JP2008223014A - 紫外線硬化型インク組成物、該紫外線硬化型インク組成物を用いたインクジェット記録方法、並びに該紫外線硬化型インク組成物が収容されてなるインク容器およびインクジェット記録装置 - Google Patents

紫外線硬化型インク組成物、該紫外線硬化型インク組成物を用いたインクジェット記録方法、並びに該紫外線硬化型インク組成物が収容されてなるインク容器およびインクジェット記録装置 Download PDF

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崇 小柳
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Masahiro Ueda
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Abstract

【課題】硬化(重合)速度が高く、保存安定性に優れ、高温で保存されても粘度上昇が少ない紫外線硬化型のインク組成物を提供すること。また、上記紫外線硬化型インク組成物を用いたインクジェット記録方法、並びに、上記紫外線硬化型インク組成物が収容されてなるインク容器およびインクジェット記録装置を提供すること。
【解決手段】特殊な構造を有するポリシラン化合物を含有することを特徴とする紫外線硬化型インク組成物を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリシラン化合物を用いたインク組成物であって、紫外線により硬化し、その硬化(重合)速度が高く、保存安定性に優れ、高温で保存されても粘度上昇が少ない紫外線硬化型のインク組成物に関する。
また、本発明は、上記紫外線硬化型インク組成物を用いたインクジェット記録方法、並びに上記紫外線硬化型インク組成物が収容されてなるインク容器およびインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録方法は、インク組成物の小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法である。このインクジェット記録方法は、高解像度、高品位な画像を、高速で印刷することができるという特徴を有するものである。インクジェット記録方法に使用されるインク組成物は、水性溶媒を主成分とし、これに色材成分および目詰まりを防止する目的でグリセリン等の湿潤剤を含有したものが一般的である。
また、水性インク組成物が浸透し難い紙、布類、または浸透しない金属、プラスチック等の素材、例えばフェノール、メラミン、塩化ビニル、アクリル、ポリカーボネートなどの樹脂から製造される板、フィルムなどの記録媒体に印字する場合、インク組成物には、色材を安定して記録媒体に固着させることができる成分を含有することが要求される。特に、プリント配線基盤等に印刷を行う場合、インク組成物には、速乾性や耐薬剤性が要求される。
この様な要求に対しては、従来、紫外線照射により高分子化する成分を含んでなるインク組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、色材、紫外線硬化剤、光重合開始剤等を含んでなる紫外線硬化型インク組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。これらのインク組成物およびインクジェット記録方法によれば、記録媒体へのインク組成物の滲みを防止し、画質を向上させることができるとされている。
上記のような、紫外線を照射することにより高分子化する成分を含んでなるインク組成物を用いたインクジェット記録方法にあっては、インク組成物を記録媒体に付着させた後、紫外線を照射する。すると、インク組成物中の光重合開始剤がラジカル等を生成し、これによって、オリゴマー、モノマーが重合を開始して硬化するため、インク組成物中の色材が記録媒体上に固着する。この固着によって、膜強度、耐溶剤性や色濃度が高く、そして滲みやムラの少ない印字が実現できるものと考えられる。
なお、従来の紫外線硬化インク組成物に関して、一般的に硬化速度が高いなどの硬化性の高いものは保存安定性が低く、経時的に粘度が上昇したり、高温で保存されるとゲル化してしまいインクジェット記録が出来ないばかりか、その他の記録方法によっても使用できないものであった。逆に保存安定性を高めると硬化性も低くなり、強力な紫外線照射が必要になる為、装置が大型化したり消費電力が大きくなったりと、好ましいものではなかった。
これは、インク組成物中の光重合開始剤が紫外線を照射されることによってラジカル等を生成するだけでなく、熱エネルギーによってもラジカル等を生成する為と考えられる。
特開平3−216379号公報 米国特許第5623001号明細書
前述の通り、重合速度の向上と保存安定性の向上の両立の要求に対して、様々な試みが為されたが、“高重合速度・高保存安定性”を両立するインク組成物の開発は達成されていない。
