JP2010249926A - 感光性樹脂組成物及びそれを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 樹脂中及び現像液中の双方でナノ粒子の分散性が良く、透過率、パターニング性に優れるナノ粒子を含有した感光性樹脂組成物及び、それを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法を提供する。
【解決手段】 (A)親水性ユニットと疎水性ユニットからなるランダムポリマー、(B)分子内に少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び(D)一次粒径が1〜200nmの金属酸化物を含有してなる感光性樹脂組成物であり、前記(A)成分中の疎水性ユニットの含有率が30〜64モル%である感光性樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 (A)親水性ユニットと疎水性ユニットからなるランダムポリマー、(B)分子内に少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び(D)一次粒径が1〜200nmの金属酸化物を含有してなる感光性樹脂組成物であり、前記(A)成分中の疎水性ユニットの含有率が30〜64モル%である感光性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、新規な感光性樹脂組成物に関し、さらにはナノ粒子を含む感光性樹脂組成物とすることでエッジラフネス改善等のパターニング性を向上させることができる感光性樹脂組成物及びそれを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法関する。
プリント配線板の製造分野においては、エッチングやめっき等に用いられるレジスト材料として、感光性樹脂組成物や感光性エレメント(積層体)が広く用いられている。
プリント配線板は、例えば以下のようにして製造される。まず、感光性エレメントの感光性樹脂組成物層を回路形成用基板上に積層(ラミネート)し、感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を硬化させる。その後、未露光部を基板上から除去(現像)することにより、基板上に、感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンが形成される。得られたレジストパターンに対しエッチング処理又はめっき処理を施して基板上に回路を形成した後、最終的にレジストを剥離除去してプリント配線板が製造される。
プリント配線板は、例えば以下のようにして製造される。まず、感光性エレメントの感光性樹脂組成物層を回路形成用基板上に積層(ラミネート)し、感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を硬化させる。その後、未露光部を基板上から除去(現像)することにより、基板上に、感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンが形成される。得られたレジストパターンに対しエッチング処理又はめっき処理を施して基板上に回路を形成した後、最終的にレジストを剥離除去してプリント配線板が製造される。
ここでエッチング処理とは、レジストパターンによって被覆されていない回路形成用基板の導体層をエッチング除去した後、レジストを剥離する方法である。一方、めっき処理とはレジストパターンによって被覆されていない回路形成用基板の導体層に銅及び半田などのめっき処理を行った後、レジストを除去しこのレジストによって被覆されていた金属面をソフトエッチングする方法である。
感光性樹脂組成物や感光性エレメントは、永久マスク用レジスト、表示材用スペーサー、マイクロレンズ、三次元光造形用感光性樹脂、ハードコートにも用いられ、これらには、機械強度、硬度、または耐摩耗性などの機械特性、耐熱性などの熱特性、光学用途の場合、高屈折率や低屈折率などの光学特性が要求される。これらの特性を改良する方法としては、感光性樹脂組成物にナノ粒子を混合し、ナノコンポジット化する方法が知られている(例えば特許文献1〜3)。
良好な特性を得るために重要なことは、ナノ粒子の樹脂中での分散性向上である。分散性が悪いとフィラーの凝集によってナノ分散状態が得られず、ナノコンポジット化が進行しないことから、所望の材料特性が得られない問題があった。さらに、粒子と樹脂の屈折率差に基づく光散乱により樹脂の透明性が低下し、パターニング性の悪化、或いは光学用途に使用する場合、光学特性が低下する問題があった。
さらに、ファインパターンを形成する場合、ナノ粒子を含有しない感光性樹脂と比べてパターン性が悪くなる問題があった。すなわち、樹脂中で凝集したナノ粒子、或いは現像液中でのナノ粒子凝集・パターンへの再付着によるエッジラフネスの問題である。
本発明は、樹脂中及び現像液中の双方でナノ粒子の分散性が良く、透過率、パターニング性に優れるナノ粒子を含有した感光性樹脂組成物及び、それを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法を提供することにある。
さらに、ファインパターンを形成する場合、ナノ粒子を含有しない感光性樹脂と比べてパターン性が悪くなる問題があった。すなわち、樹脂中で凝集したナノ粒子、或いは現像液中でのナノ粒子凝集・パターンへの再付着によるエッジラフネスの問題である。
本発明は、樹脂中及び現像液中の双方でナノ粒子の分散性が良く、透過率、パターニング性に優れるナノ粒子を含有した感光性樹脂組成物及び、それを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法を提供することにある。
