JP2008212149A - 特定の飼料を給与することを特徴とする家畜の飼育方法 - Google Patents
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Abstract
【選択図】 なし
Description
本飼育方法は、高αリノレン酸植物素材を飼料として給与することを主要な特徴とする、牛等の反芻動物の飼育方法である。
αリノレン酸を牛に給与すると、第一胃内微生物によって、αリノレン酸が共役リノール酸に変換されて血中に移行し、体内の脂肪組織にとり込まれる。日本短角種を用いて、αリノレン酸を多く含むエゴマ種子を給与することによって、牛肉(筋間脂肪を含む骨格筋)に共役リノール酸を蓄積させることができれば、低脂肪で機能性脂肪酸に富む、健康によい「機能性ビーフ」を作出することが可能である。本実施例では、エゴマ種子を配合した飼料の給与により、日本短角種の牛肉(筋間脂肪を含む骨格筋)に共役リノール酸を蓄積させることを目的とする。
被肥育牛(日本短角種 6頭、8ヶ月齢、去勢雄)の肥育試験を下記スケジュールにて行った(図1))。なお、肥育とは、牛8ヶ月齢〜22ヶ月齢の期間であり、下記のエゴマ種子の給与期間以外は、前期と後期を通じて下記の配合飼料を用いた、通常行われている牛肥育の給与スケジュールに従った飼料の給与を行った。
(試験1):5日間のエゴマ種子給与(エゴマ種子300g/日)による血中共役リノール酸含有量の変化(肥育前期)の検討
(試験2):15日間のエゴマ種子給与(エゴマ種子150g/日)による血中共役リノール酸含有量の変化(肥育前期)の検討
(試験3):15日間のエゴマ種子給与(エゴマ種子150g/日)による血中共役リノール酸含有量の変化(肥育後期)の検討
(試験4):30日間の肥育仕上げ期のエゴマ種子給与(エゴマ種子150g/日)による、血中共役リノール酸含有量の変化(肥育後期)、並びに、牛肉(筋間脂肪を含む骨格筋)及び皮下脂肪における、共役リノール酸の蓄積量の変化の検討
(1)試験期間(5日間2005年5月16日〜5月23日)
(2)飼料
実験区(3頭)→[エゴマ種子(生)300g+肥育前期用濃厚飼料(明治飼糧:白鳥ビーフ前期)1kg)]、肥育前期用濃厚飼料(明治飼糧:白鳥ビーフ前期)4kg、牧草(チモシー)7kg:[ ]内に示す飼料は、その中に表示された内容の飼料を混合して調製した混合飼料、すなわち、本飼料用組成物であり、[ ]外に示す飼料は、[ ]内に示した混合飼料とは分離して与えた飼料である(この実施例の欄の表示において同様である)。
対照区(3頭)→肥育前期用濃厚飼料(明治飼糧:白鳥ビーフ前期)5kg、牧草(チモシー)7kg
配合物 配合量(質量%)
穀類(とうもろこし、ライ麦、大麦、マイロ、乾熱処理圧ぺん大豆) 41
糟糠類(ふすま、コーングルテンフィード、米糠、大豆皮) 31
植物性油粕類(大豆油粕、菜種油粕、コーングルテンミール) 12
その他 16
(アルファルファ、ビートバルブ、糖蜜、炭酸カルシウム、食塩、リン酸カルシウム、ビタミン類(A,D3,E))
配合成分 配合量(質量%)
粗蛋白質 15以上
粗脂肪 2以上
粗繊維 14以上
粗灰分 12以下
カルシウム 0.4以上
りん 0.4以上
可消化養分総量(TDN) 68以上
ビタミン類(A,D3,E)) 微適量
採血は、ヘパリン採血(真空採血管1本)/頭(遠心分離後、血漿を採取)を行って、血漿中の脂肪酸組成をガスクロマトグラフィー法にて測定した(以下、同様である)。
(1)試験期間(15日間:2005年7月5日〜7月22日)
(2)飼料
実験区(3頭)→[エゴマ種子150g、肥育前期用濃厚飼料(明治飼糧:白鳥ビーフ前期)0.5kg]、肥育前期用濃厚飼料(明治飼糧:白鳥ビーフ前期)4.5kg、牧草(チモシー)7kg
対照区(3頭)→肥育前期用濃厚飼料(明治飼糧:白鳥ビーフ前期)5kg、牧草(チモシー)7kg
(1)試験期間(15日間:2005年11月22日〜12月9日)
(2)飼料
実験区(3頭)→[エゴマ種子150g、濃厚飼料後期用(明治飼糧:白鳥ビーフ後期72)0.5kg]、濃厚飼料後期用濃厚飼料後期用(明治飼糧:白鳥ビーフ後期72)6.5kg、牧草(チモシー、稲ワラ)5kg
対照区(3頭)→濃厚飼料後期用(明治飼糧:白鳥ビーフ後期72)7kg、牧草(チモシー)5kg、稲ワラ
配合物 配合量(質量%)
穀類(とうもろこし、ライ麦、大麦、マイロ) 74
