JP2006045561A - 新規な放射線硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 新規な放射線硬化性組成物。
【解決手段】 開始用官能基を末端基として少なくとも1個有する樹状重合体中心部を含んで成る新規な高分子開始剤を開示する。前記樹状重合体中心部は好適には高分枝重合体である。この高分子開始剤は、放射線硬化性組成物、例えばワニス、ラッカーおよび印刷用インクなどに用いるに有用であり、特に放射線硬化性インクジェット用インクで用いるに有用である。
【選択図】 無し

Description

本発明は、新規な種類の開始剤(initiators)を用いた放射線硬化性組成物(radiation curable composition)に関する。この新規な高分子(polymeric)開始剤は放射線硬化性組成物、例えばワニス、ラッカーおよび印刷用インク、例えば放射線硬化性インクジェット用インクなどで用いるに有用である。
市販の放射線硬化性インクジェット用インクには低分子量の光開始剤が有意な量で入っている。特に、ノリッシュII型の開始剤、例えばイソプロピルチオキサントンまたはベンゾフェノン誘導体などは硬化後でさえも硬化性組成物から拡散して出て行く傾向がある、と言うのは、それらは重合体網状組織の中に組み込まれないからである。それらは、そのように移行する傾向そして食品の中に抽出される可能性があることから、食品包装用インクで用いるにはあまり適さない。ノリッシュI型の開始剤は、開裂の量子効率が1未満であるか或は副反応が起こって抽出される劣化生成物がもたらされる場合を除いて、通常は網状組織の中に組み込まれる。また、未反応の開始剤が包装用材料の物性を悪化させる可能性もある。
そのような問題を解決しようとする時の1つ手段は、分子量がより高い開始剤を考案することにある。
高分子開始剤が非特許文献1および2に開示されている。その開示された高分子開始剤は全部通常の線状分子幾何形態を有する。そのような高分子開始剤を用いると放射線硬化性組成物の溶液粘度が有意な影響を受ける。特に、インクジェット用途では、インクジェットの噴出性を保持する目的で溶液粘度の有意な上昇は避けるべきである。
食品用途用の多官能開始剤がいくつか開示された。下記の一般構造:
Figure 2006045561
[ここで、nは1から6の数であり、R3は水素、メチルまたはエチルであり、Aは式−[O(CHRCHR−、−[O(CHCO]または−[O(CHCO](y−1)−[O(CHRCHR]−(式中、RおよびRの中の一方が水素でありそしてもう一方が水素、メチルまたはエチルである)で表される基を表し、aは1から2であり、bは4から5であり、yは3から10であり、Qはヒドロキシル基数が2から6のポリヒドロキシ化合物の残基であり、そしてxは1超であるが、Qが有する有効ヒドロキシル基の数を超えない]
で表される多官能ベンゾフェノン系開始剤が特許文献1に開示されている。
下記の構造:
Figure 2006045561
[ここで、nは1から6の数であり、R3は水素、メチルまたはエチルであり、Aは式−[O(CHRCHR−、−[O(CHCO]または−[O(CHCO](y−1)−[O(CHRCHR]−(式中、RおよびRの中の一方が水素でありそしてもう一方が水素、メチルまたはエチルである)で表される基を表し、aは1から2であり、bは4から5であり、yは3から10であり、Qはヒドロキシル基数が2から6のポリヒドロキシ化合物の残基であり、そしてxは1超であるが、Qが有する有効ヒドロキシル基の数を超えない]
で表される同様な高分子開始剤が特許文献2に開示されている。
分子量を高くすると放射線硬化性配合物の粘度が望ましくなく高くなることから多官能開始剤の分子量を最も好適には800未満にすることが特許文献1および2の両方に教示されている。それによって、そのような多官能開始剤の官能性が制限されかつ物性を最適にする可能性、例えばQの選択に関していろいろな放射線硬化性組成物との相溶性などが制限される。物性を最適にする部分を導入する目的で中心部が有するヒドロキシル基の一部を用いると多官能開始剤がもたらされはするが、官能性は低い。その場合、必要な硬化感受性を得ようとするには光開始剤の濃度を高くする必要があり、従って、組成に関する可能性が制限されかつ組成物が示す特性および最終的な結果が大きな影響を受ける。
いろいろな種類の多官能開始剤が特許文献3に開示されており、そこでは、それらを2個以上の反応性基を含有する多官能中心材料と光開始剤またはこれの誘導体を反応させることで得ている。前記光開始剤またはこれの誘導体は、前記多官能中心部が有する反応性基と反応し得る反応性基を有する。特許文献3に開示されている光開始剤は低分子量の化合物であり、それに持たせることができる官能性の数は最大で6である。そのような多官能開始剤の官能性に応じて、その中心部の分子量は、好適には、二官能開始剤の場合には500未満であり、四官能開始剤の場合には好適には1000未満であり、そして六官能開始剤の場合には1500未満である。インクジェット用途では、分子量を更に高くすると放射線硬化性インクジェット用インクの粘度が受け入れられないほどになってしまうであろう。
光反応性部分とペンダント型基を含んで成る光開始剤が特許文献4に開示されており、前記光反応性部分は芳香部分を含有しそして前記ペンダント型基には場合により置換されていてもよいポリ(アルキレングリコール)部分が少なくとも1個組み込まれている。好適な光反応性部分には、場合により置換されていてもよいベンゾフェノン、チオキサントンおよびアントラキノン化合物(平均分子量が150から900の範囲のポリエチレングリコールもしくはポリプロピレングリコール部分で置換されている)が含まれる。そのような種類の開始剤は本質的に一官能性である。光反応性部分当たりの分子量が高い。そのような巨大分子開始剤では、開始剤のモル濃度を等しくするためには、それの重量パーセントを低分子量対照物のそれに比べて高くする必要がある。その結果として、放射線硬化性配合物の中に導入される非反応性重合体の量が多くなり、それによって、物性、例えば耐引っ掻き性などが否定的な影響を受ける。
従って、粘度への影響が限られていることに加えて高い官能性を有するように改良を受けさせた開始剤を提供することが求められている。そのような開始剤は、また、この開始剤が抽出されて食品の中に入ることも包装用材料の物性を悪化させることもないように、食品包装用材料で用いられる放射線硬化性組成物に用いるに適するべきである。そのような開始剤は更に製造が容易であるべきでありかつ多種多様な放射線硬化性組成物と相溶すべきである。
WO 03033452(COATES BROTHERS PLC) WO 03033492(COATES BROTHERS PLC) WO 9717378(COATES BROTHERS PLC) WO 9749664(LAMBSON FINE CHEMICALS) CRIVELLO,J.V.他、「Photoinitiators for Free Radical Cationic and Anionic Photopolymerisation」、Surface Coatings Technology、1998、III巻、208−224頁 CORRALES,T.他、「Free radical macrophotoinitiators:an overview on recent advances」、Journal of Photochemistry and Photobiology A:Chemistry、2003、159巻、no.2、103−114頁
本発明の1つの目的は、高い官能性を有しかつ粘度への影響が限られている新しい種類の高分子開始剤を用いた放射線硬化性組成物を提供することにある。
本発明の別の目的は、印刷した包装用材料から抽出されて食品の中に入り込むことも包装用材料の物性も悪化させることもない新しい種類の高分子開始剤を用いた放射線硬化性組成物を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、製造が容易な新しい種類の高分子開始剤を用いた放射線硬化性組成物を提供することにある。
本明細書の以下に行う説明から本発明の前記および他の目的が明らかになるであろう。
驚くべきことに、特定の分子形状を持たせた高分子量の開始剤は効果が少なくとも低分子量対照物のそれと少なくとも同等であることから特に抽出される残留物の量が低い放射線硬化性配合物で用いるに有用であることを見いだした。本高分子開始剤は高い官能性を有するが、それらが粘度に対して示す影響は限られている。
開始用官能基(initiating functional group)を末端基として少なくとも1個有する樹状重合体中心部を含んで成る高分子開始剤を含有させた放射線硬化性組成物を用いて本発明の目的を実現する。
また、
a)高分子開始剤を準備し、そして
b)前記高分子開始剤を単量体、オリゴマーおよび/またはプレポリマーと一緒に混合する、
段階を含んで成る単量体、オリゴマーおよび/またはプレポリマーの重合方法を用いることでも本発明の目的を実現し、この方法は、前記高分子開始剤が開始用官能基を末端基として少なくとも1個有する樹状重合体中心部を含んで成ることを特徴とする。
また、
a)放射線硬化性インクジェット用インクを準備し、
b)前記放射線硬化性インクジェット用インクを紙、コート紙、ポリオレフィンコート紙、厚紙、木、複合板、プラスチック、コートプラスチック、キャンバス、織物、金属、ガラス、植物繊維製品、革、磁気材料およびセラミックから成る群から選択されるインクジェット記録用要素の上に噴出させる、
段階を含んで成る画像形成品製造方法(process for providing an imaged article)を用いることでも本発明の目的を実現し、この方法は、前記画像形成品が開始用官能基を末端基として少なくとも1個有する樹状重合体中心部を有する高分子開始剤を含有することを特徴とする。
以下の説明から本発明のさらなる利点および態様が明らかになるであろう。
(発明の詳細な説明)
定義
本発明の開示で用いる如き用語「化学線」は、光化学反応を開始させ得る電磁放射線を意味する。
本発明の開示で用いる如き用語「紫外線」は、波長が4から400ナノメートルの範囲の電磁放射線を意味する。
本出願の開示では用語「UV」を紫外線の省略形として用いる。
