JP2008221226A - プレス成型金型および成型方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像形成装置において用いられる機能部材である現像剤量規制ブレード、特にローラーと接触する側端に傷のない現像剤量規制ブレードのプレス成型金型および成型方法の提供を目的とする。
【解決手段】被加工材の位置決め機構を有する、上型と下型とからなるプレス成型金型であって、該位置決め機構は、下型のサブプレートに設けられたダイプレートの上下動の動きによって上下方向に移動する押圧カムと、該押圧カムの上下移動に合せ該被加工材の幅方向に移動する該被加工材の位置決めガイドと、該押圧カムが受ける下方向への押圧が解除されることで該被加工材の位置決めを解除する位置決め解除用の圧縮コイルばねとを、該被加工材を挟むように対向してそれぞれ1つづつ有することを特徴とするプレス成型金型。
【選択図】図2
【解決手段】被加工材の位置決め機構を有する、上型と下型とからなるプレス成型金型であって、該位置決め機構は、下型のサブプレートに設けられたダイプレートの上下動の動きによって上下方向に移動する押圧カムと、該押圧カムの上下移動に合せ該被加工材の幅方向に移動する該被加工材の位置決めガイドと、該押圧カムが受ける下方向への押圧が解除されることで該被加工材の位置決めを解除する位置決め解除用の圧縮コイルばねとを、該被加工材を挟むように対向してそれぞれ1つづつ有することを特徴とするプレス成型金型。
【選択図】図2
Description
本発明は、被加工材の位置決め機構を有する、上下型よりなるプレス成型金型および成型方法に関する。より詳しくは、本発明は、複写機やプリンタ等の現像剤の量を規制するために用いられる現像剤量規制ブレードを製造するための、被加工材の位置決め機構を有する、上下型よりなるプレス成型金型および成型方法に関する。
昨今においては、電子写真技術の向上により、複写機やプリンタ等の分野では高速および高精細の画像形成が要望されている。それに従い、複写機やプリンタ等において用いられる機能部材として、ローラーと接触する側端に、画像の不良の原因となる傷のない現像剤量規制ブレードが求められている。
前記ブレードの製造方法としては、一般的に、プレス成型金型を用いたプレス成型が用いられており、上型の下降動作を利用して被加工材の位置を決め、次いでプレス加工するプレス成型金型には、次のようなものがある。すなわち、下型に設けた固定ガイドに被加工材の一方の側端面を当接して位置規制し、上型を下降させて被加工材の他方の側端面と当接して位置規制し、上昇状態では位置規制を解除するように設けられた可動材料ガイドを備えた金型である(特許文献1参照)。
また、次のような構成の金型もある。下型に固定ガイドが設けられ、そして被加工材を固定ガイドに押圧して位置決めを行うための可動ガイドが下型に被加工材の幅方向に往復移動可能に設けられている。そして、上型の下降に伴い可動ガイドに摺擦して可動ガイドを固定ガイド側に移動させるレバーが上型に固定ガイドの往復移動方向と同方向に往復可能に設けられている。さらに金型には、このレバーが可動ガイドを固定ガイド側に移動させる方向に、レバーを回動付勢する付勢手段が設けられている(特許文献2参照)。
特開平2−200323号公報
特開平5−228559号公報
しかし、上記の位置決め機構を有する成型金型では、被加工材の一方の側端面を固定ガイドに沿わせて順送りするため、被加工材の側端面に固定ガイドと摺擦した傷が生じる。したがって、該被加工材の側端面に傷を生じさせることなく、現像剤の量を規制する現像剤量規制ブレードとして使用可能な現像剤量規制ブレードの位置決めをできる、プレス成型金型および成型方法が望まれている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、画像形成装置において用いられる機能部材としての現像剤量規制ブレードの、特にローラーと接触する側端に傷のない現像剤量規制ブレードのプレス成型金型および成型方法の提供を目的とする。
本発明は、被加工材の位置決め機構を有する、上型と下型とからなるプレス成型金型であって、該位置決め機構は、下型のサブプレートに設けられたダイプレートの上下動の動きによって上下方向に移動する押圧カムと、該押圧カムの上下移動に合せ該被加工材の幅方向に移動する該被加工材の位置決めガイドと、該押圧カムが受ける下方向への押圧が解除されることで該被加工材の位置決めを解除する位置決め解除用の圧縮コイルばねとを、該被加工材を挟むように対向してそれぞれ2つづつ有することを特徴とする。また、前記被加工材は、金属や樹脂よりなる単層体、または金属と樹脂が積層した複合体であることを特徴とする。また、前記被加工材の厚さは、0.05mm以上1mm以下である。