したがって、本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、ポリシラン化合物を用いた、硬化(重合)速度が高く、保存安定性に優れ高温で保存されても粘度上昇が少ない紫外線硬化型のインク組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記紫外線硬化型インク組成物を用いたインクジェット記録方法、並びに上記紫外線硬化型インク組成物が収容されてなるインク容器およびインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、光重合開始剤に特殊構造を有するポリシランを用いることで、上記目的が達成されることを見出し、本発明を成すに至った。
即ち本発明は、以下の通りである。
(1)下記式(1)で表される構造を有するポリシラン化合物を含有することを特徴とする紫外線硬化型インク組成物。
Figure 2008223014
上記式(1)において、nは正の整数を表し、pは2以上10以下の整数を表す。R及びRは、各々独立に、置換基を表す。
(2)吸収極大における吸光係数が1000以上である上記(1)に記載のポリシラン化合物を含有することを特徴とする紫外線硬化型インク組成物。
(3)平均分子量が10000以上である上記(1)または(2)に記載のポリシラン化合物を含有することを特徴とする紫外線硬化型インク組成物。
(4)平均分子量が20000以上である上記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリシラン化合物を含有することを特徴とする紫外線硬化型インク組成物。
(5)親水性アクリレートに可溶である上記(1)〜(4)のいずれかに記載のポリシラン化合物を含有することを特徴とする紫外線硬化型インク組成物。
(6)上記(1)〜(5)の何れか一項に記載の紫外線硬化型インク組成物を用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
(7)上記(1)〜(5)の何れか一項に記載の紫外線硬化型インク組成物が収容されてなることを特徴とするインク容器。
(8)上記(1)〜(5)の何れか一項に記載の紫外線硬化型インク組成物が収容されてなることを特徴とするインクジェット記録装置。
本発明の作用機構としては、明確ではないが、本発明のインク組成物中にポリシラン化合物が含有されることにより、その光重合開始剤としての作用により、硬化(重合)速度を高くでき、熱安定性の高いポリシラン化合物であることから熱エネルギーによって分解することが無くラジカル等を生成しない為に保存安定性を高めることが出来たと推測される。
本発明の新規ポリシラン化合物を用いることにより、硬化(重合)速度が高く、保存安定性に優れる紫外線硬化型インク組成物を提供することができる。
本発明のインク組成物は、光重合開始剤として、下記式(1)で示される構造を有するポリシラン化合物を含有する。
Figure 2008223014
上記式(1)において、nは正の整数を表す。上記ポリシラン化合物の平均分子量は、光反応性の観点から10,000以上であることが好ましい(より好ましくは200,000以上である)。そして、nの数値は、上記ポリシラン化合物の平均分子量が10,000以上となるような整数が好ましく、概ね1000以上が好ましい。
また、上記式(1)中のpは2以上10以下の整数を表し、より好ましくは3〜7の整数である。
上記式(1)中のR及びRは、各々独立に、置換基を表す。置換基としては、直鎖状、分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、水酸基、ハロゲン原子、カルボキシ基、アルコキシ基、アシル基、シアノ基、アシルオキシ基等を挙げることができる。
前記直鎖状、分岐状のアルキル基としては、炭素数1〜12個の直鎖状あるいは分岐状アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜10個の直鎖状あるいは分岐状アルキル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基である。これらのアルキル基はさらに置換基を有していてもよい。
前記シクロアルキル基としては、単環式でも、多環式でもよい。具体的には、炭素数5以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができる。その炭素数は6〜30個が好ましく、特に炭素数7〜25個が好ましい。これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していてもよい。
前記ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。また、前記アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものが挙げることができ、アシル基としては、ホルミル基、アセチル基等を挙げることができ、前記アシルオキシ基としては、アセトキシ基等を挙げることができる。
ポリシラン化合物は、光反応性の観点から、吸収極大における吸光係数が1000以上であることが好ましい。
また、上記ポリシラン化合物は、インクの被膜成分として好ましい親水性アクリレートに0.01質量%以上、通常のインク組成物濃度でも析出しない程度に可溶であることが好ましく、分子量、R及びRで表される置換基を適切に選択することにより、可溶にすることができる。
上記ポリシランは、以下に示す手順で合成することができる。合成法を下記構造のポリシランを例として示す。
