JP2008214231A - リグノフェノールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】リグノフェノール及びその誘導体を、その用途に応じた分子量に分画することができる、リグノフェノールの製造方法を提供する。
【解決手段】出発原料となるリグノフェノール1を親溶媒に溶解し、リグノフェノールの親溶媒溶液とする工程と、リグノフェノールの親溶媒溶液を貧溶媒中に混合してリグノフェノール沈殿物2を生成する工程と、を備え、貧溶媒を変えることによりリグノフェノール沈殿物2の分子量を制御することができる。さらに、リグノフェノール沈殿物を回収した後の貧溶媒溶へリグノフェノールと金属化合物とからなる錯体様複合体を加え、残存するリグノフェノールを回収することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、天然物由来のフェノール性リグニン系高分子(以下、リグノフェノールと呼ぶ)の分子量を制御することができるリグノフェノールの製造方法に関する。さらに詳しくは、原料となるリグノフェノールを用途に合わせた分子量に分割することができるリグノフェノールの製造方法に関する。
近年、植物を利用する際に、従来廃棄されていたリグニンから誘導されたリグノフェノールの有効利用に関する研究開発が行われている。植物としては、木材や草,廃木材,建築廃材等が挙げられる。特許文献1には、植物由来のリグノセルロースを相分離して、リグノフェノールを抽出する方法が開示されている。リグノフェノールは有機溶媒に溶け、各種材料に塗布した後、乾燥して成形体とすることができる。成形体が不要となった場合には、有機溶媒に溶かして回収することで再利用が可能となる。
近年、リグノフェノールに関して用途研究が行われ、成形体以外の応用として、塗料、電子や電気用材料、医薬などへの幅広い用途が期待されている。リグノフェノールは、300〜100000の範囲を有する高分子であり、一般に幅広い分子量分布を有する。幅広い分子量分布を有する状態が望ましい用途に関してはそのまま用いればよいが,分子量分布が狭いものやより高分子量のもの、より低分子量のリグノフェノールが望ましいと考えられる用途がある。
分子量の異なるリグノフェノールを得る、つまり、分画する実験室的な手法としては、ゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、吸着媒を充填したカラムを用いる方法などがある。
特開平02−233701号公報
しかしながら、従来のリグノフェノール分画の実験室的な手法は、処理量が極めて小さく、分子量の分割に時間が掛かり、その結果経済的、工業的な量産に適した方法ではなかった。このため、これまでリグノフェノールの分子量の分割やその分布を制御する効率的な方法は無く、天然物由来のリグノフェノールを、幅広い分子量分布のまま使用せざるを得ない状況にあった。
本発明は上記課題に鑑み、リグノフェノール及びその誘導体を、その用途に応じた分子量に分画することができる、リグノフェノールの製造方法を提供することを目的としている。
本発明者等は鋭意研究を重ねたところ、リグノフェノールの溶媒に対する溶解性及び親和性を調べ、貧溶媒の種類の選択、すなわち、貧溶媒を適切に選択することによりリグノフェノールの分子量及び分子量の分布が制御できること、さらには、貧溶媒からリグノフェノールを回収した後で、貧溶媒へリグノフェノールと金属化合物との錯体様複合体を投入し、貧溶媒中に残存するより低分子量のリグノフェノールを回収できることを見出し、本発明に至った。
上記目的を達成するために、本発明のリグノフェノールの製造方法は、出発原料となるリグノフェノールを親溶媒に溶解し、リグノフェノールの親溶媒溶液とする工程と、リグノフェノールの親溶媒溶液を貧溶媒中に混合してリグノフェノール沈殿物を生成する工程と、を備え、貧溶媒を変えることによりリグノフェノール沈殿物の分子量を制御することを特徴とする。
上記構成によれば、貧溶媒にリグノフェノールの親溶媒溶液を混合することで、貧溶媒の種類を選択することにより、分子量が制御されたリグノフェノールを製造することができる。
本発明のリグノフェノールの他の製造方法は、出発原料となるリグノフェノールを親溶媒に溶解し、リグノフェノールの親溶媒溶液とする工程と、リグノフェノールの親溶媒溶液を貧溶媒中に混合してリグノフェノール沈殿物を生成する工程と、リグノフェノール沈殿物を回収した後の貧溶媒へリグノフェノールと金属化合物とからなる錯体様複合体を加え、残存するリグノフェノールを回収する工程と、を備え、貧溶媒を変えることによりリグノフェノール沈殿物の分子量を制御することを特徴とする。
