JP2008214824A - カーボンナノファイバーシート - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒による脱水素反応の反応性を改善したカーボン担体を提供する。
【解決手段】活性炭素繊維前駆体からなる基材上に荷電紡糸で形成されたナノファイバーシートを炭化・賦活して得られるカーボンナノファイバーシートを提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、荷電紡糸で形成されたナノファイバーシートを炭化・賦活して得られるカーボンナノファイバーシートに関するものである。
さらに詳しくは、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの分子を吸着する材料や、高分子固体電解質型燃料電池の電極に用いられる触媒担体や、水素化、脱水素化反応に用いられる触媒担体に関するものであり、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの単環芳香族化合物、ナフタレン、メチルナフタレンなどの2環芳香族化合物及びアントラセンなどの3環芳香族化合物を水素化するシステム、あるいは水素化物であるシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサンなどの単環水素化芳香族化合物、テトラリン、デカリン、メチルデカリンなどの2環水素化芳香族化合物、テトラデカヒドロアントラセン、テトラデカヒドロメチルアントラセンなどの3環水素化芳香族化合物を脱水素するシステムなどに用いられる触媒担体に用いられるカーボンナノファイバーシートに関するものである。
従来、触媒担体としては、表面積が大きく、耐薬品性の高い粒状活性炭、活性炭ペーパーなどが用いられている。例えば、水素化物を脱水素するシステムに用いられる触媒担体は、脱水素反応が吸熱反応であるため、反応促進のために400℃までの雰囲気にする必要があるため、熱伝導性に優れ、かつ水素ガスや芳香族化合物などの生成物の拡散性にも優れていることを求められるが、十分な性能は得られていなかった。
例えば、常温で液体の水素化芳香族化合物原料から加熱した脱水素触媒反応装置により水素を生成、分離し、燃料電池に水素を供給するシステムが考案されている。このシステムではCO、COなどの副生成物を生じることなく、高純度水素を効率よく製造、供給することができ、システムのコンパクト化ができる特徴を有する(例えば、特許文献1)。
特許文献1では触媒の活性成分として白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、コバルト、レニウム、バナジウム、タングステン、モリブデンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するものが用いられており、触媒担体として表面積970m/gのシルカアルミナ系メゾ細孔多孔質材や表面積3200m/gのアルカリ処理の活性炭が用いられているが、触媒担体の熱伝導性やガス・液の拡散性において重要なシート化については言及されるには至っていなかった。
例えば、荷電紡糸による不織布状のカーボンナノファイバーを燃料電池電極用材料に用いることが考案されているが、繊維状活性炭の前駆体繊維から活性炭化する方法において、極めて取扱いが困難であるナノファイバーの不織布を如何に活性炭化するのか言及されるには至っていなかった(例えば、特許文献2)。
特開2001−110437号公報 国際公開第05/028719号パンフレット
本発明者はかかる事情に鑑み、触媒による脱水素反応の反応性を改善したカーボン担体を提供することを目的としたものである。
本発明者は鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.活性炭素繊維前駆体からなる基材上に荷電紡糸で形成されたナノファイバーシートを炭化・賦活して得られるカーボンナノファイバーシート。
2.トルエン吸着性能が15wt%以上であって、厚み方向の通気性が2cm/cm・sec以上である上記1に記載のカーボンナノファイバーシート。
3.BET比表面積が500m/g以上である上記1または2に記載のカーボンナノファイバーシート。
4.カーボンナノファイバーの繊維径が50nm以上の太さを有する上記1〜3のいずれかに記載のカーボンナノファイバーシート。
