JP2008213281A - 記録装置および記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体中に含まれる固形成分の凝集沈殿および沈降を防止する。
【解決手段】本発明に係るインクジェット記録装置が備える第1のインクタンク10と第2のインクタンク20とは、流路によって互いにインクを移送可能なように連結されている。第1のインクタンク10と第2のインクタンク20との間にはインクジェットヘッド30が液体を授受可能に設けられている。第1および第2のインクタンク10・20には、それぞれ異なる圧力が印加されているため、流路内にインク流が発生することによって流路内のインクが攪拌される。そして、第1および第2の圧力調整ポンプ13・23は、インクジェットヘッド30内部のインクに対して、常に一定の負圧が印加されるように第1および第2のインクタンク10・20に印加する圧力を制御するため、インク流によってインクが攪拌されている状態であっても、安定してインクを吐出することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、記録装置に関するものであり、特にインクタンクからインクジェットヘッドにインクを供給するインク供給系の配管構造、およびインク供給経路内の圧力制御に関するものである。
インクジェットヘッドを用いて、様々なインクを吐出するインクジェット記録装置は、民生用プリンタとして広く普及している。また、産業用途においても、インクジェット記録装置は、印刷染色用大型プリンタのみならず、赤、青、または緑の染料などを含むインクをガラス基板に塗布し、カラーフィルタの成膜を行う、液晶パネル製造工程にも応用されている。さらに、インクジェット記録装置は、ポリイミド前駆体を含むインクを塗布してポリイミド配向膜を形成する等のデバイス製造装置としても発展しつつある。
インクジェット記録装置を用いてインクを吐出するとき、インクタンク内のインクをインクジェットヘッドに供給し、インクジェットヘッドからインクを吐出する。特に、液晶パネルを製造する場合、インクジェットヘッドから吐出するインクには、カラーフィルタ用の顔料、液晶層間隙保持用のプラスチックスペーサビーズ等が含まれる。このようなインクをインクジェット記録装置において使用した場合、インクジェットヘッド内部、インクジェットとインクタンクとの間を繋ぐインク流路、およびインクタンク内部において、インク中に分散している顔料、ビーズ等の固形成分が凝集沈殿または沈降することがある。その結果、インクタンクからインクジェットヘッドまでインクを供給するインク供給系の構成要素中において、インクの詰り、インクジェットヘッドの吐出特性の安定性等の問題が生じていた。
このような問題を解決することを目的としたインクジェット記録装置が、以下の特許文献1〜5に開示されている。以下、特許文献1〜5に開示されたインクジェット記録装置の構成について説明する。
特許文献1には、インクジェットヘッドに搭載されたインクカートリッジ内部に攪拌用ボールを組み込み、インクに含まれる顔料の沈殿を防止する構成が開示されている。インクカートリッジ内の攪拌ボールは、インクカートリッジ内のインクに含まれる固形成分の沈殿が生じるよりも短い周期で移動するため、印刷中のインクが攪拌され、インクに含まれる固形成分の沈殿を防止することが可能である。
また、特許文献2には、インクジェットヘッドへのインクの供給方向に直交する方向にインクを循環させる構成が開示されている。この構成においては、インクタンクからインクジェットヘッドに供給されるインクのインク流に直交する方向にインクを注入し、インクの注入口と対向する位置において注入したインクを吸引する。これにより、インクタンクからインクジェットヘッドに供給されるインクのインク流に直交する方向にインク流が発生するため、インクの停滞を防ぎ、インクを攪拌することができる。
さらに、特許文献3には、インクタンク内に連通する2つ以上の連通口の相互間においてインクを循環させるためのポンプを設けた構成が開示されている。ポンプは、インクタンク内において、固形成分の濃度が最も高い底部付近のインクを攪拌するためのインク流を発生させる。ポンプの動作によって発生するインク流によって、インクタンク内の開口部の1つからインクを吸出し、他の開口部からインクを噴出させるため、インクタンク内のインクの攪拌を促進して均一な濃度にすることが可能になる。
また、特許文献4には、インク流路内に配置したインク加圧ポンプを用いて、強制的にインクタンクからインク流路を経てインクジェットヘッドへ、インクジェットヘッドからインク流路を経て元のインクタンクへとインクを循環させるインク供給系の構成が開示されている。この構成では、インクジェット記録装置においてインクの存在するほぼすべての領域でインクが強制的に循環されるため、インクの高い攪拌効果が得られる。
さらに、特許文献5には、インクジェットヘッドに搭載されたサブインクタンクと、インクジェットヘッドと独立した位置に配置されたメインインクタンクとを備え、メインインクタンクからインクジェットヘッドまでのインク流路抵抗の和が、サブインクタンクからインクジェットヘッドまでのインク流路抵抗の和よりも大きくなるように配置された構成が開示されている。
特許文献5に記載のインクジェット記録装置では、メインインクタンク中のインクを、インクジェットヘッド内部のインク流路を介してサブインクタンクに供給した後、サブインクタンクに供給されたインクを、インクジェットヘッド内部のインク流路を介してメインインクタンクに逆流させる。そして、インクが逆流を起こしている状態でインクジェットヘッドを駆動し、インクジェットヘッドからインクを吐出する。サブインクタンク内のインクがすべて流出すると、メインインクタンク内に戻ってきたインクを加圧し、再度サブインクタンクに移送するという構成である。
このように、特許文献5に記載の装置においては、特許文献4に記載の装置と同様に、インクジェット記録装置内においてインクの存在するすべての領域において、インクの循環を繰り返しているため、インクの濃度を適切に維持することが可能である。
特開平9−309212号公報(1997年12月2日公開) 実開平2−10941号公報(1990年1月24日公開) 特開2004−351865号公報(2004年12月16日公開) 特開2006−116955号公報(2006年5月11日公開) 特開平10−114081号公報(1998年5月6日公開)
しかしながら、上記特許文献1〜5に記載の従来の構成では、以下に示すような問題が生じる。以下、特許文献1〜5に開示されたインクジェット記録装置の構成における問題点についてそれぞれ説明する。
特許文献1に記載の構成では、インクカートリッジ内のインクの攪拌には効果的であるが、例えば比較的短時間で沈降するスペーサビーズインクを用いた場合には、インクカートリッジからインクジェットヘッドまでのインク流路においてビーズが沈降してしまう。その結果、インク流路に配置されている電磁弁の開閉不具合、インクカートリッジと配管を接続する注射針等での目詰り等が、特に装置を長期稼動にする場合において問題となる。
また、インクジェットヘッド内部のインクが攪拌されないため、スペーサビーズインクを用いた場合、吐出インク一滴に含まれるビーズの数にばらつきがあり、沈降したビーズがノズル近傍に移動し、大量のビーズを含むインクを吐出してしまうことがある。これに起因して、インクの着弾位置の再現性も不安定となってしまう。さらに、装置を長期稼動する場合には、インク流路やインクジェットヘッド内部においてビーズが沈降することによって、インク中のビーズ分散濃度が低下し、塗布されるビーズ数が減少してしまう。
さらに、特許文献2に記載の構成では、インクジェットヘッド内部におけるインクの圧力状態を考慮していない。インクジェットヘッドから安定してインクを吐出するためには、インクジェットヘッド内部のインク圧力を負圧に保つ必要がある。インクジェットヘッド内部のインク圧力が負圧であるとき、ヘッドに配置されたノズル先端の液体のメニスカスはノズルの内側に引っ張られるような状態であるため、液体の吐出時、吐出後等のメニスカスの残留振動によって、ノズルの外側に液体が異常に溢れ出ることを防止されるからである。
しかしながら、特許文献2に記載の構成では、加圧ポンプを用いてインクを循環させているため、インクジェットヘッド内部のインク圧力は正圧に保たれている。このため、インクの循環時にはインクジェットヘッドを駆動させることができず、インクを吐出させることができない。その結果、インク吐出時にはインクの循環を停止しなければならず、例えば少量のインクの吐出を断続的に繰り返すようにインクジェット記録を行うような場合には、インクの攪拌効果が低減し、インクの濃度を均一に保つことができない。
また、特許文献3に記載の構成では、特許文献1に記載の構成と同様に、インクタンク内におけるインクについては攪拌効果が得られるが、インクタンクからインクジェットヘッドまでのインク流路内においては、インク内の固形成分が沈降してしまう。このため、スペーサビーズインクのように、インク内の固形成分が比較的短時間で沈降してしまうインクを用いた場合には、吐出されるインク濃度を一定に保つことができず、インクの吐出特性の再現性に問題がある。
さらに、特許文献4に記載の構成では、インクを強制的に循環する時は、インクジェットヘッド内のインク圧力が適正に制御されないため、実質的にインクジェットヘッドからのインク吐出が不可能になる。すなわち、インクジェットヘッドが駆動中はインクの循環を停止し、インクジェットヘッドが休止中にインクを強制的に循環する構成である。
デバイス製造装置としてインクジェット記録装置を利用する場合、通常デバイス製造装置は連続運転されるため、インクジェットヘッドは断続的に駆動され続けるため、インクの循環が短時間になってしまう。特にビーズインクのように比較的沈降速度が速いインクを用いた場合、攪拌の効果が乏しくなってしまうため、特許文献1に記載の構成と同様にインク流路における目詰りや、インク吐出特性が不安定になるという問題がある。
また、インクジェットヘッドを含むインク流路内におけるインクの攪拌効果を向上させるために、循環用ポンプの加圧力を上げた場合、インクジェットヘッドのノズルで形成されるインクメニスカスが正圧に耐えられず、ノズルからインクが溢れ出てしまう。その結果、ワイピング等のインクジェットヘッドのクリーニング動作が必要となり、デバイス生産タクトが増大し、デバイス生産性を低下させるという問題がある。
さらに、特許文献5に記載の構成では、サブインクタンクからインクジェットヘッドまでのインク流路抵抗よりも、インクジェットヘッドからメインインクタンクまでのインク流路抵抗の方が大きくなるような構成を特徴としている。このため、サブインクタンクからメインインクタンクへのインク逆流をできるだけ緩やかに長時間継続できるような構成であるため、比較的短時間に沈降するプラスチックビーズ等を含むインクを用いた場合には、攪拌効果および沈降防止効果が乏しい。また、特許文献4に記載の構成と同様に、インク流路での目詰りや、インク吐出特性が不安定になるという問題がある。
また、メインインクタンクに戻ったインクを再度サブインクタンクに圧送するときに、インクジェットヘッドのノズルに形成されるインクのメニスカスの破綻(インク溢れ)を防止するように構成されているが、インクジェットヘッド内部のインク圧力については、インク吐出の安定性を考慮したものではない。
特許文献5に記載の構成において、メインインクタンクに圧力が印加されていないとき、インクジェットヘッドには負圧が印加され、メインインクタンクが加圧されているとき、インクジェットヘッドには正圧が印加される。すなわち、メインインクタンクからサブインクタンクにインクを押し上げるとき、サブインクタンク内の圧力が上昇し続けるのを防ぐために空気抜き弁を調節するため、サブインクタンク内の圧力は正圧である。このとき、ヘッドのインクメニスカスを破綻させない程度の正圧がメインインクタンクに印加されている。
その結果、サブインクタンクからメインインクタンクにインクが流れるとき、ヘッド内部には負圧が印加されているが、メインインクタンクからサブインクタンクにインクが流れるときは、ヘッド内部には正圧が印加されることになり、ヘッドを安定駆動させることが困難になる。さらに、サブインクタンクからメインインクタンクにインクを流した後、メインインクタンクからサブインクタンクにインクの流れを逆流させるとき、一時的にインクジェットヘッドを停止させなければならず、装置を連続稼動させることができない。
このため、実質的にメインインクタンクからサブインクタンクにインクを圧送するときに、インクを吐出することができず、連続稼動を行うデバイス生産用インクジェット記録装置では定期的に装置を休止させ、2つのインクタンク間においてインクを移送する必要がある。その結果、デバイス生産タクトを向上させることができないという問題がある。