上記金属化合物として、酸化チタン又は磁鉄鉱を用いれば好ましい。
上記構成によれば、貧溶媒にリグノフェノールの親溶媒溶液を混合し、リグノフェノール沈殿物を得た後、貧溶媒中にリグノフェノールと金属化合物とからなる錯体様複合体を加え、残存するリグノフェノールを回収することができる。
上記構成において、貧溶媒は、好ましくは、R1−O−R2型のエーテル類(ここで、R1及びR2は、アルキル、イソアルキル、tert-アルキル、フェニル、アリルの何れかの基であり、かつ、R1及びR2で示される置換基の炭素数の合計は4以上である。)である。エーテル類は、好ましくは、tert-ブチルメチルエーテル又はシクロペンチルメチルエーテルである。貧溶媒は、非対称エーテル類,対称アルキルエーテル類,環状炭化水素類のうち少なくとも二つから選択され、選択された貧溶媒を任意の比率で混合したものでもよい。
好ましくは、非対称エーテル類は、tert-ブチルメチルエーテル又はシクロペンチルメチルエーテルであり、対称アルキルエーテル類が、ジプロピルエーテル又はジエチルエーテルであり、環状炭化水素類がトルエン、キシレン、ヘキサンの何れかである。
上記構成によれば、貧溶媒の種類や異なる貧溶媒を混合した溶媒によりリグノフェノールの分子量を制御することができる。
本発明のリグノフェノールの製造方法によれば、目的とするリグノフェノールの分子量に応じて貧溶媒を選択することで、所望の分子量のリグノフェノールを効率良く製造することができる。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明のリグノフェノールの製造方法を示す工程図である。図において、出発原料1は、リグノセルロースから誘導したリグノフェノールである。図示するように、第1工程は、出発原料1となるリグノフェノールを親溶媒に溶解する工程であり、リグノフェノールの親溶媒溶解液とする。第2工程は、第1工程で得たリグノフェノールの親溶媒溶解液を、リグノフェノールの貧溶媒中に混合する工程であり、貧溶媒中にリグノフェノールの沈殿物が生成する。この沈殿物は、出発原料1となるリグノフェノールの分子量が変化したリグノフェノールである。このリグノフェノール沈殿物の分子量は、貧溶媒のリグノフェノール親溶媒溶解液に対する溶解度を変えることにより制御することができる。
リグノフェノールの原料となるリグノセルロースについて説明する。
リグノセルロース自体は植物の主成分であり、針葉樹や広葉樹のような木本類、草本類の何れも使用可能である。木本類では廃材、間伐材、木粉など、ケナフやバガス、アブラヤシ空房といった草本系農産廃棄物、草本植物、新聞紙、コーヒーガラ等の産業廃棄物も使用可能である。リグノセルロースは、約70%の糖質と約30%の硬い部位であるリグニンからなる。従来は、有用な糖質のみが抽出され、反応性が高いため抽出が困難なリグニンは廃棄されていた。これらの原料のひとつである木本類を用いた場合の特徴を以下に示す。
針葉樹はフェニルプロパン構造のフェニル部の2位にアリールメチルエーテル(メトキシル基)を有するグアイアシル型が全てを占める。広葉樹ではグアイアシル型と同時にフェニル部2位、5位に共にメトキシル基があるシリンギル型を50:50で有する。さらに草本では広葉樹型の基本骨格に加え、メトキシル基がないフェニルプロパン骨格を有する。このような基本骨格以外は得られるリグノフェノールの構造はいずれの樹種を用いてもほぼ同様となる。針葉樹リグノフェノールではグアイアシル基のフェニル部の5位から単位間結合が形成されるため比較的分子量が高くなる。針葉樹では重量平均分子量であるMwが10000から20000程度、広葉樹や草本では、Mw=6000から8000程度となる。
この分子量の差と構造の相違はたとえば熱機械分析(TMA)で測定した熱流動点に反映し、針葉樹では170℃程度で流動し始めるのに対し、広葉樹では140℃程度となる。NMRやFT−IRによる構造解析ではほぼ同じ数値を示す。さらに、アルカリ下、分子スイッチを作動させると樹種に関係なく低分子化することから、高分子の基本骨格であるC2−O−アリール構造も同様に存在すると考えることができる。このように分子構造や分子量分布も用途に応じて自由に設計できる。
本発明の製造方法において、出発原料1となるリグノフェノールは、原料となるリグノセルロースをフェノール類などによりフェノール置換体とし、このフェノール置換体を濃酸との界面反応でフェノール化する相分離系変換システムで抽出することができる(特許文献1参照)。
