JP2010260182A - 液体供給システム及び液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体容器内に収容されている液体全体を攪拌する。
【解決手段】液体供給システムは、第1室と、第2室と、第1室と第2室との間に配置され第1室と第2室との圧力差に応じて変位する可撓部と、を有し、液体を収容する液体容器と、第2室と噴射ヘッドとを接続する液体流路と、第1室と第2室とのうち少なくとも一方の圧力を調整する圧力調整部と、を有する液体供給装置と、を備えている。圧力調整部は、第1室の加圧又は第2室の減圧を行い、加圧された第1室の減圧又は減圧された第2室の加圧を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、液体容器内において液体を攪拌する技術に関する。
顔料系インクを用いたプリンターでは、インク中の顔料粒子の比重が大きいため、印刷を行わない期間においてインクタンク内の顔料粒子が沈降するという問題があった。そこで、ポンプを用いてインクタンク内の加圧及び吸引を繰り返してインクタンク内とポンプとの間でインクを出し入れすることにより、インクを攪拌するインクジェット記録装置が提案されている(特許文献1)。
特開2002−19137号公報
しかしながら、ポンプを用いてインクタンク内の加圧及び吸引を繰り返す技術では、ポンプの接続箇所に近い位置のインクのみが出し入れされるため、インクタンク内のインクの部分的な攪拌となってインク全体を攪拌できないという問題があった。この問題は、インクタンクに限らずインクカートリッジなど任意の容器にインクを収容するプリンターにおいて起こり得る。また、顔料系インクを噴射するインクジェット式プリンターに限らず、潤滑油や樹脂液等の液体を噴射する任意の液体噴射装置においても起こり得る。
本発明は、液体容器内に収容されている液体全体を攪拌することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]液体を噴射する噴射ヘッドに対して前記液体を供給する液体供給システムであって、第1室と、第2室と、前記第1室と前記第2室との間に配置され、前記第1室と前記第2室との圧力差に応じて変位する可撓部と、を有し、前記液体を収容する液体容器と、前記第2室と前記噴射ヘッドとを接続する液体流路と、前記第1室と前記第2室とのうち少なくとも一方の圧力を調整する圧力調整部と、を有する液体供給装置と、を備え、前記圧力調整部は、前記第1室の加圧又は前記第2室の減圧を行い、前記加圧された第1室の減圧又は前記減圧された第2室の加圧を行う、液体供給システム。
適用例1の液体供給システムでは、圧力調整部により前記第1室の加圧又は前記第2室の減圧を行い、また、加圧された第1室の減圧又は減圧された第2室の加圧を行うので、可撓部を撓ませて液体容器内の液体全体を攪拌することができる。
[適用例2]適用例1に記載の液体供給システムにおいて、前記圧力調整部は、前記液体を前記噴射ヘッドに供給する前に、前記第1室の加圧又は前記第2室の減圧を行い、前記加圧された第1室の減圧又は前記減圧された第2室の加圧を行う、液体供給システム。
このような構成により、噴射ヘッドに液体を供給する前に液体容器内の液体を攪拌することができる。したがって、噴射ヘッドから液体を噴射するタイミングとは異なるタイミングで液体を攪拌することができる。
[適用例3]適用例1または適用例2に記載の液体供給システムにおいて、さらに、前記液体流路に配置された開閉弁と、前記開閉弁の開閉を制御する開閉制御部と、を備え、前記開閉制御部は、前記圧力調整部が前記第1室の加圧又は前記第2室の減圧を行う際に、前記開閉弁を閉じる、液体供給システム。
このような構成により、第1室が加圧され又は第2室が減圧される際に開閉弁は閉じられるので、開閉弁よりも下流側に位置する噴射ヘッドに対して液体を供給しないようにすることができる。したがって、液体容器に収容された液体が噴射ヘッドに供給される前に液体容器内で液体を攪拌することができる。
[適用例4]適用例1に記載の液体供給システムにおいて、前記圧力調整部は、前記第1室の加圧又は前記第2室の減圧を行うことにより、前記第2室の液体を前記噴射ヘッドに供給する、液体供給システム。
このような構成により、噴射ヘッドへの液体の供給と、液体容器に収容された液体の攪拌とを同時に行うことができる。
[適用例5]適用例1ないし適用例4のいずれか一例に記載の液体供給システムにおいて、前記液体容器は、前記圧力調整部と接続する連通孔を有し、前記連通孔は、前記液体供給装置が載置された状態において前記液体容器の底面とは異なる面に配置されている、液体供給システム。
このような構成により、連通孔に液体容器内の液体が接しないようにすることができるので、連通孔からの液体の漏洩を抑制するための機構を設けなくて済み、液体供給システムの製造コストを抑制できる。
[適用例6]適用例1ないし適用例5のいずれか一例に記載の液体供給システムにおいて、前記圧力調整部は、さらに、前記液体流路と接続された減圧室と、前記減圧室を、前記液体流路と連通する流路連通室と、前記液体流路と連通せず気体が充填された気体室と、に区画するダイヤフラムと、前記気体室及び前記第2室に接続され、前記気体室から前記気体を吸引して前記第2室に供給するポンプと、を有する、液体供給システム。
このような構成により、気体室を減圧した際にポンプにより吸引された気体を利用して第2室を加圧できるので、第2室を加圧するためのポンプを、気体室を減圧するためのポンプと共用できる。したがって、第2室の加圧専用のポンプを、気体室を減圧するためのポンプとは別に用意する構成に比べて、液体供給システムの製造コストを抑制できる。
[適用例7]適用例1ないし適用例6のいずれか一例に記載の液体供給システムを備える液体噴射装置。
このような構成により、攪拌されて液体濃度の均一となった液体を噴射することができる。
本発明の第1の実施例における液体供給システムを適用した液体噴射装置としてのプリンターの詳細構成を示す説明図。 図1に示すプリンター500の断面を模式的に示す断面図。 インク吸引時におけるプリンター500の断面を模式的に示す断面図。 インク供給後におけるプリンター500の断面を模式的に示す断面図。 攪拌動作における加圧時のプリンター500の断面を模式的に示す断面図。 攪拌動作における大気開放時のプリンター500の断面を模式的に示す断面図。 第2の実施例の攪拌動作における加圧時のプリンターの断面を模式的に示す断面図。 第2の実施例の攪拌動作における大気開放時のプリンターの断面を模式的に示す断面図。 第3の実施例のプリンターの断面を模式的に示す断面図。 第4の実施例のプリンターの断面を模式的に示す断面図。 変形例2のプリンターの断面を模式的に示す説明図。