さらに、サブインクタンクは、内部のインクが空気に触れる構成であり、インクジェットヘッド駆動時に生じるkHzオーダーの振動に起因するキャビテーションによって、インクに溶存している空気の泡が発生してしまう。デバイス製造用インクジェット技術においては、例えば10kHz〜100kHzのように比較的高周波でインクジェットヘッドを駆動させて生産性を向上させるため、高周波駆動時であっても一定のインクの吐出安定性が要求され、キャビテーションを防止することが求められる。産業用(デバイス製造用)インクでは溶存空気を取り除いた脱気インクが用いられるが、特許文献5に記載のインク供給系の構成では、脱気インクの使用は不可能であり、デバイス製造用インクジェット記録装置に搭載した場合、インクジェットヘッドの駆動周波数を上げることができず、デバイス生産性に問題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、顔料、プラスチック粒子、金属粒子等の固形成分を含むインクを長期間使用する場合であっても、固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することができるインクジェットヘッドに対するインク供給系の配管構造、およびインクジェット記録装置を提供することにある。
本発明に係る記録装置は、上記課題を解決するために、第1の圧力が印加された第1の液体タンクと、上記第1の圧力と異なる第2の圧力が印加された第2の液体タンクと、上記第1の液体タンクと上記第2の液体タンクとの間を、液体を移送可能に繋ぐ流路と、上記第1の液体タンクと上記第2の液体タンクとの間の流路に、液体を授受可能に連結されたヘッドと、上記流路を介して上記第1および第2の液体タンク間において液体を往復移送し、かつ上記ヘッド内部の液体に常に一定の負圧が印加されるように、上記第1および第2の液体タンクに印加される圧力をそれぞれ制御する圧力制御手段とを備えていることことを特徴としている。
本発明に係る記録方法は、上記課題を解決するために、第1の圧力が印加された第1の液体タンクと、上記第1の圧力と異なる第2の圧力が印加された第2の液体タンクとの間において、液体を授受可能に連結されたヘッドに対して、第1および第2の液体タンク間を繋ぐ流路において液体を往復移送し、かつ上記第1および第2の液体タンク間に液体を授受可能に連結されたヘッド内部の液体に常に一定の負圧が印加されるように、上記第1および第2の液体タンクに圧力を印加するように圧力を制御する圧力制御工程を含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、第1の液体タンクおよび第2の液体タンク内にそれぞれ異なる圧力(水頭差レベル)を印加しているため、複数の液体タンク間に生じる液体の圧力差(水頭差)によって、より高い圧力が印加された液体タンク(水頭差がより高い液体タンク)からより低い圧力が印加された液体タンク(水頭差がより低い液体タンク)に、液体タンク間で連通する流路を介して液体が流れる。
このとき、ヘッドは第1の液体タンクと第2の液体タンクとの間の流路に連結されているため、ヘッド内部を含む記録装置内の液体が存在し得るすべての領域において液体流を発生させることができる。その結果、使用する液体が固形成分を含む液体であっても固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することが可能である。
また、第1および第2の液体タンク間において、液体を往復移送し、かつヘッド内部の液体に常に一定の負圧が印加されるように、第1および第2の液体タンクに印加される圧力をそれぞれ制御する圧力制御手段を備えているので、第1の圧力と第2の圧力との圧力差による液体流が記録装置内に発生している状態で、液体を安定して吐出させることができる。
すなわち、ヘッド内部のインク圧力が常に負圧であるため、ヘッドに配置されたノズル先端の液体のメニスカスはノズルの内側に引っ張られるような状態である。これにより、液体の吐出時、吐出後等のメニスカスの残留振動によって、ノズルの外側に液体が異常に溢れ出ることが防止される。その結果、安定した液体の吐出が可能となり、記録装置を用いたデバイス製造においてデバイス生産歩留りを向上させることができる。
上述したように、従来の記録装置では、液体の攪拌と液体の吐出とを同時に精度良く行うことが出来なかった。本発明に係る記録装置によれば、液体流を発生させて液体を攪拌している間であっても液体の吐出速度、吐出量等の液体吐出特性を安定化させることができるので、液体の攪拌と液体の吐出とを同時に精度良く行い得る。その結果、デバイス製造プロセスでのデバイス生産歩留り向上が実現できる。
本発明に係る記録装置において、上記圧力制御手段は、上記第1および第2の液体タンクのうち、一方の液体タンク内の液体の全てが、他方の液体タンク内に移送される前に、液体の移送方向を逆進させるように、上記第1および第2の液体タンクに印加される圧力を制御することが好ましい。
上記の構成によれば、より高い圧力が印加された液体タンク内の液体が、より低い圧力が印加された液体タンク内に移送され尽くす前に、各液体タンク内の圧力変更する。例えば、高い圧力が印加されていた液体タンクにより低い圧力を印加する一方で、低い圧力が印加されていた液体タンクにより高い圧力を印加するように、複数の液体タンクに印加される圧力を変更する。これにより、液体の流れは記録装置内の液体が存在するすべての領域において液体流を効率よく発生させることができるので、固形成分を含む液体であっても固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することができる。
また、例えば液体タンクが、広く普及しているスパウト付の四方が溶着された袋である場合、袋に対する加圧および減圧は、袋の外環境を加圧および減圧することによって行う。このとき、袋内にある程度の液体が存在していれば外環境に素直に反応し、袋の伸縮により袋内の液体が加圧および減圧される。一方、袋内の液体が極端に少ない場合、袋の剛性の影響により袋が伸縮せず、精度よく圧力を制御することができない。
このため、上述したように、一方の液体タンク内の液体が他方の液体タンクに移送され尽くす前に、各液体タンク内の圧力を変更することによって、精度よく圧力を制御することが可能になり、記録装置内の全ての液体供給流路に常時液体流を発生させることができるため、効果的に液体の攪拌を行うことができる。
本発明に係る記録装置において、上記圧力制御手段は、上記第1および第2の液体タンクのうち、一方の液体タンク内の液体の全てが、他方の液体タンク内に移送される前に、上記第1の液体タンクに印加されている圧力を上記第1の圧力から上記第2の圧力に変更し、上記第2の液体タンクに印加されている圧力を上記第2の圧力から上記第1の圧力に変更することが好ましい。
上記の構成によれば、圧力制御手段は、第1の液体タンクに第1の圧力を印加し、かつ第2の液体タンクに第2の圧力を印加し、第1の圧力と第2の圧力との圧力差によって第1または第2の液体タンクのいずれか一方から他方へ液体を移送させる。そして、圧力制御手段は、第1または第2の液体タンク内の液体が完全に他方に移送される前に、第1の液体タンクに第2の圧力を印加し、第2の液体タンクに第1の圧力を印加するように、圧力を制御する。このような圧力制御を繰り返すことによって、第1および第2の液体タンク間で、液体を往復流動させる。
したがって、液体の流れは記録装置内の液体が存在するすべての領域において液体流を効率よく発生させることができるので、固形成分を含む液体であっても固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することができる。また、複数の液体タンク間において相互に印加される圧力を切り替えているため、液体タンク間においてほぼ速度が一定の往復液体流を発生させることができるため、より均一に液体を攪拌することができる。
本発明に係る記録装置においては、上記第1の液体タンクと上記ヘッドとの間の上記流路内の第1の抵抗と、上記第2の液体タンクと上記ヘッドとの間の上記流路内の第2の抵抗とが略同一であることが好ましい。
上記の構成によれば、第1の液体タンクとヘッドとの間の流路と、第2の液体タンクとヘッドとの間の流路との流路内抵抗が略同一であるため、第1の液体タンクから第2の液体タンクへ向かう液体流と、第2の液体タンクから第1の液体タンクに向かう液体流との流量、流速をほぼ同様に制御することが可能である。例えば、流路の構造を略同一にすれば流路内の抵抗値を求める必要がないという効果が得られる。
具体的には、第1および第2の液体タンクからヘッドまでの流路の構造(流路長、流路断面積および屈曲形状等の三次元構造)を略同一とすることで流路抵抗を略同一とすることによって、実際の液体供給流路の流路抵抗値を求めなくとも、ヘッドに印加されている圧力が第1および第2の液体タンクに印加されている圧力の中間値となる。その結果、容易にヘッド内の圧力を設定し得、記録装置内の圧力制御を簡便に行うことができるため、記録装置の保守管理性が向上する。
本発明に係る記録装置において、上記圧力制御手段は、上記第1の圧力をP1、上記第2の圧力をP2、上記ヘッド内の液体に印加される圧力をPとし、P1>P>P2の関係を満たすとき、上記第1の液体タンクと上記ヘッドとの間の上記流路内の第1の抵抗R1と、上記第2の液体タンクと上記ヘッドとの間の上記流路内の第2の抵抗R2とは(P1−P)/R1=(P−P2)/R2を満たし、かつ、上記第1の液体タンク内の液体の全てが上記第2の液体タンク内に移送する前に、上記第1の液体タンクに第3の圧力P3を印加し、上記第2の液体タンクに第4の圧力P4を印加し、P4>P>P3の関係を満たすとき、上記第1の抵抗R1と上記第2の抵抗R2とは(P−P3)/R1=(P4−P)/R2を満たすように、上記液体タンク、ならびに上記ヘッド内の液体に印加される圧力を制御することが好ましい。
上記の構成によれば、第1の液体タンクから第2の液体タンクに液体が移送されるとき、第1の液体タンクとヘッドとの間に生じる液体流特性(液体流量、液体流速等)と、第2の液体タンクとヘッドとの間に生じる液体流特性とが概ね同一となる。また、第1の液体タンクおよび第2の液体タンクに印加される圧力が変化し、第2の液体タンクから第1の液体タンクに液体が移送されるとき、第2の液体タンクとヘッドとの間に生じる液体流特性と、第1の液体タンクとヘッドとの間に生じる液体流特性とが概ね同一となる。
これにより、第1の液体タンクと第2の液体タンクとを繋ぐ流路において、様々な制約によって、第1の液体タンクとヘッドとの間の第1の流路の形状と、第2の液体タンクとヘッドとの間の第2の流路の形状とが異なり、第1の流路および第2の流路の流路抵抗がそれぞれ異なるときであっても、液体流によって液体を均一に攪拌することが可能である。同時に、ヘッド内の液体に一定の圧力を印加することができるので、ヘッドからの液体吐出特性を安定化させることができる。
本発明に係る記録装置において、上記圧力制御手段は、液体を吐出するときの上記ヘッド内の液体に印加される圧力を、設定圧力に対して±0.5kPaの範囲内で保持することが好ましい。
上記の構成によれば、圧力制御手段は、ヘッド内部を含む液体流路において液体流による液体の攪拌を行いながら、設定圧力に対して、±0.5kPaの範囲内でヘッド内の液体圧力を制御するため、ヘッドの駆動条件を適宜変更しなくても液体の吐出速度を±2%程度、液体の吐出体積を±3%程度の範囲内において、液体の吐出安定性を確保することが可能である。その結果、記録装置を用いたデバイス製造工程においてデバイス生産歩留りを向上させることができる。
本発明に係る記録装置において、上記圧力制御手段は、上記流路内を移送される液体の単位時間当たりの液体流量が、上記ヘッドからの吐出によって装置外に流出する液体の単位時間当たりの液体流出量の2倍以上になるように、上記液体タンクおよび上記ヘッドに印加する圧力を制御することが好ましい。
上記の構成によれば、ヘッドの駆動によって液体を吐出し、液体供給流路内において液体流を発生させるために循環すべき液体を消費した場合であっても、十分な液体流を確保することができる。このため、より確実に液体に含まれる固形成分の沈殿や沈降を防止することができる。
本発明に係る記録装置においては、上記液体タンク、上記流路、および上記ヘッド内の液体は、上記ヘッドに形成された液体の吐出口以外においては空気と接触しないことが好ましい。
上記の構成によれば、記録装置は、液体タンク、流路、およびヘッド内の液体、すなわち記録装置内の液体は、ヘッドに形成された液体の吐出口以外においては空気と接触しないように構成されている。
したがって、吐出される液体を空気を遮断した状態で攪拌できるため、液体固形成分の沈殿および沈降を防止することに加えて、高周波駆動安定性を同時に実現することができる。その結果、デバイス製造に本記録装置を適用した場合でも、さらにデバイス生産性を向上することができる。