図2は、リグニンからp−クレゾール型のリグノフェノールに変換する化学反応式を示す図である。図2の反応においては、リグニン10をp(パラ)−クレゾールを用いてフェノール置換体とし、硫酸(H2SO4)と反応させ、出発原料となるp−クレゾール型のリグノフェノール1と水溶性炭水化物(糖類)とに分離している。
上記p−クレゾール以外のフェノール類としては、フェノール、m(メタ)−クレゾール、o(オルト)−クレゾール、アニソール、2,4−ジメトキシフェノール、2,6−ジメトキシフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、プロピルフェノール、i−プロピルフェノール、tert−ブチルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、フロログルシノール、ビスフェノール、バニリン、シリンゴール、グアイアゴール、フェルラ酸、クマル酸の何れか、又は、これらの組み合わせを使用することができる。
本発明に係る出発原料となるリグノフェノールの構造特性を示す。
リグノフェノールは、以下のような構造特性を有する不定形ポリマーである。植物中に20〜30%含まれるフェノール系物質でフェニルプロパン骨格(C6C3)を有するリグニンに酸触媒下、過剰のフェノール類(例えばp−クレゾールなど)との界面反応によってフェノール化処理を施すと、主にフェニルプロパン骨格のC1位にフェノールが、水酸基がC1に対しオルト位になるように求核的に導入され、ほぼ定量的にフェノール性リグニン系構造可変ポリマー(リグノフェノール)が得られる(図2の1−1,ビス(アリール)プロパン−2−O−アリールエーテル型構造参照)。
得られたリグノフェノールのフェノール性は、主に導入したフェノールの種類に依存する。同時にC1位に存在したリグニンの三次元構造を形成する単位間結合が切断され、比較的リニア構造を有する高分子化合物に誘導される。リニア型の構造は天然のリグニンの基本骨格であるC2−O−アリールエーテル骨格を有する。このアリールエーテルはフェニルプロパン鎖のフェニル部、4位と結合している。プロパン鎖の末端C3位置には脂肪族性水酸基が存在しており、フェノール性水酸基と共に豊富な水素結合を形成する。
上記フェノール類の内、p−クレゾール、m−クレゾール、o−クレゾール、2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、プロピルフェノールなどのフェノールを選択することにより、リグノフェノール自体を疎水化できる。
他方、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、フロログルシノール、ハイドロキノンなどから得られるリグノフェノールは親水性が高い。また、ハイドロキシメチル化リグノフェノール等の誘導体も水素結合が豊富なため親水性となる。
このようにして得られたリグノフェノールは、幅広い分子量分布を持つ高分子で、用途に応じて分子量の高いあるいは低いリグノフェノールに分割して提供することが望ましい。沈殿物生成時にアセトンなどの親溶媒とジエチルエーテルなどの貧溶媒との比率を変えることによりある程度の分子量の大小や分布を制御することを試みたが限度があった。
ここで、出発原料1となるリグノフェノールは、図2で説明した反応で得られるリグノフェノール単体以外に、この単体リグノフェノールをさらに熱などの物理処理により得たリグノフェノール、単体リグノフェノールとセルロースとの複合体、単体リグノフェノールと合成高分子との複合体、単体リグノフェノールの二次誘導体、単体リグノフェノールの高次フェノール導入体、単体リグノフェノールと金属化合物との安定な錯体様複合体を用いることができる。リグノフェノール単体以外の上記リグノフェノールをリグノフェノール誘導体と呼ぶことにする。本発明の出発原料1となるリグノフェノールは、単体リグノフェノール及びリグノフェノール誘導体を含む。
本発明の特徴は、出発原料1となるリグノフェノールを親溶媒に溶解し、このリグノフェノールの親溶媒溶解液を、リグノフェノールの貧溶媒中に混合することにより、分子量の異なるリグノフェノール沈殿物を得ることにある。
出発原料1となるリグノフェノールの各種の溶媒による溶解性を検討した結果、溶解度は次の序列になることがわかった。
強アルカリ溶液>アセトン,メチルエチルケトンなどのアルキルケトン類>ジメチルフォルムアミド(DMF),N-メチルピロリドン(NMP)のような非プロトン極性溶媒>テトラヒドロフラン(THF),ジオキサンのような環状エーテル類>ピリジンのようなヘテロ環状化合物>エタノール,セロソルブのようなアルコール類>tert-ブチルメチルエーテル(TBME),シクロペンチルメチルエーテル(CPME)などの非対称エーテル類>ジエチルエーテルやジプロピルエーテル,ジイソプロピルエーテルなどの対称アルキルエーテル>トルエン又はキシレンとヘキサンとの混合溶媒>ベンゼン,トルエン,ヘキサンなどの環状炭化水素類>水
