JP2008215088A - 電動ポンプユニット及び電動オイルポンプ - Google Patents

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Yasuo Asai
康夫 浅井
Masahiko Kono
晶彦 河野
Yasuhiro Yukitake
康博 行竹
Takatoshi Sakata
隆敏 阪田
Hiroharu Yoshinami
弘治 吉浪
Ikuo Yamamoto
育生 山本
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Abstract

【課題】自動車用途で求められる防水性能が確保され、しかも、軽量化及び製造コストの低減が実現される電動ポンプユニットを提供すること。
【解決手段】油を吸引・吐出する内接型ギアポンプ2と、モータロータ37及び該モータロータ37を包囲する筒状のステータコア32を有してポンプ2を駆動する電動モータ3と、ポンプ2及び電動モータ3を収容するとともにモータロータ37を回転自在に支持するようにしたケース本体1と、を具備した電動ポンプユニットである。ステータコア32の外周面の一部がケース本体1で被覆されることなく環状に露出し、しかも、該環状の露出領域1rが電動モータ3を防水すべく防水材料で被われている。
【選択図】図1

Description

本発明は、油(流体)を吸入・吐出するポンプと、該ポンプを駆動する電動モータとがユニット化されてなる電動ポンプユニット及び該電動ポンプユニットが好ましく使用される電動オイルポンプに関する。
近年、地球環境問題に対応し、自動車のトランスミッション(変速機)において、アイドルストップ時に低下する油圧を補助するための電動オイルポンプが幅広く活用されつつある。
この電動オイルポンプには、図3に示すように、油(流体)を吸入・吐出する内接型ギアポンプ2と、該内接型ギアポンプ2を駆動するように、モータロータ37及び該モータロータ37を包囲する筒状のステータコア32を有する電動モータ3とがユニット化(統合)されてなる電動ポンプユニットが使用される場合がある(特許文献1参照)。
該電動ポンプユニットでは、内接型ギアポンプ2と電動モータ3の回転軸を兼用することにより、軽量化及び製造コストの低減が実現されている。
また、この電動ポンプユニットでは、前記内接型ギアポンプ2及び電動モータ3は、それらの一部が露出することなく、それぞれ連通一体化してケース本体1´を構成するポンプケース11´及びモータケース12に密封された状態で収容(以下、「密封収容」という。)されている。また、電動モータ3を駆動するための回路基板6は、前記モータケース12に密封収容されている。
詳しくは、前記ポンプケース11´は、有底筒状のポンプケース本体11a´と、該ポンプケース本体11a´の図3左側の円柱状の内部空間を塞いで前記内接型ギアポンプ2を密封収容した空洞11c´を形成するポンププレート13とを備えている。
また、モータケース12は、軸方向に隔壁12bを有するモータケース本体12aを備えており、ポンプケース本体11a´の底部11b´により当該モータケース本体12aの図3左側の内部空間を塞がせて電動モータ3を密封収容した空間12vを形成している。さらに、モータケース12は、前記隔壁12bとともに当該隔壁12bに固定された回路基板6を密封収容した空間12sを形成するコントローラ蓋12Lを備えている。
尚、本明細書においては、電動モータ3を駆動するための回路基板6のみならず、当該電動モータ3をも密封収容するケース部材(収容部材)を「モータケース」といい、回路基板6は密封収容するが、電動モータ3はその側面から露出させることで密封収容することなく単に収容するものを「基板ケース」という。また、「被覆」は、対象物を完全に覆う意味で用いる。
特開2006−188968号公報
しかしながら、前記した電動ポンプユニットでは、依然として多量の部品が使用されており、昨今、例えば自動車用途において、より強く要請され始めている軽量化及び製造コストの削減への対応に不十分となりつつある。