A.第1の実施例:
A1.装置構成:
図1は、本発明の第1の実施例における液体供給システムを適用した液体噴射装置としてのプリンターの詳細構成を示す説明図である。
第1の実施例のプリンター500は、4色(ブラック,シアン,マゼンタ,イエロー)のインクを吐出可能なインクジェット式プリンターである。このプリンター500は、ブラックインクのインクカートリッジIC1と、シアンインクのインクカートリッジIC2と、マゼンタインクのインクカートリッジIC3と、イエローインクのインクカートリッジIC4と、キャリッジ400と、記録ヘッド450と、ガイドロッド260と、プラテン270と、4つのインク供給部601〜604と、8つの配管411〜414,421〜424と、制御基板700とを備えている。
プリンター500は、4つのインクカートリッジIC1〜IC4がプリンター本体に装着される、いわゆるオフキャリッジタイプのプリンターである。インクカートリッジIC1は、配管411とインク供給部601と配管421とを介してキャリッジ400に接続されている。同様に、インクカートリッジIC2は、配管412とインク供給部602と配管422とを介して、インクカートリッジIC3は、配管413とインク供給部603と配管423とを介して、インクカートリッジIC4は、配管414とインク供給部604と配管424とを介して、それぞれキャリッジ400に接続されている。なお、各インクカートリッジIC1〜IC4は、図示しないカートリッジホルダによってプリンター500の本体フレーム(図示省略)に装着されている。なお、キャリッジ400及び記録ヘッド450を除く他の構成要素については、いずれもプリンター500の本体フレームに装着されている。
インク供給部601は、インクカートリッジIC1内のブラックインクを、配管421を介してキャリッジ400に供給する。同様に、インク供給部602はインクカートリッジIC2内のシアンインクを、インク供給部603はインクカートリッジIC3内のマゼンタインクを、インク供給部604はインクカートリッジIC4内のイエローインクを、それぞれキャリッジ400に供給する。ここで、各色のインクは、顔料系インクであり、溶剤中に各色に対応する顔料粒子(例えば、イエロー顔料におけるアゾ化合物)が分散されている。
ガイドロッド260は、プラテン270の長手方向に沿って配置されている。キャリッジ400は、ガイドロッド260に沿って往復可能に支持され、キャリッジモータ(図示省略)によりタイミングベルト(図示省略)を介して駆動される。記録ヘッド450は、キャリッジ400の底面に配置され、キャリッジ400の往復運動に伴い多数のノズル(図示省略)からインク滴を噴射する。このとき、図示しない紙送り機構によって記録用紙Pがプラテン270上を搬送され、記録用紙Pに画像等が形成される。
制御基板700は、CPU(Central Processing Unit)710とメモリー720とを備えている。制御基板700は、キャリッジ400及び4つのインク供給部601〜604とそれぞれ電気的に接続されている。メモリー720には、各種プログラムが記憶されており、CPU710は、これらプログラムを実行することにより、印刷制御部711,ポンプ制御部712及び開閉制御部713として機能する。印刷制御部711は、キャリッジ400,記録ヘッド450及び4つのインク供給部601〜604を制御することにより、インクの吐出を制御する。ポンプ制御部712は、4つのインク供給部601〜604が備えるポンプ(後述)の駆動を制御する。開閉制御部713は、4つのインク供給部601〜604が備える開閉弁(後述)の開閉動作を制御する。
図2は、図1に示すプリンター500の断面を模式的に示す断面図である。図2の例では、ブラックインクの供給に関わる構成のみを示すものであるが、他色のインクの供給に関わる構成についても同様である。また、図2の例では、プリンター500が載置された状態において、鉛直方向上向きが+Y方向と一致する。
インクカートリッジIC1は、直方体の外観形状を有し、差圧弁100と、インク針導入路106と、インク針挿入孔107と、圧力導入孔120とを備えている。
差圧弁100は、壁体110と、ダイヤフラム101と、圧縮バネ103と、インク流通部102とを備えている。壁体110は、略コの字の断面形状を有し、プリンター500が載置された状態でインクカートリッジIC1内部の底面S10の一部を囲むように配置されている。壁体110は、底面S10付近にスリット104を備えている。また、壁体110は、インク流通穴105を備え、このインク流通穴105を介してインク針導入路106と接続されている。
ダイヤフラム101は、壁体110内において壁体110の天井面S3と、インクカートリッジIC1の底面S10と、インクカートリッジIC1の内部側面(図示省略)とに接続され、壁体110内を2つの領域AR3,AR4に区画する。ダイヤフラム101は、エラストマー等の可撓性を有する部材で形成された薄膜状部材であり、壁体110内を変位可能に構成されている。圧縮バネ103は、領域AR4内に収容されており、一端は壁体110の内壁S2と接続され、他端はダイヤフラム101と接続されている。この圧縮バネ103により、ダイヤフラム101は、領域AR4から領域AR3に向かう方向に付勢されている。ここで、ダイヤフラム101は、領域AR3と領域AR4との差圧に応じて変位する。具体的には、ダイヤフラム101は、領域AR3の圧力が領域AR4の圧力及び圧縮バネ103の付勢力よりも小さい場合には、図2に示すように領域AR3側に変位する。一方、領域AR3の圧力が領域AR4の圧力及び圧縮バネ103の付勢力よりも大きい場合には、ダイヤフラム101は、領域AR4側に変位する。
インク流通部102は、ダイヤフラム101の中央部分を貫通する筒状の部材であり、ダイヤフラム101の変位に応じて、2つの領域AR3,AR4とを連通又は非連通させる。領域AR3の圧力が領域AR4の圧力及び圧縮バネ103の付勢力よりも小さい場合には、図2に示すようにダイヤフラム101は領域AR3側に変位するために、インク流通部102は壁体110の内壁S1に押し当てられる。したがって、この場合、インク流通部102は、領域AR3と領域AR4とを非連通とする。一方、領域AR3の圧力が領域AR4の圧力及び圧縮バネ103の付勢力よりも大きい場合には、ダイヤフラム101は領域AR4側に変位するので、インク流通部102は内壁S1から離れる。したがって、この場合、インク流通部102は、領域AR3と領域AR4とを連通させる。
