JP2008222548A - フラットパネルディスプレイ - Google Patents

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Shintaro Yanagisawa
眞太郎 柳澤
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Abstract

【課題】 表示ムラ等のない視認性の良いフラットパネルディスプレイを提供する。
【解決手段】 ガラスパネル1の表面の材料を溶出させる溶出液Lを噴射する噴射孔20を有するノズル2をガラスパネル1の表面に平行な回転軸の周りに回転させ、噴射孔20がガラスパネル1の表面に対向した際、噴射された溶出液Lがガラスパネル1の表面を衝撃することで表面を平坦化する削減が行われる。ノズル2が回転した際、噴射孔20がガラスパネル1の表面と正対した時点でのその噴射孔20の回転の向きと逆向きにガラスパネル1を移動させながら削減が行われる。表面が平坦化されたガラスパネル1でディスプレイを製造する。
【選択図】 図1

Description

本願の発明は、フラットパネルディスプレイやタッチパネルの製造において好適に使用されるガラスパネル削減装置に関する。
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ(以下、FPD)は、コンピュータの表示デバイス用やTV受像器用、携帯電話の表示部用など、各種電子機器に多用されている。最近では、自発光のためバックライトが不要で高速応答性に優れた有機ELディスプレイの開発が進められており、将来が有望視されている。
このようなFPDに求められている課題の一つに、薄型化がある。薄型化は、搭載される電子機器の薄型化や小型化、軽量化に伴って要求されている。例えば、ノートパソコンや携帯電話では、さらなる薄型化や軽量化が求められており、これに伴いFPDも薄く軽量なものが求められている。
一方、ディスプレイにタッチすることで情報の入力が行えるタッチパネルにおいても、耐久性の向上により普及が進んでいるが、やはり携帯電話のような小型の電子機器に搭載する関係から、薄型化が要請されている。
FPDやタッチパネルの厚さを大きな部分を占めているのは、ガラスパネルである。従って、ガラスパネルを薄くすることが製品の薄型化にとって最も効果的である。このようなことから、特開平5−249422号公報に開示されているように、製造工程の過程でガラスパネルの表面をエッチングすることでガラスパネルを薄くし、これによって製品全体の厚みを薄くする技術が開発されている。
特開平5−249422号公報
しかしながら、FPDやタッチパネルに使用されるガラスパネルについては、表面の平坦性を高く保持する必要がある。表面の平坦性が悪くて凹凸があると、凹凸の部分で光が微妙に散乱されるため、表示ムラが生じる等、視認性が悪くなる。
また、ガラスパネルを削減して厚さを薄くする工程は、製品の組み立てには本来的には不必要な工程であり、短時間に済ませる必要があるが、前記公報のような技術では、均一に削減を行うには非常に時間がかかってしまう欠点がある。
本願の発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、表示ムラ等のない視認性の良いフラットパネルディスプレイを提供する技術的意義を有するものである。
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、少なくとも一枚の透明なガラスパネルを備えたフラットパネルディスプレイであって、このガラスパネルは、ガラスパネルの表面の材料を溶出させることが可能な溶出液で衝撃する研磨処理により厚さが削減されており、
研磨処理は、溶出液を噴射孔を有するノズルをガラスパネルの表面に平行な回転軸の周りに回転させ、噴射孔がガラスパネルの表面に対向した際、噴射された溶出液がガラスパネルの表面を衝撃する処理であるとともに、
ノズルが回転した際、噴射孔がガラスパネルの表面と正対した時点でのその噴射孔の回転の向きと逆向きにガラスパネルを移動させながら行う処理であり、
この研磨処理により、最大粗さが0.5μm以下である平坦性を有しているという構成を有する。
以下に説明する通り、本願発明によれば、表示ムラ等のない視認性の高いディスプレイが得られる。
本願発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態)について説明する。
まず、実施形態のディスプレイの製造に使用される装置及び方法について説明する。図1は、実施形態のフラットパネルディスプレイの製造に使用されるガラスパネル削減方法の概略図である。この方法は、ガラスパネル1の表面を溶出させることが可能な溶出液Lをガラスパネル1の表面に向けて噴射して表面を衝撃して行う方法である。この方法は、溶出液Lによる溶出という化学的な作用と、衝撃という物理的な作用とを併用するものであり、エッチング液に浸漬したりエッチング液を散布したりするだけのエッチングとは本質的に異なる。尚、溶出液Lは、大きな圧力で噴射されるので、自重よるものより大きな加速度がついた状態でガラスパネル1の表面に衝突することになる。
