JP2008223230A - 免震建物の基礎構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、住宅のような小規模な免震建物で、床下空間が狭い場合においても、プラン等の設計自由度を高めながら、配管類を確実にメンテナンス出来、リフォームもし易く、且つ、外観的にも優れた免震建物を実現出来る免震建物の基礎構造を提供することを可能にすることを目的としている。
【解決手段】 上部構造体2と、下部構造5のコンクリートの基礎4との床下間隙6の外周に該コンクリートの基礎4とは別体で且つ該コンクリートの基礎4に連接され、上部構造体2の下端部付近まで立ち上がった基段部8を設けて構成したことを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、基礎等の下部構造と、地震時に下部構造に対して水平に変位する上部建物等の上部構造体と、の間に免震材(免震装置)を有する免震建物の基礎構造に関するものである。
免震建物は、設備類の配管や配線(以下、「配管類」という)を建物の内外で貫通させる場合、地震時に基礎を含む下部構造に対して水平に変位する上部建物ではなく、下部構造において行うことが通例である。非特許文献1に記載されたHASS(空気調和・衛生工学会規格)は、大規模な免震建物を想定しており、基礎の掘り込みを十分に深くし、人が普通に作業出来るような床下空間を確保し、基礎の立上部から地中へ配管類を貫通させるものである。
ところが住宅のような小規模な免震建物では、このような構造はコスト的、施工スペース的に困難であり、基礎底盤内や基礎底盤よりも下方に配管類を貫通させている例が数多く見られる(例えば、特許文献1〜4)。
また、特許文献5に記載された技術も、配管類が図示されてはいないが、外観改善を最大の目的として掲げており、特許文献6に記載されたような基礎底盤よりも上部における露出配管では目的に反するために、前記特許文献1〜4と同じく、基礎底盤内や基礎底盤よりも下方に配管類を設けていることは明らかである。
住宅のような小規模な免震建物における配管類には、円弧状の可撓管により免震変位を吸収する方法(例えば、特許文献4参照)を用いることが多い。床下換気については、基礎と上部構造体の間の外周で行うことが通例であるが、小動物の進入や雨水の流入を抑止する機能を確保するため、隙間を狭くしなければならず、高い施工精度が求められる。防水のために基礎立上部の上端にゴム板の止水板を設置した例(例えば、特許文献7)がある。
社団法人 空気調和・衛生工学会規格 SHASE-S008-1999 ゴム製変位吸収管継手 Rubber Made Flexible Pipe Joints 適用範囲/管継手の種類/性能/構造/形状・寸法/外観/材料/試験方法/検査方法/付属書/解説 トーゼン産業株式会社の技術資料冊子「免震継手システム」U2−20−182−0602版 p.60、付属書3図−6、7、8 特開2003−313908号公報 特開2003−206557号公報 特開2001−049895号公報 特開2003−027549号公報 特許第3815656号公報 特開2000−144822号公報 特許第3849968号公報
しかしながら、前述の特許文献5で指摘されているように、基礎の掘り込みを深くすると残土が増加する等の問題が生ずるが、実のところ住宅のような小規模な免震建物における各部の高さ設計は、下記に示すように複雑な課題であり、一概に決められるものではない。
先ずは特許文献5のように単に掘り込みを浅くすると、建物の高さが増し、法的な高さ制限に抵触し易くなる。都市における住宅では、様々な形態制限の中で、より広い空間を確保することに優先的価値をおくことが多いが、免震建物は、免震材が挿入される分、通常の建物よりも高さが増加せざるを得ず、もともと不利である。かといって、単に床下空間を低く抑えると、免震支承材や配管類の設置に制限が生じ、施工性は悪化し、メンテナンス作業、リフォーム施工等にも無理をきたしてしまう。ちなみに免震建物には、免震支承材の定期的メンテナンスと、地震後のメンテナンスが義務づけられている。
また、特許文献5のように、建物本体の外壁の直下において該建物本体の外周に沿ってスラブ基礎からコンクリート立ち上がり部を立ち上げた場合でも土台梁の外側を覆うと共にその土台梁の下面と基礎立ち上がり部との間の隙間を塞ぐ水切カバーが目立つため、水切カバー直下にある基礎立ち上がり部ではやはり弱々しく見え、免震建物の外観的特異性は解消されていない。
