JP2008218772A - 光伝送デバイス及び光伝送デバイスの製造方法、電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストの上昇を招かず、製造歩留まりの向上を図るべく、小型化された光伝送デバイス及び光伝送デバイスの製造方法、及び当該光伝送デバイスを備える電子機器を提供することを目的の一つとする。
【解決手段】ICチップ10と、ICチップ10に光出射面21を上にして固定された薄膜状面発光レーザ20と、光透過性の樹脂からなり、薄膜状面発光レーザ20を被覆するモールド40と、モールド40上に固定された半導体レンズ50と、を備え、モールド40における、光出射面21から半導体レンズ50の底面までの距離が、薄膜状面発光レーザ20のフラウンホーファ領域内となる値に設定されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロレンズを備えた光伝送デバイス及び当該光伝送デバイスの製造方法並びに当該光伝送デバイスを備える電子機器に関する。
光ファイバによるデータ伝送は、電気信号を用いて情報の送受信を行う電気通信に比べて、信号の減衰が少ない、取り扱う情報量を増大させることができる、周囲への電磁波の放射を防止することができる等の利点がある。その実用化は、海底ケーブルに代表される長距離の通信で始まり、近年はサーバエリアネットワーク(SAN)のように機器間の接続にも使用されている。さらに今後は機器間にとどまらず、機器内の配線にも使われようとしているが、そこではこれまで以上の部品の小型化が求められる。光通信ファイバの末端には、モジュールと呼ばれる発光素子や受光素子が備えられた部品がある。そこでは、発光素子から出射された光が効率よくファイバのコアへ導入されるよう、素子およびファイバがレンズなど光学部品とともに精密に位置合わせして組みつけられている。
このように複数の光学部品をからなるモジュール(光伝送デバイス)は小型化が困難であった。また光学部品組み付けは、高い精度が要求される上、3次元の自由度を持つため調整に手間がかかる。そのため高コストを強いられてきた。例えば、特許文献1などにその例がある。このうち発光素子とレンズとを一体化するだけでも大幅な小型化、組み立て調整の簡素化が期待できる。そこで、例えば、特許文献2の図8(b)に示されるような、安価のボールレンズをパッケージに固定した発光素子が提案された。しかし発光素子である半導体レーザに比べパッケージの大きさは遥かに大きく、十分な小型化がなされたとは言い難かった。また部品組み立てを基本とした製造方法をとるため生産性を高めにくいこと、精度の高い部品を多数必要とすることなどから低コスト化が難しいことが課題であった。
この課題を解決するため、発光素子とレンズをウエハレベルで一体化する試みがなされた。以下の非特許文献1には光電変換素子としてのVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:面発光レーザ)の表面にVCSELから射出されるレーザ光を屈折するマイクロレンズを形成する技術が開示されている。
特開平5−243688号公報 特開平7−120643号公報 ヨルグ・クーンホルツ(Joerg Kuehnholz)著,「光および電気アプリケーション向けのマイクロ/ナノ複製技術」,オープラスイー(O plus E 、新技術コミュニケーションズ発行),2005年2月,p.163−166
ところで、上記の非特許文献1では、VCSELが形成されたGaAs(ガリウム・ヒ素)基板上に直接マイクロレンズを形成しているため、マイクロレンズをなすモールド部の平面的な面積は、後に分割される1つのVCSELチップの平面的な面積よりも大きくすることはできない。また、VCSELチップの表面にはVCSELの外部接続電極である電極(パッド)が形成されており、この外部接続電極は露出させる必要がある。このため、上記のモールド部は、VCSELチップの平面的な面積から電極の平面的な面積を差し引いた面積以上にすることはできないという制約がある。
一方、基板上に形成されたマイクロレンズでVCSELから射出されるレーザ光の整形を行おうとすると、マイクロレンズの形成部分をVCSELの発光部からある程度離す必要がある。つまり、VCSELの発光部を理想的な点光源とみなすことができれば発光部とマイクロレンズとの距離は問題にはならないが、実際には活性層において数μm程度の直径を有する面光源である。ここで、発光部の直径をDとし、波長をλとすると、活性層から約L=D2/λ以上離れないと射出されるレーザ光を幾何光学的に扱うことはできないことが知られている。この活性層からの距離がL以上である領域はフラウンホーファ領域、一方活性層からの距離がLよりも短い領域はフレネル領域と呼ばれる。フラウンホーファ領域では、レンズ等によってレーザ光の整形が可能であるが、フレネル領域ではレーザ光を平行光に変換したり集光することはできない。このため、マイクロレンズの形成部分をVCSELの発光部からある程度(100μm〜200μm程度)離さなければならないという制約がある。
以上の2点の制約を鑑みると、VCSELチップの平面的な面積が500μm各程度である場合には、非特許文献1に開示された通り、マイクロレンズをなすモールド部の底面積をその高さに対して十分とることができない。このため、基板から個々のVCSELを切り出すダイシング工程において、モールド部の折れ、倒れ、外れ、曲がり等の破損が生じ、製造歩留まりの低下が引き起こされるのは想像に難くない。かかる破損を防止するには、モールド部の底面積(基板との接触面積)を大きくすれば良い訳であるが、モールド部の底面積を大きくすると個々のVCSELチップの大きさが著しく大きくなり、1つの基板から製造することができるVCSELチップ数が大幅に低下し、これにより製造コストの上昇を招いてしまう。
さらに従来例ではレンズ面を樹脂成型で形成するため大きな屈折率のレンズを得ることが困難であった。これは、樹脂材料の屈折率がせいぜい1.7程度しかないためである。このようにレンズの屈折率が小さいため、短い焦点距離を得ようとすると曲率の大きな、すなわち曲率半径の小さなレンズ面形状が必要となる。レンズ曲率が大きくなると樹脂成型法では高いレンズ面精度を得ることが困難になる。また球面収差が生じやすくなるのであまり有効径を大きくできないという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、製造コストの上昇を招かず、製造歩留まりの向上を図るべく、小型化された光伝送デバイス及び光伝送デバイスの製造方法、及び当該光伝送デバイスを備える電子機器を提供することを目的の一つとする。
