JP2008210469A - 磁気ディスク装置のデータ消去方法、磁気ディスク装置、データ消去プログラム、不揮発性記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気ディスク装置の上位装置からアクセスできない領域のデータも含め、磁気ディスク装置に記録されていたすべてのデータを消去することができるようにすること。
【解決手段】磁気ディスク装置のヘッド位置をデータ消去対象トラックN+1の略中心位置に設定し、中心位置に所定の消去用データを書き込むステップと、ヘッド位置をデータ消去対象トラックN+1の略中心位置から外周側に移動させ、データ消去対象トラックN+1の外周側のトラック間ギャップの領域201aに所定の消去用データを書き込むステップと、ヘッド位置をデータ消去対象トラックN+1の略中心位置から内周側に移動させ、データ消去対象トラックN+1の内周側のトラック間ギャップの領域202aに所定の消去用データを書き込むステップと、を有する。
【選択図】図2
【解決手段】磁気ディスク装置のヘッド位置をデータ消去対象トラックN+1の略中心位置に設定し、中心位置に所定の消去用データを書き込むステップと、ヘッド位置をデータ消去対象トラックN+1の略中心位置から外周側に移動させ、データ消去対象トラックN+1の外周側のトラック間ギャップの領域201aに所定の消去用データを書き込むステップと、ヘッド位置をデータ消去対象トラックN+1の略中心位置から内周側に移動させ、データ消去対象トラックN+1の内周側のトラック間ギャップの領域202aに所定の消去用データを書き込むステップと、を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、磁気ディスク装置のデータ消去技術に関する。
近年、磁気ディスク装置から個人情報や企業情報が漏洩するといった問題が生じている。特に企業情報、経営情報や開発情報、顧客情報などが漏洩した場合には、企業の存亡に関わる重大な問題となる。かかる情報の漏洩は、(1)主として悪意を持った者が、廃棄したPC(Personal Computer)の磁気ディスク装置からデータを取り出すこと、または、(2)リース用PCに搭載された磁気ディスク装置の中に以前の使用者のデータが残存し、このデータを新規使用者が取り出すといったこと等から発生する。したがって、情報の漏洩は、使用者の意図に反し、磁気ディスク装置内にデータが残存することが原因であると考えられる。
磁気ディスク装置に記録されたデータは、磁気ディスク装置の上位装置(例えば、ホストコンピュータ)からのファイル削除命令を実行することによって容易に削除可能なように見えるが、実際には、このファイル削除命令の結果、データ自体が削除されるのではなく、ファイルに対するファイル管理領域の情報が更新されているだけである。また、フォーマットツールによって磁気ディスク装置をフォーマットしたとしても、ファイル管理領域の情報が消去されるだけでデータ自体は磁気ディスク装置に残ったままである。特定のOSにおいてFDISKコマンドを実行した場合、磁気ディスク装置のパーティション管理情報が更新されるだけでデータ自体は残ったままである。なお、現在市販されているデータ復元ツールは、磁気ディスク装置に残ったデータ領域管理情報を解析することにより、ファイル管理領域の情報を推測し、データを復元する。
下記特許文献1には、上述した情報の漏洩を防ぐための磁気ディスク装置のデータ消去方法が開示されている。このデータ消去方法は、磁気ディスク装置の全領域に固定パターンの消去用データを書き込むことによって元のデータを上書きするという方法である。この従来のデータ消去方法は、アプリケーションを用いた、つまりデータ消去用プログラムが記録されたフロッピディスクやCD−ROMからホストコンピュータがプログラムを読み出し、磁気ディスク装置に対してデータ消去の命令を送ることによってデータ消去を行うように構成されている。
特許文献1に開示されたデータ消去方法を実行するためのシステム構成図を図1に示す。図1において、このシステムは、CPU1、データ消去プログラムの記録されたROM2、データ消去部3、および、磁気ディスク装置4(ハードディスク)から構成される。CPU1は、ROM2に記録されたプログラムに従って動作し、データ消去部3にデータ消去信号を出力する。データ消去部3は、CPU1の制御に従って磁気ディスク装置4のデータ消去を行う。具体的には、CPU1は、データ消去の指示を待ち、当該指示があった場合にはROM2からデータ消去プログラムを読み出して、プログラムに従ってデータ消去部3を制御する。データ消去部3は、CPU1からのデータ消去信号を受けて、磁気ディスク装置4のデータ消去を行う。磁気ディスク装置4内の全てのデータを消去したら磁気ディスク装置4にアプリケーションのシリアルナンバーを書き込んで処理を終了する。
特開2002−312128公報(第5ページ、第1図)
ところで、一般に磁気ディスク装置では、上位装置から書き込み命令または読み出し命令を受けてデータにアクセスするが、このアクセスはヘッドがトラックの中心にオントラックした状態で行われる。しかしながら、磁気ディスクに対するデータの書き込み時にヘッドの振動などによりオフトラックした状態でデータを書き込んでしまうことがあり、オフトラックした状態で書き込みを行った場合には、例えばトラック間ギャップにデータが書き込まれる。このトラック間ギャップに書き込まれたデータに対しては、通常、上位装置のアプリケーション(データ消去プログラム)の実行によりアクセスすることができない。したがって、特許文献1に開示されたデータ消去方法では、トラック間ギャップの領域に書き込まれたデータは消去することができない。すなわち、トラック間ギャップの領域に書き込まれたデータを取り出すことによって重要なデータが漏洩する虞がある。
上述した観点に鑑み、本発明の目的は、磁気ディスク装置の上位装置からアクセスできない領域のデータも含め、磁気ディスクに記録されていたすべてのデータを消去することができるようにした磁気ディスク装置のデータ消去方法、磁気ディスク装置、データ消去プログラム、不揮発性記憶媒体を提供することにある。
本発明の第1の観点は、磁気ディスク装置のファームウェアにより前記磁気ディスク装置に内蔵されたデータ消去プログラムを実行することで、複数のトラックからなる記録媒体に記録されたデータを消去するデータ消去方法である。このデータ消去方法は、磁気ディスク装置のヘッド位置をデータ消去対象トラックの略中心位置に設定し、当該中心位置に所定の消去用データを書き込むステップと、ヘッド位置をデータ消去対象トラックの略中心位置から外周側に移動させ、データ消去対象トラックの外周側のトラック間ギャップの領域に所定の消去用データを書き込むステップと、ヘッド位置を前記データ消去対象トラックの略中心位置から内周側に移動させ、データ消去対象トラックの内周側のトラック間ギャップの領域に所定の消去用データを書き込むステップと、を有する。
