JP2008216875A - 感光性樹脂組成物、感光性樹脂組成物膜、感光性樹脂組成物膜積層基材、感光性樹脂組成物硬化膜及び感光性樹脂組成物硬化膜積層基材 - Google Patents
感光性樹脂組成物、感光性樹脂組成物膜、感光性樹脂組成物膜積層基材、感光性樹脂組成物硬化膜及び感光性樹脂組成物硬化膜積層基材 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】樹脂中及び現像液中の双方でナノ粒子の分散性が良く、透過率、パターニング性に優れるナノ粒子含有感光性樹脂組成物及びその用途を提供する。
【解決手段】(A)バインダーポリマー、(B)分子内に少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)一次粒径が1〜200nmの金属酸化物を含有してなる感光性樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】(A)バインダーポリマー、(B)分子内に少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)一次粒径が1〜200nmの金属酸化物を含有してなる感光性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、新規な感光性樹脂組成物、感光性樹脂組成物膜、感光性樹脂組成物膜積層基材、感光性樹脂組成物硬化膜及び感光性樹脂組成物硬化膜積層基材に関する。
永久マスク用レジスト、表示材用スペーサー、マイクロレンズ、三次元光造形用感光性樹脂、ハードコートに用いる感光性樹脂には、機械強度、硬度、または耐摩耗性などの機械特性、耐熱性などの熱特性、光学用途の場合、高屈折率や低屈折率などの光学特性が要求される。これらの特性を改良する方法としては、感光性樹脂組成物にナノ粒子を混合し、ナノコンポジット化する方法が公知である(例えば特許文献1〜3参照)。
良好な特性を得るために重要なことは、ナノ粒子の樹脂中での分散性向上である。分散性が悪いとフィラの凝集によってナノ分散状態が得られず、ナノコンポジット化が進行しないことから、所望の材料特性が得られない問題があった。さらに、粒子と樹脂の屈折率差に基づく光散乱により樹脂の透明性が低下し、パターニング性の悪化、或いは光学用途に使用する場合、光学特性が低下する問題があった。さらに、ファインパターンを形成する場合、ナノ粒子を含有しない感光性樹脂と比べてパターン性が悪くなる問題があった。すなわち、樹脂中で凝集したナノ粒子、或いは現像液中でのナノ粒子凝集・パターンへの再付着によるエッジラフネスの問題である。
本発明の目的は、樹脂中及び現像液中の双方でナノ粒子の分散性が良く、透過率、パターニング性に優れるナノ粒子含有感光性樹脂組成物及びその用途を提供することにある。
本発明の目的は、樹脂中及び現像液中の双方でナノ粒子の分散性が良く、透過率、パターニング性に優れるナノ粒子含有感光性樹脂組成物及びその用途を提供することにある。
本発明者らは、感光性樹脂組成物のナノコンポジット化について、鋭意検討を行った結果、バインダーポリマーにブロックポリマーを用いると樹脂中、および現像液中での分散性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(A)バインダーポリマー、(B)分子内に少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)一次粒径が1〜200nmの金属酸化物を含有してなる感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、バインダーポリマーが親水性ユニットと疎水性ユニットからなるブロックポリマーである前記感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、ブロックポリマーの親水性ユニットが、カルボキシル基を有する前記感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、永久マスク用レジスト用途に使用される前記感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、表示材用スペーサー形成用途に使用される前記感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、マイクロレンズ形成用途に使用される前記感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、三次元光造形用途に使用される前記感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、ハードコート形成用途に使用される前記感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、前記感光性樹脂組成物を膜状に形成してなる感光性樹脂組成物膜に関する。
また、本発明は、前記感光性樹脂組成物膜を基材上に有する感光性樹脂組成物膜積層基材に関する。
また、本発明は、前記感光性樹脂組成物膜を光硬化してなる感光性樹脂組成物硬化膜に関する。
また、本発明は、光硬化が画像状に行われる前記感光性樹脂組成物硬化膜に関する。
また、本発明は、前記感光性樹脂組成物硬化膜を基材上に有する感光性樹脂組成物硬化膜積層基材に関する。
