JP2008213928A - 段付き樹脂成形品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】筒状の胴部2に対して口部3が大径となっており、胴部2と口部3の境界に段差部4が設けられている軟質樹脂製の段付き樹脂成形品において、胴部2の口部側端部内周に凸部5を設けたことを特徴とする。また、段差部4外周には補強リブ6が設けられている。
【選択図】 図1
Description
すなわち、この段付き樹脂容器200は軟質樹脂製で、有底筒状の胴部201に対して口部202が大径となっており、胴部201と口部202の境界に段差部203が設けられている。胴部201はチューブで細長く、指でスクイズして化粧料などの内容物を絞り出して使用するために、肉厚を薄くした仕様となっている。
また、段付き樹脂容器200は軟質樹脂製でしかも薄肉構成なので、軸方向に圧縮する荷重が作用した際に、段差部203にて座屈しやすい。
金型は、段付き樹脂容器200の外周形状を成形するためのキャビティ310と、キャビティ310に対して開閉自在に設けられるストリッパ313と、段付き樹脂容器200の内周形状を成形するためのものでストリッパ313の型閉め,型開きと共にキャビティ310内に抜き差しされると共にストリッパ313に対してキャビティ310と反対側に相対移動可能に組み付けられているコア312とを備えている。
容器の成形は、ストリッパ313にキャビティ310を型閉めすると共にコア312をキャビティ310に挿入し、このキャビティ310内に溶融樹脂を充填する(図4(A)参照)。
その後、キャビティ310で成形体の口部上端面を押さえながらコア312を成形体314から抜き出し、成型体340を完全に離型するようになっている(図4(C)参照)。
また、キャビティ310から離型した後、コア320から離型する際には、ストリッパ330によって成形体の口部202を押さえる力と、コア320から胴部を抜き出す力が、段差部203の外端と内端に互いに逆向きに作用し、図4(E)に示すように、曲げモーメントMによって段差部203が座屈してしまうという問題もある。
なお、このような薄肉筒状の成形品を射出成形する成形方法、装置の一例としては、たとえば、特許文献1に、リング状のホルダー部と、このホルダー部から延出する薄肉のパイプ部とを一体に射出(インジェクション)成形する成形方法と装置が開示されている。
請求項2に係る発明は、凸部は、周方向に間隔をおいて複数設けられていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、段差部外周には補強リブが設けられていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、胴部の肉厚が口部に対して薄肉となっていることを特徴とする。
段付き樹脂成形品の外周形状を成形するためのキャビティと、キャビティに対して開閉自在に設けられるストリッパと、前記段付き樹脂成形品の内周形状を成形するためのものでストリッパの型閉め,型開きと共にキャビティ内に抜き差しされると共にストリッパに対してキャビティと反対側に相対移動可能に組み付けられているコアとを備え、
ストリッパとキャビティを型閉めすると共にコアをキャビティに挿入してキャビティ内に溶融樹脂を充填し、
樹脂が硬化した後、ストリッパをコアと共にキャビティから相対的に離間させて型開きし成形体をコアに付着させた状態でキャビティから離型させ、
その後、キャビティで成形体の口部上端部を押さえながらコアを成形体から抜き出す段付き樹脂成形品の製造方法において、
前記コアの、前記樹脂成形品の胴部の口部側端部内周に対応する位置にアンダーカット部を設け、
ストリッパをキャビティから型開きする際には、コアのアンダーカット部に倣って形成された凸部により成形体をコアに付着した状態でキャビティから離型させ、
前記コアを成形体から抜き出す際には、凸部の高さ分だけ成形体の胴部を外側に弾性変形させて凸部をコアのアンダーカット部から離脱させることを特徴とする。
キャビティには、前記段付き樹脂成形品の段差部外周に対応する部分に補強リブ用の凹部を設け、
