JP2008211472A - 無線通信方法、無線通信システム及び無線通信装置 - Google Patents

無線通信方法、無線通信システム及び無線通信装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008211472A
JP2008211472A JP2007045704A JP2007045704A JP2008211472A JP 2008211472 A JP2008211472 A JP 2008211472A JP 2007045704 A JP2007045704 A JP 2007045704A JP 2007045704 A JP2007045704 A JP 2007045704A JP 2008211472 A JP2008211472 A JP 2008211472A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wireless communication
data packet
data packets
node
multiplexed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007045704A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Miyamoto
伸一 宮本
Masaichi Sanpei
政一 三瓶
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka University NUC
Original Assignee
Osaka University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka University NUC filed Critical Osaka University NUC
Priority to JP2007045704A priority Critical patent/JP2008211472A/ja
Publication of JP2008211472A publication Critical patent/JP2008211472A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Small-Scale Networks (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Abstract

【課題】マルチホップ無線ネットワークによるシステムにて、このシステムを構成する特定の無線通信装置に双方向からのデータが集中してボトルネックとなり、円滑なデータパケットの中継が妨げられることを防止することができる無線通信方法、無線通信システム及び無線通信装置を提供する。
【解決手段】ノード1からのデータパケットAをノード2が中継してノード3へ送信し、ノード3からのデータパケットBをノード2が中継してノード1へ送信する場合において、ノード2はデータパケットA及びBを多重化したデータパケットXを生成し、ノード1及び3へデータパケットXを同時に送信する。ノード1は、送信済のデータパケットAを記憶しており、受信したデータパケットXからデータパケットAを取り除くことでデータパケットBを取得することができる。同様にして、ノード3はデータパケットAを取得することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、データパケットの送信元の無線通信装置から送信先の無線通信装置へ一又は複数の他の無線通信装置を介してデータパケットを送信することができる無線通信方法、この方法を利用する無線通信システム及び無線通信装置に関する。
従来、携帯電話網及び無線LAN(Local Area Network)等のように、無線通信によりデータパケットの送受信を行うシステムが普及している。無線通信によるネットワークの構築形態として、送信元の装置から送信先の装置へ直接的にデータパケットの送受信を行う形態(所謂、シングルホップ無線ネットワーク)がある。しかし、近年では無線ネットワーク中に多種、多様、多目的な装置が多数含まれるため、シングルホップ無線ネットワークを用いるには限界があった。このため、送信元の装置から送信先の装置へ一又は複数の中継装置を介してデータパケットの送受信を行うネットワーク形態(所謂、マルチホップ無線ネットワーク)がその利便性から注目されている。シングルホップ無線ネットワークと比較して、マルチホップ無線ネットワークでは、多数の中継装置を配置することによって無線通信を可能とする範囲を拡大することができ、多数の装置を配置する場合の柔軟性を向上することができるなどの多くの利点を有している。
図11は、マルチホップ無線ネットワークによる無線通信システムの一構成例を示す模式図であり、(a)及び(b)にそれぞれ構成例を示してある。図において101〜116は無線により通信を行う機能を有する無線通信装置であり、以下では各無線通信装置をそれぞれノードと呼称する。各ノード101〜116は、PC(パーソナルコンピュータ)又はプリンタ等の通信機能以外の機能を兼ね備える装置であってもよく、無線LANのアクセスポイントのように通信機能のみを備える装置であってもよい。図11(a)に例示する無線通信システムは6つのノード101〜106により構成されており、無線の送受信可能な範囲内でノード間通信を行うことができる(図中では、通信可能なノードを矢印で示してある)。ここで、ノード101からノード106へデータパケットの送信を行う場合、ノード106はノード101が直接的に無線の送受信可能な範囲内に存在しないため、例えばノード102及びノード104がデータパケットを中継することによりノード101からノード106へデータパケットの送信を行うことができる。また、ノード102及びノード105を介してデータパケットの送信を行うこともでき、ノード103及びノード104を介してデータパケットの送信を行うこともでき、また、ノード103及びノード105を介してデータパケットの送信を行うこともできる。
図11(b)に例示する無線通信システムは、10のノード107〜116により構成されているが、ノードの配置に偏りがある場合である。ここで、ノード107からノード116へデータの送信を行う場合、複数の他のノード108〜115がデータパケットを中継することによってデータパケットの送信を行うことは可能である。しかし、データパケットがどのような経路で中継された場合であっても、4つのノード110〜113を介してデータパケットを送信する必要がある。このため、4つのノード107〜110によるノード群から4つのノード113〜116によるノード群へのデータパケットの送信、及びこの反対方向へのデータパケットの送信が頻発する場合には、ノード110〜113にて双方向のデータの中継を行う必要が生じ、ノード110〜113にデータパケットが集中してボトルネックとなり、システム全体での円滑なデータパケットの通信が妨げられる虞がある。
図12は、マルチホップ無線ネットワークによる無線通信システムの問題点を説明するための模式図である。図12(a)には無線通信システムの一構成例を示してあり、無線通信システムが3つのノード1〜3を備える構成である。本例では、ノード1及びノード3は直接的に無線通信を行うことができず、ノード2を介してデータパケットの送受信を行うようにしてある。この構成は、図11(b)において、例えば3つのノード111〜113のみに着目したものである。また、図12(b)には3つのノード1〜3にて行われた通信例を示すタイミングチャートが示してあり、(c)にはこの通信例にてノード2内のバッファに蓄積されるデータパケットの変化を示すタイミングチャートが示してある。
本例の無線通信システムは、ノード1からのデータパケットをノード2が中継してノード3に送信すると共に、ノード3からのデータパケットをノード2が中継してノード1へ送信する構成である。なお、本例の無線通信システムはCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)の手順(非特許文献1参照)に従って送受信を行うようにしてあり、各ノード1〜3が送信権を獲得する機会は均等であるとする。図12(b)に示すように、各ノード1〜3はそれぞれ3回のデータパケットの送信を行っており、ノード1及びノード3は共にノード2へデータパケットを送信するが、ノード2はノード1又はノード3の何れか一方にしか一度にデータパケットの送信を行うことができないため、ノード2のバッファ内に送信しなければならないデータパケットが徐々に蓄積されていく。ノード2はデータパケットの中継を受信順に行う場合が多く、バッファに蓄積されるデータパケットの量が増すほど、通信の遅延が増大するという問題がある。また、ノード2のバッファがあふれた場合には、ノード1及びノード3がデータパケットの送信を行うことができない状況が発生するという問題がある。
ANSI/IEEE Std 802.11 1999 Edition(R2003) Wireless LAN Medium Access Control(MAC) and Physical Layer(PHY) Specifications
例えば、家庭内LANをマルチホップ無線ネットワークとして構築する場合、家屋の1階及び2階の間で図11(b)のように通信経路が限られる構成となる可能性がある。例えば、社内LANをマルチホップ無線ネットワークとして構築する場合、1つの部署内では図11(a)のように多数の通信経路が存在しても、部署間の通信経路は図11(b)のように限られる構成となる可能性がある。このように、図11(b)に示す無線通信システムの構成は実使用上において十分にあり得る構成である。よって、特定のノードに双方向のデータパケットが集中し、このノードがボトルネックとなって円滑な通信を妨げる問題を解決する方法が求められている。