Figure 2008223014
Figure 2008223014
上記反応2は、R.West.et al.,J.Radiation Curing,13,35(1986)に記載の反応に倣ったものである。上記反応4により得られたポリシランの一例では、高分子量体と低分子量体の二山の分子量分布を有するポリマーであり、一方は、重量平均分子量が176214のオリゴマー程度のポリマーであり、他方は、重量平均分子量が6233のオリゴマー程度のポリマーであった。このポリシランの吸収極大の波長は308nm、吸収極大での吸光係数は5010であった。
ポリシラン重合開始剤は、単独で使用しても良いし、他の開始剤との混合使用でも良いが、硬化(重合)速度が高く、保存安定性があり高温で保存されても粘度上昇が少ないという本発明の目的を達成する為には、単独使用が好ましい。併用できる光重合開始剤としては、代表的なものとして、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、ベンジル、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾフェノン、クロロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、ポリ塩化ポリフェニル、ヘキサクロロベンゼン等が挙げられる。
また、Vicure10、30(Stauffer Chemical社製)、Irgacure184、651、2959、907、369、1700、1800、1850、819(チバスペシャルティケミカルズ社製)、Darocure1173(EM Chemical社製)、QuantacureCTX、ITX(Aceto Chemical社製)、Lucirin TPO(BASF社製)の商品名で入手可能な光重合開始剤も併用することができる。
光重合開始剤の総含量は、インク組成物全量に対し0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは1〜5質量%である。
本発明のインク組成物に含まれる光重合開始剤以外の主要な成分に重合性化合物がある。重合性化合物は、何らかのエネルギー付与により重合反応を生起し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、モノマー、オリゴマー、ポリマーの種を問わず使用することができるが、特に、光重合開始剤から発生する開始種により重合反応を生起する、光カチオン重合性モノマー、光ラジカル重合性モノマーとして知られる各種公知の重合性のモノマーが好ましい。
重合性化合物は反応速度や、インク物性、硬化膜物性等を調整する目的で1種または複数を混合して用いることができる。
モノマーとしては、特開2006−28392号公報に記載の単官能モノマー、二官能モノマー、三官能以上の多官能モノマーの何れも用いることができるが、何れのモノマーも、一次皮膚刺激性(PII、Primary Irritation Index)が2以下であることが好ましい。
また、インク組成物の低粘度化の観点から、二官能モノマー及び多官能モノマーの使用量は極力少ない方が好ましい。
本発明のインク組成物に使用し得る、PII値が2以下の、単官能モノマー、二官能モノマー及び多官能モノマーを以下の表1に例示する。
Figure 2008223014
なお、上記表中の粘度は25℃における測定値である。
また、本発明のインク組成物には、重合性化合物として、前述のモノマーの他に、オリゴマーを含有していても良い。
本発明のインク組成物に使用できるオリゴマーとは、中程度の大きさの相対分子質量をもつ分子で、相対分子質量の小さい分子から実質的あるいは概念的に得られる単位の少数回、一般的には約2〜20回程度の繰返しで構成された構造をもつものをいう。また、本発明において用いられるオリゴマーは、光重合性プレポリマー、ベースリジンまたはアクリルオリゴマーと呼ばれるものでもある。
オリゴマーは、官能基としてアクリロイル基を1〜数個有しているため、紫外線照射等によりモノマー等と重合反応を起こして架橋し重合する性質を有している。
本発明において用いられるオリゴマーは、例えば骨格を構成する分子構造により、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、オリゴアクリレート、アルキドアクリレート、ポリオールアクリレート等が挙げられ、好ましくは、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレートである。
本発明に用いられるオリゴマーは、分子量が500〜20,000程度の範囲のもの、好ましくは5,000〜10,000程度の範囲のものが使用される。
本発明のインク組成物には、重合性化合物として、更に、樹枝状ポリマーを含有していても良い。樹枝状ポリマーとしては、以下に示すように大きく6つの構造体に分類できる(「デンドリティック高分子 ―多分岐構造が広げる高機能化の世界―」 青井啓吾/柿本雅明監修、株式会社 エヌ・ティー・エス参照)。
I デンドリマー
II リニア−デンドリティックポリマー
III デンドリグラフトポリマー
IV ハイパーブランチポリマー
V スターハイパーブランチポリマー
VI ハイパーグラフトポリマー