本発明の第2の観点は、複数のトラックからなる記録媒体と、ヘッドと、前記ヘッドを記録媒体の所望の位置に移動するように制御してデータの読み出しおよび書き込みを行う制御部とを備えた磁気ディスク装置である。制御部は、ヘッドの位置をデータ消去対象トラックの略中心位置に設定し、当該中心位置に所定の消去用データを書き込み、ヘッドの位置をデータ消去対象トラックの略中心位置から外周側に移動させ、データ消去対象トラックの外周側のトラック間ギャップの領域に所定の消去用データを書き込み、ヘッドの位置をデータ消去対象トラックの略中心位置から内周側に移動させ、データ消去対象トラックの内周側のトラック間ギャップの領域に所定の消去用データを書き込む。
本発明の第3の観点は、複数のトラックからなる記録媒体に記録されたデータを消去するために、複数の手順を磁気ディスク装置のファームウェアに実行させるためのデータ消去プログラムである。この複数の手順は、磁気ディスク装置のヘッド位置をデータ消去対象トラックの略中心位置に設定し、当該中心位置に所定の消去用データを書き込む手順と、ヘッド位置を前記データ消去対象トラックの略中心位置から外周側に移動させ、データ消去対象トラックの外周側のトラック間ギャップの領域に所定の消去用データを書き込む手順と、ヘッド位置をデータ消去対象トラックの略中心位置から内周側に移動させ、データ消去対象トラックの内周側のトラック間ギャップの領域に所定の消去用データを書き込む手順と、を有する。
本発明の第4の観点は、上記データ消去プログラムを格納する、ファームウェアで読取り可能な不揮発性記憶媒体である。
本発明によれば、磁気ディスク装置の上位装置からアクセスできない領域のデータも含め、磁気ディスクに記録されていたすべてのデータを消去することができる。
以下に本発明の複数の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態の説明において、「データ消去」は、所定のデータ列(所定の消去用データ)を磁気ディスクに書き込むことによって行われる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態におけるデータ消去は、データ消去の対象となる磁気ディスク装置の上位装置(ホストコンピュータ等)のアプリケーションによって実行されるのではなく、磁気ディスク装置のファームウェアにより、磁気ディスク装置内のメモリ(不揮発性記憶媒体)に記録されたデータ消去プログラムが実行されることで行われる。本発明のデータ消去方法が適用される磁気ディスク装置のファームウェアは、記録媒体(磁気ディスク)にアクセスするヘッドの位置を制御可能であり、所望のヘッド位置にてデータ消去プログラムを実行する。
本発明の第1の実施形態におけるデータ消去は、データ消去の対象となる磁気ディスク装置の上位装置(ホストコンピュータ等)のアプリケーションによって実行されるのではなく、磁気ディスク装置のファームウェアにより、磁気ディスク装置内のメモリ(不揮発性記憶媒体)に記録されたデータ消去プログラムが実行されることで行われる。本発明のデータ消去方法が適用される磁気ディスク装置のファームウェアは、記録媒体(磁気ディスク)にアクセスするヘッドの位置を制御可能であり、所望のヘッド位置にてデータ消去プログラムを実行する。
図2を参照して、本実施形態のデータ消去方法の原理について以下説明する。
図2において、トラックN(Nは任意の整数)、トラックN+1、トラックN+2は、磁気ディスク上の連続したトラック群である。領域201aは、磁気ディスクのトラックNとトラックN+1間のトラック間ギャップであって、上位装置からはアクセスすることができない領域(オフトラック領域)である。領域202aは、磁気ディスクのトラックN+1(トラックNに対して1つ内周側のトラック)とトラックN+2間のトラック間ギャップであって、領域201a同様に上位装置からはアクセスできない領域(オフトラック領域)である。領域203aは、トラックN+1に対応する領域(オントラック領域)である。磁気ディスクのトラックN+1に対して正常な書き込みが行われる場合には、この領域203a内にデータの書き込みがなされる。
図2において、トラックN(Nは任意の整数)、トラックN+1、トラックN+2は、磁気ディスク上の連続したトラック群である。領域201aは、磁気ディスクのトラックNとトラックN+1間のトラック間ギャップであって、上位装置からはアクセスすることができない領域(オフトラック領域)である。領域202aは、磁気ディスクのトラックN+1(トラックNに対して1つ内周側のトラック)とトラックN+2間のトラック間ギャップであって、領域201a同様に上位装置からはアクセスできない領域(オフトラック領域)である。領域203aは、トラックN+1に対応する領域(オントラック領域)である。磁気ディスクのトラックN+1に対して正常な書き込みが行われる場合には、この領域203a内にデータの書き込みがなされる。
しかしながら、書き込み時にヘッドの振動等が発生すると、書き込み時のヘッドの軌跡が図2に一例として示すサインカーブとなるため、書き込み対象トラックN+1の前後のトラック間ギャップの領域201a,202aに書き込みがなされる。図2では、トラックN+1の中心にあるヘッド位置207a(オントラックのヘッド位置)と、トラックN+1の中心から外周側にオフセットOFT1分シフトしたヘッド位置206a(オフトラックのヘッド位置)、トラックN+1の中心から内周側にオフセットOFT2分シフトしたヘッド位置208a(オフトラックのヘッド位置)が図示されている。図2では、かかるヘッド位置のずれによって、トラックN+1に対する書き込み時には、領域201a(トラック間ギャップ)においてデータ204a、領域202a(トラック間ギャップ)においてデータ205aが書き込まれている。
本実施形態のデータ消去方法では、磁気ディスク装置のファームウェアがデータ消去プログラムを実行することで、ヘッドの位置を、消去対象のトラックに対して外周側および内周側にオフセットさせることで、消去対象のトラックに隣接したオフトラック領域に書き込まれたデータ(図2に示す例では、データ204a,205b)を消去するようにする。