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、無線通信システムに含まれる一の無線通信装置にて、他の無線通信装置からのデータパケットを受信してバッファなどに記憶し、異なる無線通信装置へ中継すべきデータパケットを複数記憶した場合には、この複数のデータパケットを多重化して一の送信データパケットを生成し、中継すべき複数の無線通信装置へ送信する構成とすることにより、一度の通信で複数の無線通信装置にデータパケットを送信して中継を行うことができる無線通信方法、並びにこの方法を用いる無線通信システム及び無線通信装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、他の無線通信装置へ送信したデータパケットをバッファなどに記憶しておき、他の無線通信装置から多重化されたデータパケットを受信した場合には、記憶しておいた送信済みのデータパケットを基に多重化されたデータパケットから一のデータパケットを抽出する構成とすることにより、中継の際に多重化されて送信されたデータパケットから自らが必要とするデータパケットを抽出することができる無線通信方法、並びにこの方法を用いる無線通信システム及び無線通信装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、2つのデータパケットの排他的論理和を算出することで多重化を行うと共に、多重化されたデータパケット及び送信済みのデータパケットの排他的論理和を算出することでデータパケットの抽出を行う構成とすることにより、データパケットの多重化及び抽出を簡単且つ確実に行うことができる無線通信方法、並びにこの方法を用いる無線通信システム及び無線通信装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、2つの無線通信装置へ中継すべきデータパケットを2つのアナログ信号に変調し、2つのアナログ信号を加算することで多重化を行うと共に、送信済みのデータパケットをアナログ信号に変調し、受信したデータパケットに係るアナログ信号から送信済みのデータパケットに係るアナログ信号を減算し、減算により得られたアナログ信号を復調してデータパケットの抽出を行う構成とすることにより、データパケットの多重化及び抽出を確実に行うことができる無線通信方法、並びにこの方法を用いる無線通信システム及び無線通信装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、データパケットを中継する異なる2つの無線通信装置との間で通信速度が2倍以上に異なる場合には、通信速度が速い一方の無線通信装置へ送信すべき複数のデータパケットをそれぞれ変調し、順に繋ぎ合わせて1つのアナログ信号に合成すると共に、他方の無線通信装置へ送信すべき1つのデータパケットを1つのアナログ信号に変調し、2つのアナログ信号を加算して多重化する構成とすることにより、装置間の通信速度に応じてより多数のデータパケットを多重化して同時的に送信することができる無線通信方法、並びにこの方法を用いる無線通信システム及び無線通信装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、データパケットの送受信に伴う雑音特性を推定し、送信済のデータパケットをアナログ信号に変調する際には、推定した雑音特性に応じてアナログ信号の調整を行うことにより、多重化されたデータパケットから必要なデータパケットをより確実に抽出することができる無線通信方法、並びにこの方法を用いる無線通信システム及び無線通信装置を提供することにある。
第1発明に係る無線通信方法は、無線によりデータパケットの送受信を行う複数の無線通信装置を備える無線通信システムに含まれる一の無線通信装置にて、送信元の無線通信装置から送信先の無線通信装置へデータパケットを中継する無線通信方法において、他の無線通信装置から受信したデータパケットを記憶し、異なる無線通信装置へ中継すべきデータパケットを複数記憶した場合に、複数の前記データパケットを多重化した一の送信データパケットを生成し、生成した前記送信データパケットを前記無線通信装置へ送信することを特徴とする。
また、第2発明に係る無線通信方法は、送信したデータパケットを記憶しておき、他の無線通信装置から多重化されたデータパケットを受信した場合に、記憶しておいた送信済みのデータパケットを基に、多重化されたデータパケットから一又は複数のデータパケットを抽出することを特徴とする。
また、第3発明に係る無線通信方法は、記憶した2つのデジタルのデータパケットの排他的論理和を算出して、多重化した一の送信データパケットを生成し、多重化されたデータパケット及び記憶しておいた送信済みのデータパケットの排他的論理和を算出して、多重化されたデータパケットから一のデータパケットを抽出することを特徴とする。
また、第4発明に係る無線通信方法は、2つの無線通信装置へ中継すべきデータパケットを2つのアナログ信号にそれぞれ変調し、変調した2つのアナログ信号を加算して、多重化した一の送信データパケットを生成し、受信したデータパケットに係るアナログ信号から、記憶しておいた送信済みのデータパケットを変調したアナログ信号を減算し、減算により得られたアナログ信号を復調して、多重化されたデータパケットから一又は複数のデータパケットを抽出することを特徴とする。
また、第5発明に係る無線通信方法は、データパケットを中継すべき異なる2つの無線通信装置との間で通信速度が2倍以上に異なる場合に、通信速度が速い一方の無線通信装置への複数のデータパケットをアナログ信号にそれぞれ変調し、変調した複数のアナログ信号を順に繋ぎ合わせて1つのアナログ信号に合成すると共に、他方の無線通信装置への1つのデータパケットを1つのアナログ信号に変調し、2つのアナログ信号を加算して、多重化した一の送信データパケットを生成することを特徴とする。
また、第6発明に係る無線通信方法は、データパケットの送受信に伴う雑音特性を推定し、記憶しておいた送信済みのデータパケットをアナログ信号に変調し、変調したアナログ信号を推定した雑音特性に応じて調整し、受信したデータパケットに係るアナログ信号から調整したアナログ信号を減算し、減算により得られたアナログ信号を復調して、多重化されたデータパケットから一又は複数のデータパケットを抽出することを特徴とする。
また、第7発明に係る無線通信システムは、無線によりデータパケットの送受信を行う無線通信装置を複数備え、送信元の無線通信装置から送信先の無線通信装置へその他の無線通信装置がデータパケットを中継する無線通信システムにおいて、前記無線通信装置は、他の無線通信装置から受信した中継すべきデータパケットを記憶する中継データ記憶手段と、異なる無線通信装置へ中継すべきデータパケットが前記中継データ記憶手段に複数記憶されている場合に、複数の前記データパケットを多重化した一の送信データパケットを生成する生成手段とを有し、前記生成手段が生成した送信データパケットを、一の無線通信装置が複数の他の無線通信装置へ送信するようにしてあることを特徴とする。
また、第8発明に係る無線通信システムは、前記無線通信装置が、他の無線通信装置へ送信したデータパケットを記憶する送信済データ記憶手段と、他の無線通信装置から多重化されたデータパケットを受信した場合に、前記送信済データ記憶手段に記憶した送信済みのデータパケットを基に、多重化されたデータパケットから一又は複数のデータパケットを抽出する抽出手段とを有することを特徴とする。
また、第9発明に係る無線通信システムは、前記無線通信装置が、前記生成手段が、前記中継データ記憶手段に記憶された2つのデジタルのデータパケットの排他的論理和を算出して、多重化した一の送信データパケットを生成するようにしてあり、前記抽出手段は、多重化されたデータパケット及び前記送信済データ記憶手段に記憶された送信済みのデータパケットの排他的論理和を算出して、多重化されたデータパケットから一のデータパケットを抽出するようにしてあることを特徴とする。
また、第10発明に係る無線通信システムは、前記無線通信装置が、前記生成手段が、2つの無線通信装置へ中継すべきデータパケットを2つのアナログ信号にそれぞれ変調し、変調した2つのアナログ信号を加算して、多重化した一の送信データパケットを生成するようにしてあり、前記抽出手段は、受信したデータパケットに係るアナログ信号から、前記送信済データ記憶手段に記憶された送信済みのデータパケットを変調したアナログ信号を減算し、減算により得られたアナログ信号を復調して、多重化されたデータパケットから一又は複数のデータパケットを抽出するようにしてあることを特徴とする。
また、第11発明に係る無線通信システムは、データパケットを中継すべき異なる2つの無線通信装置との間で通信速度が2倍以上に異なる場合に、前記無線通信装置は、前記生成手段が、通信速度が速い一方の無線通信装置への複数のデータパケットをアナログ信号にそれぞれ変調し、変調した複数のアナログ信号を順に繋ぎ合わせて1つのアナログ信号に合成すると共に、他方の無線通信装置への1つのデータパケットを1つのアナログ信号に変調し、2つのアナログ信号を加算して、多重化した一の送信データパケットを生成するようにしてあることを特徴とする。
また、第12発明に係る無線通信システムは、前記無線通信装置が、データパケットの送受信に伴う雑音特性を推定する推定手段を有し、前記抽出手段は、前記送信済データ記憶手段に記憶された送信済みのデータパケットを変調し、変調したアナログ信号を前記推定手段が推定した雑音特性に応じて調整し、受信したデータパケットに係るアナログ信号から調整したアナログ信号を減算し、減算により得られたアナログ信号を復調して、多重化されたデータパケットから一又は複数のデータパケットを抽出するようにしてあることを特徴とする。
また、第13発明に係る無線通信装置は、他の装置との間で無線によりデータパケットの送受信を行い、送信元の他の装置から送信先の他の装置へデータパケットを中継する無線通信装置において、他の装置から受信した中継すべきデータパケットを記憶する中継データ記憶手段と、異なる他の装置へ中継すべきデータパケットが前記中継データ記憶手段に複数記憶されている場合に、複数の前記データパケットを多重化した一の送信データパケットを生成する生成手段とを備えることを特徴とする。
また、第14発明に係る無線通信装置は、他の装置へ送信したデータパケットを記憶する送信済データ記憶手段と、他の装置から多重化されたデータパケットを受信した場合に、前記送信済データ記憶手段に記憶した送信済みのデータパケットを基に、多重化されたデータパケットから一又は複数のデータパケットを抽出する抽出手段とを備えることを特徴とする。
また、第15発明に係る無線通信装置は、前記抽出手段が、多重化されたデータパケット及び前記送信済データ記憶手段に記憶された送信済みのデータパケットの排他的論理和を算出して、多重化されたデータパケットから一のデータパケットを抽出するようにしてあることを特徴とする。
また、第16発明に係る無線通信装置は、前記生成手段が、前記中継データ記憶手段に記憶された2つのデジタルのデータパケットの排他的論理和を算出して、多重化した一の送信データパケットを生成するようにしてあることを特徴とする。
また、第17発明に係る無線通信装置は、前記抽出手段が、受信したデータパケットに係るアナログ信号から、前記送信済データ記憶手段に記憶された送信済みのデータパケットを変調したアナログ信号を減算し、減算により得られたアナログ信号を復調して、多重化されたデータパケットから一又は複数のデータパケットを抽出するようにしてあることを特徴とする。
また、第18発明に係る無線通信装置は、前記生成手段が、2つの他の装置へ中継すべきデータパケットを2つのアナログ信号にそれぞれ変調し、変調した2つのアナログ信号を加算して、多重化した一の送信データパケットを生成するようにしてあることを特徴とする。
また、第19発明に係る無線通信装置は、データパケットを中継すべき異なる2つの他の装置との間で通信速度が2倍以上に異なる場合に、前記生成手段は、通信速度が速い一方の無線通信装置への複数のデータパケットをアナログ信号にそれぞれ変調し、変調した複数のアナログ信号を順に繋ぎ合わせて1つのアナログ信号に合成すると共に、他方の無線通信装置への1つのデータパケットを1つのアナログ信号に変調し、2つのアナログ信号を加算して、多重化した一の送信データパケットを生成するようにしてあることを特徴とする。