本発明に係る記録装置において、上記流路は、上記第1の液体タンクと上記ヘッドとの間の第1の流路、および上記第2の液体タンクと上記ヘッドとの間の第2の流路からなり、上記第1の液体タンクと上記第2の液体タンクとの間を、上記ヘッドを介さずに液体を移送可能に繋ぐ第3の流路をさらに備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、第1の液体タンクと第2の液体タンクとを繋ぎ、ヘッドを介さない第3の流路をさらに具備している。そして、ヘッドを経由せずに第1の液体タンクと第2の液体タンクとの間において液体流を発生させる。これにより、ヘッドからの液体の吐出に影響を与えることなく液体タンク内の液体を攪拌することができるため、例えば、液体タンク内に大量の液体が貯留されており、比較的長時間液体タンク内に液体が留まる場合であっても、効果的に液体に含まれる固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することができる。
本発明に係る記録装置において、上記第1、第2、および第3の流路は、それぞれ弁を有していることが好ましい。
上記の構成によれば、第1、第2、および第3の流路がそれぞれ有する弁を適宜開閉することによって、それぞれの流路内において発生する液体流を制御することができる。すなわち、例えば第1の流路および第2の流路内の弁を閉じ、第3の流路内の弁のみを開くことによって、ヘッドを経由せずに第1の液体タンクと第2の液体タンクとの間において液体流を発生させる。これにより、液体タンク間において液体をより円滑に往復移送することができる。このとき、液体流の発生がヘッドの駆動状態に影響を与えることがないため、任意に液体の攪拌時間、液体の往復移送回数等を設定することができる。したがって、比較的沈降速度が速い粒子を含む液体であっても液体の往復移送回数を多く設定することで濃度が一定の液体を使用することができる。その結果、記録装置が使用できる液体の沈降または沈殿に関する特性範囲を広げることができる。
本発明に係る記録装置において、上記第3の流路の流路抵抗R3は、上記第1の流路の流路抵抗R1および第2の流路の流路抵抗R2の和(R1+R2)よりも小さいことが好ましい。
上記の構成によれば、第3の流路の流路抵抗が、第1の流路の流路抵抗および第2の流路の流路抵抗の和、すなわちヘッドを経由する流路の流路抵抗よりも小さいため、第3の流路内においてより流速のはやい液体流を発生させることができる。これにより、ヘッドの駆動状態に影響を与えることなく、より効果的に液体を攪拌することが可能であり、比較的沈降速度が速い粒子を含有する液体であっても、激しく攪拌することによって濃度が安定した液体を使用することができる。その結果、記録装置が使用できる液体の沈降もしくは沈殿に関する特性範囲を広げることができる。
本発明に係る記録装置において、上記第3の流路を介して上記第1の液体タンクと上記第2の液体タンクとの間において液体を移送するときの上記第1の液体タンクに印加された第1の圧力と上記第2の液体タンクに印加された第2の圧力との差が、上記第1および第2の流路を介して上記第1の液体タンクと上記第2の液体タンクとの間において液体を移送するときの上記第1の液体タンクに印加された第1の圧力と上記第2の液体タンクに印加された第2の圧力との差よりも大きいことが好ましい。
上記の構成によれば、第3の流路において液体流が発生するときの第1および第2の液体タンク間の圧力差が、ヘッドを経由する流路(第1および第2の流路)において液体流が発生するときの第1および第2の液体タンク間の圧力差よりも大きいため、第3の流路内においてより流速の早い液体流を発生させることができる。これにより、ヘッドの駆動状態に影響を与えることなく、より効果的に液体を攪拌することが可能であり、比較的沈降速度が速い粒子を含有する液体であっても、激しく攪拌することによって液体の濃度を安定させることができる。その結果、記録装置が使用できる液体の沈降もしくは沈殿に関する特性範囲を広げることができる。
本発明に係る記録装置は、第1および第2の液体タンク間を繋ぐ流路中に連結されたヘッド内部の液体に対して常に一定の負圧が印加されるように、第1および第2の液体タンクに印加される圧力をそれぞれ制御しているため、複数の液体タンク間において効率よく液体を攪拌しながら、ヘッドから安定して液体を吐出することができる。その結果、濃度が一定の液体を用いて、連続して液体を吐出することが可能である。
(第1の実施形態)
本発明に係る第1の実施形態について、図1を参照して以下に説明する。図1は、本発明に係るインクジェット記録装置のインク供給流路およびインクジェットヘッドのインク室列と直交方向における概略断面図である。図1に示すように、インクジェット記録装置(記録装置)は、第1のインクタンク(第1の液体タンク)10と第2のインクタンク(第2の液体タンク)20の2つのインクタンクを有している。
第1のインクタンク10は、第1の圧力箱12に密閉されて収められた第1のインク袋11を備えている。そして、第1の圧力箱12には、加圧および減圧が可能な第1の圧力調整ポンプ(圧力制御手段)13と、第1の圧力箱12内の圧力を測定する第1の圧力計14が接続されている。
同様に、第2のインクタンク20には、第2の圧力箱22に密閉されて収められた第2のインク袋21を備えている。そして、第2の圧力箱22には、加圧および減圧が可能な第2の圧力調整ポンプ(圧力制御手段)23と、第2の圧力箱内の圧力を測定する第2の圧力計24が接続されている。
また、第1の圧力調整ポンプ13および第2の圧力調整ポンプ23は、それぞれ、第1の圧力箱12および第2の圧力箱22に設定圧力を印加し、さらに設定圧力値を変更した場合、新たな設定圧力を第1の圧力箱12および第2の圧力箱22に印加する。なお、圧力計14および24を圧力箱12および22の圧力値をモニターしながら圧力調整ポンプ13および23をフィードバック制御してもよい。
さらに、第1のインク袋11は、第1のインク供給流路(第1の流路)15に接続され、第2のインク袋21は、第2のインク供給流路(第2の流路)25に接続されている。第1のインク供給流路15および第2のインク供給流路25は、それぞれ個別にインクジェットヘッド(ヘッド)30のインク供給流路接続部31および32に接続されている。
インクジェットヘッド30は、2つの共通インク室33および34を有しており、2つの共通インク室33・34はインクを移送するためにインク室35を経由して連通している。インクジェットヘッド30は、さらに、ノズル孔36が形成されたノズルプレート37を備えており、ノズルプレート37は、インク室35の中央部にノズル孔36が配置されるようにインクジェットヘッド30に接着されている。
また、図1に示すように、インクジェットヘッド30のノズル孔36の高さ位置は、第1のインク袋11および第2のインク袋21が水平に置かれた高さ位置と等しい。インク圧力箱12および22に圧力が印加されていない状態において、インクジェットヘッド30内にインクが充填されたときのノズル孔36に形成されるインクメニスカスにかかる圧力は、第1および第2のインク袋中のインクと水頭差が概ね等しく、概ね大気圧と等しい。
よって、圧力箱12・22に圧力印加を行わない状態では、ノズル孔36に形成されるインクメニスカスは、ノズルプレート37表面に形成された撥水膜によってノズル孔36の外に溢れ出ることもなく、ノズル孔36内に空気を吸い込むこともない。また、本実施形態において、第1のインクタンク10から、インクジェットヘッド30を介して第2のインクタンク20まで繋ぐインク流路の三次元形状は、ノズル孔36の位置を中心として対称となるように設計している。このため、ノズル孔36の位置から第1のインクタンクまでの流路抵抗と、ノズル孔36の位置から第2のインクタンクまでの流路抵抗とは、概ね等しい。
次に、上記のように構成したインクジェット記録装置において、インクジェットヘッド内部を含むインク供給流路にインク流を発生させる方法について説明する。インク充填の初期状態として、第1のインクタンク10のインク袋11には120ccのインク容量に対して約110ccのインクが予め充填されており、第2のインクタンクのインク袋21には120ccのインク容量に対して約10ccのインクが充填されている。インクジェットヘッド30内部、ならびにインク供給流路15および25にもインクが充填されている状態において説明する。
そして、第1のインクタンク10に接続された圧力調整ポンプ13、および第2のインクタンク20に接続された圧力調整ポンプ23を同時に稼動させて、第1の圧力計14および第2の圧力計24の圧力値をモニターしながら圧力調整ポンプ13および23を制御して、第1のインクタンクに外環境圧力(通常は大気圧)に対して+1.0kPaの圧力を印加し、第2のインクタンクに外環境圧力に対して−3.0kPaの圧力を印加する。
第1および第2のインクタンク10・20は、インク供給流路15・25およびインクジェットヘッド30内部の各インク室33・34・35を介して連通している。このため、より高圧側の第1のインクタンク10のインク袋11からインクが流出し、インク供給流路15、共通インク室33、インク室35、共通インク室34、およびインク供給流路25を順次経由して、最終的により低圧側の第2のインクタンク20のインク袋21にインクが流入する。
このとき、インクジェットヘッド30のノズル孔36位置では、ノズル孔36のインクジェットヘッド内部側のインク室35で、図1に示す左から右の矢印方向にインク流が発生しており、ノズル孔36の極近傍を含むインクジェットヘッド30内部の各インク室等のインク流路、およびインク供給流路15・25内のインクはインク流の攪拌効果により、固形成分を含むインクであって固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することができる。
また、インク袋11・21として、例えば2枚のポリエチレンテレフタレートフィルムでアルミニウム箔をラミネートしたフィルムの周囲を熱溶着した袋を用い、この袋の熱溶着部の一部にポリプロピレン製のスパウトを挟み込んでもよい。そして、このスパウト部に、インク供給流路15・25の各インク袋側端部に取り付けた注射針に差し込んで流路接続してもよい。
さらに、インク流路の多くはSUS製配管を使用するため、インク流路の配管、インク袋等を通して、インク袋11・21およびインク供給流路15・25内に空気が浸透および混入することがない。また、空気とインクが触れる構造のインクタンクやインク瓶内でインクの攪拌を行わないため、本発明のインクジェット記録装置では、特にインクに溶存する空気を取り除いた脱気インクを使用する場合、安定に脱気状態を維持することができる。これにより、インクジェットヘッド30の駆動時に生じるインク室35内でのキャビテーションによる気泡発生を防止することができるため、インクジェットヘッド30から、より安定したインク吐出を実現し得る。
また、インク供給流路15・25およびインクジェットヘッド30内部構造によって異なるが、本実施形態においては1.0cc/分のインク流を発生させている。そして、インク袋11には110ccのインクが充填されているため、約110分間でインクがインク袋11外に流出し尽くされてしまう。ここで、インク袋の剛性の影響によって、インク袋内が低圧設定である場合、インク袋内のインク量が満量に近づくに従って、インク袋内のインクに印加される圧力が上昇する。一方、インク袋内が高圧設定である場合、インク袋内のインク残量が減少するに従って、インク袋内のインクに印加される圧力が低下する。このため、インク袋11・21にはインク袋容量の120ccまでインクを流入させることが可能であるが、インク圧力を一定に保つためには、インク袋の容量120ccに対して、10cc以上110cc以下程度の範囲内でインク充填されている必要がある。
本実施形態において、インクジェットヘッド30からのインクの吐出量を考慮しない場合、第1のインク袋11内のインクが、初期状態時の110ccから残量10ccまで流出したとき、または第2のインク袋21に110ccのインクが流入した時点で、第1および第2のインクタンク10・20の圧力を切り替える。すなわち、第1のインクタンク10からインクが流出し始めてから約100分後に、第1のインクタンク10に印加される圧力を+1.0kPaから−3.0kPaに変更し、第2のインクタンク20に印加される圧力を−3.0kPaから+1.0kPaに変更する。
このように圧力を切り替えた後、より高圧側の第2のインクタンク20から、より低圧側の第1のインクタンク10にインクが逆流する。そして、インクジェットヘッド30のからのインクの吐出量を考慮しない場合、第2のインクタンク20からインクが流出し始めてから約100分後に、インクタンクに印加される圧力を同様に切り替える。このような圧力の切り替えを繰り返し行うことによって、第1のインクタンク10と第2のインクタンク20との間でインクが往復移送されるため、インクジェット記録装置内に常時インク流を発生させることができる。