すなわち本発明は、(A)バインダーポリマー、(B)分子内に少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)一次粒径が1〜200nmの金属酸化物を含有してなる感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、バインダーポリマーが親水性ユニットと疎水性ユニットからなるブロックポリマーである前記感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、ブロックポリマーの親水性ユニットが、カルボキシル基を有する前記感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、永久マスク用レジスト用途に使用される前記感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、表示材用スペーサー形成用途に使用される前記感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、マイクロレンズ形成用途に使用される前記感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、三次元光造形用途に使用される前記感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、ハードコート形成用途に使用される前記感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、前記感光性樹脂組成物を膜状に形成してなる感光性樹脂組成物膜に関する。
また、本発明は、前記感光性樹脂組成物膜を基材上に有する感光性樹脂組成物膜積層基材に関する。
また、本発明は、前記感光性樹脂組成物膜を光硬化してなる感光性樹脂組成物硬化膜に関する。
また、本発明は、光硬化が画像状に行われる前記感光性樹脂組成物硬化膜に関する。
また、本発明は、前記感光性樹脂組成物硬化膜を基材上に有する感光性樹脂組成物硬化膜積層基材に関する。
本発明により、樹脂中及び現像液中の双方でナノ粒子の分散性が良く、透過率、パターニング性に優れるナノ粒子含有感光性樹脂組成物及びその用途を提供することが可能となった。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本発明における(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基及びそれに対応するメタクリロイル基を意味する。
なお、本発明における(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基及びそれに対応するメタクリロイル基を意味する。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)バインダーポリマー、(B)分子内に少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(C)光重合開始剤並びに(D)一次粒径が1〜200nmの金属酸化物を含有することを特徴とする。特に、(A)バインダーポリマーが親水性ユニットと疎水性ユニットからなるブロックポリマーであることが好ましい。上記(A)ブロックポリマーは、感光性樹脂組成物を膜状にする際に有効であり、例えば、アクリル系ポリマー、スチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、アミド系ポリマー、アミドエポキシ系ポリマー、アルキド系ポリマー、フェノール系ポリマー、セルロース系ポリマー等が挙げられる。
アルカリ現像性の見地からは、カルボキシル基を有するブロックポリマーであることが好ましく、例えば、アクリル系ポリマー、エポキシ系ポリマー、セルロース系ポリマー等が製造容易性の点で好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記アクリル系ブロックポリマーは、例えば、重合性単量体をリビング重合させることにより製造することができる。
上記重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン等の重合可能なスチレン誘導体、アクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マ レイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸などが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、これらの構造異性体等が挙げられる。
これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。前記セルロース系ポリマーとしては、例えば、ヒドロキシエチル・カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテートフタレートなどが挙げられ、膜形成能、アルカリ現像性等の点から、セルロースアセテートフタレートが好ましい。
前記(A)成分の酸価は、30〜200mgKOH/gであることが好ましく、45〜150mgKOH/gであることがより好ましい。この酸価が30mgKOH/g未満では現像時間が長くなる傾向があり、200mgKOH/gを超えると光硬化したレジストの耐現像液性が低下する傾向がある。また、現像工程として溶剤現像を行う場合は、カルボキシル基を有する重合性単量体を少量に調製することが好ましい。
前記(A)成分の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレンを用いた検量線により換算)は、10,000〜300,000であることが好ましく、25,000〜150,000であることがより好ましい。この重量平均分子量が、10,000未満では耐現像液性が低下する傾向があり、300,000を超えると現像時間が長くなる傾向がある。通常、これら(A)成分は、単独、又は2種類以上を組み合わせて使用される。
