JP2008211999A - 育苗箱運搬用カゴ - Google Patents

Abstract

【課題】育苗箱の運搬作業をこれまでになく簡単且つ作業性良く行える画期的な育苗箱運搬用カゴを提供する。
【解決手段】一側面側に挿入用開口部１ａを配した横挿入型の収納カゴ体１の収納空間に、前記挿入用開口部１ａから挿入される育苗箱４の底部を支承保持してこの育苗箱４を載置収納し得る支承部２を上下に複数段設け、前記挿入用開口部１ａから各支承部２に育苗箱４を載置収納してこの収納カゴ体１の収納空間に育苗箱４を重段状態に整列収納して持ち運びできるように収納カゴ体１を構成し、且つこの収納カゴ体１を所定の載置面ａに載置した際、前記挿入用開口部１ａ側から挿入奥側に向けて下り傾斜する傾斜姿勢に収納カゴ体１を載置保持する傾斜姿勢保持脚部３を前記収納カゴ体１に設けた構成とする。
【選択図】図３

Description

本発明は、育苗箱を複数重段状態に整列収納して持ち運びできる育苗箱運搬用カゴに関するものである。

育苗箱は、土と種籾とを敷き入れると共にビニールハウスなどの温室に敷き並べて育苗するものである。また、田植えの際には、この温室に敷き並べた育苗箱ごと田圃に運搬し、この育苗箱で育成した幼苗を用いて田植えを行う。

この育苗箱の運搬には、一般に、トラックなどの運搬用車両の荷台に一度に多数の育苗箱を積み込めるように、育苗箱運搬用のコンテナ（例えば特許文献１など）が用いられている。このコンテナは、一般に育苗箱を架設状態に載置収納する収納棚部を上下に多段に設けた構成であり、トラックなどの運搬用車両の荷台（以下、単に荷台という。）に積んだコンテナの各収納棚部に育苗箱を収納して、この荷台に一度に多数の育苗箱を積み込むことができる。

ところで、このコンテナを用いて育苗箱の運搬作業を行う場合、温室に敷き並べた育苗箱をこの温室内から運び出し、このコンテナの各収納棚部に次々と育苗箱を収納するという積み込み作業が行われる。しかし、土や苗を入れたこの育苗箱は、一枚で約８キロもの重量を有するだけに、この育苗箱の積み込み作業は多くの労力を要する非常に厄介な作業であった。

例えば、育苗箱を手で持って温室から運び出す場合、重い育苗箱を不意に手から落とす心配があり、安全且つ確実に一度に運び出せる育苗箱の数は限られ、それだけ作業性が悪かった。また、例えば一輪車を用いて育苗箱を運搬する場合、育苗箱を不意に手から落とす心配は無いものの、一輪車に一度に載置できる育苗箱の数は限られ、やはり一度に運び出せる育苗箱の数はそれほど多くない。

そこで、育苗箱を一度に複数載置して運搬できる専用の手押し車などの運搬装置も従来から提案されている。この専用の運搬装置を用いれば、温室からの育苗箱の運び出しを作業性良く良好に行える。しかし、せっかくこの運搬装置に載置した育苗箱は、温室から運び出した後、一々コンテナの各収納棚部に一枚ずつ積み替えなければならず、これが面倒であった。

また、コンテナは荷台の上に積まれるのでそれだけ位置が高く、特に、このコンテナの上段側の収納棚部ともなると必然的にかなり高い位置になり、この高い位置に重い育苗箱を持ち上げて何枚も収納する作業は非常に大変である。しかも、温室から荷台の近くまで運び出して地面や一輪車に載置してある育苗箱を屈んで持ち上げ、高い位置にあるコンテナの各収納棚部に収納するという、屈んだり立ったりの繰り返し動作を重い育苗箱を持ちながら何度も行わなければならず、作業者への負担は大きい。