その一方で、単なる使用部品の軽量化や省略では、自動車用途等で求められる防水性能を確保できない虞がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、例えば、自動車用途で求められるような防水性能が確保され、しかも、軽量化及び製造コストの低減が実現される電動ポンプユニットを提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、流体を吸引・吐出するポンプと、モータロータ及び該モータロータを包囲する筒状のステータコアを有して前記ポンプを駆動する電動モータと、前記ポンプ及び電動モータを収容するとともに前記モータロータを回転自在に支持するようにしたケース本体と、を具備した電動ポンプユニットにおいて、前記ステータコアの外周面の一部が前記ケース本体で被覆されることなく環状に露出し、しかも、該環状の露出領域が前記電動モータを防水すべく防水材料で被われていること、を要旨とする。
同構成によれば、電動モータのステータコアの外周面を覆う、重量増の主要因であるケース本体が軽量化でき、電動ポンプユニットの軽量化と製造コストの低減が実現されるようになる。しかも、ステータコアにおいてケース本体で被覆されない部分は電動モータを防水すべく防水材料で被われるので、例えば、自動車用途で求められるような電動モータの防水効果が確保できるとともに、併せて、通常、鉄系金属からなり、錆び易いステータコアの防錆効果も得られるようになる。さらに、防水材料で被われた部分は、熱を遮断する効果が高いケース本体で被覆されないので、ポンプや電動モータで発生した熱の放散効果も高められるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電動ポンプユニットにおいて、前記ポンプが、前記モータロータにより軸支されたインナーロータと、該インナーロータと内接噛合して回転可能とされたアウターロータとを有して流体を吸引・吐出するようにされた内接型ギアポンプで構成されていること、を要旨とする。
同構成によれば、電動モータで駆動されるポンプが内接型ギアポンプで構成されるので、当該ポンプがコンパクト化され、電動ポンプユニット全体として小型化が実現されるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の電動ポンプユニットにおいて、
前記ケース本体が、前記ポンプが密封収容されるポンプケースと、前記電動モータを制御するための回路基板が密封収容される基板ケースとから構成され、前記モータロータの両端部は、前記ポンプケースと基板ケースにそれぞれ設けられた軸受により回転自在に支持されており、前記露出領域が、前記ポンプケースと基板ケースとの間に形成されていること、を要旨とする。
同構成によれば、ケース本体が、ポンプが密封収容されるポンプケースと、電動モータを制御する回路基板を密封収容する基板ケースとで構成され、従来、電動モータを密封収容していたモータケースに代えて、電動モータのステータコアを露出させて当該電動モータを密封収容しないために当該モータケースより軽量で使用材料も少なくて済む基板ケースを使用することで、電動ポンプユニットの軽量化と製造コストの低減が実現されるようになる。
請求項4に記載の発明は、 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電動ポンプユニットにおいて、前記防水材料が、常温固化性のシリコーン系接着剤からなること、を要旨とする。
同構成によれば、電動モータを防水する防水材料が、常温(20℃)固化性のシリコーン系液状接着剤(シリコーン系液状パッキン)からなるので、常温での防水処理が可能となり、防水材料の熱処理のために特別な加熱装置や加熱器具等を使用する必要もなく、電動ポンプユニットの組み立てが簡単且つ低コストで行えるようになる。さらに、シリコーン系接着剤は、市販品を入手が容易且つ安価であり、量産性に優れており、しかも、ゴム弾性を有することから、ポンプや電動モータの振動・騒音吸収効果をも得られるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電動ポンプユニットにおいて、前記ステータコアが、鉄系焼結合金からなること、を要旨とする。
同構成によれば、ステータコアが鉄系焼結合金からなるので、所謂積層鉄心のように層間に水の浸入する隙間がなく、ステータコアの防水効果が高められ、電動モータ全体としての防水効果がさらに向上する。