次に、本実施形態におけるデータ消去方法の具体的な手順(データ消去プログラムを実行することによるファームウェアの動作)について、図2および図3を参照して説明する。なお、図3は本発明の第1の実施形態におけるデータ消去方法のフローチャートである。また、図3に示すフローチャートは、データ消去対象トラックが図2のトラックN+1である場合を示している。
先ず、オントラック状態のヘッド位置207aにてデータ消去を行うか否かを決定する(ステップS1)。オントラック状態のヘッド位置207aにてデータ消去を行うことを決定した場合(ステップS1でYes)、ヘッドを位置207aに(オントラック位置に)移動させ(ステップS2)、このオントラック位置で1周分データ消去を行うことによって、領域203a(オントラック領域)に書き込まれていたデータを消去する(ステップS3)。次に、ステップS3においてデータ消去した領域203aに対して直ちにベリファイを実行するか否かを判断する(ステップS9)。直ちにベリファイを実行するならばベリファイ処理に移行し(ステップS10)、後にベリファイを実行するならばステップS1へ戻り、次の領域のデータ消去を行う。
ステップS1に戻ると、オントラック状態のヘッド位置207aでのデータ消去は終了したため、ステップS4に移行する。ステップS4では、外周側オフトラック状態のヘッド位置206aにてデータ消去を行うか、または、内周側オフトラック状態のヘッド位置208aにてデータ消去を行うかを決定する(ステップS4)。外周側オフトラック状態のヘッド位置206aにてデータ消去を行うことを決定すると(ステップS4のYes)、ヘッド位置をオフセットOFT1分外周側に移動させる制御が行われ、ヘッド位置が位置206aに移動する(ステップS5)。このヘッド位置206aにて1周分データを消去することによって(ステップS8)、前述したデータ204aのようなトラック間ギャップ領域201aに書き込まれたデータが消去される。次に、ステップS9においてデータ消去した領域に対して直ちにベリファイを実行するか否かを判断する。直ちにベリファイを実行するならばベリファイ処理に移行し(ステップS10)、後にベリファイを実行するならばステップS1へ戻り、次の領域のデータ消去を行う。
ステップS1に戻ると、内周側オフトラック状態のヘッド位置208aにてデータ消去を行う処理のみが残されているので、ステップS1→S4→S6に進み、内周側オフトラック状態のヘッド位置208aにてデータ消去を行うことを決定する(ステップS6)ヘッド位置をオフセットOFT2分内周側に移動させる制御が行われ、ヘッド位置が位置208aに移動する(ステップS5)。このヘッド位置208aにて1周分データを消去することによって(ステップS8)、前述したデータ205aのようなトラック間ギャップ領域202aに書き込まれたデータが消去される。次に、ステップS9においてデータ消去した領域に対して直ちにベリファイを実行するか否かを判断する。直ちにベリファイを実行するならばベリファイ処理に移行し(ステップS10)、後にベリファイを実行するならばステップS1へ戻る。
以上説明したように、本実施形態のデータ消去方法によれば、一般に磁気ディスク装置の上位装置のアプリケーションの実行ではデータ消去ができないトラック間ギャップの領域に書き込まれたデータも含め、磁気ディスク上のすべてのデータを消去することができる。したがって、記録媒体からの情報の漏洩を確実に防ぐことができる。
なお、上述した図3の説明において、ヘッドのオフセット値(OFT1,OFT2)は、書き込み時のヘッドの振動による測定値から予め設定してもよいし、トラック間ギャップの幅をすべてカバーできるような値に設定しておいてもよい。
なお、上述した図3の説明において、ヘッドのオフセット値(OFT1,OFT2)は、書き込み時のヘッドの振動による測定値から予め設定してもよいし、トラック間ギャップの幅をすべてカバーできるような値に設定しておいてもよい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態のデータ消去方法について、図4および図5を参照して説明する。本実施形態のデータ消去方法は、第1の実施形態のデータ消去方法に加えて、ベリファイ処理を追加したものである。
図4は、本実施形態のデータ消去方法を説明するための図であって、(a)は磁気ディスクの一部、(b)はシステム構成の概略を示す。図5は、ベリファイ処理の具体的な手順を示すフローチャートである。
次に、本発明の第2の実施形態のデータ消去方法について、図4および図5を参照して説明する。本実施形態のデータ消去方法は、第1の実施形態のデータ消去方法に加えて、ベリファイ処理を追加したものである。
図4は、本実施形態のデータ消去方法を説明するための図であって、(a)は磁気ディスクの一部、(b)はシステム構成の概略を示す。図5は、ベリファイ処理の具体的な手順を示すフローチャートである。
なお、図4は、データ消去対象トラックに対して外周側のトラック間ギャップの領域のデータに対するベリファイを行う場合のみを一例として図示しているが、オントラック領域のデータ、および、データ消去対象トラックに対して内周側のトラック間ギャップの領域のデータに対しても、以下で説明するベリファイ処理が行われる。
図4(a)において、領域301aは、データ消去対象トラックであるトラックM+1に割り当てられているセクタSの領域である。領域302aは、ヘッドを外周側にオフセットさせることでトラックMとトラックM+1間のトラック間ギャップにおけるデータ消去がなされたデータ領域である。本実施形態におけるベリファイ処理では、データ消去の際に書き込まれた消去用データの読み出しを行う。図4(a)におけるヘッド位置303aは、この読み出し状態におけるヘッド位置を示している。
また、図4(b)に示すように、本実施形態におけるベリファイ処理では、各セクタのデータ管理のための記録媒体304aが設けられる。この記録媒体304aにおいて、読み出しデータ領域305aは、ベリファイ処理を行うために磁気ディスクから読み出したデータがセクタ単位で記録される領域である。書き込みデータ領域306aは、データ消去時に書き込まれる消去用データがセクタ単位で記録されている領域である。制御回路307aは、例えばHDC(ハードディスクコントローラ)とCPUが1チップ化されたSoC(システムオンチップ)等、磁気ディスク装置を制御する回路であり、後述する図5のフローチャートの処理を実行する。
以下、図4および図5を参照して、本実施形態におけるベリファイ処理の具体的な手順を説明する。