特願平１０−２４４６３２号公報

本発明は、温室に敷き並べた育苗箱をトラックなどの荷台の位置まで運び出し、この荷台に複数の育苗箱を積み込む作業をこれまでになく簡便に且つ作業性良く行うことができるなど、育苗箱の運搬作業にかかる時間や労力を飛躍的に軽減し得る画期的な育苗箱運搬用カゴを提供することを課題とする。

添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。

一側面側に挿入用開口部１ａを配した横挿入型の収納カゴ体１の収納空間に、前記挿入用開口部１ａから挿入される育苗箱４の底部を支承保持してこの育苗箱４を載置収納し得る支承部２を上下に複数段設け、前記挿入用開口部１ａから各支承部２に育苗箱４を載置収納してこの収納カゴ体１の収納空間に育苗箱４を重段状態に整列収納して持ち運びできるように収納カゴ体１を構成し、且つこの収納カゴ体１を所定の載置面ａに載置した際、前記挿入用開口部１ａ側から挿入奥側に向けて下り傾斜する傾斜姿勢に収納カゴ体１を載置保持する傾斜姿勢保持脚部３を前記収納カゴ体１に設けた構成としたことを特徴とする育苗箱運搬用カゴに係るものである。

また、前記収納カゴ体１は、各支承部２の支承保持スペースを育苗箱４を丁度一枚支承保持できる巾寸法及び奥行き寸法に設定すると共に、この支承部２は収納カゴ体１の収納空間に上下に２段以上，５段以下の複数段設けた構成とし、この収納カゴ体１の所定部位に手提げ用持ち手部６を設けた構成としたことを特徴とする請求項１記載の育苗箱運搬用カゴに係るものである。

また、前記収納カゴ体１の上部に、この収納カゴ体１とは別の他の前記収納カゴ体１を載置して一方の前記収納カゴ体１の上部に他方の前記収納カゴ体１を前記挿入用開口部１ａ側から挿入奥側に向けて下り傾斜する傾斜姿勢に段積みできるように構成すると共に、この段積みした下側の収納カゴ体１の上部から、段積みした上側の収納カゴ体１が傾斜下方側へと滑落することを阻止する滑落阻止手段ｓを備えた構成としたことを特徴とする請求項１，２のいずれか１項に記載の育苗箱運搬用カゴに係るものである。

また、前記収納カゴ体１同志を段積みした際、段積みした下側の収納カゴ体１の上部の所定部位，若しくは段積みした上側の収納カゴ体１の下部の所定部位に側方から突き当たり当接係止し、前記下側の収納カゴ体１の上部から前記上側の収納カゴ体１が傾斜下方側へと滑落することを阻止係止する滑落阻止係止部５を、前記収納カゴ体１の下部若しくは上部に設けて前記滑落阻止手段ｓを構成したことを特徴とする請求項３記載の育苗箱運搬用カゴに係るものである。

また、前記収納カゴ体１は、一側面側に配した前記挿入用開口部１ａを上方に向けて横転した状態に載置保持できる形状に構成すると共に、空箱状態の育苗箱４をこの横転した収納カゴ体１の挿入用開口部１ａから各支承部２間に複数差し立て状態に収納してこの収納カゴ体１の収納空間に空箱状態の育苗箱４を多数立て並べ状態に収納し得るように収納カゴ体１を構成したことを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載の育苗箱運搬用カゴに係るものである。

また、前記収納カゴ体１は、その上下方向両側に夫々傾斜姿勢保持脚部３を設けた構成とし、この収納カゴ体１の上下方向いずれの傾斜姿勢保持部３を下方側にして所定の載置面ａに傾斜姿勢に載置保持した場合でも、この収納カゴ体１の各支承部２に前記育苗箱４を載置収納し得るように各支承部２を構成したことを特徴とする請求項１〜５のいずれか１項に記載の育苗箱運搬用カゴに係るものである。

また、前記収納カゴ体１の上下方向両側に夫々設けた各傾斜姿勢保持脚部３を握持可能な形状に形成して、この各傾斜姿勢保持脚部３を、収納カゴ体１を持ち運ぶ際の手提げ用持ち手部６として構成したことを特徴とする請求項６記載の育苗箱運搬用カゴに係るものである。