糟糠類(ふすま、コーングルテンフィード、米糠、麦糠、大豆皮) 15
植物性油粕類(大豆油粕) 8
その他 3
(糖蜜、炭酸カルシウム、アルファルファミール、食塩、リン酸カルシウム)
配合成分 配合量(質量%)
粗蛋白質 12以上
粗脂肪 2以上
粗繊維 8以下
粗灰分 8以下
カルシウム 0.4以上
りん 0.3以上
可消化養分総量(TDN) 72以上
(1)試験期間(30日間:2006年1月13日〜2月13日)
(2)飼料
対照区(3頭)→濃厚飼料後期用(明治飼糧:白鳥ビーフ後期72)7kg、稲ワラ2kgを1日量として常法により給与した。
Claims (16)
- エゴマ種子、エゴマ油、ゴーヤ種子、ゴーヤ種子油、亜麻仁種子、及び、亜麻仁種子油からなる群から選ばれる1種以上を反芻動物に給与して、当該反芻動物を飼育することを特徴とする、反芻動物の飼育方法。
- 前記反芻動物の飼育方法において、エゴマ種子、エゴマ油、ゴーヤ種子、ゴーヤ種子油、亜麻仁種子、及び、亜麻仁種子油からなる群から選ばれる1種以上を、給与単位の全飼料に対して1〜5質量%の割合にて、反芻動物に給与することを特徴とする、請求項1記載の反芻動物の飼育方法。
- 請求項1記載の反芻動物の飼育方法において、エゴマ種子、エゴマ油、ゴーヤ種子、ゴーヤ種子油、亜麻仁種子、及び、亜麻仁種子油からなる群から選ばれる1種以上の給与量が、給与単位の全飼料に対して2〜3質量%の割合である、請求項1記載の反芻動物の飼育方法。
- 前記反芻動物の飼育方法において、肥育用飼料素材を、給与単位の全飼料に対して4〜60質量%の割合にて、反芻動物に給与することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の反芻動物の飼育方法。
- 前記反芻動物の飼育方法において、肥育用飼料素材を、給与単位の全飼料に対して4〜40質量%の割合にて、反芻動物に給与することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の反芻動物の飼育方法。
- 前記反芻動物の飼育方法において、牧草飼料を、給与単位の全飼料に対して40〜70質量%の割合にて、反芻動物に給与することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の反芻動物の飼育方法。
- 前記反芻動物の飼育方法において、牧草飼料を、給与単位の全飼料に対して60〜70質量%の割合にて、反芻動物に給与することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の反芻動物の飼育方法。
- 前記反芻動物の飼育方法において、エゴマ種子、エゴマ油、ゴーヤ種子、ゴーヤ種子油、亜麻仁種子、及び、亜麻仁種子油からなる群から選ばれる1種以上、並びに、肥育用飼料素材の一部又は全部を含有する、飼料用組成物として給与されることを特徴とする、請求項1〜7記載の反芻動物の飼育方法。
- 前記飼育方法において、反芻動物が牛であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の反芻動物の飼育方法。
- 牛が肉用牛であることを特徴とする、請求項9記載の反芻動物の飼育方法。
- 肉用牛が日本短角種であることを特徴とする、請求項10記載の反芻動物の飼育方法。
- 請求項8記載の反芻動物の飼育方法において用いる、エゴマ種子、エゴマ油、ゴーヤ種子、ゴーヤ種子油、亜麻仁種子、及び、亜麻仁種子油からなる群から選ばれる1種以上、並びに、肥育用飼料素材の一部又は全部を含有することを特徴とする、飼料用組成物。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の反芻動物の飼育方法により飼育されたことを特徴とする反芻動物。
- 請求項13に記載の反芻動物を屠殺し、当該反芻動物の筋肉又は内臓を分離して食用肉とすることを特徴とする、食用肉の製造方法。
- 請求項13に記載の反芻動物(雌)に対して搾乳を行なって当該動物乳を得ることを特徴とする、動物乳の製造方法。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の反芻動物の飼育方法にて、反芻動物を飼育することにより、当該反芻動物における共役リノール酸を増加させることを特徴とする、反芻動物における共役リノール酸の増加方法。
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