先ず、制御回路307aは、ヘッドを位置303aに設定し、領域302aのデータ(セクタSのデータ)を読み出し(ステップS20)、記録媒体304aの読み出しデータ領域305aに記録する(ステップS21)。なお、データ消去時に書き込まれたセクタSのデータは、すでにデータ消去時或いはそれ以前に書き込みデータ領域306aに記録されているものとする。
次に、制御回路307aは、記録媒体304aの読み出しデータ領域305aと書き込みデータ領域306aにおけるセクタSのデータ同士を比較する(ステップS22)。その2つのデータが一致する場合、すなわち、エラーが発生しない場合には(ステップS23のNo)、次のセクタから読み出したデータの比較を行う。このシーケンスを最終的にトラックM+1の全セクタに対して終了するまで繰り返して(ステップS24)、全セクタに対する比較がエラーなく終了したら次の領域のデータ消去へ移行する(ステップS27)。
先ず、制御回路307aは、ヘッドを位置303aに設定し、領域302aのデータ(セクタSのデータ)を読み出し(ステップS20)、記録媒体304aの読み出しデータ領域305aに記録する(ステップS21)。なお、データ消去時に書き込まれたセクタSのデータは、すでにデータ消去時或いはそれ以前に書き込みデータ領域306aに記録されているものとする。
次に、制御回路307aは、記録媒体304aの読み出しデータ領域305aと書き込みデータ領域306aにおけるセクタSのデータ同士を比較する(ステップS22)。その2つのデータが一致する場合、すなわち、エラーが発生しない場合には(ステップS23のNo)、次のセクタから読み出したデータの比較を行う。このシーケンスを最終的にトラックM+1の全セクタに対して終了するまで繰り返して(ステップS24)、全セクタに対する比較がエラーなく終了したら次の領域のデータ消去へ移行する(ステップS27)。
ステップS23においてエラーが発生した場合(2つのデータが一致しない場合)には、制御回路307aはエラーの発生したセクタを記録媒体304aに登録し(ステップS25)、トラックM+1の全セクタに対しての比較を行う(ステップS26)。全セクタに対する比較が終了すると、ステップS25で登録したセクタの情報を書き込みデータ領域306aから読み出して、そのセクタに対するデータ再消去を実行する(ステップS28)。すなわち、ステップS28では、再度消去用データの書き込みを行う。ステップS25で登録した全セクタに対するデータ再消去が終了すると(ステップS29)、ステップS20へ移行し、データ再消去を行ったセクタに対して再度一連の処理を実行する。以上の処理をステップS23にてエラー発生しなくなるまで繰り返す。
以上説明したように、本実施形態のデータ消去方法では、第1の実施形態のデータ消去方法に加えて、ベリファイ処理(データ再消去処理も含む)を追加したため、データ消去がさらに確実に行われることになる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態のデータ消去方法について、図6および図7を参照して説明する。本実施形態のデータ消去方法は、第1の実施形態または第2の実施形態のデータ消去方法の実行タイミングを制御する点に特徴がある。
図6は、本実施形態のデータ消去方法を実行するための、磁気ディスク装置のシステム構成の概略図である。図7は、本実施形態のデータ消去方法を実行する具体的な手順を示すフローチャートである。
次に、本発明の第3の実施形態のデータ消去方法について、図6および図7を参照して説明する。本実施形態のデータ消去方法は、第1の実施形態または第2の実施形態のデータ消去方法の実行タイミングを制御する点に特徴がある。
図6は、本実施形態のデータ消去方法を実行するための、磁気ディスク装置のシステム構成の概略図である。図7は、本実施形態のデータ消去方法を実行する具体的な手順を示すフローチャートである。
図6において、磁気ディスク装置401a内の制御回路403aは、例えばHDC(ハードディスクコントローラ)とCPUが1チップ化されたSoC(システムオンチップ)等、磁気ディスク装置を制御する回路であり、後述する図7のフローチャートの処理を実行する。電源ユニット402aは、磁気ディスク装置401aに対して電源電圧を供給する。磁気ディスク装置401a内にはデータ消去開始設定を行うためのジャンパ405aが設けられており、このジャンパ405aの一方のピンに接続されるリード線406aは抵抗を介してHighレベル(VCC)にプルアップされ、他方のピンに接続されるリード線404aは制御回路403aに接続される。本実施形態のデータ消去方法では、電源電圧が供給され、2つのピン同士が短絡されると、リード線406aから供給される信号(制御信号)がHighレベルとなって、制御回路403aにおいてデータ消去の開始が設定される。
以下、図6および図7を参照して、本実施形態におけるデータ消去方法の具体的な手順を説明する。
先ず、磁気ディスク装置401aが電源ユニット402aに接続され電源電圧が印加されると(ステップS30)、制御回路403aは、リード線404aから供給される制御信号がHighレベル(オン)であるか否かを検出する(ステップS31)。制御信号がHighレベルである場合には、制御回路403aはデータ消去の開始を設定、すなわち、データ消去プログラムを実行する(ステップS32)。このデータ消去プログラムは磁気ディスク上に記録しておいてもよいし、磁気ディスク装置内の不揮発性記録媒体に記録しておいてもよい。制御回路403aは、データ消去とそれに対するベリファイ処理を磁気ディスクの全領域に対して実行されたことを検出すると(ステップS33のYes)、データ消去処理を終了する。
先ず、磁気ディスク装置401aが電源ユニット402aに接続され電源電圧が印加されると(ステップS30)、制御回路403aは、リード線404aから供給される制御信号がHighレベル(オン)であるか否かを検出する(ステップS31)。制御信号がHighレベルである場合には、制御回路403aはデータ消去の開始を設定、すなわち、データ消去プログラムを実行する(ステップS32)。このデータ消去プログラムは磁気ディスク上に記録しておいてもよいし、磁気ディスク装置内の不揮発性記録媒体に記録しておいてもよい。制御回路403aは、データ消去とそれに対するベリファイ処理を磁気ディスクの全領域に対して実行されたことを検出すると(ステップS33のYes)、データ消去処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態のデータ消去方法によれば、磁気ディスク装置の上位装置の接続とは無関係にデータ消去を実行することが可能となる。すなわち、上位装置が稼働しない場合でも、磁気ディスク装置のデータを消去することができる。さらに、ユーザにとって、データ消去用のアプリケーション(データ消去プログラム)が記録されたフロッピディスクやCD−ROMなどの媒体を準備しなければならないといった煩雑な手間が不要であるという利点もある。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態のデータ消去方法について、図8および図9を参照して説明する。本実施形態のデータ消去方法は、第1の実施形態または第2の実施形態のデータ消去方法による処理の完了をユーザに適切に報知する点に特徴がある。