本発明は上述のように構成したから、収納カゴ体に育苗箱を重段状態に整列収納して、この収納カゴ体を例えば手で持って持ち運びできる。即ち、単に直接手で育苗箱を持ち運ぶ場合、無理に一度に複数の育苗箱を持つと不意に育苗箱を落とす心配もあるが、本発明を用いることでその心配はなく複数の育苗箱を良好に手で持ち運びできる。

しかも、この収納カゴ体は、所定の載置面に載置した際に自然に傾斜姿勢（挿入用開口部側から挿入奥側に下り傾斜する傾斜姿勢）を保持し、この収納カゴ体の挿入用開口部から育苗箱が外に飛び出て落ちてしまうことをこの傾斜姿勢により良好に阻止できる。

従って、この収納カゴ体に複数の育苗箱を収納して持ち運べるだけでなく、トラックなどの荷台にこの収納カゴ体をそのまま載置して良好に運搬することもできる。

よって、本発明は、例えば、温室に敷き並べた育苗箱を田圃まで運搬する場合、温室に敷き並べた育苗箱を本発明を用いてトラックなどの荷台の位置まで良好に運び出すことができる。また、運び出した育苗箱は、収納カゴ体から取り出してトラックの荷台に積み替える必要は無く、この収納カゴ体ごと荷台に載置して簡単に積み込むことができる。更に、複数の収納カゴ体を用いて温室内から育苗箱を次々と運び出し、この複数の収納カゴ体をそのままトラックの荷台に積むことで、この荷台に一度に多数の育苗箱を、非常に簡単に積み込みできる。

従来のように、育苗箱運搬用のコンテナを用いて育苗箱を運搬する場合、重い育苗箱を持ち上げて高い位置にあるコンテナの収納棚部に一枚ずつ何枚も収納するという大変な作業を要したが、本発明は、数体の収納カゴ体をトラックの荷台に積むだけの簡単な作業で荷台へ育苗箱を作業性良く簡単且つスムーズに達成できる。

従って、本発明は、これまで非常に多くの時間と労力とを要した厄介な育苗箱の荷台への積み込み作業を、簡便に且つ作業性良く行うことができ、育苗箱の運搬作業にかかる時間や労力を飛躍的に軽減でき、しかも例えばトラックなどの荷台の余ったスペースに収納カゴ体を積んだり、反対に荷台のスペースの一部にのみ収納カゴ体を積み、余った荷台のスペースは育苗箱以外の荷物の積載に用いるなど、荷台のスペースを有効に活用できるなど、これまでにない秀れた作用効果を発揮する極めて画期的で実用性に秀れた育苗箱運搬用カゴとなる。

また、請求項２記載の発明においては、収納カゴ体に設けた手提げ用持ち手部を持って安定性良く収納カゴ体を手で持ち運びできる。また、この収納カゴ体に設ける支承部の数は、育苗中の育苗箱（大体約８キロ）の重量を考慮し、成人男性が安定性良く持ち運び可能な段数（２段以上，５段以下）に設定したから、この点においても、本発明は一層安定性良く良好に手で持ち運びできる構造となる。よって、本発明は、あくまでも手で簡単に持ち運びできるカゴとしての実用性に一層秀れた育苗箱運搬用カゴとなる。

また、請求項３，４記載の発明においては、載置面に傾斜姿勢に載置保持した収納カゴ体の上部に、更に別の前記収納カゴ体を傾斜姿勢に段積みできる。

即ち、例えばトラックの荷台に収納カゴ体を何体か載置し、この各収納カゴ体の上部に夫々別の収納カゴ体を段積みすることで、従来の育苗箱運搬用コンテナに匹敵する多数の育苗箱を荷台に一度に積み込んで運搬することも可能である。しかも、この段積みした上側の収納カゴ体も自然に傾斜姿勢を保持し、育苗箱が側面の挿入用開口部から外に飛び出し落下することを阻止でき良好な運搬作業が可能である。よって、この種の育苗箱の運搬作業に一層好適な育苗箱運搬用カゴとなる。