本発明者らは、感光性樹脂組成物のナノコンポジット化について、鋭意検討を行った結果、バインダーポリマーに親水性ユニットと疎水性ユニットを有するランダムポリマーを用いると樹脂中、および現像液中での分散性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、[1](A)親水性ユニットと疎水性ユニットからなるランダムポリマー、(B)分子内に少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び(D)一次粒径が1〜200nmの金属酸化物を含有してなる感光性樹脂組成物であり、前記(A)成分中の疎水性ユニットの含有率が30モル%〜64モル%である感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[2]支持体と、該支持体上に形成された上記[1]に記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備える感光性エレメントに関する。
また、本発明は、[3]回路形成用基板上に、上記[2]に記載の感光性エレメントの前記感光性樹脂組成物層を積層する積層工程と、前記感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を光硬化せしめる露光工程と、前記露光部以外の部分を除去してレジストパターンを形成する現像工程と、を有するレジストパターンの形成方法に関する。
すなわち本発明は、[1](A)親水性ユニットと疎水性ユニットからなるランダムポリマー、(B)分子内に少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び(D)一次粒径が1〜200nmの金属酸化物を含有してなる感光性樹脂組成物であり、前記(A)成分中の疎水性ユニットの含有率が30モル%〜64モル%である感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[2]支持体と、該支持体上に形成された上記[1]に記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備える感光性エレメントに関する。
また、本発明は、[3]回路形成用基板上に、上記[2]に記載の感光性エレメントの前記感光性樹脂組成物層を積層する積層工程と、前記感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を光硬化せしめる露光工程と、前記露光部以外の部分を除去してレジストパターンを形成する現像工程と、を有するレジストパターンの形成方法に関する。
本発明によれば、バインダーポリマーに親水性ユニットと疎水性ユニットからなるランダムポリマーを用いることで、組成物中および現像液中でのナノ粒子の分散性を高めることができるため、感光性樹脂の機械強度、硬度、屈折率、耐摩耗性、透明性、もしくは耐熱性などの向上が必要な分野、あるいはパターニング性の向上が必要な分野に好適に使用できる。ナノ粒子の分散性が高いため、樹脂中で凝集したナノ粒子、或いは現像液中でのナノ粒子凝集・パターンへの再付着がなくなるので、エッジラフネスの問題は解消され、透過率、パターニング性に優れるレジストパターンを製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本発明における(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基及びそれに対応するメタクリロイル基を意味する。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)親水性ユニットと疎水性ユニットからなるランダムポリマー、(B)分子内に少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び(D)一次粒径が1〜200nmの金属酸化物を含有してなる感光性樹脂組成物であり、前記(A)成分中の疎水性ユニットの含有率が30〜64モル%であることを特徴とする。
なお、本発明における(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基及びそれに対応するメタクリロイル基を意味する。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)親水性ユニットと疎水性ユニットからなるランダムポリマー、(B)分子内に少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び(D)一次粒径が1〜200nmの金属酸化物を含有してなる感光性樹脂組成物であり、前記(A)成分中の疎水性ユニットの含有率が30〜64モル%であることを特徴とする。
上記(A)ランダムポリマーは、感光性樹脂組成物を膜状にする際に有効であり、例えば、アクリル系ポリマー、スチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、アミド系ポリマー、アミドエポキシ系ポリマー、アルキド系ポリマー、フェノール系ポリマー、セルロース系ポリマー等が挙げられる。
一般的に、2種類以上のモノマーを混合して重合させると、以下の4種類の共重合体(コポリマー)が生成する可能性がある。
モノマーSとモノマーMが共重合した場合について、その構造を模式的に示す。
1)ランダムポリマー:モノマーSとモノマーMがランダムに連なった共重合体
-S-M-S-M-M-S-S-M-M-M-S-M-S-
2)交互共重合体:モノマーSとモノマーMが完全に交互に連なった共重合体
-S-M-S-M-S-M-S-M-S-M-S-M-S-
3)ブロック共重合体:モノマーSのブロックとモノマーMのブロックが完全に交互に連なった共重合体
-(S-S-S-S)-(M-M-M-M-M)-(S-S-S-S)-
4)グラフト共重合体:モノマーSまたはモノマーMのどちらかの高分子主鎖にコモノマーが枝分かれした構造で連なる共重合体
一般的に、2種類以上のモノマーを混合して重合させると、以下の4種類の共重合体(コポリマー)が生成する可能性がある。
モノマーSとモノマーMが共重合した場合について、その構造を模式的に示す。
1)ランダムポリマー:モノマーSとモノマーMがランダムに連なった共重合体
-S-M-S-M-M-S-S-M-M-M-S-M-S-
2)交互共重合体:モノマーSとモノマーMが完全に交互に連なった共重合体
-S-M-S-M-S-M-S-M-S-M-S-M-S-
3)ブロック共重合体:モノマーSのブロックとモノマーMのブロックが完全に交互に連なった共重合体