前記(B)分子内に少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有す光重合性化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14であり、プロピレン基の数が2〜14であるポリエチレン・ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO,PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等のビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させで得られる化合物、分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー、ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシアルキル−β′−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−o−フタレート等のフタル酸系化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられ、分子内に少なくとも一つのビスフェノール骨格を有するビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物又は分子内に少なくとも一つのウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物を成分とすることが好ましい。
また、特開平8−305017号公報に記載されたウレタンモノマー(下記一般式参照)も好適に使用できる。これらの光重合性化合物の分子量は機械強度等の点で1000以上であることが好ましく、1500以上であることがより好ましく、2000以上であることが特に好ましい。また、硬化膜の架橋密度等の点で分子内に少なくとも二つのエチレン性不飽和基を有することが好ましく、分子内に少なくとも三つのエチレン性不飽和基を有することがより好ましく、分子内に少なくとも四つのエチレン性不飽和基を有することが特に好ましい。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
(式中のR1は水素原子又はメチル基、R2はジイソシアネートから2個のイソシアネート基を除いた残基、R3はラクトンの開環重合により得られる末端水酸基含有ポリエステルから末端水酸基及び末端カルボキシル基を除いた残基であり、nは1〜5の整数である)
(C)光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)等のN,N′−テトラアルキル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等の芳香族ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノセン、1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(o−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム)等のオキシムエステル、アルキルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物などが挙げられる。また、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対称な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、密着性及び感度の見地からは、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体がより好ましい。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
前記(D)成分(金属酸化物)のナノ粒子(一次粒径が1〜200nm)としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化チタン/酸化ジルコニウム/酸化錫/五酸化アンチモン複合物、酸化ジルコニウム/酸化錫/五酸化アンチモン複合物、酸化チタン/酸化ジルコニウム/酸化錫複合物等が挙げられる。
前記(A)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対し、40〜80重量部とすることが好ましく、45〜70重量部とすることがより好ましい。前記(B)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対し、20〜60重量部とすることが好ましく、30〜55重量部とすることがより好ましい。前記(C)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対し、0.1〜20重量部であることが好ましく、0.2〜10重量部であることがより好ましい。前記(D)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対し、0.1〜70重量部であることが好ましく、0.5〜50重量部であることがより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、分子内に少なくとも1つのカチオン重合可能な環状エーテル基を有する光重合性化合物(オキセタン化合物等)、カチオン重合開始剤、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などを(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して各々0.01〜20重量部程度含有することができる。
これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解・分散して固形分30〜60重量%程度の溶液として塗布することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、特に制限はないが、銅、銅系合金、鉄、鉄系合金等の金属面、ガラス面などの面を有する基材上に、感光性樹脂組成物の溶液として、塗布・乾燥することにより膜を形成し、必要に応じて保護フィルムを被覆して用いるか、感光性エレメントの形態で用いられることが好ましい。
また、基材上に膜として形成させた感光性樹脂組成物の層の厚み及び感光性エレメントの感光性樹脂組成物の層の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜100μm程度であることが好ましく、10〜50μmであることがより好ましい。上記保護フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体フィルムなどが挙げられる。
上記感光性エレメントは、例えば、支持体として、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の重合体フィルム上に感光性樹脂組成物を塗布、乾燥することにより得ることができる。これらの重合体フィルムの厚みは、1〜100μmとすることが好ましい。これらの重合体フィルムの一つは感光性樹脂組成物層の支持体として、他の一つは感光性樹脂組成物の保護フィルムとして感光性樹脂組成物層の両面に積層してもよい。保護フィルムとしては、感光性樹脂組成物層及び支持体の接着力よりも、感光性樹脂組成物層及び保護フィルムの接着力の方が小さいものが好ましい。また、前記感光性エレメントは、感光性樹脂組成物層、支持体及び保護フィルムの他に、クッション層、接着層、光吸収層、ガスバリア層等の中間層や保護層を有していてもよい。
上記感光性エレメントは、例えば、前記の保護フィルムが存在している場合には、保護フィルムを除去後、感光性樹脂組成物層を70〜130℃に加熱しながら基材に0.1〜1MPa(1〜10kgf/cm2)の圧力で圧着することにより積層することができ、減圧下で積層することも可能である。積層される表面は、通常金属面やガラス面であるが、特に制限はない。
このようにして積層が完了した感光性樹脂組成物膜は、例えば、必要に応じて、ネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線が画像状に照射され光硬化され、感光性樹脂組成物硬化膜となる。上記活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線、可視光などを有効に放射するものが用いられる。また、レーザー直接描画露光法によっても画像状に光硬化することが可能である。また、三次元光造形によって立体状に光硬化することも可能である。
次いで、光硬化後、感光性樹脂組成物硬化膜上に支持体や保護フィルムが存在しており、後の工程において該支持体や該保護フィルムが不要な場合には、該支持体や該保護フィルムを除去することができる。感光性樹脂組成物膜が画像状に光硬化された場合には、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤等の現像液によるウエット現像、ドライ現像等で未硬化部を除去して現像し、硬化膜パターンを製造することができる。
上記アルカリ性水溶液としては、例えば、0.1〜5重量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%水酸化ナトリウムの希薄溶液、0.1〜3重量%水酸化テトラメチルアンモニウム希薄溶液等が挙げられる。上記アルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物層の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、有機溶剤等を混入させてもよい。上記現像の方式としては、例えば、ディップ方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等が挙げられる。現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10J/cm2程度の露光を行うことにより硬化膜をさらに硬化して用いてもよい。
本発明の感光性樹脂組成物を回路形成用レジスト用途に使用し、プリント配線板を製造する場合、現像された硬化膜パターンをマスクとして、基材の金属面を、エッチング、めっき等の公知方法で処理する。上記エッチングには、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液等を用いることができる。上記めっき法としては、例えば、銅めっき、はんだめっき、ニッケルめっき、金めっき等がある。次いで、後の工程において硬化膜パターンが不要な場合には、該硬化膜パターンは、例えば、現像に用いたアルカリ性水溶液よりさらに強アルカリ性の水溶液で剥離することができる。上記強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10重量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10重量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。上記剥離方式としては、例えば、浸漬方式、スプレイ方式等が挙げられる。