上記溶媒のうち、アセトンのようなアルキルケトン類、エタノールやセロソルブのようなアルコール類はリグノフェノールの溶解度が高いため、親溶媒として用いることができる。水溶性の高いカテコールやピロガロールなどの親水性フェノールを導入したタイプのリグノフェノールに対しては、水も親溶媒として使用することができる。
出発原料1となるリグノフェノールを製造するプロセスではp−クレゾールのような未反応フェノール化合物と低分子のリグニン区分を同時に溶解させる必要があるため、ベンゼンやヘキサン、トルエンは単独で用いるのが困難であり混合溶媒として用いるのが一般的である。
したがって、貧溶媒としては、使用や回収の工程を考慮すると、リグノフェノールに対する親和性も考慮し、R1−O−R2型のエーテル類(ここで、R1及びR2は、アルキル、イソアルキル,tert-アルキル、フェニル、アリルの何れかの基であり、かつ、R1及びR2で示される置換基の炭素数の合計は4以上である。)を用いることができる。このようなエーテル類としては、非対称エーテル類が好ましく、tert-ブチルメチルエーテル又はシクロペンチルメチルエーテルが挙げられる。シクロペンチルメチルエーテル(CPME)は空気中での取り扱いでも過酸化物の生成がかなり小さく抑えられ、溶媒回収時に加熱濃縮しても工業的に安全に取り扱えるという利点がある。
別の貧溶媒としては、非対称エーテル類,対称アルキルエーテル類,環状炭化水素類のうち少なくとも二つから選択され、選択された二つの貧溶媒を任意の比率で混合したものでもよい。非対称エーテル類としては、tert-ブチルメチルエーテル又はシクロペンチルメチルエーテルが挙げられる。対称アルキルエーテル類としては、ジプロピルエーテル又はジエチルエーテルが挙げられる。環状炭化水素類としては、トルエン、キシレン、ヘキサンの何れかを用いることができる。
上記貧溶媒によれば、沈殿するリグノフェノールの分子量の大きさのみならず、分布の広さも制御することができる。
上記リグノフェノールの親溶媒溶液の貧溶媒中への投入量は、3〜50重量%程度とすればよい。この範囲外の場合には、親溶媒の影響によりリグノフェノールの溶解度が高まり、親溶媒に溶解したリグノフェノールが十分に凝集しないため、その沈殿が生じ難くなり好ましくない。
以上の方法で、貧溶媒中からリグノフェノールを沈殿させた後の貧溶媒中にもリグノフェノールは残存している。このリグノフェノールを回収することができるリグノフェノールの製造方法について説明する。
図3は、本発明のリグノフェノールの別の製造方法を示す工程図である。
図3に示すように、第1工程及び第2工程は、図1に示したリグノフェノールを分画する方法と同じであり、第3工程として、リグノフェノール沈殿物を回収した後の貧溶媒及び親溶媒へリグノフェノールと金属化合物との錯体様複合体を加え、残存するリグノフェノールを沈殿物として回収する工程が付加されている。リグノフェノールと金属化合物との錯体様複合体は、リグノフェノールの吸着剤として作用し、第2工程の貧溶媒及び親溶媒に残存しているリグノフェノールを吸着し、沈殿物として回収することができる。
リグノフェノール及びその誘導体は、金属化合物と安定な錯体様複合体を形成するので、金属化合物と強固な複合体を形成する。金属化合物としては金属酸化物、金属硫化物などが挙げられる。金属としては遷移金属を用いることができる。酸化チタンや磁鉄鉱などはこれらの中でも特に有用である。酸化チタンは単体として、さらには、後述する酸化チタンナノ多孔質フィルム状物質を用いることができる。
特に、アナタース型の酸化チタン結晶は、リグノフェノール系吸着媒体の強度を向上させるだけでなく、吸着特性をも向上させることができる。生成する錯体様複合化合物の強度の点からは、用いる金属化合物の一次粒子の粒径は小さいほうが好ましいが、nmオーダーより小さいナノ粒子の調整は極めて難しくなる。酸化チタンや後述する酸化チタンナノ多孔質フィルム状物質を用いる場合、一次粒子の粒径は1nmから10μmの範囲にあるナノ粒子であることが望ましい。一次粒子の粒径は1nmより小さいと、ナノ粒子そのものの調整が難しくなり好ましくない。逆に、一次粒子の粒径が10μmを超えると、錯体様複合化合物の強度は低下する傾向にあるので好ましくない。ここで、一次粒子とは、結晶態を有している最小の連続体単位を意味している。この酸化チタンナノ多孔質フィルムも酸化チタン単独の場合と同様にリグノフェノールと錯体様複合体を形成する。