この中でもI〜IIIは分岐度(DB:degree of branching)が1であり、欠陥の無い構造を有しているのに対し、 IV〜VIは欠陥を含んでいても良いランダムな分岐構造を有している。特にデンドリマーは、一般的に用いられている直線状の高分子に比べて、反応性の官能基をその最外面に高密度かつ集中的に配置する事が可能であり、機能性高分子材料として期待が高い。また、ハイパーブランチポリマー、デンドリグラフトポリマーおよびハイパーグラフトポリマーも、デンドリマーほどではないにせよ、その最外面に反応性の官能基を数多く導入する事が可能であり、硬化性に優れている。
これら樹枝状ポリマーは、従来の直線状高分子や分岐型高分子とは異なり、3次元的に枝分かれ構造を繰り返し、高度に分岐している。その為、同一分子量の直線状高分子と比較して粘度を低く抑える事が可能である。
本発明で使用可能なデンドリマーの合成法には、中心から外に向かって合成するDivergent法と、外から中心に向かって行うConvergent法を挙げることが出来る。
本発明において使用可能な、デンドリマー、ハイパーブランチポリマー、デンドリグラフトポリマーおよびハイパーグラフトポリマーは、室温で固体であって、数平均分子量が1,000から100,000の範囲のものが望ましく、特に2,000〜50,000の範囲のものが好ましく使用される。室温で固体でない場合は、形成される画像の維持性が悪くなる。また、分子量が上記の範囲より低い場合には定着画像がもろくなり、また、分子量が上記の範囲より高い場合には、添加量を下げてもインクの粘度が高くなりすぎて飛翔特性の点で実用的ではなくなる。
また、本発明において使用可能なデンドリマー、ハイパーブランチポリマー、デンドリグラフトポリマーおよびハイパーグラフトポリマーは、最外面にラジカル重合可能な官能基を有するデンドリマー、ハイパーブランチポリマー、デンドリグラフトポリマーおよびハイパーグラフトポリマーであることが好ましい。最外面にラジカル重合可能な構造とすることにより、重合反応が速やかに進行する。
デンドリマー構造を有するポリマーの例としては、アミドアミン系デンドリマー(米国特許第4,507,466号、同4,558,120号、同4,568,737号、同4,587,329号、同4,631,337号、同4,694,064号明細書)、フェニルエーテル系デンドリマー(米国特許第5,041,516号明細書、Journal
of American Chemistry 112巻(1990年、7638〜7647頁))等があげられる。アミドアミン系デンドリマーについては、末端アミノ基とカルボン酸メチルエステル基を持つデンドリマーが、Aldrich社より「StarburstTM(PAMAM)」として市販されている。また、そのアミドアミン系デンドリマーの末端アミノ基を、種々のアクリル酸誘導体およびメタクリル酸誘導体と反応させ、対応する末端をもったアミドアミン系デンドリマーを合成して、それらを使用することもできる。
利用できるアクリル酸誘導体およびメタクリル酸誘導体としては、メチル、エチル、n−ブチル、t−ブチル、シクロヘキシル、パルミチル、ステアリル等のアクリル酸或いはメタクリル酸アルキルエステル類、アクリル酸アミド、イソプロピルアミド等のアクリル酸或いはメタクリル酸アルキルアミド類があげられるが、これに限られるものではない。
また、フェニルエーテル系デンドリマーについては、例えば、上記Journal of American Chemistry 112巻(1990年、7638〜 7647頁)には種々のものが記載され、例えば、3,5−ジヒドロキシベンジルアルコールを用い、3,5−ジフェノキシベンジルブロミドと反応させて第2世代のベンジルアルコールを合成し、そのOH基をCBrおよびトリフェニルホスフィンを用いてBrに変換した後、同様に3,5−ジヒドロキシベンジルアルコールと反応させて次世代のベンジルアルコールを合成し、以下、上記反応を繰り返して所望のデンドリマーを合成することが記載されている。フェニルエーテル系デンドリマーについても、末端ベンジルエーテル結合の代わりに、末端を種々の化学構造をもつもので置換することができる。例えば、上記Journal of American Chemistry 112巻に記載のデンドリマーの合成に際して、上記ベンジルブロミドの代わりに種々のアルキルハライドを用いれば、相当するアルキル基を有する末端構造を有するフェニルエーテル系デンドリマーが得られる。その他ポリアミン系デンドリマー(Macromol.Symp.77、21(1994))およびその末端基を変性した誘導体を使用することができる。
ハイパーブランチポリマーとしては、例えば、ハイパーブランチポリエチレングリコール等が使用できる。ハイパーブランチポリマーは、1分子内に分岐部分に相当する2つ以上の一種の反応点とつなぎ部分に相当する別種のただ1つの反応点とをもち合わせたモノマーを用い、標的ポリマーを1段階で合成することにより得られるものである(Macromolecules、29巻(1996)、3831− 3838頁)。例えば、ハイパーブランチポリマー用モノマーの一例として、3,5− ジヒドロキシ安息香酸誘導体があげられる。ハイパーブランチポリマーの製造例をあげると、1−ブロモ− 8−(t−ブチルジフェニルシロキシ)−3,6−ジオキサオクタンと3,5−ジヒドロキシ安息香酸メチルとから得られた3,5−ビス((8′−(t−ブチルジフェニルシロキシ)−3′,6′−ジオキサオクチル)オキシ)安息香酸メチルの加水分解物である3,5− ビス((8′−ヒドロキシ−3′,6′−ジオキサオクチル)オキシ)安息香酸メチルをジブチル錫ジアセテートと窒素雰囲気下で加熱して、ハイパーブランチポリマーであるポリ[ビス(トリエチレングリコール)ベンゾエート]を合成することができる。