請求項6に記載の発明は、自動車等の車両のトランスミッションにおいて、アイドルストップ時に低下する油圧を補助するための電動オイルポンプであって、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電動ポンプユニットを用いたこと、を要旨とする。
同構成によれば、自動車のトランスミッションにおいて、アイドルストップ時に低下する油圧を補助するための電動オイルポンプとして、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電動ポンプユニットを用いるので、自動車用途で求められる防水性能が確保され、併せて、同用途で要求される軽量化及び製造コストの低減も実現され、自動車用途としての信頼性が高められるようになる。
本発明の電動ポンプユニットによれば、例えば、自動車用途で求められるような防水性能が確保され、しかも、軽量化及び製造コストの低減が実現されるようになる。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。
本実施形態の電動ポンプユニットは、自動車(車両)のトランスミッションにおいて、アイドルストップ時に低下する油圧を補助するための電動オイルポンプとして用いられるものであり、図1(a)に示すように、油を吸引・吐出する内接型ギアポンプ2と、該内接型ギアポンプ2を駆動する電動モータ3と、該電動モータ3を制御するための回路基板6とを備えている。
前記内接型ギアポンプ2は、トロコイド歯形を有するインナーロータ21と、該インナーロータ21と内接噛合したアウターロータ22とを有し、両ロータ21,22の回転によって油を吸引・吐出する所謂トロコイドポンプを構成している。
前記電動モータ3は、3相のブラシレスDCモータであり、前記インナーロータ21の厚み方向を貫通して形成された貫通孔21bに先端部を嵌合させて軸支するモータロータ37を有し、該モータロータ37を介して内接型ギアポンプ2を駆動するように構成されている。詳しくは、該電動モータ3は、図1(b)に示すように、前記モータロータ37と、該モータロータ37を包囲するとともに、各組に一対のコイル33,33が樹脂(絶縁物)製のインシュレータ33aを介して巻回された3組のティース32a,32a、…を有する円筒状のステータコア32とを主な構成部材としている。尚、図1(a)及び図1(b)に示す電動モータ3では、前記モータロータ37の外周には、2対のN極とS極が周方向に交互に配されてなるリング状のマグネット36が、モータロータ37の大径部によって支承され、4極ロータを構成している。また、ステータコア32は、通常、ブラシレスDCモータで汎用される積層鉄心ではなく、ケイ素鋼等の鉄系金属の粉体を加圧成形したものを融点以下の温度で熱処理し、粉体粒子の間に結合を生じさせ、ステータコアの形に成形して固化させた鉄系焼結合金からなる。
前記回路基板6上には、コイル、コンデンサ、FET、IC等の電子部品6aが適宜配設され、インバータ回路と、該インバータ回路を前記モータロータ37の磁極位置情報等に基づいて駆動する駆動回路を構成している。そして、当該回路基板6には、車両のバッテリー(外部)より直流電力が供給され、前記電動モータ3のモータロータ37の回転を制御するようになっている。
本実施形態の電動ポンプユニットは、図1(a)を参照して、さらに、前記内接型ギアポンプ2及び電動モータ3を収容するとともに前記モータロータ37を回転自在に支持するようにした一対の部材からなるアルミニウム(金属)製のケース本体1を備えている。
このケース本体1は、前記内接型ギアポンプ2を密封収容したポンプケース11と、前記回路基板6を密封収容した基板ケース14とからなる。
詳しくは、図1(a)を参照して、前記ポンプケース11は、軸方向に隔壁11bを有する筒状のポンプケース本体11aと、該ポンプケース本体11aの同図左側の円柱状の内部空間を塞いで前記内接型ギアポンプ2を密封収容した空洞11cを形成するポンププレート13とから構成されている。尚、図1(a)に示すポンプケース11では、ポンプケース本体11aとポンププレート13との接合部分に、O−リング13rが介在されている。
また、前記基板ケース14は、軸方向に隔壁14bを有する基板ケース本体14aと、該基板ケース本体14aの同図右側の内部空間を塞いで当該隔壁14bに複数のねじ14w,…で固定された回路基板6を密封収容した空間12sを形成するコントローラ蓋12Lとから構成されている。