また、第20発明に係る無線通信装置は、データパケットの送受信に伴う雑音特性を推定する推定手段を備え、前記抽出手段は、前記送信済データ記憶手段に記憶された送信済みのデータパケットを変調し、変調したアナログ信号を前記推定手段が推定した雑音特性に応じて調整し、受信したデータパケットに係るアナログ信号から調整したアナログ信号を減算し、減算により得られたアナログ信号を復調して、多重化されたデータパケットから一又は複数のデータパケットを抽出するようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、複数の無線通信装置を備えて、データパケットの送信元の無線通信装置から送信先の無線通信装置へ一又は複数の無線通信装置がデータパケットを中継するマルチホップ無線ネットワークの構成による無線通信システムを構築する。データパケットの中継を行う無線通信装置では、他の無線通信装置からのデータパケットを受信してバッファなどに記憶し、異なる無線通信装置へ中継すべきデータパケットを複数記憶した場合には、この複数のデータパケットを多重化して一の送信データパケットを生成する。この多重化したデータパケットを無線により送信した場合、無線を受信可能な範囲に存在する複数の無線通信装置が多重化されたデータパケットを受信することができ、受信した各無線通信装置にて多重化されたデータパケットから自らが必要とするデータパケットを抽出して取得することができる。即ち、送信権を獲得した無線通信装置が同時に複数の無線通信装置へデータパケットを送信することができ、双方向のデータパケットが集中する無線通信装置であっても、中継するデータパケットを双方向へ同時に送信できる。
また、本発明においては、データパケットの中継を行う無線通信装置がデータパケットを多重化して送信する場合には、これを受信した無線通信装置にて多重化されたデータパケットから必要なデータパケットを抽出する処理を行う必要がある。そこで、自らが既に送信したデータパケットをバッファなどに記憶しておく。多重化されたデータパケットに含まれる送信済みのデータパケットは不必要なデータパケットであり、それ以外のデータパケットは必要なデータパケットであるため、送信済みのデータパケットを基に多重化されたデータパケットから必要とするデータパケットを抽出することができる。例えば、受信したデータパケットから送信済みのデータパケットを取り除く処理を行えばよい。また、バッファなどに記憶した送信済みのデータパケットは、一定時間の経過後に消去するなどすればよい。
また、本発明においては、バッファなどに記憶した2つのデータパケットの排他的論理和を算出することで多重化を行う。これにより、小規模な組み合わせ回路のみで多重化を行うことができる。また、多重化されたデータパケットを受信した場合には、バッファなどに記憶しておいた送信済みのデータパケットと多重化されたデータパケットとの排他的論理和を算出することにより、他の無線通信装置により中継された自装置宛のデータパケットを抽出することができる。これにより、データパケットの抽出についても小規模な組み合わせ回路のみで簡単に行うことができる。また、多重化及び抽出に必要な排他的論理和を算出する組み合わせ回路を兼ねることも可能である。
また、本発明においては、2つの無線通信装置へ中継すべきデータパケットをそれぞれ2つのアナログ信号に変調し、この2つのアナログ信号を加算することでデータパケットの多重化を行う。また、多重化されたデータパケットを受信した場合には、バッファなどに記憶しておいた送信済みのデータパケットをアナログ信号に変調し、受信したデータパケットに係るアナログ信号から送信済みのデータパケットに係るアナログ信号を減算し、減算により得られたアナログ信号を復調してデータパケットの抽出を行う。このように、データパケットの多重化及び抽出をアナログ信号を基に行うことも可能である。
また、本発明においては、データパケットを多重化して送信することによって、2つの無線通信装置へデータパケットを同時に中継することができるが、各無線通信装置との間で通信できる通信速度が異なる場合、遅い方の通信速度に合わせて多重化したデータパケットを送信する必要がある。このため、一方が高速通信を行うことができる場合であっても、通信性能を最大限に活用することができず、本発明の効果が低減される虞がある。そこで、通信速度が速い一方の無線通信装置へ送信する複数のデータパケットをそれぞれアナログ信号に変調し、変調した複数のアナログ信号を順に繋ぎ合わせて合成することによって1つのアナログ信号を取得する。このアナログ信号と、通信速度が遅い他方の無線通信装置へ送信する1つのデータパケットを変調して取得したアナログ信号とを加算することによって、データパケットの多重化を行う。これにより、通信速度が高速な無線通信装置では、一度の通信で複数のデータパケットを取得することができる。
また、本発明においては、データパケットの多重化をアナログ信号を基に行う場合に、通信に伴う雑音の影響が懸念される。そこで、通信に伴う雑音特性を推定して、多重化されたデータパケットから所望のデータパケットの抽出を行う際に、推定した雑音特性に応じて送信済みのデータパケットをアナログ信号に変調し、このアナログ信号を多重化されたデータパケットに係るアナログ信号から減算することによって所望のデータパケットを抽出する。これにより、雑音の影響を低減することが可能となる。なお、雑音特性の推定は、例えばデータパケットの送受信に先立って無線通信装置間で簡単な通信を行うことにより行うことができる。
第1発明、第7発明及び第13発明による場合は、マルチホップ無線ネットワークの構成による無線通信システムの一の無線通信装置にて、他の無線通信装置からのデータパケットを受信してバッファなどに記憶し、異なる無線通信装置へ中継すべきデータパケットを複数記憶した場合には、この複数のデータパケットを多重化して一の送信データパケットを生成し、中継すべき複数の無線通信装置へ送信する構成とすることにより、送信権を獲得した無線通信装置が同時に複数の無線通信装置へデータパケットを送信することができ、双方向のデータパケットが集中する無線通信装置であっても、中継するデータパケットを双方向へ同時に送信できるため、特定の無線通信装置にデータパケットが集中してボトルネックとなることがなく、無線通信を円滑に行うことができる。よって、無線通信システムの通信速度の低下が発生することを抑制して高速通信を安定して行うことができ、通信品質を向上することができる。
また、第2発明、第8発明及び第14発明による場合は、他の無線通信装置へ送信したデータパケットをバッファなどに記憶しておき、他の無線通信装置から多重化されたデータパケットを受信した場合には、記憶しておいた送信済みのデータパケットを基に多重化されたデータパケットから一のデータパケットを抽出する構成とすることにより、多重化されて送信されたデータパケットを受信して自らの必要とするデータを抽出することができるため、データパケットの多重化による複数の無線通信装置への同時中継を確実に実現することができ、無線通信の円滑化を確実に実現することができる。
また、第3発明、第9発明、第15発明及び第16発明による場合は、2つのデータパケットの排他的論理和を算出することで多重化を行うと共に、多重化されたデータパケット及び送信済みのデータパケットの排他的論理和を算出することでデータパケットの抽出を行う構成とすることにより、データパケットの多重化及び抽出を小規模な組み合わせ回路のみで簡単且つ確実に行うことができるため、無線通信装置のハードウェア規模の増大を抑制できる。よって、本発明を適用した無線通信システム及び無線通信装置を低価格で提供することができる。
また、第4発明、第10発明、第17発明及び第18発明による場合は、2つの無線通信装置へ中継すべきデータパケットを2つのアナログ信号にそれぞれ変調し、変調した2つのアナログ信号を加算することでデータパケットの多重化を行うと共に、バッファなどに記憶しておいた送信済みのデータパケットをアナログ信号に変調し、受信したデータパケットに係るアナログ信号から送信済みのデータパケットに係るアナログ信号を減算し、減算により得られたアナログ信号を復調してデータパケットの抽出を行う構成とすることにより、データパケットの多重化及び抽出を確実に行うことができるため、データパケットの多重化による複数の無線通信装置への同時中継を確実に実現することができる。
また、第5発明、第11発明及び第19発明による場合は、通信速度が2倍以上に異なる場合には、通信速度が速い一方の無線通信装置へ送信すべき複数のデータパケットをそれぞれ変調し、順に繋ぎ合わせて1つのアナログ信号に合成すると共に、他方の無線通信装置へ送信すべき1つのデータパケットを1つのアナログ信号に変調し、2つのアナログ信号を加算して多重化する構成とすることにより、高速通信可能な無線通信装置へは一度により多くのデータパケットを多重化して送信できるため、無線通信の更なる円滑化及び高速化を実現できる。
また、第6発明、第12発明及び第20発明による場合は、データパケットの送受信に伴う雑音特性を推定し、送信済のデータパケットをアナログ信号に変調する際には、推定した雑音特性に応じてアナログ信号の調整を行うことにより、アナログ信号による多重化を行った場合に、受信側の無線通信装置にて雑音の影響を低減してデータパケットの抽出をより確実に行うことができるため、無線通信の信頼性を高めることができる。
(実施の形態1)
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る無線通信方法を説明するための模式図であり、無線通信システムの一構成例及び通信例を示してある。図において1〜3は無線により通信を行う機能を有する無線通信装置であり、以下では各無線通信装置をそれぞれノードと呼称する。各ノード1〜3は、PC又はプリンタ等の通信機能以外の機能を兼ね備える装置であってもよく、無線LANのアクセスポイントのように通信機能のみを備える装置であってもよい。なお、図1においては説明を簡単化するために3つのノード1〜3のみを図示してあるが、この構成は最小の構成であり、3つ以上のノードを備える無線通信システムであれば本発明の構成を適用することができる。また、本実施の形態に係る無線通信システムでは、各ノード1〜3がCSMA/CAの手順に従って通信を行うものとするが、通信方式をこれに限定するものではなく、その他の通信方式を採用する場合であっても本発明を適用することができる。
図示の無線通信システムでは、ノード1はノード2と無線通信が可能であり、ノード2はノード1及びノード3と無線通信が可能であり、ノード3はノード2と無線通信が可能である。即ち、ノード1とノード3とは直接的に無線通信を行うことができない構成であり、ノード1からノード3へのデータパケットの送信及びノード3からノード1へのデータパケットの送信をノード2が中継を行うことで実現している。各ノード1〜3は、データ本体にヘッダ及び誤り訂正用のFCS(Frame Check Sequence)等を付加したデータパケットを送受信するようにしてあり、CSMA/CA方式で無線通信を行っている。CSMA/CA方式は、送信する無線信号の衝突が発生しないように各ノード1〜3が通信状況を常に監視する方式であり、各ノード1〜3は、他のノード1〜3が一定時間以上データパケットの送信を行っていないことを確認した後に、データパケットの送信を行うようにしてある。データパケットの送信を正しく完了することができたか否かの判断は、送信先からのACK信号の有無により行う。各ノード1〜3は平等に送信権を獲得することができる。
例えば、以下の手順(1)、(2)が行われた場合、
(1)ノード2がノード1から送信されたデータパケットAを受信した。
(2)ノード2がノード3から送信されたデータパケットBを受信した。