本発明の開示で用いる如き用語「開始剤」は、ノリッシュI型の開始剤、ノリッシュII型の開始剤または光酸発生剤(photo−acid generator)を意味する。
本発明の開示で用いる如き用語「ノリッシュI型の開始剤」は、励起後に開裂を起こして直ちに開始用ラジカルを発生する開始剤を意味する。
本発明の開示で用いる如き用語「ノリッシュII型の開始剤」は、化学線によって活性化されそして実際の開始用フリーラジカルになる2番目の化合物から水素を引き抜くか或は電子を引き抜くことによってフリーラジカルを発生させる開始剤を意味する。
本発明の開示で用いる如き用語「光酸発生剤」は、化学線にさらされた時に光酸またはヘミ酸(hemi−acid)を発生する開始剤を意味する。
本発明の開示で用いる如き用語「分枝重合体」は、3個以上の重合体鎖部分に連結している分枝点を有する重合体鎖を意味する。
本出願の開示では用語「DB」を分枝度の省略形として用いる。
本発明の開示で用いる如き用語「樹状重合体」はデンドリマーおよび高分枝重合体を包含する。
本発明の開示で用いる如き用語「高分枝重合体」は、重合体成長に伴ってさらなる分枝をもたらす多官能分枝と分枝点を多数有する重合体を意味する。高分枝重合体は1段階重合方法で得られかついろいろな分枝度(DB<100%)を有する多分散系を形成する。
本発明の開示で用いる如き用語「デンドリマー」は、分枝点の全部が使用されている(DB=100%の)良好に限定された単分散構造物を意味する。デンドリマーは多段階合成で得られる。
本発明の開示で用いる如き用語「官能基」は、炭化水素分子が有する水素原子に置き換わっておりそしてそれの存在によって当該分子に特徴的な特性を与える原子または原子群(単位として働く)を意味する。
本発明の開示で用いる如き用語「低官能性」は、官能基の数が5以内であることを意味する。
本発明の開示で用いる如き用語「末端基」は、分枝上の末端基を意味する。デンドリマーまたは高分枝重合体の場合には末端基が多数存在する。
本発明の開示で用いる如き用語「開始用官能基」は、当該分子が開始剤として機能し得るようにする官能基を意味する。
本発明の開示で用いる如き用語「着色剤」は、染料および顔料を意味する。
本発明の開示で用いる如き用語「染料」は、それを用いる媒体中で関係する周囲条件下(under the ambient conditions pertaining)で10mg/L以上の溶解度を示す着色剤を意味する。
用語「顔料」は、使用媒体中で関係する周囲条件下で実際上不溶、即ちそれへの溶解度が10mg/L未満の無機もしくは有機の有色もしくは無色着色剤であるとDIN 55943(引用することによって本明細書に包合される)に定義されている。
用語「アルキル」は、アルキル基中の各炭素原子数に関して可能なあらゆる変形を意味する、即ち炭素原子数が3の場合にはn−プロピルおよびイソプロピルを意味し、炭素原子数が4の場合にはn−ブチル、イソブチルおよびt−ブチルを意味し、炭素原子数が5の場合にはn−ペンチル、1,1−ジメチル−プロピル、2,2−ジメチルプロピルおよび2−メチル−ブチルなどを意味する。
本発明の開示で用いる如き用語「アシル基」は、−(C=O)−アリールおよび−(C=O)−アルキル基を意味する。
本発明の開示で用いる如き用語「脂肪族基」は、飽和直鎖、分枝鎖および脂環式炭化水素基を意味する。
本発明の開示で用いる如き用語「アリール基」は、環状の共役炭素原子集団(共鳴エネルギーが大きいことを特徴とする)、例えばベンゼン、ナフタレンおよびアントラセンなどを意味する。
用語「脂環式炭化水素基」は、芳香基を形成していない環状の共役炭素原子集団、例えばシクロヘキサンなどを意味する。
樹状重合体
本発明に従う放射線硬化性組成物で用いるに適した高分子開始剤は、樹状重合体、例えばデンドリマーまたは高分枝重合体などの中心部を含有する。本発明に従う放射線硬化性組成物で用いるに適した高分子開始剤は好適には高分枝重合体中心部を有する。
デンドリマーは、カスケード型分枝、即ち分枝に分枝が付いている接続形態(branch−on−branch topology)を有することを特徴とする。デンドリマーの調製は、NEWCOME,G.R.他の「Dendritic Molecules:Concepts,Synthesis,Perspectives」、VCH:WEINHEIM、2001に開示されているように、分枝と脱保護を繰り返すスキームが基になった多段階合成で行われる。デンドリマー合成方策は一般に完全に分枝した重合体を目的にしたものであるが、最近報告された例では、完全には分枝していない種が(望まれない)副生成物としてある分率で存在することが報告された。適切なデンドリマーはTOMALIA他の「A new class of polymers:starburst−dendritic macromolecules」、Polym.J.、1985、17巻、117頁に開示されている如きポリアミドアミン(PAMAM)Starburstデンドリマー、およびHAWKER他の「Preparation of polymers with controlled molecular architecture、A new convergent approach to dendritic macromolecules」、J.Am.Chem.Soc.、1990、112巻、7638頁に開示されているように収束的に調製されたポリベンジルエーテルデンドリマーである。
合成
段階的調製が現時点でデンドリマーを製造するただ1つの方策に相当するが、そのように調製が段階的であることが大部分の用途で制限要素になっている。デンドリマーとは対照的に、構造的に不規則な重合体、即ち高分枝重合体は単一の合成段階で得られる。
本発明では、完全高分枝重合(strict hyperbranching polymerization)で得られた重合体ばかりでなく例えばA+B型単量体の臨界未満(subcritical)の重合で得られた重合体も高分枝であると見なす。
完全高分枝重合にとって強制的な基準は、BURCHARD,W.、「Solution properties of branched macromolecules」、Advances in Polymer Science、1999、143巻、no.II、113−194頁に開示されているように、系のゲル化が起こりかつ網状組織構造が得られる時の臨界変換率(critical conversion)pが存在し得ない点にある。
このように、相補的官能性のAおよびBを有するABまたはAB型の単量体の重縮合で高分枝材料を得ることができ、そのような系で起こるただ1つの連成反応(coupling reaction)はAとBの結合である。この種類の多官能重縮合の詳細がFLORY,P.J.、「Molecular size distribution in three−dimensional polymers、VI、Branched polymer containing A−R−Bf−1−type units」、Journal of the American Chemical Society、1952、74巻、2718−2723頁に開示されている。
高分枝ポリフェニレンを生じさせるに適した合成方法が米国特許第4857630号(DU PONT)およびKIM,Y.H.他「Hyperbranched polyphenylenes」、Polymer Preprints(American Chemical Society、Division of Polymer Chemistry)、1988、29巻、no.2、310−311頁に開示されている。
更に、AB単量体の重縮合が基になった高分枝重合体製造方法が米国特許第5196502号(KODAK)、米国特許第5225522号(KODAK)および米国特許第5214122号(KODAK)に開示されている。
高分枝重合体構造物を生じさせるに適した別の手段は、線状のAB*型イニマー(inimers)の重合である。イニマーは、線状重合可能な共通部分、例えばビニル基または拘束された(strained)環状成分などばかりでなく開始用基を同じ分子の中に有する化合物である。VANDENBERG,E.J.、「Polymerization of glycidol and its derivatives:a new rearrangement polymerization」、Journal of Polymer Science、1985、23巻、no.4、915−949頁、FRECHET,J.、「Self−condensing vinyl polymerizatrion:an approach to dendritic materials」、Science(Washington,D.C.)、1995、269巻、no.5227、1080−1083頁およびEP 791021 A(CORNELL RES FOUNDATION INC)の中で環状イニマーが高分枝構造物の調製で用いられた。
線状AB型化合物(通常は「線状共重合用単量体」と呼ばれる)ばかりでなくB構造のポリ−B−官能化合物も存在する可能性があり、それは一般に「中心部分子」と表示される。構造的官能性の概略ばかりでなく分枝度DB、即ち高分枝重合体の官能性に関する関連パラメーターの厳格な定義もHOLTER,D.他「Degree of branching in hyperbranched polymers」、Acta Polymerica.1997、23巻、no.48、30−35頁、HOLTER,E.J.他「Degree of branching(DB) in hyperbranched polymers、Part 2、Enhancement of the DB、Scope and limitations」、Acta Polymerica.1997、48巻、no.8、298−309頁およびFREY,H.他、「Degree of branching in hyperbranched polymers、Part 3、Copolymerization of ABm monomers with AB and ABn monomers」、Journal of Polymer Science、1999、50巻、no.2−3、67−76頁に開示されている。
高分枝重合体の研究に関する最新技術が下記に論評されている:
