太陽歯車31の外周側に内歯車部39が位置するようにして太陽歯車31に対し偏心して配置され、当該偏心側とは反対側にて内歯車部39を太陽歯車31に噛合させている。遊星歯車33は、遊星キャリア32の偏心部38に転がり軸受40を介して嵌合している。これにより遊星歯車33は、遊星キャリア32によって遊星運動自在に支持されている。ここで遊星運動とは、遊星歯車33が太陽歯車31に対する偏心軸線周りに自転しつつ、遊星キャリア32の回転方向へ公転する運動をいう。
図1,6に示すように、案内回転体34は円環板状に形成され、回転体10,18と同心的に且つ遊星歯車33に対しては偏心して配置されている。案内回転体34は、軸部17の外周側に摺動回転自在に嵌合している。これにより案内回転体34は、回転体10,18に対して相対回転可能となっている。
図1,5に示すように案内回転体34は、回転方向へ等間隔をあけた複数箇所に円筒孔状の係合孔48を有している。また、それに対応して遊星歯車33は、自転方向(本実施形態では、遊星歯車33の周方向と一致する)に等間隔をあけた複数箇所に柱状の係合突起49を有している。各係合突起49は、それぞれ対応する係合孔48に個別に遊挿されて係合する。案内回転体34は、各係合孔48への各係合突起49の係合により遊星歯車33の自転運動を抽出して、当該自転運動に応じた回転運動を実現する。
こうした構成の遊星歯車機構部30では、駆動側回転体10に対して遊星キャリア32が相対回転しないときには、遊星歯車33が遊星運動することなく駆動側回転体10と共に回転し、各係合突起49が各係合孔48を回転側へ押圧する。その結果、案内回転体34が駆動側回転体10との間の相対位相を保ちつつ、図7の時計方向へ回転する。
制御トルクが方向Xへ増大すること等により駆動側回転体10に対して遊星キャリア32が方向Xへ相対回転するときには、遊星歯車33が太陽歯車31との噛合歯を変えつつ遊星運動することで、各係合突起49が各係合孔48を回転側へ押圧する力が増大する。その結果、駆動側回転体10に対して案内回転体34が方向Xへ相対回転する。
また一方、制御トルクが方向Yへ増大すること等により駆動側回転体10に対して遊星キャリア32が方向Yへ相対回転するときには、遊星歯車33が太陽歯車31との噛合歯を変えつつ遊星運動することで、各係合突起49が各係合孔48を反回転側へ押圧する。その結果、駆動側回転体10に対して案内回転体34が方向Yへ相対回転する。
図1,4,6,7に示すようにリンク機構部50は、一対の第一リンク52、一対の第二リンク53、溝形成部54及び一対の可動体56等から構成されている。尚、図1,4,6は、機関位相が最遅角位相となるときの作動状態を示し、図7は、機関位相が最進角位相となるときの作動状態を示している。また、図4,6,7では、断面を表すハッチングの図示を省略している。
図1,4に示すように各第一リンク52は、それぞれ円弧形の平板状に形成されて軸部17を径方向に挟む二箇所に配置され、スプロケット11の所定箇所に回り対偶によって連繋している。各第二リンク53は、それぞれω字形の平板状に形成されて軸部17を径方向に挟む二箇所に配置され、対応する連繋部19に回り対偶によって連繋し且つ対応する第一リンク52に回り対偶によって連繋している。
図1,6に示すように溝形成部54は、案内回転体34において遊星歯車33とは反対側の端面を含む部分によって形成されている。溝形成部54は、軸部17を径方向に挟む二箇所にそれぞれ案内溝58を形成している。各案内溝58は所定の幅をもって延伸し、当該延伸方向において軸部17の中心からの距離が変化する渦巻形の曲線状を呈している。
図1,4,6に示すように、各可動体56は円柱軸状に形成され、軸部17に対して偏心して配置されている。各可動体56の一端部は柱筒二部材によって形成され、対応する案内溝58内に滑動自在に嵌合している。各可動体56の他端部は、対応する第一リンク52に相対回転自在に嵌合し、各可動体56の中間部は、対応する第二リンク53に圧入固定されている。かかる嵌合及び圧入固定により各可動体56は、リンク52,53に連繋している。
こうした構成のリンク機構部50では、案内回転体34が駆動側回転体10との間の相対位相を保っているときには、各可動体56がそれぞれ案内溝58内を案内されずに案内回転体34と共に回転する。このとき、連繋するリンク52,53同士の相対位置関係は変化しないので、従動側回転体18が駆動側回転体10との間の相対位相を保ちつつ図6,7の時計方向へ回転する。したがって、機関位相が変化せず、バルブタイミングが保持される。