3,5−ジヒドロキシ安息香酸を用いた場合、ハイパーブランチポリマー末端基は水酸基となるため、この水酸基に対して、適当なアルキルハライドを用いることにより、種々の末端基を有するハイパーブランチポリマーを合成することができる。
デンドリマー構造を有する単分散ポリマーまたはハイパーブランチポリマー等は、主鎖の化学構造とその末端基の化学構造によりその特性が支配されるが、特に末端基や化学構造中の置換基の相違によりその特性が大きく異なるものとなる。特に末端に重合性基を有するものは、その反応性ゆえに、光反応後のゲル化効果が大きく有用である。重合性基を有するデンドリマーは、末端にアミノ基、置換アミノ基、ヒドロキシル基等の塩基性原子団を有するものの末端に、重合性基を有する化合物で化学修飾して得られる。
例えば、アミノ系デンドリマーに活性水素含有(メタ)アクリレート系化合物をマイケル付加させてなる多官能化合物に、例えば、イソシアネート基含有ビニル化合物を付加させて合成する。また、アミノ系デンドリマーに例えば、(メタ)アクリル酸クロライド等を反応させることで末端に重合性基を有するデンドリマーが得られる。このような重合性基を与えるビニル化合物としては、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物があげられ、その例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩等、後述する種々のラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物があげられる。
さらに重合性基としては、カチオン重合性基を有する末端基もあげられ、エポキシ基、オキセタニル基等のカチオン重合により高分子化が起こる重合性基を有する、例えば、オキシラン、オキセタン類等の環状エーテル化合物類、また、脂環式ポリエポキシド類、多塩基酸のポリグリシジルエステル類、多価アルコールのポリグリシジルエーテル類等の化合物を前記アミノ系デンドリマーと反応させることで導入することができる。例えば、クロロメチルオキシランをアミノ系デンドリマーと反応させ、末端にエポキシタイプのカチオン重合性基を導入できる。そのほか、末端基としては、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、ビニルエーテル類及びN−ビニル化合物類等から選ばれるカチオン重合性基がある。
本発明において、重合性化合物としては、アリル基を有する化合物やN−ビニル基を有する化合物が好ましく用いられる。
本発明において重合性化合物としてアリル基を有する化合物とは、2−プロペニル構造(−CHCH=CH)を持つ化合物の総称である。2−プロペニル基はアリル基とも呼ばれ、IUPAC命名法では慣用名とされる。
アリル基を有する化合物として、例えば、アリルグリコール(日本乳化剤製)、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル(以上、ダイソー株式会社)や、ユニオックス、ユニルーブ、ポリセリン、ユニセーフの商品名であるアリル基を持つポリオキシアルキレン化合物(日本油脂製)等が挙げられる。
本発明において、N−ビニル基を有する化合物とは、N−ビニルフォルムアミド、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム及びそれらの誘導体が挙げられ、特にN−ビニルフォルムアミドが好ましい。
本発明のインク組成物に使用される色材は、染料、顔料のいずれであってもよいが、インク組成物の不溶化あるいは増粘等の作用によって、インク組成物中の着色成分の浸透を抑制する場合には、インク中に溶解している染料よりも分散している顔料の方が有利である。
使用される染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料、など通常インクジェット記録に使用される各種染料を使用することができる。
使用される顔料としては、特別な制限なしに無機顔料、有機顔料を使用することができる。
無機顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができる。
その他の成分としてインク組成物の保存性を高めるために、重合禁止剤を200〜20000ppm添加することが出来る。紫外線硬化型のインクは加熱、低粘度化して射出することが好ましいので、熱重合によるヘッド詰まり等を防ぐためにも重合禁止剤を入れることが好ましい。
この他に、必要に応じて界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することが出来る。記録媒体との密着性を改善するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量は0.1〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%である。