上記課題を解決するために、本発明に係る光伝送デバイスは、基板と、前記基板に光出射面を上にして固定された発光素子と、光透過性の樹脂からなり、前記発光素子を被覆するモールドと、前記モールド上に固定された半導体レンズと、を備え、前記モールドにおける前記光出射面から前記半導体レンズの底面までの距離が、前記発光素子のフラウンホーファ領域内となる値に設定されていることを特徴とする。
上記によれば、光伝送デバイスは、半導体レンズの屈折率が高いことにより、レンズの曲率を大きくする必要がないことからレンズを小型にすることができる。
また、光伝送デバイスは、モールドの高さが発光素子のフラウンホーファ領域内にあることで、発光素子から出射された光を幾何光学的に扱うことができる。
さらに、光伝送デバイスは、基板と発光素子とモールドとレンズとが一体に構成されていることにより、各構成要素間に隙間がなく、より小型に構成することができる。
従って、本発明は、小型の光伝送デバイスを実現することにより、製造コストの上昇を招かず、製造歩留まりの向上を図ることができる。
上記の発明に係る光伝送デバイスは、前記モールドの上面は、平坦に形成され、前記半導体レンズは、AlGaAs,GaN,AlGaN,InGaNのいずれかを含んで構成され、前記光出射面と対向する前記底面が平面となった凸レンズであり、前記モールドの上面と前記半導体レンズの前記底面とが向き合うように固定されていることを特徴とする。
上記によれば、光伝送デバイスは、半導体レンズがAlGaAs,GaN,AlGaN,InGaNのいずれかを含むことで高屈折率(約3.1〜3.6)のレンズとなり、より小型化を達成できる。また、光伝送デバイスは、凸レンズである半導体レンズの平面側とモールドの平坦な上面とを向き合うように固定することにより、半導体レンズを収まり良く一体化することができる。
上記の発明に係る光伝送デバイスは、前記発光素子がVCSELであり、前記モールドが色素を含むことを特徴とする。
上記によれば、光伝送デバイスは、色素を含むモールドによって、VCSELに求められるアイセーフ規格を満たすことができる。なお、モールドが色素を含むことで、半導体レンズの光学作用に影響が及ぶことはなく、光伝送デバイスは所期の光学特性を実現できる。
本発明に係る光伝送デバイスの製造方法は、基板に光電変換素子が固定され、前記光電変換素子の上方にレンズを備えた光伝送デバイスの製造方法であって、(a)ベース基板の上面に犠牲層を形成する工程と、(b)前記犠牲層の上面に半導体層を形成する工程と、(c)前記半導体層の上面に、凸レンズ形状のレジストを形成する工程と、(d)前記レジストをマスクとして、前記半導体層と前記レジストと前記犠牲層とをドライエッチングすることにより、前記半導体層に凸レンズ形状の半導体レンズを形成する工程と、(e)前記(d)工程により、前記半導体層に形成された前記半導体レンズの上面に、粘着性を有するフィルム部材を貼付する工程と、(f)前記半導体レンズに前記フィルム部材が貼付されている状態で、前記犠牲層を選択性エッチング液を用いて選択的にエッチングし、前記ベース基板から前記半導体レンズを分離する工程と、(g)前記(f)工程により、前記フィルム部材が貼付されている状態の前記半導体レンズをレンズ取り付け部に載置する工程と、を含むことを特徴とする。
上記によれば、光伝送デバイスの製造方法は、凸レンズ形状のレジストをマスクとしてドライエッチングにより、半導体層とレジストと犠牲層とをエッチングして、レジストの形状が反映された凸レンズ形状の半導体レンズを形成する。
これにより、光伝送デバイスの製造方法は、半導体レンズがベース基板から分離され、半導体レンズの周囲には不要な部分が残らないことから、半導体レンズを小型化することができる。
また、光伝送デバイスの製造方法は、フィルム部材に半導体レンズが貼付されていることにより、半導体レンズの取り扱いが個片の場合と比較して容易となることから、光伝送デバイスが効率よく製造できる。
上記の発明に係る光伝送デバイスの製造方法は、前記ベース基板がGaAsからなり、前記犠牲層がAlAsからなり、前記半導体層がAlGaAsから構成されることを特徴とする。
上記によれば、光伝送デバイスの製造方法は、ベース基板がGaAs、犠牲層がAlAs、半導体層がAlGaAsから少なくともなる。これにより、光伝送デバイスの製造方法は、犠牲層及び半導体層が互いに相性よく安定した状態で形成され、光電変換素子に対してより適応した光学特性を有する高屈折率(約3.1〜3.6)の半導体レンズを半導体層に形成することができる。
上記の発明に係る光伝送デバイスの製造方法は、前記(c)工程において、前記半導体層の上面に、フォトレジストを円柱状に形成し、前記円柱状に形成されているフォトレジストを加熱して溶融し、前記凸レンズ形状のレジストを形成することを特徴とする。
上記によれば、光伝送デバイスの製造方法は、フォトレジストを円柱状に形成し、加熱して溶融することで凸レンズ形状のレジストを形成する。
これにより、光伝送デバイスの製造方法は、簡便な方法を用いることで凸レンズ形状のレジストを、容易に形成することができる。
上記の発明に係る光伝送デバイスの製造方法は、前記(c)工程において、前記半導体層の上面に、外周から中心に亘って光の透過率が変化するグレーマスクを用いて、フォトレジストにより前記凸レンズ形状のレジストを形成することを特徴とする。
上記によれば、光伝送デバイスの製造方法は、グレーマスクを用いて、フォトレジストによる凸レンズ形状のレジストを形成する。
これにより、光伝送デバイスの製造方法は、フォトレジストに後加工することなく、凸レンズ形状のレジストを少ない工程で形成することができる。
上記の発明に係る光伝送デバイスの製造方法は、前記(d)工程において、塩素ガスと酸素ガスとを混合したガスを用いてドライエッチングすることを特徴とする。
上記によれば、光伝送デバイスの製造方法は、ドライエッチングに塩素ガスと酸素ガスとを混合したガスを用いることで、レジストと半導体層とのエッチング速度差を少なくできる。
これにより、光伝送デバイスの製造方法は、レジストの形状が確実に反映された凸レンズ形状の半導体レンズを半導体層に形成することができる。