また、請求項５記載の発明においては、育苗箱の運搬作業以外にも、空箱状態の育苗箱の収納及び運搬にも使用でき一層利便性に秀れた育苗箱運搬用カゴとなる。

また、請求項６，７記載の発明においては、収納カゴ体を上下方向両側に傾斜姿勢保持脚部を設けているので、この収納カゴ体の上下どちら側を下向きにして収納カゴ体を載置面に載置した場合においても、この収納カゴ体が自然に上述したような傾斜姿勢を保持してこの収納カゴ体の各支承部に育苗箱を良好に載置収納でき、一層使い勝手が良く実用性に秀れた育苗箱運搬用カゴとなる。また、特に、請求項７記載の発明においては、この収納カゴ体の上下方向両側に向けた傾斜姿勢保持脚部が、手提げ用持ち手部としても機能するので、一層持ち運び易く実用性に秀れた育苗箱運搬用カゴとなる。

好適と考える本発明の実施形態（発明をどのように実施するか）を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。

収納カゴ体１の一側面側に配した挿入用開口部１ａから収納カゴ体１の収納空間に育苗箱４を挿入し、この育苗箱４の底部を支承部２に支承保持させることで、この支承部２に育苗箱４を載置収納できる。

この収納カゴ体１の収納空間には、前記支承部２を上下に複数段設けており、よって、この複数の各支承部２に育苗箱４を載置収納し、この収納カゴ体１の収納空間に育苗箱４を重段状態に整列収納してこの収納カゴ体１を持ち運びできる。

従って、本発明を用いれば、複数の育苗箱４を収納カゴ体１に収納して育苗箱４を不意に手から落とすことなく一度に良好に複数の育苗箱４を持ち運べることとなる。

また、収納カゴ体１には傾斜姿勢保持脚部３を設けており、この収納カゴ体１を所定の載置面ａに載置した際、この傾斜姿勢保持脚部３により、収納カゴ体１は前記挿入用開口部１ａ側から挿入奥側に向けて下り傾斜する傾斜姿勢に載置保持されることとなる。

即ち、収納カゴ体１を単に所定の載置面ａに載置するだけで、自然に収納カゴ体１が傾斜姿勢、即ち前記挿入用開口部１ａから挿入して支承部２に載置収納した育苗箱４が前記挿入用開口部１ａから外に出ることを阻止する姿勢に保持されることとなる。

従って、例えばこの収納カゴ体１に育苗箱４を収納し、この収納カゴ体１ごとトラックの荷台などに載置して運搬する際、このトラックの走行により多少収納カゴ体１がガタついても、育苗箱４が外に飛び出して落下させてしまうトラブルを阻止でき、それだけ一層安定して確実且つ良好に育苗箱運搬作業を実施できることとなる。

尚、例えば、収納カゴ体１は、各支承部２の支承保持スペースを育苗箱４を丁度一枚支承保持できる巾寸法及び奥行き寸法に設定すると共に、この支承部２は収納カゴ体１の収納空間に上下に２段以上，５段以下の複数段設けた構成とし、この収納カゴ体１の所定部位に手提げ用持ち手部６を設けた構成とした場合には、収納カゴ体１に一度に収納できる育苗箱４の枚数が最適となり、一層実用性に秀れることとなる。即ち、育苗箱の重量（約８キロ）を考慮すると、支承部２を６段以上設け、収納カゴ体１に一度に６枚以上の育苗部箱４を収納した場合、その総重量が約５０キロ近くにまでなってしまい、とても手で簡単に持ち運ぶことはできない。この点、本発明のように支承部２の段数を設定した場合、一般的な成人男性が安定性良く良好に持ち運びでき、よって、本発明は一度に複数の育苗箱４を、あくまで手で簡単に持ち運ぶことができるカゴとしての一層高い実用価値を有するものとなる。