インク針導入路106は、インクカートリッジIC1内において底面S10付近に配置された筒状部材であり、一端は壁体110のインク流通穴105と接続され、他端はインク針挿入孔107と接続されている。インク針導入路106は、後述するインク供給針を収容して領域AR4のインクをインク供給針に供給する。インク針挿入孔107は、インクカートリッジIC1の側面S14に設けられた外部との連通孔であり、インク供給針(後述)が挿入される。圧力導入孔120は、インクカートリッジIC1の側面S14に設けられた外部との連通孔である。側面S14は、プリンター500が載置された状態において鉛直方向(Y方向)に沿った面であり、圧力導入孔120は、側面S14において上方(インクカートリッジIC1内部の天井面S13に近い側)に配置されている。図2の例では、圧力導入孔120は、インクカートリッジIC1内においてインク液面よりも上方に位置している。
インク供給部601は、4つの気体流通管31,32,61,62と、加圧ポンプ30と、第1圧力調整弁10と、インク流通管132と、インク供給針131と、開閉弁130と、インク供給ポンプ150と、第2圧力調整弁40と、減圧ポンプ60とを備えている。
気体流通管31は、第1圧力調整弁10とインクカートリッジIC1とを接続する。気体流通管32は、第1圧力調整弁10と加圧ポンプ30とを接続する。気体流通管61は、インク供給ポンプ150と第2圧力調整弁40とを接続する。気体流通管62は、第2圧力調整弁40と減圧ポンプ60とを接続する。加圧ポンプ30は、インクカートリッジIC1内を加圧する。
第1圧力調整弁10は、インクカートリッジIC1内の圧力を調整するために用いられる。第1圧力調整弁10は、気圧室17と、弁体12と、シール部11と、圧縮バネ14と、第1アクチュエーター20と、2つのロッド21,22とを備えている。気圧室17は、気体流通管31と気体流通管32とにそれぞれ接続されている。気圧室17内部の天井面S23には、2つの開口15,16が設けられている。
弁体12は、気圧室17の内部において上下に変位可能に配置された薄板状部材であり、縁部分が気圧室17内部の側面S22と接している。弁体12の中央部分には開口部13が設けられている。シール部11は、天井面S23の2つの開口15,16の間に配置されている。圧縮バネ14は、気圧室17の底面S20と弁体12の底面S21とに接続されており、弁体12を天井面S23に向かう方向に付勢している。図2の例では、圧縮バネ14により付勢された弁体12は、開口部13がシール部11に押し当てられる位置に配置されている。この状態において、気圧室17の弁体12よりも下方の空間AR6は、開口部13を介して大気と連通していない。一方、弁体12が押し下げられ、開口部13がシール部11から離れると、空間AR6は、開口部13及び2つの開口15,16を介して大気と連通する。
第1アクチュエーター20は、2つのロッド21,22を上下方向に互いに同期させて変位させることにより、弁体12の押し下げ及び引き上げを行う。図2の例では、2つのロッド21,22及び弁体12は、いずれも最も上方に位置している。ロッド21は、開口15を貫通して弁体12と接続されている。ロッド21の断面積は開口15の断面積よりも小さいので、開口15は、ロッド21の周りに空気が出入り可能な空間を有する。同様に、ロッド22は、開口16を貫通して弁体12と接続されている。また、ロッド22の断面積は開口16の断面積よりも小さい。
インク流通管132と気体流通管31とはいずれも配管411(図1)の内部に収容されている。インク流通管132の一端にはインク供給針131が接続され、他端にはインク供給ポンプ150が接続されている。なお、図2の例では、インク供給針131はインク針挿入孔107を介してインク針導入路106に挿入されている。開閉弁130は、インク流通管132に配置され、開いた状態においてインク流通管132におけるインクの流通を許容し、閉じた状態においてインク流通管132におけるインクの流通を止める。
インク供給ポンプ150は、インクカートリッジIC1からインクを吸引し、吸引したインクを加圧して配管421を介してキャリッジ400に供給する。インク供給ポンプ150は、気体流通管61と、インク流通管132と、配管421と、それぞれ接続されている。インク供給ポンプ150は、圧力室153と、ダイヤフラム151と、圧縮バネ152と、2つの逆止弁B1,B2とを備えている。圧力室153は互いに対向する側面S51,S52を備えている。
ダイヤフラム151は、圧力室153の内側においてインク流通管132との接続部分及び配管421との接続部分を覆うように配置され、縁部分が側面S51に接合されている。このような構成により、圧力室153は、ダイヤフラム151で囲まれた領域AR1と、ダイヤフラム151の外側の領域AR2とに区画されている。圧縮バネ152は、領域AR2に配置され、一端は側面S52と接続され、他端はダイヤフラム151と接続されている。この圧縮バネ152により、ダイヤフラム151は、領域AR2から領域AR1に向かう方向に付勢されている。ここで、ダイヤフラム151は、領域AR1と領域AR2との差圧に応じて変位する。具体的には、ダイヤフラム151は、領域AR1の圧力が領域AR2の圧力及び圧縮バネ152の付勢力よりも小さい場合には、図2の実線で示すように領域AR1側に変位する。一方、領域AR1の圧力が領域AR2の圧力及び圧縮バネ152の付勢力よりも大きい場合には、ダイヤフラム151は、図2の破線で示すように領域AR1側に変位する。
逆止弁B1は、圧力室153とインク流通管132との接続部分に配置され、インク流通管132から領域AR1に向かうインクの流通を許容し、領域AR1からインク流通管132に向かう(戻る)インクの流通を抑制する。逆止弁B2は、圧力室153と配管421との接続部分に配置され、領域AR1から配管421に向かうインクの流通を許容し、配管421から領域AR1に向かう(戻る)インクの流通を抑制する。
第2圧力調整弁40は、インク供給ポンプ150内の領域AR2の圧力を調整するために用いられる。第2圧力調整弁40は前述の第1圧力調整弁10と同様な構成を有する。すなわち、第2圧力調整弁40は、気圧室47と、弁体42と、シール部41と、圧縮バネ44と、第2アクチュエーター50と、2つのロッド51,52とを備えている。弁体42の中央部分には開口部43が設けられている。気圧室47の天井面には2つの開口45,46が設けられている。気圧室47において弁体42よりも下方の空間AR7は、気体流通管61を介してインク供給ポンプ150内の領域AR2と接続されている。また、空間AR7は、気体流通管62を介して減圧ポンプ60と接続されている。