そして、該ポンプケース11と基板ケース14とは、等間隔の距離x[mm]を隔てて離間しながら隔壁11b,隔壁14b同士を対向させて両隔壁11b,14bの間に円柱状の収容空間11vを形成している。さらに、この収容空間11vには、前記電動モータ3が、そのモータロータ37を前記隔壁11bの中央部に設けられた第1転がり軸受5aと、前記隔壁14bの中央部に設けられた第2転がり軸受5bとを介して、それぞれポンプケース11及び基板ケース14に回転自在に支持させるとともに、そのステータコア32の軸方向の両端外周縁部を、ポンプケース11及び基板ケース14の当該収容空間11v側の両筒状部11t,14tの各端部内周縁にて相対向するように形成された一対のリング状の段差部11s,14sに、それぞれ嵌合させた状態で収容されている。
尚、図1(a)に示すケース本体1では、前記一対の段差部11s,14sには、それぞれリング状の溝11g,14gが凹設されており、前記ステータコア32は、該溝11g,14gに嵌入された一対のO−リング11r,14rを介在させて前記段差部11s,14sに圧入嵌合されている。これにより、前記電動モータ3の収容空間11vへの浸水の防止(即ち、電動モータ3の防水)が図られている。また、前記隔壁11bには、モータロータ37の先端部が挿通される貫通孔11dが形成されている。そして、該貫通孔11dの内面には、オイルシール5がモータロータ37の先端部を取り囲むように固設されており、内接型ギアポンプ2を通過する油が、前記電動モータ3の収容空間11vに滲入しないようにされている。
そして、本実施形態の電動ポンプユニットでは、図1(a)及び図1(b)に示すように、前記ステータコア32の外周面の一部が、前記ケース本体1で被覆されることなく環状に露出して幅がx[mm]の環状の露出領域1rを形成している。さらに、該露出領域1rは、前記O−リング11r,14rと共に電動モータ3の防水を図るべく、シリコーン系材料からなる被膜1aにより被われている。詳しくは、該被膜1aは、前記露出領域1rに防水材料としてのシリコーン系接着剤が隙間なく塗布され、常温(20℃)で硬化されることで形成されたものである。ここで、シリコーン系接着剤としては、例えば、縮合硬化型であって、末端に水酸基を持つポリオルガノポリシロキサンを主成分とし、それに架橋剤が混合されてなる液状又はペースト状のものが挙げられる。さらに自動車用途を考慮して耐熱性が120℃以上あるものが好ましい。
このシリコーン系材料からなる被膜1aは、ゴム弾性を有しており、例えば、1mm以上5mm以下の厚さになるように塗布すれば、前記した電動モータ3の防水効果と該電動モータ3で発生した熱の放散効果とがバランス良く両立するとともに、内接型ギアポンプ2や電動モータ3で発生した振動や騒音を吸収する効果をも効果的に発現されるようになり、好ましい。
尚、本実施形態の電動ポンプユニットにおいては、図1(a)を参照して、前記基板ケース本体14aの側部には、当該基板ケース本体14aの外周形状に沿うように円弧状に形成された放熱フィン14fが一体的に設けられており、前記被膜1aの熱伝導率が不足するような場合に、内接型ギアポンプ2や電動モータ3で発生した熱を効率良く外部に放散し得るようになっている。
本実施形態の電動ポンプユニットによれば、以下の作用・効果が得られるようになる。
(1)電動モータ3のステータコア32の外周面を覆う、重量増の主要因であるケース本体1が軽量化でき、電動ポンプユニットの軽量化と製造コストの低減が実現されるようになる。しかも、ステータコア32においてケース本体1で被覆されない部分は電動モータ3を防水すべく防水材料としてのシリコーン系接着剤で被われるので、例えば、自動車用途で求められるような電動モータ3の防水効果が確保できるとともに、併せて、通常、鉄系金属からなり、錆び易いステータコア32の防錆効果も得られるようになる。さらに、防水材料で被われた部分は、熱を遮断する効果が高いケース本体1で被覆されないので、内接型ギアポンプ2や電動モータ3で発生した熱の放散効果も高められるようになる。
(2)電動モータ3で駆動されるポンプが内接型ギアポンプ2で構成されるので、当該ポンプがコンパクト化され、電動ポンプユニット全体として小型化が実現されるようになる。