非特許文献1に記載されたHASSは、大規模な免震建物で、床下に人が入ってふつうに作業出来るようなスケールを想定しており、設備のメンテナンスやリフォームへの対応性には優れているものの、住宅のような小規模な免震建物に用いるには、コスト的、施工スペース的に困難である。かといって、特許文献1〜4のように基礎底盤内や基礎底盤よりも下方に配管類を通す方法は、メンテナンスやリフォームへの対応が極めて困難で、建物の長期耐用化が求められる時代性に反しており、特許文献6のような露出配管では、外観を害してしまう。
また、住宅のような小規模な免震建物においては、配管類が一箇所に集中し易いため、設置スペースの確保が難しい。例えば、特許文献4に記載された免震用可撓部には1本毎に広いスペースが必要である。特許文献2に記載された排水ヘッダーを用いるにも、そのためのスペースが必要で、架台の架構に影響がある。特許文献3のように免震支承材の内部を排水管にしたものは、そもそもメンテナンスやリフォームに不向きである。
つまり免震建物の配管類の設置は、いずれ通常建物よりも複雑にならざるを得ず、特に住宅のような小規模な免震建物では、限られたスペースの中で、配管類の経路や貫通部の位置が、極めて的確に設計されている必要がある。その結果、基礎と配管類の設計に非常に手間がかかっている。そして現実問題として最大限効率的な配管類の配置を実現するには、的確な設計を前提としながらも、配管類の施工現場において、経路や貫通部の位置の最終確定(移動や追加等)が出来ることが有効な状況である。これには、事前に施工される基礎の一部に、設計に基づいた貫通スリーブを開けておくという従来の施工法では、対応困難である。
更に将来において、設備等のメンテナンスやリフォームに際し、住宅のような小規模な建物では床下空間からの施工作業には現実問題として限界があり、建物外部から作業出来ることが結局は有効となる。理論的には上部建物全体をジャッキアップするという方法もあるが、危険を伴う大変に大がかりな施工になる。そのため、基礎の立上部等を部分的に撤去する必要が生ずる訳であるが、ここも基礎という構造的に重要な部位と一体である以上、復旧も容易ではなく、相応のリスクがある。また免震支承材(免震材)の交換が必要になった場合も同様である。
床下換気については、上部構造体と下部構造の隙間で行うことが通例であるが、小動物の進入や雨水の流入を抑止する機能を確保するため、隙間を狭くせねばならず、高い施工精度が求められる。特許文献7のように防水のために基礎立上部の上端にゴム板の止水板を設置した例があるが、リフォームやメンテナンスで基礎立上部を撤去した後に復旧することは困難である。
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、住宅のような小規模な免震建物で、上部構造体の床下空間が狭い場合においても、プラン等の設計自由度を高めながら、配管類を確実にメンテナンス出来、リフォームもし易く、且つ、外観的にも優れた免震建物を実現出来る免震建物の基礎構造を提供せんとするものである。
前記目的を達成するための本発明に係る免震建物の基礎構造の第1の構成は、上部構造体と基礎との間に免震材を有する免震建物の基礎構造であって、前記上部構造体の外周縁下部と、前記下部構造の基礎との床下間隙外周に該基礎とは別体で且つ該基礎に連接され、前記上部構造体の外周縁下部の下端部付近まで立ち上がった基段部を設けたことを特徴とする。
また、本発明に係る免震建物の基礎構造の第2の構成は、前記第1の構成において、前記基段部に基礎の外周外縁の地盤から前記上部構造体の床下空間または外壁面方向に延長される貫通物を貫通させたことを特徴とする。
免震建物では、免震可動域(地震時に想定する水平変位の範囲)で上部建物となる上部構造体と、下部構造とが衝突しないように、隙間を設け上下に各部位を厳密に配置する。つまり免震建物における上部構造体の外周縁の下部にある下部構造の立上部は、通常建物の基礎の立上部のように上部構造体を支持するものではなく、主要構造ではない。
従って、本発明に係る免震建物の基礎構造の第1の構成によれば、下部構造の立上部となる基段部を、該下部構造の主要構造である基礎と一体に作らないで別体として該基礎に連接させて上部構造体の下端部付近まで立ち上げた構造とすることで上部構造体の外周縁の下部と、下部構造の基礎との床下間隙を、免震材配置のための空間を確保しつつ塞ぐことが出来る。また、下部構造の基礎とは別体で作成した基段部を簡易に撤去・復旧出来る。
また、基段部を立上部としたことで、該基段部の配筋を簡易にするか、或いは無筋とすることが出来、基段部と下部構造の基礎との配筋の緊結を簡易にするか、或いは配筋の緊結を無しにすることが出来る。