なお、第2圧力調整弁40におけるその他の詳細構成については、上述した第1圧力調整弁10の詳細構成と同じであるので説明を省略する。
減圧ポンプ60は、第2圧力調整弁40を介してインク供給ポンプ150内部の領域AR2を減圧する。なお、上述した加圧ポンプ30と、第1アクチュエーター20と、開閉弁130と、第2アクチュエーター50と、減圧ポンプ60とは、それぞれ制御基板700(図1)と電気的に接続されている。
前述のインク供給部601及びインクカートリッジIC1〜IC4は、請求項における液体供給システムに相当する。また、インクカートリッジIC1〜IC4は請求項における液体容器に、領域AR3は請求項における第1室に、領域AR4は請求項における第2室に、加圧ポンプ30と第1圧力調整弁10と減圧ポンプ60と第2圧力調整弁40とインク供給ポンプ150とは請求項における圧力調整部に、インク流通管132は請求項における液体流路に、ダイヤフラム101は請求項における可撓部に、圧力導入孔120は請求項における連通孔に、領域AR1は請求項における流路連通室に、領域AR2は請求項における気体室に、減圧ポンプ60は請求項におけるポンプに、それぞれ相当する。
A2.インク供給動作:
以下、図3,4を用いてキャリッジ400へのインク供給動作について説明する。図3は、インク吸引時におけるプリンター500の断面を模式的に示す断面図である。また、図4は、インク供給後におけるプリンター500の断面を模式的に示す断面図である。以下ではインクカートリッジIC1からキャリッジ400へのインク供給動作について説明するが、他のインクカートリッジIC2〜IC4からキャリッジ400へのインク供給動作についても同様である。
インクカートリッジIC1内のインクをキャリッジ400に供給する際に、開閉弁130は開状態となっている。かかる前提の下、まず、インク供給ポンプ150により、インクカートリッジIC1からのインク吸引動作が行われる。具体的には、ポンプ制御部712(図1)は、減圧ポンプ60(図3)を駆動して領域AR2内を吸引させる。領域AR2が減圧され、領域AR1の圧力が領域AR2の圧力及び圧縮バネ152の付勢力に打ち勝つと、インク供給ポンプ150内のダイヤフラム151は領域AR2側に変位する。その結果、インクカートリッジIC1内のインクは、インク供給針131及びインク流通管132を介して領域AR1内に供給される。
このとき、領域AR1の体積が増加するので、インクカートリッジIC1内の差圧弁100において領域AR4の圧力が低下する。その結果、領域AR4の圧力及び圧縮バネ103の付勢力が領域AR3の圧力がよりも小さくなると、ダイヤフラム101は領域AR4側に変位してインク流通部102が内壁S1から離れ、領域AR3と領域AR4とは連通される。したがって、インクカートリッジIC1内のインクは、スリット104,インク流通部102及びインク流通穴105を介してインク針導入路106に流入することとなる。このとき、ダイヤフラム101の領域AR4への変位により、インクカートリッジIC1内のインク全体はスリット104に向かって流動し、攪拌されることとなる。
このインク吸引動作を実行する際に、ポンプ制御部712(図1)は、加圧ポンプ30(図3)を駆動させ、加圧空気をインクカートリッジIC1に供給する。したがって、インクカートリッジIC1内は加圧され、差圧弁100のダイヤフラム101は急速に領域AR4側に変位し、インク供給ポンプ150(領域AR1)内にインクが加圧供給される。
次に、図4に示すように、インク供給ポンプ150(領域AR1)内に吸引して貯留したインクを、配管421を介してキャリッジ400に供給する供給動作が行われる。具体的には、以下の動作となる。減圧ポンプ60の駆動により、インク供給ポンプ150の領域AR2及び第2圧力調整弁40の空間AR7は減圧される。そして、第2圧力調整弁40において、空間AR7の圧力が圧縮バネ44の付勢力により設定される圧力(負圧)となると、弁体42は下方に変位し、開口部43はシール部41から離れたり閉じたりして設定された圧力(負圧)をインク供給ポンプ150の駆動が続いても保持する。インク供給ポンプ150を所定時間駆動した後、ポンプ制御部712(図1)は、第2圧力調整弁40の第2アクチュエーター50を駆動させて2つのロッド51,52を介して弁体42を下方に押し下げる。その結果、開口部43はシール部41から離れ、2つの開口45,46及び開口部43を介して空間AR7に大気が供給されるので、インク供給ポンプ150の領域AR2の圧力は大気圧となる。これにより、インク供給ポンプ150においてダイヤフラム151は領域AR1側に変位し(戻り)、領域AR1内のインクは、配管421を介してキャリッジ400へと加圧供給される(押し出される)。
このインク供給動作の後、ポンプ制御部712(図1)は、加圧ポンプ30の駆動を停止させると共に、第1圧力調整弁10の第1アクチュエーター20を駆動させて2つのロッド21,22を介して弁体12を下方に押し下げる。したがって、開口部13はシール部11から離れ、2つの開口15,16及び開口部13を介して空間AR6及びインクカートリッジIC1内に大気が供給される。その結果、インクカートリッジIC1内の圧力は大気圧となり、差圧弁100のダイヤフラム101は領域AR3側に変位し、インク流通部102は壁体110の内壁S1に押し付けられる。このダイヤフラム101の変位により、インクカートリッジIC1内のインク全体はスリット104から離れる方向に流動し、攪拌される。
A3.攪拌動作:
上述したように、キャリッジ400へのインク供給動作の際にインクカートリッジIC1内のインクは攪拌される。本実施例のインク供給部601では、以下の攪拌動作を実行することにより、キャリッジ400にインクを供給しない場合でもインクカートリッジIC1内のインクを攪拌するように構成されている。攪拌動作は、例えば、プリンター500の電源がオンの状態において長期間印刷が行われなかった場合や、プリンター500の電源がオンした際に実行される。電源オンの際に攪拌動作を行うのは、電源オフの状態では、一般に長期間放置され、顔料粒子が沈降する可能性が高いからである。なお、他のインク供給部602〜604も同様に攪拌動作を実行する。
図5は、攪拌動作における加圧時のプリンター500の断面を模式的に示す断面図である。図6は、攪拌動作における大気開放時のプリンター500の断面を模式的に示す断面図である。なお、攪拌動作を行う前提として、ポンプ制御部712は、開閉弁130(図5,6)を制御して閉状態とする。また、減圧ポンプ60は停止している。