駆動側回転体10に対して案内回転体34が方向Xへ相対回転するときには、各可動体56が案内溝58内を案内されて軸部17側へ変位する。その結果、各第二リンク53が可動体56により押圧されて連繋部19と共に方向Xへ駆動されるため、駆動側回転体10に対して従動側回転体18が方向Xへ相対回転する(図7参照)。したがって、機関位相がクランク軸に対するカム軸2の進角側へ変化し、それに合わせてバルブタイミングが進角する。
また一方、駆動側回転体10に対して案内回転体34が方向Yへ相対回転するときには、各可動体56が案内溝58内を案内されて軸部17とは反対側へ変位する。その結果、各第二リンク53が可動体56により引張られて連繋部19と共に方向Yへ駆動されるため、駆動側回転体10に対して従動側回転体18が方向Yへ相対回転する(図6参照)。したがって、機関位相がクランク軸に対するカム軸2の遅角側へ変化し、それに合わせてバルブタイミングが遅角する。
次に、第一実施形態の特徴部分を説明する。尚、以下の説明では、モータ軸102の出力部104及び遊星キャリア32の入力部35の軸方向を「入出力軸方向」、それらの径方向を「入出力径方向」というものとする。
まず、継手機構37の詳細構成について説明する。図8,9に示すように継手機構37は、二つ継手部材150,160を組み合わせて構成されている。
第一継手部材150は全体としてI字状を呈しており、スリーブ部152及び突部154を一体に有している。スリーブ部152は、入力部35の内周側に同心的に配置されている。スリーブ部152が円筒孔状の内周孔によって形成する遊挿孔156には、円柱状を呈する出力部104の一端部が入出力軸方向に沿って遊挿形態で挿入されている。これにより出力部104の外周側には、遊挿孔156との間においてクリアランス158が形成されている。突部154は、入出力径方向の相反する側へスリーブ部152から突出する形態で、一対設けられている。各突部154は、入出力径方向において互いに向き合う箇所に設けられた入力部35の各溝部36に嵌合連結されている。
第二継手部材160は円柱状のピン部材であり、出力部104及びスリーブ部152を入出力径方向に沿って貫通している。ここで第二継手部材160は、出力部104においてスリーブ部152の内周側箇所に貫通形成された円筒孔状の固定孔164に対しては、圧入固定されている。一方、図9に示すように第二継手部材160は、スリーブ部152において遊挿孔156を挟む二箇所に貫通形成された円筒孔状のガイド孔166,167に対しては、摺動可能に挿入されている。これにより第二継手部材160の外周側には、ガイド孔166,167との間において摺動クリアランス168,169が形成されている。
このような構成の継手機構37では、ガイド孔166,167と第二継手部材160とが相対摺動することにより、出力部104と第一継手部材150とがクリアランス158の範囲で入出力径方向へ相対変位することができる。これによりモータ軸102と遊星キャリア32との間では、互いの軸ずれ及び傾きが最大クリアランス158分、吸収されるようになっている。尚、図9に示すように本実施形態では、偏心部38の偏心方向Deに対して鋭角の範囲(例えば30°)で傾斜する入出力径方向Drに、出力部104及び第一継手部材150の相対変位方向が設定されることで、要素102,32間での軸ずれ及び傾きの吸収作用が高められている。
次に、電動モータ4の特徴的構成について説明する。図10に示すように、モータハウジング100の各転がり軸受112,113は、内輪112a,113aと外輪112b,113bとの間に転動体としての玉112c,113cを挟持してなるラジアル玉軸受である。尚、各転がり軸受112,113としては、転動体がころのラジアルころ軸受を用いてもよい。
各転がり軸受112,113の内輪112a,113aは、入出力軸方向に間隔をあけた二箇所においてモータ軸102の出力部104の外周側に圧入固定されている。一方の転がり軸受112の外輪112bは、ハウジング本体110のステータフレーム114により、入出力軸方向の位相調整機構8側及び入出力径方向の外側(外周側)から係止されている。また、他方の転がり軸受113の外輪113bは、ハウジング本体110の中間フレーム116により、入出力軸方向の位相調整機構8と反対側及び入出力径方向の外側(外周側)から係止されている。