また、上部構造体を構築するために必要最低限の下部構造を先行して施工することが出来るため基礎工期が短縮され、全体工期が短縮される。
また、基段部が下部構造の基礎と一体でなく、精度良く形成し易いため、床下換気量の調節、想定小動物の進入抑止、雨水流入の抑止が容易である。
また、本発明に係る免震建物の基礎構造の第2の構成によれば、基段部に上部構造体の床下空間または外壁面に延長される貫通物を貫通させることで、上部構造体と、下部構造の基礎との隙間に貫通物を貫通させた後、基段部により床下間隙を塞ぐことが出来る。
上部構造体の外周縁の下部と、下部構造の基礎との隙間を貫通する配管類については、的確な設計に基づきながらも、現場で実物を配置しながら位置調整(移動や追加等)出来ることが、作業効率を最大限に高める上で有効であり、簡易に、高い形態自由性をもって、貫通物との取り合いを形成しながら、基段部により上部構造体と、下部構造の基礎との隙間を塞ぐことが出来る。
さらに、基段部のうち配管類等の貫通物が貫通する部位については、地盤上に立ち上げた貫通物から上部構造体の外周縁下部に至る貫通物全体を覆うことで、外観的な見栄えが良く歩行者が配管に躓くことを防止して配管の破損を防止することが出来る。
また、基段部が下部構造の基礎と一体でなく、後施工方式であるため、下部構造の主要構造と分離されているため、配管・配線や免震支承材の交換等のメンテナンスやリフォーム時の撤去、復旧が容易である。
また、基段部の平面形状や高さバリエーションへの適応・追随性、貫通物への形態追随性が高く、水返しの勾配調整も容易である。
図により本発明に係る免震建物の基礎構造の一実施形態を具体的に説明する。図1は本発明に係る免震建物の基礎構造における上部構造体と下部構造との関係を示す平面図、図2は図1のA−A,B−B,C−C断面図、図3は基段部の各種構成を示す平面模式図、図4(a)は免震建物全体に亘る基段部の正面図、図4(b)は図4(a)の基段部を貫通する貫通物の構成を示す断面説明図、図5〜図7は各種基段部の構成を示す断面説明図である。
図1〜図4において、1はシステムラーメン構造の上部建物となる上部構造体2と、地盤3に設けられるコンクリートの基礎4を主体とする下部構造5との間に免震材が設けられ床下間隙6を有する免震建物の基礎構造である。
上部構造体2の外周縁下部と下部構造5のコンクリートの基礎4との床下間隙6の外周には、コンクリートの基礎4とは別体で且つ該コンクリートの基礎4に連接され、上部構造体2の外周縁下部の下端部2a付近まで立ち上がった基段部8が設けられている。
床下間隙6を構成する図1及び図2に示す免震材(免震装置)は支承材と呼ばれ、ブレースを使用しない柱梁のみで鉄骨軸組が構成されるシステムラーメン構造の上部構造体2の柱2bの略直下のコンクリートの基礎4上に受板9が固定され、該受板9上を柱2bの下端部に設けられた摺動子10が滑動し得るように構成され、受板9及び摺動子10の表面に設けられた摩擦層により免震性能を発揮する。
また、上部構造体2の梁2cの下フランジと、下部構造5のコンクリートの基礎4との間には、図2(b)に示すように、積層ゴムからなる復元材11が連結されており、地震により水平方向に変位した上部構造体2を元の位置に復元する。
図2(a)は受板9の外周に設けられる基段部8の一例であり、図2(c)は免震材が設けられていない上部構造体2と下部構造5のコンクリートの基礎4との床下間隙6の外周に設けられる基段部8の一例であり、このような基段部8の平面図を図3(a)に示す。図3(b)は他の基段部8の一例を示し、受板9の外周に設けられる基段部8の幅と同じ幅の基段部8を免震材が設けられていない上部構造体2と下部構造5のコンクリートの基礎4との床下間隙6の外周に設けた場合の一例である。
ブレースを使用しない柱梁のみで鉄骨軸組が構成されるシステムラーメン構造の上部構造体2の柱2bの略直下のコンクリートの基礎4上に受板9が設けられる場合、図3に示すように、受板9が上部構造体2の外周縁から突出する形態となるが、このように建物外周部に摺動子と受板からなる支承材を配置するような複雑な形状であっても容易に基段部8を形成することが出来る。
図4(a)は免震建物の外周全体に亘って基段部8を設けた場合の外観図であり、掃き出し開口のテラスを兼ねる場合のように上部構造体2の外周縁から必要に応じた出寸法で構成することが出来る。尚、コンクリートの基礎4の上部構造体2の外周縁からの出寸法は必要な地耐力により適宜設定される。
