JP2008221815A - インク保持体 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット式プリンタ用インクカートリッジのインク保持体として好適な硬さを備え、しかも歪みが少なく、インク収納容器へのインク保持体の収納時にインク収納容器内面に対する摩擦抵抗が小さく、インク収納容器との間の摩擦抵抗によるインク保持体の捻れやインク収納容器内の隙間を生じ難くできるインク保持体の提供を目的とする。
【解決手段】ポリオールとポリイソシアネートを発泡剤、触媒、整泡剤の存在下反応させて得られる軟質ポリウレタンフォームからなるインク保持体において、ポリオールをポリエーテルポリオールのみからなると共に、全ポリエーテルポリオールの5〜30重量%を平均分子量1750〜2250、水酸基価150〜250のポリエーテルポリオールとし、イソシアネートインデックスを110〜120、軟質ポリウレタンフォームをセル膜の除去された三次元網状骨格フォームとした。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット式プリンタ(インクジェット式プリント装置を有するファックス装置や、コピー装置等を含む。以下同じ。)のインクカートリッジ用インク保持体に関する。
従来、インクジェット式プリンタには、インク収納容器内に軟質ポリウレタンフォームからなるインク保持体を収納してインクを充填したインクカートリッジが、インク供給用に装着されている。前記軟質ポリウレタンフォームからなるインク保持体は、インク収納容器内でインクを均一に保持してインクを円滑に印字装置へ供給するために用いられる。また、前記インク保持体は、インク収納容器に圧縮状態で収納されることにより、軟質ポリウレタンフォームの気泡が圧縮されて毛細管現象の作用が向上し、インクをより効率的に安定供給することが可能となる。
前記インク保持体を構成する軟質ポリウレタンフォームは、ポリオールとポリイソシアネートを発泡剤、触媒、整泡剤の存在下反応させて得られるもので、硬すぎるとインク収納容器への軟質ポリウレタンフォーム(インク保持体)の収納が困難になり、一方、硬さが低すぎるとインク収納容器内で軟質ポリウレタンフォーム(インク保持体)が変形してインクを均一に保持することが難しくなる。
そこで、前記ポリオールとしてポリマーポリオールを用いることにより、硬度についての要求品質を満たすことが提案されている(特許文献1)。しかし、ポリマーポリオールを使用した場合、硬さについては改良されるものの、歪みが大きくなる。そのため、ポリマーポリオールを用いた軟質ポリウレタンフォームをインク保持体として使用した場合、インク収納容器内でインク保持体の圧縮状態が長時間続くことによりインク保持体の弾性が損なわれて、インク収納容器の内面とインク保持体の間に空隙を生じるようになり、前記空隙にインク保持体からインクが染み出してインク溜まり(いわゆるインク漏れ)を生じるようになる。また、インクカートリッジはサプライ用品として世界各地に空輸等されるが、その空輸等の際に減圧下に置かれることにより、インク保持体の内部から外部へインクが真空吸引される状態となってインク保持体とインク収納容器の内面間の空隙にインクが染み出してインク漏れを生じることがある。このようにインク漏れを生じたインクカートリッジがインクジェット式プリンタに装着されると、インクを安定して印字装置に供給できなくなり、正常な印字性能が得られなくなるのみならず、インク収納容器内に残る未使用インクが多くなり、無駄が多くなる。
また、ポリウレタンフォームの圧縮残留歪を小さくしてインク収納容器との密着性を確保するために、平均分子量50〜500、官能基数が2〜10の水酸基化合物からなる低分子量架橋剤(例えばトリメチロールプロパンやジエチレングリコール等)を用いることが提案されている(特許文献2)。しかし、この構成によるとポリウレタンフォームの表面の摩擦係数が高くなり、ポリウレタンフォームをインク収納容器に収納する際にポリウレタンフォームがインク収納容器の内面と擦れ合って捻れたり、インク収納予容器内の隅々まで完全に収納できなかったりして、インク収納容器の内面との間に隙間を生じやすいことが判明した。