-(S-S-S-S)-(M-M-M-M-M)-(S-S-S-S)-
4)グラフト共重合体:モノマーSまたはモノマーMのどちらかの高分子主鎖にコモノマーが枝分かれした構造で連なる共重合体
パターン形状、残渣及び透過率の観点からは、ランダムポリマーであることが好ましく、例えば、アクリル系ポリマー、エポキシ系ポリマー、セルロース系ポリマー等が製造の容易性の点で好ましく、アクリル系ランダムポリマーがより好ましい。
これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記アクリル系ランダムポリマーは、例えば、反応性比の異なる親水性ユニットと疎水性ユニットをラジカル重合させることにより製造することができる。
親水性ユニットとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸等が挙げられる。
重合反応に際しては、カルボキシル基を保護基で保護した化合物を用いることもできる。保護基は、重合反応後、加水分解等で容易に脱離することができる。
親水性ユニットとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸等が挙げられる。
重合反応に際しては、カルボキシル基を保護基で保護した化合物を用いることもできる。保護基は、重合反応後、加水分解等で容易に脱離することができる。
疎水性ユニットとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン等の重合可能なスチレン誘導体、アクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエーテル類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、これらの構造異性体等が挙げられる。
これらの中でも特に、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン等の重合可能なスチレン誘導体、(メタ)アクリル酸ベンジル等がより好ましい。
これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも特に、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン等の重合可能なスチレン誘導体、(メタ)アクリル酸ベンジル等がより好ましい。
これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記セルロース系ポリマーとしては、例えば、ヒドロキシエチル・カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテートフタレートなどが挙げられ、膜形成能、アルカリ現像性等の点から、セルロースアセテートフタレートが好ましい。
前記(A)成分のカルボン酸ユニット含有量は30〜80モル%であることが好ましく、40〜70モル%であることがより好ましい。
前記(A)成分の酸価は、30〜200mgKOH/gであることが好ましく、45〜150mgKOH/gであることがより好ましい。この酸価が30mgKOH/g未満では現像時間が長くなる傾向があり、200mgKOH/gを超えると光硬化したレジストの耐現像液性が低下する傾向がある。
また、現像工程として溶剤現像を行う場合は、カルボキシル基を有する重合性単量体を少量に調製することが好ましい。
前記(A)成分の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレンを用いた検量線により換算)は、10,000〜300,000であることが好ましく、25,000〜150,000であることがより好ましい。この重量平均分子量が、10,000未満では、耐現像液性が低下する傾向があり、300,000を超えると現像時間が長くなる傾向がある。
これら(A)成分は単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
前記(A)成分の酸価は、30〜200mgKOH/gであることが好ましく、45〜150mgKOH/gであることがより好ましい。この酸価が30mgKOH/g未満では現像時間が長くなる傾向があり、200mgKOH/gを超えると光硬化したレジストの耐現像液性が低下する傾向がある。
また、現像工程として溶剤現像を行う場合は、カルボキシル基を有する重合性単量体を少量に調製することが好ましい。
前記(A)成分の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレンを用いた検量線により換算)は、10,000〜300,000であることが好ましく、25,000〜150,000であることがより好ましい。この重量平均分子量が、10,000未満では、耐現像液性が低下する傾向があり、300,000を超えると現像時間が長くなる傾向がある。
これら(A)成分は単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
前記(B)成分の分子内に少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有す光重合性化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14であり、プロピレン基の数が2〜14であるポリエチレン・ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO,PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等のビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させで得られる化合物、分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー、ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシアルキル−β′−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−o−フタレート等のフタル酸系化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられ、分子内に少なくとも一つのビスフェノール骨格を有するビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物又は分子内に少なくとも一つのウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物を必須成分とすることが好ましい。