本発明のカーボンナノファイバーシートは、活性炭素繊維前駆体からなる基材上に荷電紡糸で形成されたナノファイバーシートを、炭化・賦活して活性炭化し、トルエン吸着性能15wt%以上、厚み方向の通気性2cm・cm・sec以上、カーボンナノファイバーの繊維径50nm以上にすることで、使用時の風圧、熱履歴に耐えうる形態を持ちながら、触媒性能を高くし、薄いカーボンナノファイバー層の高い熱伝導性とガスが通過しうる通気性を得ることができる。
本発明において、基材として用いる活性炭素繊維前駆体は、ポリアクリロニトリル系、ピッチ系、セルロース系、フェノール系など活性炭素繊維となるものであればいずれでも使用することができるが、荷電紡糸されたナノファイバーシートと同様な炭化、賦活を得ることにより該ナノファイバーシートのシート特性を得るためには同じ原料系であることが望ましい。糸状としてはステープルから得られる紡績糸あるいはフィラメント糸状いずれの場合でも良く、また両者を混合した混繊糸状でも良い。単繊維繊度は1.1dtex〜5.5dtexが好ましい。単繊維繊度が1.1dtex以下であると、加工後の単繊維強度が著しく弱くなり、また単繊維繊度が5.5dtex以上であると、炭化、賦活の進行具合が繊維表面と内部で偏りを生じ、やはり単繊維強度が著しく弱くなり、不織布、織物、編物といった組織体にした時の強度を保持することができず好ましくない。
このような糸状を用いた不織布、織物、編物といった組織体を基材としてアースに繋がった電極の上にセットし、活性炭素繊維前駆体となる原料を溶解した溶液を注射器の筒状容器に入れ、注射器の先端部の溶液噴出ノズルに電圧をかけ、前記基材上に噴出することでナノファイバーシートを得る。
このようにして得られたナノファイバーシート形成活性炭素繊維前駆体基材を活性炭にする際には、バッチ式あるいは連続式に炭化・賦活工程を施すことで得られるが、活性炭素繊維の生地特性や吸着性能、触媒性能の均一性を得ることや工業的生産性を考慮すると炭化・賦活を連続的に行うことが好ましい。またポリアクリロニトリル系、ピッチ系、セルロース系などの活性炭素繊維前駆体は予め400℃以下の温度で不融化処理を行う必要がある。原料シートを350℃以上1300℃以下の温度の不活性雰囲気で炭化し、次いで500℃以上1300℃以下の温度で炭素と反応する水蒸気、酸素、二酸化炭素などを含む活性な雰囲気で賦活し活性炭化する。又、場合によっては雰囲気条件を制御することにより炭化と賦活を同時に行うことも可能である。尚、賦活処理、すなわち活性炭化を行う際の最高到達温度を1300℃以上にすると重量収率が著しく減少するため、最高到達温度は1300℃以下にすることが好ましい。これにより、BET比表面積が1000〜3000m/gである活性炭素繊維が得られる。
得られた活性炭素繊維はそのままでも触媒担体としての機能を有するが、さらに表面改質することが好ましい。表面改質の方法は問わないが、例えば、1.33Pa以上の酸素分圧を有する酸素雰囲気下で重量収率にして65〜99%の範囲になるように実施する。処理温度は300〜700℃が好ましい。低温では処理する炭素材料の反応性が落ちるため、酸化の効果が得られないため好ましくない。また高温では表面に水酸基やカルボキシル基などの親水基が付与できないため好ましくない。強酸や電気酸化などによる湿式処理、プラズマ処理でも同様な効果を得ることができる。これにより、全酸性基量が0.1〜1.5meq/gである活性炭素繊維を得ることが好ましい。
得られたカーボンナノファイバーシートの性量は、基材を含めて30〜300g/m、好ましくは50〜200g/mが良い。30g/m以下の場合シートの強度が弱いため薄いカーボンナノファイバーシートの形態の保持が困難であり、300g/m以上の場合基材の割合が大きくなりすぎてカーボンナノファイバーの効果が得られなくなるため好ましくない。
該活性炭素繊維の吸着性能としてはJIS K1477:2006「繊維状活性炭試験方法」の6.8項に記載のトルエン吸着性能で15wt%以上(25℃、1/10希釈の条件下)、好ましくは30wt%以上必要である。この吸着量を下回る場合は、触媒の担持量が不足し、性能を十分発揮できなくなるため好ましくない。
BET比表面積はトルエン吸着性能と相関があるが、500m/g以上必要である。500m/g未満であると、触媒の担持量が不足し、性能を十分発揮できなくなるため好ましくない。BET比表面積の上限は特に限定されないが、通常3000m/g以下である。