上記製造方法によれば、第2工程でリグノフェノールを回収した後の溶媒の残存しているリグノフェノールを回収することができる。例えば、第2工程で分子量の大きいリグノフェノールを回収し、第3工程では第2工程で回収できなかった分子量の異なるリグノフェノールを回収することができる。つまり、分子量の異なるリグノフェノールを、一連の工程で分離回収することができる。
上記した酸化チタンフィルムは、例えば、以下のようにして調製することができる。
酸化チタンナノ粒子ペースト(触媒化成株式会社製、PASOL−HPA−15R)10重量部と、酸化チタン(日本アエロジル株式会社製、P25)1重量部と、ポリエチレングリコール(和光純薬工業株式会社製、特級、分子量20000)4重量部とを瑪瑙乳鉢でよく攪拌した。このペーストを、フッ素ドープした酸化スズで被覆された導電性ガラス(FTO)上に厚さ63μmのメンディングテープ(スリーエム株式会社製)で厚み規正し、バーコーティング法でペーストを塗布した。乾燥後450℃のマッフル炉に60分入れて焼結した。得られた酸化チタン膜の厚みは、10μm〜45μmであった。走査電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、1μm以下の粒子が確認された。
上記の図1及び図3で示す製造方法によれば、出発原料1として得たリグノフェノールから分子量の異なるリグノフェノールを効率良く回収することができる。さらに、出発原料1のリグノフェノールとしては、狭雑物を含む複雑な組成物を用いることができる。例えば、出発原料1となるリグノフェノールは、リグノフェノール製造プロセス時の未反応フェノール類やリグニンに起因する低分子のフェノール性成分,リグニンに起因する脂肪族成分、植物原料に起因するセルロースの分解物である糖類などの不純物を含む組成物からのリグノフェノールの分離回収や分子量の制御にも有効である。
第2工程及び第3工程で回収したリグノフェノールからなる沈殿物は、洗浄して乾燥し、乾燥した沈殿物中のリグノフェノールは、リグノフェノールが良く溶解する有機溶媒又はアルカリ溶液等へ浸漬することによって分離、回収することができる。第3工程で使用したリグノフェノールと金属化合物との錯体様複合体は、アルカリ溶液に溶解した後で酸性化することにより、リグノフェノールと酸化チタンのような金属化合物との錯体様複合体として変性させずに、元の状態に回復することができる。
本発明により製造される分子量の大きいリグノフェノール、つまり、高分子リグノフェノールの用途は、成型体用途リグノフェノールのポリマーとしての直接用途や、レゾール型フェノール樹脂化を目的としたハイドロキシメチル化などにより高分子量に誘導するためのプレポリマー用途、プラスチック化を目的としたウレタン化やエポキシ化などのポリマー可用プレポリマー用途などが挙げられる。低分子リグノフェノールは、ウイルス抑制剤や抗アレルゲン剤などの医薬品用途、プラスチック用紫外線吸収剤、可塑剤等の添加剤用途、光化学電池用光増感剤などのエレクトロニクス用途への材料として用いることができる。
以下、実施例により本発明の実施の形態をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
最初に、以下の方法で出発原料1となるリグノフェノールを製造した。
p−クレゾール500gをアセトン17リットルに溶解させ、抽出物を除去した気乾ヒノキ(Chamaecyparis obtusa)木粉1000gに加え数時間放置した。アセトンを除去し、木粉に残留したp−クレゾールのリグニン1ユニット(フェニルプロパン構造C6C3)は、1モルあたり3モル倍であった。このp−クレゾールが付着した木粉に硫酸(72%)5リットルを加え室温下1時間激しく攪拌した。水洗にて酸を除去した後乾燥させ、アセトン7リットルを加えて抽出し、この抽出液を3リットル程度まで濃縮し、リグノフェノールの親溶媒溶液とした。
なお、上記濃縮アセトン抽出液(54.2mg/cm3)3リットルを、ジエチルエーテル20リットルに磁気攪拌しながら滴下し、沈殿物として得られたリグノフェノール140gの物性をGPC分析で評価すると、重量平均分子量(Mw)は13436であった。熱機械分析法(TMA)による測定では、熱流動開始点温度が165.8℃であり、終了点温度が181.1℃であった。