また、特開平8−305017号公報の一般式(I)に記載されるようなウレタンモノマーも好適に使用できる。
また、特開平8−305017号公報の一般式(I)に記載されるようなウレタンモノマーも好適に使用できる。
これらの光重合性化合物の分子量は、機械強度等の点で1,000以上であることが好ましく、1,500以上であることがより好ましく、2,000以上であることが特に好ましい。
また、硬化膜の架橋密度等の点で分子内に少なくとも二つのエチレン性不飽和基を有することが好ましく、分子内に少なくとも三つのエチレン性不飽和基を有することがより好ましく、分子内に少なくとも四つのエチレン性不飽和基を有することが特に好ましい。
これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
また、硬化膜の架橋密度等の点で分子内に少なくとも二つのエチレン性不飽和基を有することが好ましく、分子内に少なくとも三つのエチレン性不飽和基を有することがより好ましく、分子内に少なくとも四つのエチレン性不飽和基を有することが特に好ましい。
これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
前記(C)光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)等のN,N′−テトラアルキル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ-1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等の芳香族ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノセン、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイルオキシム)]、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(o−アセチルオキシム)等のオキシムエステル、アルキルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物などが挙げられる。
また、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対称な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。
また、密着性及び感度の見地からは、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体がより好ましい。
これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
また、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対称な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。
また、密着性及び感度の見地からは、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体がより好ましい。
これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
前記(D)成分の平均粒径が1〜200nmの金属酸化物であるナノ粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化チタン/酸化ジルコニウム/酸化錫/五酸化アンチモン複合物、酸化ジルコニウム/酸化錫/五酸化アンチモン複合物、酸化チタン/酸化ジルコニウム/酸化錫複合物等が挙げられる。
市販品の例としては、例えば、酸化ケイ素被覆アナターゼ型酸化チタン−メタノール分散ゾル(触媒化成工業株式会社製、オプトレイクシリーズ)、酸化ケイ素被覆−酸化スズ含有ルチル型酸化チタン−メタノール分散ゾル(テイカ株式会社製、TSシリーズ)、酸化ジルコニウム−メチルエチルケトン分散ゾル(大阪セメント株式会社製、HXU−120JC)、チタン酸バリウム(戸田工業株式会社)等が挙げられる。
市販品の例としては、例えば、酸化ケイ素被覆アナターゼ型酸化チタン−メタノール分散ゾル(触媒化成工業株式会社製、オプトレイクシリーズ)、酸化ケイ素被覆−酸化スズ含有ルチル型酸化チタン−メタノール分散ゾル(テイカ株式会社製、TSシリーズ)、酸化ジルコニウム−メチルエチルケトン分散ゾル(大阪セメント株式会社製、HXU−120JC)、チタン酸バリウム(戸田工業株式会社)等が挙げられる。
前記(A)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対し、30〜80質量部とすることが好ましく、40〜70質量量部とすることがより好ましい。
前記(B)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対し、20〜70質量部とすることが好ましく、30〜60質量部とすることがより好ましい。
前記(C)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対し、0.1〜20質量部であることが好ましく、0.2〜10質量部であることがより好ましい。
前記(D)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対し、0.1〜70質量部であることが好ましく、0.5〜50質量部であることがより好ましい。
前記(B)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対し、20〜70質量部とすることが好ましく、30〜60質量部とすることがより好ましい。