本発明に係る無線通信システムでは、以下の手順(3)〜(5)の処理を各ノード1〜3が適宜に行うことで、データを中継するようにしてある。
(3)ノード2はデータパケットA及びデータパケットBを多重化してデータパケットXを生成し、データパケットXをノード1及びノード3へ同時に送信する。
(4)ノード1はデータパケットXを受信し、データパケットXからデータパケットAを減算することによりデータパケットBを抽出して取得する。
(5)ノード3はデータパケットXを受信し、データパケットXからデータパケットBを減算することによりデータパケットAを抽出して取得する。
なお、手順(4)の処理を行うために、ノード1ではデータパケットAを送信した後、送信済みのデータパケットAをバッファなどに一定期間記憶しておく必要がある。同様に、手順(5)の処理を行うために、ノード3ではデータパケットBを送信した後、送信済みのデータパケットBをバッファなどに一定期間記憶しておく必要がある。
このように、手順(1)〜(5)の処理を行うことによって、各ノード1〜3がデータパケットの送信を行った回数は1回ずつであるが、ノード1からのデータパケットAをノード3は取得することができ、ノード3からのデータパケットBをノード1は取得することができる。これは、ノード1及びノード3がノード2の電波範囲内に設置されている場合、ノード2が送信したデータパケットをノード1及びノード3は共に受信することが可能であるという無線通信の特徴を利用したものである。なお、手順(1)にてノード1からノード2へ送信されたデータパケットAが多重化されたものである可能性もあるが、この場合にはノード2が上記の手順(4)又は手順(5)と同じ方法でノード2宛のデータパケットを抽出すればよい。手順(2)にてノード3からノード2へ送信されたデータパケットBが多重化されている場合についても同様である。
次に、上記の手順(3)にてデータパケットA及びデータパケットBを多重化してデータパケットXを生成する方法、及び手順(4)又は手順(5)にてデータパケットXからデータパケットA又はデータパケットBを抽出する方法について説明する。データパケットA及びデータパケットBは、データ長がnのビット系列であり、以下の(式1)及び(式2)で表される。なお、以下の式においては、データパケットAを「PacketA 」と表記し、データパケットBを「PacketB 」と表記し、データパケットXを「PacketX 」と表記する。「n」はデータパケットのデータ長であり、データパケットA、B及びXのデータ長は同じであるものとする。また、「ai 」、「bi 」及び「xi 」は、データパケットA、B及びXの各ビットであり、”0”又は”1”の値を有し、「i」は1からnまでの自然数(i=1、2、…、n)である。
Figure 2008211472
このとき、データパケットA及びデータパケットBを多重化したデータパケットXは、以下の(式3)に示すように、データパケットA及びデータパケットBの排他的論理和を算出することによって生成できる。
Figure 2008211472
ノード2が(式3)により生成したデータパケットXを無線にて送信することにより、ノード1及びノード3はそれぞれデータパケットXを受信することができる。ノード1は、手順(1)にてノード2へ送信したデータパケットAを記憶しており、以下の(式4)に示すように、データパケットA及びデータパケットXの排他的論理和を算出することによって、データパケットBを抽出することができる。ノード3についても同様であるため式は省略するが、記憶しておいた送信済みのデータパケットB及び受信したデータパケットXの排他的論理和を算出することによって、データパケットAを抽出することができる。
Figure 2008211472
例えば、データ長が4ビットであり、PacketA =”1010”であり、PacketB =”1100”であるものとする。この場合、PacketX は”1010”及び”1100”の排他的論理和であるため、PacketX =”0110”となり、ノード2は”0110”をノード1及びノード3へ無線送信する。ノード1は、PacketA を送信した後にこれを記憶しており、PacketX を受信した場合にはPacketA 及びPacketX の排他的論理和、即ち”1010”及び”0110”の排他的論理和”1100”を算出することができる。ここで得られる”1100”はPacketB の値に等しい。同様に、ノード2は、PacketB を送信した後にこれを記憶しており、PacketX を受信した場合にはPacketB 及びPacketX の排他的論理和、即ち”1100”及び”0110”の排他的論理和”1010”を算出することができる。ここで得られる”1010”はPacketA の値に等しい。
このように、各ノード1〜3は、データパケットの多重化及び抽出を、2つのデータパケットの排他的論理和を算出するのみで簡単に行うことができる。排他的論理和の算出をハードウェアで行う場合、簡単な組み合わせ回路のみで行うことが可能であり、無線通信装置(ノード1〜3)のハードウェア規模の増大を最小限に抑えることができ、無線通信装置のコストを増大させることはない。
図2は、本発明の実施の形態1に係る無線通信装置の構成を示すブロック図であり、無線通信に関するブロックのみを抜き出して図示してある。また、図2には無線通信装置としてノード2の構成を図示するが、ノード1及びノード3についても同じ構成である。ノード2をなす無線通信装置は、送信バッファ21、多重化部22、変調部23、アンテナ24、復調部25、抽出部26、受信バッファ27及び送信済バッファ28等を備えている。
送信バッファ21は、ノード1又はノード3等の他の無線通信装置に送信すべきデータパケットを記憶するものであり、SRAM又はDRAM等のメモリ素子によって構成することができる。ノード2が送信権を獲得した際にデータパケットが送信バッファ21から読み出されるが、送信バッファ21にノード1からノード3へのデータパケットとノード3からノード1へのデータパケットとが記憶されている場合には、この2つのデータパケットが読み出されて多重化部22に与えられるようにしてある。なお、送信バッファ21にノード1からノード3へのデータパケット及びノード3からノード1へのデータパケットの両方が記憶されていない場合には、送信バッファ21から1つのデータパケットが読み出されて多重化部22に与えられる。
また、送信バッファ21から読み出されて多重化部22に与えられたデータパケットは、送信済バッファ28に与えられて一時的に記憶されるようにしてある。送信済バッファ28は、SRAM又はDRAM等のメモリ素子で構成され、予め定められた所定期間のみ与えられたデータパケットを記憶するようにしてある。送信済バッファ28に記憶されたデータパケットは、必要に応じて抽出部26が読み出すことができるようにしてある。
多重化部22は、送信バッファ21から読み出された2つのデータパケットを与えられた場合、上述の(式3)により排他的論理和を算出してデータパケットの多重化を行い、多重化したデータパケットを変調部23へ与えるようにしてある。なお、多重化部22は、送信バッファ21から1つのデータパケットのみ与えられた場合には、多重化を行わずに変調部23へ与える。変調部23は、多重化部22から与えられたデータパケットをアナログ信号に変換して増幅し、アンテナ24により無線信号としてノード1又は3等の他の無線通信装置へ送信するようにしてある。
また、他の無線通信装置から送信された無線信号は、アンテナ24にて受信されて復調部25へ与えられる。復調部25は受信されたアナログの無線信号をデジタルのデータパケットに変換して抽出部26へ与えるようにしてある。抽出部26は、まず、他の無線通信装置から送信されたデータパケットが多重化されたものであるか否かを調べる。次いで、データパケットが多重化されている場合には、送信済バッファ28から送信済のデータパケットを読み出して、上述の(式4)に基づき、受信したデータパケットと読み出した送信済のデータパケットとの排他的論理和を算出することにより、データパケットの抽出を行うようにしてある。抽出部26は、抽出したデータパケットを受信バッファ27に記憶させるようにしてある。また、データパケットが多重化されていない場合には、抽出部26はデータパケットの抽出を行うことなく、受信したデータパケットを受信バッファ27に記憶させるようにしてある。
受信バッファ27は、SRAM又はDRAM等で構成され、抽出部26から与えられたデータパケットを記憶するものである。受信バッファ27に記憶されたデータパケットが自ノード宛に送信されたものである場合には、ノード2内のCPUなどがこれを読み出して処理を行うようにしてある。受信バッファ27に記憶されたデータパケットが自ノード宛に送信されたものでない場合には、このデータパケットを他の無線通信装置へ送信して中継する必要があるため、送信バッファ21へこのデータパケットを与えて送信を待機するようにしてある。なお、図2においては送信バッファ21、受信バッファ27及び送信済バッファ28をそれぞれ個別に無線通信装置が備える構成を図示してあるが、これに限るものではなく、1つのメモリ素子がこれらの機能を兼ねる構成とすることも可能である。
図3は、本発明の実施の形態1に係る無線通信システムにて用いられるデータパケット形式の一例を示す模式図である。なお、図3に示すデータパケットの構成は一例であってこれに限るものではない。データパケットは、図3(a)に示すように、MAC(Media Access Control Address)ヘッダ、MSDU(MAC Service Data Unit)及びFCSで構成されている。MACヘッダは無線通信を行うために必要な識別情報(例えば、送信先の機器のMACアドレスなど)が収められたものであり、MSDUはデータの本体をなすものであり、FCSは送信先にて誤り訂正を行うための情報が収められたものである。多重化されていないデータパケットについては、MSDUにデータが格納され、MACヘッダに1つの送信先のノード1〜3に係る識別情報が格納されて送信される。
多重化されたデータパケットでは、MSDUが更に細分される。図3(b)に示すように、第1のデータパケット(PacketA )用のMACヘッダ、第2のデータパケット(PacketB )用のMACヘッダ、第1のデータパケット及び第2のデータパケットを多重化したMSDU、第1のデータパケット用のFCS、第2のデータパケット用のFCSの5つが図3(a)のMSDU内に含まれている。即ち、上述の(式3)により多重化されるのはデータパケット中のMSDU部分のみであり、その他のMACヘッダ及びFCSについては多重化を行わずにそれぞれデータパケット内に埋め込むようにしてある。多重化した2つのデータパケットが有するMACヘッダ及びFCSは、多重化部22にて1つのデータパケット内に埋め込まれた後に送信される。
また、多重化されたデータパケットが与えられた抽出部26は、図3(b)に示す第1のデータパケット又は第2のデータパケット用のMACヘッダを調べることにより送信済バッファ28から読み出すべきデータパケットを決定することができる。抽出部26は、送信バッファ28から送信済のデータパケットを読み出して、受信したデータパケットの図3(b)のMSDUについてのみ上述の(式4)による抽出を行うことによって、自ノード宛のデータパケットを取得することができる。