図1に示した第2工程として、上記リグノフェノールの親溶媒溶液(アセトン抽出液、54.2mg/cm3)20cm3を、貧溶媒としてシクロペンチルメチルエーテル(CPME)200cm3を用い、リグノフェノールの親溶媒溶液を、貧溶媒の磁気攪拌下で滴下し、混合することで、実施例1のリグノフェノールを得た。沈殿物を回収した後の溶媒は、エバポレーターによって濃縮した結果、用いたシクロペンチルメチルエーテル200cm3のうち175cm3を回収した。
(比較例1)
実施例1に対する比較例1として、第2工程の貧溶媒をジエチルエーテル(DEE)200cm3とした以外は、実施例1と同様にして比較例1のリグノフェノールを得た。
実施例1のリグノフェノール0.6g及び比較例1のリグノフェノール0.55gの物性を、ゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)、熱機械分析法及びFT−IR分光法により調べた。
図4は、実施例1及び比較例1で得たリグノフェノールのゲルパーミッションクロマトグラフィーの測定結果を示す図である。図4において、横軸は溶出時間(分)であり、縦軸は信号強度(任意目盛)である。図4から明らかなように、貧溶媒としてシクロペンチルメチルエーテルを用いて得た実施例1のリグノフェノールの数平均分子量は7210であり、貧溶媒としてジエチルエーテルを用いて得た実施例2のリグノフェノールの数平均分子量は5325であることが分かった。
図5は、リグノフェノールの熱機械分析法の測定結果を示す図であり、(A)は実施例1を、(B)は比較例1を示している。図5において、横軸は温度(℃)であり、縦軸はTMA(熱機械分析)による変位(%)である。図5から明らかなように、貧溶媒としてシクロペンチルメチルエーテルを用いて得た実施例1のリグノフェノールの熱流動開始点温度は167.5℃であり、終了点温度は182℃であった。貧溶媒としてジエチルエーテルを用いて得た比較例1のリグノフェノールの熱流動開始点温度は162.7℃であり、終了点温度は179.1℃であった。
図6は、実施例1及び比較例1で得たリグノフェノールのFT−IR分光法による光透過率の測定結果を示す図であり、(A)が比較例1を、(B)が実施例1を示している。図6において、横軸は波数(cm-1)であり、縦軸は光透過率(任意目盛)である。図6から明らかなように、実施例1及び比較例1の赤外領域の光透過率は殆ど同じであり、したがって、実施例1及び比較例1の構造組成は殆ど同じであることが分かった。
上記測定結果から、貧溶媒としてシクロペンチルメチルエーテルを用いた実施例1と貧溶媒としてジエチルエーテルを用いた比較例1とを比較すると、実施例1の方が高分子量のリグノフェノールが得られ、その熱流動開始点温度も高いことが分かり、FT−IR分光法の測定結果からその構造組成は比較例1と殆ど同じであることが分かった。
実施例1とは樹種が同じで産地の異なる気乾ヒノキを用い、実施例1と同様にして出発原料1となるリグノフェノールを製造した。第2工程の貧溶媒をtert-ブチルメチルエーテル(TBME)200gとした以外は、実施例1と同様にして、実施例2のリグノフェノールを得た。
第2工程の貧溶媒を、非対称エーテル類のシクロペンチルメチルエーテル100cm3と、対称アルキルエーテル類のジエチルエーテル100cm3との1:1(容量比)混合貧溶媒とした以外は、実施例2と同様にして、実施例3のリグノフェノールを得た。
第2工程の貧溶媒を、シクロペンチルメチルエーテル200cm3とした以外は、実施例2と同様にして、実施例4のリグノフェノールを得た。
(比較例2)
実施例2〜4に対する比較例2として、第2工程の貧溶媒を、ジエチルエーテル200cm3とした以外は、実施例2と同様にして、比較例2のリグノフェノールを得た。
図7は、実施例2,3及び比較例2で得たリグノフェノールのゲルパーミッションクロマトグラフィーの測定結果を示す図である。図7において、横軸は溶出時間(分)、縦軸は信号強度(任意目盛)である。図7から明らかなように、貧溶媒としてtert−ブチルメチルエーテルを用いて得た実施例2のリグノフェノールの数平均分子量は11854であった。貧溶媒としてシクロペンチルメチルエーテルとジエチルエーテルとの混合貧溶媒を用いて得た実施例3のリグノフェノールの数平均分子量は8918となった。
一方、貧溶媒としてジエチルエーテルを用いて得た比較例2のリグノフェノールの数平均分子量は7871であり、実施例2及び3のリグノフェノールの数平均分子量よりも小さいことが分かった。
図8は、実施例4及び比較例2で得たリグノフェノールのゲルパーミッションクロマトグラフィーの測定結果を示す図である。図8において、横軸は溶出時間(分)で、縦軸は信号強度(任意目盛)である。図8から明らかなように、貧溶媒としてシクロペンチルメチルエーテルを用いて得た実施例4のリグノフェノールの数平均分子量は9959であった。