また、例えば、前記収納カゴ体１の上部に、この収納カゴ体１とは別の他の前記収納カゴ体１を載置して一方の前記収納カゴ体１の上部に他方の前記収納カゴ体１を前記挿入用開口部１ａ側から挿入奥側に向けて下り傾斜する傾斜姿勢に段積みできるように構成すると共に、この段積みした下側の収納カゴ体１の上部から、段積みした上側の収納カゴ体１が傾斜下方側へと滑落することを阻止する滑落阻止手段ｓを備えた構成とした場合、例えば、トラックなどの荷台に、収納カゴ体１を何体か載置し、この各収納カゴ体１の上部に、更に別の前記収納カゴ体１を載置することで前記荷台に一度に多数の育苗箱４を積み込めることとなる。

また、段積みした上側の収納カゴ体１は、段積みした下側の収納カゴ体１の上部で、この下側の収納カゴ体１と同様に自然に傾斜姿勢に保持されることとなり、これによりこの上側の収納カゴ体１の支承部２に載置保持した育苗箱４が挿入用開口部１ａから外に出ることを阻止できることとなる。またこの際、この上側の収納カゴ体１が傾斜下方側へと滑落することも、滑落阻止手段ｓによって良好に阻止されるから、上述のようにトラックなどの荷台に収納カゴ体１を段積みして多数の育苗箱４を運搬する際、このトラックの走行により多少ガタつきが生じたとしても、この上下の収納カゴ体１同志の段積み状態が維持され、この段積みした収納カゴ体１により安定性良く確実に多数の育苗箱４を運搬できることとなる。

本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。

本実施例は、一側面側に挿入用開口部１ａを配した横挿入型の収納カゴ体１の収納空間に、前記挿入用開口部１ａから挿入される育苗箱４の底部を支承保持してこの育苗箱４を載置収納し得る支承部２を上下に複数段設け、前記挿入用開口部１ａから各支承部２に育苗箱４を載置収納してこの収納カゴ体１の収納空間に育苗箱４を重段状態に整列収納して持ち運びできるように収納カゴ体１を構成し、且つこの収納カゴ体１を所定の載置面ａに載置した際、前記挿入用開口部１ａ側から挿入奥側に向けて下り傾斜する傾斜姿勢に収納カゴ体１を載置保持する傾斜姿勢保持脚部３を前記収納カゴ体１に設けた構成とした育苗箱運搬用カゴである。

以下、具体的に説明する。

本実施例の収納カゴ体１は、図１に図示したように、金属製の線材を主材にして、上下対照にして正面視においては左右対称な形状に構成している。また、この収納カゴ体１の支承部２は、育苗箱４の重量を加味し、収納カゴ体１の収納空間に上下に２段以上，５段以下の複数段設けることとし、本実施例においては、図１及び図２に図示したように支承部２を上下４段に設けている。具体的には、図１及び図２に図示したように、収納カゴ体１の収納空間に、育苗箱４の底部にして幅方向両側部位を架設状態に支承保持する一対の載置部２ａを上下５段に設けた構成で、図２に図示したように、上下に隣り合う載置部２ａ間のスペースを各支承部２として構成しており、図４に図示したように、各支承部２の上下に位置する載置部２ａのうち下側に位置する載置部２ａに育苗箱４の底部を支承してこの支承部２に育苗箱４を載置保持する。また、図４に図示した状態から収納カゴ体１を上下反転させた場合も、同様に各支承部２の上下の載置部２ａのうち下側に位置する載置部２ａに育苗箱４の底部を支承でき、よって、収納カゴ体１の上下反転し、いずれの方向を下に載置した場合にも、図３及び図４に図示したように各支承部２に育苗箱４を重段状態に整列収納し得る構成である。