図8は、本実施形態におけるデータ消去完了報知を実行するための、磁気ディスク装置のシステム構成の概略図である。図9は、本実施形態におけるデータ消去完了報知の具体的な手順を示すフローチャートである。
次に、本発明の第4の実施形態のデータ消去方法について、図8および図9を参照して説明する。本実施形態のデータ消去方法は、第1の実施形態または第2の実施形態のデータ消去方法による処理の完了をユーザに適切に報知する点に特徴がある。
図8は、本実施形態におけるデータ消去完了報知を実行するための、磁気ディスク装置のシステム構成の概略図である。図9は、本実施形態におけるデータ消去完了報知の具体的な手順を示すフローチャートである。
図8において、磁気ディスク装置は、制御回路501aと、2個のLED502a,503aとを備える。2個のLED502a,503aは、データ消去中、ベリファイ中、終了をユーザに報知するために制御回路501aによって発光制御される。
以下、図8および図9を参照して、本実施形態におけるデータ消去完了報知の具体的な手順を説明する。
先ず、制御回路501aがデータ消去プログラムを実行することによってデータ消去が開始される。データ消去が開始されると、制御回路501aはLED502aのみを点灯させる(ステップS40)。次にデータ消去が磁気ディスクの全領域に渡って終了したことを検出すると(ステップS41のYes)、LED502aを消灯する(ステップS42)。次に、制御回路501aは、ベリファイ処理を実行して、LED503aのみを点灯させる(ステップS43)。ベリファイ処理が磁気ディスク置の全領域に渡って終了したことを検出すると(ステップS44のYes)、データ消去かつベリファイ処理が全て終了したことを報知するためにLED502a,503aを共に点灯させて(ステップS45)、制御回路501aは動作を終了する。
先ず、制御回路501aがデータ消去プログラムを実行することによってデータ消去が開始される。データ消去が開始されると、制御回路501aはLED502aのみを点灯させる(ステップS40)。次にデータ消去が磁気ディスクの全領域に渡って終了したことを検出すると(ステップS41のYes)、LED502aを消灯する(ステップS42)。次に、制御回路501aは、ベリファイ処理を実行して、LED503aのみを点灯させる(ステップS43)。ベリファイ処理が磁気ディスク置の全領域に渡って終了したことを検出すると(ステップS44のYes)、データ消去かつベリファイ処理が全て終了したことを報知するためにLED502a,503aを共に点灯させて(ステップS45)、制御回路501aは動作を終了する。
以上説明したように、本実施形態のデータ消去方法によれば、データ消去およびベリファイ処理の完了がユーザに報知されるため、磁気ディスク装置の使い勝手が向上する。
なお、図9に示すフローチャートでは、磁気ディスクの全領域に対してデータ消去が終了してからベリファイ処理を行うようにしているが、1トラック毎に、或いは1つの領域(例えば、セクタ、外周側のオフトラックの領域など)ごとにデータ消去とベリファイ処理を連続して行うようにしてもよい。またLEDの数や点灯パターンは、上述した実施形態に限定されないことは言うまでもない。さらに報知手段はLEDの点灯に限定されず、例えば音声を使用してもよい。
なお、図9に示すフローチャートでは、磁気ディスクの全領域に対してデータ消去が終了してからベリファイ処理を行うようにしているが、1トラック毎に、或いは1つの領域(例えば、セクタ、外周側のオフトラックの領域など)ごとにデータ消去とベリファイ処理を連続して行うようにしてもよい。またLEDの数や点灯パターンは、上述した実施形態に限定されないことは言うまでもない。さらに報知手段はLEDの点灯に限定されず、例えば音声を使用してもよい。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態のデータ消去方法について、図10および図11を参照して説明する。本実施形態のデータ消去方法は、データ消去(およびベリファイ処理)を行う際、所定のトラック数の間隔でデータ消去履歴を記録(登録)しておく点に特徴がある。
図10は、本実施形態のデータ消去方法を実行するための、磁気ディスク装置のシステム構成の概略図である。図11は、本実施形態のデータ消去方法を実行する具体的な手順を示すフローチャートである。
次に、本発明の第5の実施形態のデータ消去方法について、図10および図11を参照して説明する。本実施形態のデータ消去方法は、データ消去(およびベリファイ処理)を行う際、所定のトラック数の間隔でデータ消去履歴を記録(登録)しておく点に特徴がある。
図10は、本実施形態のデータ消去方法を実行するための、磁気ディスク装置のシステム構成の概略図である。図11は、本実施形態のデータ消去方法を実行する具体的な手順を示すフローチャートである。
図10において、この磁気ディスク装置は、制御回路601aおよび不揮発性記録媒体602aを備える。不揮発性記録媒体602aは、トラック番号(図10では「L」,「M」等;L、Mは任意の整数)と履歴順序(図10では「1」,「2」等)を表すシーケンス番号とを対応付けて記録(登録)する。なお、シーケンス番号は、データ消去履歴(後述する)を登録する毎にインクリメントし、シーケンス番号が最大であるデータ消去履歴が最新のデータ消去履歴であることを意味する。図10では、一例として、データ消去履歴の対象トラックとして、トラックL(領域603a)とトラックM(領域604a)が記録されている。
次に、図10および図11を参照して、第5の実施形態のデータ消去方法の手順を説明する。
データ消去が開始されると、制御回路601aは、データ消去とベリファイ処理を実行する(ステップS50)。データ消去またはベリファイ実行中に電源遮断が起きなければ(ステップS51のNo)、現在処理中のトラックがデータ消去とベリファイ処理を行うべき最後のトラックであるかどうか判断する(ステップS55)。もしデータ消去とベリファイ処理を行うべき最後のトラックであるならば、データ消去とベリファイ処理の完了後、終了する。