上記ゲルパーミッションクロマトグラフィーの測定結果から、貧溶媒としてシクロペンチルメチルエーテルとジエチルエーテルとの混合貧溶媒を用いた実施例3のリグノフェノールの数平均分子量(Mn=8918)は、実施例4の貧溶媒としてシクロペンチルメチルエーテルを用いて得たリグノフェノールの数平均分子量(Mn=9959)と、比較例2の貧溶媒としてジエチルエーテルを用いて得たリグノフェノールの数平均分子量(Mn=7871)中間の値となることが分かった。
図9は、実施例2〜4及び比較例2で得たリグノフェノールの熱機械分析法の測定結果を示す図である。図9において、横軸は温度(℃)であり、縦軸はTMA(熱機械分析)による変位(%)である。
図9から明らかなように、実施例2の貧溶媒としてtert−ブチルメチルエーテルを用いて得たリグノフェノールの熱流動開始点温度は179.2℃であり、終了点温度は203℃であった。実施例3の貧溶媒としてシクロペンチルメチルエーテルとジエチルエーテルの混合溶媒を用いて得たリグノフェノールの熱流動開始点温度は177.0℃、終了点温度は213.2℃であった。実施例4の貧溶媒としてシクロペンチルメチルエーテルを用いて得たリグノフェノールの熱流動開始点温度は178.20℃、終了点温度は202.2℃であった。
一方、比較例2の貧溶媒としてジエチルエーテルを用いて得たリグノフェノールの熱流動開始点温度は174.2℃、終了点温度は199.3℃であった。
なお、実施例1及び比較例1の数平均分子量や流動開始点温度の値が、同じ貧溶媒を用いた実施例4及び比較例2における測定結果と異なっているのは、産地の異なる気乾ヒノキを用いたことに起因している。比較例2の貧溶媒をジエチルエーテルとした場合と比較すると、実施例2のリグノフェノールの分子量や分布の偏りや熱特性の順序や傾向は同じとなっていることが分かった。
図10は、実施例2〜4及び比較例2で得たリグノフェノールのFT−IR分光法による光透過率の測定結果を示す図である。図10において、横軸は波数(cm-1)で、縦軸は光透過率(任意目盛)である。図10から明らかなように、実施例2〜4及び比較例2で得たリグノフェノールの赤外領域の光透過率は殆ど同じであり、実施例2〜4及び比較例2のリグノフェノールの構造組成が同じであることが分かった。なお、実施例2〜4及び比較例2のリグノフェノールを核磁気共鳴(NMR)でも測定したが、何れも同じ構造組成であることが判明した。
沈殿物として得られた実施例2〜4及び比較例2のリグノフェノールをサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定し、その性状を測定して、分布のシャープさの度合いを示す重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比率(Mw/Mn)を求めた。Mw/Mnの値は小さいほど分子量分布が急峻である。表1は、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、Mw/Mn、熱流動開始点温度を示す表である。
表1から明らかなように、実施例2,3,4及び比較例2のリグノフェノールの重量平均分子量(Mw)は、それぞれ、24774,20366,22512,17962であった。実施例2,3,4及び比較例2のリグノフェノールのMn/Mwは、それぞれ、2.09,2.28,2.26,2.28であった。実施例2〜4で得られるMn/Mwは、ベンゼンとヘキサンの等量混合溶媒で得たリグノフェノールのMn/Mwが3から4程度と広くなるのに対して、値が小さく狭い分布が得られることが判明した。
実施例1でリグノフェノールを沈殿させた溶媒に、さらに、第3工程として下記のリグノフェノールと金属化合物とからなる錯体様複合体を用い、残存するリグノフェノールを回収し、実施例5のリグノフェノールを得た。
リグノフェノールと金属化合物との錯体様複合体は、実施例1で得た出発原料1となるリグノフェノール10gを1リットルのアセトンに溶解し、このアセトン溶液に酸化チタンナノ粒子(石原産業株式会社製、ST01)を50g混合し、アセトンを留去し、リグノフェノールと酸化チタンナノ粒子とからなる錯体様複合体を調製した。