さらに、本発明は、被加工材を順送りし、位置決め機構によって該被加工材の位置決めをするプレス成型方法であって、該被加工材を成型金型内に順送りした後、被加工材と位置決めガイドが決まって先に接触する面である該被加工材の基準面に位置決めガイドを押圧する工程と、該被加工材の他方の面に、該位置決めガイドを押圧して該被加工材の位置決めする工程と、位置決めによって固定された該被加工材をプレスする工程と、を有することを特徴とする。また、前記被加工材は、金属や樹脂よりなる単層体、または金属と樹脂が積層した複合体であることを特徴とする。また、前記被加工材の厚さは、0.05mm以上1mm以下であることを特徴とする。
またさらに、本発明は、前記の方法で加工されたことを特徴とする現像剤量規制ブレードである。
本発明によれば、画像形成装置の技術で高速および高精細の画像形成が要望されている現状において、側端面を傷付けずに該被加工材の位置決めと現像剤量規制ブレードのプレス成型方法を提供することができる。
以下、図を参照しながら、本発明のプレス金型を詳しく説明する。
図1に示されている本発明のプレス金型は、上型と下型からなる。そして、その上型はプレス装置のラム(不図示)に取付けられる構成か、または上型と下型の間に配設されたコイルスプリング(不図示)等とガイドポスト(不図示)とで上下型が離間する構成になっている。また、上型のダイセット1には、ダイプレート3と、ダイを取付ける他に圧縮コイルばねにより下方に付勢されたシェダー4と、が上下動可能に設置されている。下型はプレス装置のベッドに固定するように取付けられている。下型のダイセット2には、パンチプレート5と、パンチ6を取付ける他に圧縮コイルばねにより上方に付勢されたストリッパープレート7と、が上下動可能に設置されている。また、下型には上型の上下方向の動きに合せて順次被加工材30(図3)の位置決めを行う位置決めガイド8が配設されている。なお、被加工材30の加工に方向性が求められるものにおいては、上記の金型構成に限定されることはない。
プレス装置に取付け固定された金型は、プレス装置のサイクル運転に合せ被加工材30の順送りと位置決めを行い、それに伴って被加工材30のプレス加工がなされる。すなわち、図3に示されているように、プレス装置が上昇しているとき被加工材30は、送り装置(不図示)により金型内へと矢印A方向に間欠的に送られる。そして、被加工材30が1ピッチ送られると、その度に上型が下降動作し、位置決めされた被加工材30にシェダー圧をかけ、次いでプレス加工が行われる。
次に、本発明のプレス金型の上型動作による被加工材の位置決め機構について、図1の位置決めガイド部(A部)の拡大図である図2を参照しながら説明する。
本発明の位置決め機構は、両側可動ガイドが用いられていることに特徴がある。下型のサブプレート10上には、ダイプレート1の上下動の動きによって上下方向に移動する押圧カム11と、押圧カム11の上下移動に合せ被加工材30の幅方向に移動する被加工材30の位置決めガイド8と、が設けられている。
ダイプレート1が下降すると、ダイプレート1に押圧された押圧カム11が下方に移動する。押圧カム11が下方に移動すると、カム式移動が可能なように斜度を設けた押圧カム11と位置決めガイド8の斜面が摺擦しながら位置決めガイド8を水平方向に移動させる。カム式に移動させるための斜度は、垂直角に対し5〜45°に設け、特に30°が好ましい。斜度が小さい5°以下では位置決めガイド8を一定量移動させるのに押圧カム11を多く動かさなければならず、金型が大きくなる。一方、斜度を45°以上にすると押圧カム11の上下の動きを位置決めガイド8の水平方向の動きに力を伝え難くなる。
ダイプレート1の上昇に合せ、パンチプレート5と位置決めガイド8により圧縮されていた圧縮コイルばね12が、位置決めガイド8を戻り方向に水平移動させる。位置決めガイド8の移動により押圧カム11も上方に押し上げられ、金型を初期状態に戻す。
そして、それら押圧カム11と位置決めガイド8は、被加工材を挟むように対向してそれぞれ2つづつ設けられている。また、押圧カム11が受ける下方向への押圧が解除されることで被加工材30の位置決めを解除する、位置決め解除用の圧縮コイルばね12も設けられている。その圧縮コイルばね12も、被加工材を挟むように対向して2つづつ設けられている。