また、ノズル36の位置と第1のインクタンク10との間の流路抵抗と、ノズル36の位置と第2のインクタンク20との間の流路抵抗が等しくなるように構成されているため、インクが流路内を移送されることによる圧力の損失も、往復移送されるインクの往路と復路との間において等しい。このため、ノズル36位置における外環境圧力(通常は大気圧)とインクに印加される圧力との差圧は、第1のインクタンク10の圧力と第2のインクタンク圧力の中間値である−1.0kPaの負圧で常に一定になる。したがって、インクジェットヘッド30において、常に一定の負圧が印加された状態でインクを吐出することができるため、ノズルからのインク溢れを防止し、より安定したインクの吐出を実現することができる。
なお、本実施形態において、最初に第1のインクタンク10に+1.0kPaの圧力を印加し、第2のインクタンク20に−3.0kPaの圧力を印加することによって、インクジェットヘッド30内部のインクに常時−1.0kPaの負圧を印加するように圧力を制御している。第1および第2のインクタンク10・20には、それぞれ正圧および負圧を印加することが可能であるが、インクジェットヘッド30内部のインクに、常に一定の負圧が印加されるため、一方のインクタンクに正圧を印加した場合、他方のインクタンクには比較的大きな負圧を印加する必要がある。また、第1および第2のインクタンク10・20に対して、それぞれ異なる負圧を印加すれば、これらの圧力差によってインクジェットヘッド30内にインク流を発生することが可能であり、かつインクジェットヘッド30内部のインクに常時一定の負圧を印加することができる。
また、圧力計14および24において測定した圧力値に基づいて、圧力調整ポンプ13および23をフィードバック制御することによって、第1のインクタンク10および第2のインクタンク20の圧力を精度良く設定することができる。このため、インクタンク内に印加する圧力の誤差範囲を±0.5kPa以下に抑え、高精度で制御することが可能である。そして、インクジェットヘッド30からの吐出速度を、例えば10m/s±0.2m/s以下の変動幅に抑え、また、インク吐出液滴量を例えば10pl±0.3pl以下の変動幅に抑え得るため、インクを安定して吐出することができる。
このため、本発明のインクジェット記録装置をデバイス製造装置として使用した場合、速度変動による吐出インク滴着弾位置精度、およびインク滴量の変動によるデバイス機能膜の膜厚精度を±3%以下の変動幅に抑制できるため、十分な信頼性とデバイス生産歩留りを実現することができる。
また、第1のインクタンク10および第2のインクタンク20の圧力を切り替えるとき、インクジェットヘッド30内のインクに、各インクタンクに印加される圧力の中間値圧力である負圧(本実施形態の場合−1.0kPa)が印加された状態を維持した上で、徐々に圧力変更を行うことで、圧力切り替え時においてもインクジェットヘッド30のインク圧力を一定負圧に保つことができる。このため、連続的に稼動するデバイス生産装置であっても、圧力切り替えのために装置稼動(インク吐出)を停止する必要がなく、装置稼動とインクジェットヘッド30のインク供給系の制御とを同期させて制御する必要がない。その結果、インクジェット記録装置の管理性を向上させることができる。
圧力切り替えの一時点において、第1のインクタンク10に印加される圧力と、第2のインクタンク20に印加される圧力と同一になり、インクジェットヘッド30内のインクに印加される圧力も同一になるとき、インクジェット記録装置内のインク流は完全に停止する。しかしながら、インク流の停止は、圧力切り替えの一時点の非常に短い時間であるため、比較的沈降速度が速い大粒径のプラスチックビーズを含むようなインクであっても、インク濃度に大きなばらつきは生じず、大きな問題を引き起こすことはない。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について、図2を参照して以下に説明する。図2は、本発明のインクジェット記録装置の第2の形態を示す概略断面図である。図2に示すように、本実施形態に係るインクジェット記録装置は、第1の実施形態と同様に、第1のインクタンク10および第2のインクタンク20を備え、さらに第3のインクタンク10’および第4のインクタンク20’を備えている。
第3のインクタンク10’は、インクジェットヘッド30を中心として第1のインクタンク10側に設けられており、第4のインクタンク20’は、インクジェットヘッド30を中心として第2のインクタンク20’側に設けられている。第3のインクタンク10’および第4のインクタンク20’は、第1のインクタンク10および第2のインクタンク20と同様に、圧力箱、インク袋、圧力調整ポンプ、および圧力計を備えている。
第3のインクタンク10’のインク袋は第3の流路18に接続され、第3の流路18は第1の流路配管19において、第1の流路15に合流している。同様に、第4のインクタンク20’のインク袋は第4の流路28に接続され、第4の流路28は第2の流路配管29において、第2の流路25に合流している。第1の流路配管19はインク供給流路31を介してインクジェットヘッド30に接続され、第2の流路配管29はインク供給流路32を介してインクジェットヘッド30に接続されている。これにより、第1〜4のインクタンクは、インクジェットヘッド30を介して、それぞれ相互にインクの移送が可能なように接続されていることになる。
さらに、第1の流路15は第1の二方弁(弁)16を備え、第2の流路25は第2の二方弁26を備えている。同様に、第3の流路18は第3の二方弁17を備え、第4の流路28は第4の二方弁27を備えている。これにより、各流路が備える二方弁を開閉させることによって、いずれのインクタンク間においてインク流を発生させるかを制御することができる。例えば、第1のインクタンク10と第2のインクタンク20を使用してインク流を発生させているとき、第1の二方弁16と第2の二方弁26は開いているが、第3の二方弁17と第4の二方弁27は閉じている。そして第1のインクタンク10内のインクが全て第2のインクタンク20に移送される前に、第1の二方弁16および第2の二方弁26の閉塞と、第3の二方弁17および第4の二方弁27の開放とを同時に行うことによって、第3のインクタンク10’と第4のインクタンク20’との間にインク流を発生させる。これによりインク流を停止させることなく、連続して発生させることができるため、より確実にインクに含まれる固形成分の沈殿および沈降を防止することができる。
第2の実施形態に係るインクジェット記録装置は、インク溶媒蒸発等の要因によってインク固形分濃度がインクジェットヘッド30内部で上昇し、インクの固形成分の沈殿や沈降が起こり易い場合に、特に有用である。
また、インクタンクのインク袋内のインクは比較的インク流速が低いため、インク袋内部でインクの固形成分の沈殿や沈降が発生する場合がある。このため、スターラー(図示せず)等をインクタンク下部に設置し、インク袋内に図示しない攪拌用のフッ素樹脂コーティングされたマグネットを予め入れておいてもよい。これにより、インクジェット記録装置が稼動中であるか否かにかかわらずインク袋内のインクを攪拌し続けることができる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について、図3を参照して以下に説明する。図3は、本発明のインクジェット記録装置の第3の形態を示す概略断面図である。図3に示すように、本実施形態に係るインクジェット記録装置は、第1の実施形態と同様に、第1のインクタンク10および第2のインクタンク20を備えている。そして、第1のインクタンク10は、第1の供給経路15に接続され、インクジェットヘッド30のインク供給流路接続部31に接続されている。また、第2のインクタンク20は、第2の供給経路25を介してインクジェットヘッド30のインク供給流路接続部32に接続されている。すなわち、第1のインクタンク10と第2のインクタンク20とは、インクジェットヘッド30を介して、互いにインクの移送が可能なように連通している。
さらに、本実施形態に係るインクジェット記録装置は、第1のインクタンク10と第2のインクタンク20とを連通するインク攪拌流路40を備えている。インク攪拌経路40は、第1のインクタンク10と第2のインクタンク20とをインクジェットヘッド30を介さずに直接繋いでおり、二方電磁弁41を備えている。そして、第1のインク供給流路15は二方電磁弁16を備え、インク供給流路25に設置された二方電磁弁26を備えている。
通常、インクジェットヘッドを駆動させてインクを吐出しているときは、二方電磁弁41を閉じて、二方電磁弁16および26を開いた状態にする。このとき、第1のインクタンク10と第2のインクタンク20とに印加される圧力の差によって、インクジェットヘッド30内のインク室35を含むインク供給流路内にインク流を発生させながら、第1のインクタンク10に印加される圧力と第2のインクタンク20に印加される圧力との間の範囲内の圧力をインクジェットヘッド内のインクに印加し、インクを吐出する。
本実施形態に係るインクジェット記録装置においては、定期的に、電磁弁41を開き、第1のインクタンク10と第2のインクタンク20との圧力差を利用して、インク攪拌流路40においてインクを移送させる。このように、インクジェットヘッド内部を含むインク供給流路にインクを流さずに、インク流を発生させる。これにより、インクタンク内のインクの攪拌を効率よく行うことができる。
このとき、第1および第2の流路中の電磁弁16および26を閉じることによって、インク袋11および12内のインクをインク攪拌流路を介して勢い良く移送することができる。このため、インク袋内のインクの攪拌をより効果的に行うことが可能であり、より確実に固形成分を含むインクにおける固形成分の沈殿および沈降を防止し、安定なインク吐出を行うことができる。また、インク攪拌流路40を通じて高圧側から低圧側のインクタンクにインク流を発生させてインクを攪拌する際、インクタンクの圧力の切り替えを繰り返すことによって、インク攪拌流路40においてインクを往復移送することによって、継続的にインク流を発生させることもできる。
また、電磁弁16および26が閉じており、インクジェットヘッドへの圧力影響が無いため、インク攪拌流路40において流速のより速いインク流を発生させることができる。すなわち、インクジェットヘッドを含むインク供給流路内におけるインク移送時よりも、インクタンク内の低圧側の圧力をより低圧設定に、高圧側の圧力をより高圧設定にし、圧力差を大きくすることによって、より速いインク流を発生させてもよい。したがって、より効果的にインク袋内インクを攪拌することができる。
さらに、インク攪拌流路40におけるインク流の流速をより早くするために、インクタンク間の圧力差をより大きく設定する構成のほかに、インク攪拌流路40の流路抵抗を第1のインク供給流路、インクジェットヘッド30内および第2のインク供給流路を含むインク供給流路内の流路抵抗よりも小さくする構成を採用してもよい。この構成によっても、短時間に大量のインクがインク袋に流入および流出するため、効果的にインクを攪拌することができる。
そして、インク攪拌流路40を介した定期的なインクの攪拌が完了した後、電磁弁41を閉じ、一方のインク袋(120cc容量)に10cc以上の少量のインクを残して低圧設定(−3.0kPa)とし、他方のインク袋(120cc容量)に110cc以下の比較的大量のインクを残して高圧設定(+1.0kPa)とする。この状態において、電磁弁16および26を同時に開けば、通常のインクジェットヘッド30内部を含むインク供給流路にインク流を発生させる状態に戻せばよい。
また、本実施形態のインクジェット記録装置では、第1のインクタンク10からインクジェットヘッド30を通過し、第2のインクタンク20に流れるインク流を発生させた後、第1のインクタンク内のインクが尽きる前に電磁弁16および26を閉じ、電磁弁41を開いて圧力を切り替えれば、インク攪拌流路40を介して第2のインクタンク内のインクを第1のインクタンクに戻すことができる。これにより、インクジェットヘッド内部を含むインク供給流路のインク流を一方向に固定することが可能である。その結果、インク供給流路内のインク流の流路抵抗が、上流と下流とでそれぞれ異なる場合であっても、一定のインク流を発生させることができるため、インクジェットヘッド30での一定負圧制御をより安定して行うことができる。
ここで、本発明のインクジェット記録装置に搭載されたインクジェットヘッド30の構成について図1を参照して説明する。インクジェットヘッド30は、図示しない2枚の圧電基板を分極方向が向かい合った状態で接着し、図1の奥行き方向に複数列の溝加工を施して構成される。この1つの溝(インク室35)の内側に駆動用電極としてCu等の電極材料をスパッタリング技術を用いて成膜し、外部回路と駆動用電極を図示しないフレキシブルプリント基板等と異方性導電接着剤等を用いて電気的に接続させる。インク室35は、インク流が発生する図1に示す左右方向に延びた2つのチャンネル壁およびノズルプレート37に囲まれ、2つの共通インク室33および34に連通している。
インク室35内の向かい合うチャンネル壁の内側に形成された電極に電界を印加すると、向かい合う2枚の圧電材料を接着して形成されたチャンネル壁の深さ方向中央部でせん断モード駆動してチャンネル壁が「く」の字に変形し、インク室35内でインクの圧力波を発生させる。これにより、インクにエネルギーを付与し、チャンネル壁上面に接着されたノズルプレート37に形成されたノズル孔36からインク液滴を吐出する構成である。