このような構成により電動モータ4では、モータ軸102が軸ずれするような場合には、当該軸ずれに応じてハウジング本体110を入出力径方向に変位させる向きの力が発生する。また、電動モータ4では、モータ軸102が傾くような場合には、当該傾きに応じてハウジング本体110も傾かせる向きに力が発生する。
次に、内燃機関の固定節119に対するハウジング本体110の各取付部118の取付構造について説明する。図1,2に示すように各取付部118は、それぞれ軸部120及び頭部122を有する個別の螺子部材124と、それぞれ個別の弾性部材140とを用いて、互いに共通の固定節119に取り付けられている。尚、各取付部118の取付構造については、互いに実質同一であるので、以下の第一実施形態の説明では、一取付部118の取付構造について言及するものとする。
具体的に取付部118には、図11に示すように、入出力軸方向に沿って貫通する貫通孔126が円筒孔状に形成されている。本実施形態において貫通孔126の大半部分には、入出力軸方向において固定節119と反対側へ向かうほど僅かに大径となるようにテーパが付されている。固定節119には、貫通孔126の小径側端部と向き合う箇所から入出力軸方向に沿って延伸する形態で螺子孔127が形成されており、当該螺子孔127の内周壁に雌螺子が切られている。螺子孔127に対して貫通孔126は大径に形成されており、固定節119において螺子孔127の開口する端面128が貫通孔126内に露出した形となっている。
螺子部材124は、軸部120が頭部122側よりもその反対側において小径となる段付ボルトであり、当該軸部120に円筒部130、挿着部131及び係合部132が形成されている。
円筒部130は、頭部122に隣接して設けられている。本実施形態においてストレートな円柱状を呈する円筒部130は、貫通孔126に遊挿形態で挿入されている。これにより円筒部130は、取付部118を入出力軸方向に沿って貫通しており、当該円筒部130の外周側には、貫通孔126との間においてクリアランス134が形成されている。
円筒部130よりも小径の挿着部131は、係合部132を挟んで円筒部130と反対側に設けられている。挿着部131の外周壁には、螺子孔127の雌螺子に対応した雄螺子が切られている。挿着部131は螺子孔127に螺合形態で挿着されており、それによって軸部120が頭部122と反対側にて固定節119に固定されている。
係合部132は、挿着部131及び円筒部130の間を繋ぐ円環面部により形成されている。即ち係合部132は、挿着部131及び円筒部130の間に隣接して設けられている。螺子孔127に対する螺子部材124の堅締状態において係合部132は、貫通孔126内に露出する固定節119の端面128に頭部122側から係合する。これにより頭部122及び固定節119の間には、入出力軸方向における取付部118の厚さtよりも大きな距離dが確保されている。
以上の各部130〜132を有する軸部120に対し、頭部122は当該軸部120及び貫通孔126の大径側端部よりも大径に形成されている。頭部122は、取付部118を入出力軸方向に挟んで固定節119と反対側に位置しており、上述した距離dが当該固定節119との間に確保されることによって、固定節119に接触した状態の取付部118から離間している。
このような頭部122と固定節119との間には弾性部材140が、取付部118よりも頭部122側において取付部118と共に挟持されている。ここで、本実施形態の弾性部材140は弾性を有する座金部材であって、例えば円環状の波形座金又はC字状のばね座金等である。弾性部材140は、その座金孔142を軸部120の円筒部130が貫通する形態で頭部122及び取付部118の間に配設されている。これにより弾性部材140は、要素122,118間からの離脱を防止されていると共に、取付部118の動きに応じて弾性変形可能となっている。
以上説明した第一実施形態によると、駆動側及び従動側回転体10,18がクランク軸及びカム軸2と連動回転する、特に駆動側回転体10がタイミングチェーン13を通じたトルク伝達により回転するので、位相調整機構8の首振り運動が生じ易い。位相調整機構8が首振り運動する場合、遊星キャリア32及びモータ軸102の間において軸ずれや傾きが生じるおそれがある。こうした要素32,102間での軸ずれ及び傾きは、上述の継手機構37によりクリアランス158の範囲で吸収可能であるが、吸収し切れない場合、要素32,102に大きな応力が発生してしまう。