該活性炭素繊維の通気性としては、JIS L1018「ニット生地試験方法」に記載の方法による通気性で2cm/cm・sec以上必要である。これを下回る場合は、触媒担体として、生成した水素ガスの拡散が悪くなり、反応性が低下するため好ましくない。
カーボンナノファイバーの繊維径は50nm以上必要である。これを下回る場合は、カーボンナノファイバーを形成する部分が焼成後保持できる厚さにおいて、通気性2cm/cm・sec以上を達成できなくなるため好ましくない。またカーボンナノファイバーの繊維径は500nm以下であることが好ましい。これを上回る場合は、繊維間の空隙が多くなりすぎて熱伝導性が悪くなり、反応性が低下するため好ましくない。
荷電紡糸においてナノファイバーの形成する厚さは1μm以上、好ましくは3μm以上が良い。厚さ1μm未満ではカーボンナノファイバーを形成する部分が焼成後保持できないため好ましくない。また厚さの上限は100μm以下であることが好ましい。これを上回る場合は、嵩高で低密度になり、繊維間の空隙が多くなりすぎて熱伝導性が悪くなり、反応性が低下するため好ましくない。
このような活性炭素繊維を得るには、前駆体繊維がフェノール系繊維であることが望ましい。活性炭素繊維の前駆体繊維としては他にセルロース系、ピッチ系やPAN系が知られている。セルロース系繊維を全駆体とする場合は炭化・賦活により十分な吸着性能を発揮する比表面積を有する活性炭素繊維が得られるが、収率が低く、また収縮率が大きいので剛性が高く、布帛の強度、特に引裂強さの小さいものとなる。PAN系繊維を前駆体繊維とする場合には、比較的布帛強度の高いものが得られるが、大きな吸着性能を有する活性炭素繊維を得ることが困難である。ピッチ系繊維を用いるとセルロース系とPAN系の中間程度の強度と吸着性能が得られるが、必ずしも両方の特性とも満足するものではない。
このような活性炭素繊維に触媒を担持する方法としては、10wt%以下の塩化白金酸水溶液に活性炭素繊維を12時間以上浸漬し、乾燥することによって10wt%以下の白金を担持する。また白金以外にもパラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、コバルト、レニウム、バナジウム、タングステン、モリブデンを担持しても良いし、白金やこれらの金属同士で組み合わせて担持しても良い。また溶液はアルコールなどの有機溶剤を希釈した水溶液でも良い。なお、触媒活性を高めるために使用前に還元処理を行う必要がある。
触媒が担持されたカーボンナノファイバーシートのトルエン吸着性能は15wt%以上であり、BET比表面積は500m/g以上であることが好ましい。トルエン吸着性能が15wt%未満であったり、BET比表面積が500m/g未満であると、十分な触媒活性が得られないため好ましくない。このように担持するためには、担持する前のトルエン吸着性能と全酸性基量が重要であり、これらを前記の好ましい範囲にして、さらに均一に担持できるよう水溶液系で長時間浸漬することによって得られる。
触媒が担持されたカーボンナノファイバーシートの通気性は担持前と同様であることが必要で、2cm/cm・sec以上が好ましい。これを下回る場合は、先にも述べたが、生成した水素ガスの拡散が悪くなり、反応性が低下するからである。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例はこの発明を制限するものではなく、前・後記の主旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て本発明の技術範囲に包含される。
尚、シートの各特性値の測定法は次の通りである。
(通気性)
通気性については、JIS L1018に準拠した。
(トルエン吸着性能)
活性炭素繊維のトルエン吸着性能については、JIS K1477:2006に準拠した。
(BET比表面積)
1Mの塩酸水溶液で12時間以上洗浄し、充分に水洗し、乾燥した試料を約0.03g採取し、120℃で12時間真空乾燥して秤量し、液体窒素の沸点(−195.8℃)における窒素の吸着量を相対圧0.0から0.15の範囲で徐々に高めながら数点測定し、B.E.Tプロットにより単位重量当たりの比表面積(m/g)を求めた。
(全酸性基量)
全酸性基量の測定法は次の通りである。試料を水洗、乾燥後、約2gを採取し、120℃で12時間真空乾燥して秤量し、1/100MのNaOH水溶液60ml中に浸漬し、25℃で2時間振とうした。この液をガラス濾過器で濾過し、濾液25mlを正確に分取して1/100MのHCl水溶液により逆滴定した。滴定の際はフェノールフタレインを指示薬として用いた。空試験も同様に行い、空試験での滴定量を差し引いた値から全酸性基量(単位meq/g)を求めた。