この方法では、噴射孔20を有するノズル2が使用され、且つそのノズル2を回転させながら削減が行われる。ノズル2は円筒形のパイプ状であり、図1に示すように回転軸Aはノズル2の中心軸に一致させる。噴射孔20は、ノズル2の周面(中心軸を取り囲む周状の面)に沿って複数設けられている。
一方、ガラスパネル1は、削減の際、水平な姿勢を維持するようになっている。また、ガラスパネル1は、削減の際、水平方向に直線移動するようになっている。この方法では、ガラスパネル1は、搬送コロの上に載せられ、水平な姿勢を保ちながら、直線移動する。
ノズル2の長さ方向は、ガラスパネル1の幅方向(移動方向に対して垂直な方向とする)に一致している。ノズル2の長さは、ガラスパネル1の幅より少し長い。
また、ノズル2は、ガラスパネル1の移動方向に沿って等間隔に複数設けられているとともに、ガラスパネル1が移動するラインを挟んで、両側に設けられている。この方法では、ガラスパネル1は水平な姿勢を保ち水平なラインに沿って移動するので、ノズル2は上下に設けられている。
図1に示すように、ノズル2を回転させながら溶出液Lを噴射孔から噴射させ、両側のノズル2の中間の位置をガラスパネル1が通過するよう直線移動させる。この際、回転の向きと直線移動の向きとは逆にする。より正確に言えば、図1に示すように、噴射孔20がガラスパネル1の表面と正対した時点でのその噴射孔の回転の向きと、直線移動の向きとが、互いに逆向きである。
上下のノズル2から噴射された溶出液Lにより衝撃されたガラスパネル1の表面は、溶出液Lに溶かし出され、かつ溶出液Lの衝撃により流出していく。これによりガラスパネル1の上下両面が同時に削減され、ガラスパネル1の厚さが薄くなる。
溶出液Lとしては、例えばフッ酸が使用され、適宜希釈して用いられる。フッ酸の場合、例えば水100に対して10〜50%程度(体積百分率)に希釈して使用される。ノズル2の噴射孔20がガラスパネル1と正対した際の噴射孔20とガラスパネル1の表面との距離を5mm〜150mm、ガラスパネル1の表面での溶出液Lによる衝撃圧力を0.5kg/cm〜3.5kg/cm、回転軸からの噴射孔20までの回転半径を50mm〜100mmとすると、ノズル2の回転速度は1〜20rpmでよく、ガラスパネル1の移動速度は、100mm/分〜1000mm/分程度でよい。このような条件で削減を行うと、毎秒0.08〜0.8μm程度の厚さで削減が可能である。そして、ノズル2を均等な位置に配置することで、削減後のガラスパネル1の表面の最大粗さを0.5μm以下にすることができ、平坦性に優れた削減が行える。
尚、ガラスパネル1の両側で同じ速度で削減を行う必要がある場合、下側のノズル2での噴射圧力を上側のノズル2での噴射圧力より強くし、ガラスパネル1の両側で同じ衝撃圧力にすることもある。
次に、上記方法を実施する際に用いられるガラスパネル削減装置について説明する。図2は、図1に示す方法に用いられるガラスパネル削減装置の正面断面概略図、図3は図2に示すガラスパネル削減装置の側面断面概略図である。
図2及び図3に示すガラスパネル削減装置は、ガラスパネル1の表面の材料を溶出することが可能な溶出液Lをガラスパネル1の表面に向けて噴射するノズル2と、ノズル2に溶出液Lを供給する溶出液供給系21と、ノズル2をガラスパネル1の表面に平行な方向の回転軸の周りに回転させる回転機構5とを備えている。
このガラスパネル削減装置は、フッ酸のような強酸を溶出液Lとして使用するため、削減処理を密閉した容器内で行うべく、処理チャンバー4を備えている。ノズル2は、処理チャンバー4内に設けられている。ノズル2には、溶出液Lを供給する溶出液供給系21が設けられている。
処理チャンバー4は、ガラスパネル1を搬入する搬入口41と、削減後にガラスパネル1を搬出する搬出口42とを備えている。搬入口41及び搬出口42は、封鎖ゲート43で開閉されるようになっている。尚、開閉は、封鎖ゲート43を上下方向に移動させることで行われる。
また、図2及び図3に示す装置は、ガラスパネル1を水平な姿勢にしつつ水平方向に搬送する搬送機構30を備えている。搬送機構30は、水平な搬送ラインに沿って配置された多数の搬送コロ3によって構成されている。搬送ラインは、搬入口41及び搬出口42を通して設定されており、ガラスパネル1は、搬入口41から搬入されて削減が行われた後、搬出口42から搬出されるようになっている。この説明から明らかなように、搬送機構30は、削減の際にガラスパネル1を水平な姿勢に保持する機構、及びガラスパネル1を水平に直線移動させる機構に兼用されている。
次に、ノズル2の構成について説明する。
図3に示すように、ノズル2は、ガラスパネル1の幅方向の長いものとなっている。そして、ノズル2は、全体としては円管状(断面が円形の管状)である。ノズル2は、噴射孔20を設けた位置に突起を有している。突起の先端は開口となっており、この開口が噴射孔20となっている。