この錯体様複合体60gを500cm3の1モルの水酸化ナトリウム水溶液に投入し、暗所で24時間攪拌して、得られたリグノフェノールが溶解したアルカリ溶液に1モルの塩酸(HCl)を加えpHを2とした。このpH調製したリグノフェノール酸性溶液900cm3を、第2工程の貧溶媒に加え、混合して生じた沈殿を実施例5のリグノフェノールとして回収した。沈殿したリグノフェノールの分子量を、ゲルパーミッションクロマトグラフィーで測定した結果、リグノフェノールの数平均分子量が1500であることが分かった。別途、回収した酸化チタンナノ粒子とからなる錯体様複合体は、アルカリ溶液に溶解した後で、酸性化することにより繰り返し使用することができた。
本発明は、上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれる。例えば、出発原料1となるリグノフェノールの抽出方法や、用いる貧溶媒の種類は、適宜に設計できることはいうまでもない。
これまで分子量の大きさやその分布を制御することができるリグノフェノールの製造方法は確立されていなかったが、本発明により幅広い用途に応じ最適なリグノフェノール材料を工業的に提供できることになり応用分野への波及効果はきわめて大きい。
本発明のリグノフェノールの製造方法を示す工程図である。 リグニンからp−クレゾール型のリグノフェノールに変換する化学反応式を示す図である。 本発明のリグノフェノールの他の製造方法を示す工程図である。 実施例1及び比較例1で得たリグノフェノールのゲルパーミッションクロマトグラフィーの測定結果を示す図である。 リグノフェノールの熱機械分析法の測定結果を示す図であり、(A)は実施例1を、(B)は比較例1を示している。 実施例1及び比較例1で得たリグノフェノールのFT−IR分光法による光透過率の測定結果を示す図であり、(A)が比較例1を、(B)が実施例1を示している。 実施例2,3及び比較例2で得たリグノフェノールのゲルパーミッションクロマトグラフィーの測定結果を示す図である。 実施例4及び比較例2で得たリグノフェノールのゲルパーミッションクロマトグラフィーの測定結果を示す図である。 実施例2〜4及び比較例2で得たリグノフェノールの熱機械分析法の測定結果を示す図である。 実施例2〜4及び比較例2で得たリグノフェノールのFT−IR分光法による光透過率の測定結果を示す図である。
符号の説明
1:出発原料(リグノフェノール)
2:リグノフェノール(沈殿物)
3:貧溶媒から回収されるリグノフェノール
10:リグニン

Claims (7)

  1. 出発原料となるリグノフェノールを親溶媒に溶解し、リグノフェノールの親溶媒溶液とする工程と、
    上記リグノフェノールの親溶媒溶液を貧溶媒中に混合してリグノフェノール沈殿物を生成する工程と、を備え、
    上記貧溶媒を変えることにより上記リグノフェノール沈殿物の分子量を制御することを特徴とする、リグノフェノールの製造方法。
  2. 出発原料となるリグノフェノールを親溶媒に溶解し、リグノフェノールの親溶媒溶液とする工程と、
    上記リグノフェノールの親溶媒溶液を貧溶媒中に混合してリグノフェノール沈殿物を生成する工程と、
    上記リグノフェノール沈殿物を回収した後の上記貧溶媒へリグノフェノールと金属化合物とからなる錯体様複合体を加え、残存するリグノフェノールを回収する工程と、を備え、
    上記貧溶媒を変えることにより上記リグノフェノール沈殿物の分子量を制御することを特徴とする、リグノフェノールの製造方法。
  3. 前記貧溶媒が、R1−O−R2型のエーテル類(ここで、R1及びR2は、アルキル、イソアルキル、tert-アルキル、フェニル、アリルの何れかの基であり、かつ、R1及びR2で示される置換基の炭素数の合計は4以上である。)であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のリグノフェノールの製造方法。
  4. 前記エーテル類が、tert-ブチルメチルエーテル又はシクロペンチルメチルエーテルであることを特徴とする、請求項3に記載のリグノフェノールの製造方法。
  5. 前記貧溶媒が、非対称エーテル類,対称アルキルエーテル類,環状炭化水素類のうち少なくとも二つから選択され、選択された貧溶媒を任意の比率で混合することを特徴とする、請求項1又は2に記載のリグノフェノールの製造方法。
  6. 前記非対称エーテル類が、tert-ブチルメチルエーテル又はシクロペンチルメチルエーテルであり、前記対称アルキルエーテル類が、ジプロピルエーテル又はジエチルエーテルであり、前記環状炭化水素類が、トルエン、キシレン、ヘキサンの何れかであることを特徴とする、請求項5に記載のリグノフェノールの製造方法。
  7. 前記金属化合物が、酸化チタン又は磁鉄鉱であることを特徴とする、請求項2に記載のリグノフェノールの製造方法。
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