また、上下何れの方向に載置した場合にも、この収納カゴ体１が図４に図示したような傾斜姿勢（挿入用開口部１ａ側から挿入奥側に向けて下り傾斜する姿勢）となるように、この収納カゴ体１には、上下方向両側に夫々傾斜姿勢保持脚部３を設けている。

この上下の傾斜姿勢保持脚部３は、図２に図示したように、収納カゴ体１の挿入用開口部１ａの開口縁部を構成する線材の上下両端側を夫々上下に大きく突出状態に形成したもので、図４に図示したように収納カゴ体１を水平な載置面ａに載置した場合、下方に突出する傾斜姿勢保持脚部３が載置面ａに接地して、収納カゴ体１が前記傾斜姿勢に保持される構成である。また、図４に図示した収納カゴ体１を載置した状態で収納カゴ体１の上部に位置する傾斜姿勢保持脚部３は、取っ手のように手で掴んで収納カゴ体１を持ち上げたり持ち運んだりするための手提げ用持ち手部６としても構成しており、収納カゴ体１を載置した状態で上部に位置する傾斜姿勢保持脚部３を手で持って収納カゴ体１を良好に持ち運び可能である。尚、この傾斜姿勢保持脚部３に限らず、この収納カゴ体１の手で掴める位置を前記手提げ用持ち手部６として手で掴んで持ち上げたり持ち運んだりしても良い。

また、後述のように、この収納カゴ体１を空箱状態の育苗箱４の収納カゴとして使用する場合（図６参照）にも、この上下両側に設けた傾斜姿勢保持脚部３（手提げ用持ち手部６）を両手で夫々掴んで良好にこの収納カゴ体１を持ち運びできる。

この支承部２に載置収納される育苗箱４は、一般的な浅箱状の稲作用の市販の育苗箱４を採用し、そのサイズは、市販品として一般的な長さ約６０ｃｍ，幅約３０ｃｍ，高さ約３ｃｍである。

収納カゴ体１の各支承部２は、その支承保持スペースを、この一般的な市販の育苗箱４を丁度一枚支承保持できる巾寸法及び奥行き寸法に設定しており、本実施例では、奥行きは、図３に図示したように育苗箱４の長さ方向よりやや短い約５０ｃｍ，幅は育苗箱４の幅よりもやや広い約３４ｃｍとし、また支承保持スペースの高さは約１２ｃｍとしている。この支承保持スペースの高さ寸法は、後述のように、この収納カゴ体１を空箱状態の育苗箱４の収納カゴとして使用する場合（図６参照）に、空箱の育苗箱４を三枚重ねにして丁度この支承部２のスペースに差し立て収納できる寸法である。

また、本実施例では、図５に図示したように、前記収納カゴ体１の上部に、この収納カゴ体１とは別の他の前記収納カゴ体１を載置して一方の前記収納カゴ体１の上部に他方の前記収納カゴ体１を前記挿入用開口部１ａ側から挿入奥側に向けて下り傾斜する傾斜姿勢に段積みできるように構成している。また、この段積みした下側の収納カゴ体１の上部から、段積みした上側の収納カゴ体１が傾斜下方側へと滑落することを阻止する滑落阻止手段ｓを備えた構成としている。

具体的には、図２に図示したように、側面視においてこの収納カゴ体１の挿入用開口部１ａ側の端部に突出状態に傾斜姿勢保持脚部３を設け、その反対側の端部にはこの傾斜姿勢保持脚部３より突出量の少ない滑落阻止係止部５を設け、その中間部は、図２に図示したように、平坦な形状とする。前記滑落阻止係止部５は、図１に図示したように、支承部２の左右の載置部２ａ間の中間部位置に、この左右の載置部２ａの対向間隔より短い全長に形成している。