コンクリートの基礎4は図4に示すように単純な盤状基礎が好ましいが、図6(b)に示すようにコンクリートの基礎4の立上部4aの上部でも対応することが出来る。また、図示しない杭を併用する基礎形式や他の種々の基礎形式であっても適用出来る。
図4(b)は基段部8にコンクリートの基礎4の外周外縁の地盤3から上部構造体2の床下空間12に延長される貫通物となる配管13及び上部構造体2の外壁面2dに沿って設けられた竪樋14の下端近くにに延長される貫通物となる雨水排水管14aを貫通させた場合の一例である。上部構造体2の設備排水口2eに蛇腹管15を介して配管13が接続されており、上部構造体2の水平方向の変位に応じて蛇腹管15が変形する。
また、竪樋14と雨水排水管14aは基段部8の上部で縁が切れており、これにより上部構造体2の水平方向の変位を許容することが出来るように構成されている。尚、基段部8を貫通する貫通物は上下水配管、地熱給湯配管、ガス配管、電力や通信ケーブル等の種々の設備配管や設備配線等の貫通物が適用可能である。
図5は型枠を組んでコンクリートを打設する湿式工法により基段部8を形成する場合の一例である。コンクリートの基礎4の上面側に配置される型枠16はそのまま残し、地盤3側に配置される型枠16は打設したコンクリート8aが硬化したら撤去する。硬化したコンクリート8aの上面には固練りのモルタルやコンクリートを左官鏝等により塗り固めて排水勾配8bを形成する。
このように、基段部8は上部構造体2の外周縁よりも外側へ張り出しているため、上部構造体2を施行した後であってもコンクリート8aの打設が可能であり、メンテナンス時の復旧やリフォームも容易に出来る。コンクリートの基礎4の上部構造体2の外周縁からの出寸法に合わせて基段部8の形状を設定することが出来、図5(b),(c)に示すように、配管13類や竪樋14に延長される雨水排水管14a等の貫通物がある部分のみに部分的に上部構造体2の外周縁から外側に張り出す構成でも良い。
図6(a)はコンクリート成形体8cを並べて乾式工法により基段部8を形成したものであり、コンクリートの基礎4の上部構造体2の外周縁からの出寸法や配管13類や竪樋14に延長される雨水排水管14a等の貫通物の有無に対応してコンクリート成形体8cの並べる位置を適宜設定する。長さ方向の半端や角隅部はコンクリート成形体8cを適宜切断して納めることでも良いし、コーナー部専用のコンクリート成形体8cを使用することも出来る。
また、図6(a)に示すように、コンクリートの基礎4上面側の起立片を薄くして配管13類の貫通穴の現場切除を容易にすることが出来る。また、コンクリート成形体8cの天面に貫通穴を形成して竪樋14に延長される雨水排水管14aを埋設する構成とすることも出来る。
図6(b)は、コンクリートの基礎4が通常のコンクリート布基礎からなり、その立上部4aの上面に型枠16を配置し、地盤3側に配置した型枠16との間にコンクリート8aを打設し、硬化したコンクリート8aの上面に固練りのモルタルやコンクリートにより排水勾配8bを形成したものである。
図7(a)は断面L字形状で耐錆処理金属や樹脂等で形成されるアングル材17の起立片に中空樹脂板等の堰板18をビス止めし、更にアングル材17の水平片をコンクリートの基礎4の上面にビス止めし、堰板18の上端部18aとコンクリートの基礎4の外周上端部4bとに亘って左官鏝を当てる定規にしながら固練りのモルタルやコンクリートを塗り固めることで複雑な平面形状や様々な勾配においても左官作業が容易で正確に出来る。この場合の基段部8の高さは5cm〜30cm程度が適当であり、これよりも基段部8の高さが高い場合には、前述した種々の方法で基段部8を形成することが好ましい。
コンクリートの基礎4の上面には不陸があるためアングル材17は通しの長尺物よりも短く分割したアングル材17を複数連続させて取り付けることが好ましい。このように、堰板18の取り付け位置を調節して上部構造体2との適正な隙間を確保でき、前述した特許文献7のような止水板は不要であり、断面略三角形の基段部8の斜面が排水勾配8bとなり、水返し、小動物の侵入防止の機能を発揮すると共に床下空間12への通気性能も有する。コンクリートの基礎4の上部構造体2の外周縁からの出寸法に対応して排水勾配8bの傾斜角度が適宜設定される。
図7(b),(c)はコンクリートの基礎4を地盤3深くまで埋め込み、基段部8の上部が地盤3面よりもやや高い位置に配置された場合の一例であり、図7(c)は更に基段部8内に配管13が埋設された場合の一例である。基段部8はコンクリートの基礎4と別体で成形されているため基段部8とコンクリートの基礎4との境界面から地盤3内の水分が浸水する場合があるため、地盤3側でコンクリートの基礎4と基段部8との境界部に防水用のシーリング材19が敷設されている。