(第4の実施形態)
上述の実施形態においては、インク圧力室を含むインク供給流路内でインク流を発生させているが、圧電シェアモード型インクジェットヘッドにおいて、上記のトップシュータータイプヘッド(ルーフシュータータイプヘッド)以外に、図4に示すような1つの共通インク室から複数のインク室が延長したサイドシュータータイプヘッド(エッジシュータータイプヘッド)、サーマルインクジェットヘッド、積層型圧電インクジェットヘッド等が適用可能である。本発明を用いれば、印刷やデバイス製造のための成膜工程において高精度な印刷、製造デバイスの信頼性向上およびデバイス生産歩留りの向上を実現することができる。
本発明の第4の実施形態について、図4を参照して以下に説明する。図4は、圧電シェアモード駆動するサイドシューターヘッドとインク供給流路を、インク室列と平行な方向に切断したときの概略断面図である。図4に示すように、インクジェットヘッド30に、複数のインク室38が1つの共通インク室39から延長して並列に並んでおり、インク室38において共通インク室39側とは対極側の先端にノズル36が形成されたノズルプレート37が接着されている。インク室38は圧電材料であるチャンネル壁と図示しないカバー部材とに囲まれており、トップシュータータイプヘッドと同様にチャンネル壁のインク室39内表面の電極に電圧印加することによって、チャンネル壁をシェアモード変形させることでインク室39内にインク衝撃波を発生させてインクを吐出する。
図4に示すインクジェット記録装置において、第1および第2のインクタンク10・20間の圧力差によって発生するインク流は、インクジェットヘッド30内部の共通インク室39を図4に示す矢印方向に流れる。このため、直接的にはインク室38内にインク流を発生させることはできない。しかしながら、実質的にはインク室38内のインクはインクの吐出によって比較的短時間でノズル孔36から排出されるため、インク室38の極近傍の共通インク室39におけるのインク流によって、十分にインクを攪拌することができる。その結果、デバイス製造における成膜工程や印刷工程において、十分なインク吐出信頼性を確保することができる。
また、上述した各実施形態においては、インク袋とインクジェットヘッドとの高さ位置を同一としたが、インク袋をインクジェットヘッドよりも高い位置に配置しても良く、また複数のインクタンク内のインク袋が異なった位置に配置されていてもよい。インクジェットヘッドのノズル位置から各インク袋までの水頭差分の圧力が余計に印加されることになるが、インクタンクとインクジェットヘッドとが同一高さ位置にある場合の設定圧力から水頭差分の圧力を差し引いて補正し、各インクタンクの圧力調整を行うことで良好にインク流を発生させることができる。
さらに、上述した各実施形態においては、圧力制御手段として圧力調整ポンプを用いてインクタンク内の圧力の切り替えを行ったが、インクジェットヘッドのノズル高さ位置に対して、複数のインクタンクの高さ位置をそれぞれ制御することによって、各インクタンクからヘッドまでの水頭差を利用してインク流を発生させることもできる。例えば、大気圧に対して−15cmHO(−15cmインク)の一定負圧をノズル位置に印加する場合、インクジェットヘッドおよび第1のインクタンク間の流路抵抗と、インクジェットヘッドおよび第2のインクタンク間の流路抵抗とが略同一であるとき、第1のインクタンクをノズル位置よりも10cm高い位置に配置し、第2のインクタンクをノズル位置よりも40cm低い位置に配置することで所望の圧力差を発生させることができる。このとき圧力制御手段としては、インクタンクの高さ位置をノズル位置原点に対して上下移動させるスライダー機構等が担うこととなる。
また、上述した各実施形態においては、複数のインクタンクからインクジェットヘッドまでの各インク流路の流路抵抗を略同一とした構成であるが、インクジェットヘッドから各インクタンクまでのインク供給流路の流路抵抗が異なる構成であっても、各インク流路の三次元的な形状から流路抵抗を算出し、または個別のインク流路に試験的にインクを流して流路抵抗(圧力損失)を実験的に求めてもよい。複数のインク供給流路の各流路抵抗が、インク流路に対してどのように影響するか(インクジェットヘッド位置に対してインク流上流か、またはインク流下流か)を考慮することによって、インク流の往路および復路における圧力設定値を調整し、常時インクジェットヘッドに一定負圧を印加した状態でインク流を発生させることができる。
インクを効果的に攪拌するために、インクジェットヘッドからインクを吐出することによるインク消費に対して、インク流路内に十分なインク流量を確保することが望ましい。本発明に係るインクジェット記録装置をデバイス製造工程に適用し、連続稼動したとき、プラスチックビーズを含有するインクのインク供給流路で最も狭い部分である注射針(内径φ0.8mm×10mm長)および電磁弁(φ1.0×屈曲を含む12mm長)での目詰まり不良が発生するまでのエイジング試験結果を表1に示す。
Figure 2008213281
表1に示すように、インクの流出による比較的大量のインク流(0.5cc/分)が装置内に発生する場合であっても、流路内にインク流が発生させていない状態では、装置の稼動から7日目にインクに含まれる固形成分の沈殿や沈降が生じ、装置を連続稼動するのに適さないことが分かった(試験1)。また、インクの流出量を試験1と同一とし(0.5cc/分)、流出量と同じ流量のインク流を発生させた場合、注射針または電磁弁において目詰まりが生じるまでの期間は延長するが、装置の稼動から10日目には目詰まりが生じ、装置の連続稼動には適さなかった(試験2)。
そこで、試験3においては、インクの流量をインクの流出量の2倍(1.0cc/分)にし、上記と同様に稼動から目詰まりするまでの期間を試験した。このとき、装置の稼動から90日後には目詰まりが発生したが、約60日毎に装置をメンテナンスし、目詰まりを解消させることで、装置の連続稼動に適合させることが可能であった。さらに、試験4においては、インクの流出量の3倍のインク流量(1.5cc/分)のインク流を発生させたとき、目詰まりするまでの期間はさらに延長し、稼動から230日目まで目詰まりせず、約200日毎の装置メンテナンスによって、装置を有効に連続稼動させることができた。
また、試験5および試験6において、インクの流量をインクの流出量の10倍(5.0cc/分)および20倍(10.0cc/分)にしたとき、試験期間中においては目詰まりせず、正確なメンテナンス頻度を算出することはできないが、長期の連続稼動に適していると判断できる。上記の試験結果から、装置を連続稼動するとき、少なくともインク流出量の2倍以上のインク流量のインク流を発生させることが望ましく、3倍以上のインク流量のインク流を発生させることがさらに望ましい。また、インク流出量の10倍以上インク量のインク流を発生させることで、デバイス製造装置として長期の連続稼動に十分耐え得るインク含有固形成分の沈殿および沈降を防止効果が実現することができる。
なお、本発明に係るインクジェット記録装置は上述した実施の形態に限定されるものではなく、インクジェットヘッドとインク供給流路を具備したインクジェット記録装置において、複数のインクタンク、複数のインクタンクに異なった圧力を発生させる圧力発生手段、および圧力切り替え手段を具備することで同様の特性効果を発揮するものである。
(本発明の効果)
本発明による効果を以下のように表現することもできる。
(1)インクを吐出させるインクジェットヘッドを有する記録装置において、該インクジェットヘッドとインク流路と通じて接続される複数のインクタンクと、該複数のインクタンクに異なった圧力を発生させる手段を有し、かつ、複数のインクタンクの圧力を切り替える圧力切り替え手段を有するため、複数のインクタンク内のインクに異なった圧力(水頭差レベル)を印加することができるため、複数のインクタンク間に生じるインク圧力差(水頭差)によって、高い圧力を印加されたインクタンク(水頭差がより高いインクタンク)から低い圧力を印加されたインクタンク(水頭差がより低いインクタンク)へとインクタンク間で連通するインク流路をインクが流れる。このとき、複数のインクタンク間を連通するインク流路は、インクジェットヘッド内部のインク流路、具体的には共通インク室やインク加圧室などのインク流路を含む構成であるため、前述したインクの流れはインク流路およびインクジェットヘッド内部のインクが存在するすべての領域でインク流を発生させることができるので、使用するインクが固形成分を含むインクであっても固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することができる。また、複数のインクタンクに印加する圧力を切り替えてインクの圧力を変更する手段を有するため、高い圧力のインクタンクのインクが低い圧力のインクタンクのインクに流出し尽くされる前に圧力変更することができ、高い圧力だったインクタンクに低い圧力を印加するように、一方低い圧力だったインクタンクに高い圧力を印加するように複数のインクタンクのインク圧力を変更することで、常時インクジェットヘッド内部のインク流路を含むすべてのインク供給流路にインク流を発生させることができるため、効果的にインク流によるインクの攪拌を行うことができる。また、インク流が停止するのは複数のインクタンクのインク圧力がすべて全く等しいときのみであり、ほとんどインク流が停止することが無いため、効果的にインクに含まれる固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することができ、特にインクタンクが2つ以上の場合はすべてを同圧力としないでインクタンク圧力の切り替えを行うことでインク流の停止状態を完全に回避することができる。
(2)前記インクジェット記録装置は、前記インクジェットヘッドの第1のインク流路接続部および第2のインク流路接続部、該第1のインク流路接続部に連通する第1のインクタンクおよび該第2のインク流路接続部に連通する第2のインクタンクを具備し、第1のインクタンクと第2のインクタンクとを繋ぐインク流路の間に位置する該インクジェットヘッドは、該インクジェットヘッドから第1のインクタンクまでのインク流路における流路抵抗R1および第2のインクタンクまでのインク流路における流路抵抗R2を略同一とし、第1のインクタンク内インクに一定圧力P1と第2のインクタンク内インクに一定圧力P2のインク圧力を印加し、P1とP2の中間値圧力P3を常に該インクジェットヘッド内部のインクに印加するため、(1)と同様にインクの流れはインク流路およびインクジェットヘッド内部のインクが存在するすべての領域でインク流を発生させることができるので、固形成分を含むインクであっても固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することができる。また、第1および第2のインクタンクからインクジェットヘッドまでのインク流路の構造(流路長、流路断面積および屈曲形状等の三次元構造)を略同一とすることで流路抵抗を略同一としているため、実際のインク供給流路の流路抵抗値を求めなくとも、インクジェットヘッドに印加されている圧力が第1および第2のインクタンクのインク圧力の中間値となり、インクジェットヘッド内のインク圧力設定が容易であるため、インクジェット記録装置のインク圧力制御を簡便に行うことができ、インクジェット記録装置の保守管理性が向上する。
(3)前記インクジェット記録装置は、前記第1のインクタンク内インクに一定圧力P1と前記第2のインクタンク内インクに一定圧力P2のインク圧力を印加し、P1とP2の中間値圧力P3を常に該インクジェットヘッド内部のインクに印加しているときに該インクジェットヘッドを駆動させてインク吐出を行うため、(1)と同様にインクの流れはインク流路およびインクジェットヘッド内部のインクが存在するすべての領域でインク流を発生させることができるので、固形成分を含むインクであっても固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することができる。また、2つのインクタンク間でインクジェットヘッド内部を含むインク流路にインク流を発生させている状態で、かつ一定圧力P3をインクジェットヘッドに常時印加している状態でインクジェットヘッドを駆動させてインク吐出を行うため、インクに含まれる固形成分の凝集沈殿および沈降を防止し、かつ一定インク圧力でのインクジェットヘッド駆動による吐出速度および吐出体積等のインク吐出特性を安定化させることができ、デバイス製造プロセスでのデバイス生産歩留り向上が実現できる。