前記コアを成型体から抜き出す際に、前記凹部によって成形された補強リブによって段差部に作用する曲げモーメントを支持することを特徴とする。
請求項3に係る発明によれば、段差部外周には補強リブが設けられているので、容器に軸方向の荷重が作用しても、段差部の座屈を防止することができる。
請求項4に記載のように、胴部の肉厚を薄肉とすることにより、スタッキングを防止しつつ、より柔軟でスクイーズ性のよい容器を実現できる。
また、コアを抜き出す際には、成形体の胴部外周はキャビティから離れて自由状態となっているので、凸部の高さ分だけ胴部が外側に弾性変形してコアから離型することができる。
図1は本発明の実施の形態に係る段付き樹脂成型品としての段付き樹脂容器を示している。
この段付き樹脂容器1は、化粧料やその他の液状物を収納するための容器であり、有底筒状の胴部2に対して口部3が大径となっており、胴部2と口部3の境界に段差部4が設けられている。
この段付き樹脂容器1は、軟質樹脂材でできており、胴部2はスクィーズ可能となっている。樹脂材としては、たとえば、低密度ポリエチレン等の軟質樹脂材を用いることができる。
胴部2の肉厚は口部3の肉厚よりも薄肉となっており、材料に軟質樹脂が用いられていることと相俟って、柔軟でスクィーズ性のよい構造となっている。また、この実施例では、口部3上端から底部22までの長さに比べて底部22の幅は小さい。
一方、段差部4は口部3と同程度の厚肉構成で、口部3側から胴部2上端に向けて徐々に小径となるように傾斜する傾斜段部となっている。この段差部4の傾斜角度は30°〜60°程度に設定されている。段差部4については、中心軸線に対して直交する構成でもよいが、傾斜させた方が、軸方向圧縮荷重に対する座屈強度は強い。
凸部5と内接する内接円の径を凸部5における内径とすると、内径d0は、上記した胴部2の下端外径D1よりも若干小さく設定されている。もっとも、同一寸法か、若干大きくてもよい。胴部2の下端よりいくらか入り込んだとしても、胴部2の途中で胴部2の外径が凸部5における内径よりも大きくなった時点でそれ以上の進入を阻止することができる。
また、凸部5は、周方向に間隔をおいて複数設けられているので、仮に、段付き樹脂容器の口部3に他の段付き樹脂容器の胴部2が進入したとしても、凸部5と凸部5の間の隙間によって胴部2内が密閉されないので、容易に外すことができる。
また、段差部4外周には補強リブ6が設けられているので、容器に軸方向の荷重が作用しても、段差部4の座屈を防止することができる。
金型は、段付き樹脂容器の外周形状を成形するためのキャビティ10と、キャビティ10に対して開閉自在に設けられるストリッパ13と、段付き樹脂容器の内周形状を成形するためのものでストリッパ13の型閉め,型開きと共にキャビティ11内に抜き差しされると共にストリッパ13に対してキャビティ10と反対側に相対移動可能に組み付けられているコア12とを備えている。
ストリッパ13には、その一端面がキャビティ10の開口側の端面と型合せされる構成で、口部上端のフランジ部31上面を形成する。また、ストリッパ13には、コア12の基部12aが嵌合される嵌合穴13aが設けられている。この嵌合穴13aはキャビティ10に向かって徐々に小径となる方向に傾斜するテーパ穴で、コア12の基部121はコア2が嵌合穴13aからキャビティ10に向かって抜け出る方向には固定で、キャビティ10と反対方向に抜け出る方向には相対移動可能となっている。
そして、胴部の口部側端部内周位置に対応する位置、この実施例では、胴部内周形成部12aの口部側端部内周に、胴部2の凸部5に対応するアンダーカット部15が設けられている。すなわち、アンダーカット部15も、凸部5と同様、コア12の円周方向に90°の間隔で4箇所に設けられている。各アンダーカット部15は、図2(D)に示すように、一定の深さで周方向に円弧状に延びる円弧状段凹部151と、円弧状段凹部151の下側縁から徐々に深さが浅くなりコア12の外周面ににつながる傾斜面部152とを備えている。傾斜面部152の下側縁152aは中心軸線と直交し、円弧状段凹部151の上端面151aと平行に延びている。また、傾斜面部152の左右側縁152b,152bは、その周方向の間隔が徐々に狭くなる方向に傾斜する傾斜辺となっており、中心軸線側から見た傾斜面部152の形状は、略逆台形状となっている。