<合成例1>
内容積50mlのガラスフラスコに臭化銅0.29g、エチル−2−ブロモブチレート0.39g、スチレン10.42g、トルエン10mlを加え、窒素雰囲気下で15分間攪拌した。その後、2,2’−ビビリジル0.63gを加え、さらに窒素雰囲気下で15分間攪拌した。反応混合物を100℃で15時間加熱した後、メタノールに落として回収した。アセトン−メタノールで再沈殿を行い、数平均分子量5,000のポリスチレンマクロモノマーを収率50%で得た。
内容積50mlのガラスフラスコに臭化銅0.29g、エチル−2−ブロモブチレート0.39g、スチレン10.42g、トルエン10mlを加え、窒素雰囲気下で15分間攪拌した。その後、2,2’−ビビリジル0.63gを加え、さらに窒素雰囲気下で15分間攪拌した。反応混合物を100℃で15時間加熱した後、メタノールに落として回収した。アセトン−メタノールで再沈殿を行い、数平均分子量5,000のポリスチレンマクロモノマーを収率50%で得た。
得られたポリスチレンマクロモノマー3.1gを内容積50mlのガラスフラスコに入れ、次いでp−ニトロフェニルメタクリレート6.21g、臭化銅0.43g、2,2’−ビビリジル0.94gを加え、窒素雰囲気下で110℃24時間反応させた後、メタノールに落として回収した。アセトン−メタノールで再沈殿を行い、数平均分子量10,000のポリマーを収率80%で得た。得られたランダムポリマー3.8gを60mlのTHFに溶解させ、3MのKOHエタノール溶液を加え、60℃で3時間加水分解を行った。反応溶液を大量の希塩酸に落とし、回収後、アセトン−ヘキサンで再沈殿を行い、ブロックポリマー(A−1):ポリ(スチレン−block−メタクリル酸)(数平均分子量8,000、スチレン:メタクリル酸=70:30)を収率95%で得た。
<合成例2>
内容積50mlのガラスフラスコにスチレン5.47g、p−ニトロフェニルメタクリレート4.66g、AIBN;0.25g、トルエン10mlを加え、窒素雰囲気下70℃で10時間反応させた。10時間後、反応混合物をメタノールに落とし、回収した。その後、アセトン−メタノールで再沈殿を行い、数平均分子量10,000のランダムポリマーを収率67%で得た。得られたランダムポリマー3.8gを60mlのTHFに溶解させ、3MのKOHエタノール溶液を加え、60℃で3時間加水分解を行った。反応溶液を大量の希塩酸に落とし、回収後、アセトン−ヘキサンで再沈殿を行い、ランダムポリマー(A−2):ポリ(スチレン−stat−メタクリル酸)(数平均分子量8,000、スチレン:メタクリル酸=70:30)を収率95%で得た。
内容積50mlのガラスフラスコにスチレン5.47g、p−ニトロフェニルメタクリレート4.66g、AIBN;0.25g、トルエン10mlを加え、窒素雰囲気下70℃で10時間反応させた。10時間後、反応混合物をメタノールに落とし、回収した。その後、アセトン−メタノールで再沈殿を行い、数平均分子量10,000のランダムポリマーを収率67%で得た。得られたランダムポリマー3.8gを60mlのTHFに溶解させ、3MのKOHエタノール溶液を加え、60℃で3時間加水分解を行った。反応溶液を大量の希塩酸に落とし、回収後、アセトン−ヘキサンで再沈殿を行い、ランダムポリマー(A−2):ポリ(スチレン−stat−メタクリル酸)(数平均分子量8,000、スチレン:メタクリル酸=70:30)を収率95%で得た。
なお、実施例において以下の材料を使用した。
(A)ポリマー6g;A−1:ポリ(スチレン−block−メタクリル酸)(自家合成、数平均分子量8,000、スチレン:メタクリル酸=70:30)、A−2:ポリ(スチレン−stat−メタクリル酸)(自家合成、数平均分子量8,000、スチレン:メタクリル酸=70:30)
(B)ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート
(C)光重合開始剤 2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン
(D)ナノ粒子 D−1:テイカ株式会社製のチタニアナノ粒子MT100HD(商品名、平均一次粒径15nm)
(A)ポリマー6g;A−1:ポリ(スチレン−block−メタクリル酸)(自家合成、数平均分子量8,000、スチレン:メタクリル酸=70:30)、A−2:ポリ(スチレン−stat−メタクリル酸)(自家合成、数平均分子量8,000、スチレン:メタクリル酸=70:30)
(B)ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート
(C)光重合開始剤 2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン
(D)ナノ粒子 D−1:テイカ株式会社製のチタニアナノ粒子MT100HD(商品名、平均一次粒径15nm)
<実施例1>