図4は、本発明に係る無線通信システムの詳細な通信手順を説明するための模式図であり、送信権を獲得したノード2が多重化したデータパケットを送信する場合について、送信を開始してから終了するまでをタイミングチャートにより図示してある。まず、ノード2は、データパケットを送信するノード1又はノード3の何れか一方(図4においてはノード1とするがノード3であってもよい)にRTS(Request to Send)を送信する。ノード1は、受信したRTSから受信SNR(Signal-to-Noise power Ratio、S/N比)を推定し、推定したSNRについてBER(Bit Error Rate、ビット誤り率)≦10-5を満足する通信速度αを決定する。その後、ノード1はCTS(Clear to Send)によりノード2へ通信速度αを通知する。
次いで、ノード2は、ノード1が決定した通信速度αをRTSによりノード3へ通知する。ノード3は、ノード1と同様にして通信速度βを決定し、ノード2から通知された通信速度αと決定した通信速度βとを比較して遅いほうの通信速度をγとし、CTSによりノード2へ通信速度γを通知する。通信速度γをノード3から通知されたノード2はノード1へRTSを再度送信して通信速度γを通知し、RTSを受信したノード1はノード2へCTSを送信する。これらのRTS及びCTSの送受信により、各ノード1〜3は通信速度γによりデータパケットの通信を行うことが可能となる。
RTS及びCTSの送受信により通信速度γを決定した後、ノード2は多重化されたデータパケットの送信を開始する。このとき、ノード2は複数のデータパケットをノード1及びノード3へ所定の時間間隔で連続的に送信することも可能である。データパケットの送信を完了した後、ノード2は、Block ACK方式によるデータパケットの受信確認を行う。Block ACK方式とは、データパケットが誤りなく受信されたか否かを確認するために、送信元のノード(ノード2)から送信先のノード(ノード1又はノード3)へBlock ACK Requestを送信し、これを受信した送信先のノードがBlock ACKを返信する方式である。ノード2は、まず、ノード1(ノード3が先であってもよい)にBlock ACK Requestを送信して、ノード1からのBlock ACKの受信を確認し、次いで、ノード3にBlock ACK Requestを送信して、ノード3からのBlock ACKの受信を確認した後に、通信を終了する。
なお、多重化されていないデータパケットを送信する場合、例えばノード2がノード1へのみデータパケットを送信する場合には、ノード2とノード1との間でRTS及びCTSの送受信を一度行った後にデータパケットを送信し、データパケットの送信終了後にBlock ACK方式による受信確認を一度行うものとする。
図5は、本発明に係る無線通信システムの効果を説明するための模式図であり、(a)に無線通信システムの一構成例を示し、(b)に通信例のタイミングチャートを示し、(c)にノード2の送信バッファ21に蓄積されるデータの変化についてのタイミングチャートを示してある。なお、従来の無線通信システムとの比較を容易にするために、各ノード1〜3の送信権の獲得回数及び送信順序等を、図12に示した通信例と同じにしてある。
まず、ノード2は、ノード1からのデータパケットAを受信し、ノード3からのデータパケットBを受信した後に送信権を獲得し、送信バッファ21に記憶されているデータパケットA及びBを多重化してデータパケットXを生成し、ノード1及びノード3へデータパケットXを送信する。次いで、ノード2は、ノード3からのデータパケットCを受信した後に送信権を獲得するが、送信バッファ21にはデータパケットCのみが記憶されているため、これを多重化することなくノード1へ送信する。次いで、ノード2は、ノード1からのデータパケットDを受信し、ノード3からのデータパケットEを受信し、ノード1からのデータパケットFを受信した後に送信権を獲得し、送信バッファ21に記憶されているデータパケットD及びEを多重化してデータパケットYを生成し、ノード1及びノード3へデータパケットYを送信する。
図5に示す本発明の場合も、図12に示す従来の場合も、各ノード1〜3はデータパケットの送信を3回ずつ行っている。しかし、図5に示す本発明の場合には、データパケットA〜Eの送受信を完了することができ、ノード2の送信バッファ21にはデータパケットFが送信を待機するのみであるが、図12に示す従来の場合には、データパケットA〜Cの送受信までを完了し、ノード2のバッファにはデータパケットD〜Fが送信を待機している。この通信例の比較により、本発明を適用した無線通信システムでは、ノード2が少ない送信回数で多くのデータパケットを中継することができるため、無線通信を効率よく行うことができることが分かる。
図6は、本発明の実施の形態1に係る無線通信システムの特性評価結果を示す模式図であり、シミュレーションにより通信特性を評価した結果を図示してある。また、図6(a)にはスループット特性を示すグラフが図示してあり、(b)には遅延特性を示すグラフが図示してあり、(c)にはシミュレーションを行った無線通信システムの構成を模式的に図示してあり、(d)には(a)及び(b)に示すグラフ中の特性点について説明してある。図6(a)に示すように、特性評価を行った無線通信システムは5つの無線通信装置(ノード1〜5)により構成され、ノード1にて生起したデータパケットをノード2、3、4を中継してノード5へ送信すると共に、ノード5にて生起したデータパケットをノード4、3、2を中継してノード1へ送信する。データパケットの生起はノード1及び5のみで行われ、ノード2、3及び4はデータパケットの中継のみを行うものとする。また、無線通信による伝搬損失PathLoss[dB]は以下の(式5)を用いて算出する。
Figure 2008211472
(式5)において、”f”は中心周波数[MHz]であり、”d”はノード間距離[m]である。なお、シミュレーションはd=50mとしている。また、物理層の通信規約としてIEEE802.11gの規約を用い、各ノードの送信電力を10[dBm]とし、伝送路モデルにFlat Rayleigh Fadingを用い、ドップラー周波数を2[Hz]とし、各ノードが連続して送信することができるデータパケット数は3つとしてある。シミュレーションにおいては、ノード1及びノード5が生成して送信するデータパケットの量(オファーロード)が等しい場合について特性評価を行い、ノード1及びノード5のオファーロードを変化させた場合のスループット及び平均遅延時間について評価結果を図6(a)及び(b)に示してある。
スループット特性について着目したとき、従来の無線通信システムの場合には(グラフ中の●及び■参照)、ノード1及びノード5のオファーロードが2Mbps〜3Mbpsを超えた後、スループットがオファーロードの増大と共に悪化している。これに対して、本発明の無線通信システムの場合(グラフ中の○及び□参照)、ノード1及びノード5のオファーロードが3Mbps〜4Mbpsを超えるまでスループットは上昇し続け、これを越えた後、スループット特性は若干悪化するものの、略一定の特性を保つことができる。
遅延特性について着目したとき、従来の無線通信システム及び本発明の無線通信システムの両場合について、ノード1及びノード5のオファーロードが約2Mbpsに以下では遅延特性に大きな差異は見られない。しかし、ノード1及びノード5のオファーロードが約2Mbpsを越えた後、従来の無線通信システムでは遅延特性が急速に悪化するのに対して、本発明の無線通信システムでは遅延特性の悪化が緩やかである。
図7は、本発明の実施の形態1に係る無線通信システムの他の特性評価結果を示す模式図であり、(a)にはスループット特性を示すグラフが図示してあり、(b)には遅延特性を示すグラフが図示してある。図7における特性評価の条件は図6の場合とほぼ同じであるが、ノード1のオファーロードを2.4Mbpsに固定し、ノード5のオファーロードのみを変化させてシミュレーションを行ってある。
ノード5からノード1への通信に係るスループット特性に着目したとき、従来の無線通信システムの場合には(グラフ中の■参照)、ノード5のオファーロードが2Mbps〜3Mbpsを超えた後、スループットがオファーロードの増加と共に増加することなく停滞している。これに対して、本発明の無線通信システムの場合(グラフ中の□参照)、ノード5のオファーロードが4Mbpsを超えるまで、スループットがオファーロードの増加と共に増加している。
また、ノード1からノード5への通信に係るスループット特性に着目したとき、従来の無線通信システムの場合には(グラフ中の●参照)、ノード5からノード1への通信に係るスループットが停滞することに伴って、スループット特性が徐々に悪化している。これに対して、本発明の無線通信システムの場合(グラフ中の○参照)、ノード5からノード1への通信の影響を受けることなく、スループットは一定の特性を保つことができる。
ノード5からノード1への通信に係る遅延特性に着目したとき、従来の無線通信システムの場合(グラフ中の■参照)と比較して本発明の無線通信システムは、図6の場合と同様に、遅延特性が改善されている(グラフ中の□参照)。また、ノード1からノード5への通信に係る遅延特性に着目したとき、従来の無線通信システムの場合(グラフ中の●参照)、ノード1からノード5への通信に係る遅延特性は、ノード5からノード1への通信に係る遅延特性と同じであり、ノード5のオファーロードの増加に伴って悪化している。これに対して、本発明の無線通信システムのとき(グラフ中の○参照)、ノード5のオファーロードが約4Mbps以下の場合には、ノード1からノード5への通信に係る遅延特性は、ノード5からノード1への通信に係る遅延特性と略同じである。しかし、ノード5のオファーロードが約4Mbpsを越えた後、ノード1からノード5への通信に係る遅延特性は悪化せず、一定の遅延時間を保つことができる。これは、本発明の無線通信システムでは、ノード5のオファーロードが増加して、ノード5からノード1へ大量のデータパケットが送信される場合であっても、ノード5からノード1へのデータパケットの送信に伴って、ノード1からノード5へのデータパケットの通信を同時に行うことができ、ノード1からノード5への通信経路が閉ざされることがないためである。
以上に示すように、本発明の無線通信システムは、データパケットの中継を行う無線通信装置(ノード)が2つのデータパケットを多重化して1つの送信用のデータパケットを生成し、2つの他の無線通信装置へ送信する構成とすることによって、一度の送信で2つの無線通信装置へのデータパケットを中継することができるため、無線通信のスループット特性及び遅延特性が改善し、良好な通信特性が得られる。2つのデータパケットの多重化は、排他的論理和を演算するのみでよいため、無線通信装置のコスト増加を最低限に抑制できる。
なお、本実施の形態においては、図2に示すように、無線通信システムを構成する各無線通信装置が、データパケットの多重化と、受信した多重化されたデータパケットからの自装置宛のデータパケットの抽出との両処理を行うことができる構成としたが、これに限るものではなく、無線通信装置が多重化又は抽出の何れか一方の処理のみを行うことができる構成であってもよい。例えば、他の無線通信装置へのデータパケットの中継を行わない場合には、無線通信装置は多重化を行う機能を備える必要はなく、抽出を行う機能のみを備えればよい。また、例えば、無線通信システム中に多重化を行う無線通信装置が1つのみ含まれている場合、当該無線通信装置は他の装置から多重化されたデータパケットを受信することはないため、抽出を行う機能を備える必要はなく、多重化を行う機能のみを備えればよい。もちろん、これらの場合であっても、無線通信装置が両機能を備えていてもよい。また、無線通信システムの構成は図1又は図6(c)に示したものに限らず、多種多様な構成とすることができる。