データ消去が開始されると、制御回路601aは、データ消去とベリファイ処理を実行する(ステップS50)。データ消去またはベリファイ実行中に電源遮断が起きなければ(ステップS51のNo)、現在処理中のトラックがデータ消去とベリファイ処理を行うべき最後のトラックであるかどうか判断する(ステップS55)。もしデータ消去とベリファイ処理を行うべき最後のトラックであるならば、データ消去とベリファイ処理の完了後、終了する。
一方、データ消去とベリファイ処理を行うべき最後のトラックでないならば、制御回路601aは、現在実行中のトラックが、予め設定された順番のトラックであるか、つまり、データ消去履歴を不揮発性記録媒体602aに登録すべきトラックであるか否かを判断する(ステップS56)。例えば100トラック毎にデータ消去履歴を不揮発性記録媒体602aに登録すると予め設定されていた場合、100の整数倍の順番のトラック毎にデータ消去履歴の登録を行うことになる。この登録は、データ消去とベリファイが終了後にデータ消去履歴を不揮発性記録媒体602aに記録することによって行われる(ステップS57)。
例えば、図10において、トラックL(領域603a)がデータ消去履歴を登録対象のトラックであるとすると、トラックLに対するデータ消去履歴が記録されることによってデータ消去開始トラックからトラックLまでのすべてのトラックに対してデータ消去とベリファイ処理が完了したことを意味する。同様に、トラックM(領域604a)に対してデータ消去とベリファイ処理を実行し、データ消去履歴を登録したならば、データ開始トラックからトラックMまでのすべてのトラックに対してデータ消去とベリファイ処理が完了したことを意味する。
一方、ステップS56において判断したトラックがデータ消去履歴を登録する対象のトラックでないならば、所定の設定値に達するまで、或いは、磁気ディスクの全領域に対してデータ消去とベリファイ処理が完了するまで、データ消去とベリファイ処理を繰り返す。
以上、データ消去またはベリファイ途中に電源遮断が起こらなかった場合の一連の処理について説明した。次に、データ消去またはベリファイ途中に電源遮断が起きた場合の一連の処理について説明する。
データ消去またはベリファイ処理の実行中に電源遮断が起こったと想定する(ステップS51)。そして、制御回路601aの電源が再投入(オン)されると(ステップS52)、制御回路601aは、データ消去プログラムを実行する前に不揮発性記録媒体602aにアクセスしてデータ消去履歴を参照する(ステップS53)。
例えば、データ消去履歴の登録対象であるトラックM(領域604a)の次のトラックであるトラックM+1(領域605a)に対してデータ消去またはベリファイ処理の実行中に電源遮断が起こったとすると、制御回路601aは、電源の再投入後には、データ消去プログラムを実行する前に不揮発性記録媒体602aにアクセスしてデータ消去履歴を参照する。この時点では、図10に示すように、不揮発性記録媒体602aにはトラックLまでに対するデータ消去履歴と、トラックMまでに対するデータ消去履歴の2つのデータ消去履歴が登録されているが、シーケンス番号が最大のものが最新のデータ消去履歴となるのでトラックMが最新のデータ消去履歴となる。
トラックMが最新のデータ消去履歴であることがわかると、制御回路601aは、データ消去開始トラックからトラックMまでのすべてのトラックに対してデータ消去とベリファイが終了していると判断し、トラックMの次のトラック、すなわちトラックM+1にヘッドを移動させ、データ消去とベリファイ処理を開始する(ステップS54)。その後は、磁気ディスクの全領域に対するデータ消去とベリファイ処理が完了するまで、上記一連の処理を繰り返す。
以上説明したように、本実施形態のデータ消去方法によれば、データ消去中に電源が遮断した場合でも、磁気ディスクの最初のトラックからデータ消去を行う必要がなく、その後のデータ消去を短期間で完了させることができる。
なお、上記説明では、1つのトラックに対してデータ消去が終了したら、直ちにそのトラックに対してベリファイ処理を実行する方法を記載しているが、外周側のオフトラック領域、オントラック領域、内周側のオフトラック領域等、領域単位でデータ消去とベリファイ処理を連続して実行してもよい。また、磁気ディスクの全領域に対するデータ消去を一括して行い、データ消去完了後ベリファイ処理を磁気ディスクの全領域に対して一括して行う方法でもよい。一括して処理を行う方法では、不揮発性記録媒体602aに登録するデータ消去履歴として、図10に示したトラック番号とシーケンス番号と共に、実行動作履歴を記録(登録)することが好ましい。これによって、データ消去時に電源遮断が起きたのか、または、ベリファイ処理時に電源遮断が起きたのかを後で判断することができる。制御回路601aは、電源再投入された後、この実行動作履歴の情報を参照して、電源遮断前の動作から再開することができる。またデータ消去履歴の登録数は任意であり、複数登録してもよいし最新のデータ消去履歴のみを登録するだけでもよい。
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態のデータ消去方法について、図12および図13を参照して説明する。本実施形態のデータ消去方法は、データ消去(およびベリファイ処理)を行う際、データ消去を行う対象のトラックをトラックアクセス履歴を参照して決定する点に特徴がある。
図12は、本実施形態のデータ消去方法を実行するための、磁気ディスク装置のシステム構成の概略図である。図13は、本実施形態のデータ消去方法を実行する具体的な手順を示すフローチャートである。
次に、本発明の第6の実施形態のデータ消去方法について、図12および図13を参照して説明する。本実施形態のデータ消去方法は、データ消去(およびベリファイ処理)を行う際、データ消去を行う対象のトラックをトラックアクセス履歴を参照して決定する点に特徴がある。
図12は、本実施形態のデータ消去方法を実行するための、磁気ディスク装置のシステム構成の概略図である。図13は、本実施形態のデータ消去方法を実行する具体的な手順を示すフローチャートである。