また、本発明のインク組成物は、粘度が、25℃で100mPa・s以下であることが、使用上好ましい。
本発明のインク組成物は、公知慣用の全ての画像記録・印刷方法に適用できる。例えば、インクジェット法、オフセット法、グラビア法、感熱転写法などの画像記録・印刷方法を適用できる。特に、本発明のインク組成物はインクジェット記録に適している。
本発明のインク組成物を用いるインクジェット記録方法にあっては、インク組成物を記録媒体付着させた後に、紫外線光を照射する。照射された紫外線光によって光重合開始剤がラジカル等を生じ、これによって、モノマー(オリゴマーを含む場合はオリゴマーも)が重合反応を開始してインク組成物が記録媒体に固着する。これにより、金属やプラスチック等の水性媒体を浸透することが不可能な媒体表面にも鮮明でかつ膜強度、耐薬剤性に優れた印字を行うことができるものと考えられる。
本発明の好ましい態様によれば、紫外線照射を行う場合、紫外線照射量は、100mJ/cm以上、好ましくは500mJ/cm以上であり、また、10,000mJ/cm以下、好ましくは5,000mJ/cm以下の範囲で行う。かかる程度の範囲内における紫外線照射量であれば、十分硬化反応を行うことができ、また紫外線照射によって着色剤が退色してしまうことも防止できるので有利である。
紫外線照射は、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等のランプが挙げられる。例えばFusion System社製のHランプ、Dランプ、Vランプ等の市販されているものを用いて行うことができる。
また、紫外線発光ダイオード(紫外線LED)や紫外線発光半導体レーザ等の紫外線発光半導体素子により、紫外線照射を行うことができる。
また、本発明のインク組成物を用いるインクジェック記録方法では、紫外線光照射と同時またはその後に加熱してもよい。
加熱は、記録媒体に熱源を接触させて加熱する方法、赤外線やマイクロウェーブ(2,450Mhz程度に極大波長を持つ電磁波)などを照射し、または熱風を吹き付けるなど記録媒体に接触させずに加熱する方法などが挙げられる。
また、本発明の紫外線硬化型インク組成物は、公知慣用のインク容器およびインクジェット記録装置に収容して使用することが可能である。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。当業者は、以下に示す実施例のみならず様々な変更を加えて実施することが可能であり、かかる変更も本特許請求の範囲に包含される。
[ポリシランの合成]
1)オレフイン化合物(後記“反応式I”の右辺を参照)の合成
丸底フラスコにジムロート冷却管と滴下ロートを装着し、さらに回転子を入れた後、真空ポンプでフラスコ内を脱酸素した。次に、窒素ガスでフラスコ内を常圧に戻した後、窒素ガスを毎分50mlで系中に流した。
5−ブロモ−1−ペンテン1.00g(6.84mmol)をメタノール10gに溶解し酸素が混入しないように注射器を使って上記フラスコに仕込んだ。滴下ロートにナトリウムメチレラート(NaOCH)の28質量%メタノール溶液1.55gを、酸素が混入しないように注射器を使って滴下ロートに仕込んだ。氷冷下、滴下ロート中のアルコラート溶液を徐々にフラスコに滴下した。その後2時間攪拌した。室温まで昇温しさらに2時間攪拌した。さらに昇温して50℃で一昼夜攪拌した。
原料の5−ブロモ−1−ペンテンが反応液中に残存しないことをガスクロマトグラフィー(GC)で確認した後、本反応液を純水100mlに注いだ。本混合液を分液ロートに移し、さらに100mlのヘキサンを加えた。激しく攪拌した後静置し、ヘキサン層を取り出した。水層の残った分液ロートに再度新たなヘキサン100mlを加えて分液操作を繰り返した。
本分液操作で得られたヘキサン層を先に得られたヘキサン層と合わせて純水200mlで洗浄した。本純水洗浄をさらに3回繰り返して(合計4回)メタノールがヘキサン溶液中に残存しないことをガスクロマトグラフィー(GC)で確認した後、硫酸ナトリウム15gを、取り出したヘキサン溶液に添加した。約1時間放置後、濾過して目的のオレフイン化合物のヘキサン溶液を濾液として得た。
2)シラン化合物(後記“反応式II”の右辺を参照)の合成
丸底フラスコにジムロート冷却管を装着し回転子を入れた。真空ポンプでフラスコ内を脱酸素した。窒素ガスでフラスコ内を常圧に戻した後、窒素ガスを毎分50mlで系中に流した。
前の反応で得られたオレフイン化合物のヘキサン溶液を酸素が混入しないように注射器を使って全てフラスコに仕込んだ。その後、ジクロロメチルシラン1.18g(10.3mmol)を酸素が混入しないように注射器を使ってフラスコに仕込んだ。さらに白金錯体(Plutinum divinyltetramethyl disiloxane complex、アルドリッチ社製)の2質量%キシレン溶液1滴を酸素が混入しないように注射器を使って仕込んだ。
室温で約1日間攪拌を続けた後、反応を終了した。本反応液を先ず常圧で加熱し揮発分がほぼ止まったら、系を真空ポンプで減圧し蒸留を続けた。5Torr,蒸留温度66℃で目的のシラン化合物が得られた。HNMRの測定で得られたシグナルの化学シフト、分岐、および積分値より目的のシラン化合物であることを確認した(3.35ppm triplet 2H, 3.30ppm singlet 3H, 1.4-1.7ppm broad 6H, 1.15ppm triplet 2H, 0.75ppm singlet 3H, 図1参照(測定溶媒:重クロロホルム))