図7(d)は基段部8の外周で地盤3上に更に土留20を設置し、基段部8と土留20との間に土や砂利21を敷設したものである。このような構成によれば、土や砂利21により雨水浸透機能を持たすことが出来、竪樋14に延長される雨水排水管14aや配管13に接続される雨水排水口等を省略することも出来る。また、竪樋14も省略して軒先からの垂れ流しにしても良い。土や砂利21等により基段部8の意匠的表現の幅も広げることが出来る。
免震建物は、地震による水平方向の変位を許容するために上部構造体2の周囲に空地が必要なため、上部構造体2の外周よりも外側へ張り出す基段部8を作るスペースは十分確保されており、基段部8により免震建物の外観的特異性の欠点(見慣れない、足元が弱々しい等)を解消する形態とすることが出来る。
基段部8はコンクリート打設を含め、後施工が容易な形態とすることが出来、メンテナンスの際の復旧やリフォーム等アフター施工が容易である。前述の特許文献5のような上部建物直下ではコンクリート打設が困難であり、コンクリート成形体を並置する乾式工法でも作業し難い。
基段部8の内部に配管13類を埋設することが出来、竪樋14に延長される雨水排水管14aも設置出来る。
基段部8の上部構造体2の外周縁から外側への出寸法は必要に応じて可変であり、配管13類等の隙間貫通物や竪樋14に延長される雨水排水管14aの周囲だけを張り出しても良い。また、コンクリートの基礎4の上部構造体2の外周縁から外側への出寸法に応じても適宜変化させることが出来る。
また、図4に示すように、基段部8に玄関ステップやテラス機能を兼用させることも可能である。そして、出入口、掃出開口等のテラスが必要な部分の基段部8で配管13類を貫通させるのも効果的である。
また、基段部8の高さも上部構造体2の下端部2aの高さ設定により可変である。図7(b),(c)に示すように、基段部8の上面が地盤3面の近傍の高さに位置するようなコンクリートの基礎4を深く埋め込む場合にも可能である。
コンクリートの基礎4は、図4(b)に示すように、形状が単純な盤状基礎とすることが好ましく、上部構造体2を構築するために必要最低限の下部構造5を施行した後に、基段部8の施工は上部構造体2の施工と並行して行うことが出来ることから、全体として工期短縮が可能となり、盤状基礎は形状が単純なために自由なプランや地耐力確保のための複雑な平面形状に対しても簡易に施工出来る。
また、設計が簡易で免震支承材等の位置によらずに一律の配筋が可能となる。免震建物ならばコンクリートの基礎4への先入アンカーは最小限で済み、必要なのは免震ストッパー程度である。また、地中からの水分上昇を抑えることが出来る。
本発明の活用例として、上部建物等の上部構造体と、基礎等の下部構造との間に床下間隙を有する免震建物の基礎構造に適用することが出来る。
本発明に係る免震建物の基礎構造における上部構造体と下部構造との関係を示す平面図である。 図1のA−A,B−B,C−C断面図である。 基段部の各種構成を示す平面模式図である。 (a)は免震建物全体に亘る基段部の正面図、(b)は(a)の基段部を貫通する貫通物の構成を示す断面説明図である。 各種基段部の構成を示す断面説明図である。 各種基段部の構成を示す断面説明図である。 各種基段部の構成を示す断面説明図である。
符号の説明
1…免震建物の基礎構造
2…上部構造体
2a…下端部
2b…柱
2c…梁
2d…外壁面
2e…設備排水口
3…地盤
4…コンクリートの基礎
4a…立上部
4b…外周上端部
5…下部構造
6…床下間隙
8…基段部
8a…コンクリート
8b…排水勾配
8c,8c1,8c2…コンクリート成形体
9…受板
10…摺動子
11…復元材
12…床下空間
13…配管
14…竪樋
14a…雨水排水管
15…蛇腹管
16…型枠
17…アングル材
18…堰板
18a…上端部
19…シーリング材

Claims (2)

  1. 上部構造体と基礎との間に免震材を有する免震建物の基礎構造であって、
    前記上部構造体の外周縁下部と、前記基礎との床下間隙外周に該基礎とは別体で且つ該基礎に連接され、前記上部構造体の外周縁下部の下端部付近まで立ち上がった基段部を設けたことを特徴とする免震建物の基礎構造。
  2. 前記基段部に基礎の外周外縁の地盤から前記上部構造体の床下空間または外壁面方向に延長される貫通物を貫通させたことを特徴とする請求項1に記載の免震建物の基礎構造。
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