前記(C)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対し、0.1〜20質量部であることが好ましく、0.2〜10質量部であることがより好ましい。
前記(D)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対し、0.1〜70質量部であることが好ましく、0.5〜50質量部であることがより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、分子内に少なくとも1つのカチオン重合可能な環状エーテル基を有する光重合性化合物(オキセタン化合物等)、カチオン重合開始剤、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などを(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して各々0.01〜20質量部程度含有することができる。
これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解・分散して固形分30〜60質量%程度の溶液として塗布することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、特に制限はないが、銅、銅系合金、鉄、鉄系合金等の金属面、ガラス面などの面を有する基材上に、感光性樹脂組成物の溶液として塗布・乾燥することにより膜を形成し、必要に応じて保護フィルムを被覆して用いるか、感光性エレメントの形態で用いられることが好ましい。
また、基材上に膜として形成させた感光性樹脂組成物の層の厚み及び感光性エレメントの感光性樹脂組成物の層の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜100μm程度であることが好ましく、10〜50μmであることがより好ましい。
上記保護フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体フィルムなどが挙げられる。
上記感光性エレメントは、例えば、支持体として、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の重合体フィルム上に感光性樹脂組成物を塗布、乾燥することにより得ることができる。
これらの重合体フィルムの厚みは、1〜100μmとすることが好ましい。
これらの重合体フィルムの一つは感光性樹脂組成物層の支持体として、他の一つは感光性樹脂組成物の保護フィルムとして感光性樹脂組成物層の両面に積層してもよい。
保護フィルムとしては、感光性樹脂組成物層及び支持体の接着力よりも、感光性樹脂組成物層及び保護フィルムの接着力の方が小さいものが好ましい。
また、前記感光性エレメントは、感光性樹脂組成物層、支持体及び保護フィルムの他に、クッション層、接着層、光吸収層、ガスバリア層等の中間層や保護層を有していてもよい。
上記感光性エレメントは、例えば、前記の保護フィルムが存在している場合には、保護フィルムを除去後、感光性樹脂組成物層を70〜130℃程度に加熱しながら基材に0.1〜1MPa程度(1〜10kgf/cm2程度)の圧力で圧着することにより積層することができ、減圧下で積層することも可能である。積層される表面は、通常金属面やガラス面であるが、特に制限はない。
上記保護フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体フィルムなどが挙げられる。
上記感光性エレメントは、例えば、支持体として、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の重合体フィルム上に感光性樹脂組成物を塗布、乾燥することにより得ることができる。
これらの重合体フィルムの厚みは、1〜100μmとすることが好ましい。
これらの重合体フィルムの一つは感光性樹脂組成物層の支持体として、他の一つは感光性樹脂組成物の保護フィルムとして感光性樹脂組成物層の両面に積層してもよい。
保護フィルムとしては、感光性樹脂組成物層及び支持体の接着力よりも、感光性樹脂組成物層及び保護フィルムの接着力の方が小さいものが好ましい。
また、前記感光性エレメントは、感光性樹脂組成物層、支持体及び保護フィルムの他に、クッション層、接着層、光吸収層、ガスバリア層等の中間層や保護層を有していてもよい。
上記感光性エレメントは、例えば、前記の保護フィルムが存在している場合には、保護フィルムを除去後、感光性樹脂組成物層を70〜130℃程度に加熱しながら基材に0.1〜1MPa程度(1〜10kgf/cm2程度)の圧力で圧着することにより積層することができ、減圧下で積層することも可能である。積層される表面は、通常金属面やガラス面であるが、特に制限はない。
このようにして積層が完了した感光性樹脂組成物膜は、例えば、必要に応じて、ネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線が画像状に照射され光硬化され、感光性樹脂組成物硬化膜となる。
上記活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線、可視光などを有効に放射するものが用いられる。
また、レーザー直接描画露光法によっても画像状に光硬化することが可能である。また、三次元光造形によって立体状に光硬化することも可能である。
次いで、光硬化後、感光性樹脂組成物硬化膜上に支持体や保護フィルムが存在しており、後の工程において該支持体や該保護フィルムが不要な場合には、該支持体や該保護フィルムを除去することができる。
感光性樹脂組成物膜が画像状に光硬化された場合には、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤等の現像液によるウエット現像、ドライ現像等で未硬化部を除去して現像し、硬化膜パターンを製造することができる。
上記活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線、可視光などを有効に放射するものが用いられる。