(4)前記インクジェット記録装置は、第1のインクタンク内インクに一定圧力P1と第2のインクタンク内インクに一定圧力P2のインク圧力を印加し、P1とP2の圧力差によって第1もしくは第2のインクタンクからインクを流出させ、かつ第2もしくは第1のインクタンクにインクを流入させながらP1とP2との間の一定圧力値P3をインクジェットヘッド内のインク圧力として保持し、第1もしくは第2のインクタンクのインクが尽きる以前に、第1のインクタンク内インクに一定圧力P2と第2のインクタンク内インクに一定圧力P1を印加し、インクジェットヘッド内のインク圧力をP3とするように第1のインクタンクのインク圧力と第2のインクタンクのインク圧力を各々2段階で設定圧力を切り替えて、第1および第2のインクタンクとの間でインクを往復流動させるため、(1)と同様にインクの流れはインク流路およびインクジェットヘッド内部のインクが存在するすべての領域でインク流を発生させることができるので、固形成分を含むインクであっても固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することができる。また、高いインク圧力のインクタンクから低いインク圧力のインクタンクへとインクを流す際、高いインク圧力のインクタンク内のインクが無くなる前に、高いインク圧力のインクタンクに低い圧力変更を行い、同時に低いインク圧力のインクタンクに高い圧力変更を行って、2つのインクタンク間でインクが往復移動するようにインク流を発生させることができるため、インク流をほとんど停止することなく確実に発生させることができ、効率的なインクの攪拌を実現することができる。
(5)前記インクジェット記録装置は、第1および第2のインクタンクのインク圧力をP1とP2の2段階に設定し、交互に他のインクタンクのインク圧力になるようにインクタンクのインク圧力を切り替える過程において、第1および第2のインクタンクのインク圧力の中間値圧力P3を保持しながら第1および第2のインクタンクのインク圧力を変化させ、インクタンク設定圧力を切り替える過程においてインクジェットヘッド内のインク圧力P3を保持するため、(1)と同様にインクの流れはインク流路およびインクジェットヘッド内部のインクが存在するすべての領域でインク流を発生させることができるので、固形成分を含むインクであっても固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することができる。また、2つのインクタンクの圧力を切り替える際、インクジェットヘッド内インクの圧力を常時P3となるように各々のインクタンクのインク圧力のバランスを取りながら同時に圧力変更し始め、第1のインクタンクの圧力値と第2のインクタンクの圧力値およびインクジェットヘッド内インクの圧力値がすべてP3(インクタンクおよびインクジェットヘッド取り付け位置に高低差(水頭差)がある場合は、水頭差を考慮した圧力設定が必要となる)となる段階を経て圧力切り替えを行うことで、インクジェットヘッドはインク圧力切り替え時においても一定圧力が印加された状態を保持することができて常時インクジェットヘッドが一定圧力条件で吐出可能であるため、インクタンクのインク流を発生させる機構およびインク供給系の圧力制御とインクジェットヘッドの駆動制御とを連携動作もしくは同期動作させる必要が全く無く、インクジェット記録装置の保守管理性が向上する。
(6)前記インクジェット記録装置は、前記インクジェットヘッドの第1のインク流路接続部および第2のインク流路接続部、該第1のインク流路接続部に連通する第1のインクタンクおよび該第2のインク流路接続部に連通する第2のインクタンクを具備し、第1のインクタンクと第2のインクタンクとを繋ぐインク流路の間に位置する該インクジェットヘッドは、該インクジェットヘッドから第1のインクタンクまでのインク流路における流路抵抗R1および第2のインクタンクまでのインク流路における流路抵抗R2とし、第1のインクタンク内インクにP4>P3’となる一定圧力P4と第2のインクタンク内インクにP5<P3’となる一定圧力P5のインク圧力を印加し、第1のインクタンクから第2のインクタンクにインクの流れを発生させ、かつ第1のインクタンク内インクにP6<P3’となる一定圧力P6と第2のインクタンク内インクにP7>P3’となる一定圧力P7のインク圧力を印加し、第2のインクタンクから第1のインクタンクにインクの流れを発生させるとき、該インクジェットヘッド内部のインク圧力をP3’とし、(P4−P3’)/R1=(P3’−P5)/R2かつ(P3’−P6)/R1=(P7−P3’)/R2の関係をもつP4とP6を第1のインクタンクのインク圧力として2段階の圧力設定をもち、P5とP7を第2のインクタンクのインク圧力として2段階の圧力設定をもち、第1と第2のインクタンクのインク圧力を各々異なる2段階の圧力設定で切り替える圧力切り替え手段を有するため、(1)と同様にインクの流れはインク流路およびインクジェットヘッド内部のインクが存在するすべての領域でインク流を発生させることができるので、固形成分を含むインクであっても固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することができる。また、様々な制約によってインクジェットヘッドから延長した2つのインクタンクに通じる2つのインク流路の形状が異なった場合でも、安定したインク流によるインク攪拌とインクジェットヘッド内インクへの一定圧力印加を実現することができる。
(7)前記インクジェット記録装置は、前記第1のインクタンク内インクに一定圧力P4もしくはP6と前記第2のインクタンク内インクに一定圧力P5もしくはP7のインク圧力を印加し、一定圧力P3’を常に該インクジェットヘッド内部のインクに印加しているときに該インクジェットヘッドを駆動させてインク吐出を行うため、(1)と同様にインクの流れはインク流路およびインクジェットヘッド内部のインクが存在するすべての領域でインク流を発生させることができるので、固形成分を含むインクであっても固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することができる。また、(3)と同様に2つのインクタンク間でインクジェットヘッド内部を含むインク流路にインク流を発生させている状態で、かつ一定圧力P3’をインクジェットヘッドに常時印加している状態でインクジェットヘッドを駆動させてインク吐出を行うため、インクに含まれる固形成分の凝集沈殿および沈降を防止し、かつ一定インク圧力でのインクジェットヘッド駆動による吐出速度および吐出体積等のインク吐出特性を安定化させることができ、デバイス製造プロセスでのデバイス生産歩留り向上が実現できる。
(8)前記インクジェット記録装置は、第1のインクタンク内インクに一定圧力P4もしくはP6と第2のインクタンク内インクに一定圧力P5もしくはP7のインク圧力を印加し、P4とP5もしくはP6とP7の圧力差によって第1もしくは第2のインクタンクからインクを流出させ、かつ第2もしくは第1のインクタンクにインクを流入させながら一定圧力値P3’をインクジェットヘッド内のインク圧力として保持し、第1もしくは第2のインクタンクのインクが尽きる以前に、第1のインクタンク内インクに一定圧力P4からP6へのもしくはP6からP4への圧力切り替えと第2のインクタンク内インクに一定圧力P5からP7へのもしくはP7からP5への圧力切り替えを行い、インクジェットヘッド内のインク圧力をP3’とするように第1のインクタンクのインク圧力と第2のインクタンクのインク圧力を各々2段階で設定圧力を切り替えて、第1および第2のインクタンクとの間でインクを往復流動させるため、(1)と同様にインクの流れはインク流路およびインクジェットヘッド内部のインクが存在するすべての領域でインク流を発生させることができるので、固形成分を含むインクであっても固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することができる。また、(4)と同様に高いインク圧力のインクタンクから低いインク圧力のインクタンクへとインクを流す際、高いインク圧力のインクタンク内のインクが無くなる前に、高いインク圧力のインクタンクに低い圧力変更を行い、同時に低いインク圧力のインクタンクに高い圧力変更を行って、2つのインクタンク間でインクが往復移動するようにインク流を発生させることができるため、インク流をほとんど停止することなく確実に発生させることができ、効率的なインクの攪拌を実現することができる。
(9)前記インクジェット記録装置は、第1および第2のインクタンクのインク圧力を各々P4とP6およびP5とP7の2段階に設定し、インクタンクのインク圧力を切り替える過程において、該インクジェットヘッド内のインクに一定圧力P3’を保持しながら第1および第2のインクタンクのインク圧力を変化させるため、(1)と同様にインクの流れはインク流路およびインクジェットヘッド内部のインクが存在するすべての領域でインク流を発生させることができるので、固形成分を含むインクであっても固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することができる。また、(5)と同様に2つのインクタンクの圧力を切り替える際、インクジェットヘッド内インクの圧力を常時P3’となるように各々のインクタンクのインク圧力のバランスを取りながら同時に圧力変更し始め、第1のインクタンクの圧力値と第2のインクタンクの圧力値およびインクジェットヘッド内インクの圧力値がすべてP3(インクタンクおよびインクジェットヘッド取り付け位置に高低差(水頭差)がある場合は、水頭差を考慮した圧力設定が必要となる)となる段階を経て圧力切り替えを行うことで、インクジェットヘッドはインク圧力切り替え時においても一定圧力が印加された状態を保持することができて常時インクジェットヘッドが一定圧力条件で吐出可能であるため、インクタンクのインク流を発生させる機構およびインク供給系の圧力制御とインクジェットヘッドの駆動制御とを連携動作もしくは同期動作させる必要が全く無く、インクジェット記録装置の保守管理性が向上する。
(10)前記インクジェット記録装置は、前記インクジェットヘッド内部のインク圧力を負圧に設定するため、(1)と同様にインクの流れはインク流路およびインクジェットヘッド内部のインクが存在するすべての領域でインク流を発生させることができるので、固形成分を含むインクであっても固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することができる。また、インクジェットヘッド内部のインクに負圧を印加するため、インクジェットヘッドに配置されたノズル先端に形成されたインクのメニスカスは、ノズルの外側が撥液性を有するように表面処理がなされ、かつノズル内部は親液性であるノズルである場合、ヘッドのインク圧力が正圧であるとインクジェットヘッドのインク吐出やインク吐出後のインクメニスカスの残留振動によってノズルの外側にインクが異常に溢れ出ることを防止することができ、安定なインクジェット記録を行うことができ、インクジェット記録装置を用いたデバイス製造においてデバイス生産歩留りを向上させることができる。
(11)前記インクジェット記録装置は、前記インクジェットヘッド内部のインク圧力P3もしくはP3’は、設定圧力に対して±0.5kPaの範囲で保持されるため、(1)と同様にインクの流れはインク流路およびインクジェットヘッド内部のインクが存在するすべての領域でインク流を発生させることができるので、固形成分を含むインクであっても固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することができる。また、インクジェットヘッド内部を含むインク流路のインク流によるインク攪拌を行いながら、±0.5kPaの範囲でインクジェットヘッド内インクの圧力を制御するため、インクジェットヘッドの駆動条件を変更しなくともインク吐出速度で±2%程度、インク吐出体積で±3%程度のインク吐出安定性を確保することができ、インクジェット記録装置を用いたデバイス製造工程においてデバイス生産歩留りを向上させることができる。
(12)前記インクジェット記録装置は、前記インクジェットヘッド内部における複数インクタンク間のインク圧力差による単位時間当たりのインク流量は、インクジェットヘッドのインク吐出による単位時間当たりのインク消費量の2倍以上であるため、(1)と同様にインクの流れはインク流路およびインクジェットヘッド内部のインクが存在するすべての領域でインク流を発生させることができるので、固形成分を含むインクであっても固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することができる。また、インクジェットヘッドの駆動によってインク吐出を行い、インク供給流路でインク流を発生させて循環すべきインクをインク吐出によって消費した場合でも、十分なインク流を確保することができるため、より安全にインクに含まれる固形成分の沈殿や沈降を防止することができる。