この収納カゴ体１の上部に、別の他の前記収納カゴ体１を載置する際、段積みする上側の収納カゴ体１の傾斜姿勢保持脚部３及び滑落阻止係止部５が、段積みする下側の収納カゴ体１の上部の傾斜姿勢保持脚部３及び滑落阻止係止部５より傾斜上方側に位置するように段積みする。これにより、図５に図示したように、段積みした下側の収納カゴ体１の上部の傾斜姿勢保持脚部３及び滑落阻止係止部５が段積みした上側の収納カゴ体１の下部の所定部位に側方から突き当たり当接係止し、前記下側の収納カゴ体１の上部から前記上側の収納カゴ体１が傾斜下方側へと滑落することが阻止係止されるように前記滑落阻止手段ｓを構成している。従って、図９に図示したように、収納カゴ体１同志を段積みしてトラックの荷台などに積んで運搬する際、この荷台が多少ガタついたとしても、この上下の収納カゴ体１同志の段積みが維持される。

また、前記収納カゴ体１は、図１及び図２に図示したように、この収納カゴ体１の収納奥側（図２中，右側）を平坦に形成しており、一側面側に配した前記挿入用開口部１ａを上方に向けて横転した状態に載置保持できるように構成している。

従って、図６に図示したように、空箱状態の育苗箱４をこの横転した収納カゴ体１の挿入用開口部１ａから各支承部２間に複数差し立て状態に収納してこの収納カゴ体１の収納空間に空箱状態の育苗箱４を多数立て並べ状態に収納でき、この収納カゴ体１を空箱状態の育苗箱４の運搬や、収納，整理などにも使用可能である。

また、このように収納カゴ体１を、挿入用開口部１ａを上方に向けて横転した状態に載置保持した際、この挿入用開口部１ａから各支承部２の載置部２ａが互いに水平に鉛直下方に延設された形状としているため、このように挿入用開口部１ａを上方に向けて横転した状態に載置保持した収納カゴ体１の上方からこの収納カゴ体１の収納空間に、別の他の挿入用開口部１ａを同じく横転状態にして収納することで、図７に図示したように、複数の収納カゴ体１をスタッキングできるように構成している。

従って、未使用時には複数の収納カゴ体１同志をコンパクトにスタッキングしてこの複数の収納カゴ体１を便利に持ち運びや収納できる。

図８及び図９は、本実施例を用いた育苗箱４の運搬作業例を示すものである。

例えば、ビニールハウスなどの温室に敷き並べた育苗箱４をトラックなどの荷台に積み込んで田圃に運搬したい場合、図８に図示したように、温室に敷き並べた育苗箱４を収納カゴ体１に収納してこの収納カゴ体１を手で持ち運んだり、或いは図８に図示したように一輪車に数体載せて温室からトラックなどの荷台の位置まで運び出す。

そして、収納カゴ体１を用いて運び出した育苗箱４は、この収納カゴ体１から荷台に積み替えるのではなく、この収納カゴ体１をそのまま荷台に載置することで育苗箱４をトラックの荷台に積み込みする。この収納カゴ体１を複数用いて、次々と育苗箱４を温室から運び出し、荷台の上若しくは荷台に積んだ他の収納カゴ体１の上部に次々とこの収納カゴ体１を載置することで、トラックの荷台に一度に多数の育苗箱４を作業性良く簡単に積み込むことができる。また、本実施例は、図９に図示したように、トラックの荷台に従来の育苗箱運搬用のコンテナの積み、その余った荷台のスペースに本実施例の収納カゴ体１を載置すれば、荷台のスペースを有効に活用することが可能である。

尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。

本実施例に係る育苗箱運搬用カゴの説明斜視図である。 本実施例に係る育苗箱運搬用カゴの説明側面図である。 本実施例に係る育苗箱運搬用カゴの使用状態説明斜視図である。 本実施例に係る育苗箱運搬用カゴの使用状態説明側面図である。 本実施例に係る育苗箱運搬用カゴの収納カゴ体１同志を段積みした状態を示す図である。 本実施例に係る育苗箱運搬用カゴの使用状態説明斜視図である。 本実施例に係る育苗箱運搬用カゴの収納カゴ体１同志をスタッキングした状態を示す図である。 本実施例に係る育苗箱運搬用カゴを用いた運搬作業例を示す説明図である。 本実施例に係る育苗箱運搬用カゴを用いた運搬作業例を示す説明図である。