図2に示すように、噴射孔20は、中心軸の周りの周方向に均等に複数設けられている。この装置では、噴射孔20の寸法及び形状は皆同じであり、周方向では四つの噴射孔20が90度間隔で設けられている。
また、図3に示すように、噴射孔20は、ノズル2の長さ方向(中心軸方向)においても複数均等に設けられている。長さ方向においても、噴射孔20の寸法及び形状は皆同じであり、均等間隔をおいて設けられている。
また、周方向に並んだ四つの噴射孔20の組みは、長さ方向において隣り合う別の噴射孔20の組みに対して45度ずれた位置に設けられている。即ち、四つの噴射孔20の組みは、長さ方向において45度ずつずれた位置(互い違いの位置)に設けられた構造となっている。従って、ある噴射孔20の組みから一組おいた隣りの噴射孔20(隣りの隣り噴射孔20)は、周方向における位置が同じとなっている。
上記構造は一例であって、他の構造もあり得る。例えば、隣り合う噴射孔20の組みが30度ずつずれた位置とすることもできる。この場合には、ある噴射孔20の組みから二組おいた隣りの噴射孔20が周方向で同じ位置となる。また、周方向における噴射孔20の数を三つとして120度間隔とし、隣り合う噴射孔20の組みが60度ずつずれた位置になるようにしたり、40度ずつずれた位置にしたり、30度ずつずれた位置にしたりすることもできる。
各噴射孔20は、ノズル2の長さ方向に対して斜めの方向に長いものとなっている。斜めの方向とは、ノズル2の長さ方向に対して例えば45度の方向である。
このようなノズル2は、図2に示すように、搬送方向(ガラスパネル1の長さ方向)に沿って均等間隔をおいて複数設けられている。また、ガラスパネル1の両側の表面を同時に削減できるよう、ノズル2は搬送ラインを挟んで上下に設けられている。図2に示すように、各ノズル2の配置位置は上下方向で同じ位置である。
溶出液供給系21は溶出液Lを供給する配管211を含んでおり、この配管211は処理チャンバー4の器壁を液密に貫通している。配管211の先端は、ロータリージョイント212を介して各ノズル2の一端に接続されている。溶出液Lは、ロータリージョイント212を通して配管からノズル2内部に流入するようになっている。
また、ノズル2の他方の端部は閉じられており、この端部には回転機構5のシャフト51が固定されている。回転機構5の詳細は図示されていないが、例えば、各シャフト51に固定されたギヤとモータの出力軸に固定されたギヤとをチェーンで連結し、モータを駆動することで、各シャフト51を回転させる機構が採用できる。
溶出液供給系21は、溶出液Lを溜めた液溜め213と、液溜め213と各ノズル2とをつなぐ上記配管211と、配管211上に設けられたバルブ214や送液ポンプ215などから構成されている。供給する溶出液Lから不純物やゴミ等を除去するフィルタや調圧用のバルブなどが、必要に応じて設けられる。
尚、図2に示すように、処理チャンバー4の底部は漏斗状になっており、最下部には、排出孔44が設けられている。排出孔44には、使用済みの溶出液Lを排出する排出管45が接続されている。上記のようにガラスパネル1の表面の材料が溶け込んだ溶出液Lは、処理チャンバー4の底部に落下し、排出孔44及び排出管45を通って排出されるようになっている。
また、処理チャンバー4の内壁面や、処理チャンバー4内の各部材の表面は、溶出液Lに対して耐薬品性の構成となっている。例えば溶出液Lがフッ酸である場合、内壁面や各部材の表面はテフロン(デュポン社の登録商標)のようなフッ素樹脂をコーティングして覆った構成とされる。尚、搬入口41や搬出口42を開閉する封鎖ゲート43は、溶出液LLが漏出しないよう液密に封鎖を行うようになっている。
次に、上記装置の動作について説明する。
ガラスパネル1は、搬送機構30によって搬入口41を通して処理チャンバー4内に搬入される。ガラスパネル1は、処理チャンバー4内において、ノズル2が配置された位置より手前の搬送ライン上の待機位置に位置する。そして、封鎖ゲート43が閉じられた後、溶出液供給系21が動作し、送液ポンプ215により溶出液Lが各ノズル2に供給され、送液ポンプ215の送液圧力により溶出液Lは噴射孔20から噴射される。そして、回転機構5が動作して各ノズル2が回転する。各ノズル2の回転の向きは同じであり、回転速度も同じである。
この状態で、搬送機構30が再び動作してガラスパネルが移動を開始し、ガラスパネル1は水平に移動する。移動の過程で、ガラスパネル1は、回転する上下のノズル2の間を通過する。この際、ノズル2から噴射された送液力がガラスパネル1の上下の表面を衝撃し、前述したように表面が削減される。
ガラスパネル1は、搬送方向に並んだ上下のノズル2の間を通過し、この過程で削減が進む。全てのノズル2の間を通過すると、削減が終了する。その後、搬送機構30は、ガラスパネル1を搬出口42の手前の待機位置で停止させる。溶出液Lの噴射が停止し、ノズル2の回転が停止した後、搬出口42の封鎖ゲート43が開けられ、搬送機構30が再び動作してガラスパネル1は搬出口42から搬出される。その後、ガラスパネル1は、表面に残留した溶出液Lを洗い流す洗浄処理が行われる。