(3)ケース本体1が、内接型ギアポンプ2が密封収容されるポンプケース11と、電動モータ3を制御する回路基板6を密封収容する基板ケース14とで構成され、従来、電動モータ3を密封収容していたモータケース12に代えて、電動モータ3のステータコア32を露出させて当該電動モータ3を密封収容しないために当該モータケース12より軽量となりアルミニウム等の使用材料も少なくて済む基板ケース14を使用することで、電動ポンプユニットの軽量化と製造コストの低減が実現されるようになる。
(4)電動モータ3を防水する防水材料が、常温(20℃)固化性のシリコーン系液状接着剤(シリコーン系液状パッキン)からなるので、常温での防水処理が可能となり、防水材料の熱処理のために特別な加熱装置や加熱器具等を使用する必要もなく、電動ポンプユニットの組み立てが簡単且つ低コストで行えるようになる。さらに、シリコーン系接着剤は、市販品を入手が容易且つ安価であり、量産性に優れており、しかも、ゴム弾性を有することから、内接型ギアポンプ2や電動モータ3の振動・騒音吸収効果をも得られるようになる。
(5)ステータコア32が鉄系焼結合金からなるので、積層鉄心のように層間に水の浸入する隙間がなく、ステータコア32の防水効果が高められ、電動モータ3全体としての防水効果がさらに向上する。
(6)本実施形態の電動ポンプユニットは、自動車のトランスミッションにおいて、アイドルストップ時に低下する油圧を補助するための電動オイルポンプとして用いるので、自動車用途で求められる防水性能が確保され、併せて、同用途で要求される軽量化及び製造コストの低減も実現され、自動車用途としての信頼性が高められるようになる。
尚、上記実施形態は以下のように変形してもよい。
・上記実施形態では、ステータコア32においてケース本体1で被覆されることなく露出した環状の露出領域1rを、防水材料としての縮合硬化型のシリコーン系接着剤が該露出領域1rに塗布され、常温で硬化されてなる被膜1aで被うことで、ケース本体1で電動モータ3の収容空間11vへの浸水の防止を図った。しかし、これに限られず、該被膜1aは、同じシリコーン系接着剤に属するものであって、触媒を使用し加熱することで硬化・接着する付加硬化型のシリコーン系接着剤を用いて形成してもよい。さらには、防水性を有するアクリル樹脂系接着剤や、金属との接着性に優れるアクリル樹脂嫌気性接着剤、その他の防水性と金属への塗布性能に優れる材料を用いることも可能である。
・上記実施形態では、ケース本体1を構成するポンプケース11及び基板ケース14を電動モータ3のステータコア32を介して連結し、全体として十分な機械的強度を確保するようにした。しかし、これに限られず、ケース本体1としての機械的強度をさらに高めるべく、ステータコア32を介した連結に加えて、モータロータ37の軸方向に沿って延びるように且つステータコア32の外周に等角度間隔に配設された複数本(例えば、90度間隔に4本)のボルトを介してポンプケース11と基板ケース14とを連結することも可能である。
・上記実施形態では、内接型ギアポンプ2を、トロコイド歯形を有するインナーロータ21と、該インナーロータ21と内接噛合したアウターロータ22とを有し、両ロータ21,22の回転によって油を吸引・吐出する所謂トロコイドポンプで構成した。しかし、これに限られず、内接型ギアポンプ2は、パラコイド(登録商標)歯形やインボリュート歯形等のその他の歯形を用いたものであってもよい。
・上記実施形態では、ステータコア32の外周面の一部であって、ケース本体1で被覆されない部分を、途切れなく一様に環状に露出させ、当該露出領域1rを被膜1aで被うようにした。しかし、これに限られず、例えば、図2(a)に示すように、ステータコア32の外周面の一部であって、モータケース本体12a´で被覆されない部分は、当該モータケース本体12a´の一部を斜め格子状に切り抜いて環状に露出させ、当該露出領域1r´を被膜1aで被ってもよい。さらには、図2(b)に示すように、ステータコア32の外周面の一部であって、モータケース本体12a´´で被覆されない部分は、当該モータケース本体12a´´の一部を複数の矩形状開口を形成するように切り抜いて千鳥状に露出させ、当該露出領域1r´´を被膜1aで被ってもよい。
さらに、前記した実施形態および変形例より把握できる技術的思想について以下に記載する。