(水素発生速度)
図1に示すような水素発生装置を用い、10cm(φ3.5cm)の触媒担体(2)をアルゴンで置換された丸底フラスコ(1)の下部に設置し、下方より200℃の電気ヒーター(3)で熱した。該触媒担体に噴霧器付き水素化物導入部(9)よりシクロヘキサンを毎分10cc吹き付けた。生成した水素ガスは冷却管(4)を通って水素捕集管(6)で捕集され、生成したベンゼンは未反応のシクロヘキサンとともに冷却管(7)を通って芳香族回収部(8)に捕集された。30分後と5時間後の水素ガスの発生速度(L/min)を測定した。
(繊維径)
走査電子顕微鏡にて5000倍に拡大した写真から30点の繊維径を測定し、その平均値を繊維径(単位nm)とした。
<実施例1>
単繊維繊度2.2dtex、糸状の繊度295dtexのフェノール系繊維を使用し、22ゲージ両面丸編み機によりフライス編地を編成した。この編地は、目付225g/m、厚さ1.65mm、見掛密度0.14g/cm、通気性は320cm/cm・secであった。この編地を基材として、ノボラック型フェノール樹脂をメタノールに溶解させた溶液から荷電紡糸によって厚さ30μmのナノファイバーを形成させた。ナノファイバーの繊維径は350nmであった。ナノファイバーが形成された編地を常温から890℃まで30分間、不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12wt%を含有する雰囲気中890℃の温度で90分間賦活した。得られた複合カーボンナノファイバーシートは、絶乾目付120g/m、厚さ1.05mm、見掛密度0.11g/cm、通気性は10cm/cm・secであった。又、この複合カーボンナノファイバーシートのトルエン吸着性能は49wt%、BET比表面積は1520m/gであった。この複合カーボンナノファイバーシートをさらに空気中500℃で5分間熱処理を行った。重量収率は95wt%であった。この複合カーボンナノファイバーシートの絶乾目付は114g/m、厚さは1.05mmとなり、全酸性基量は0.45meq/gであった。またカーボンナノファイバー化している部分の繊維径は136nm、厚みは10μmであった。塩化白金酸の水溶液に該複合カーボンナノファイバーシートを浸漬し、5wt%の白金触媒担持体を調製した。この白金触媒担持体のトルエン吸着性能は35wt%、BET比表面積は1108m/gであった。この白金触媒担持体10cmを120℃で12時間真空乾燥して還元した後、カーボンナノファイバー層が下流側でヒーターに接触するようにセットし、水素ガスの発生速度(L/min)を測定したところ、30分後の水素発生速度は7.8L/minで、5時間後も7.7L/minと非常に良好であった。結果を表1に示す。
<実施例2>
単繊維繊度2.2dtexのフェノール系繊維の短繊維を使用し、ニードルパンチ機によりフェルトを作製した。このフェルトは、目付260g/m、厚さ3.1mm、見掛密度0.084g/cm、通気性は500cm/cm・secであった。このフェルトを基材として、ノボラック型フェノール樹脂をメタノールに溶解させた溶液から荷電紡糸によって厚さ30μmのナノファイバーを形成させた。ナノファイバーの繊維径は350nmであった。ナノファイバーが形成されたフェルトを常温から890℃まで30分間、不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12wt%を含有する雰囲気中890℃の温度で90分間賦活した。得られた複合カーボンナノファイバーシートは、絶乾目付140g/m、厚さ2.5mm、見掛密度0.056g/cm、通気性は12cm/cm・sec であった。又、この複合カーボンナノファイバーシートのトルエン吸着性能は48wt%、BET比表面積は1510m/gであった。この複合カーボンナノファイバーシートをさらに空気中500℃で5分間熱処理を行った。重量収率は95wt%であった。この複合カーボンナノファイバーシートの絶乾目付は133g/mとなり、全酸性基量は0.50meq/gであった。またカーボンナノファイバー化している部分の繊維径は133nm、厚さは10μmであった。塩化白金酸の水溶液に該フェルト状の繊維状活性炭布を浸漬し、5wt%の白金触媒担持体を調製した。この白金触媒担持体のトルエン吸着性能は35wt%、BET比表面積は1098m/gであった。この白金触媒担持体10cmを120℃で12時間真空乾燥して還元した後、カーボンナノファイバー層が下流側でヒーターに接触するようにセットし、水素ガスの発生速度(L/min)を測定したところ、30分後の水素発生速度は4.2L/minで、5時間後も4.1L/minであった。結果を表1に示す。