上記装置は、ノズル2の形状及び配置に工夫を凝らすことで、均一な削減処理を高速で行えるようになっている。この点について、図4を使用して説明する。図4は、ノズル2における噴射孔20の配置とその作用について示した平面概略図である。
前述したように、ガラスパネル1の表面の各点は、回転するノズル2の噴射孔20がガラスパネル1の表面に対向した際、溶出液Lの衝撃を受け、削減される。図4には、一つのノズル2から噴射された溶出液Lを示す。溶出液Lは、噴射孔20から錐状(ないしはラッパ状)に広がる。各噴射孔20は、前述したようにノズル2の長さ方向に対して斜めの方向に長いので、溶出液Lもこの方向に長く広がる。従って、ガラスパネル1の表面を衝撃した際の溶出液Lの広がりの輪郭(以下、衝撃パターンといい、図4に点線L1〜L3で示す)も、噴射孔20の輪郭と相似形を成す。尚、図4では、説明の都合上、噴射孔20がガラスパネル1の表面と正対した際の衝撃パターンを描いている。
前述したように、この装置では、ノズル2の長さ方向で隣り合うノズル2の組みは、周方向の位置が45度異なっている。説明の都合上、周方向の位置関係が同じである噴射孔20の組みを第一の噴射孔組み群20aとし、これに対して周方向の位置関係が45度異なる噴射孔20の組みを第二の噴射孔組み群20bとする。また、各組み群の噴射孔20において、周方向の一つの位置の噴射孔20を0度位置とし、順次、90度位置、180度位置、270度とする。
図4において、第一の噴射孔組み群20aの0度位置の噴射孔20がガラスパネル1の表面に正対し、溶出が行われたとする。この際の衝撃パターンをL1とする。この状態から、ノズル2が45度回転すると、今度は、第二の噴射孔組み群20bの0度位置の噴射孔20がガラスパネル1の正面に正対し、これによりガラスパネル1の表面が削減される。この際の衝撃パターンをL2とする。さらにノズル2が45度回転すると、今度は、第一の噴射孔組み群20aの90度位置の噴射孔20がガラスパネル1の表面に正対し、これにより溶出が行われる。この際の衝撃パターンをL3とする。このような動作を繰り返し、第一第二の噴射孔組み群20a,20bの噴射孔20が交互にガラスパネル1の表面に正対して溶出が行われる。
ガラスパネル1の表面への溶出液Lの総供給量について説明するため、便宜上、ガラスパネル1が静止しているものとする。ガラスパネル1が静止している場合、各組み群の噴射孔20から噴射された溶出液Lは同じ箇所を衝撃することになるが、説明の都合上、時間単位を縦軸にし(横軸はガラスパネルの幅方向の位置)、図4では平面に変換した状態に描かれている。また、衝撃パターンによる溶出液Lの総供給量の分布Laを、図4中に併せて示す。この分布Laは、ガラスパネル1の幅方向(ノズル2の長さ方向)で見た図である。
図4に示す各衝撃パターンから解るように、ガラスパネル1の表面の各点のうち、噴射孔20が正対した際にその正面に位置する(噴射孔20の直下に位置する)点P1は、その噴射孔20からのみ溶出液Lの供給を受けるが、そこから少し外れた位置の点P2では、隣接する二つの組み群の噴射孔20から溶出液Lの供給を受ける。上記説明から解るように、これは同時に受けるということではなくて、ある時点で第一の噴射孔組み群20aの噴射孔20から供給を受けた後、45度回転が進んだ際に第二の噴射孔組み群20bの噴射孔20から供給を受けるという意味である。
二つの組み群20a,20bの噴射孔20から溶出液Lの供給を受ける点P2は、溶出液Lの広がりのうちの周辺部に相当する。この点P2では、噴射孔20の正面に位置する点P1に比べて一つの噴射孔20から供給される溶出液Lの量は少ない。しかしながら、回転に伴って、隣接する噴射孔20からの溶出液Lの供給を受けるので、時間積分した溶出液Lの総供給量は、正面に位置する点P1とほぼ等しくなる。この状態が、図4のグラフで示されている。尚、Liは、一つの噴射孔20の組みから供給された溶出液Lの総量の分布を示す。
前述したように、実際にはガラスパネル1は水平方向に移動しているから、図4に示す溶出液Lの総供給量は、移動方向で配分されることになる。従って、ノズル2の回転速度に対して適切な一定の速度でガラスパネル1を移動させることによって、ガラスパネル1の表面の各点は、均等な溶出液Lの供給を受ける。これにより、均一な削減が行える。
また、各噴射孔20がガラスパネル1の移動方向に対して斜めの方向に長い点は、削減を均一にするのに貢献している。以下、この点を説明する。
上記方法及び装置は、各噴射孔20が単純な円形や方形であっても実施可能である。しかし、この場合、上記ガラスパネル1の表面のうち噴射孔20の正面に位置しない点においても均一に削減がされるためには、溶出液Lの広がりの周辺部において溶出液Lが重なった状態にして衝撃が行われるようにする必要がある。つまり、ノズル2の回転の結果、隣り合う噴射孔20からの溶出液Lが重複して一つの点に供給されるのではなく、ノズル2の回転によらず常に溶出液Lが重なった状態にする必要がある。