(13)前記インクジェット記録装置は、複数のインクタンク内のインクはインクジェットヘッドのノズル孔部以外で空気と接触しない構造であるため、(1)と同様にインクの流れはインク流路およびインクジェットヘッド内部のインクが存在するすべての領域でインク流を発生させることができるので、固形成分を含むインクであっても固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することができる。また、使用インクがインクタンクおよびインク流路のインク供給系において空気と接触することがないため、脱気インクを安定に使用することができ、空気を遮断した状態でインク攪拌を行えるため、インク固形成分の沈殿および沈降を防止することと高周波駆動安定性を同時に実現することができ、デバイス製造に本インクジェット記録装置を適用した場合でも、さらにデバイス生産性を向上することができる。
(14)前記インクジェット記録装置は、該インクジェットヘッドと第1のインクタンクとを接続する第1のインク流路に設けた第1の二方弁と、該インクジェットヘッドと第2のインクタンクとを接続する第2のインク流路に設けた第2の二方弁と、該インクジェットヘッドを介さず第1および第2のインクタンクを連通する第3のインク流路と、第3のインク流路に設けた第3の二方弁と、を有するため、(1)と同様にインクの流れはインク流路およびインクジェットヘッド内部のインクが存在するすべての領域でインク流を発生させることができるので、固形成分を含むインクであっても固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することができる。また、第1のインクタンクと第2のインクタンクとを繋ぐインクジェットヘッドを経由しない第3のインク流路を具備しているため、定期的に第1および第2の二方弁を閉じ、第3の二方弁を開き、インクジェットヘッドを経由せずに第1のインクタンクと第2のインクタンクとの間でそれぞれのインクタンク圧力差を利用してインク流を発生させることで、比較的長時間インク流が緩やかな状態が継続するインクタンク内のインクを選択的に攪拌することができ、より効果的にインクが存在するすべての領域において固形成分を含むインクであっても固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することができる。
(15)前記インクジェット記録装置は、定期的に前記第1および第2のインクタンクを連通する第3のインク流路に設けた第3の二方弁を開き、該インクジェットヘッドと第1のインクタンクとを接続する第1のインク流路に設けた第1の二方弁を閉じ、該インクジェットヘッドと第2のインクタンクとを接続する第2のインク流路に設けた第2の二方弁を閉じ、第1および第2のインクタンク内のインクを片方向もしくは交互に移送するため、(1)および(14)と同様にインクの流れはインク流路およびインクジェットヘッド内部のインクが存在するすべての領域でインク流を発生させることができるので、固形成分を含むインクであっても固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することができる。また、第1のインクタンクと第2のインクタンクとを繋ぐインクジェットヘッドを経由しない第3のインク流路を具備しているため、定期的に第1および第2の二方弁を閉じ、第3の二方弁を開き、インクジェットヘッドを経由せずに第1のインクタンクと第2のインクタンクとの間でそれぞれのインクタンク圧力差を利用してインク流を発生させることで、比較的長時間インク流が緩やかな状態が継続するインクタンク内のインクを選択的に攪拌することができ、より効果的にインクが存在するすべての領域において固形成分を含むインクであっても固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することができる。さらに、第1のおよび第2のインクタンクの圧力切り替え手段を用いて、それぞれのインクタンクに高圧力および低圧力を交互に切り替え印加することで、インクタンク間をインクが往復移動するため、任意にインクタンクのインク攪拌時間もしくはインク移送往復回数を設定することができるため、比較的沈降速度が速い粒子含有インクであってもインク往復回数を多く設定することで安定にインクを使用することができ、インクジェット記録装置が使用できるインクの沈降もしくは沈殿に関する特性範囲を広げることができる。
(16)前記インクジェット記録装置は、前記第1および第2のインクタンクを連通する第3のインク流路の流路抵抗R3が該インクジェットヘッドと第1のインクタンクとを接続する第1のインク流路の流路抵抗R1および該インクジェットヘッドと第2のインクタンクとを接続する第2のインク流路の流路抵抗R2の和(R1+R2)よりも小さいため、(1)および(14)同様にインクの流れはインク流路およびインクジェットヘッド内部のインクが存在するすべての領域でインク流を発生させることができるので、固形成分を含むインクであっても固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することができる。また、第1のインクタンクと第2のインクタンクとを繋ぐインクジェットヘッドを経由しない第3のインク流路を具備しているため、定期的に第1および第2の二方弁を閉じ、第3の二方弁を開き、インクジェットヘッドを経由せずに第1のインクタンクと第2のインクタンクとの間でそれぞれのインクタンク圧力差を利用してインク流を発生させることで、比較的長時間インク流が緩やかな状態が継続するインクタンク内のインクを選択的に攪拌することができ、より効果的にインクが存在するすべての領域において固形成分を含むインクであっても固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することができる。さらに、第1および第2のインクタンクをインクジェットヘッドを経由せず連通する第3のインク流路の流路抵抗が、インクジェットヘッドを経由するインク流路の流路抵抗よりも小さいため、第3のインク流路にインク流を発生させる際には大きなインク流速を確保でき、より効果的にインクタンクのインク攪拌を行うことができ、比較的沈降速度が速い粒子を含有するインクであっても激しくインク攪拌をインクタンクで行うことで安定にインクを使用することができ、インクジェット記録装置が使用できるインクの沈降もしくは沈殿に関する特性範囲を広げることができる。
(17)前記インクジェット記録装置は、前記第1および第2のインクタンクを連通する第3のインク流路を介して第1および第2のインクタンク内のインクを片方向もしくは交互に移送するときに印加する第1のインクタンクのインク圧力P8もしくはP9と第2のインクタンクのインク圧力P9もしくはP8との圧力差P10=P8−P9(P8>P9)が、第1のインク流路、第2のインク流路および該インクジェットヘッドを介して第1のインクタンクから第2のインクタンクへのインク圧送時もしくは第2のインクタンクから第1のインクタンクへのインク圧送時の第1と第2のインクタンクのインク圧力差P11よりも大きいため、(1)および(14)同様にインクの流れはインク流路およびインクジェットヘッド内部のインクが存在するすべての領域でインク流を発生させることができるので、固形成分を含むインクであっても固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することができる。また、第1のインクタンクと第2のインクタンクとを繋ぐインクジェットヘッドを経由しない第3のインク流路を具備しているため、定期的に第1および第2の二方弁を閉じ、第3の二方弁を開き、インクジェットヘッドを経由せずに第1のインクタンクと第2のインクタンクとの間でそれぞれのインクタンク圧力差を利用してインク流を発生させることで、比較的長時間インク流が緩やかな状態が継続するインクタンク内のインクを選択的に攪拌することができ、より効果的にインクが存在するすべての領域において固形成分を含むインクであっても固形成分の凝集沈殿および沈降を防止することができる。さらに、第1および第2のインクタンクをインクジェットヘッドを経由せず連通する第3のインク流路におけるインクタンク内のインク攪拌のためのインク流を発生させる際に印加するそれぞれのインクタンクのインク圧力差を大きく圧力設定し、インクジェットヘッドを経由するインク流路(第1および第2のインク流路)におけるインク流発生時のインクタンク圧力差よりも大きいため、第3のインク流路にインク流を発生させる際には大きなインク流速を確保でき、より効果的にインクタンクのインク攪拌を行うことができ、比較的沈降速度が速い粒子を含有するインクであっても激しくインク攪拌をインクタンクで行うことで安定にインクを使用することができ、インクジェット記録装置が使用できるインクの沈降もしくは沈殿に関する特性範囲を広げることができる。
(他の構成)
本発明を、以下のように表現することもできる。
(第1の構成)
インクを吐出させるインクジェットヘッドを有する記録装置において、該インクジェットヘッドとインク流路と通じて接続される複数のインクタンクと、該複数のインクタンクに異なった圧力を発生させる手段を有し、かつ、複数のインクタンクの圧力を切り替える圧力切り替え手段を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
(第2の構成)
前記インクジェット記録装置は、前記インクジェットヘッドの第1のインク流路接続部および第2のインク流路接続部、該第1のインク流路接続部に連通する第1のインクタンクおよび該第2のインク流路接続部に連通する第2のインクタンクを具備し、第1のインクタンクと第2のインクタンクとを繋ぐインク流路の間に位置する該インクジェットヘッドは、該インクジェットヘッドから第1のインクタンクまでのインク流路における流路抵抗R1および第2のインクタンクまでのインク流路における流路抵抗R2を略同一とし、第1のインクタンク内インクに一定圧力P1と第2のインクタンク内インクに一定圧力P2のインク圧力を印加し、P1とP2の中間値圧力P3を常に該インクジェットヘッド内部のインクに印加することを特徴とする第1の構成に記載のインクジェット記録装置。
(第3の構成)
前記インクジェット記録装置は、前記第1のインクタンク内インクに一定圧力P1と前記第2のインクタンク内インクに一定圧力P2のインク圧力を印加し、P1とP2の中間値圧力P3を常に該インクジェットヘッド内部のインクに印加しているときに該インクジェットヘッドを駆動させてインク吐出を行うことを特徴とする第1および第2の構成に記載のインクジェット記録装置。
(第4の構成)
前記インクジェット記録装置は、第1のインクタンク内インクに一定圧力P1と第2のインクタンク内インクに一定圧力P2のインク圧力を印加し、P1とP2の圧力差によって第1もしくは第2のインクタンクからインクを流出させ、かつ第2もしくは第1のインクタンクにインクを流入させながらP1とP2との間の一定圧力値P3をインクジェットヘッド内のインク圧力として保持し、第1もしくは第2のインクタンクのインクが尽きる以前に、第1のインクタンク内インクに一定圧力P2と第2のインクタンク内インクに一定圧力P1を印加し、インクジェットヘッド内のインク圧力をP3とするように第1のインクタンクのインク圧力と第2のインクタンクのインク圧力を各々2段階で設定圧力を切り替えて、第1および第2のインクタンクとの間でインクを往復流動させることを特徴とする第1、第2および第3の構成に記載のインクジェット記録装置。
(第5の構成)
前記インクジェット記録装置は、第1および第2のインクタンクのインク圧力をP1とP2の2段階に設定し、交互に他のインクタンクのインク圧力になるようにインクタンクのインク圧力を切り替える過程において、第1および第2のインクタンクのインク圧力の中間値圧力P3を保持しながら第1および第2のインクタンクのインク圧力を変化させ、インクタンク設定圧力を切り替える過程においてインクジェットヘッド内のインク圧力P3を保持することを特徴とする第1、第2、第3および第4の構成に記載のインクジェット記録装置。
(第6の構成)
前記インクジェット記録装置は、前記インクジェットヘッドの第1のインク流路接続部および第2のインク流路接続部、該第1のインク流路接続部に連通する第1のインクタンクおよび該第2のインク流路接続部に連通する第2のインクタンクを具備し、第1のインクタンクと第2のインクタンクとを繋ぐインク流路の間に位置する該インクジェットヘッドは、該インクジェットヘッドから第1のインクタンクまでのインク流路における流路抵抗R1および第2のインクタンクまでのインク流路における流路抵抗R2とし、第1のインクタンク内インクにP4>P3’となる一定圧力P4と第2のインクタンク内インクにP5<P3’となる一定圧力P5のインク圧力を印加し、第1のインクタンクから第2のインクタンクにインクの流れを発生させ、かつ第1のインクタンク内インクにP6<P3’となる一定圧力P6と第2のインクタンク内インクにP7>P3’となる一定圧力P7のインク圧力を印加し、第2のインクタンクから第1のインクタンクにインクの流れを発生させるとき、該インクジェットヘッド内部のインク圧力をP3’とし、(P4−P3’)/R1=(P3’−P5)/R2かつ(P3’−P6)/R1=(P7−P3’)/R2の関係をもつP4とP6を第1のインクタンクのインク圧力として2段階の圧力設定をもち、P5とP7を第2のインクタンクのインク圧力として2段階の圧力設定をもち、第1と第2のインクタンクのインク圧力を各々異なる2段階の圧力設定で切り替える圧力切り替え手段を有することを特徴とする第1の構成に記載のインクジェット記録装置。