<比較例1>
単繊維繊度2.2dtex、糸状の繊度295dtexのフェノール系繊維を使用し、22ゲージ両面丸編み機によりフライス編地を編成した。この編地は、目付225g/m、厚さ1.65mm、見掛密度0.14g/cm、通気性は320cm/cm・secであった。この編地を常温から890℃まで30分間、不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12wt%を含有する雰囲気中890℃の温度で90分間賦活した。得られた編地状の繊維状活性炭布は、絶乾目付120g/m、厚さ1.05mm、見掛密度0.11g/cm、通気性は330cm/cm・secであった。又、この繊維状活性炭布のトルエン吸着性能は44wt%、BET比表面積は1380m/gであった。この編地状の繊維状活性炭布をさらに空気中500℃で5分間熱処理を行った。重量収率は95wt%であった。この繊維状活性炭布の絶乾目付は114g/mとなり、全酸性基量は0.43meq/gであった。塩化白金酸の水溶液に該編地状の繊維状活性炭布を浸漬し、5wt%の白金触媒担持体を調製した。この白金触媒担持体のトルエン吸着性能は33wt%、BET比表面積は1010m/gであった。この白金触媒担持体10cmを120℃で12時間真空乾燥して還元した後、水素ガスの発生速度(L/min)を測定したところ、30分後の水素発生速度は5.2L/minで、5時間後も5.0L/minであった。結果を表1に示す。
<比較例2>
単繊維繊度2.2dtexのフェノール系繊維の短繊維を使用し、ニードルパンチ機によりフェルトを作製した。このフェルトは、目付260g/m、厚さ3.1mm、見掛密度0.084g/cm、通気性は500cm/cm・secであった。このフェルトを常温から890℃まで30分間、不活性雰囲気中で炭化させ、次に水蒸気12wt%を含有する雰囲気中890℃の温度で90分間賦活した。得られたフェルト状の繊維状活性炭布は、絶乾目付140g/m、厚さ2.5mm、見掛密度0.056g/cm、通気性は480cm/cm・sec であった。又、この繊維状活性炭布のトルエン吸着性能は44wt%、BET比表面積は1350m/gであった。このフェルト状の繊維状活性炭布をさらに空気中500℃で5分間熱処理を行った。重量収率は95wt%であった。この繊維状活性炭布の絶乾目付は133g/mとなり、全酸性基量は0.50meq/gであった。塩化白金酸の水溶液に該フェルト状の繊維状活性炭布を浸漬し、5wt%の白金触媒担持体を調製した。この白金触媒担持体のトルエン吸着性能は32wt%、BET比表面積は1000m/gであった。この白金触媒担持体10cmを120℃で12時間真空乾燥して還元した後、水素ガスの発生速度(L/min)を測定したところ、30分後の水素発生速度は2.2L/minで、5時間後も2.1L/minと低かった。結果を表1に示す。
Figure 2008214824
本発明により、薄いシートの特性として触媒性能、吸脱着性能を高くすることができ、水素発生装置、溶剤回収装置などのコンパクト化も容易であることからも、産業界に大きく寄与することが期待される。
本発明に用いられるシステム評価装置の概略図である。
符号の説明
1 丸底フラスコ
2 触媒担体
3 電気ヒーター
4 冷却管
5 コック
6 水素捕集管
7 冷却管
8 芳香族回収部
9 噴霧器付き水素化物導入部

Claims (4)

  1. 活性炭素繊維前駆体からなる基材上に荷電紡糸で形成されたナノファイバーシートを炭化・賦活して得られるカーボンナノファイバーシート。
  2. トルエン吸着性能が15wt%以上であって、厚み方向の通気性が2cm/cm・sec以上である請求項1に記載のカーボンナノファイバーシート。
  3. BET比表面積が500m/g以上である請求項1または2に記載のカーボンナノファイバーシート。
  4. カーボンナノファイバーの繊維径が50nm以上の太さを有する請求項1〜3のいずれかに記載のカーボンナノファイバーシート。
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