樹脂が硬化した後、ストリッパ13をキャビティ10から相対的に離間させて型開きする(図2(B)参照)。成形体Wの凸部5はコア12のアンダーカット部15に係合しているので、成形体Wはコア12に付着した状態でキャビティ10から離型される。すなわち、キャビティ10によって胴部2の外周が押さえられているので、胴部2が外側には変形せず、凸部5がアンダーカット部15からは抜けない。
また、コア12を抜き出す際に、補強リブ6によって段差部4に作用する曲げモーメントMが受け持たれ、座屈を防止することができる。
2 胴部
21 胴部本体、22 底部
3 口部
31 キャップ
31a 溝
4 段差部
5 凸部
51 円弧状段部、51a 上端面
52 傾斜面部、52a 下側縁、52b,52b 左右側縁
5a 胴部内周面
6 補強リブ
6a 傾斜固定端部、6b 垂直固定端部、6c 水平自由端部、6d 垂直自由端部
10 キャビティ
11a 胴部外周形成部,11b 胴部外周形成部,11c 段差外周形成部
12 コア
121 基部
12a 胴部内周形成部,12b 胴部内周形成部,12c 段差内周形成部
13 ストリッパ
13a 嵌合穴
15 アンダーカット部
151 円弧状段凹部、151a 上端面
152 傾斜面部、152a 下側縁、152b,152b 左右側縁
16 凹部
Claims (6)
- 筒状の胴部に対して口部が大径となっており、胴部と口部の境界に段差部が設けられている軟質樹脂製の段付き樹脂成形品において、
前記胴部の口部側端部内周に凸部を設けたことを特徴とする段付き樹脂成形品。 - 前記凸部は、周方向に間隔をおいて複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の段付き樹脂成形品。
- 段差部外周には補強リブが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の段付き樹脂成形品。
- 前記胴部の肉厚が口部に対して薄肉となっている請求項1乃至3のいずれかの項に記載の段付き樹脂成形品。
- 筒状の胴部に対して口部が大径となっており、胴部と口部の境界に段差部が設けられた段付き樹脂成形品を製造する方法であって、
段付き樹脂成形品の外周形状を成形するためのキャビティと、キャビティに対して開閉自在に設けられるストリッパと、前記段付き樹脂成形品の内周形状を成形するためのものでストリッパの型閉め,型開きと共にキャビティ内に抜き差しされると共にストリッパに対してキャビティと反対側に相対移動可能に組み付けられているコアとを備え、
ストリッパとキャビティを型閉めすると共にコアをキャビティに挿入してキャビティ内に溶融樹脂を充填し、
樹脂が硬化した後、ストリッパをコアと共にキャビティから相対的に離間させて型開きし成形体をコアに付着させた状態でキャビティから離型させ、
その後、キャビティで成形体の口部上端部を押さえながらコアを成形体から抜き出す段付き樹脂成形品の製造方法において、
前記コアの、前記樹脂成形品の胴部の口部側端部内周に対応する位置にアンダーカット部を設け、
ストリッパをキャビティから型開きする際には、コアのアンダーカット部に倣って形成された凸部により成形体をコアに付着した状態でキャビティから離型させ、
前記コアを成形体から抜き出す際には、凸部の高さ分だけ成形体の胴部を外側に弾性変形させて凸部をコアのアンダーカット部から離脱させることを特徴とする段付き樹脂成形品の製造方法。 - 段差部外周には補強リブが設けられている段付き樹脂成形品の製造方法であって、
キャビティには、前記段付き樹脂成形品の段差部外周に対応する部分に補強リブ用の凹部を設け、
前記コアを成型体から抜き出す際に、凹部に倣って成形された補強リブによって段差部に作用する曲げモーメントを支持することを特徴とする請求項5に記載の段付き樹脂成形品の製造方法。
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