上記の発明に係る光伝送デバイスの製造方法は、前記(f)工程において、前記選択性エッチング液はフッ酸水溶液であることを特徴とする。
上記によれば、光伝送デバイスの製造方法は、フッ酸水溶液を用いることにより前記犠牲層を確実にエッチングすることができる。
上記の発明に係る光伝送デバイスの製造方法は、前記(d)工程と前記(e)工程との間に、前記半導体レンズの周囲のベース基板部分をエッチングして、前記半導体レンズの周囲に凹部を形成する(d’)工程を、さらに含むことを特徴とする。
上記によれば、光伝送デバイスの製造方法は、半導体レンズの周囲のベース基板部分をエッチングして、半導体レンズの周囲に凹部を形成する。これにより、半導体レンズに貼付されたフィルム部材とベース基板との間隔が広くなることから、選択性エッチング液が容易に行き渡り、犠牲層をより効率的にエッチングすることができる。
上記の発明に係る光伝送デバイスの製造方法は、前記(f)工程と前記(g)工程との間に、前記半導体レンズに貼付されている前記フィルム部材の粘着力を低下させる(f’)工程を、さらに含むことを特徴とする。
上記によれば、光伝送デバイスの製造方法は、半導体レンズに貼付されているフィルム部材の粘着力を低下させることにより、半導体レンズをレンズ取り付け部に容易に載置することができる。
上記の発明に係る光伝送デバイスの製造方法は、前記(f’)工程において、紫外線照射により前記フィルム部材の粘着力を低下させることを特徴とする。
上記によれば、光伝送デバイスの製造方法は、紫外線照射によりフィルム部材の粘着力を低下させることで、粘着力が低下するまでの時間が短時間で済むことから、光伝送デバイスを効率よく製造できる。
上記の発明に係る光伝送デバイスの製造方法は、前記(f’)工程において、加熱により前記フィルム部材の粘着力を低下させることを特徴とする。
上記によれば、光伝送デバイスの製造方法は、加熱によりフィルム状部材の粘着力を低下させることで、粘着力の調整を簡便な方法で行うことができる。
上記の発明に係る光伝送デバイスの製造方法は、前記半導体レンズが分離された前記ベース基板の上面を研磨して平坦にすることにより、前記ベース基板に再利用することを特徴とする。
上記によれば、光伝送デバイスの製造方法は、前記ベース基板に再利用することにより資源の節約及び最終廃棄物を低減でき、環境負荷を抑制することができる。
以下、本発明に係る光伝送デバイス及び光伝送デバイスの製造方法並びに光伝送デバイスを備える電子機器の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る光伝送デバイスの概略構成を示す構成図である。図1(a)は斜視図、図1(b)は、図1(a)のA−A線での断面図である。
なお、図1を含む以下の各図では、構成を分かり易くするために、各構成要素の寸法比率を異ならせて表している。
《構成》
図1に示すように、光伝送デバイス1は、基板としてのICチップ10、発光素子としてのVCSELである薄膜状面発光レーザ20、金属配線30、モールド40、半導体レンズ50などを備えている。
光伝送デバイス1は、ICチップ10の上面11に薄膜状面発光レーザ20が光出射面21を上にして図示しない接着剤などにより固定され、薄膜状面発光レーザ20とICチップ10とが金属配線30により電気的に接続されている。
そして、ICチップ10上において金属配線30とICチップ10に固定されている薄膜状面発光レーザ20とが、モールド40により被覆されている。
光伝送デバイス1は、モールド40の平坦に形成された上面41に、薄膜状面発光レーザ20の光出射面21と対向する底面52が平面となっている凸レンズである半導体レンズ50が、底面52とモールド40の上面41とが向き合うように、図示しない接着剤などにより固定されている。
ICチップ10は、シリコンなどの半導体基板に、薄膜状面発光レーザ20の駆動回路を含む回路が、半導体プロセスにより形成されている。ICチップ10の上面11には、薄膜状面発光レーザ20の固定位置近傍に、図示しない電極が形成されている。
薄膜状面発光レーザ20は、電極を含む発光部分が半導体基板から分離されることで薄膜状に形成されている。薄膜状面発光レーザ20は、厚さが数μm〜数十μmに形成されている。
金属配線30は、金属インクによる配線、金属ペーストによる配線、金属蒸着による配線、金属スパッタによる配線などにより、ICチップ10の上面11の電極と薄膜状面発光レーザ20の光出射面21の電極とを接続するように形成されている。
モールド40は、薄膜状面発光レーザ20から出射されるレーザ光22などの光を透過する樹脂で形成されている。モールド40の材料としては、例えば、感光性ゾルゲル材料または紫外線硬化樹脂などの光硬化樹脂が望ましい。
また、モールド40は、染料または顔料などの色素を含むことで、光の透過率を調整できるように形成されている。なお、モールド40の高さについては後述する。
半導体レンズ50は、AlGaAs,GaN,AlGaN,InGaNのいずれかを含んで構成されている。
半導体レンズ50は、本実施形態の場合、波長850nmにおける屈折率が、約3.1〜3.6の範囲で選択可能であり、樹脂レンズの屈折率(約1.7)と比較して極めて高い。また、透過可能な光の波長下限は、約500nmである。
なお、半導体レンズ50については、後述の光伝送デバイスの製造方法にて詳述する。
《作用・効果》
光伝送デバイス1には、まず、外部からの入力によりICチップ10の駆動回路から金属配線30を介して薄膜状面発光レーザ20に駆動信号が送られ、光出射面21からレーザ光22が出射される。
ついで、出射されたレーザ光22は、モールド40内を伝播してモールド40の上面41に固定されている半導体レンズ50に到達する。
ここで、半導体レンズ50に到達するレーザ光22を幾何光学的に扱うために、前述したフラウンホーファ領域を考慮してモールド40の厚さを設定する必要がある。
具体的には、モールド40における薄膜状面発光レーザ20の光出射面21から半導体レンズ50の底面52までの距離T(厚さ)が、フラウンホーファ領域に入るように設定している。
なお、本実施形態の場合、フラウンホーファ領域の下限値は約100μm〜200μmとなっている。
ここで、フラウンホーファ領域について再度詳述する。
薄膜状面発光レーザ20に代表されるVCSELは、活性層において数μm程度の直径を有する面光源であるため、光学的に理想的な光源である点光源とみなすことは難しい。このため、レンズでVCSELから射出されるレーザ光の整形を行うためには、レンズの形成位置をVCSELの発光部からある程度離す必要がある。