攪拌動作として、まず、ポンプ制御部712は、加圧ポンプ30を駆動させ、インクカートリッジIC1内を加圧する。この加圧により、差圧弁100において、領域AR3の圧力が領域AR4の圧力及び圧縮バネ103の付勢力よりも大きくなると、ダイヤフラム101は領域AR4側に変位する。このダイヤフラム101の変位により、インクカートリッジIC1内のインク全体はスリット104に向かって流動し、攪拌されることとなる。なお、開閉弁130は閉じているので、領域AR4内のインクは、インク供給ポンプ150(領域AR1)には供給されない。したがって、領域AR1よりも下流側(キャリッジ400)へのインクの供給は行われず、記録ヘッド450からインクが漏れ出ることは抑制される。
次に、ポンプ制御部712は、所定の時間だけ加圧ポンプ30を駆動した後、加圧ポンプ30を停止させる。加圧ポンプ30の駆動期間は、例えば、インクカートリッジIC1の加圧開始からダイヤフラム101が領域AR4側に変位するまでの期間を実験により求め、この期間を予め設定しておくことができる。
図6に示すように、ポンプ制御部712は、加圧ポンプ30を停止させた後に、第1圧力調整弁10の第1アクチュエーター20を駆動させて2つのロッド21,22を下方に押し下げる。これにより、インクカートリッジIC1内の圧力は大気圧となるので、差圧弁100のダイヤフラム101は領域AR3側に変位し(戻り)、インク流通部102は壁体110の内壁S1に押し付けられる。このダイヤフラム101の変位により、インクカートリッジIC1内のインク全体はスリット104から離れる方向に流動し、攪拌されることとなる。なお、開閉弁130は閉じており、また、インク供給ポンプ150の領域AR1とインク流通管132との接続部分には、逆止弁B1が配置されているので、領域AR1内のインクがインクカートリッジIC1に戻ることはない。
ポンプ制御部712は、上述した第1圧力調整弁10を用いたインクカートリッジIC1内の加圧と減圧とを繰り返し実行することにより、差圧弁100のダイヤフラム101を繰り返し変位させ、インクカートリッジIC1内のインクを繰り返し攪拌するように構成されている。
以上説明したように、第1の実施例のプリンター500では、加圧ポンプ30を用いて各インクカートリッジIC1〜IC4内を加圧することにより、インクカートリッジIC1内に配置された差圧弁100内のダイヤフラム101を変位させることができる。したがって、このダイヤフラム101の変位により、各インクカートリッジIC1〜IC4内のインク全体を攪拌することができる。加えて、各インクカートリッジIC1〜IC4とインク供給ポンプ150との間のインク流通管132に開閉弁130を備えているので、この開閉弁130を閉じた状態で、インクカートリッジIC1内の加圧及び減圧(大気開放)を行うことにより、キャリッジ400にインクを供給することなくインクカートリッジIC1内のインクを攪拌できる。また、ポンプ制御部712は、加圧ポンプ30を用いた加圧と第1圧力調整弁10を用いた減圧とを繰り返し実行するので、ダイヤフラム101を繰り返し変位させることができ、各インクカートリッジIC1〜IC4内のインクを繰り返し攪拌できる。
B.第2の実施例:
図7は、第2の実施例の攪拌動作における加圧時のプリンターの断面を模式的に示す断面図である。図8は、第2の実施例の攪拌動作における大気開放時のプリンターの断面を模式的に示す断面図である。第2の実施例のプリンター500aは、4つのインク供給部が、それぞれ開閉弁130を備えていない点と、減圧弁460を備えている点とにおいて、プリンター500(図1〜6)と異なり、他の構成は第1の実施例と同じである。
第2の実施例では、配管421に減圧弁460が配置されている。この減圧弁460は、記録ヘッド450と連通した圧力室(図示省略)を備えており、この圧力室が記録ヘッド450からのインク噴射により所定の負圧未満となった場合に開状態となり、上流側から圧力室へインクが流入し、記録ヘッド450にインクを供給する。圧力室へのインクの流入により圧力室が所定の負圧になると、減圧弁460は閉状態となる。
第2の実施例においても、加圧ポンプ30によりインクカートリッジIC1を加圧した場合に、図7に示すように差圧弁100のダイヤフラム101は領域AR4側に変位するので、インクカートリッジIC1内のインク全体を攪拌できる。ここで、第2の実施例のインク供給部601aでは、インク流通管132に開閉弁130が配置されていないので、インクカートリッジIC1が加圧されて差圧弁100のダイヤフラム101が領域AR4側に変位すると、インクカートリッジIC1からインク供給ポンプ150(領域AR1)にインクが加圧供給されてしまうが、インク供給ポンプ150と記録ヘッド450の間には減圧弁460が配置されているので、記録ヘッド450からインクが吐出されることはない。なお、このとき、インク供給ポンプ150のダイヤフラム151は、領域AR2側に若干変位する。
図8に示すように、インクカートリッジIC1内が大気圧となった場合には、第1の実施例と同様に、差圧弁100のダイヤフラム101は領域AR3側に変位し、インクカートリッジIC1内のインク全体が攪拌される。このとき、領域AR1とインク流通管132との接続部分には逆止弁B1が設けられているので、領域AR1からインクカートリッジIC1にインクが戻ることは抑制される。なお、他色のインク供給部も、上述したインク供給部601aと同様の構成を有する。
以上説明した第2の実施例のプリンター500aは、第1の実施例のプリンター500と同様の効果を有する。加えて、開閉弁130を設けないので各色のインク供給部及びプリンター500aの製造コストを抑制できる。また、インク供給ポンプ150と記録ヘッド450の間には減圧弁460が配置されているので、攪拌動作時において、インクカートリッジIC1の加圧の際に記録ヘッド450からインクが吐出されることはない。
C.第3の実施例:
図9は、第3の実施例のプリンターの断面を模式的に示す断面図である。第3の実施例のプリンター500bは、インク供給部601bが加圧ポンプ30及び第1圧力調整弁10を備えていない点と、インクカートリッジIC1が減圧ポンプ60に接続されている点とにおいて、プリンター500(図2)と異なり、他の構成は第1の実施例と同じである。
上述した第1の実施例では、インクカートリッジIC1を加圧するための空気は、加圧ポンプ30(図2)から供給されていたが、第3の実施例では減圧ポンプ60から供給される。具体的には、インクカートリッジIC1は、気体流通管31aを介して減圧ポンプ60と接続され、減圧ポンプ60により吸引された空気(排気)がインクカートリッジIC1に供給されるように構成されている。