しかし、第一実施形態によると、取付部118が複数形成されたハウジング本体110が、各取付部118に対応する弾性部材140を弾性変形させつつ、各取付部118に対応するクリアランス134の範囲にて入出力径方向へ変位する又は入出力軸方向に対し傾くことができる。このようなハウジング本体110の変位や傾きによれば、遊星キャリア32と共にモータ軸102が軸ずれすることも傾くことも許容されるので、それら要素32,102間での軸ずれ及び傾きの双方を抑えることができる。また、ハウジング本体110の変位及び傾きを許容するクリアランス134については、それを間に形成する螺子部材124や貫通孔126の設計自由度が比較的高いため、サイズの制限を受け難い。故に、可及的に大きなサイズのクリアランス134を形成しておくことで、要素32,102間における軸ずれ及び傾きの抑制作用を確実に得ることができる。
これらのことから、要素32,102間において継手機構37により吸収し切れない軸ずれ及び傾きについては、クリアランス134及び弾性部材140の作用により抑えることができる。したがって、第一実施形態によれば、要素32,102に発生する応力を緩和して耐久性を高めることができるのである。
この他、第一実施形態によれば、電動モータ4を挟んで固定節119及び位相調整機構8と反対側には比較的大きなスペースを確保することができるので、当該反対側に配設される弾性部材140の組付が容易となる。また、各螺子部材124の堅締めにより係合部132が固定節119に係合するまで挿着部131を固定節119に螺合することによれば、固定強度を確保すると同時に、各弾性部材140の弾性変形を可能にする距離dを各螺子部材124及び固定節119の間に適正に確保できるのである。
尚、ここまで説明した第一実施形態では、電動モータ4が特許請求の範囲に記載の「トルク出力手段」に相当し、モータ軸102が特許請求の範囲に記載の「出力軸」に相当し、モータハウジング100が特許請求の範囲に記載の「支持部材」に相当し、ハウジング本体110が特許請求の範囲に記載の「本体部」に相当し、転がり軸受112,113が特許請求の範囲に記載の「転がり軸受部」に相当する。また、駆動側回転体10及び従動側回転体18がそれぞれ特許請求の範囲に記載の「第一回転体」及び「第二回転体」に相当し、駆動側回転体10として機能する太陽歯車31が特許請求の範囲に記載の「歯車部」に相当し、遊星キャリア32が特許請求の範囲に記載の「入力軸」に相当し、タイミングチェーン13が特許請求の範囲に記載の「トルク伝達部材」に相当する。さらに、螺子部材124が特許請求の範囲に記載の「固定部材」に相当し、第一継手部材150の遊挿孔156が特許請求の範囲に記載の「第一挿入孔」に相当し、第二継手部材160のガイド孔166,167が特許請求の範囲に記載の「第二挿入孔」に相当する。
(第二実施形態)
図12に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。第二実施形態の各弾性部材200は円板状のゴム部材であり、対応する螺子部材124の頭部122及び取付部118の間に挟持されて当該螺子部材124の円筒部130が貫通している。これにより各弾性部材200は、第一実施形態の場合と同様に、要素122,118間からの離脱を防止されていると共に、取付部118の動きに応じて弾性変形可能となっている。
また、第二実施形態において、各取付部118と、対応する螺子部材124の頭部122との間には、弾性部材200と共にガイド部材210が挟持されている。具体的にガイド部材210はカップ状を呈しており、底部及び周壁部によって挟持部212及び当接部214をそれぞれ形成している。
ここで挟持部212は、弾性部材200よりも頭部122側に配設されている。挟持部212には、対応する螺子部材124の円筒部130が貫通しており、それによって要素122,118間からのガイド部材210の離脱が防止されている。
また、当接部214は、弾性部材200の外周側を全周に亘って囲む形態で配設されている。これにより当接部214は、弾性部材200を挟んで円筒部130とは反対側から当該弾性部材200に当接可能となっている。ここで、ゴム部材からなる弾性部材200は、自身の弾性変形により、円筒部130と反対側となる外周側へ膨出し易くなるが、当該反対側から当接部214が弾性部材200に当接することにより、膨出を規制される。したがって、弾性部材200が過度な弾性変形によってへたる事態を抑制できる。