また、硬度を好適な値にし、かつ歪みを少なくするため、ポリオール100重量部に平均官能基数6〜8、水酸基価30〜70のポリエーテルポリオールを12〜40重量部含む軟質ポリウレタンフォームでインク保持体を構成することが提案されている(特許文献3)。しかし、この構成のインク保持体にあっては、インク保持体をインク収納容器へ収納する際の摩擦抵抗が大きく、収納作業性が良好とは言い難かった。
特開平5−38816号公報 特開2001−187462号公報 特開2006−142540号公報
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、インクジェット式プリンタ用インクカートリッジのインク保持体として好適な硬さを備え、しかも歪みが少なく、さらにはインク収納容器へのインク保持体の収納時にインク収納容器内面に対する摩擦抵抗が小さく、インク収納容器との間の摩擦抵抗によるインク保持体の捻れやインク収納容器内の隙間を生じ難くできるインク保持体の提供を目的とする。
本発明は、ポリオールとポリイソシアネートを発泡剤、触媒、整泡剤の存在下反応させて得られる軟質ポリウレタンフォームからなるインク保持体において、前記ポリオールがポリエーテルポリオールのみからなると共に、全ポリエーテルポリオールの5〜30重量%が平均分子量1750〜2250、水酸基価150〜250のポリエーテルポリオールからなり、イソシアネートインデックスが110〜120、前記軟質ポリウレタンフォームがセル膜の除去された三次元網状骨格フォームからなることを特徴とする。
本発明によれば、軟質ポリウレタンフォームのポリオールがポリエーテルポリオールのみからなると共に、全ポリエーテルポリオールの5〜30重量%が平均分子量1750〜2250、水酸基価150〜250のポリエーテルポリオールからなり、イソシアネートインデックスが110〜120、前記軟質ポリウレタンフォームがセル膜の除去された三次元網状骨格フォームからなることにより、硬度をインクジェット式プリンタ用インクカートリッジのインク保持体として好適な値にでき、しかも歪みを少なくすることができ、収納後における圧縮永久歪による隙間の発生を抑えることができる。さらには軟質ポリウレタンフォームの表面の摩擦抵抗を小さくすることができ、インク収納容器への収納時に捻れやインク収納容器内の隙間を生じ難くすることができ、また軟質ポリウレタンフォームがセル膜の除去された三次元網状骨格フォームからなることにより、インク収納容器内に軟質ポリウレタンフォームを圧縮状態で収納した際に、軟質ポリウレタンフォームの毛細管現象が一層良好となって印字装置へのインクの供給が一層良好となる。
本発明におけるポリオールは、ポリエーテルポリオールのみが使用される。ポリエーテルポリオールとしては、軟質ポリウレタンフォーム用のものを使用することができ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、シュークロース等の多価アルコールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオールを挙げることができる。ポリオールをポリエーテルポリオールのみとすることにより、水性インクによる軟質ポリウレタンフォームの分解を抑え、分解物によってインクが変質したり、分解物によってインク収納容器や印字装置のインク供給口が塞がれたりする不具合の発生を防止することができる。