このような構成において、インク供給動作におけるインク吸引時には、減圧ポンプ60によりインク供給ポンプ150の領域AR2内の空気が吸引され、気体流通管31aを介してインクカートリッジIC1に供給される。このとき、インクカートリッジIC1の差圧弁100では、インク供給ポンプ150による吸引により領域AR4側が負圧となるため、ダイヤフラム101は領域AR4側に変位する。それゆえ、このダイヤフラム101の変位により、インクカートリッジIC1内のインク全体が攪拌される。
なお、インク供給ポンプ150の領域AR2から吸引した分量の空気をインクカートリッジIC1に供給するので、インクカートリッジIC1内の圧力(領域AR3側の圧力)は大気圧を維持することとなる。それゆえ、キャリッジ400へのインク供給動作の際に、インク供給ポンプ150のダイヤフラム151が領域AR1側に変位する(戻る)際の押圧力よりも大きな圧力で、キャリッジ400にインクを供給することはできない。そこで、インク供給部601bでは、第2圧力調整弁40(空間AR7)が大気開放された直後に減圧ポンプ60を停止するのではなく、第2圧力調整弁40が大気開放された後も所定期間だけ減圧ポンプ60を継続して駆動し、その後停止するように構成されている。このような構成により、第2圧力調整弁40が大気開放された後において、減圧ポンプ60を用いてインクカートリッジIC1内を加圧できるので、インクカートリッジIC1内を大気圧以上に加圧することができる。したがって、キャリッジ400へのインク供給動作において、ダイヤフラム151の変位による押圧力以上にインクを加圧して供給することができる。なお、他色のインク供給部も、上述したインク供給部601bと同様の構成を有する。
以上説明した第3の実施例のプリンター500bは、第1の実施例のプリンター500と同様の効果を有する。加えて、加圧ポンプ30及び第1圧力調整弁10を省略できるので、インク供給部及びプリンター500bの製造コストを抑制できる。また、第2圧力調整弁40が大気開放された後においても所定期間だけ減圧ポンプ60を駆動し続けるので、キャリッジ400へのインク供給動作において、ダイヤフラム151の変位による押加圧以上にインクを加圧して供給することができる。
D.第4の実施例:
図10は、第4の実施例のプリンターの断面を模式的に示す断面図である。第4の実施例のプリンター500cは、各インクカートリッジ内において、差圧弁100に代えて、攪拌部200が配置されている点において、プリンター500(図2)と異なり、他の構成は第1の実施例と同じである。
第4の実施例のブラックインクを収容するインクカートリッジIC5は、内部に攪拌部200を備えている。攪拌部200は、大気室203と、2つの可撓部201,202と、気体連通管211と、支持柱204とを備えている。
大気室203は、略直方体の外観形状を有している。可撓部201は、大気室203の側面S8に設けられた開口を気密にシールするように配置されている。同様に、可撓部202は、大気室203の側面S9に設けられた開口を気密にシールするように配置されている。気体連通管211は、大気室203に接続され、大気室203内部の空間AR8と、インクカートリッジIC5の外部(大気)とを連通する。支持柱204は、大気室203をインクカートリッジIC5の底面S10に固定する。
2つの可撓部201,202は、第1の実施例のダイヤフラム101と同様に、エラストマー等の可撓性を有する薄膜部材で形成されている。また、2つの可撓部201,202は、それぞれ、インクカートリッジIC1の内部が大気圧である状態において、図10の破線で示すように空間AR8の側に窪むように撓む。一方、加圧ポンプ30が駆動し、インクカートリッジIC1内が加圧されると、2つの可撓部201,202は、それぞれ、図10の実線で示すように空間AR8の外側に膨らむように撓む。したがって、インク供給動作又は攪拌動作において、加圧ポンプ30の駆動及び第1圧力調整弁10の大気開放が繰り返されると、2つの可撓部201,202は、図10の実線及び破線で示す位置を交互に変位することとなる。その結果、2つの可撓部201,202の外側において、インクはA方向に流動し、インクカートリッジIC5内のインク全体が攪拌されることとなる。なお、他色のインクカートリッジも、上述したインクカートリッジIC5と同様の構成を有する。
以上説明した第4の実施例のプリンター500cは、第1の実施例のプリンター500と同様の効果を有する。なお、本実施例では、空間AR8は、請求項における第1室に相当する。また、インクカートリッジIC5内部における空間AR8の外側の空間は、請求項における第2室に相当する。
E.変形例:
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
E1.変形例1:
各実施例では、インク供給動作において、インク供給ポンプ150の領域AR2が大気開放されるタイミングは、インク供給ポンプ150を所定時間駆動した後、ポンプ制御部712が、第2圧力調整弁40の第2アクチュエーター50を駆動させて2つのロッド51,52を介して弁体42を押し下げるタイミングであったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、領域AR2の圧力を検出する圧力検出器を気体流通管61に配置し、この圧力検出器が所定の圧力(負圧)を検出したタイミングで、領域AR2(第1圧力調整弁10)を大気開放させることもできる。この構成においては、例えば、圧力検出器が所定の圧力(負圧)を検出した場合に、ポンプ制御部712(図1)は、第2アクチュエーター50を駆動して弁体42を押し下げることにより、第2圧力調整弁40(空間AR7)を大気開放させることができる。
E2.変形例2:
各実施例では、第2圧力調整弁40は、領域AR2内の圧力を所定の圧力以下としないように制御する弁としての機能と、領域AR2を大気開放させる弁としての機能とをいずれも有していたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第2圧力調整弁40に代えて、それぞれの機能を有する2つの弁を備える構成とすることもできる。
また、各実施例では、第2圧力調整弁40において空間AR7と大気との境界を構成する部材は薄板状部材の弁体42であったが、これに代えて、他の部材を用いることもできる。図11は、変形例2のプリンターの断面を模式的に示す説明図である。変形例2のプリンター500dは、第2圧力調整弁40aにおいて弁体42に代えてダイヤフラム42aを備えている点で第1の実施例のプリンター500と異なり、他の構成は第1の実施例と同じである。