(実施の形態2)
実施の形態1に係る無線通信システムでは、データパケットの多重化を排他的論理和を算出することで行っていたが、実施の形態2に係る無線通信システムは、これとは異なる方法でデータパケットの多重化を行う構成である。図8は、通信速度が異なる無線通信システムの一構成例及び通信例を示す模式図である。図8に示す無線通信システムの構成は、図1に示した無線通信システムとほぼ同じであるが、通信速度についての条件を追加してある。ノード1及びノード2は6Mbpsの通信速度で無線通信を行うことができ、ノード2及びノード3は24Mbpsの通信速度で無線通信を行うことができる。
図示のように、各ノード間の通信装置が異なるときであっても、ノード2が、ノード1からのデータパケットAとノード3からのデータパケットBとを多重化してデータパケットXを生成し、ノード1及びノード3へ送信する場合には、ノード2は遅い方の通信速度6MbpsでデータパケットXを送信する必要がある。実施の形態1に係る無線通信システムでは、ノード2がデータパケットの多重化を行う際に、ノード1へのデータパケットとノード3へのデータパケットとを1つずつしか多重化できないため、一度の送信でノード1及びノード3へそれぞれ1つのデータパケットしか送信することができない。このため、ノード2及びノード3は24Mbpsで無線通信を行うことができるにもかかわらず、この通信特性を最大限に活用できず、通信速度の差が大きい場合には本発明の効果を低減させる虞がある。
そこで、実施の形態2に係る無線通信システムは、ノード間の通信速度に応じて1つのデータパケットに多数のデータパケットを多重化することにより、通信速度の差が大きい場合であっても効率よく無線通信を行うことができる構成である。このために、排他的論理和の算出によるデジタルデータの多重化ではなく、実施の形態2の無線通信システムは、データパケットを変調したアナログ信号を基にデータパケットの多重化を行う。以下にて、アナログ信号によるデータパケットの多重化を行う方法について説明する。
図9は、本発明の実施の形態2に係る無線通信方法を説明するための模式図であり、(a)に無線通信システムの一構成例及び通信例を示し、(b)にデータパケットの一構成例を示してある。ノード2及びノード3は高速な通信速度RateHIGHで無線通信を行うことができ、ノード1及びノード2は低速な通信速度RateLOW で無線通信を行うことができるものとし、RateHIGHの通信速度を用いた場合のデータパケットの時間長をTHIGHとし、RateLOW の通信速度を用いた場合のデータパケットの時間長をTLOW とする。本実施の形態においては、THIGH及びTLOW は以下の(式6)を満たすものとするが、これは一例である。
3×THIGH ≦ TLOW < 4×THIGH …(式6)
(式6)を満たす場合、即ち、通信速度RateLOW によるデータパケットの時間長TLOW が、通信速度RateHIGHによるデータパケットの時間長THIGHの3倍以上且つ4倍未満の場合には、通信速度RateHIGHによる3つのデータパケットを合成して、通信速度RateLOW による1つのデータパケットと多重化することができる(図6(b)参照)。ここで、通信速度RateLOW により送信されるm番目のデータパケットを変調したアナログ信号をsm LOW (t)とし、通信速度RateHIGHにより送信されるn番目のデータパケットを変調したアナログ信号をsn HIGH(t)とする。また、多重化されたアナログ信号をSMulti (t)とすると、以下の(式7)〜(式9)が成立する。なお、(式7)においてu(t)は単位ステップ関数である。
Figure 2008211472
即ち、(式8)は、通信速度RateHIGHにより送信されるn番目、(n+1)番目、(n+2)番目の3つのデータパケットを変調した3つのアナログ信号sn HIGH(t)、sn+1 HIGH(t)、sn+2 HIGH(t)を順に繋ぎ合わせて1つのアナログ信号SHIGH(t)に合成する処理である。また、(式9)は、通信速度RateLOW により送信されるデータパケットを変調したアナログ信号SLOW (t)に、3つのアナログ信号を合成したSHIGH(t)を加算することによって、多重化を行う処理である。ノード2は、(式7)〜(式9)により多重化を行い、多重化したアナログ信号をノード1及びノード3へ送信する。なお、図3の場合と同様であるが、多重化を行うのはデータパケットに含まれるデータの本体部分のみであり、ヘッダ部分及びCRC(Cyclic Redundancy Checking)部分については多重化を行わない。
ノード2から送信されたデータパケットを例えばノード1が受信した場合、受信信号RNode1 (t)は以下の(式10)で表される。なお、(式10)においてnNode1 (t)は、ノード2からノード1への無線通信に伴う雑音である。
Figure 2008211472
(式10)に含まれるSLOW (t)は、ノード1からノード3へ送信されたデータパケットに係るアナログ信号であり、ノード1は送信済のデータパケットを記憶しておくことによって、データパケットを読み出して変調し、SLOW (t)と同等のアナログ信号S’LOW (t)を生成することができる。ここで、ノード1において、ノード2からノード1への通信に伴う受信SNRを推定することができる場合、以下の(式11)が成立する。
Figure 2008211472
よって、ノード1は、RNode1 (t)からS’LOW (t)を減算することによって、(式12)に示すR’Node1 (t)を取得することができる。
Figure 2008211472
(式12)におけるR’Node1 (t)は、AWGN(Additive White Gaussian Noise、加法性白色ガウス雑音)環境下において、通信速度RateHIGHでデータパケットを送信した場合に受信する信号と等価である。よって、ノード1においてRNode1 (t)の受信SNRを推定することができ、(式11)を成立することができるときには、アナログ信号を基に多重化を行ったデータパケットを用いて無線通信を行う場合であっても、AWGN環境下での通信と同等の品質で多重化されたデータパケットから所望のデータパケットを抽出することができる。なお、多重化されたデータパケットをノード1が受信した場合について説明したが、多重化されたデータパケットをノード3が受信した場合についても同様であるため、詳細な説明は省略する。ノード3においても、受信SNRを推定して送信済のデータパケットからSHIGH(t)と同等のアナログ信号S’HIGH(t)を生成し、受信したRNode3 (t)からS’HIGH(t)を減算することにより、AWGN環境下において通信速度RateLOW でデータパケットを送信した場合に受信する信号と等価の信号を取得することができる。
なお、上述の(式11)が成立するためには、受信SNRを推定する必要がある。受信SNRの推定技術は既存の技術であるため詳細な説明は省略するが、以下に簡単に説明する。受信SNRの推定は、例えば、既知のビット系列から生成されるBPSK(Binary Phase Shift Keying、二位相偏移変調)信号をM[symbol]だけ用いて行うことができる。i番目の受信信号ri は以下の(式13)で表される。
Figure 2008211472
ここで、希望信号s、雑音成分ni をそれぞれ(式14)及び(式15)とすると、受信信号ri の同相成分ri Ich 及び直交成分ri Qch は(式16)で表される。
Figure 2008211472
受信信号ri を成分毎にMで平均化した値をそれぞれs’Ich 及びs’Qch とすると、以下の(式17)及び(式18)が成立する。
Figure 2008211472
雑音を加法性白色ガウス雑音(AWGN)と仮定した場合、平均化に用いるシンボル数Mを大きくすることにより、(式17)及び(式18)は、雑音に関する項が0に近づくため、s’Ich がsIch に近づくと共にs’Qch がsQch に近づく。よって、希望信号電力Pは以下の(式19)で表され、雑音電力Nは以下の(式20)で表される。
Figure 2008211472
よって、(式19)及び(式20)より、受信SNRは以下の(式21)で表すことができる。
Figure 2008211472
以上により、受信SNRの推定を行うことができる。なお、M=48として受信SNRを推定し、アナログ信号を基にしたデータパケットの多重化を行った場合に、AWGN環境下と同等のBER(ビット誤り率)特性を得られることが確認されている。また、実施の形態2に係る無線通信システムについても、図4に示した通信手順で多重化したデータパケットの送受信を行うものとする。ノード1〜3は、データパケットの送受信に先立ってRTS及びCTSの送受信を行うが、このときに受信SNRの推定を行うことができる。
図10は、本発明の実施の形態2に係る無線通信装置の構成を示すブロック図であり、無線通信に関するブロックのみを抜き出して図示してある。また、図10には無線通信装置としてノード2の構成を図示するが、ノード1及びノード3についても同じ構成である。ノード2をなす無線通信装置は、送信バッファ221、変調部222及び223、多重化部224、アンテナ225、抽出部226、復調部227、受信バッファ228、雑音推定部229、変調部230、並びに送信済バッファ231を備えている。
送信バッファ221は、ノード1又はノード3等の他の無線通信装置に送信すべきデータパケットを記憶するものであり、SRAM又はDRAM等のメモリ素子によって構成することができる。ノード2が送信権を獲得した際にデータパケットが送信バッファ221から読み出されるが、送信バッファ221にノード1からノード3へのデータパケットとノード3からノード1へのデータパケットとが記憶されている場合には、これらのデータパケットが読み出されて変調部222又は223へそれぞれ与えられるようにしてある。また、ノード1との通信速度及びノード3との通信速度が異なる場合には通信速度が速い方のノードへのデータパケットを同時的に複数送信することが可能であるため、この場合にはこのノードへのデータを送信バッファ221から複数読み出して変調部222又は223へ与えるようにしてある。なお、送信バッファ221にノード1からノード3へのデータパケット及びノード3からノード1へのデータパケットの両方が記憶されていない場合には、送信バッファ221から1つのデータパケットが読み出されて変調部222又は223に与えられる。
また、送信バッファ221から読み出されて変調部222又は223に与えられたデータパケットは、送信済バッファ231に与えられて一時的に記憶されるようにしてある。送信済バッファ231は、SRAM又はDRAM等のメモリ素子で構成され、予め定められた所定期間のみ与えられたデータパケットを記憶するようにしてある。送信済バッファ231に記憶されたデータパケットは、必要に応じて変調部230が読み出すことができるようにしてある。