さらに本発明においては、全ポリエーテルポリオールの5〜30重量%が平均分子量1750〜2250、水酸基価150〜250のポリエーテルポリオールからなる。平均分子量1750〜2250、水酸基価150〜250のポリエーテルポリオールとしては、開始剤をグリセリンとしてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドを開環重合したものを挙げることができる。平均分子量1750〜2250、水酸基価150〜250のポリエーテルポリオールの量が全ポリエーテルポリオールの5重量%未満の場合、軟質ポリウレタンフォームの表面の摩擦抵抗が大きくなってインク収納容器への収納性が低下する。一方、30重量%より多い場合、圧縮残留歪が悪くなると共に軟質ポリウレタンフォームの発泡時にフォームからガスが抜け難くなって、発泡状態の良好なものが得られなくなる。なお、平均分子量1750〜2250、水酸基価150〜250のポリエーテルポリオールにおいて、より良好な圧縮永久歪および発泡状態が得られる量の範囲は全ポリエーテルポリオールの5〜20重量%である。また、全ポリエーテルポリオールの5〜30重量%を構成するポリエーテルポリオールの平均分子量が1750未満になると発泡安定性に欠け、表面摩擦抵抗が高くなり、一方、2250を超えると硬度の低下が見られ、インク保持体として適度な硬度が得られなくなる。
発泡剤としては、水、あるいはペンタンなどの炭化水素を、単独または組み合わせて使用できる。水の場合は、ポリオールとポリイソシアネートの反応時に炭酸ガスを発生し、その炭酸ガスによって発泡がなされる。発泡剤の量は適宜とされるが、水の場合、ポリオール100重量部に対して0.5〜7.0重量部、より好ましくは1.5〜3.5重量部の範囲が適する。
触媒としては、軟質ポリウレタンフォーム用の公知のものを使用することができる。例えば、トリエチルアミンやテトラメチルグアニジン等のアミン系触媒や、スタナスオクトエート等のスズ系触媒やフェニル水銀プロピオン酸塩あるいはオクテン酸鉛等の金属触媒(有機金属触媒とも称される。)を挙げることができる。触媒の一般的な量は、ポリオール100重量部に対して0.01〜2.0重量部である。
整泡剤としては、軟質ポリウレタンフォーム用として公知のものを使用することができる。例えば、シリコーン系整泡剤、含フッ素化合物系整泡剤および公知の界面活性剤を挙げることができる。整泡剤の一般的な量は、ポリオール100重量部に対して0.1〜3.0重量部である。
その他、適宜助剤が添加される。適宜添加される助剤として、充填剤、着色剤等を挙げることができる。
ポリイソシアネートとしては、イソシアネート基を2以上有する脂肪族系または芳香族系ポリイソシアネート、それらの混合物、およびそれらを変性して得られる変性ポリイソシアネートを使用することができる。脂肪族系ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキサメタンジイソシアネート等を挙げることができ、芳香族ポリイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメリックポリイソシアネート(クルードMDI)等を挙げることができる。なお、その他プレポリマーも使用することができる。
特に本発明においては、ポリイソシアネートとしてトルエンジイソシアネート(TDI)が好ましい。トルエンジイソシアネート(TDI)を用いることによって、軟質ポリウレタンフォームをインク収納容器へ収納する際に圧縮し易く、より柔軟な可撓性に富んだものにできる。トルエンジイソシアネート(TDI)には、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物があり、何れも使用することができる。
本発明においてイソシアネートインデックスは110〜120とされる。イソシアネートインデックスは、ポリイソシアネートにおけるイソシアネート基のモル数をポリオールの水酸基や発泡剤としての水などの活性水素基の合計モル数で割った値に100を掛けた値であり、[ポリイソシアネートのNCO当量/活性水素当量×100]で計算される。イソシアネートインデックスが110未満の場合、低硬度で摩擦抵抗が高くなり、一方120を超えると歪みが大きく、ひどい場合には多量の気泡が生成されて軟質ポリウレタンフォームが得られなくなる。