3)ポリシラン(後記“反応式III”の右辺を参照)の合成
丸底フラスコにジムロート冷却管と半月型羽根をつけた攪拌棒を持つメカニカルスターラーを装着した。真空ポンプでフラスコ内を脱酸素した。窒素ガスでフラスコ内を常圧に戻した後、窒素ガスを毎分50mlで系中に流した。
得られた高純度のシラン化合物0.60g(2.80mmol)の5質量%トルエン溶液を酸素が混入しないように注射器を使ってフラスコに仕込んだ。その後、金属ナトリウム0.0966g(4.20mmol)を、ミネラルオイル中でその径が1mm以下の粒状になるまで細かく刻み、窒素ガスを系内から勢い良く流し系内を陽圧に保持しつつフラスコ内に空気が混入しないように留意しながらミネラルオイルごと流し込むように仕込んだ。その後、100℃まで反応液を昇温し、約50時間反応を続けた。
4)ポリシラン(後記“反応式IV”の右辺を参照)の合成
その後、仕込んだシラン化合物の0.4倍モルのトリメチルクロロシラン(0.122g、1.12mol)を酸素が混入しないように注射器を使ってフラスコに仕込み、さらに約30時間反応を続け反応を終了した。室温まで冷却した後、不要な残渣を濾過した。得られた濾液をメタノールで再沈した。発生した白色沈殿を濾過して取り出し乾燥することで、目的のポリシラン0.06gを得た。
HNMRを測定し得られたシグナルの化学シフト、分岐、および積分値より目的のポリシラン化合物であることを確認した(3.35ppm triplet 2H, 3.30ppm singlet 3H, 1.5-1.6ppm 2H, 1.3-1.4ppm broad 4H, 0.7-0.8ppm broad 2H, 0.1-0.2ppm broad 3H,図2参照(測定溶媒:重クロロホルム))。また、目的のポリシラン化合物は、2山の分子量分布を持ち、一方は、239,811にピ−クを有する数平均分子量151,812、重量平均分子量176,214、多分散度1.161のポリマーで、他方は、945にピークを有する数平均分子量1,985、重量平均分子量6,233、多分散度3.141のオリゴマー程度のポリマーであることがわかった(図3参照)。本ポリシランの0.936×10−4M/THF溶液のUV吸光を図4に示した。UV吸収極大の波長308nm、UV吸収極大の吸光係数5,010(O.D./M)であった。
Figure 2008223014

Figure 2008223014
[顔料分散液の調製]
着色剤としてのC.I.ピグメントブラック7(カーボンブラック)15質量部、分散剤としてのディスコールN−509(大日精化工業社製)6.0質量部に、モノマーとしてのエチレングリコールモノアリルエーテルを加えて全体を100質量部とし、混合攪拌して混合物とした。この混合物を、サンドミル(安川製作所社製)を用いて、ジルコニアビーズ(直径1.5mm)と共に6時間分散処理を行った。その後ジルコニアビーズをセパレータで分離しブラック顔料分散液(後記表2の“ピグメントブラック−7”)を得た。
上記と同様にして、それぞれの色に対応する顔料分散液、即ち、シアン顔料分散液(後記表2の“ピグメントブルー −15:3”)、マゼンタ顔料分散液(後記表2の“ピグメントバイオレット−19”)、イエロー顔料分散液(後記表2の“ピグメントイエロー−155”)を調製した。
〔実施例1:インク組成物1−1〜1−4の調製:後記表2参照〕
Medol−10(アクリルモノマー:大阪有機化学工業社製)、ビスコート#360(多官能モノマーであるトリメチロールプロパン変性トリアクリレート:大阪有機化学工業社製)、前記ポリシラン、分散剤(ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン)を、後記表2に示す組成(質量部)で混合した後、これに前記顔料分散液(ピグメントブラック−7,ピグメントブルー −15:3,ピグメントバイオレット−19,ピグメントイエロー −155)を攪拌しながら滴下した(滴下量は後記表2参照)。滴下終了後、常温で1時間混合攪拌し、さらに5μmのメンブランフィルターでろ過して、実施例1のインク組成物1−1〜1−4を得た。
実施例1のインク組成物1−1〜1−4を表2に示す。
また、このインク組成物の“20℃の粘度(単位:mPa・s)”を測定し、表2に表示した。さらに、以下に記載する「硬化性試験」「鉛筆硬度試験」「印字テスト」「保存安定性試験」を行い、これらの試験結果(評価)を同じく表2に表示した。
「硬化性試験」
上記実施例1−1〜1−4のインク組成物をガラス基板上に滴下し、365nm波長の紫外線、照射強度17mW/cm、照射時間6秒、積算光量102mJ/cmという短時間・低光量の硬化条件にて硬化処理を行った後、以下の評価指標(硬化性の目視評価)で評価した。
評価指標
○:完全に硬化する。
△:殆ど硬化するが、完全ではない。
×:一部だけ硬化する。
「鉛筆硬度試験」
上記方法で硬化処理を行った試料に対して、JIS K5400(鉛筆引っ掻き試験手書き法)に規定される方法によって、硬度評価を行った。
「印字テスト」
セイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンタPX−G900を利用し、上記実施例1−1〜1−4のインク組成物を用いて、常温・常圧下にて、記録媒体にOHPフィルム(富士ゼロックス社製,XEROX FILM<枠なし>)を用い、ベタパターン印刷を実施して、排紙口に設置した紫外線照射装置により、積算光量90mJ/cmになるような硬化条件で印字及び硬化処理を行った後、以下の評価指標(硬化性の目視評価)で評価した。
評価指標
○:インク組成物がOHPフィルム上で薄膜上に硬化する。
×:インク組成物がOHPフィルム上で完全には硬化しない。
「保存安定性試験」
上記のインク組成物を60℃×7日の環境下に放置して、初期粘度(mPa・s)と放置後の粘度をレオメーター(Physica社製、MCR−300)にて測定して、粘度の変化率を下記の指標で評価した。尚、初期粘度および放置後の粘度は、20℃にて測定した。
AA :初期粘度と放置後の粘度の変化率が±5%未満である。
A :初期粘度と放置後の粘度の変化率が±5%以上±20%未満である。
B :初期粘度と放置後の粘度の変化率が±20%以上である。
Figure 2008223014
〔実施例2:インク組成物2-1〜2-4の調製:後記表3参照〕
重合性化合物としてアリルグリコール(日本乳化剤製)とN−ビニルフォルムアミド(ダイヤニトリックス製)と(メタ)アクリロイル基を有する樹枝状ポリマーであるビスコート#1000(大阪有機化学工業製)を使用し、実施例1で用いたポリシラン、分散剤、顔料分散液を、後記表3に示す組成に調合後、常温で1時間混合攪拌し、さらに5μmのメンブランフィルターでろ過して、実施例2のインク組成物2−1〜2−4を得た。
実施例2のインク組成物2−1〜2−4を表3に示す。
実施例1同様、このインク組成物の“20℃の粘度(単位:mPa・s)”と、「硬化性試験」「鉛筆硬度試験」「印字テスト」「保存安定性試験」の結果を表3に表示した。
Figure 2008223014
〔比較例1:インク組成物1−1〜1−4の調製:後記表4参照〕
光重合開始剤として前記ポリシランに代えてIrgacure1800(チバスペシャリティケミカルズ(株))を使用し、他の成分を実施例1と同じにして後記表4に示す組成に調合後、常温で1時間混合攪拌し、さらに5μmのメンブランフィルターでろ過して、比較例1のインク組成物1−1〜1−4を得た。
〔比較例2:インク組成物2−1〜2−4の調製:後記表5参照〕
光重合開始剤として前記ポリシランに代えてIrgacure1800(チバスペシャリティケミカルズ(株))を使用し、他の成分を実施例2と同じにして後記表5に示す組成に調合後、常温で1時間混合攪拌し、さらに5μmのメンブランフィルターでろ過して、比較例2のインク組成物2−1〜2−4を得た。
比較例1のインク組成物1−1〜1−4を表4に、比較例2のインク組成物2−1〜2−4を表5に示す。
実施例1、2同様、これらインク組成物の“20℃の粘度(単位:mPa・s)”と、「硬化性試験」「鉛筆硬度試験」「印字テスト」「保存安定性試験」の結果を表4と表5に表示した。
Figure 2008223014
Figure 2008223014
目的のシラン化合物のHNMRの測定チャートを示す図である。 目的のポリシラン化合物のHNMRの測定チャートを示す図である。 目的のポリシラン化合物の用いたGPCの測定チャートを示す図である。 目的のポリシラン化合物のUV吸収を示す図である。

Claims (8)

  1. 下記式(1)で表される構造を有するポリシラン化合物を含有することを特徴とする紫外線硬化型インク組成物。
    Figure 2008223014

    [式(1)において、nは正の整数を表し、pは2以上10以下の整数を表す。R及びRは、各々独立に、置換基を表す。]
  2. 吸収極大における吸光係数が1000以上である請求項1に記載のポリシラン化合物を含有することを特徴とする紫外線硬化型インク組成物。
  3. 平均分子量が10000以上である請求項1または2に記載のポリシラン化合物を含有することを特徴とする紫外線硬化型インク組成物。
  4. 平均分子量が200000以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリシラン化合物を含有することを特徴とする紫外線硬化型インク組成物。
  5. 親水性アクリレートに可溶である請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリシラン化合物を含有することを特徴とする紫外線硬化型インク組成物。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の紫外線硬化型インク組成物を用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
  7. 請求項1〜5の何れか一項に記載の紫外線硬化型インク組成物が収容されてなることを特徴とするインク容器。
  8. 請求項1〜5の何れか一項に記載の紫外線硬化型インク組成物が収容されてなることを特徴とするインクジェット記録装置。
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