また、レーザー直接描画露光法によっても画像状に光硬化することが可能である。また、三次元光造形によって立体状に光硬化することも可能である。
次いで、光硬化後、感光性樹脂組成物硬化膜上に支持体や保護フィルムが存在しており、後の工程において該支持体や該保護フィルムが不要な場合には、該支持体や該保護フィルムを除去することができる。
感光性樹脂組成物膜が画像状に光硬化された場合には、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤等の現像液によるウエット現像、ドライ現像等で未硬化部を除去して現像し、硬化膜パターンを製造することができる。
上記アルカリ性水溶液としては、例えば、0.1〜5質量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%水酸化ナトリウムの希薄溶液、0.1〜3質量%水酸化テトラメチルアンモニウム希薄溶液等が挙げられる。
上記アルカリ性水溶液のpHは、9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物層の現像性に合わせて調節される。
また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、有機溶剤等を混入させてもよい。
上記現像の方式としては、例えば、ディップ方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等が挙げられる。
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10J/cm2程度の露光を行うことにより硬化膜をさらに硬化して用いてもよい。
上記アルカリ性水溶液のpHは、9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物層の現像性に合わせて調節される。
また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、有機溶剤等を混入させてもよい。
上記現像の方式としては、例えば、ディップ方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等が挙げられる。
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10J/cm2程度の露光を行うことにより硬化膜をさらに硬化して用いてもよい。
本発明の感光性樹脂組成物を回路形成用レジスト用途に使用し、プリント配線板を製造する場合、現像された硬化膜パターンをマスクとして、基材の金属面を、エッチング、めっき等の公知方法で処理する。
上記エッチングには、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液等を用いることができる。
上記めっき法としては、例えば、銅めっき、はんだめっき、ニッケルめっき、金めっき等がある。
次いで、後の工程において硬化膜パターンが不要な場合には、該硬化膜パターンは、例えば、現像に用いたアルカリ性水溶液よりさらに強アルカリ性の水溶液で剥離することができる。
上記強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10質量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10質量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。
上記剥離方式としては、例えば、浸漬方式、スプレイ方式等が挙げられる。
上記エッチングには、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液等を用いることができる。
上記めっき法としては、例えば、銅めっき、はんだめっき、ニッケルめっき、金めっき等がある。
次いで、後の工程において硬化膜パターンが不要な場合には、該硬化膜パターンは、例えば、現像に用いたアルカリ性水溶液よりさらに強アルカリ性の水溶液で剥離することができる。
上記強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10質量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10質量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。
上記剥離方式としては、例えば、浸漬方式、スプレイ方式等が挙げられる。
<合成例1(A−6の合成)>
内容積50mlのガラスフラスコにスチレン5.47g(52.6mmol)、p−ニトロフェニルメタクリレート4.66g(22.5mmol)、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)0.25g、トルエン10mlを加え、窒素雰囲気下70℃で10時間反応させた。10時間後、反応混合物をメタノールに落とし、回収した。その後、アセトン−メタノールで再沈殿を行い、ランダムポリマーを収率67%で得た。得られたランダムポリマー3.8gを60mlのTHF(テトラヒドロフラン)に溶解させ、3MのKOHエタノール溶液を加え、60℃で3時間加水分解を行った。反応溶液を大量の希塩酸に落とし、回収後、アセトン−ヘキサンで再沈殿を行い、ランダムポリマー(A−6):ポリ(スチレン−random-メタクリル酸)(数平均分子量17,000、スチレン:メタクリル酸=70:30)を収率95%で得た。
スチレンとメタクリル酸の組成比は1H−NMRの6.5〜7.3ppm付近の芳香族由来のシグナルと1.0〜2.5ppm付近の脂肪族由来シグナルの積分比から計算した。
内容積50mlのガラスフラスコにスチレン5.47g(52.6mmol)、p−ニトロフェニルメタクリレート4.66g(22.5mmol)、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)0.25g、トルエン10mlを加え、窒素雰囲気下70℃で10時間反応させた。10時間後、反応混合物をメタノールに落とし、回収した。その後、アセトン−メタノールで再沈殿を行い、ランダムポリマーを収率67%で得た。得られたランダムポリマー3.8gを60mlのTHF(テトラヒドロフラン)に溶解させ、3MのKOHエタノール溶液を加え、60℃で3時間加水分解を行った。反応溶液を大量の希塩酸に落とし、回収後、アセトン−ヘキサンで再沈殿を行い、ランダムポリマー(A−6):ポリ(スチレン−random-メタクリル酸)(数平均分子量17,000、スチレン:メタクリル酸=70:30)を収率95%で得た。