変調部222及び223は、送信バッファ221から与えられたデータパケットをアナログ信号に変換して多重化部224へ与えるようにしてある。多重化部224は、変調部222及び223にて変調されたアナログ信号を、上述の(式7)〜(式9)により多重化し、アンテナ225により無線信号として他のノード1又は3へ送信するようにしてある。なお、多重化部224は、与えられたアナログ信号が1つのみの場合には、多重化を行わずに送信を行うようにしてある。
雑音推定部229は、他のノード1又は3との間でRTS及びCTSの送受信を行う際に、上述の(式21)により受信SNRの推定を行って変調部230へその結果を通知するようにしてある。変調部230は、送信済バッファ231に記憶された送信済のデータパケットが与えられた場合にこれをアナログ信号に変調するが、この際に雑音推定部229から通知された推定結果に基づいて、アナログ信号の振幅などを調整するようにしてある。これは、上述の(式11)に相当する。
他の無線通信装置から送信された無線信号は、アンテナ225にて受信されて抽出部226へ与えられる。抽出部226は、まず、受信した無線信号に係るデータパケットが多重化されたものであるか否かを調べる。次いで、データパケットが多重化されている場合には、これに含まれる送信済のデータパケットを送信済バッファ231から読み出して変調部230にてアナログ信号に変換し、上述の(式12)により自ノード宛のデータパケットに係るアナログ信号を抽出して復調部227へ与えるようにしてある。また、データパケットが多重化されていない場合には、抽出部226は抽出処理を行うことなく、受信したアナログ信号を復調部227へ与えるようにしてある。復調部227は、抽出部226から与えられたアナログ信号を復調してデジタルのデータパケットを取得し、このデータパケットを受信バッファ228に記憶するようにしてある。
受信バッファ228は、SRAM又はDRAM等で構成され、復調部227から与えられたデータパケットを記憶するものである。受信バッファ228に記憶されたデータパケットが自ノード宛に送信されたものである場合には、ノード2内のCPUなどがこれを読み出して処理を行うようにしてある。受信バッファ228に記憶されたデータパケットが自ノード宛に送信されたものでない場合には、このデータパケットを他の無線通信装置へ送信して中継する必要があるため、送信バッファ221へこのデータパケットを与えて送信を待機するようにしてある。なお、図10においては送信バッファ221、受信バッファ228及び送信済バッファ231をそれぞれ個別に無線通信装置が備える構成を図示してあるが、これに限るものではなく、1つのメモリ素子がこれらの機能を兼ねる構成とすることも可能である。
以上の構成の実施の形態2に係る無線通信システムにおいては、無線通信装置がデータパケットを多重化して他の2つの無線通信装置への中継を同時に行う場合、データパケットを変調したアナログ信号を基に多重化を行う構成とすることにより、装置間で無線通信可能な通信速度が異なる場合であっても、高速通信可能な無線通信装置への複数のデータパケットを合成して多重化することができる。よって、通信速度の差が大きい場合であっても、本発明の効果を低減させることなく、効率よくデータパケットを中継することができ、無線通信のスループット特性及び遅延特性等を改善することができる。また、送信済バッファ231のデータを復調する際に、雑音推定部229にて推定した雑音を考慮して復調を行う構成とすることによって、アナログ信号により多重化されたデータパケットからの所望のアナログ信号の抽出をより精度よく行うことができ、無線通信の信頼性を向上することができる。
なお、本実施の形態においては、通信速度が(式6)を満たし、低速通信によるデータパケットの時間長が高速通信によるデータパケットの時間長の3倍以上且つ4倍未満である場合、即ち通信速度に3倍以上且つ4倍未満の差がある場合について説明したが、これに限るものではなく、少なくとも通信速度に2倍以上の差がある場合には、同ノード宛の2つ以上のデータパケットを合成して他ノード宛のデータパケットと多重化することができるため、十分に無線通信特性を改善することができる。また、無線通信に伴う雑音の推定を(式21)により行う構成としたが、これに限るものではなく、他の方法で行う構成であってもよい。
本発明の実施の形態1に係る無線通信方法を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態1に係る無線通信装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る無線通信システムにて用いられるデータパケット形式の一例を示す模式図である。 本発明に係る無線通信システムの詳細な通信手順を説明するための模式図である。 本発明に係る無線通信システムの効果を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態1に係る無線通信システムの特性評価結果を示す模式図である。 本発明の実施の形態1に係る無線通信システムの他の特性評価結果を示す模式図である。 通信速度が異なる無線通信システムの一構成例及び通信例を示す模式図である。 本発明の実施の形態2に係る無線通信方法を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態2に係る無線通信装置の構成を示すブロック図である。 マルチホップ無線ネットワークによる無線通信システムの一構成例を示す模式図である。 マルチホップ無線ネットワークによる無線通信システムの問題点を説明するための模式図である。
符号の説明
1〜5 ノード(無線通信装置)
21 送信バッファ(中継データ記憶手段)
22 多重化部(生成手段)
23 変調部
24 アンテナ部
25 復調部
26 抽出部(抽出手段)
27 受信バッファ
28 送信済バッファ(送信済データ記憶手段)
221 送信バッファ(中継データ記憶手段)
222、223 変調部(生成手段)
224 多重化部(生成手段)
225 アンテナ
226 抽出部(抽出手段)
227 復調部
228 受信バッファ
229 雑音推定部(推定手段)
230 変調部(抽出手段)
231 送信済バッファ(送信済データ記憶手段)

Claims (20)

  1. 無線によりデータパケットの送受信を行う複数の無線通信装置を備える無線通信システムに含まれる一の無線通信装置にて、送信元の無線通信装置から送信先の無線通信装置へデータパケットを中継する無線通信方法において、
    他の無線通信装置から受信したデータパケットを記憶し、
    異なる無線通信装置へ中継すべきデータパケットを複数記憶した場合に、複数の前記データパケットを多重化した一の送信データパケットを生成し、
    生成した前記送信データパケットを前記無線通信装置へ送信すること
    を特徴とする無線通信方法。
  2. 送信したデータパケットを記憶しておき、
    他の無線通信装置から多重化されたデータパケットを受信した場合に、記憶しておいた送信済みのデータパケットを基に、多重化されたデータパケットから一又は複数のデータパケットを抽出すること
    を特徴とする請求項1に記載の無線通信方法。
  3. 記憶した2つのデジタルのデータパケットの排他的論理和を算出して、多重化した一の送信データパケットを生成し、
    多重化されたデータパケット及び記憶しておいた送信済みのデータパケットの排他的論理和を算出して、多重化されたデータパケットから一のデータパケットを抽出すること
    を特徴とする請求項2に記載の無線通信方法。
  4. 2つの無線通信装置へ中継すべきデータパケットを2つのアナログ信号にそれぞれ変調し、変調した2つのアナログ信号を加算して、多重化した一の送信データパケットを生成し、
    受信したデータパケットに係るアナログ信号から、記憶しておいた送信済みのデータパケットを変調したアナログ信号を減算し、減算により得られたアナログ信号を復調して、多重化されたデータパケットから一又は複数のデータパケットを抽出すること
    を特徴とする請求項2に記載の無線通信方法。
  5. データパケットを中継すべき異なる2つの無線通信装置との間で通信速度が2倍以上に異なる場合に、
    通信速度が速い一方の無線通信装置への複数のデータパケットをアナログ信号にそれぞれ変調し、変調した複数のアナログ信号を順に繋ぎ合わせて1つのアナログ信号に合成すると共に、他方の無線通信装置への1つのデータパケットを1つのアナログ信号に変調し、2つのアナログ信号を加算して、多重化した一の送信データパケットを生成すること
    を特徴とする請求項4に記載の無線通信方法。
  6. データパケットの送受信に伴う雑音特性を推定し、
    記憶しておいた送信済みのデータパケットをアナログ信号に変調し、変調したアナログ信号を推定した雑音特性に応じて調整し、受信したデータパケットに係るアナログ信号から調整したアナログ信号を減算し、減算により得られたアナログ信号を復調して、多重化されたデータパケットから一又は複数のデータパケットを抽出すること
    を特徴とする請求項4又は請求項5に記載の無線通信方法。
  7. 無線によりデータパケットの送受信を行う無線通信装置を複数備え、送信元の無線通信装置から送信先の無線通信装置へその他の無線通信装置がデータパケットを中継する無線通信システムにおいて、
    前記無線通信装置は、
    他の無線通信装置から受信した中継すべきデータパケットを記憶する中継データ記憶手段と、
    異なる無線通信装置へ中継すべきデータパケットが前記中継データ記憶手段に複数記憶されている場合に、複数の前記データパケットを多重化した一の送信データパケットを生成する生成手段と
    を有し、
    前記生成手段が生成した送信データパケットを、一の無線通信装置が複数の他の無線通信装置へ送信するようにしてあること
    を特徴とする無線通信システム。
  8. 前記無線通信装置は、
    他の無線通信装置へ送信したデータパケットを記憶する送信済データ記憶手段と、
    他の無線通信装置から多重化されたデータパケットを受信した場合に、前記送信済データ記憶手段に記憶した送信済みのデータパケットを基に、多重化されたデータパケットから一又は複数のデータパケットを抽出する抽出手段と
    を有すること
    を特徴とする請求項7に記載の無線通信システム。
  9. 前記無線通信装置は、
    前記生成手段が、前記中継データ記憶手段に記憶された2つのデジタルのデータパケットの排他的論理和を算出して、多重化した一の送信データパケットを生成するようにしてあり、
    前記抽出手段は、多重化されたデータパケット及び前記送信済データ記憶手段に記憶された送信済みのデータパケットの排他的論理和を算出して、多重化されたデータパケットから一のデータパケットを抽出するようにしてあること
    を特徴とする請求項8に記載の無線通信システム。
  10. 前記無線通信装置は、
    前記生成手段が、2つの無線通信装置へ中継すべきデータパケットを2つのアナログ信号にそれぞれ変調し、変調した2つのアナログ信号を加算して、多重化した一の送信データパケットを生成するようにしてあり、
    前記抽出手段は、受信したデータパケットに係るアナログ信号から、前記送信済データ記憶手段に記憶された送信済みのデータパケットを変調したアナログ信号を減算し、減算により得られたアナログ信号を復調して、多重化されたデータパケットから一又は複数のデータパケットを抽出するようにしてあること