具体的には、発光部の直径をDとし、波長をλとすると、活性層から約L=D2/λ以上離れないと射出されるレーザ光を幾何光学的に扱うことはできないことが知られている。
この活性層からの距離がL以上である領域はフラウンホーファ領域、一方活性層からの距離がLよりも短い領域はフレネル領域と呼ばれる。
つまり、フラウンホーファ領域にレンズ等を配置すれば自在にレーザ光の整形が可能であるが、フレネル領域ではレーザ光を平行光に変換したり任意の焦点距離に集光したりすることはできない。
なお、モールド40は、染料または顔料などの色素を含むことで光の透過率を調整し、薄膜状面発光レーザ20から出射されたレーザ光22の光出力が、半導体レンズ50を透過後にアイセーフ規格で規定された上限値を超えないようにしている。なお、モールド40に色素を含んでも半導体レンズ50の幾何光学作用に影響が及ぶことはない。
ついで、半導体レンズ50に到達したレーザ光22は、半導体レンズ50により屈折され光軸51上の集光点53に集光される。
集光点53に集光されたレーザ光22は、例えば、図示しない光ファイバのコア部分に集光点53の位置から入り、光ファイバ内を伝播する。
ここで、従来の樹脂レンズを、半導体レンズ50に置き換えた場合を想定して説明する。なお、樹脂レンズと、半導体レンズ50とは、同一の有効径を有し、片凸レンズである樹脂レンズの平坦面が設置されていた設置面に、半導体レンズ50の底面52を設置するものとする。
半導体レンズ50は、前述の通り樹脂レンズに比べて高い屈折率を有しているため、同一のレンズ有効径を有する場合において、樹脂レンズと同じ焦点距離を曲率の小さなレンズ面によって実現することができる。つまり、半導体レンズ50は、樹脂レンズよりも薄く構成することができるとともに、レンズ面の曲率が小さい(レンズ球体の半径が大きい)ため、球面収差を小さくすることができる。
よって、小型化を図ることができるとともに、収差が低減された高精度のビーム整形を実現することができる。
上述したように、第1の実施形態の光伝送デバイス1は、ICチップ10の上面11に固定され、金属配線30によりICチップ10と電気的に接続されている薄膜状面発光レーザ20が、モールド40により被覆され、モールド40の上面41に半導体レンズ50が固定されている構成である。
これにより、光伝送デバイス1は、屈折率の高い半導体レンズ50を備えているため、半導体レンズ50の曲率を大きくする必要がないことから半導体レンズ50を小型にすることができる。
また、光伝送デバイス1は、モールド40の高さが薄膜状面発光レーザ20のフラウンホーファ領域内にあることで、薄膜状面発光レーザ20から出射されたレーザ光22を幾何光学的に扱うことができる。
さらに、光伝送デバイス1は、ICチップ10と薄膜状面発光レーザ20とモールド40と半導体レンズ50とが一体に構成されていることにより、各構成部品間に隙間がなく、小型に構成することができる。
また、光伝送デバイス1は、半導体レンズ50がAlGaAs,GaN,AlGaN,InGaNのいずれかを含んで構成されていることで、高屈折率(約3.1〜3.6)により、より小型化を達成できる。
また、光伝送デバイス1は、モールド40の平坦な上面41に、底面52が平面の凸レンズである半導体レンズ50を固定することにより、半導体レンズ50を収まり良く一体化することができる。
また、光伝送デバイス1は、染料または顔料などの色素を含むモールド40によって光の透過率を調整することで、薄膜状面発光レーザ20に求められるアイセーフ規格を満たすことができる。
また、光伝送デバイス1は、半導体レンズ50のレンズ球面の半径が大きいことにより、球面収差を小さくすることができ、レーザ光22をより正確に集光することができる。
以上により、光伝送デバイス1は、光学特性の優れた小型の光伝送デバイスを実現することができる。
(第2の実施形態)
図2は、第2の実施形態に係る光伝送デバイスの概略構成を示す構成図である。図2(a)は斜視図、図2(b)は図2(a)のB−B線での断面図である。なお、第1の実施形態との共通部分には同じ符号を附している。
《構成》
図2に示すように、光伝送デバイス101は、基板としてのリードフレーム110、発光素子としてのVCSELである面発光レーザチップ120、金属ワイヤ130、モールド140、半導体レンズ50などを備えている。
光伝送デバイス101は、リードフレーム110の上面111に面発光レーザチップ120が光出射面121を上にして図示しない接着剤などにより固定され、面発光レーザチップ120とリードフレーム110とが金属ワイヤ130により電気的に接続されている。
そして、リードフレーム110上において金属ワイヤ130とリードフレーム110に固定されている面発光レーザチップ120とが、モールド140により被覆されている。
光伝送デバイス101は、モールド140の平坦に形成された上面141に、面発光レーザチップ120の光出射面121と対向する底面52が平面となっている凸レンズである半導体レンズ50が、底面52とモールド140の上面141とが向き合うように、図示しない接着剤などにより固定されている。
リードフレーム110は、Cu系またはNi系などの金属材料を用いて形成され、上面111は、面発光レーザチップ120の固定位置近傍に、金属ワイヤ130を接続するスペースを有している。
また、リードフレーム110は、半導体レンズ50の光軸51方向に沿ってモールド140の下方に露出されている部分が、外部の基板などとの接続端子部112,113となっている。
これにより、本実施形態の光伝送デバイス101は、ディスクリート部品として形成されている。
面発光レーザチップ120は、GaAs半導体などの上に、発光層などの複数の層が積層されることにより形成されている。面発光レーザチップ120の光出射面121には、図示しない電極が形成されている。
金属ワイヤ130は、AuまたはAlなどの金属より形成され、ボンディングによりリードフレーム110の上面111と面発光レーザチップ120の光出射面121の電極とを接続するように形成されている。
モールド140は、面発光レーザチップ120から出射されるレーザ光122などの光を透過する樹脂を用い、トランスファモールドなどの方法により形成されている。使用する樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂が望ましい。