(第7の構成)
前記インクジェット記録装置は、前記第1のインクタンク内インクに一定圧力P4もしくはP6と前記第2のインクタンク内インクに一定圧力P5もしくはP7のインク圧力を印加し、一定圧力P3’を常に該インクジェットヘッド内部のインクに印加しているときに該インクジェットヘッドを駆動させてインク吐出を行うことを特徴とする第1および第6の構成に記載のインクジェット記録装置。
(第8の構成)
前記インクジェット記録装置は、第1のインクタンク内インクに一定圧力P4もしくはP6と第2のインクタンク内インクに一定圧力P5もしくはP7のインク圧力を印加し、P4とP5もしくはP6とP7の圧力差によって第1もしくは第2のインクタンクからインクを流出させ、かつ第2もしくは第1のインクタンクにインクを流入させながら一定圧力値P3’をインクジェットヘッド内のインク圧力として保持し、第1もしくは第2のインクタンクのインクが尽きる以前に、第1のインクタンク内インクに一定圧力P4からP6へのもしくはP6からP4への圧力切り替えと第2のインクタンク内インクに一定圧力P5からP7へのもしくはP7からP5への圧力切り替えを行い、インクジェットヘッド内のインク圧力をP3’とするように第1のインクタンクのインク圧力と第2のインクタンクのインク圧力を各々2段階で設定圧力を切り替えて、第1および第2のインクタンクとの間でインクを往復流動させることを特徴とする第1、第6および第7の構成に記載のインクジェット記録装置。
(第9の構成)
前記インクジェット記録装置は、第1および第2のインクタンクのインク圧力を各々P4とP6およびP5とP7の2段階に設定し、インクタンクのインク圧力を切り替える過程において、該インクジェットヘッド内のインクに一定圧力P3’を保持しながら第1および第2のインクタンクのインク圧力を変化させることを特徴とする第1、第6、第7および第8の構成に記載のインクジェット記録装置。
(第10の構成)
前記インクジェット記録装置は、前記インクジェットヘッド内部のインク圧力を負圧に設定することを特徴とする第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8および第9の構成に記載のインクジェット記録装置。
(第11の構成)
前記インクジェット記録装置は、前記インクジェットヘッド内部のインク圧力P3もしくはP3’は、設定圧力に対して±0.5kPaの範囲で保持されること特徴とする第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9および第10の構成に記載のインクジェット記録装置。
(第12の構成)
前記インクジェット記録装置は、前記インクジェットヘッド内部における複数インクタンク間のインク圧力差による単位時間当たりのインク流量は、インクジェットヘッドのインク吐出による単位時間当たりのインク消費量の2倍以上であることを特徴とする第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10および第11の構成に記載のインクジェット記録装置。
(第13の構成)
前記インクジェット記録装置は、複数のインクタンク内のインクはインクジェットヘッドのノズル孔部以外で空気と接触しない構造であることを特徴とする第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11および第12の構成に記載のインクジェット記録装置。
(第14の構成)
前記インクジェット記録装置は、該インクジェットヘッドと第1のインクタンクとを接続する第1のインク流路に設けた第1の二方弁と、該インクジェットヘッドと第2のインクタンクとを接続する第2のインク流路に設けた第2の二方弁と、該インクジェットヘッドを介さず第1および第2のインクタンクを連通する第3のインク流路と、第3のインク流路に設けた第3の二方弁と、を有することを特徴とする第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12および第13の構成に記載のインクジェット記録装置。
(第15の構成)
前記インクジェット記録装置は、定期的に前記第1および第2のインクタンクを連通する第3のインク流路に設けた第3の二方弁を開き、該インクジェットヘッドと第1のインクタンクとを接続する第1のインク流路に設けた第1の二方弁を閉じ、該インクジェットヘッドと第2のインクタンクとを接続する第2のインク流路に設けた第2の二方弁を閉じ、第1および第2のインクタンク内のインクを片方向もしくは交互に移送することを特徴とする第14の構成に記載のインクジェット記録装置。
(第16の構成)
前記インクジェット記録装置は、前記第1および第2のインクタンクを連通する第3のインク流路の流路抵抗R3が該インクジェットヘッドと第1のインクタンクとを接続する第1のインク流路の流路抵抗R1および該インクジェットヘッドと第2のインクタンクとを接続する第2のインク流路の流路抵抗R2の和(R1+R2)よりも小さいことを特徴とする第14および第15の構成に記載のインクジェット記録装置。
(第17の構成)
前記インクジェット記録装置は、前記第1および第2のインクタンクを連通する第3のインク流路を介して第1および第2のインクタンク内のインクを片方向もしくは交互に移送するときに印加する第1のインクタンクのインク圧力P8もしくはP9と第2のインクタンクのインク圧力P9もしくはP8との圧力差P10=P8−P9(P8>P9)が、第1のインク流路、第2のインク流路および該インクジェットヘッドを介して第1のインクタンクから第2のインクタンクへのインク圧送時もしくは第2のインクタンクから第1のインクタンクへのインク圧送時の第1と第2のインクタンクのインク圧力差P11よりも大きいことを特徴とする第14および第15の構成に記載のインクジェット記録装置。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明によれば、液体中に含まれる固形成分の沈殿を効果的に防止することが可能であるため、液体の濃度を常に一定に保ち、かつ装置内における目詰まりを防止することによって、より精度よくデバイス製造に適用できる。
本発明に係るインクジェット記録装置の第1の実施形態を示す概略断面図である。 本発明に係るインクジェット記録装置の第2の実施形態を示す概略断面図である。 本発明に係るインクジェット記録装置の第3の実施形態を示す概略断面図である。 本発明に係るインクジェット記録装置の第4の実施形態を示す概略断面図である。
符号の説明
10 第1のインクタンク(第1の液体タンク)
13 第1の圧力調整ポンプ(圧力制御手段)
15 第1のインク供給流路(第1の流路)
16 第1の二方弁(弁)
17 第2の二方弁(弁)
20 第2のインクタンク(第2の液体タンク)
23 第2の圧力調整ポンプ(圧力制御手段)
25 第2のインク供給流路(第2の流路)
26 第3の二方弁(弁)
27 第4の二方弁(弁)
30 インクジェットヘッド(ヘッド)
36 ノズル孔
40 インク攪拌流路(第3の流路)
41 二方電磁弁(弁)

Claims (13)

  1. 第1の圧力が印加された第1の液体タンクと、
    前記第1の圧力と異なる第2の圧力が印加された第2の液体タンクと、
    前記第1の液体タンクと前記第2の液体タンクとの間を、液体を移送可能に繋ぐ流路と、
    前記第1の液体タンクと前記第2の液体タンクとの間の流路に、液体を授受可能に連結されたヘッドと、
    前記流路を介して前記第1および第2の液体タンク間において液体を往復移送し、かつ前記ヘッド内部の液体に常に一定の負圧が印加されるように、前記第1および第2の液体タンクに印加される圧力をそれぞれ制御する圧力制御手段とを備えていることを特徴とする記録装置。
  2. 前記圧力制御手段は、前記第1および第2の液体タンクのうち、一方の液体タンク内の液体の全てが、他方の液体タンク内に移送される前に、液体の移送方向を逆進させるように、前記第1および第2の液体タンクに印加される圧力を制御することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記圧力制御手段は、前記第1および第2の液体タンクのうち、一方の液体タンク内の液体の全てが他方の液体タンク内に移送される前に、前記第1の液体タンクに印加されている圧力を前記第1の圧力から前記第2の圧力に変更し、前記第2の液体タンクに印加されている圧力を前記第2の圧力から前記第1の圧力に変更することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  4. 前記第1の液体タンクと前記ヘッドとの間の前記流路内の第1の抵抗と、前記第2の液体タンクと前記ヘッドとの間の前記流路内の第2の抵抗とが略同一であることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  5. 前記圧力制御手段は、前記第1の圧力をP1、前記第2の圧力をP2、前記ヘッド内の液体に印加される圧力をPとし、P1>P>P2の関係を満たすとき、前記第1の液体タンクと前記ヘッドとの間の前記流路内の第1の抵抗R1と、前記第2の液体タンクと前記ヘッドとの間の前記流路内の第2の抵抗R2とは以下(1)式を満たし、
    (P1−P)/R1=(P−P2)/R2・・・(1)
    かつ、前記第1の液体タンク内の液体の全てが前記第2の液体タンク内に移送する前に、前記第1の液体タンクに第3の圧力P3を印加し、前記第2の液体タンクに第4の圧力P4を印加し、P4>P>P3の関係を満たすとき、前記第1の抵抗R1と前記第2の抵抗R2とは以下の(2)式を満たすように、前記液体タンク、ならびに前記ヘッド内の液体に印加される圧力を制御することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
    (P−P3)/R1=(P4−P)/R2・・・(2)
  6. 前記圧力制御手段は、液体を吐出するときの前記ヘッド内の液体に印加される圧力を、設定圧力に対して±0.5kPaの範囲内で保持すること特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  7. 前記圧力制御手段は、前記流路内を移送される液体の単位時間当たりの液体流量が、前記ヘッドからの吐出によって装置外に流出する液体の単位時間当たりの液体流出量の2倍以上になるように、前記液体タンクおよび前記ヘッドに印加する圧力を制御することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  8. 前記液体タンク、前記流路、および前記ヘッド内の液体は、前記ヘッドに形成された液体の吐出口以外においては空気と接触しないことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  9. 前記流路は、前記第1の液体タンクと前記ヘッドとの間の第1の流路、および前記第2の液体タンクと前記ヘッドとの間の第2の流路からなり、
    前記第1の液体タンクと前記第2の液体タンクとの間を、前記ヘッドを介さずに液体を移送可能に繋ぐ第3の流路をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  10. 前記第1、第2、および第3の流路は、それぞれ弁を有していることを特徴とする請求項9に記載の記録装置。
  11. 前記第3の流路の流路抵抗R3は、前記第1の流路の流路抵抗R1および第2の流路の流路抵抗R2の和(R1+R2)よりも小さいことを特徴とする請求項9に記載の記録装置。
  12. 前記第3の流路を介して前記第1の液体タンクと前記第2の液体タンクとの間において液体を移送するときの前記第1の液体タンクに印加された第1の圧力と前記第2の液体タンクに印加された第2の圧力との差が、
    前記第1および第2の流路を介して前記第1の液体タンクと前記第2の液体タンクとの間において液体を移送するときの前記第1の液体タンクに印加された第1の圧力と前記第2の液体タンクに印加された第2の圧力との差よりも大きいことを特徴とする請求項9に記載の記録装置。
  13. 第1の圧力が印加された第1の液体タンクと、前記第1の圧力と異なる第2の圧力が印加された第2の液体タンクとの間において、液体を授受可能に連結されたヘッドに対して、前記第1および第2の液体タンク間を繋ぐ流路において液体を往復移送し、かつ前記第1および第2の液体タンク間に液体を授受可能に連結されたヘッド内部の液体に常に一定の負圧が印加されるように、上記第1および第2の液体タンクに圧力を印加するように圧力を制御する圧力制御工程を含むことを特徴とする記録方法。
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