○流体を吸引・吐出するポンプと、モータロータ及び該モータロータを包囲する筒状のステータコアを有して前記ポンプを駆動する電動モータと、前記ポンプ及び電動モータを収容するとともに前記モータロータを回転自在に支持するようにしたケース本体と、を具備した電動ポンプユニットにおいて、前記ステータコアの外周面の一部が前記ケース本体で被覆されることなく露出し、しかも、該露出領域が前記電動モータを防水すべく防水材料で被われていることを特徴とする電動ポンプユニット。
同構成によれば、電動モータのステータコアの外周面を覆う、重量増の主要因であるケース本体が軽量化でき、電動ポンプユニットの軽量化と製造コストの低減が実現されるようになる。しかも、ステータコアにおいてケース本体で被覆されない部分は電動モータを防水すべく防水材料で被われるので、例えば、自動車用途で求められるような電動モータの防水効果が確保できるとともに、併せて、通常、鉄系金属からなり、錆び易いステータコアの防錆効果も得られるようになる。さらに、防水材料で被われた部分は、熱を遮断する効果が高いケース本体で被覆されないので、ポンプや電動モータで発生した熱の放散効果も高められるようになる。
(a)は、本発明の実施形態に係る電動ポンプユニットの軸方向断面図及び環状の露出領域を示す一部側面図(図中、環状の露出領域を拡大した拡大断面をαで示す)、(b)は、(a)のA−A線に沿った断面図(図中、環状の露出領域を拡大した拡大断面をβで示す)。 (a)は、本発明の変形例に係る電動ポンプユニットの環状の露出領域を示す一部側面図、(b)は、さらに別の変形例に係る一部側面図。 従来技術に係る電動ポンプユニットの軸方向断面図。
符号の説明
1…ケース本体、1a…被膜(シリコーン系接着剤)、1r…露出領域、2…内接型ギアポンプ(トロコイドポンプ)、3…電動モータ、6…回路基板、11…ポンプケース、11a…ポンプケース本体、12…モータケース、12a…モータケース本体、12L…コントローラ蓋、13…ポンププレート、14…基板ケース、14a…基板ケース本体、32…ステータコア、37…モータロータ。

Claims (6)

  1. 流体を吸引・吐出するポンプと、モータロータ及び該モータロータを包囲する筒状のステータコアを有して前記ポンプを駆動する電動モータと、前記ポンプ及び電動モータを収容するとともに前記モータロータを回転自在に支持するようにしたケース本体と、を具備した電動ポンプユニットにおいて、
    前記ステータコアの外周面の一部が前記ケース本体で被覆されることなく環状に露出し、しかも、該環状の露出領域が前記電動モータを防水すべく防水材料で被われていることを特徴とする電動ポンプユニット。
  2. 請求項1に記載の電動ポンプユニットにおいて、
    前記ポンプが、前記モータロータにより軸支されたインナーロータと、該インナーロータと内接噛合して回転可能とされたアウターロータとを有して流体を吸引・吐出するようにされた内接型ギアポンプで構成されている電動ポンプユニット。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電動ポンプユニットにおいて、
    前記ケース本体が、前記ポンプが密封収容されるポンプケースと、前記電動モータを制御するための回路基板が密封収容される基板ケースとから構成され、前記モータロータの両端部は、前記ポンプケースと基板ケースにそれぞれ設けられた軸受により回転自在に支持されており、
    前記露出領域が、前記ポンプケースと基板ケースとの間に形成されている電動ポンプユニット。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電動ポンプユニットにおいて、
    前記防水材料が、常温固化性のシリコーン系接着剤からなる電動ポンプユニット。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電動ポンプユニットにおいて、
    前記ステータコアが、鉄系焼結合金からなる電動ポンプユニット。
  6. 自動車等の車両のトランスミッションにおいて、アイドルストップ時に低下する油圧を補助するための電動オイルポンプであって、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電動ポンプユニットを用いたことを特徴とする電動オイルポンプ。
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