また、モールド140は、染料または顔料などの色素を含むことで、光の透過率を調整できるように形成されている。なお、モールド40の高さについては後述する。
半導体レンズ50は、第1の実施形態と共通なので説明を省略する。
《作用・効果》
光伝送デバイス101には、まず、外部からの駆動信号が、リードフレーム110の接続端子部112,113及び金属ワイヤ130を介して面発光レーザチップ120に送られて、光出射面121からレーザ光122が出射される。
ついで、出射されたレーザ光122は、モールド140内を伝播してモールド140の上面141に装着されている半導体レンズ50に到達する。
ここで、半導体レンズ50に到達するレーザ光122を幾何光学的に扱うために、前述したフラウンホーファ領域を考慮してモールド140の厚さを設定する必要がある。
具体的には、モールド140における面発光レーザチップ120の光出射面121から半導体レンズ50の底面52までの距離T'(厚さ)が、フラウンホーファ領域に入るように設定している。
なお、本実施形態の場合、フラウンホーファ領域の下限値は約100μm〜200μmとなっている。
なお、モールド140は、染料または顔料などの色素を含むことで光の透過率を調整し、面発光レーザチップ120から出射されたレーザ光122の光出力が、半導体レンズ50を透過後にアイセーフ規格で規定された上限値を超えないようにしている。なお、モールド140に色素を含んでも半導体レンズ50の幾何光学作用に影響が及ぶことはない。
ついで、半導体レンズ50に到達したレーザ光122は、半導体レンズ50により屈折され光軸51上の集光点53に集光される。
集光点53に集光されたレーザ光122は、例えば、図示しない光ファイバのコア部分に集光点53の位置から入り、光ファイバ内を伝播する。
また、半導体レンズ50は、前述の通り樹脂レンズに比べて高い屈折率を有しているため、同一のレンズ有効径を有する場合において、樹脂レンズと同じ焦点距離を曲率の小さなレンズ面によって実現することができる。つまり、半導体レンズ50は、樹脂レンズよりも薄く構成することができるとともに、レンズ面の曲率が小さい(レンズ球体の半径が大きい)ため、球面収差を小さくすることができる。
よって、小型化を図ることができるとともに、収差が低減された高精度のビーム整形を実現することができる。
上述したように、第2の実施形態の光伝送デバイス101は、第1の実施形態の光伝送デバイス1と同様の効果を有している。
具体的には、光伝送デバイス101は、リードフレーム110の上面111に固定され、金属ワイヤ130によりリードフレーム110と電気的に接続されている面発光レーザチップ120が、モールド140により被覆され、モールド140の上面141に半導体レンズ50が固定されている構成である。
これにより、光伝送デバイス101は、屈折率の高い半導体レンズ50を備えているため、半導体レンズ50の曲率を大きくする必要がないことから半導体レンズ50を小型にすることができる。
また、光伝送デバイス101は、モールド140の高さが面発光レーザチップ120のフラウンホーファ領域内にあることで、面発光レーザチップ120から出射されたレーザ光122を幾何光学的に扱うことができる。
さらに、光伝送デバイス101は、リードフレーム110と面発光レーザチップ120とモールド140と半導体レンズ50とが一体に構成されていることにより、各構成部品間に隙間がなく、小型に構成することができる。よって、小型で使い勝手の良い、光伝送デバイス101を提供することができる。
また、光伝送デバイス101は、AlGaAs,GaN,AlGaN,InGaNのいずれかを含んで構成された高屈折率(約3.1〜3.6)の半導体レンズ50を備えているため、より小型化を実現することができる。
また、光伝送デバイス101は、モールド140の平坦な上面141に、底面52が平面の凸レンズである半導体レンズ50を固定することにより、半導体レンズ50を収まり良く一体化することができる。
また、光伝送デバイス101は、染料または顔料などの色素を含むモールド140によって光の透過率を調整することで、面発光レーザチップ120に求められるアイセーフ規格を満たすことができる。
また、光伝送デバイス101は、半導体レンズ50のレンズ球面の半径が大きいことにより、球面収差を小さくすることができ、レーザ光122をより正確に集光することができる。
以上により、光伝送デバイス101は、光学特性の優れた小型の光伝送デバイスを実現することができる。
なお、第1及び第2の実施形態では、モールド40,140の外形形状を角柱形状としたが、これに限定するものではなく、多角柱形状、円柱形状など用途に応じた任意の形状に形成することができる。
また、第1及び第2の実施形態では、発光素子を各々薄膜状面発光レーザ20、面発光レーザチップ120としたが、これに限定するものではなく、例えば、LED(Light Emitting Diode)としてもよい。
(光伝送デバイスの製造方法)
ここで、光伝送デバイスの製造方法について説明する。ここでは、基板に光電変換素子が固定され、光電変換素子の上方にレンズを備えた光伝送デバイスの製造方法における、半導体レンズの製造方法及び載置方法を中心に説明する。
図3、図4は、光伝送デバイスの製造工程を工程順に説明するための、断面図を用いた工程説明図である。図3は製造工程の前半を示し、図4は製造工程の後半を示している。
光伝送デバイスの製造方法は、(a)工程、(b)工程、(c)工程、(d)工程、(d’)工程、(e)工程、(f)工程、(f’)工程、(g)工程を含む。
〔(a)工程〕
まず、図3(a)に示すように、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法などにより、ベース基板としての基板70の上面71に犠牲層80を形成する。なお、基板70はGaAsから、犠牲層80はAlAsからそれぞれ構成されるものとして説明する。また、犠牲層80は、AlAsに限定するものではなく、金属バッファ層として機能する材質であればよい。
〔(b)工程〕
ついで、図3(b)に示すように、MOCVD法などにより犠牲層80の上面81に半導体層90を形成する。
なお、本実施形態では、犠牲層80の厚さを約500nm、AlGaAsからなる半導体層90の厚さを約5μmとしている。なお、これらの厚さは、形成条件などに応じて適宜設定する。
〔(c)工程〕