(a)JIKEI,M.、「Hyperbranced polymers:a promising new class of materials」、Progress in Polymer Science、2001、26巻、no.8、1233−1285頁
(b)NEWCOME,G.R.他、「Dendritic Molecules:Concepts,Synthesis,Perspectives」、VCH:WEINHEIM、2001、
(c)KIM,Y.他「Hyperbranched Polymers 10 years after」、Journal of Polymer Science,Part A:Polymer Chemistry、1998、36巻、no.11、1685−1698頁、
(d)VOIT,B.他「New developments in hyperbranched polymers」、Journal of Polymer Science,Part A:Polymer Chemistry、2000、38巻、no.14、2505−2525頁、
(e)SUNDER,A.他「Controlling the growth of polymer trees:concepts and perspectives for hyperbranched polymers」、Chemistry−−A European Journal.2000、6巻、no.14、2499−2506頁。このような論評から、高分枝重合体は規則的に分枝したデンドリマーとは明瞭に異なるばかりでなく2種類の多官能単量体のA+B重合が基になっていて重合を臨界未満レベルで停止させなかった場合の分枝した構造物(それによって不可避的にゲル化、即ち網状組織の形成がもたらされる)とも明瞭に異なることは明らかである。
高分枝重合体は一般に幅広い分子量分布を示す。その多分散性M/Mは一般に5以上であり、より頻繁に10超である。最近、多官能(B)中心分子に対して適切な反応性を示すABまたは潜在的AB単量体をゆっくり付加させることに基く新しい概念が導入された。そのような手順がRADKE,W.他、「Effect of Core−Forming Molecules on Molecular Weight Distribution and Degree of Branching in the Synthesis of Hyperbranched Polymers」、Macromolecules、1998、31巻、no.2、239−248頁およびHANSELMANN,R.、他「Hyperbranched Polymers Prepared via the Core−Dilution/Slow Addition Technique:Computer Simulation of Molecular Weight Distribution and Degree of Branching」、Macromolecules、1998、31巻、no.12、3790−3801頁に開示されている。
高分枝重合体中心部
本発明に従う放射線硬化性組成物で用いるに適した高分子開始剤用の高分枝重合体中心部の大きさは選択した用途で決まる。大部分のインクジェット用途で低粘度、通常は100mPa.s未満の粘度のインクジェット用インクが要求される。従って、インクジェット用途では、高分枝重合体に持たせるMを好適には100,000未満、より好適には50,000未満、最も好適には20,000未満にする。
本発明に従う放射線硬化性組成物で用いるに適した高分子開始剤用の高分枝重合体中心部を好適には単量体をゆっくり付加させる方法で得る。その結果としてもたらされる高分枝重合体は狭い多分散性を示す。本発明では特に多分散性M/Mが3未満の高分枝重合体が好適である。
適切な高分枝重合体中心部がGAO,C.他「Hyperbranched polymers:from synthesis to applications」、Progress in Polymer Science、2000、29巻、no.3、183−275頁に開示されている。
他の適切な高分枝中心部を表1に示すが、これらに限定するものでない。
Figure 2006045561
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Figure 2006045561
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高分枝重合体中心部に反応性開始剤(誘導体)による誘導体化(derivatization)を受けさせる前に、それを末端グラフト化(terminal grafting)用中心部として用いてもよい。それによって、高分枝複数アームグラフト星形共重合体(hyperbranched multiple arm graft star copolymer)がもたらされるが、これもまた本発明に従う高分枝重合体中心部になると考えている。このような種類の重合体の適切な例がSUNDER,A.他、「Hyperbranched Polyether−Polyols Based on Polyglycerol:Polarity Design by Block Copolymerization with Propylene Oxide」、Macromolecules、2000、33巻、no.2、309−314頁およびMAIER,S.他、「Synthesis of poly(glycerol)−block−poly(methyl acrylate)multi−arm star polymers」、Macromolecular Rapid Communications、2000、21巻、no.5、226−230頁に開示されている。
本高分子開始剤に含める重合体中心部として如何なる高分枝重合体も使用可能であるが、特に高分枝ポリグリシドールまたはグリシドールと他のエポキシドの高分枝共重合体が好適である。それらの調製は市販の単量体を用いた単一段階手順で幅広い範囲の分子量に渡ってそれらが狭い分子量分布を示すようにして容易に実施可能である。そのような中心重合体を少なくとも1種の開始剤もしくは開始剤誘導体と反応させると、本発明に従う放射線硬化性組成物で用いるに適した特に好適な種類の高分枝高分子開始剤がもたらされる。
グリセロール単位が基になった分枝ポリオールの調製は、一般に、グリシドールと水素含有化合物(例えばグリセロール)の反応をJP 61043627 A(DAICEL CHEM IND.)に開示されているように無機酸を触媒として存在させるか或はJP 58198429 A(NIPPON YUSHI)に開示されているように有機酸を触媒として存在させて起こさせることで実施される。また、TOKAR,R.他、「Cationic polymerisation of glycidol:coexistence of the activated monomer and active chain end mechanism」、Macromolecules、1994、27巻、320頁およびDWORAK,A.他、「Cationic polymerization of glycidol. Polymer structure and polymerization mechanism」、Macromolecular Chemistry and Physics、1995、196巻、no.6、1963−1970頁に開示されているように、カチオン性開始剤、例えばBFなどを用いたカチオン重合でグリシドールの重合を達成することも可能である。しかしながら、カチオン重合方法でもたらされる高分枝重合体が示す多分散性は3超であり、かつ分子量を制御するのは不可能である。
制御された分子量を有する高分枝ポリグリセロールを生じさせるに適した手順がDE 19947631 A(BAYER)に開示されている。それは、SUNDER,A.他、「Controlled Synthesis of Hyperbranched Polyglycerols by Ring−Opening Multibranching Polymerization」、Macromolecules、1999、32巻、no.13、4240−4246頁に開示されているように、適切なポリオールである開始剤をジグライムまたは他の炭化水素に溶解させておいて、それにグリシドールを炭化水素もしくはエーテルで希釈して添加することで達成される。そのような単量体をTHF含有量が20から99.9重量%、例えば60%−90%の溶液として添加する。多官能開始剤を用いると開始剤の完全な取り込みが助長される。
開始剤
本発明に従う放射線硬化性組成物で用いるに適した高分子開始剤は、開始用官能基を末端基として少なくとも1個有する樹状重合体中心部を含んで成る。そのような開始用官能基が前記重合体中心部上に末端基として存在していることが必須である。開始用官能基が重合体構造物の中に存在する場所が中心部内であると立体が理由でそれの効果が失われる。
少なくとも1種の開始剤もしくは開始剤誘導体と樹状重合体中心部を反応させることで本高分子開始剤を得る。本高分子開始剤が開始用官能基を樹状重合体中心部上の末端基として好適には少なくとも5個、最も好適には開始用官能基を末端基として少なくとも7個持つようにする。
従来技術で公知の如何なる開始剤も開始剤誘導体も使用可能である。そのような光開始剤は一般に2つの一般的分類に分類分けされる。そのような主要な2種類の光開始剤は、分裂過程で活性種を生じる種類の光開始剤および水素引き抜き過程で活性種を生じる種類の光開始剤である。
ノリッシュI型の反応を起こす光開始剤は、α−開裂の均一分裂機構で光分解して重合を開始させ得るフリーラジカルを直接発生する。その吸収した放射線によってカルボニル基と隣接する炭素の間で結合開裂が起こる。
ノリッシュII型の反応を起こす光開始剤は、放射線によって活性化して2番目の化合物、共開始剤または相乗剤(synergist)(実際に開始させるフリーラジカルになる)から水素を引き抜くか或は電子を引き抜くことでフリーラジカルを発生させる。水素引き抜きを均一分裂と比較した時の欠点は2分子反応が必要な点にある。