位置決めにおいては、まず上型を下降させていくことでダイプレート1が押圧カム11を押圧する。次に、押圧カム11によって押圧された位置決めガイド8の一方は、被加工材30と位置決めガイド8が決まって先に接触する面である被加工材30の基準面を押圧する。次に、被加工材30の他方の面を、他方の位置決めガイド8が押圧する。基準面の位置決めをした後、反対の面の位置決めをするようダイプレート1と接触する押圧カム11の高さを変えることで、位置決めガイド8の動作タイミングを調整する。以上の工程によって、被加工材30は位置決めされる。以上のような本発明による被加工材の位置決めは、製品部を外した送り桟部でなされるので、製品の側端面に傷が生じることを避けることが可能である。
下降することで被加工材30の位置決めを行った上型は、さらに下降することで被加工材30にシェダー圧を加える。さらに上型は下降し、パンチ6とダイによって、固定された被加工材30のプレス加工がなされる。プレス加工がなされた後、上型は上昇することで被加工材の押えと位置決めを解除し、製品部20とスクラップ部21とを分離させる。
用いられる被加工材は、帯状の金属または樹脂の基材31のみからなる単層体だけに限られない。すなわち、用途によっては、図4のa、b、c、dで示される形状をした、金属と樹脂32とが積層した複合体であってもよい。基材31として用いられる金属には、スズ青銅またはリン青銅、ステンレススチール、アルミ板等スプリングバックの大きな材質を用いることができ、特にリン青銅を用いることが好ましい。また、樹脂の基材31や積層する樹脂32としては、ウレタンゴム、ポリアミド樹脂、ポリアミドエラストマー、シリコンゴム、シリコン樹脂等を用いることができる。被加工材30の総厚さは、0.05mm以上1mm以下であることが好ましく、特に0.15mmの積層体が好ましい。被加工材30に用いられる該基材31の厚さを0.05mm以上とすると、現像剤量を規制するブレードとして適正な当接圧が得られ、現像剤粒子対して必要な圧力を付与しやすくなる。一方、該基材31の厚さを0.15mm以下とすると、基材の持つバネ性により現像剤量規制ブレードが現像剤担持体に追従しやすくなり、現像剤粒子対して必要な圧力を付与しやすくなる。
該基材31に積層する樹脂32は、0.01mm以上0.3mm以下とすることが好ましい。現像剤量規制ブレードとしての使用面に積層する樹脂厚さを0.01mm以上とすると、現像剤担持体との摩擦による磨耗に対して耐久性が向上する。一方、積層する樹脂32の厚さを0.3mm以下とすると、樹脂32に融着する現像剤の影響を抑えることができる。
以上のようにして加工された部材は、現像剤量規制ブレードとして配置できるように、固定可能な板金にレーザーにより溶着され、現像複写機やプリンタ等の現像剤の量を規制するために用いられる現像剤量規制ブレードとして用いられる。
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明はそれらの例に限定されるものではない。
(実施例)
本発明の、被加工材の両側端に移動可能な位置決め機構を有する金型を用いて被加工材の成型を行った。
本発明の、被加工材の両側端に移動可能な位置決め機構を有する金型を用いて被加工材の成型を行った。
用いられる被加工材は、厚み0.1mmのリン青銅の片側に厚みが0.03mm均一になるようポリアミドエラストマーを積層した層厚み0.13mm、幅23mmの積層体(図4a)である。下降によって得られる製品形状は、幅23mm、長さ200mmのブレード形状である。
用いられる金型は、次のような構成をしている。ダイプレートとダイを取付ける他に圧縮コイルばねにより下方に付勢されたシェダーが上下動可能に設置されている上型と、パンチプレートとパンチを取付ける他に圧縮コイルばねにより上方に付勢されたストリッパープレートが上下動可能に配置されている。
まず、成型金型が開いているとき被加工材が成型金型内に順送りされた。被加工材が1ピッチ送られると、成型金型が閉じられるとともに被加工材の幅方向の位置決めがなされた。被加工材の位置決めがなされた後、さらに成型金型が閉じられ、それによって被加工材にシェダー圧がかけられ、次いでパンチとダイにより抜き加工が行われた。抜き加工後に成型金型は開かれ、それによって被加工材の位置決めは解除され、製品部とスクラップ部とが分離された。
(比較例)
従来の、固定ガイドと可動ガイドとによる位置決め機構を有する金型を使用して、実施例と同様の被加工材を用いて抜き加工を行った。
従来の、固定ガイドと可動ガイドとによる位置決め機構を有する金型を使用して、実施例と同様の被加工材を用いて抜き加工を行った。