ついで、図3(c)、図3(d)に示すように、半導体層90の上面91に、フォトリソグラフィ法などによりフォトレジスト92を円柱状に形成する。ついで、レジストリフロー法などによりフォトレジスト92を加熱して溶融し、表面張力により凸レンズ形状のレジスト93を形成する。
ここで、フォトレジスト92の加熱は、例えば、ホットプレートまたは温風循環式オーブンなどを用いて行う。ホットプレートの場合の加熱条件は、150℃以上で2〜10分、好ましくは5分である。温風循環式オーブンの場合の加熱条件は、160℃以上で20〜30分である。
〔(d)工程〕
ついで、図3(e)、図4(a)に示すように、レジスト93をマスクとして、塩素ガスと酸素ガスとを混合したガスを用いてドライエッチングを行う。
これにより、半導体層90とレジスト93と犠牲層80とをドライエッチングし、半導体層90にレジスト93の形状を反映した、凸レンズ形状の半導体レンズ94を形成する。
なお、ドライエッチングは、少なくとも犠牲層80が露出し、且つレジスト93が消滅するまで行う。
ここで、凸レンズ形状の半導体レンズ94の形成について詳述する。
前述した通り(d)工程では、凸レンズ状のレジスト93をマスクとして塩素ガスと酸素ガスとを混合した混合ガスを用いてドライエッチングを行う。混合ガスには、酸素が添加されているため、有機物であるレジスト93のエッチングも、半導体層90のエッチングと平行して行なわれる。
ここで、半導体層90と、レジスト93とのエッチングレートの差が小さくなるように設定しておく。つまり、エッチングの選択比が1に近づくように条件設定する。
このような条件でエッチングを行うと、エッチングが進むにつれてエッチングマスク(レジスト93)が徐々に縮小して行き、結果的に半導体層90にレジスト93の形状が転写される。図3(e)は、このエッチング途上の様子を示したものであり、レジスト93が縮小するとともに、縮小した形状部分が半導体層90に転写されていることが分かる。
図4(a)は、エッチングが終了した状態を示しており、レジスト93の形状が転写された凸レンズ形状の半導体レンズ94が犠牲層80の上に形成されている。なお、犠牲層80も、エッチングの進行にともない、一緒にエッチングされている。
なお、半導体レンズ94の曲率は、フォトレジスト92の直径及び厚さの寸法設定、および、塩素ガスと酸素ガスとの混合比変更によるドライエッチングの選択比変更などのエッチング条件の設定により適宜調整することができる。
〔(d’)工程〕
ついで、図4(b)に示すように、半導体レンズ94の周囲の基板70部分をエッチングする。これにより、半導体レンズ94の周囲に凹部72を形成する。
凹部72の形成には、例えば、半導体レンズ94とその近傍部分とをマスクして、基板70をエッチング液に浸漬し、ウエットエッチングを行う。これにより、半導体レンズ94の周囲の基板70の露出部に凹部72が形成される。
なお、この(d’)工程は、後述する(f)工程における犠牲層80のエッチング効率を向上させるための補助的な工程なので、省略することもできる。
〔(e)工程〕
ついで、図4(c)に示すように、粘着性を有するフィルム部材としての粘着フィルム60を半導体レンズ94に貼付する。
具体的には、半導体層90に形成された半導体レンズ94の上面95に、粘着面であるレンズ貼付面61を下向きにして粘着フィルム60を貼付する。
なお、粘着フィルムとしては、紫外線硬化型フィルム、または、熱硬化型フィルムなどが好適である。
〔(f)工程〕
ついで、図4(c)に示すように、犠牲層80を選択的にエッチングする。
具体的には、半導体レンズ94に粘着フィルム60が貼付されている状態で、選択性エッチング液85を用いて、犠牲層80を選択的にエッチングする。
これにより、犠牲層80を消滅させて、半導体レンズ94を基板70から分離する。なお、図4(d)に示すように、分離された半導体レンズ94は、粘着フィルム60の粘着力により保持されている。
なお、選択性エッチング液85としては、フッ酸水溶液などが好適である。
〔(f’)工程〕
ついで、半導体レンズ94に貼付されている粘着フィルム60の粘着力を低下させる。
粘着力を低下させる方法として、例えば、粘着フィルム60が紫外線硬化型フィルムの場合には、紫外線照射により粘着力を低下させ、粘着フィルム60が熱硬化型フィルムの場合には、加熱により粘着力を低下させる。
なお、粘着力の低下の度合いは、紫外線の照射条件または加熱時の加熱条件などにより適宜調整することが好ましい。
〔(g)工程〕
ついで、図4(e)に示すように、粘着フィルム60に貼付されている状態の半導体レンズ94を、レンズ取り付け部241に載置する。
載置の手順としては、まず、粘着フィルム60が貼付されている状態の半導体レンズ94と、光伝送デバイス201の基板210に固定されている光電変換素子220との位置合わせを、図示しない位置合わせ装置などにより行う。
ついで、粘着フィルム60の裏面62から、図示しない押圧装置などにより半導体レンズ94を矢印方向に押圧する。これにより、半導体レンズ94を粘着フィルム60から剥離するとともに、光伝送デバイス201のレンズ取り付け部241に載置する。
また、載置された半導体レンズ94は、予め塗布されている光学用の接着剤などによりレンズ取り付け部241に固定される。
なお、位置合わせは、シート単位で行うこともできる。例えば、半導体レンズ94を所定ピッチのマトリックス状に形成し、当該マトリックス形状を維持した状態で、粘着フィルム60に転載する。また、レンズ取り付け部241も、当該マトリックス形状を有する案内板などに規則的に配列しておく。
この構成によれば、例えば、粘着フィルム60の四隅に形成された合わせマークと、案内板の四隅に形成された合わせマークとを、位置合わせすることにより、複数の半導体レンズ94と、レンズ取り付け部241とを、一括してシート単位で位置合わせすることができる。
以上の工程により、光伝送デバイスの製造における半導体レンズ94の製造及び載置が完了する。なお、分離された基板70は、研磨装置などで上面を研磨して平坦にすることにより、基板70として再利用することができる。前述した通り、本実施形態における基板70は、GaAsから構成されている。GaAsは非常に高価な半導体材料であるため、リサイクル可能であることの効果は大きい。
《作用・効果》
上述したように、本発明の光伝送デバイスの製造方法によれば、凸レンズ形状のレジスト93をマスクとして、半導体層90とレジスト93と犠牲層80とをドライエッチングして、レジスト93の形状が反映された凸レンズ形状の半導体レンズ94を形成する。