符号の説明

１ 収納カゴ体
１ａ 挿入用開口部
２ 支承部
３ 傾斜姿勢保持脚部
４ 育苗箱
５ 滑落阻止係止部
６ 手提げ用持ち手部
ａ 載置面
ｓ 滑落阻止手段

Claims (7)

1. 一側面側に挿入用開口部を配した横挿入型の収納カゴ体の収納空間に、前記挿入用開口部から挿入される育苗箱の底部を支承保持してこの育苗箱を載置収納し得る支承部を上下に複数段設け、前記挿入用開口部から各支承部に育苗箱を載置収納してこの収納カゴ体の収納空間に育苗箱を重段状態に整列収納して持ち運びできるように収納カゴ体を構成し、且つこの収納カゴ体を所定の載置面に載置した際、前記挿入用開口部側から挿入奥側に向けて下り傾斜する傾斜姿勢に収納カゴ体を載置保持する傾斜姿勢保持脚部を前記収納カゴ体に設けた構成としたことを特徴とする育苗箱運搬用カゴ。
2. 前記収納カゴ体は、各支承部の支承保持スペースを育苗箱を丁度一枚支承保持できる巾寸法及び奥行き寸法に設定すると共に、この支承部は収納カゴ体の収納空間に上下に２段以上，５段以下の複数段設けた構成とし、この収納カゴ体の所定部位に手提げ用持ち手部を設けた構成としたことを特徴とする請求項１記載の育苗箱運搬用カゴ。
3. 前記収納カゴ体の上部に、この収納カゴ体とは別の他の前記収納カゴ体を載置して一方の前記収納カゴ体の上部に他方の前記収納カゴ体を前記挿入用開口部側から挿入奥側に向けて下り傾斜する傾斜姿勢に段積みできるように構成すると共に、この段積みした下側の収納カゴ体の上部から、段積みした上側の収納カゴ体が傾斜下方側へと滑落することを阻止する滑落阻止手段を備えた構成としたことを特徴とする請求項１，２のいずれか１項に記載の育苗箱運搬用カゴ。
4. 前記収納カゴ体同志を段積みした際、段積みした下側の収納カゴ体の上部の所定部位，若しくは段積みした上側の収納カゴ体の下部の所定部位に側方から突き当たり当接係止し、前記下側の収納カゴ体の上部から前記上側の収納カゴ体が傾斜下方側へと滑落することを阻止係止する滑落阻止係止部を、前記収納カゴ体の下部若しくは上部に設けて前記滑落阻止手段を構成したことを特徴とする請求項３記載の育苗箱運搬用カゴ。
5. 前記収納カゴ体は、一側面側に配した前記挿入用開口部を上方に向けて横転した状態に載置保持できる形状に構成すると共に、空箱状態の育苗箱をこの横転した収納カゴ体の挿入用開口部から各支承部間に複数差し立て状態に収納してこの収納カゴ体の収納空間に空箱状態の育苗箱を多数立て並べ状態に収納し得るように収納カゴ体を構成したことを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載の育苗箱運搬用カゴ。
6. 前記収納カゴ体は、その上下方向両側に夫々傾斜姿勢保持脚部を設けた構成とし、この収納カゴ体の上下方向いずれの傾斜姿勢保持部を下方側にして所定の載置面に傾斜姿勢に載置保持した場合でも、この収納カゴ体の各支承部に前記育苗箱を載置収納し得るように各支承部を構成したことを特徴とする請求項１〜５のいずれか１項に記載の育苗箱運搬用カゴ。
7. 前記収納カゴ体の上下方向両側に夫々設けた各傾斜姿勢保持脚部を握持可能な形状に形成して、この各傾斜姿勢保持脚部を、収納カゴ体を持ち運ぶ際の手提げ用持ち手部として構成したことを特徴とする請求項６記載の育苗箱運搬用カゴ。

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