(評価)
従来の、固定ガイドと可動ガイドとによる位置決め機構を有する金型の抜き加工では、積層する樹脂の有無に関わらず、被加工材の側端面に摺動傷の発生が認められた。それに対し、本発明の、被加工材の両側端に移動可能な位置決め機構を有する金型では、被加工材の側端面に摺動傷やダレ、または積層樹脂の剥れの発生が認められなかった。表1にその結果を記す。
従来の、固定ガイドと可動ガイドとによる位置決め機構を有する金型の抜き加工では、積層する樹脂の有無に関わらず、被加工材の側端面に摺動傷の発生が認められた。それに対し、本発明の、被加工材の両側端に移動可能な位置決め機構を有する金型では、被加工材の側端面に摺動傷やダレ、または積層樹脂の剥れの発生が認められなかった。表1にその結果を記す。
1 上型ダイセット
2 下型ダイセット
3 ダイプレート
4 シェダー
5 パンチプレート
6 パンチ
7 ストリッパープレート
8 位置決めガイド
10 サブプレート
11 押圧カム
12 位置決め解除用の圧縮コイルばね
20 製品
21 スクラップ
30 被加工材
31 基材
32 樹脂
2 下型ダイセット
3 ダイプレート
4 シェダー
5 パンチプレート
6 パンチ
7 ストリッパープレート
8 位置決めガイド
10 サブプレート
11 押圧カム
12 位置決め解除用の圧縮コイルばね
20 製品
21 スクラップ
30 被加工材
31 基材
32 樹脂
Claims (7)
- 被加工材の位置決め機構を有する、上型と下型とからなるプレス成型金型であって、
該位置決め機構は、下型のサブプレートに設けられたダイプレートの上下動の動きによって上下方向に移動する押圧カムと、該押圧カムの上下移動に合せ該被加工材の幅方向に移動する該被加工材の位置決めガイドと、該押圧カムが受ける下方向への押圧が解除されることで該被加工材の位置決めを解除する位置決め解除用の圧縮コイルばねとを、該被加工材を挟むように対向してそれぞれ2つづつ有することを特徴とするプレス成型金型。 - 前記被加工材は、金属や樹脂よりなる単層体、または金属と樹脂が積層した複合体であることを特徴とする請求項1に記載のプレス成型金型。
- 前記被加工材の厚さは、0.05mm以上1mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のプレス成型金型。
- 被加工材を順送りし、位置決め機構によって該被加工材の位置決めをするプレス成型方法であって、
該被加工材を成型金型内に順送りした後、該被加工材と位置決めガイドが決まって先に接触する面である該被加工材の基準面に位置決めガイドを押圧する工程と、
該被加工材の基準面の接触に次いで該被加工材の他方の面に、該位置決めガイドを押圧して該被加工材の位置決めする工程と、
位置決めによって固定された該被加工材をプレスする工程と、
を有することを特徴とするプレス成型方法。 - 前記被加工材は、金属や樹脂よりなる単層体、または金属と樹脂が積層した複合体であることを特徴とする請求項4に記載のプレス成型方法。
- 前記被加工材の厚さは、0.05mm以上1mm以下であることを特徴とする請求項4または5に記載のプレス成型方法。
- 請求項4から6のいずれか1項に記載の方法で加工されたことを特徴とする現像剤量規制ブレード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007058576A JP2008221226A (ja) | 2007-03-08 | 2007-03-08 | プレス成型金型および成型方法 |
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ID=39840424
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103817250A (zh) * | 2014-03-19 | 2014-05-28 | 长治市丰雨机械有限公司 | 整形定位装置 |
-
2007
- 2007-03-08 JP JP2007058576A patent/JP2008221226A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103817250A (zh) * | 2014-03-19 | 2014-05-28 | 长治市丰雨机械有限公司 | 整形定位装置 |
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