しかしながら、発明者の研究によると、溶出液Lの広がりが重なると、重なりの部分で溶出液Lが衝突し、溶出液Lの散乱や飛散、不規則な流れが生ずる。この結果、溶出液Lによるガラスパネル1の表面の衝撃が不均一になり、均一な削減ができない。一方、この装置のようにノズル2の斜めの方向に長くしておくと、溶出液Lの広がりが重ならないようにしつつ、ノズル2の回転によって重複して溶出液Lの供給を受けるようにすることが可能で、時間積分した溶出液Lの総供給量をガラスパネル1の表面の各点で均一にすることができる。
また、ノズル2の回転の向きと直線移動の向きが逆である点は、削減処理を高速化するのに貢献している。この点について、図5を使用して説明する。図5は、回転の向きと直線移動の向きが逆向きにすることを効果について示した概略図である。
前述したように、この方法では、ノズル2が回転し、噴射孔20がガラスパネル1の表面と対向した際に溶出液Lがガラスパネル1の表面を衝撃する。この場合、噴射孔20も回転しながらガラスパネル1の表面に対向した状態になるので、噴射孔20から噴射されている溶出液Lの広がりも回転しながら、ガラスパネル1の表面に衝突する状態になる。従って、理論的には、ガラスパネル1を衝撃する溶出液Lの衝撃圧力は、噴射孔20からの噴射による圧力と、回転モーメントによる圧力との合算になる。
そして、回転と直線移動が同じ向きの場合、図5(1)に示すように、ガラスパネル1は、溶出液Lの回転モーメントに沿って(厳密に言えば、回転モーメントのうちガラスパネル1の表面に平行な成分がガラスパネル1の移動に対して同じ向きになって)進んでいくことになり、ガラスパネル1は回転モーメントによる衝撃圧力に抗さずに進んでいくことになる。従って、ガラスパネル1の移動が回転モーメントによる衝撃圧力を減じた状態となり、全体の衝撃圧力が低下してしまう。一方、回転と直線移動が逆向きの場合、図5(2)に示すように、ガラスパネル1は、衝撃する溶出液Lの回転モーメントに抗した状態で進んでいくことになり、全体の衝撃圧力は、ガラスパネル1の移動によるものを加えた圧力となる。一方、従って、この方法及び装置の構成によれば、ノズル2の回転を活かして高速で削減処理ができることになる。
また、直線移動は相対的なものであるから、ガラスパネル1を静止させておき、これに対してノズル2を直線移動させた場合でも、上述した効果は、同様に得られる。上記説明から解るように、この場合は、噴射孔20がガラスパネル1の表面と正対した時点でのその噴射孔20の回転の向きと、ノズル2の直線移動の向きが同じ向きになるようにする。場合によっては、ガラスパネル1の直線移動とノズル2の直線移動の両方を行ってもよい。噴射孔20がガラスパネル1の表面と正対した時点でのその噴射孔20の回転の向きと逆向きにガラスパネル1を直線移動させながら、ノズル2をその回転の向きと同じ向きに直線移動させる。この構成では、さらに衝撃圧力が高くなる。
上述したように、上記方法及び装置によれば、削減後のガラスパネル1の表面の最大粗さ0.5μm以下とすることが可能であり、ノズル2の配置や形状、噴射圧力などを適宜選定することで、最大粗さ0.1μm以下とすることも可能である。従って、この方法及び装置は、FPDやタッチパネルの製造において好適に用いられる。このような方法及び装置は、削減後の表面が高い平坦性を有するため、「研磨」を行っているとすることもできる。
尚、上記装置は、搬送ラインを挟んで上下にノズル2が設けられており、水平な姿勢のガラスパネル1の両面(上下の面)を同時に削減処理したが、上側のみにノズル2が設けられたり、下側のみにノズル2が設けられ、片側のみを削減処理する場合もある。また、ノズル2は搬送方向に沿って必ずしも複数設けられている必要はなく、一つのノズル2のみであっても実施は可能である。
次に、実施形態のフラットパネルディスプレイの製造に使用される別のガラスパネル削減方法について説明する。図6は、別のガラスパネル削減方法の概略図である。
前述した方法では、ガラスパネル1を水平な姿勢にして削減処理をしたが、図6に示すように、この方法では、ガラスパネル1を垂直な(鉛直な)姿勢にして削減処理を行うものとなっている。ガラスパネル1は、垂直な姿勢のまま、搬送機構30により水平方向に移動するようになっている。
そして、ノズル2もその長さ方向を垂直にして配置され、水平方向に向けて溶出液を噴射する構成とされる。ノズル2は、ガラスパネル1の両側(左右)に配置される。
この方法においても、各ノズル2は長さ方向に沿った回転軸の周りに回転するが、長さ方向が垂直方向なので、回転軸も垂直方向になる。そして、各ノズルの回転の向きは、噴射孔20がガラスパネル1の表面と正対した時点でのその噴射孔20の回転の向きがガラスパネル1の水平移動の向きと逆向きとなる向きとされる。
このような構成によっても、前述した方法と同様の効果を得ることができる。この方法の場合、ガラスパネル1の両側の面に対して溶出液を同じ圧力で衝撃することが容易である。従って、ガラスパネル1の両側の面を同時に同じ速度で削減する場合に特に好適な構成となる。