これにより、半導体レンズ94が基板70から分離され、半導体レンズ94の周囲には不要な部分が残らないことから、半導体レンズ94を小型化することができる。
また、粘着フィルム60に半導体レンズ94が貼付されていることにより、半導体レンズ94の取り扱いが個片の場合と比較して容易となることから、光伝送デバイス201を効率よく製造でき、生産性が向上する。また、製造の歩留まりも向上する。
また、粘着フィルム60の裏面62から半導体レンズ94を押圧することにより、半導体レンズ94を粘着フィルム60から剥離する。これにより、光伝送デバイスの製造方法は、半導体レンズ94を光伝送デバイス201のレンズ取り付け部241に容易に載置することができる。
また、基板70、犠牲層80、半導体層90を積層して半導体レンズ94を形成する。これにより、光伝送デバイスの製造方法は、各層が互いに相性よく安定した状態で形成され、光電変換素子220に対してより適応した光学特性を有する高屈折率(約3.1〜3.6)の半導体レンズ94を、AlGaAs半導体層90に形成することができる。
また、フォトレジスト92を円柱状に形成し、加熱して溶融することで凸レンズ形状のレジスト93を形成する。
これにより、光伝送デバイスの製造方法は、簡便な方法を用いることで凸レンズ形状のレジスト93を、容易に形成することができる。
また、ドライエッチングに塩素ガスと酸素ガスとを混合したガスを用いることで、レジスト93とAlGaAs半導体層90とのエッチング速度差を少なくできる。
これにより、レジスト93の形状が確実に反映された凸レンズ形状の半導体レンズ94を、半導体層90に形成することができる。
また、選択性エッチング液85にフッ酸水溶液を用いることにより犠牲層80を確実にエッチングすることができる。
また、半導体レンズ94の周囲の基板70部分をエッチングして、半導体レンズ94の周囲に凹部72を形成する。これにより、半導体レンズ94に貼付された粘着フィルム60と基板70との間隔が広くなることから、選択性エッチング液85が容易に行き渡り、犠牲層80をより効率的にエッチングすることができる。これにより、光伝送デバイスの製造方法は、生産性が向上する。
また、半導体レンズ94に貼付されている粘着フィルム60の粘着力を低下させることにより、半導体レンズ94をレンズ取り付け部241に載置する際に、粘着フィルム60から半導体レンズ94を容易に剥離することができる。
また、紫外線照射により粘着フィルム60の粘着力を低下させることで、粘着力が低下するまでの時間が短時間で済むことから、光伝送デバイス201を効率よく製造でき、生産性が向上する。
また、加熱により粘着フィルム60の粘着力を低下させることで、粘着力の調整を簡便な方法で行うことができる。
また、基板70を再利用することにより資源の節約及び最終廃棄物を低減でき、環境負荷を抑制することができる。
なお、本実施形態の光伝送デバイスの製造方法では、フォトレジスト92を加熱して溶融し、凸レンズ形状のレジスト93を形成している。しかし、これに限定するものではなく、外周から中心に亘って光の透過率が変化するグレーマスクを用いて、半導体層90の上面91に、図3(d)に示すような、凸レンズ形状のレジスト93を形成してもよい。
これによれば、グレーマスクを用いることでフォトレジストに後加工することなく、凸レンズ形状のレジスト93を少ない工程で形成することができる。
また、(c)工程において凸レンズ形状のレジスト93をアレイ状に形成することが望ましい。これによれば、光伝送デバイスの製造方法は、複数の半導体レンズ94を一括して製造することができ、半導体レンズ94の生産性を向上させることができる。
また、ここでは半導体レンズとしてAlGaAsを用いた例を示したが、この他にGaN、AlGaN、InGaNなどの半導体材料を用いることも可能である。GaN系の材料はバンドギャップが大きいため、AlGaAsを用いた場合より波長の短い光を透過することができ、レンズとして適用可能な光の波長域を拡大することができる。なお、この場合、基板70には、窒化ガリウム(GaN)、または、サファイヤを用いることが好ましい。
本実施形態の光伝送デバイス1,101は、光ファイバデータ通信機器、光トランシーバ、メディアコンバータなどの光通信送信モジュールなどの光源として応用できる。あるいはバーコードリーダやレーザプロジェクタなどのレーザビームスキャナの光源に用いると光学系を簡素化、小型化でき好適である。
あるいはレーザ光を対象物に投射し、その反射光の変化から対象物の位置変化や光学特性の変化を検出するリニアエンコーダ、ロータリエンコーダなどの変位センサや圧力センサ、振動センサ、角度センサ、吸光センサ、ガスセンサ、パーティクルセンサなどのレーザビーム光源に用いても光学系を簡素化、小型化でき好適である。
(電子機器)
ここで、本発明の電子機器について説明する。本発明の電子機器は、上述した光伝送デバイスを備えるものであり、具体的には図5に示すものが挙げられる。図5は、本発明の電子機器の例を示す図である。図5(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図5(a)において、携帯電話1000は、上述した光伝送デバイス1,101のいずれかを備える。携帯電話1000の光伝送デバイス1,101は、例えばCPUから表示データを表示部1001に送信するために設けられる。
図5(b)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図5(b)において、時計1100は、上述した光伝送デバイス1,101のいずれかを備える。この時計1100においても、表示部1101に対して表示データを送信するために光伝送デバイス1,101が設けられる。図5(c)は、ワープロ、パソコン等の携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図5(c)において、情報処理装置1200は、キーボードなどの入力部1202、上述した光伝送デバイス1,101のいずれかにより表示データが送信される表示部1206、情報処理装置本体(筐体)1204を備える。
図5(a)〜図5(c)に示すそれぞれの電子機器は、上述した光伝送デバイス1,101のいずれかにより表示データが送信される表示部1001,1101,1206を備えているので、良好な表示特性を有する電子機器が提供される。