樹状重合体中心部上に開始用官能基を作り出すに好適なI型開始剤もしくはI型開始剤誘導体をベンゾインエーテル、ベンジルケタール、α,α−ジアルコキシアセトフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、α−アミノアルキルフェノン、アシルホスフィンオキサイド、アシルホスフィンスルフィド、α−ハロケトン、α−ハロスルホンおよびα−ハロフェニルグリオキサレートから成る群から選択する。
樹状重合体中心部上に開始用官能基を作り出すに好適なII型開始剤もしくはII型開始剤誘導体をベンゾフェノン、チオキサントン、1,2−ジケトンおよびアントラキノンから成る群から選択する。
本発明に従う放射線硬化性組成物で用いる高分子開始剤の重合体中心部に開始用官能基として結合させることができる適切な開始剤がCRIVELLO,J.V.他、「Photoinitiators for Free Radical Cationic and Anionic Photopolymerisation」、Surface Coatings Technology、1998、III巻、208−224頁に与えられている。
そのような樹状重合体中心部に完全にもしくは部分的に誘導体化させることができる。
本高分子開始剤を合成する時にいろいろな種類の誘導体化化学を用いることができることは本分野の技術者に明らかであろう。高分枝ポリグリシドールの場合には特にエステル化およびエーテル化が好適である。
本発明に従う放射線硬化性組成物で用いるに適した高分子開始剤の適切な例を以下に示すが、これらに限定するものでない。その示す構造は、調製した各サンプルの中に見られる分布の中の1つの誘導体化度(degree of derivatization)を有する1つの分子量に相当する構造である。その構造は、分子量および置換度が様々な場合の1つの具体例として、より一般的な構造の一例である。各重合体サンプルは類似しているが分子量および置換度の両方が異なる個々の化合物の混合物であることとその化学的性質も幅広い範囲の分子量に渡って幅広い可能性があることは本分野の技術者に明らかであろう。
本発明に従う放射線硬化性組成物で用いるに適した高分子開始剤は高分枝ポリエーテル中心部を有する。高分枝ポリエーテル中心部の例は下記である:
Figure 2006045561
本発明に従う放射線硬化性組成物で用いるに適した高分子開始剤は、この上に示した如き高分枝ポリエーテル中心部を有し、これに開始用官能基を表2に示した化合物を用いて結合させることができるが、それらに限定するものでない。
Figure 2006045561
Figure 2006045561
Figure 2006045561
本発明に従う放射線硬化性組成物で用いるに適した適切な高分子開始剤は高分枝ポリエステル中心部を有する。高分枝ポリエステル中心部の例は下記である:
Figure 2006045561
本発明に従う放射線硬化性組成物で用いるに適した高分子開始剤は、この上に示した如き高分枝ポリエステル中心部を有し、これに開始用官能基を表3に示した化合物を用いて結合させることができるが、それらに限定するものでない。
Figure 2006045561
好適な態様では、本高分子開始剤に相溶化用基によるさらなる誘導体化を受けさせる。相溶化用基は、本高分子開始剤が特定の放射線硬化性組成物の中により溶解し得るようにする官能基であると定義する。開始用官能基を有する高分枝ポリエーテル中心部の例は下記である:
Figure 2006045561
この上に示した如き高分枝ポリエーテル中心部に相溶化用基によるさらなる誘導体化を表4に示した化合物を用いて受けさせることができるが、それらに限定するものでない。
Figure 2006045561
放射線硬化性組成物
本発明に従う放射線硬化性組成物で用いるに適した高分子開始剤は放射線硬化性組成物、例えばワニス、ラッカーおよび印刷用インクなどのいずれにも使用可能であり、特に放射線硬化性インクジェット用インクで用いるに有用である。
そのような放射線硬化性インクジェット用インクを、好適には、紙、コート紙、ポリオレフィンコート紙、厚紙、木、複合板、プラスチック、コートプラスチック、キャンバス、織物、金属、ガラス、植物繊維製品、革、磁気材料およびセラミックから成る群から選択されるインクジェット記録用要素の上に噴出させる。
インクジェット記録用要素の上に噴出させた放射線硬化性インクジェット用インクが未硬化印刷画像を生じる。そのようにして印刷した画像を放射線または電子ビームに暴露させることで硬化させる。好適な放射線硬化手段は紫外光である。
放射線硬化性インクジェット用インク
本発明に従う放射線硬化性インクジェット用インクは少なくとも下記の2成分を含有する:(i)放射線硬化性化合物および(ii)開始用官能基を末端基として少なくとも1個有する樹状重合体中心部を有する高分子開始剤。
前記放射線硬化性化合物は、インクジェットプリンターの硬化手段によって重合し得る単量体および/またはオリゴマーから選択可能である。
本放射線硬化性インクジェット用インクに好適には更に少なくとも1種の着色剤、例えば顔料または染料なども含有させる。
本放射線硬化性インクジェット用インクに重合禁止剤を含有させることで、熱または化学線による重合を抑制してもよい。禁止剤をインクジェット用インク調製中に添加するのが好適である。
当該着色剤がインクジェット用インクの中に入っている安定な分散液を得る目的で、本放射線硬化性インクジェット用インクに更に少なくとも1種の樹脂を含有させることも可能である。
本放射線硬化性インクジェット用インクに好適には更に少なくとも1種の界面活性剤も含有させる。
本放射線硬化性インクジェット用インクに好適には更に少なくとも1種の溶媒も含有させる。
本放射線硬化性インクジェット用インクに好適には更に少なくとも1種の殺生物剤も含有させる。
インクジェットプリンターでは一般に多数の放射線硬化性インクジェット用インクで構成されている放射線硬化性インクジェット用インクセットが用いられる。
放射線硬化性化合物
本放射線硬化性インクジェット用インクに、当該インクジェットプリンターの硬化手段によって重合する単量体および/またはオリゴマーを含有させる。単量体、オリゴマーまたはプレポリマーが有する官能性度はいろいろであり得、一官能、二官能、三官能およびそれ以上の官能性を有する単量体、オリゴマーおよび/またはプレポリマーの組み合わせを含有する混合物を用いてもよい。そのような成分は硬化性、典型的には光硬化性、例えば紫外線硬化性であり、印刷後にインク受け入れ表面に接着して着色剤と結合する働きをすべきである。同じ官能性度を有する2種以上の単量体から成る混合物が好適である。特に、2種類の二官能単量体から成る混合物が好適である。
本放射線硬化性インクジェットインクが示す粘度は当該単量体とオリゴマーの間の比率を変えることで調整可能である。
通常のラジカル重合、光酸もしくは光塩基発生剤を用いた光硬化系または光誘導交互共重合のいずれの方法も使用可能である。一般的には、ラジカル重合およびカチオン重合が好適であるが、また、開始剤を必要としない光誘導交互共重合も使用可能である。その上、また、そのような系を組み合わせたハイブリッド系も有効である。
カチオン重合は重合が酸素で抑制されることがないことから効果の点では優れているが、しかしながら、それの重合は遅くかつ費用がかさむ。カチオン重合を用いる場合には、エポキシ化合物をオキセタン化合物と一緒に用いることで重合速度を速くする方が好適である。ラジカル重合が好適な重合方法である。
本技術分野で一般的に知られている如何なる重合性化合物も使用可能である。特に、本放射線硬化性インクジェット用インクでは、一官能および/または多官能のアクリレート単量体、オリゴマーまたはプレポリマー、例えばアクリル酸イソアミル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソアミルスチル(isoamylstyl)、アクリル酸イソステアリル、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、アクリル酸2−ヒドロキシブチル、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、アクリル酸ブトキシエチル、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、米国特許第6310115号(AGFA)に記述されている如きビニルエーテルアクリレート、2−(ビニルオキシ)エチルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルこはく酸、2−アクリルオキシエチルフタル酸、2−アクリルオキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、ラクトン修飾可塑性(flexible)アクリレートおよびアクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4ブタンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、1,9ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ビスフェノールA EO(エチレンオキサイド)付加体ジアクリレート、ビスフェノールA PO(プロピレンオキサイド)付加体ジアクリレート、ヒドロキシピバレートネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、アルコキシル化ジメチロールトリシクロデカンジアクリレートおよびポリテトラメチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO修飾トリメチロールプロパントリアクリレート、トリ(プロピレングリコール)トリアクリレート、カプロラクトン修飾トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、カプロラクタム修飾ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、N−ビニルアミド、例えばN−ビニルカプロラクタムまたはN−ビニルホルムアミドなど、またはアクリルアミドもしくは置換アクリルアミド、例えばアクリロイルモルホリンなど、および米国特許第6300388号(AGFA)に記述されている如きアミノ官能化ポリエーテルアクリレートなどが放射線硬化性化合物として用いるに好適である。