図7は、図6に示す方法に用いられるガラスパネル削減装置の正面断面概略図、図8は図7に示すガラスパネル削減装置の側面断面概略図、図9は図7に示すガラスパネル削減装置を上から見た平面概略図である。
図7〜図9に示すように、この装置においても、処理チャンバー2内で削減処理が行われるようになっている。そして、ガラスパネル1は、削減処理の際に水平な姿勢を保ちながら、搬送機構30によって搬送され、搬送の途中において処理チャンバー2内に位置して削減処理が行われるようになっている。
また、この装置では、ガラスパネル1は、パネル保持具6内に保持された状態で搬送されるようになっている。図10は、図7に示すパネル保持具6の斜視概略図である。図10に示すように、パネル保持具6は、ガラスパネル1をほぼ垂直に立てて保持する部材である。パネル保持具6は、水平な姿勢のベース板61と、ベース板61に立設された支柱62と、支柱62に取り付けられた緩衝具66とから主に構成されている。
支柱62は、細長い長方形のベース板61の角の部分にそれぞれ設けられており、計4本設けられている。ベース板61の長辺方向に沿って延びる梁部材64が設けられており、各支柱62の上端をつないでパネル保持具6を補強している。各支柱62は、立てられたガラスパネル1より少し高さが高い。ベース板61の短辺における二本の支柱62の間隔は、ガラスパネル1の厚さより少し大きい。ベース板61の長辺方向における二本の支柱62の間隔は、ガラスパネル1の長さより少し長い。ガラスパネル1は、これらの支柱62で出来た空間に挿入されるようにして保持される。
緩衝具66は、ガラスパネル1に直接接触する部材であり、ガラスパネル1がぐらつかないようにするものである。緩衝具66は、溶出液Lに対して腐食されない(耐薬品性のある)材料で形成されており、例えばテフロン(デュポン社の登録商標)のようなフッ素樹脂で形成されている。
図10に示すように、緩衝具66は、ベース板61の長辺方向の両端において各支柱62の下端をつなぐよう設けられたものと、同じく長辺方向の両端において支柱62の上端をつなぐよう設けられたものからなる。保持されたガラスパネル1は、これらの緩衝具66に各角部が接触する。ガラスパネル1の下端角部に接触する下側の緩衝具66は、短辺方向の断面形状が凹状で、長辺方向の断面形状がL字状である。ガラスパネル1の上端角部に当接する緩衝具66は、短辺方向の断面形状が横にした凹状である。図10に示すように、ガラスパネル1を装着する場合、上から挿入し、各緩衝具66の凹部に落とし込むようにする。
このようなパネル保持具6を搬送する搬送機構30として、この装置においても、図7に示すように、搬送コロ3によるものが採用されている。この他、ラックアンドピニオン機構によるものであっても良い。即ち、パネル保持具6の下面にラックを固定し、各搬送コロ3の代わりにピニオンを配置しても良い。
図7及び図9ではノズルの図示が省略されているが、図8に示すように、処理チャンバー4内にはノズル2が配置されている。この装置では、図8及び図9に示すように、搬送方向に垂直な水平方向に沿って複数の搬送ラインが設定されている。ノズル2は、各搬送ライン上のガラスパネル1の両側を同時に削減できるよう、各搬送ラインの両側に設けられている。この装置では、三つの搬送ラインが処理チャンバー4内に設定されており、その両側にノズル2が設けられている。各搬送ラインの間に位置するノズル2は、両側のガラスパネル1に対する削減処理に兼用されるから、搬送ラインに対して垂直な方向では、図8に示すように四つのノズル2が設けられた構成となっている。
各搬送ラインに沿ってガラスパネルを搬送する構成について説明する。説明の都合上、図8において左側の搬送ライン上で搬送されるガラスパネルをガラスパネル1a、中央の搬送ライン上で搬送されるガラスパネルをガラスパネル1b、右側の搬送ライン上で搬送されるガラスパネルをガラスパネル1cとする。また、左側の搬送ライン上でガラスパネル1aを搬送する搬送コロを左搬送コロ3a、中央の搬送ライン上でガラスパネル1bを搬送する搬送コロを中央搬送コロ3b、右側の搬送ライン上でガラスパネル1cを搬送する搬送コロを左搬送コロ3cとする。
図8に示すように、各搬送コロ3a,3b,3cは、ガラスパネル1a,1b,1cを上下で挟みながら回転し、所定の向きに回転させるよう構成されている。尚、各搬送コロ3a,3b,3cは、ホイール部が軸部から突出していて段差が設けられている。パネル保持具6がこの段差に落とし込まれた状態となり、この状態でガラスパネル1a,1b,1cが搬送されるようになっている。
各ノズル2の形状や構造は、前述した装置と同様であるが、各ノズル2の回転の向きは、噴射孔20がガラスパネル1の表面と正対した時点でのその噴射孔20の回転の向きがガラスパネル1の直線移動の向きと逆向きになるよう工夫を凝らしている。以下、この点について説明する。説明の都合上、四つのノズルを左から順に、2a,2b,2c,2dとする。