変形例2の第2圧力調整弁40aは、気圧室47内にダイヤフラム42aを備えている。このダイヤフラム42aは、気圧室47内の側面S60に接合されており、気圧室47内を上下に変位可能に構成されている。ダイヤフラム42aは、中央部分に気体流通部43aを備えている。気体流通部43aの構成は、差圧弁100のインク流通部102と同じである。図11の例では、ダイヤフラム42aは最も上方に変位しており、気体流通部43aはシール部41に当接している。したがって、空間AR7は大気と通じていない。一方、減圧ポンプ60が駆動して空間AR7の圧力が圧縮バネ44の付勢力により設定される圧力(負圧)となると、ダイヤフラム42aは下方に変位する(撓む)ため、気体流通部43aがシール部41から離れる。この場合、空間AR7は大気と通じることとなる。
なお、変形例2では、2つのロッド51,52は、通常状態において、図11に示すようにダイヤフラム42aと接合されていない。しかしながら、空間AR2を大気開放する際に、第2アクチュエーター50は、2つのロッド51,52を押し下げてダイヤフラム42aを下方に変位させる(撓ませる)。このダイヤフラム42aの変位により気体流通部43aを介して空間AR7は大気と通じることとなる。
以上の構成においても、第2圧力調整弁40aは、第1の実施例の第2圧力調整弁40と同様な機能を果たすことができる。なお、第2圧力調整弁40aのみならず、第1圧力調整弁10についても同様に、弁体12に代えてダイヤフラムを用いる構成とすることができる。
E3.変形例3:
各実施例では、攪拌動作において、加圧ポンプ30による加圧と第1圧力調整弁10による減圧とを交互に繰り返し実行していたが、これに代えて、加圧ポンプ30による加圧のみを実行することもできる。すなわち、一般には、前記液体容器に気体を供給して前記液体容器内を加圧する加圧部を本発明の液体供装置に採用することができる。なお、加圧のみを実行する構成においては、例えば、加圧ポンプ30による加圧を間歇的に実行することにより、ダイヤフラム101又は2つの可撓部201,202を間歇的に変位させ、インクカートリッジ内のインクを間歇的に流動させることができる。これにより、インクカートリッジ内のインクの攪拌を継続して実行することができる。
E4.変形例4:
各実施例では、各インクカートリッジIC1〜IC5の圧力導入孔120は、側面S14において上方(天井面S13側)に配置されていたが、これに代えて、下方(底面S10側)に配置することもできる。また、各実施例において、圧力導入孔120は、側面S14に設けられていたが、これに代えて、側面S14と対向する面である側面S12や、天井面S13や、底面S10に設けることもできる。なお、圧力導入孔120を底面S10に設けた場合には、各インクカートリッジIC1〜IC5を加圧する際にインク内を気泡が上昇することとなる。それゆえ、この上昇する気泡を利用して、インクを攪拌することができる。なお、圧力導入孔120を底面S10に設ける場合には、圧力導入孔120からのインク漏れを抑制するための機構(逆止弁等)を設けることが好ましい。
E5.変形例5:
各実施例において、インク供給ポンプ150は、ダイヤフラムポンプであったが、これに代えて、ギアポンプやピストンポンプ等のインクの吸引及び供給を行い得る任意の種類のポンプを採用することができる。
E6.変形例6:
各実施例において、インク供給動作のインク吸引時に加圧ポンプ30を駆動してインクカートリッジIC1を加圧していたが、これに代えて、加圧ポンプ30を停止させておくこともできる。この構成では、第1圧力調整弁10を大気開放しておくことにより、インク供給ポンプ150によりインクが吸引された際に、インクカートリッジIC1に大気が供給される。この構成においても、インク吸引時にダイヤフラム101を領域AR4側に撓ませてインクを攪拌することができる。また、各実施例において、インク供給動作のインク供給後に第1圧力調整弁10を大気開放させていたが、これに代えて、第1圧力調整弁10を大気開放させない構成とすることもできる。具体的には、逆止弁B1を設けず、インク供給ポンプ150のダイヤフラム151が領域AR1側に変位する際に、領域AR1内のインクの一部を、インク流通管132を介してインクカートリッジIC1に戻す構成とする。この構成においても、吸引したインクをキャリッジ400に供給する際に、ダイヤフラム101を領域AR3側に撓ませてインクを攪拌することができる。すなわち、一般には、第1室の加圧又は第2室の減圧を行い、その後、第1室の減圧又は第2室の加圧を行う圧力調整部を、本発明の液体供給システムに採用することができる。
E7.変形例7:
各実施例では、攪拌動作を実行するタイミングは、プリンター500,500a〜500cの電源がオンの状態において長期間印刷が行われなかった場合や、プリンター500,500a〜500cの電源がオンした際であったが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、インクカートリッジIC1〜IC5がプリンター500,500a〜500cに装着されたタイミングや、印刷が終わったタイミングや、記録ヘッド450のクリーニング動作を行う際に実行することもできる。すなわち、一般には、液体を噴射ヘッドに供給する前に、前記第1室の加圧又は前記第2室の減圧を行い、前記加圧された第1室の減圧又は前記減圧された第2室の加圧を行う圧力調整部を、本発明の液体供給システムに採用することができる。
E8.変形例8:
各実施例において、プリンター500,500a〜500cは、キャリッジ400が往復動を行う、いわゆるシリアルヘッド方式のプリンターであったが、これに代えて、記録用紙Pの幅方向に多数のノズルが並び、往復動を行わないいわゆるラインヘッド方式のプリンターを採用することもできる。また、シリアルヘッドを複数並べた構成のプリンターを採用することもできる。また、各実施例において、プリンター500,500a〜500cは、オフキャリッジタイプのプリンターであったが、これに代えて、インクカートリッジをキャリッジに搭載するいわゆるオンキャリッジタイプのプリンターを採用することもできる。
E9.変形例9:
各実施例において、用いられるインクの種類は4色であったが、これに代えて任意の種類のインクを用いることができる。例えば、ライトシアンインクや、ライトマゼンタインクや、白色インクを採用することもできる。
E10.変形例10:
各実施例では、インクジェット式プリンターについて説明したが、本発明は、これに限らず、インク以外の他の液体を噴射する任意の液体噴射装置に適用することができる。例えば、ファクシミリ装置等の画像記録装置や、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッドや、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレーや、面発光ディスプレー (Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材噴射装置や、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体噴射装置や、精密ピペットとしての試料噴射装置や、潤滑油の噴射装置や、樹脂液の噴射装置等にも適用できる。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用しても良い。そして、これら微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置のうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明を適用することができる。
なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であれば良い。例えば、物質が液相であるときの状態のものであれば良く、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施例の形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。
10…第1圧力調整弁、11…シール部、12…弁体、13…開口部、14…圧縮バネ、15,16…開口、17…気圧室、20…第1アクチュエーター、21,22…ロッド、30…加圧ポンプ、31,31a,32…気体流通管、40,40a…第2圧力調整弁、41…シール部、42…弁体、42a…ダイヤフラム、43…開口部、43a…気体流通部、44…圧縮バネ、47…気圧室、50…第2アクチュエーター、51…ロッド、60…減圧ポンプ、61,62…気体流通管、100…差圧弁、101…ダイヤフラム、102…インク流通部、103…圧縮バネ、104…スリット、105…インク流通穴、106…インク針導入路、107…インク針挿入孔、110…壁体、120…圧力導入孔、130…開閉弁、131…インク供給針、132…インク流通管、150…インク供給ポンプ、151…ダイヤフラム、152…圧縮バネ、153…圧力室、200…攪拌部、201,202…可撓部、203…大気室、204…支持柱、211…気体連通管、260…ガイドロッド、270…プラテン、400…キャリッジ、411〜414,421〜424…配管、450…記録ヘッド、460…減圧弁、500,500a〜500c…プリンター、601〜604,601a,601b…インク供給部、700…制御基板、711…印刷制御部、712…ポンプ制御部、713…開閉制御部、720…メモリー、P…記録用紙、B1,B2…逆止弁、S1…内壁、S2…内壁、S3…天井面、S8…側面、S9…側面、S10…底面、S12…側面、S13…天井面、S14…側面、S22…側面、S23…天井面、S51…側面、S52…側面、S60…側面、IC1〜IC5…インクカートリッジ、AR1〜AR4…領域、AR6〜AR8…空間

Claims (7)

  1. 液体を噴射する噴射ヘッドに対して前記液体を供給する液体供給システムであって、
    第1室と、第2室と、前記第1室と前記第2室との間に配置され、前記第1室と前記第2室との圧力差に応じて変位する可撓部と、を有し、前記液体を収容する液体容器と、
    前記第2室と前記噴射ヘッドとを接続する液体流路と、前記第1室と前記第2室とのうち少なくとも一方の圧力を調整する圧力調整部と、を有する液体供給装置と、
    を備え、
    前記圧力調整部は、前記第1室の加圧又は前記第2室の減圧を行い、前記加圧された第1室の減圧又は前記減圧された第2室の加圧を行う、液体供給システム。
  2. 請求項1に記載の液体供給システムにおいて、
    前記圧力調整部は、前記液体を前記噴射ヘッドに供給する前に、前記第1室の加圧又は前記第2室の減圧を行い、前記加圧された第1室の減圧又は前記減圧された第2室の加圧を行う、液体供給システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の液体供給システムにおいて、さらに、
    前記液体流路に配置された開閉弁と、
    前記開閉弁の開閉を制御する開閉制御部と、
    を備え、
    前記開閉制御部は、前記圧力調整部が前記第1室の加圧又は前記第2室の減圧を行う際に、前記開閉弁を閉じる、液体供給システム。
  4. 請求項1に記載の液体供給システムにおいて、
    前記圧力調整部は、前記第1室の加圧又は前記第2室の減圧を行うことにより、前記第2室の液体を前記噴射ヘッドに供給する、液体供給システム。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の液体供給システムにおいて、
    前記液体容器は、前記圧力調整部と接続する連通孔を有し、
    前記連通孔は、前記液体供給装置が載置された状態において前記液体容器の底面とは異なる面に配置されている、液体供給システム。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の液体供給システムにおいて、
    前記圧力調整部は、さらに、
    前記液体流路と接続された減圧室と、
    前記減圧室を、前記液体流路と連通する流路連通室と、前記液体流路と連通せず気体が充填された気体室と、に区画するダイヤフラムと、
    前記気体室及び前記第2室に接続され、前記気体室から前記気体を吸引して前記第2室に供給するポンプと、
    を有する、液体供給システム。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の液体供給システムを備える液体噴射装置。
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CN105415890A (zh) * 2011-01-31 2016-03-23 精工爱普生株式会社 液体喷射装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002234196A (ja) * 2001-02-13 2002-08-20 Seiko Epson Corp 液体噴射装置

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