軟質ポリウレタンフォームは、前記ポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤、触媒、整泡剤等からなるポリウレタン発泡原料を攪拌機で混合して反応させ、発泡させる公知の発泡方法によって形成される。また、本発明では、軟質ポリウレタンフォームは軟質スラブ発泡体からなるものが好ましい。軟質スラブ発泡体は、前記ポリウレタン発泡原料の反応・発泡を常温、大気圧下で行うことによって得られる軟質ポリウレタンフォームであり、量産性に富み、モールド成形に比べて収率がよい。
さらに、本発明では、軟質ポリウレタンフォームはセル膜の除去された三次元網状骨格フォームからなる。セル膜の除去は化学的除膜法や熔解法等、公知のセル膜除去方法によって行うことができる。化学的除膜法は、軟質ポリウレタンフォームをアルカリ水溶液に浸して、セル骨格(樹脂骨格)だけを残して除膜する方法であり、一方熔解法は、軟質ポリウレタンフォームのセル膜を爆破して除去する方法である。具体的には、まず、軟質ポリウレタンフォームを熔解処理用密閉容器に収容し、前記熔解処理用密閉容器内の空気をコンプレッサで外部へ吸引し、代わりに酸素ガスと可燃ガスを所定の混合比で混合した混合ガスを前記熔解処理用密閉容器内に注入し、軟質ポリウレタンフォームの気泡内にも混合ガスを充填する。その後、火花等による発火で前記熔解処理用密閉容器内の混合ガスを爆発させ、前記軟質ポリウレタンフォームのセル膜を吹き飛ばすことによって三次元網状化する。
前記軟質ポリウレタンフォームを三次元網状骨格フォームとすることにより、インク収納容器内に軟質ポリウレタンフォームを圧縮状態で収納した際に軟質ポリウレタンフォームの毛細管現象が一層良好となり、インクジェット式プリンタへのインクの供給がより良好となる。
軟質ポリウレタンフォーム(セル膜の除去された三次元網状骨格フォーム)の硬さは、0.5〜1.5N/cmが好ましい(ASTM D−3754、CLD法、25%圧縮準拠)。硬さが0.5〜1.5N/cm未満の場合、インク収納容器内でインク保持体(軟質ポリウレタンフォーム)に保持されているインクが移動し易くなると共にインク保持体(軟質ポリウレタンフォーム)も変形し易くなり、インクを安定して保持することができなくなる。それに対して、硬さが1.5N/cmを超える場合、インク収納容器にインク保持体(軟質ポリウレタンフォーム)を圧縮状態で収納するのが難しくなる。
軟質ポリウレタンフォーム(セル膜の除去された三次元網状骨格フォーム)の圧縮残留歪は、0.5〜6.5%(JIS K 6400−4:2004準拠)が好ましい。6.5%を超える場合、インクカートリッジの長期使用により、インク収納容器内でインク保持体(軟質ポリウレタンフォーム)が弾性回復力を失い、前記インク漏れを生じるおそれがある。それに対して、0.5%未満の場合、反発弾性の高いインク保持体(軟質ポリウレタンフォーム)となり、インク収納容器へ圧縮状態で収納するのが難しくなる。前記圧縮残留歪は、前記範囲のなかでも、2〜5%がより好ましい。
以下、本発明の実施例および比較例について説明する。表1及び表2の配合からなるポリウレタン発泡原料を用いて、公知のスラブ発泡体の製造方法により軟質ポリウレタンフォームを製造した。スラブ発泡体の製造方法は、2液性ポリウレタンフォームの連続スラブ発泡成形法であり、連続生産が可能なものである。2液性ポリウレタンフォームの連続スラブ発泡成形法では、所要のコンベア上にポリオール成分(ポリオール、発泡剤、触媒、整泡剤等)とポリイソシアネート成分(ポリイソシアネート)からなる2液の反応混合液を注入機から吐出し、移動するコンベア上で常温大気圧下、自由発泡させて硬化を行うと共に、所定の長さに裁断してスラブストックを得る。前記スラブストックは、コンベア上に設けられた加熱炉でキュアを行うことにより、スラブ発泡体からなる軟質ポリウレタンフォームの完成品が得られる。なお、前記2液の反応混合液の混合及び吐出方法は、いわゆるワンショット法と称される方法で行われる。すなわち、前記ポリオール成分とポリイソシアネート成分をそれぞれ別のタンクに収納し、前記注入機における混合機構としてのチャンバーにポリイソシアネート成分とポリイソシアネート成分を吐出してチャンバー内で混合した後、該チャンバーから前記コンベア上に吐出させて行う。