その上、上述したアクリレートに相当するメタアクリレートを前記アクリレートと一緒に用いることも可能である。メタアクリレートの中では、感受性が比較的高くかつインク受け入れ表面との接着力がより高いことが理由で、メトキシポリエチレングリコールメタアクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタアクリレート、4−(ビニルオキシ)ブチルメタアクリレート、米国特許第6310115号(AGFA)に記述されている如きビニルエーテルメタアクリレート、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸フェノキシエチル、メタアクリル酸シクロヘキシル、テトラエチレングリコールジメタアクリレートおよびポリエチレングリコールジメタアクリレートが好適である。
その上、また、本インクジェット用インクに重合性オリゴマーを含有させることも可能である。そのような重合性オリゴマーの例には、エポキシアクリレート、脂肪族ウレタンアクリレート、芳香族ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレートおよび直鎖アクリル系オリゴマーが含まれる。
高分子開始剤
本発明に従う放射線硬化性組成物で用いるに適した高分子開始剤を通常は放射線硬化性インクジェット用インクに入れる光開始剤と呼び、それを重合反応を開始させる目的で存在させる。重合体を生じさせる時に要する活性化エネルギーは光開始剤の方が単量体およびオリゴマーのそれよりも低い。
光開始剤は光を吸収しそしてフリーラジカルまたはカチオン発生の一因になる。フリーラジカルまたはカチオンは高エネルギー種であり、これは単量体、オリゴマーおよび重合体の重合を誘発しかつ多官能単量体およびオリゴマーと一緒になってまた架橋も誘発する。
高分子開始剤の好適な量はインク総重量の1−50重量%、より好適にはインク総重量の1から25重量%である。
着色剤
着色剤は染料であってもよいが、好適には顔料またはそれらの組み合わせである。有機および/または無機顔料を用いることができる。
そのような顔料の粒子は、インクがインクジェット印刷装置の中、特に噴出用ノズル(これの直径は一般に10μmから50μmの範囲である)の所を自由に流れるに充分なほど小さくあるべきである。その粒径はまた顔料の分散安定性にも影響を与える。また、色強度を最大限にしようとする場合にも小さい粒子を用いる方が望ましい。インクジェット用インクの中に分散させる顔料粒子の粒径を10μm未満、好適には3μm未満、最も好適には1μm未満にすべきである。顔料粒子の平均粒径を好適には0.05から0.5μmにする。
適切な顔料には、赤色またはマジェンタ顔料としてPigment Red 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50および88が含まれ、青色またはシアン顔料としてPigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17−1、22、27、28、29、36および60が含まれ、緑色顔料としてPigment green 7、26、36および50が含まれ、黄色顔料としてPigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94、95、97、108、109、110、128、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、177、180、185および193が含まれ、白色顔料としてPigment White 6、18および21が含まれる。
その上、顔料をHERBST,W他、「Industrial Organic Pigments,Production,Properties,Applications」、第2版、VCH、1997に開示されている顔料から選択することも可能である。
最も好適な顔料はPigment Yellow 1、3、128、109、93、17、14、10、12、13、83、65、75、74、73、138、139、154、151、180、185;Pigment Red 122、22、23、17、210、170、188、185、146、144、176、57:1、184、202、206、207;Pigment Blue 15:3、Pigment Blue 15:2、Pigment Blue 15:1、Pigment Blue 15:4、Pigment Blue 15:6、Pigment Blue 16およびPigment Violet 19である。
黒色インクに入れる着色剤として通常はカーボンブラックが用いられる。適切な黒色顔料材料には、カーボンブラック、例えばPigment Black 7(例えばMITSUBISHI CHEMICALのCarbon Black MA8)、CABOT Co.のRegal400R、MogulL、Elftex320またはDEGUSSAのCarbon Black FW18、Special Black 250、Special Black 350、Special Black 550、Printex25、Printex35、Printex55、Printex90、Printex150Tが含まれる。適切な顔料の追加的例が米国特許第5538548号(BROTHER)に開示されている。
そのような顔料を放射線硬化性インクジェット用インクの総重量を基準にして0.1から10重量%の範囲、好適には1から5重量%の範囲で存在させる。
放射線硬化性インクジェット用インクで用いるに適した染料には、直接染料、酸性染料、塩基性染料および反応性染料が含まれる。
放射線硬化性インクジェット用インクに適した直接染料には下記が含まれる:
・ C.I.Direct Yellow 1、4、8、11、12、24、26、27、28、33、39、44、50、58、85、86、100、110、120、132、142および144
・ C.I.Direct Red 1、2、4、9、11、134、17、20、23、24、28、31、33、37、39、44、47、48、51、62、63、75、79、80、81、83、89、90、94、95、99、220、224、227および343
・ C.I.Direct Blue 1、2、6、8、15、22、25、71、76、78、80、86、87、90、98、106、108、120、123、163、165、192、193、194、195、196、199、200、201、202、203、207、236および237
・ C.I.Direct Black 2、3、7、17、19、22、32、38、51、56、62、71、74、75、77、105、108、112、117および154。
放射線硬化性インクジェット用インクに適した酸性染料には下記が含まれる:
・ C.I.Acid Yellow 2、3、7、17、19、23、25、20、38、42、49、59、61、72および99
・ C.I.Acid Orange 56および64
・ C.I.Acid Red 1、8、14、18、26、32、37、42、52、57、72、74、80、87、115、119、131、133、134、143、154、186、249、254および256
・ C.I.Acid Violet 11、34および75
・ C.I.Acid Blue 1、7、9、29、87、126、138、171、175、183、234、236および249
・ C.I.Acid Green 9、12、19、27および41
・ C.I.Acid Black 1、2、7、24、26、48、52、58、60、94、107、109、110、119、131および155。
放射線硬化性インクジェット用インクに適した反応性染料には下記が含まれる:
・ C.I.Reactive Yellow 1、2、3、14、15、17、37、42、76、95、168および175
・ C.I.Reactive Red 2、6、11、21、22、23、24、33、45、111、112、114、180、218、226、228および235
・ C.I.Reactive Blue 7、14、15、18、19、21、25、38、49、72、77、176、203、220、230および235
・ C.I.Reactive Orange 5、12、13、35および95
・ C.I.Reactive Brown 7、11、33、37および46
・ C.I.Reactive Green 8および19
・ C.I.Reactive Violet 2、4、6、8、21、22および25
・ C.I.Reactive Black 5、8、31および39。
放射線硬化性インクジェット用インクに適した塩基性染料には下記が含まれる:
・ C.I.Basic Yellow 11、14、21および32
・ C.I.Basic Red 1、2、9、12および13
・ C.I.Basic Violet 3、7および14
・ C.I.Basic Blue 3、9、24および25。
染料の理想的な色が現れるのはpH値が適切な範囲の時のみであり得る。従って、放射線硬化性インクジェット用インクに好適には更にpH緩衝剤、例えば水酸化カリウム(KOH)なども含有させる。
禁止剤
適切な重合禁止剤には、フェノール型の抗酸化剤、ヒンダードアミン系光安定剤、燐光体(phosphor)型の抗酸化剤、ヒドロキノンのモノメチルエーテル[通常は(メタ)アクリレート単量体に入れて用いられる]およびヒドロキノンが含まれ、また、t−ブチルカテコール、ピロガロールを用いることも可能である。これらの中で、アクリル酸から誘導されたフェノール化合物(分子中に二重結合を有する)が特に好適である、と言うのは、それが酸素が入っていない密封された環境の中で加熱された時でも重合を制限する効果を有するからである。適切な開始剤は、例えばSumitomo Chemical Co.,Ltd.が製造しているSumilizerGA−80、SumilizerGMおよびSumilizerGSである。
そのような重合禁止剤を過剰量で添加するとインクが硬化に対して示す感受性がより低くなることから、重合を防止し得る量を混合前に決定しておく方が好適である。重合禁止剤の量を一般にインク総重量の200から20,000ppmの範囲にする。
樹脂