まず、上記搬送コロ3a,3b,3cによる搬送の向きについて説明する。三つの群の搬送コロ3a,3b,3cのうち、左搬送コロ3aと右搬送コロ3cは、同じ向きにガラスパネル1a,1cを搬送させ、中央搬送コロ3bはガラスパネル1bを異なる向きに搬送させるようになっている。例えば、図8に示すように、左搬送コロ3a及び右搬送コロ3cは、ガラスパネル1a,1cを図8の紙面を垂直に貫く方向に上から下に搬送し、中央搬送コロ3bはガラスパネル1bを図8の紙面を垂直に貫く方向に下から上に搬送する。図9に示す平面図では、ガラスパネル1a,1cは左から右に搬送され、ガラスパネル1bは右から左へ搬送される。尚、図8に示す搬送コロ3a,3b,3cの各群において、上下で見ると、上側の搬送コロと下側の搬送コロは、互いに逆向きに回転する。
そして、図8及び図9に示すように、四つのノズル2a〜2dのうち、ノズル2aとノズル2cは同じ向きであり、ノズル2bとノズル2dは、これとは逆向きに回転するようになっている。ガラスパネル1a〜1cが上記の向きに搬送される場合、図9に示すように、ノズル2aとノズル2cが時計回りに回転し、ノズル2bとノズル2dが反時計回りに回転するよう構成する。
このようにすると、各ガラスパネル1a〜1cが搬送コロ3a〜3cで搬送される際、噴射孔20がガラスパネル1a〜1cの表面と正対した時点でのその噴射孔20の回転の向きがガラスパネル1a〜1cの直線移動の向きと逆向きになる。
溶出液供給系21や処理チャンバー4の構成など、他の部分の構成は前述した装置と同様である。この装置においても、前述した装置と同様、削減後のガラスパネル1の表面の最大粗さ0.5μm以下とすることが可能であり、ノズル2の配置や形状、噴射圧力などを適宜選定することで、最大粗さ0.1μm以下とすることも可能である。従って、この方法及び装置は、FPDやタッチパネルの製造において好適に用いられる。
上記装置では、搬送方向に垂直な水平方向に三つの搬送ラインが設定されたが、四つもしくはそれ以上であっても良い。搬送の向きが互い違いになるようにし、それに合わせてノズル2を回転が交互に逆向きになるよう設けていけば、いくらでも搬送ラインは増設できる。尚、一つのノズル2が両側の搬送ライン上のガラスパネル1の削減処理に兼用される点は、構造の簡略化や部品点数の削減等により装置のコストを安くするメリットがある。但し、両側の搬送ライン上のガラスパネル1の削減処理に一つのノズルを兼用せず、それぞれ専用のノズルを設けても良い。
尚、図7の装置において、三つの搬送ラインについては、処理チャンバー4内に方向転換機構を設けて連続した搬送ラインとしても良い。この場合は、一つのガラスパネル1が処理チャンバー4内で三回削減処理されることになる。方向転換機構を処理チャンバー4の外に設け、処理チャンバー4の外で搬送ラインが連結されるようにする場合もある。
各削減処理は、FPDやタッチパネルを組み立てる前の素材としてのガラスパネル1(即ち、ガラス板)に対して適用することが可能であるばかりでなく、組み立ての過程においても適用することが可能である。
即ち、FPDやタッチパネルでは、大きなガラス板を使用して複数の製品を同時に製作することが盛んに行われている。例えば、液晶ディスプレイの製造では、一対の大きなガラス基板を使用し、個々の領域に製品としての液晶ディスプレイの構造(ITO電極、カラーフィルタ等)を作り込んでいく。そして、ガラス基板を貼り合わせた後、個々の領域に切断して最終的に個々の製品を得る。
この場合、削減処理は、切断する前の大きなガラス基板の状態で行うことが好適である。大きなガラス基板に対して行うことで、個々の製品の製造のために一括して削減処理が行えるので、生産性が高くなるからである。この場合、一対のガラス基板を貼り合わせた後の削減処理を行うため、溶出液Lが噴射される対象は、貼り合わせたガラス基板の外側の面になる。
素材としてのガラス板ではなく、製造工程の過程や製造の最終工程で削減処理を行う場合、溶出液Lが触れることで問題が生ずるような箇所は、マスキングテープで覆うことが好ましい。
また、上記装置において、ノズル2の噴射孔20は、等間隔をおいて設けられているが、これは、複数均等に設けることの一例である。噴射孔20に大小をつけて異なる大きさとする場合には、それに応じて間隔も適宜変更する。「複数均等に」とは、噴射される溶出液Lによるガラスパネル1の表面の衝撃圧力が均等になるように複数設けるとの意味であるにすぎない。
また、上記方法では、ガラスパネル又はノズルの移動は直線移動であったが、直線移動でない場合もあり得る。例えば、静止したノズルに対してガラスパネルを水平な姿勢にしつつ水平面内で垂直な回転軸の周りに回転させながら削減を行う場合もあり得る。
尚、図6に示す方法のようにガラスパネル1を垂直な姿勢にして削減処理をする場合、ガラスパネル1が大型化すると、ガラスパネル1の保持のための構成や移動機構の構成が大がかりになり、技術的な困難性が増すが、図1に示す方法のようにガラスパネル1を水平な姿勢にして削減処理をする場合、保持や移動のための機構は容易である。
次に、FPDの発明の実施形態について説明する。