このようにして得られた軟質スラブ発泡体からなる軟質ポリウレタンフォームに対して、さらに熔解処理を行うことによりセル膜の除去を行い、三次元網状骨格フォームとして実施例1〜9及び比較例1〜10のインク保持体を製造した。
Figure 2008221815
Figure 2008221815
表1及び表2におけるポリエーテルポリオール1は、品番「GP3050」、平均分子量3000、官能基数3、水酸基価56.1、三洋化成工業株式会社製、ポリエーテルポリオール2は、品番「SBU−0127」、平均分子量1900、官能基数6、水酸基価175、住友バイエルウレタン株式会社製、ポリエーテルポリオール3は、品番「FA311E」、平均分子量6700、官能基数5、水酸基価42、三洋化成工業株式会社製、ポリエーテルポリオール4は、品番「PEG−200」、平均分子量200、官能基数2、水酸基価561、三洋化成工業株式会社製、ポリエーテルポリオール5は、品番「テスラック2467」、平均分子量1000、官能基数2、水酸基価112、日立化成ポリマー株式会社製である。ポリエーテルポリオール2は本発明における平均分子量1750〜2250、水酸基価150〜250のポリエーテルポリオールに相当する。アミン系触媒はトリエチレンジアミン、スズ系触媒はスタナスオクトエート、整泡剤は、シリコーン系、品番「L−520」、日本ユニカー株式会社製である。ポリイソシアネートは、実施例5のみが2,4異性体比率65%のトルエンジイソシアネート、品番「コロネート T−65」、日本ポリウレタン工業株式会社製、他の実施例および比較例が2,4異性体比率80%のトルエンジイソシアネート、品番「コロネート T−80」、日本ポリウレタン工業株式会社製である。
実施例1〜実施例4は、ポリイソシアネートの2,4異性体比率を80wt%、イソシアネートインデックスを118とし、全ポリエーテルポリオールにおけるポリエーテルポリオール2の量を5重量%〜30重量%の範囲で変化させた例、実施例5は実施例2におけるポリイソシアネートの2,4異性体比率を67wt%とした例、また実施例5〜実施例7はポリイソシアネートの2,4異性体比率を67wt%としてイソシアネートインデックスを110〜120の範囲で変化させた例、実施例5と実施例8および実施例9はポリイソシアネートの2,4異性体比率を67wt%、イソシアネートインデックスを118として発泡剤(水)の量を変化させた例である。
比較例1〜比較例3は実施例1〜実施例4と対応させた例であって比較例1はポリエーテルポリオール2の量を本発明の範囲外の0重量%とした例、比較例2はポリエーテルポリオール2の量を本発明の範囲外の40重量%とした例、比較例3はセル膜が除去されていない例である。また、比較例4〜比較例6はポリエーテルポリオール2に代えてポリエーテルポリオール3〜5を使用した例、比較例7および比較例8は実施例3の配合においてイソシアネートインデックスを本発明の範囲外とした例、比較例9および比較例10は実施例3の配合において発泡剤(水)の量を変化させた例である。
実施例1〜実施例9においては、何れも軟質ポリウレタンフォームを良好に発泡させることができた。それに対し、比較例2、比較例5、比較例8および比較例10については、軟質ポリウレタンフォームの発泡時にガスがフォームから抜けず、発泡状態の良好なフォームが得られなかった。
発泡状態の悪い比較例2、比較例5、比較例8および比較例10を除く実施例および比較例のインク保持体(比較例3を除きセル膜が除去されたもの)に対して、一般物性として、密度(JIS K 7222:1999)、硬さ(ASTM D−3574 CLD法、25%圧縮)、圧縮残留歪(JIS K 6400−4:2004)、静摩擦係数(ASTM D−1894)、動摩擦係数(ASTM D−1894)を測定した。