前記顔料1種または2種以上がインクジェット用インクの中に入っている安定な分散液を得る目的で、放射線硬化性インクジェット用インクに更に樹脂を含有させることも可能であり、それらはまた顔料安定剤または分散剤とも呼ばれる。
前記顔料を分散剤が入っている分散液として放射線硬化性インクジェット用インクに添加してもよい。
適切な樹脂:石油型の樹脂(例えばスチレン型、アクリル型、ポリエステル、ポリウレタン型、フェノール型、ブチラール型、セルロース型およびロジン);および熱可塑性樹脂(例えば塩化ビニル、酢酸ビニル型)。そのような樹脂の具体的例には、アクリレート共重合体、スチレン−アクリレート共重合体、ポリビニルアルコールをアセタール化および不完全鹸化させた物、および酢酸ビニル共重合体が含まれる。市販の樹脂は、AVECIAから入手可能な商品名Solsperse32000およびSolsperse39000、EFKA CHEMICALS BVから入手可能なEFKA4046、BYK CHEMIE GmbHから入手可能なDisperbyk168の下で公知である。
高分子ではない分散剤ばかりでなくいくつかの高分子分散剤の詳細なリストがMC CUTCHEON「Functional Materials,North American Edition」、Glen Rock、N.J.:Manufacturing Confectioner Publishing Co.、1990、110−129頁に開示されている。
樹脂を典型的には顔料の2.5から200重量%、より好適には50から150重量%混合する。
界面活性剤
本放射線硬化性インクジェット用インクに少なくとも1種の界面活性剤を含有させてもよい。そのような界面活性剤1種または2種以上はアニオン性、カチオン性、非イオン性または双性イオン性であり、それを通常はインク総重量を基準にして20重量%未満の総量、特にイオン総重量を基準にして10重量%未満の総量で添加する。
フッ素置換化合物またはシリコーン化合物を界面活性剤として用いることも可能であるが、しかしながら、そのような界面活性剤は架橋していないことから、インクジェット食品包装用材料の場合には食品によって抽出されることが潜在的な欠点である。従って、表面活性効果を有する共重合性単量体、例えばシリコーン修飾アクリレート、シリコーン修飾メタアクリレート、フッ素置換アクリレートおよびフッ素置換メタアクリレートなどを用いる方が好適である。
溶媒
本放射線硬化性インクジェット用インクに水および/または有機溶媒、例えばアルコール、フッ素置換溶媒および二極性非プロトン溶媒などを溶媒として含有させてもよく、そのような溶媒を、各々、本放射線硬化性インクジェット用インクの総重量を基準にして、好適には10から80重量%、特に好適には20から50重量%の範囲の濃度で存在させてもよい。
しかしながら、本放射線硬化性インクジェット用インクに好適には揮発性成分を含有させないのだが、時には、紫外線硬化後のインク受け入れ表面への接着力が向上するように、極めて少量の有機溶媒をそのようなインクに添加する方が有利であり得る。その場合、その添加する溶媒の量は耐溶媒性およびVOCの問題を引き起こさない範囲ならば如何なる量であってもよく、その量を、各々、本放射線硬化性インクジェット用インクの総重量を基準にして好適には0.1−5.0重量%、特に好適には0.1−3.0重量%にする。
適切な有機溶媒には、アルコール、芳香族炭化水素、ケトン、エステル、脂肪族炭化水素、高級脂肪酸、カルビトール、セロソルブ、高級脂肪酸エステルが含まれる。適切なアルコールには、メタノール、エタノール、プロパノールおよび1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ブタノール、t−ブタノールが含まれる。適切な芳香族炭化水素にはトルエンおよびキシレンが含まれる。適切なケトンには、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2,4−ペンタンジオンおよびヘキサフルオロアセトンが含まれる。また、グリコール、グリコールエーテル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドを用いることも可能である。
殺生物剤
本放射線硬化性インクジェット用インクに用いるに適した殺生物剤には、デヒドロ酢酸ナトリウム、2−フェノキシエタノール、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキサイド、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンおよびこれの塩が含まれる。放射線硬化性インクジェット用インクに好適な殺生物剤はZENECA COLOURSから入手可能なProxelGXLである。
殺生物剤を、各々、本放射線硬化性インクジェット用インクを基準にして、好適には0.001から3重量%、より好適には0.01から1.00重量%の量で添加する。
放射線硬化性インクジェット用インクの調製
本放射線硬化性インクジェット用インクで用いるに適した着色剤が入っている分散液の調製は、着色剤と樹脂を混合し、粉砕して分散させることで実施可能である。混合装置には、加圧ニーダー、開放型ニーダー、プラネタリーミキサー、溶解機およびDalton Universal Mixerが含まれ得る。適切な粉砕分散装置はコロイドミル、高速分散機、2本ローラー、ビードミル、塗料調節装置および3本ローラーである。また、超音波エネルギーを用いて分散液を調製することも可能である。
混合、粉砕そして分散工程の各工程の実施では、熱の蓄積を防止する目的で冷却を行いながら実施しかつできるだけ紫外光を実質的に排除した光条件下で実施する。
本放射線硬化性インクジェット用インクの調製は各着色剤の個別の分散液を用いて実施可能であるか、或は別法として、数種の顔料を混合した後に一緒に粉砕することで分散液を調製してもよい。
[実施例]
本発明をここに本明細書の以下に示す実施例で詳細に説明する。
測定方法
硬化速度
硬化速度の尺度としてランプの最大出力のパーセントを採用し、その数値が低ければ低いほど硬化速度が速い。サンプルを綿棒(Q−tip)で瞬間引っ掻いた時に目で見て損傷が生じなければ、そのサンプルは完全に硬化したと見なした。
抽出方法
被覆そして硬化させた硬化性組成物の各々から直径が3cmのサンプルを取り出した。そのサンプルをビーカーの中に入れた後、それに2mLのアセトニトリルによる抽出を超音波を用いて2回受けさせた。そのビーカーとサンプルを5mLのアセトニトリルで濯いだ後、アセトニトリル画分をためて、0.2μmのMillexフィルターの上に置いて濾過した。10mgの基準化合物(高分枝重合体または比較化合物)を50mLのアセトニトリルに溶解させた。
Alltime C18 5μm HPLCカラム(Alltech)(150mmx3.2mm)を用いてサンプルの分析を実施した。
20μLの抽出サンプルと5μLの基準化合物を注入した。HO/CHCNが10/90の混合物を溶離剤として用いた定組成溶離を実施した。基準化合物に匹敵する総ピーク面積を抽出された開始剤量の尺度として採用した。それから逆算することで硬化性組成物に元々入っていた開始剤の量のパーセントを得た。
粘度
Brookfield DV−II+粘度計を用い、せん断速度を3RPMにして、本放射線硬化性組成物が示す粘度を25℃で測定した。
材料
以下の実施例で用いる材料は全部特に明記しない限りAldrich Chemical Co.(ベルギー)から容易に入手可能であった。本実施例で用いる「水」は脱イオン水であった。下記の材料を用いた:
DPGDAは、UCBから入手可能な二官能アクリレート単量体である。
SartomerSR351は、BASFから入手可能な三官能アクリレート単量体である。
CraynorCN386は、Cray Valleyが供給している商業的共開始剤である。
Irgacure2959は、CIBA SPECIALTY CHEMICALSから入手可能な光開始剤混合物である。
Darocur1173は、CIBA SPECIALTY CHEMICALSから入手可能な光開始剤である。
NMDAはALDRICHから入手可能な相乗剤であるN−メチルジエタノールアミンである。
高分枝ポリグリシドールPG、PG15、PG17、PG33およびPG36は、全部HYPERPOLYMERS GmbH(Freiburg、ドイツ)から入手可能である。
PETはポリ(エチレン)テレフタレートである。帯電防止特性を有する抗ブロッキング層が裏側に付着している未加工PET基質はAGFA−GEVAERTからP125C PLAIN/ABASとして入手可能である。
この実施例では、高分枝ポリグリシドール中心部を用いかつベンゾフェノンを開始用官能基として用いかつアセチル基を相溶化用基として用いた高分子開始剤の合成を説明する。高分子開始剤PI−1からPI−2は一般式PI−Aで表される。
一般式PI−A
Figure 2006045561
下記のスキームに従って合成を実施する:
Figure 2006045561
p−ベンゾフェノキシ酢酸の合成
250mLの水にNaOHを8.47g(0.212モル)、4−ヒドロキシベンゾフェノンを21g(0.106モル)およびクロロ酢酸を10g(0.106モル)溶解させた。この溶液を100℃に6時間加熱した。室温になるまで冷却した後の溶液を濃HClで酸性にした。沈澱したベンゾフェノンを溶解させる目的でアセトンを用いた。残存する塩を濾過で除去した後、溶媒を減圧下で蒸発させた。クロロホルムを添加した後の混合物を2時間還流させた。冷却するとベンゾフェノン誘導体が媒体から沈澱し、それを濾過で単離した。収率は50.6%であった。
この実施例で選択した高分枝ポリグリシドールPGはヒドロキシル基の数が平均で8の高分枝ポリグリシドールであった。
高分子開始剤PI−1(PG BP 5.8 Ac 2.2