スチレンとメタクリル酸の組成比は1H−NMRの6.5〜7.3ppm付近の芳香族由来のシグナルと1.0〜2.5ppm付近の脂肪族由来シグナルの積分比から計算した。
<A−1〜A−5の合成>
スチレンの仕込み量、及びp−ニトロフェニルメタクリレートの仕込み量(表1ではメタクリル酸と表記)を表1に示すモル比にした以外は合成例1と同様にしてランダムポリマーであるA−1〜A−5を合成した。
スチレンの仕込み量、及びp−ニトロフェニルメタクリレートの仕込み量(表1ではメタクリル酸と表記)を表1に示すモル比にした以外は合成例1と同様にしてランダムポリマーであるA−1〜A−5を合成した。
<合成例2(A−7の合成)>
内容積50mlのガラスフラスコに臭化銅0.29g、エチル−2−ブロモブチレート0.39g、スチレン10.42g、トルエン10mlを加え、窒素雰囲気下で15分間攪拌した。その後、2,2’−ビビリジル0.63gを加え、さらに窒素雰囲気下で15分間攪拌した。反応混合物を100℃で15時間加熱した後、メタノールに落として回収した。アセトン−メタノールで再沈殿を行い、数平均分子量5,000のポリスチレンマクロモノマーを収率50%で得た。
得られたポリスチレンマクロモノマー3.1gを内容積50mlのガラスフラスコに入れ、次いでp−ニトロフェニルメタクリレート6.21g、臭化銅0.43g、2,2’−ビビリジル0.94gを加え、窒素雰囲気下で110℃、24時間反応させた後、メタノールに落として回収した。アセトン−メタノールで再沈殿を行い、ポリマーを収率80%で得た。得られたブロックポリマー3.8gを60mlのTHFに溶解させ、3MのKOHエタノール溶液を加え、60℃で3時間加水分解を行った。反応溶液を大量の希塩酸に落とし、回収後、アセトン−ヘキサンで再沈殿を行い、ブロックポリマー(A−7):ポリ(スチレン−block-メタクリル酸)(数平均分子量8,600、スチレン:メタクリル酸=60:40)を収率95%で得た。
内容積50mlのガラスフラスコに臭化銅0.29g、エチル−2−ブロモブチレート0.39g、スチレン10.42g、トルエン10mlを加え、窒素雰囲気下で15分間攪拌した。その後、2,2’−ビビリジル0.63gを加え、さらに窒素雰囲気下で15分間攪拌した。反応混合物を100℃で15時間加熱した後、メタノールに落として回収した。アセトン−メタノールで再沈殿を行い、数平均分子量5,000のポリスチレンマクロモノマーを収率50%で得た。
得られたポリスチレンマクロモノマー3.1gを内容積50mlのガラスフラスコに入れ、次いでp−ニトロフェニルメタクリレート6.21g、臭化銅0.43g、2,2’−ビビリジル0.94gを加え、窒素雰囲気下で110℃、24時間反応させた後、メタノールに落として回収した。アセトン−メタノールで再沈殿を行い、ポリマーを収率80%で得た。得られたブロックポリマー3.8gを60mlのTHFに溶解させ、3MのKOHエタノール溶液を加え、60℃で3時間加水分解を行った。反応溶液を大量の希塩酸に落とし、回収後、アセトン−ヘキサンで再沈殿を行い、ブロックポリマー(A−7):ポリ(スチレン−block-メタクリル酸)(数平均分子量8,600、スチレン:メタクリル酸=60:40)を収率95%で得た。
合成したポリマーの成分比、分子量を表1に纏めて示した。
なお、実施例において以下の材料を使用した。
(A)ポリマー 6g、
(B)ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート 4g、
(C)光重合開始剤 2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン 0.25g、
(D)ナノ粒子 D−1:テイカ株式会社製のチタニアナノ粒子MT100HD 2g(商品名、平均一次粒径15nm)
(A)ポリマー 6g、
(B)ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート 4g、
(C)光重合開始剤 2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン 0.25g、
(D)ナノ粒子 D−1:テイカ株式会社製のチタニアナノ粒子MT100HD 2g(商品名、平均一次粒径15nm)
(実施例1〜4及び比較例1〜3)
上記で合成したポリマー(A−1〜A−4)をそれぞれ用いたものを実施例1〜4、ポリマー(A−5〜A−7)をそれぞれ用いたものを比較例1〜3とし、(A)成分 6g、(B)成分 4g、(C)成分 0.25g及び(D)成分 2gを溶剤10gに溶解・分散し、感光性樹脂組成物の溶液を得た。
次いで、得られた感光性樹脂組成物の溶液を、16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(ヘーズ:1.7%、商品名GS−16、帝人株式会社製)上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥した後、ポリエチレン製保護フィルム(フィルム長手方向の引張強さ:16MPa、フィルム幅方向の引張強さ:12MPa、商品名:NF−15,タマポリ株式会社製)で保護し感光性エレメントを得た。感光性樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は、30μmであった。
上記で合成したポリマー(A−1〜A−4)をそれぞれ用いたものを実施例1〜4、ポリマー(A−5〜A−7)をそれぞれ用いたものを比較例1〜3とし、(A)成分 6g、(B)成分 4g、(C)成分 0.25g及び(D)成分 2gを溶剤10gに溶解・分散し、感光性樹脂組成物の溶液を得た。