また、インク保持体特性として、発泡安定性、カートリッジ装着性(インク収納容器へのインク保持体の収納性)、インク保持性能を判断した。発泡安定性は、軟質ポリウレタンフォームの発泡時の状態により判断し、発泡成形時に軟質ポリウレタンフォームから内部発生した気体がフォーム表面から噴出した場合を○(良好)、前記気体がフォーム表面から噴出せず、フォームが自然冷却されるのにしたがってフォームに収縮が見られた場合を×(不良)とした。カートリッジ装着性(インク収納容器へのインク保持体収納性)は、軟質ポリウレタンフォームを長さ43.5×幅31×高さ16.5mmに切り出し、長さ43.5×幅31×高さ13.2mmの内空間を有する有底のインク収納容器に挿入することで評価した。前記インク収納容器に軟質ポリウレタンフォームを挿入する際、フォームとインク収納容器の内底面間に隙間を生じることなく挿入でき、しかもフォームをインク収納容器から突出することなく圧縮挿入できた場合(すなわち、フォームを高さ方向に1/1.25に圧縮できた場合)に○(良好)、インク収納容器の底面に隙間が発生した場合あるいはインク収納容器内にフォームを収納できず、フォームがインク収納容器から突出した場合(すなわち、フォームを高さ方向に1/1.25に圧縮できなかった場合)に×(不良)とした。インク保持性能は、水系ピグメント分散型のインクを満たした前記インク収納容器に前記寸法の軟質ポリウレタンフォームを圧縮挿入して蓋をしたインクカートリッジを、減圧下(ゲージ圧:−168.6mmHg)に12時間放置し、インク収納容器からインク漏れが無い場合に○(良好)、インク漏れを生じた場合に×(不良)とした。測定結果は表1および表2の下部に示すとおりである。
測定結果から次のことがわかる。実施例1〜9は、発泡安定性、カートリッジ装着性(インク収納容器へのインク保持体収納性)およびインク保持性能の何れも良好であった。
それに対し、ポリエーテルポリオール2を含まない比較例1はカートリッジ装着性に劣り、ポリエーテルポリオール2の量が過剰の比較例2は発泡安定性に劣り、セル膜が存在する比較例3はインク保持性能に劣り、ポリエーテルポリオール2に代えてポリエーテルポリオール3〜5を用いる比較例4〜6において比較例4と6はカートリッジ装着性に劣り、比較例5は発泡安定性に劣っていた。またイソシアネートインデックスが本発明の範囲より低い比較例7はカートリッジ装着性に劣り、イソシアネートインデックスが本発明の範囲より高い比較例8は発泡安定性に劣っていた。一方、発泡剤(水)の量が実施例よりも少ない比較例9はカートリッジ装着性に劣り、発泡剤(水)の量が多い比較例10は発泡安定性に劣っていた。
また、実施例1〜9は比較例1,4,6,7,9と比べ静摩擦係数および動摩擦係数が小さいことから、フォームをインク収納容器に圧縮して挿入するのが容易になるものと思われる。特に実施例1〜9は、何れも静摩擦係数が1.0N以下であることからフォームを圧縮してインク収納容器に挿入し易くなっていると思われる。なお、比較例3は静摩擦係数および動摩擦係数が何れも1.0N以下であってカートリッジ装着性が良好であるが、インク保持性能において劣っており、インク保持体としては好ましいものではなかった。さらに、実施例1〜9はインラインでフォームをインク収納容器内に機械で挿入するのに適度な硬さであり、フォーム挿入装置への負荷を少なくできる。また、実施例1〜9は圧縮残留歪が小さいことから、インク収納容器内にフォームを挿入して長期間使用した場合に、インク収納容器内部でフォームがへたる(永久変形する)ことを防ぐことができ、インク収納容器の内面とフォーム間に隙間を生じ難いため、インクの染み出し、インク溜まりの発生を防ぐことができると予測できる。

Claims (1)

  1. ポリオールとポリイソシアネートを発泡剤、触媒、整泡剤の存在下反応させて得られる軟質ポリウレタンフォームからなるインク保持体において、
    前記ポリオールがポリエーテルポリオールのみからなると共に、全ポリエーテルポリオールの5〜30重量%が平均分子量1750〜2250、水酸基価150〜250のポリエーテルポリオールからなり、
    イソシアネートインデックスが110〜120、
    前記軟質ポリウレタンフォームがセル膜の除去された三次元網状骨格フォームからなることを特徴とするインク保持体。
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