磁気撹拌子を入れておきかつDean−Starkを取り付けておいた100mLのフラスコにポリグリシドールPGを2g、p−ベンゾフェノキシ酢酸(PGのOH量を基準にして0.4当量)およびp−トルエンスルホン酸(PGのOH量を基準にして0.1当量)を加えた。トルエンを40mL加えた。この混合物を136℃に1時間加熱した。揮発性成分を減圧下で除去した後、その残留物をクロロホルムに溶解させた。次に、無水酢酸(PGのOH量を基準にして2当量)およびトリエチルアミン(PGのOH量を基準にして2当量)を加えた。この混合物を6時間還流させた。冷却後、水を加えた後の混合物を室温で1時間撹拌した。次に、この混合物を2NのHClで2回、脱イオン水で2回、10%のNaOH水溶液で2回そして次に脱イオン水で3回洗浄した。その有機相を無水NaSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した後、その残留物を減圧下40℃で一晩乾燥させた。
この得た高分子開始剤PI−1は、高分枝ポリグリシドールが有する平均で8個のヒドロキシル末端基の中の平均で5.8個がp−ベンゾフェノキシ酢酸によるアシル化を受けかつ平均で2.2個が塩化アセチルによるアシル化を受けたものであった。この高分子開始剤PI−1が示す数平均分子量は2000であった。
高分子開始剤PI−2(PG 15 BP 4.8 Ac 10.2
ヒドロキシル基数が平均で15個の高分枝ポリグリシドールである高分枝ポリグリシドールPG15を高分枝ポリグリシドールPGの代わりに用いる以外は高分子開始剤PI−1の場合の様式と同じ様式で高分子開始剤PI−2の調製を実施した。
その得た高分子開始剤PI−2は、高分枝ポリグリシドールが有する平均で15個のヒドロキシル末端基の中の平均で4.8個がp−ベンゾフェノキシ酢酸によるアシル化を受けかつ平均で10.2個が塩化アセチルによるアシル化を受けたものであった。この高分子開始剤PI−2が示す数平均分子量は2600であった。
この実施例では、実施例1で合成した高分子開始剤が放射線硬化性組成物の中で示す効果を説明する。
比較放射線硬化性組成物COMP−1およびCOMP−2および本発明の放射線硬化性組成物INV−1からINV−3の調製を表5に従って実施した。重量%(wt%)は放射線硬化性組成物の総重量を基準にした重量%である。
Figure 2006045561
この実施例における比較開始剤COIN−1は、p−ベンゾフェノキシ酢酸のメチルエステルである。
Figure 2006045561
バーコーター(bar coater)および10μmのワイヤードバー(wired bar)を用いて、100μmの未加工PET基質を比較放射線硬化性組成物COMP−1およびCOMP−2および本発明の放射線硬化性組成物INV−1からINV−3で被覆した。Fusion VPS/1600ランプ(D−bulb)が備わっているFusion DRSE−120コンベア(これはコンベアベルトの上に置いたサンプルを紫外ランプの下に20m/分の速度で運ぶ)を用いて各被覆層に硬化を受けさせた。前記比較放射線硬化性組成物COMP−1およびCOMP−2および本発明の放射線硬化性組成物INV−1からINV−3に関して硬化速度を測定した。その結果を表6に要約する。
Figure 2006045561
表6は、本発明の放射線硬化性組成物が示した硬化速度は全部が最新技術の商業的開始剤COIN−1を用いた比較放射線硬化性組成物のそれに匹敵することを示している。
この実施例では、本発明に従う高分子開始剤を含有させた放射線硬化性インクを用いて食品包装用材料を印刷した時に前記高分子開始剤が食品によって抽出される可能性が低いことを説明する。
実施例1で合成した高分子開始剤を用いた放射線硬化性組成物を表7に従って調製した。重量%(wt%)は放射線硬化性組成物の総重量を基準にした重量%である。
Figure 2006045561
バーコーターおよび10μmのワイヤードバーを用いて、100μmの未加工PET基質を比較放射線硬化性組成物COMP−3および本発明の放射線硬化性組成物INV−41およびINV−5で被覆した。Fusion VPS/1600ランプ(D−bulb)が備わっているFusion DRSE−120コンベア(これはコンベアベルトの上に置いたサンプルを紫外ランプの下に20m/分の速度で運ぶ)を用いて各被覆層に硬化を受けさせた。前記比較放射線硬化性組成物COMP−3および本発明の放射線硬化性組成物INV−4およびINV−5を被覆して硬化させたサンプルから抽出され得る開始剤量を測定した。その結果を表8に要約する。
Figure 2006045561
表8に示した結果は、明らかに、本発明の放射線硬化性組成物INV−4およびINV−5を被覆して硬化させたサンプルから本発明に従う高分子開始剤が抽出される度合が低いことを示している。
この実施例では、高分子量の高分枝開始剤に相溶化用基によるさらなる誘導体化を受けさせることができることとそれを放射線硬化性組成物に入れた時にそれが有効な高分子開始剤のままであることを示す。
高分枝ポリグリシドールにベンゾフェノンを光開始剤として用いかつ2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸を相溶化剤として用いた誘導体化を受けさせた。調製した高分子開始剤PI−3からPI−4は一般式PI−Bで表される。
一般式PI−B
Figure 2006045561
式中、
・ PGは、高分枝ポリグリシドール中心部を表し、
・ xは、出発ポリグリシドールが有する末端ヒドロキシル基の平均数を表す。
高分子開始剤PI−3およびPI−4の調製を表9に従って実施したが、表9に、各出発ポリグリシドール中心部上にアシル化させたいろいろな基の比率を記述する。
Figure 2006045561
高分子開始剤PI−3の合成を例示する。
Dean−Starkと冷却器を取り付けておいた100mLの一口フラスコにPG17を2g(1.65ミリモル)、p−ベンゾフェノキシ酢酸を3.59g(14.0ミリモル)およびp−トルエンスルホン酸の一水和物を0.53g(2.80ミリモル)加えた。次に、トルエンを約40mL加えた。この混合物を136℃に加熱して1時間撹拌した。次に、MEEAを2.59mL(16.8ミリモル)を導入した。この混合物を同じ条件下で更に6時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した後、その残留物をクロロホルムに入れて溶解させた。次に、その混合物に2NのHCl水溶液による抽出を2回、脱イオン水による抽出を2回、10%のNaOH水溶液による抽出を2回そして脱イオン水による抽出を3回受けさせた。その有機相を無水NaSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した後、その残留物を真空オーブンに入れて40℃に一晩保持した。
H NMR(CDCl):δ=0.77、1.32(PGのTMP中心部);2.98−5.42(PGおよびMEEA部分、−OCHCOO−のプロトン);6.62−8.05(BP部分の芳香環のプロトン)。
この合成した高分子開始剤が示した特性を表10に開示する。
Figure 2006045561
比較放射線硬化性組成物COMP−4およびCOMP−5および本発明の放射線硬化性組成物INV−6およびINV−7の調製を表11に従って実施した。重量%(wt%)は放射線硬化性組成物の総重量を基準にした重量%である。
Figure 2006045561
あらゆる放射線硬化性組成物に関してベンゾフェノン部分とCraynorCN386の間のモル比を一定に保持した。比較開始剤COIN−1は実施例2でも用いたp−ベンゾフェノキシ酢酸のメチルエステルである。比較開始剤COIN−2は米国特許第5538548号(BROTHER)に開示されている。出発ペンタエリスリトールエトキシラートの平均Mwは576であった。
比較開始剤COIN−2
Figure 2006045561
バーコーターおよび10μmのワイヤードバーを用いて、100μmの未加工PET基質を比較放射線硬化性組成物COMP−4およびCOMP−5および本発明の放射線硬化性組成物INV−6およびおINV−7で被覆した。Fusion VPS/1600ランプ(D−bulb)が備わっているFusion DRSE−120コンベア(これはコンベアベルトの上に置いたサンプルを紫外ランプの下に20m/分の速度で運ぶ)を用いて各被覆層に硬化を受けさせた。前記比較放射線硬化性組成物COMP−4およびCOMP−5および本発明の放射線硬化性組成物INV−6およびINV−7に関して硬化速度および粘度を測定した。その結果を表12に要約する。
Figure 2006045561
表12は、本発明の放射線硬化性組成物INV−6およびINV−7が示す硬化速度の方が比較放射線硬化性組成物COMP−4およびCOMP−5のそれに比較して良好であることを示している。本高分子開始剤が示すMwの方がずっと高いにも拘らず、本発明の放射線硬化性組成物INV−6およびINV−7が示した粘度は比較放射線硬化性組成物COMP−4およびCOMP−5が示したそれに匹敵していた。
この実施例では、高分枝ポリグリシドールにチオキサントンを光開始剤として用いかつ2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸を相溶化剤として用いた誘導体化を受けさせる合成を記述する。この高分子開始剤は一般式PI−5で表される。
一般式PI−5
Figure 2006045561
式中、
・ PGは、高分枝ポリグリシドール中心部を表し、
・ xは、出発ポリグリシドールが有する末端ヒドロキシル基の平均数を表す。
高分子開始剤PG17TA5.7MEEA11の合成を例示する。Dean−Starkと冷却器を取り付けておいた100mLの一口フラスコにPG17を1.50g(1.24ミリモル)、2−チオキサントンオキシ酢酸(TA)[AYDIN,M他、「One−component bimolecular photoinitiating systems,2 thioxanthone acetic acid derivatives as photoinitiators for free radical polymerization」、Macromolecular Rapid Communications、2003、24巻、no.12、718−723頁に従って調製]を1.80g(6.32ミリモル)、MEEAを0.97mL(6.32ミリモル)およびp−トルエンスルホン酸の一水和物を0.41g(2.11ミリモル)加えた。次に、トルエンを40mL加えた。この混合物を136℃に加熱して3時間撹拌したが、この間に水を共沸で除去した。次に、MEEAを1.94mL(12.6ミリモル)を導入した。この混合物を同じ条件下で更に6時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した後、その残留物をクロロホルムに入れて溶解させた。その混合物に10%のNaOH水溶液による洗浄を2回そしてNaCl水溶液による洗浄をpH=7になるまで数回受けさせた。その有機相を無水NaSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した後、その残留物を真空下40℃で一晩乾燥させた。