次いで、得られた感光性樹脂組成物の溶液を、16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(ヘーズ:1.7%、商品名GS−16、帝人株式会社製)上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥した後、ポリエチレン製保護フィルム(フィルム長手方向の引張強さ:16MPa、フィルム幅方向の引張強さ:12MPa、商品名:NF−15,タマポリ株式会社製)で保護し感光性エレメントを得た。感光性樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は、30μmであった。
感光性エレメントの保護フィルムを剥がしながら120℃のヒートロールを用いて3m/分の速度で、ガラス基板上にラミネートした。解像度評価のためライン幅/スペース幅が、6/6〜35/35(単位:μm)の配線パターンを有するフォトマスクを密着させ、5KWショートアークランプを光源とする平行光露光機(株式会社オーク製作所製、製品名EXM−1201)を用いて、500mJ/cm2で露光を行った。
次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルムを除去し、30℃の1.0質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液に2分間浸漬することにより、未露光部分を除去した。
次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルムを除去し、30℃の1.0質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液に2分間浸漬することにより、未露光部分を除去した。
[パターン形状]
上記で、露光、現像したパターンの形状を、顕微鏡により観察し、表面の荒れ、金属酸化物等の凝集の有無を調べた。その結果、パターン形状に荒れ、凝集物がないものを「良好」と、荒れとが凝集物があるものを「荒れ」として評価した。
上記で、露光、現像したパターンの形状を、顕微鏡により観察し、表面の荒れ、金属酸化物等の凝集の有無を調べた。その結果、パターン形状に荒れ、凝集物がないものを「良好」と、荒れとが凝集物があるものを「荒れ」として評価した。
[残渣]
上記で、露光、現像した基板上の金属酸化物等の凝集物の有無を目視で調べ、凝集物の有無を残渣として評価した。残渣がないものを「無し」、残渣があるものを「有り」とした。
上記で、露光、現像した基板上の金属酸化物等の凝集物の有無を目視で調べ、凝集物の有無を残渣として評価した。残渣がないものを「無し」、残渣があるものを「有り」とした。
[透過率]
樹脂組成物をガラス基板上に塗布し100℃,5分乾燥した(厚さ10μm)。これを用いて波長350nm〜650nmの範囲の光透過率を測定した。光透過率の測定は、分光光度計(株式会社日立製作所製228A型Wビーム分光光度計)を使用し、波長500nmの可視光に対する透過率で示した。
これらの測定結果を纏めて表2に示した。
樹脂組成物をガラス基板上に塗布し100℃,5分乾燥した(厚さ10μm)。これを用いて波長350nm〜650nmの範囲の光透過率を測定した。光透過率の測定は、分光光度計(株式会社日立製作所製228A型Wビーム分光光度計)を使用し、波長500nmの可視光に対する透過率で示した。
これらの測定結果を纏めて表2に示した。
疎水性ユニットのスチレンと親水性ユニットのメタクリル酸からなるランダムポリマーで、疎水性ユニットの含有率が30〜64%である実施例1〜4で得られた感光性エレメントのパターン形状は、疎水性ユニットの含有率が64%を超えたり、ブロックポリマーである比較例1〜3で得られた感光性エレメントのパターン形状よりも側面の荒れが少ない傾向があり、比較例1〜3に見られたレジスト上のフィラー凝集体も見られず、ファインパターン化が必要な分野に好適に使用できることがわかった。また、実施例の樹脂組成物は比較例のものよりも透明性が高い傾向があった。
本発明によれば、バインダーポリマーに親水性ユニットと疎水性ユニットからなるランダムポリマーを用いることで、組成物中および現像液中でのナノ粒子の分散性を高めることができるため、感光性樹脂の機械強度、硬度、屈折率、耐摩耗性、もしくは耐熱性などの向上が必要な分野、あるいはパターニング性の向上が必要な分野に好適に使用できる。
本発明によれば、バインダーポリマーに親水性ユニットと疎水性ユニットからなるランダムポリマーを用いることで、組成物中および現像液中でのナノ粒子の分散性を高めることができるため、感光性樹脂の機械強度、硬度、屈折率、耐摩耗性、もしくは耐熱性などの向上が必要な分野、あるいはパターニング性の向上が必要な分野に好適に使用できる。
Claims (3)
- (A)親水性ユニットと疎水性ユニットからなるランダムポリマー、(B)分子内に少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び(D)平均粒径が1〜200nmの金属酸化物を含有してなる感光性樹脂組成物であり、前記(A)成分中の疎水性ユニットの含有率が30〜64モル%である感光性樹脂組成物。
- 支持体と、該支持体上に形成された請求項1に記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備える感光性エレメント。
- 回路形成用基板上に、請求項2に記載の感光性エレメントの前記感光性樹脂組成物層を積層する積層工程と、
前記感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を光硬化せしめる露光工程と、
前記露光部以外の部分を除去してレジストパターンを形成する現像工程と、
を有するレジストパターンの形成方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017191171A (ja) * | 2016-04-12 | 2017-10-19 | 日立化成株式会社 | 感光性樹脂組成物、感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法 |
-
2009
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