図11は、実施形態に係るFPDの断面概略図である。図11に示すものは、FPDの一例としての液晶ディプスレイである。図11に示すFPDは、一対のガラスパネル1が封止部12で貼り合わされている。一対のガラスパネル1の内部には、光透過制御部を構成するものとして、一方のガラスパネル1の内面に形成された電極(素子電極、コモン電極等)11と、封入された液晶13とを有している。他方のガラスパネル1の内面には、カラーフィルタ14が形成されている。光透過制御部の構成自体は、通常の液晶ディスプレイと同様である。
図11に示すFPDの特徴点は、一対のガラスパネル1の両方の外面100が、研磨処理により研磨されている点である。研磨処理は、上述した各削減装置を使用して行えるので、説明は省略する。この実施形態のFPDの大きな特徴点は、上述したような研磨処理を行うことにより、外面100が0.5μm以下の平坦性を有している点である。
平坦性について説明すると、図11に拡大して示すように、外面100のうち、最頂部101と最低部102との距離を平坦性としている。この値は、表面粗さの測定において最大粗さ(Rmax)を測定する場合に相当している。幾つかの会社から最大粗さを測定可能な表面粗さ計が市販されており、その中から適宜選んで上記外面100の平坦性を測定することができる。本願の発明者の研究によると、上述した研磨処理を行うことで、一枚のガラス基板1の厚さtを0.5mm以下とした上で、平坦性(Rmax)を0.5μm以下にすることができ、薄型化、軽量化を達成しつつ表示ムラの無い高性能のFPDを提供することができる。上述した削減装置を使用した場合、ノズル2の形状等をさらに最適化することで0.1μm以下の平坦性を実現することも可能であり、さらに好適である。
尚、このような平坦性は、研磨処理が行われる前のガラス基板1の外面の平坦性と同程度の場合があり、この場合には、厚さを削減しても平坦性が損なわれない、と表現することもあり得る。
上記の例では、最大粗さを平坦性としたが、中心線平均粗さ(Ra)を平坦性とすることもできる。この場合は、外面100の凹凸について平均の高さを求め、その高さを基準にして各凹凸の高さの差異の絶対値の平均を求める。この場合も、中心線平均粗さ(Ra)を測定できる表面粗さ計が市販されているので、それを用いる。ちなみに、中心線平均粗さの場合、0.3μm以下とすると表示ムラの無いFPDが提供でき、そのような平坦性も上記外面機械研磨処理によって達成できる。
尚、上記説明では、液晶ディスプレイを採り上げたが、液晶ディプスレイ以外のFPD、例えばプラズマディスプレイや有機ELディプスレイ、表面電界ディスプレイ等でも同様に実施できる。全てのFPDは、表示部に相当する大きさを有する少なくとも一枚のガラスパネルを備えており、本願発明の適用が可能である。
また、従来の技術の説明においては、FPDとタッチパネルとを分けて説明したが、タッチパネルも情報表示を行うものであり、一種のFPDと捉えることができる。従って、本願の特許請求の範囲においては、フラットパネルディスプレイは、タッチパネルを含むものである。
実施形態のフラットパネルディスプレイの製造に使用されるガラスパネル削減方法の概略図である。 図1に示す方法に用いられるガラスパネル削減装置の正面断面概略図である。 図2に示すガラスパネル削減装置の側面断面概略図である。 ノズル2における噴射孔20の配置とその作用について示した平面概略図である。 回転の向きと直線移動の向きが逆向きにすることを効果について示した概略図である。 実施形態のフラットパネルディスプレイの製造に使用される別のガラスパネル削減方法の概略図である。 図6に示す方法に用いられるガラスパネル削減装置の正面断面概略図である。 図7に示すガラスパネル削減装置の側面断面概略図である。 図7に示すガラスパネル削減装置を上から見た平面概略図である。 図7に示すパネル保持具6の斜視概略図である。 実施形態に係るFPDの断面概略図である。
符号の説明
1 ガラスパネル
2 ノズル
20 噴射孔
21 溶出液供給系
3 搬送コロ
30 搬送機構
4 処理チャンバー
5 回転機構
A 回転軸
L 溶出液

Claims (1)

  1. 少なくとも一枚の透明なガラスパネルを備えたフラットパネルディスプレイであって、このガラスパネルは、ガラスパネルの表面の材料を溶出させることが可能な溶出液で衝撃する研磨処理により厚さが削減されており、

    研磨処理は、溶出液を噴射孔を有するノズルをガラスパネルの表面に平行な回転軸の周りに回転させ、噴射孔がガラスパネルの表面に対向した際、噴射された溶出液がガラスパネルの表面を衝撃する処理であるとともに、

    ノズルが回転した際、噴射孔がガラスパネルの表面と正対した時点でのその噴射孔の回転の向きと逆向きにガラスパネルを移動させながら行う処理であり、

    この研磨処理により、最大粗さが0.5μm以下である平坦性を有していることを特徴とするフラットパネルディプスレイ。
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