合成したPG17TA5.7MEEA11が示したMは4505であり、収率は51%であった。H NMR(CDCl):δ=0.77、1.32(PGのTMP中心部);2.84−5.43(PGおよびMEEA部分、−OCHCOO−のプロトン);7.10−8.64(芳香環のプロトン)。
この実施例では、高分枝ポリグリシドールにベンゾイル蟻酸を光開始剤として用いかつ2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸を相溶化剤として用いた誘導体化を受けさせる合成を記述する。この高分子開始剤は一般式PI−6で表される。
一般式PI−6
Figure 2006045561
式中、
・ PGは、高分枝ポリグリシドール中心部を表し、
・ xは、出発ポリグリシドールが有する末端ヒドロキシル基の平均数を表す。
高分子開始剤PG17BFA10MEEAの合成を例示する。Dean−Starkと冷却器を取り付けておいた100mLの一口フラスコにPG17を2.58g(2.13ミリモル)、MEEAを2.2mL(14.5ミリモル)およびp−トルエンスルホン酸の一水和物を0.69g(3.61ミリモル)加えた。次に、トルエンを40mL加えた。この混合物を136℃に加熱して3時間撹拌したが、この間に水を共沸で除去した。溶媒を減圧下で除去した。3.79g(25.3ミリモル)のベンゾイル蟻酸(BFA)を40mLのTHFに入れることで生じさせた溶液にCDIを4.11g(25.3ミリモル)加えた後の反応混合物を室温で3時間撹拌した。この溶液を前記フラスコ(MEEAによる修飾をある程度受けたPGが入っている)に加えた。この混合物を一晩還流させた後、水を加えて、その混合物を1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。その残留物をクロロホルムに入れて溶解させた。その混合物に2NのHCl水溶液による洗浄を2回、脱イオン水による洗浄を3回、10%のNaOH水溶液による洗浄を2回そしてNaCl水溶液による洗浄をpH=7になるまで数回受けさせた。その有機相を無水NaSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した後、その残留物を真空下40℃で乾燥させた。
得た生成物を表13に示す。
Figure 2006045561
H NMR(CDCl):δ=0.77、1.32(PGのTMP中心部);2.84−5.63(PGおよびMEEA部分のプロトン);7.30−8.05(BFA部分のプロトン)。
この実施例では、高分枝ポリグリシドールにα−ヒドロキシケトンをI型の光開始剤として用いかつ2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸を相溶化剤として用いた誘導体化を受けさせる合成を記述する。この高分子開始剤は一般式PI−7で表される。
一般式PI−7
Figure 2006045561
式中、
・ PGは、高分枝ポリグリシドール中心部を表し、
・ xは、出発ポリグリシドールが有する末端ヒドロキシル基の平均数を表す。
中間体である光開始剤HSAの合成
この中間体である光開始剤の合成を反応スキーム:
Figure 2006045561
に従って実施する。4.5g(20ミリモル)のIrgacure2959を40mLのアセトニトリルに入れて懸濁させた。トリエチルアミンを6.1mL(44ミリモル)および無水こはく酸を2.2g(22ミリモル)加えた後、反応を室温で16時間継続した。溶媒を減圧下で除去した後、その残留物を50mLの水と5mLの1N NaOHに溶解させた。この混合物に100mLの酢酸エチルを用いた抽出を受けさせた。その酢酸エチルに50mLの水を用いた再抽出を受けさせた。その溜めておいた水性画分を1NのHClでpH=1になるまで酸性にした後、100mLの塩化メチレンを用いた抽出を2回実施した。その溜めておいた塩化メチレン画分を無水MgSOで乾燥させた後、溶媒を減圧下で蒸発させた。その油状残留物を20mLのヘキサンで処理すると結晶化が起こった。スクシニル化を受けた開始剤を3.0g得たが、その収率は46%で融点は55℃であった。
PG 17 HSA 6.8 MEEA 10.2 の合成
Dean−Starkと冷却器を取り付けておいた100mLの一口フラスコにPG17を3.08g(2.54ミリモル)、MEEAを4.00mL(29.5ミリモル)およびp−トルエンスルホン酸の一水和物を0.82g(4.31ミリモル)加えた。次に、トルエンを40mL加えた。この混合物を136℃に加熱して3時間撹拌したが、この間に水を共沸で除去した。溶媒を減圧下で除去した。それと同時に、6.94g(21.6ミリモル)のHSAと3.50g(21.6ミリモル)の1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)を40mLのTHFに入れることで生じさせた溶液を室温で2時間撹拌した。この溶液を前記フラスコ(MEEAによる修飾をある程度受けたPGが入っている)に加えた。この混合物を一晩還流させた後、水を加えた。溶媒を減圧下で除去した後、その残留物をメタノールに溶解させた。メタノールを用いた透析で高純度の重合体を得た。
Mn=4931の高分子開始剤PG17HSA6.8MEEA10.2を34%の収率で得た。H NMR(CDCl):δ=0.77、1.34(PGのTMP中心部);1.56(−C(CH−);1.77(−OH);2.60(−OOCCHCHCOO−);3.10−5.28(PGおよびMEEA部分、−OCHCHO−のプロトン);6.89、6.92、8.02、8.05(芳香環のプロトン)。
本発明の好適な態様を詳細に記述してきたが、ここに、それに関していろいろな修飾を本請求の範囲に限定する如き本発明の範囲から逸脱することなく成してもよいことは本分野の技術者に明らかであろう。

Claims (18)

  1. 放射線硬化性組成物であって、開始用官能基を末端基として少なくとも1個有する樹状重合体中心部(core)を含んで成る高分子開始剤を含有する放射線硬化性組成物。
  2. 放射線硬化性組成物が放射線硬化性インクジェット用インクである請求項1記載の放射線硬化性組成物。
  3. 前記少なくとも1個の開始用官能基がベンゾインエーテル、ベンジルケタール、α,α−ジアルコキシアセトフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、α−アミノアルキルフェノン、アシルホスフィンオキサイド、アシルホスフィンスルフィド、α−ハロケトン、α−ハロスルホンおよびα−ハロフェニルグリオキサレートから成る群から選択される開始用官能基である請求項1または2記載の放射線硬化性組成物。
  4. 前記少なくとも1個の開始用官能基がベンゾフェノン、チオキサントン、1,2−ジケトンおよびアントラキノンから成る群から選択される開始用官能基である請求項1または2記載の放射線硬化性組成物。
  5. 前記高分子開始剤が前記樹状重合体中心部上に開始用官能基を末端基として少なくとも5個有する請求項1から4のいずれか記載の放射線硬化性組成物。
  6. 前記高分子開始剤が他の官能基を末端基として少なくとも1個有する請求項1から5のいずれか記載の放射線硬化性組成物。
  7. 前記他の1個の官能基が前記高分子開始剤と放射線硬化性組成物の相溶性を向上させる相溶化用基である請求項1から6のいずれか記載の放射線硬化性組成物。
  8. 前記樹状重合体中心部が高分枝重合体中心部である請求項1から7のいずれか記載の放射線硬化性組成物。
  9. 前記高分枝重合体中心部が示す多分散性M/Mが3未満である請求項8記載の放射線硬化性組成物。
  10. 前記高分枝重合体中心部がポリグリシドールである請求項8または9記載の放射線硬化性組成物。
  11. a)高分子開始剤を準備し、そして
    b)前記高分子開始剤を単量体、オリゴマーおよび/またはプレポリマーと一緒に混合する、
    段階を含んで成る単量体、オリゴマーおよび/またはプレポリマーの重合方法であって、前記高分子開始剤が開始用官能基を少なくとも1個有する樹状重合体中心部を含んで成ることを特徴とする単量体、オリゴマーおよび/またはプレポリマーの重合方法。
  12. 前記樹状重合体中心部が高分枝重合体中心部である請求項11記載の単量体、オリゴマーおよび/またはプレポリマーの重合方法。
  13. 前記高分枝重合体中心部が示す多分散性M/Mが3未満である請求項12記載の単量体、オリゴマーおよび/またはプレポリマーの重合方法。
  14. 前記高分枝重合体中心部がポリグリシドールである請求項12または13記載の単量体、オリゴマーおよび/またはプレポリマーの重合方法。
  15. a)放射線硬化性インクジェット用インクを準備し、
    b)前記放射線硬化性インクジェット用インクを紙、コート紙、ポリオレフィンコート紙、厚紙、木、複合板、プラスチック、コートプラスチック、キャンバス、織物、金属、ガラス、植物繊維製品、革、磁気材料およびセラミックから成る群から選択されるインクジェット記録用要素の上に噴出させる、
    段階を含んで成る画像形成品製造方法であって、前記画像形成品が開始用官能基を少なくとも1個有する樹状重合体中心部を有する高分子開始剤を含有することを特徴とする画像形成品製造方法。
  16. 前記樹状重合体中心部が高分枝重合体中心部である請求項15記載の画像形成品製造方法。
  17. 前記高分枝重合体中心部が示す多分散性M/Mが3未満である請求項16記載の画像形成品製造方法。
  18. 前記高分枝重合体中心部がポリグリシドールである請求項16または17記載の画像形成品製造方法。

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