なお、上述した光伝送デバイス1,101は、上記の電子機器以外に、ビューワ、ゲーム機等の携帯情報端末、電子書籍、電子ペーパ等種々の電子機器に適応できる。
また、光伝送デバイス1,101のいずれかは、ビデオカメラ、デジタルカメラ、カーナビゲーション、カーステレオ、運転操作パネル、パーソナルコンピュータ、プリンタ、スキャナ、テレビ、ビデオプレーヤー等種々の電子機器にも適応できる。
本発明の第1の実施形態における光伝送デバイスの概略構成を示す構成図。 本発明の第2の実施形態における光伝送デバイスの概略構成を示す構成図。 本発明の実施形態における光伝送デバイスの製造工程の前半を説明する工程説明図。 本発明の実施形態における光伝送デバイスの製造工程の後半を説明する工程説明図。 本発明の実施形態における光伝送デバイスを用いた電子機器の例を示す図。
符号の説明
1…光伝送デバイス、10…基板としてのICチップ、11…ICチップの上面、20…発光素子としての薄膜状面発光レーザ、21…薄膜状面発光レーザの光出射面、30…金属配線、40…モールド、41…モールドの上面、50…半導体レンズ、51…半導体レンズの光軸、52…半導体レンズの底面、53…半導体レンズの集光点、60…フィルム部材としての粘着フィルム、70…ベース基板としての基板、72…基板の凹部、80…犠牲層、85…選択性エッチング液、90…半導体層、93…凸レンズ形状のレジスト、94…半導体レンズ、210…光伝送デバイスの基板、220…光電変換素子、241…レンズ取り付け部。

Claims (14)

  1. 基板と、
    前記基板に光出射面を上にして固定された発光素子と、
    光透過性の樹脂からなり、前記発光素子を被覆するモールドと、
    前記モールド上に固定された半導体レンズと、を備え、
    前記モールドにおける前記光出射面から前記半導体レンズの底面までの距離が、前記発光素子のフラウンホーファ領域内となる値に設定されていることを特徴とする光伝送デバイス。
  2. 前記モールドの上面は、平坦に形成され、
    前記半導体レンズは、砒化アルミニウムガリウム(AlGaAs)、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)のいずれかを含んで構成され、前記光出射面と対向する前記底面が平面となった凸レンズであり、
    前記モールドの上面と前記半導体レンズの前記底面とが向き合うように固定されていることを特徴とする請求項1に記載の光伝送デバイス。
  3. 前記発光素子は、VCSELであり、
    前記モールドが色素を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光伝送デバイス。
  4. 基板に光電変換素子が固定され、前記光電変換素子の上方にレンズを備えた光伝送デバイスの製造方法であって、
    (a)ベース基板の上面に犠牲層を形成する工程と、
    (b)前記犠牲層の上面に半導体層を形成する工程と、
    (c)前記半導体層の上面に、凸レンズ形状のレジストを形成する工程と、
    (d)前記レジストをマスクとして、前記半導体層と前記レジストと前記犠牲層とをドライエッチングすることにより、前記半導体層に凸レンズ形状の半導体レンズを形成する工程と、
    (e)前記(d)工程により、前記半導体層に形成された前記半導体レンズの上面に、粘着性を有するフィルム部材を貼付する工程と、
    (f)前記半導体レンズに前記フィルム部材が貼付されている状態で、前記犠牲層を選択性エッチング液を用いて選択的にエッチングし、前記ベース基板から前記半導体レンズを分離する工程と、
    (g)前記(f)工程により、前記フィルム部材が貼付されている状態の前記半導体レンズをレンズ取り付け部に載置する工程と、を含むことを特徴とする光伝送デバイスの製造方法。
  5. 前記ベース基板はGaAsからなり、前記犠牲層はAlAsからなり、前記半導体層はAlGaAsから構成されることを特徴とする請求項4に記載の光伝送デバイスの製造方法。
  6. 前記(c)工程において、前記半導体層の上面に、フォトレジストを円柱状に形成し、前記円柱状に形成されているフォトレジストを加熱して溶融し、前記凸レンズ形状のレジストを形成することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の光伝送デバイスの製造方法。
  7. 前記(c)工程において、前記半導体層の上面に、外周から中心に亘って光の透過率が変化するグレーマスクを用いて、フォトレジストにより前記凸レンズ形状のレジストを形成することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の光伝送デバイスの製造方法。
  8. 前記(d)工程において、塩素ガスと酸素ガスとを混合したガスを用いてドライエッチングすることを特徴とする請求項4〜請求項7のいずれか一項に記載の光伝送デバイスの製造方法。
  9. 前記(f)工程において、前記選択性エッチング液はフッ酸水溶液であることを特徴とする請求項4〜請求項8のいずれか一項に記載の光伝送デバイスの製造方法。
  10. 前記(d)工程と前記(e)工程との間に、前記半導体レンズの周囲の前記ベース基板部分をエッチングして、前記半導体レンズの周囲に凹部を形成する(d’)工程を、さらに含むことを特徴とする請求項4〜請求項9のいずれか一項に記載の光伝送デバイスの製造方法。
  11. 前記(f)工程と前記(g)工程との間に、前記半導体レンズに貼付されている前記フィルム部材の粘着力を低下させる(f’)工程を、さらに含むことを特徴とする請求項4〜請求項10のいずれか一項に記載の光伝送デバイスの製造方法。
  12. 前記(f’)工程において、紫外線照射により前記フィルム部材の粘着力を低下させることを特徴とする請求項11に記載の光伝送デバイスの製造方法。
  13. 前記(f’)工程において、加熱により前記フィルム部材の粘着力を低下させることを特徴とする請求項11に記載の光伝送デバイスの製造方法。
  14. 前記半導体レンズが分離された前記ベース基板の上面を研磨して平坦にすることにより、前記ベース基板に再利用することを特徴とする請求項4〜請求項13のいずれか一項に記載の光伝送デバイスの製造方法。
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