このような第二実施形態によれば、へたりの抑制されたゴム部材からなる弾性部材200の作用によって、第一実施形態と同様な効果を長期に亘って享受することができるのである。
尚、ここまで説明した第二実施形態では、ガイド部材210が特許請求の範囲に記載の「当接部材」に相当する。
(第三実施形態)
図13に示すように、本発明の第三実施形態は第二実施形態の変形例である。第三実施形態では、ゴム部材からなる各弾性部材300及び各ガイド部材310の配設位置が第二実施形態と異なっている。
具体的に、各弾性部材300及び各ガイド部材310の挟持部312は、対応する取付部118よりも固定節119側に配設され、対応する螺子部材124の頭部122と固定節119との間に当該対応取付部118と共に挟持されている。また、各ガイド部材310の挟持部312は、各弾性部材300よりも対応取付部118側に配設されている。
このような第三実施形態によれば、ハウジング本体110が入出力径方向へ変位する又は傾くことで各取付部118が固定節119と繰り返し衝突する事態や、そうしたハウジング本体110の変位又は傾きにより振動が発生して固定節119へ伝播する事態を抑制できる。したがって、ハウジング本体110の動きに起因する内燃機関への影響を低減することが可能となる。
尚、ここまで説明した第三実施形態では、ガイド部材310が特許請求の範囲に記載の「当接部材」に相当する。
(第四実施形態)
図14,15に示すように、本発明の第四実施形態は第三実施形態の変形例である。第四実施形態では、各取付部118及び各螺子部材124に対して、ゴム部材からなる弾性部材400及びガイド部材410が共通化されている。
具体的に、弾性部材400及びガイド部材410の挟持部412は、ハウジング本体110のうちステータフレーム114の外周側を全周に亘って囲む円環板状であり、各取付部118に対応した三箇所において螺子部材124の円筒部130がそれぞれ貫通している。また、各円筒部130が貫通する弾性部材400の外周側を全周に亘って囲むガイド部材410の当接部414は、弾性部材400を挟んで各円筒部130とは反対側となる当該外周側から弾性部材400に当接可能となっている。
このような第四実施形態によれば、第二及び第三実施形態の作用効果を享受しつつ、部材400,410の共通化により部品点数を削減して組立性を向上することができるのである。
尚、ここまで説明した第四実施形態では、ガイド部材410が特許請求の範囲に記載の「当接部材」に相当する。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明してきたが、本発明はそれらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
例えば第一〜第四実施形態では、円筒部130及び挿着部131を略同径に形成することにより、係合部132のない螺子部材124を「固定部材」として用いてもよい。また、第一〜第四実施形態では、孔127及び挿着部131に螺子を切らないで、リベット状にした部材124を「固定部材」として孔127に圧入固定してもよい。
第一実施形態では、第三実施形態に準じて弾性部材140を取付部118よりも固定節119側に配設してもよい。また、第二実施形態では、ガイド部材210の挟持部212を弾性部材200よりも取付部118側に配設してもよい。さらに、第三及び第四実施形態では、ガイド部材310,410の挟持部312,412を弾性部材300,400よりも固定節119側に配設してもよい。
第一〜第四実施形態では、第二継手部材160を設けないで、第一継手部材150のスリーブ部152にモータ軸102の出力部104を固定するようにしてもよい。また、第一〜第四実施形態では、遊星キャリア32に連結される突部154をモータ軸102の出力部104自体に直接形成するようにしてもよい。
第一〜第四実施形態では、例えば電磁ブレーキ又は流体ブレーキ等の電動ブレーキや油圧モータを、「トルク出力手段」として用いてもよい。