    を特徴とする請求項8に記載の無線通信システム。
  11. データパケットを中継すべき異なる2つの無線通信装置との間で通信速度が2倍以上に異なる場合に、
    前記無線通信装置は、
    前記生成手段が、通信速度が速い一方の無線通信装置への複数のデータパケットをアナログ信号にそれぞれ変調し、変調した複数のアナログ信号を順に繋ぎ合わせて1つのアナログ信号に合成すると共に、他方の無線通信装置への1つのデータパケットを1つのアナログ信号に変調し、2つのアナログ信号を加算して、多重化した一の送信データパケットを生成するようにしてあること
    を特徴とする請求項10に記載の無線通信システム。
  12. 前記無線通信装置は、
    データパケットの送受信に伴う雑音特性を推定する推定手段を有し、
    前記抽出手段は、前記送信済データ記憶手段に記憶された送信済みのデータパケットを変調し、変調したアナログ信号を前記推定手段が推定した雑音特性に応じて調整し、受信したデータパケットに係るアナログ信号から調整したアナログ信号を減算し、減算により得られたアナログ信号を復調して、多重化されたデータパケットから一又は複数のデータパケットを抽出するようにしてあること
    を特徴とする請求項10又は請求項11に記載の無線通信システム。
  13. 他の装置との間で無線によりデータパケットの送受信を行い、送信元の他の装置から送信先の他の装置へデータパケットを中継する無線通信装置において、
    他の装置から受信した中継すべきデータパケットを記憶する中継データ記憶手段と、
    異なる他の装置へ中継すべきデータパケットが前記中継データ記憶手段に複数記憶されている場合に、複数の前記データパケットを多重化した一の送信データパケットを生成する生成手段と
    を備えることを特徴とする無線通信装置。
  14. 他の装置へ送信したデータパケットを記憶する送信済データ記憶手段と、
    他の装置から多重化されたデータパケットを受信した場合に、前記送信済データ記憶手段に記憶した送信済みのデータパケットを基に、多重化されたデータパケットから一又は複数のデータパケットを抽出する抽出手段と
    を備えることを特徴とする請求項13に記載の無線通信装置。
  15. 前記抽出手段は、多重化されたデータパケット及び前記送信済データ記憶手段に記憶された送信済みのデータパケットの排他的論理和を算出して、多重化されたデータパケットから一のデータパケットを抽出するようにしてあること
    を特徴とする請求項14に記載の無線通信装置。
  16. 前記生成手段は、前記中継データ記憶手段に記憶された2つのデジタルのデータパケットの排他的論理和を算出して、多重化した一の送信データパケットを生成するようにしてあること
    を特徴とする請求項13乃至請求項15のいずれか1つに記載の無線通信装置。
  17. 前記抽出手段は、受信したデータパケットに係るアナログ信号から、前記送信済データ記憶手段に記憶された送信済みのデータパケットを変調したアナログ信号を減算し、減算により得られたアナログ信号を復調して、多重化されたデータパケットから一又は複数のデータパケットを抽出するようにしてあること
    を特徴とする請求項14に記載の無線通信装置。
  18. 前記生成手段は、2つの他の装置へ中継すべきデータパケットを2つのアナログ信号にそれぞれ変調し、変調した2つのアナログ信号を加算して、多重化した一の送信データパケットを生成するようにしてあること
    を特徴とする請求項13、請求項14又は請求項17のいずれか1つに記載の無線通信装置。
  19. データパケットを中継すべき異なる2つの他の装置との間で通信速度が2倍以上に異なる場合に、
    前記生成手段は、通信速度が速い一方の無線通信装置への複数のデータパケットをアナログ信号にそれぞれ変調し、変調した複数のアナログ信号を順に繋ぎ合わせて1つのアナログ信号に合成すると共に、他方の無線通信装置への1つのデータパケットを1つのアナログ信号に変調し、2つのアナログ信号を加算して、多重化した一の送信データパケットを生成するようにしてあること
    を特徴とする請求項18に記載の無線通信装置。
  20. データパケットの送受信に伴う雑音特性を推定する推定手段を備え、
    前記抽出手段は、前記送信済データ記憶手段に記憶された送信済みのデータパケットを変調し、変調したアナログ信号を前記推定手段が推定した雑音特性に応じて調整し、受信したデータパケットに係るアナログ信号から調整したアナログ信号を減算し、減算により得られたアナログ信号を復調して、多重化されたデータパケットから一又は複数のデータパケットを抽出するようにしてあること
    を特徴とする請求項18又は請求項19に記載の無線通信装置。
JP2007045704A 2007-02-26 2007-02-26 無線通信方法、無線通信システム及び無線通信装置 Pending JP2008211472A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007045704A JP2008211472A (ja) 2007-02-26 2007-02-26 無線通信方法、無線通信システム及び無線通信装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007045704A JP2008211472A (ja) 2007-02-26 2007-02-26 無線通信方法、無線通信システム及び無線通信装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008211472A true JP2008211472A (ja) 2008-09-11

Family

ID=39787408

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007045704A Pending JP2008211472A (ja) 2007-02-26 2007-02-26 無線通信方法、無線通信システム及び無線通信装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008211472A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010016721A (ja) * 2008-07-04 2010-01-21 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 無線通信システム、中継局装置および無線通信方法
JP2010171951A (ja) * 2009-01-23 2010-08-05 Fujitsu Ltd 中継装置及びワイヤレス通信方法
JP2010200017A (ja) * 2009-02-25 2010-09-09 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 無線中継システム、無線中継方法および中継局

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010016721A (ja) * 2008-07-04 2010-01-21 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 無線通信システム、中継局装置および無線通信方法
JP2010171951A (ja) * 2009-01-23 2010-08-05 Fujitsu Ltd 中継装置及びワイヤレス通信方法
JP2010200017A (ja) * 2009-02-25 2010-09-09 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 無線中継システム、無線中継方法および中継局

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9629061B2 (en) Quality of service control in multiple hop wireless communication environments
JP4838542B2 (ja) 直交周波数分割多重接続システム及び周波数オフセット制御方法
JP6635165B2 (ja) 無線通信装置及び無線通信方法
US20070214286A1 (en) Network access control
KR101038804B1 (ko) 무선 랜의 협력 통신 방법
Shan et al. Cross-layer cooperative triple busy tone multiple access for wireless networks
US20110110273A1 (en) Waveform for use in mobile ad hoc networks
JP5148702B2 (ja) スロット化された無線通信のための制御表示
CN102100108A (zh) 用于支持对等通信系统中多跳通信的方法和装置
KR101153970B1 (ko) 무선 메쉬 네트워크의 경로 설정 방법 및 시스템
JP2009100443A (ja) アドホックネットワークにおけるパケット送信経路設定方法およびこれを用いたネットワーク装置
US20060146720A1 (en) Apparatus and method for routing on a mobile ad-hoc network
JP2008042757A (ja) 無線システム、無線通信装置及び通信方法
Shin et al. A dynamic NAV determination protocol in 802.11 based underwater networks
Gokturk et al. Cooperation in wireless sensor networks: design and performance analysis of a MAC protocol
Feeney et al. Multi-rate relaying for performance improvement in IEEE 802.11 WLANs
JP2008211472A (ja) 無線通信方法、無線通信システム及び無線通信装置
JP5034652B2 (ja) モデム通信方法及びモデム装置
KR20180088338A (ko) 무선 통신 시스템에서 중계 프레임을 전송하는 방법 및 장치
JP2009165008A (ja) 無線端末装置及び無線基地局装置
JP4422148B2 (ja) 情報通信装置、情報通信方法及びプログラム
Sayed et al. CARD: cooperative access with relay's data for multi-rate wireless local area networks
KR20140046540A (ko) 릴레이 선택 및 전력 설정 방법
KR20080073454A (ko) 중계 방식의 무선통신 시스템에서 양방향 전송을 위한 장치및 방법
JP5121689B2 (ja) 無線通信システム、中継局装置及び無線通信方法