図12において、この磁気ディスク装置は、制御回路701aおよび不揮発性記録媒体702aを備える。不揮発性記録媒体702aは、トラックアクセス履歴、すなわち、アクセスしたトラック(アクセス済みトラック)のトラック番号(図12では「L」,「N」等;L、Nは任意の整数)を記録(登録)する。例えば、図12では、アクセス済みトラックとして、トラックL(領域603a)とトラックM(領域604a)が記録されている。なお、トラックアクセス履歴は、例えば磁気ディスク装置が上位装置に接続され使用された時に上位装置から送られて来るLBA(ロジカルブロックアドレス)から算出したトラック番号を元にして決定してもよい。
次に、図12および図13を参照して、第6の実施形態のデータ消去方法の手順を説明する。
データ消去が開始されると、制御回路701aは、データ消去プログラムを実行する前に、不揮発性記録媒体702aにアクセスしてトラックアクセス履歴を参照する(ステップS60)。次に、データ消去とベリファイ処理の対象のトラックがトラックアクセス履歴に登録されていることを検出すると(ステップS61のYes)、そのトラックに対するデータ消去とベリファイ処理を実行する(ステップS63)。例えば、図12において、トラックL(領域703a)やトラックN(領域705a)に対してデータ消去とベリファイ処理を実行しようとした場合、トラックアクセス履歴にはトラックLとトラックNが登録されているので、データ消去とベリファイ処理を実行する。
データ消去が開始されると、制御回路701aは、データ消去プログラムを実行する前に、不揮発性記録媒体702aにアクセスしてトラックアクセス履歴を参照する(ステップS60)。次に、データ消去とベリファイ処理の対象のトラックがトラックアクセス履歴に登録されていることを検出すると(ステップS61のYes)、そのトラックに対するデータ消去とベリファイ処理を実行する(ステップS63)。例えば、図12において、トラックL(領域703a)やトラックN(領域705a)に対してデータ消去とベリファイ処理を実行しようとした場合、トラックアクセス履歴にはトラックLとトラックNが登録されているので、データ消去とベリファイ処理を実行する。
そして、トラックアクセス履歴に登録されたすべてのトラックに対してデータ消去とベリファイ処理が終了した場合には(ステップS64のYes)、動作を終了する。例えば、図12において、トラックNがトラックアクセス履歴の中で最大(または最小)のトラック番号であるとすれば、トラックNに対するデータ消去とベリファイ処理の完了後に動作を終了する。
一方、ステップS60にてトラックアクセス履歴を参照した時、データ消去とベリファイ処理の実行対象トラックがトラックアクセス履歴に登録されていない場合には、次のトラックへとヘッドを移動させる。例えば、図12において、トラックMがトラックアクセス履歴に登録されていない場合には、このトラックMに対してはデータ消去とベリファイ処理を行わない。
以上説明したように、本実施形態のデータ消去方法によれば、アクセスしたことがないトラックに対してはデータ消去(およびベリファイ処理)を行わずにスキップするので、磁気ディスク全体のデータ消去を短期間で完了させることができる。
なお、トラックアクセス履歴に記録された複数のトラックをその都度参照するのではなく一括して参照し、アクセス履歴のあるトラックに対してのみアクセスしてデータ消去とベリファイ処理を行うようにしてもよい。また、データ消去とベリファイ処理の方法として、外周側のオフトラック領域、オントラック領域、内周側のオフトラック領域といった領域単位でデータ消去とベリファイ処理を連続して実行してもよい。また、データ消去を磁気ディスクの全領域にわたって一括して行い、その後にベリファイを磁気ディスクの全領域にわたって一括して行う方法でもよい。
また、本発明の目的は、上述した各実施形態のデータ消去方法の動作と機能的に等価な一連の手順をファームウェアまたはコンピュータに実行させるためのデータ消去プログラムによっても実現される。また、そのプログラムコードを格納した不揮発性記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のファームウェアまたはコンピュータ(またはCPUやMPU)が不揮発性記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、不揮発性記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した不揮発性記憶媒体は本発明を構成することになる。また、本発明の目的は、上述した各実施形態のデータ消去方法の動作と機能的に等価な一連の手順をハードウエアによって実現する制御部を有する磁気ディスク装置によっても実現される。
1…CPU、2…ROM、3…データ消去部、4…ハードディスク、201a,202a…トラック間ギャップの領域、203a…オントラック領域、204a,205a…オフトラック領域のデータ、206a〜208a…ヘッド位置、OFT1…外周側オフセット、OFT2…内周側オフセット、301a…トラックの領域、302a…データ消去領域、303a…ヘッド位置、304a…記録媒体、305a…読み出しデータ領域、306a…書き込みデータ領域、307a…制御回路、401a…磁気ディスク装置、402a…電源ユニット、403a…制御回路、404a,406a…リード線、405a…ジャンパ、501a…制御回路、502a,503a…LED、601a…制御回路、602a…不揮発性記録媒体、603a〜606a…トラックの領域、701a…制御回路、702a…不揮発性記録媒体、703a〜705a…トラックの領域
Claims (19)
- 磁気ディスク装置のファームウェアにより前記磁気ディスク装置に内蔵されたデータ消去プログラムを実行することで、複数のトラックからなる磁気ディスクに記録されたデータを消去するデータ消去方法であって、
前記磁気ディスク装置のヘッド位置をデータ消去対象トラックの略中心位置に設定し、当該中心位置に所定の消去用データを書き込むステップと、
前記ヘッド位置を前記データ消去対象トラックの略中心位置から外周側に移動させ、前記データ消去対象トラックの外周側のトラック間ギャップの領域に所定の消去用データを書き込むステップと、
前記ヘッド位置を前記データ消去対象トラックの略中心位置から内周側に移動させ、前記データ消去対象トラックの内周側のトラック間ギャップの領域に所定の消去用データを書き込むステップと、
を有する、磁気ディスク装置のデータ消去方法。 - 前記消去用データを読み出し、その読み出した消去用データと書き込み時の消去用データとが一致するか否かを判断することでベリファイ処理を行うステップと、
特定の領域において消去用データが一致しない場合には、その特定の領域を対象として再度前記消去用データの書き込みを行うステップと、をさらに有する、