(A−1)6g、(B)成分4g、(C)成分0.3g及び(D)1gを溶剤に溶解・分散し、感光性樹脂組成物の溶液を得た。次いで、得られた感光性樹脂組成物の溶液を、16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(ヘーズ:1.7%、商品名GS−16、帝人株式会社製)上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥した後、ポリエチレン製保護フィルム(フィルム長手方向の引張強さ:16MPa、フィルム幅方向の引張強さ:12MPa、商品名:NF−15,タマポリ株式会社製)で保護し感光性エレメントを得た。感光性樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は、30μmであった。
(A−1)6g、(B)成分4g、(C)成分0.3g及び(D)1gを溶剤に溶解・分散し、感光性樹脂組成物の溶液を得た。次いで、得られた感光性樹脂組成物の溶液を、16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(ヘーズ:1.7%、商品名GS−16、帝人株式会社製)上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥した後、ポリエチレン製保護フィルム(フィルム長手方向の引張強さ:16MPa、フィルム幅方向の引張強さ:12MPa、商品名:NF−15,タマポリ株式会社製)で保護し感光性エレメントを得た。感光性樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は、30μmであった。
<実施例2>
(D)を3gに増量した以外は実施例1と同様にして、感光性エレメントを得た。
(D)を3gに増量した以外は実施例1と同様にして、感光性エレメントを得た。
<比較例1>
A−2;6gをA−1の代わりに使った以外は実施例1と同様にして、感光性エレメントを得た。
A−2;6gをA−1の代わりに使った以外は実施例1と同様にして、感光性エレメントを得た。
<比較例2>
(D)を3gに増量した以外は比較例1と同様にして、感光性エレメントを得た。
(D)を3gに増量した以外は比較例1と同様にして、感光性エレメントを得た。
実施例1、2並びに比較例1、2で得られた感光性エレメントの保護フィルムを剥がしながら120℃のヒートロールを用いて3m/分の速度で、ガラス基板上にラミネートした。解像度評価のためライン幅/スペース幅が6/6〜35/35(単位:μm)の配線パターンを有するフォトマスクを密着させ、5kWショートアークランプを光源とする平行光露光機(オーク製作所製、製品名EXM−1201)を用いて、500mJ/cm2で露光を行った。次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルムを除去し、30℃の1.0重量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液に2分間浸漬することにより、未露光部分を除去した。
解像度は、現像処理によって未露光部をきれいに除去することができ、なおかつラインが蛇行、カケを生じることなく生成されたライン幅間のスペース幅の最も小さい値により評価した。その結果、実施例で得られた感光性エレメントのパターン形状は比較例で得られた感光性エレメントのパターン形状よりも側面の荒れが少ない傾向があり、比較例に見られたレジスト上のフィラ凝集体も見られず、ファインパターン化が必要な分野に好適に使用できることがわかった。また、実施例の樹脂組成物は比較例のものよりも透明性が高い傾向があった。
本発明によれば、バインダーポリマーに親水性ユニットと疎水性ユニットからなるブロックポリマーを用いることで、組成物中および現像液中でのナノ粒子の分散性を高めることができるため、感光性樹脂の機械強度、硬度、屈折率、耐摩耗性、もしくは耐熱性などの向上が必要な分野、あるいはパターニング性の向上が必要な分野に好適に使用できる。
Claims (13)
- (A)バインダーポリマー、(B)分子内に少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)一次粒径が1〜200nmの金属酸化物を含有してなる感光性樹脂組成物。
- (A)バインダーポリマーが、親水性ユニットと疎水性ユニットからなるブロックポリマーである請求項1記載の感光性樹脂組成物。
- ブロックポリマーの親水性ユニットが、カルボキシル基を有する請求項2記載の感光性樹脂組成物。
- 永久マスク用レジスト用途に使用される請求項1〜3いずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 表示材用スペーサー形成用途に使用される請求項1〜3いずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- マイクロレンズアレイ形成用途に使用される請求項1〜3いずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 三次元光造形用途に使用される請求項1〜3いずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- ハードコート形成用途に使用される請求項1〜3いずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜8いずれかに記載の感光性樹脂組成物を膜状に形成してなる感光性樹脂組成物膜。
- 請求項9記載の感光性樹脂組成物膜を基材上に有する感光性樹脂組成物膜積層基材。
- 請求項9記載の感光性樹脂組成物膜を光硬化してなる感光性樹脂組成物硬化膜。
- 光硬化が画像状に行われる請求項11記載の感光性樹脂組成物硬化膜。
- 請求項11又は12記載の感光性樹脂組成物硬化膜を基材上に有する感光性樹脂組成物硬化膜積層基材。
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