第一〜第四実施形態では、タイミングチェーン13の代わりにタイミングベルトを「トルク伝達部材」として用いて、スプロケット11の代わりにプーリを有する駆動側回転体10を当該タイミングベルトにより回転させるようにしてもよい。また、第一〜第四実施形態では、回転体10をカム軸2と連動して回転させ、回転体18をクランク軸と連動して回転させてもよい。さらに、第一〜第四実施形態では、本発明の作用効果が得られる限りにおいて、各種の位相調整機構を用いることができる。例えば、クランク軸及びカム軸とそれぞれ連動して回転する二つの回転体の双方に、遊星歯車と噛合する歯車部を設けて、当該遊星歯車の遊星運動により機関位相を変化させる位相調整機構を用いてもよい。
そして、本発明は、上述した吸気弁のバルブタイミングを調整する装置以外にも、排気弁のバルブタイミングを調整する装置や、吸気弁及び排気弁の双方のバルブタイミングを調整する装置にも適用することができるのである。
本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す図であって、図4のI−I線断面図である。 図1のII−II線矢視図である。 図1のIII−III線断面図である。 図1のIV−IV線断面図である。 図1のV−V線断面図である。 図1のVI−VI線断面図である。 図6とは異なる作動状態を示す断面図である。 図1のVIII−VIII線断面図である。 図1のIX−IX線断面図である。 図1の電動モータの特徴的構成について説明するための断面図である。 図1の要部を拡大して示す断面図である。 本発明の第二実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部を拡大して示す断面図である。 本発明の第三実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部を示す断面図である。 本発明の第四実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部を示す断面図である。 図14のXV−XV線断面図である。
符号の説明
1 バルブタイミング調整装置、2 カム軸、4 電動モータ(トルク出力手段)、6 通電制御系、6a ドライバ回路、6b 制御回路、10 駆動側回転体(第一回転体)、13 タイミングチェーン(トルク伝達部材)、18 従動側回転体(第二回転体)、31 太陽歯車(歯車部)、32 遊星キャリア(入力軸)、35 入力部、36 溝部、37 継手機構、100 モータハウジング(支持部材)、102 モータ軸(出力軸)、103 モータステータ、104 出力部、105 ロータ部、110 ハウジング本体(本体部)、112,113 転がり軸受(転がり軸受部)、112a,113a 内輪、112b,113b 外輪、114 ステータフレーム、115 ドライバフレーム、116 中間フレーム、118 取付部、119 固定節、120 軸部、122 頭部、124 螺子部材(固定部材)、126 貫通孔、127 螺子孔、128 端面、130 円筒部、131 挿着部、132 係合部、134 クリアランス、140 弾性部材、142 座金孔、150 第一継手部材、152 スリーブ部、154 突部、156 遊挿孔(第一挿入孔)、158 クリアランス、160 第二継手部材、164 固定孔、166,167 ガイド孔(第二挿入孔)、168,169 摺動クリアランス(クリアランス)、200,300,400 弾性部材、210,310,410 ガイド部材(当接部材)、212,312,412 挟持部、214,414 当接部、d 距離、t 厚さ

Claims (16)

  1. クランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方のバルブタイミングを調整する内燃機関のバルブタイミング調整装置であって、
    出力軸と、前記出力軸を回転自在に支持する支持部材とを有し、前記出力軸から制御トルクを出力するトルク出力手段と、
    前記出力軸と共に回転する入力軸を有し、前記出力軸から前記入力軸へ入力される前記制御トルクに応じて前記クランク軸及び前記カム軸の間の相対位相を調整する位相調整機構と、
    前記入力軸及び前記出力軸の軸方向に沿って前記支持部材を貫通して外周側の前記支持部材との間にクリアランスを形成する軸部と、前記軸部よりも大径の頭部とを有し、前記支持部材を前記軸方向に挟んで前記頭部と反対側において前記軸部が前記内燃機関に固定される固定部材と、
    前記頭部及び前記内燃機関の間に前記支持部材と共に挟持される弾性部材とを備えることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記位相調整機構は、
    前記クランク軸と連動して回転する第一回転体と、
    前記カム軸と連動して回転する第二回転体と、
    前記第一回転体及び前記第二回転体のうち少なくとも一方に設けられた歯車部に噛合しつつ遊星運動することにより前記相対位相を変化させる遊星歯車と、
    前記遊星歯車を遊星運動自在に支持する前記入力軸としての遊星キャリアとを有することを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記第一回転体は、前記クランク軸との間に環状のトルク伝達部材が掛け渡されて前記クランク軸からトルク伝達されることにより回転することを特徴とする請求項2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記支持部材は、前記軸部が貫通し前記頭部及び前記内燃機関の間に前記弾性部材と共に挟持される本体部と、内輪が前記出力軸に固定されると共に外輪が前記本体部により係止される転がり軸受部とを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記固定部材において前記頭部に隣接する前記軸部は、前記内燃機関に挿着される挿着部と、前記挿着部に隣接し前記頭部側から前記内燃機関に係合する係合部とが設けられてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  6. 前記固定部材は、前記係合部に隣接する前記挿着部が前記内燃機関に螺合する螺子部材であることを特徴とする請求項5に記載のバルブタイミング調整装置。
  7. 前記軸部は、前記弾性部材を貫通することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  8. 複数の前記固定部材と、
    各前記固定部材の前記軸部が個別に貫通する複数の前記弾性部材とを備えることを特徴とする請求項7に記載のバルブタイミング調整装置。
  9. 複数の前記固定部材と、
    各前記固定部材の前記軸部が貫通する、それら固定部材に共通の前記弾性部材とを備えることを特徴とする請求項7又は8に記載のバルブタイミング調整装置。
  10. 前記位相調整機構は、前記支持部材よりも前記内燃機関側に設けられ、
    前記弾性部材は、前記支持部材よりも前記頭部側に設けられることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  11. 前記弾性部材は、前記支持部材よりも前記内燃機関側に設けられることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  12. 前記弾性部材は、弾性を有し前記軸部が貫通する座金部材であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  13. 前記弾性部材は、ゴム部材であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  14. 前記軸部が前記軸方向に沿って貫通する前記ゴム部材に対して、前記ゴム部材を挟んで前記軸部と反対側から当接する当接部材を備えることを特徴とする請求項13に記載のバルブタイミング調整装置。
  15. 前記当接部材は、前記頭部及び前記内燃機関の間に前記支持部材及び前記ゴム部材と共に挟持され、前記軸部が貫通する挟持部を有することを特徴とする請求項14に記載のバルブタイミング調整装置。
  16. 前記出力軸及び前記入力軸の間を接続する継手機構を備え、
    前記継手機構は、
    前記軸方向に沿って前記出力軸が挿入されて前記出力軸の外周側にクリアランスを形成する第一挿入孔が設けられると共に、前記入力軸に連結される第一継手部材と、
    前記出力軸及び前記第一継手部材のうち一方に設けられた第二挿入孔に前記入力軸及び前記出力軸の径方向に沿って挿入されて外周側の前記第二挿入孔との間にクリアランスを形成すると共に、前記出力軸及び前記第一継手部材のうち他方に固定される第二継手部材とを有することを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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