請求項1に記載の磁気ディスク装置のデータ消去方法。 - 前記磁気ディスク装置内部で生成される制御信号に基づいて、所望のタイミングで前記消去用データの書き込みを開始するようにした、
請求項1または2記載の磁気ディスク装置のデータ消去方法。 - 前記消去用データの書き込みが完了したことを報知するステップをさらに有する、
請求項1〜3のいずれかに記載の磁気ディスク装置のデータ消去方法。 - 所定のトラック数の間隔で、複数のデータ消去履歴対象トラックを設定し、各データ消去履歴対象トラックに対する前記消去用データの書き込みが終了すると、当該書き込みが終了したデータ消去履歴対象トラックを不揮発性記録媒体に記録するステップと、
任意のトラックに対する消去用データの書き込み中に電源遮断が発生した場合には、電源再投入後に前記不揮発性記録媒体を参照し、前記電源遮断発生前に最後に記録されたデータ消去履歴対象トラックから消去用データの書き込みを開始するステップと、をさらに有する、
請求項1〜4のいずれかに記載の磁気ディスク装置のデータ消去方法。 - 少なくとも1回はアクセスのあったアクセス済みトラックを予め不揮発性記録媒体に記録しておき、当該アクセス済みトラックのみを前記データ消去対象に設定する、
請求項1〜5のいずれかに記載の磁気ディスク装置のデータ消去方法。 - 複数のトラックからなる磁気ディスクと、
ヘッドと、
前記ヘッドを前記磁気ディスクの所望の位置に移動するように制御してデータの読み出しおよび書き込みを行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記ヘッドの位置をデータ消去対象トラックの略中心位置に設定し、当該中心位置に所定の消去用データを書き込み、
前記ヘッドの位置を前記データ消去対象トラックの略中心位置から外周側に移動させ、前記データ消去対象トラックの外周側のトラック間ギャップの領域に所定の消去用データを書き込み、
前記ヘッドの位置を前記データ消去対象トラックの略中心位置から内周側に移動させ、前記データ消去対象トラックの内周側のトラック間ギャップの領域に所定の消去用データを書き込む、
磁気ディスク装置。 - 前記制御部は、
前記消去用データを読み出し、その読み出した消去用データと書き込み時の消去用データとが一致するか否かを判断することでベリファイ処理を行い、
特定の領域において消去用データが一致しない場合には、その特定の領域を対象として再度前記消去用データの書き込みを行う、
請求項7に記載の磁気ディスク装置。 - 前記制御部は、
内部で生成される制御信号に基づいて、所望のタイミングで前記消去用データの書き込みを開始する、
請求項7または8記載の磁気ディスク装置。 - 前記制御部は、
前記消去用データの書き込みが完了したことを報知する、
請求項7〜9のいずれかに記載の磁気ディスク装置。 - 不揮発性記録媒体をさらに備え、
前記制御部は、
所定のトラック数の間隔で、複数のデータ消去履歴対象トラックを設定し、各データ消去履歴対象トラックに対する前記消去用データの書き込みが終了すると、当該書き込みが終了したデータ消去履歴対象トラックを前記不揮発性記録媒体に記録し、
任意のトラックに対する消去用データの書き込み中に電源遮断が発生した場合には、電源再投入後に前記不揮発性記録媒体を参照し、前記電源遮断発生前に最後に記録されたデータ消去履歴対象トラックから消去用データの書き込みを開始する、
請求項7〜10のいずれかに記載の磁気ディスク装置。 - 前記制御部は、
少なくとも1回はアクセスのあったアクセス済みトラックを予め前記不揮発性記録媒体に記録しておき、当該アクセス済みトラックのみを前記データ消去対象に設定する、
請求項7〜11のいずれかに記載の磁気ディスク装置。 - 複数のトラックからなる磁気ディスクに記録されたデータを消去するために、複数の手順を磁気ディスク装置のファームウェアに実行させるためのデータ消去プログラムであって、
前記複数の手順は、
前記磁気ディスク装置のヘッド位置をデータ消去対象トラックの略中心位置に設定し、当該中心位置に所定の消去用データを書き込む手順と、
前記ヘッド位置を前記データ消去対象トラックの略中心位置から外周側に移動させ、前記データ消去対象トラックの外周側のトラック間ギャップの領域に所定の消去用データを書き込む手順と、
前記ヘッド位置を前記データ消去対象トラックの略中心位置から内周側に移動させ、前記データ消去対象トラックの内周側のトラック間ギャップの領域に所定の消去用データを書き込む手順と、を有する、
データ消去プログラム。 - 前記消去用データを読み出し、その読み出した消去用データと書き込み時の消去用データとが一致するか否かを判断することでベリファイ処理を行う手順と、
特定の領域において消去用データが一致しない場合には、その特定の領域を対象として再度前記消去用データの書き込みを行う手順と、をさらに有する、
請求項13に記載のデータ消去プログラム。 - 前記磁気ディスク装置内部で生成される制御信号に基づいて、所望のタイミングで前記消去用データの書き込みを開始する手順をさらに有する、
請求項13または14に載のデータ消去プログラム。 - 前記消去用データの書き込みが完了したことを報知する手順をさらに有する、
請求項13〜15のいずれかに記載のデータ消去プログラム。 - 所定のトラック数の間隔で、複数のデータ消去履歴対象トラックを設定し、各データ消去履歴対象トラックに対する前記消去用データの書き込みが終了すると、当該書き込みが終了したデータ消去履歴対象トラックを不揮発性記録媒体に記録する手順と、
任意のトラックに対する消去用データの書き込み中に電源遮断が発生した場合には、電源再投入後に前記不揮発性記録媒体を参照し、前記電源遮断発生前に最後に記録されたデータ消去履歴対象トラックから消去用データの書き込みを開始する手順と、をさらに有する、
請求項13〜16のいずれかに記載のデータ消去プログラム。 - 少なくとも1回はアクセスのあったアクセス済みトラックを予め不揮発性記録媒体に記録しておき、当該アクセス済みトラックのみを前記データ消去対象に設定する手順をさらに有する、
請求項13〜17のいずれかに記載のデータ消去プログラム。 - 請求項13〜18のいずれかに記載のデータ消去プログラムを格納する不揮発性記憶媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007047337A JP2008210469A (ja) | 2007-02-27 | 2007-02-27 | 磁気ディスク装置のデータ消去方法、磁気ディスク装置、データ消去プログラム、不揮発性記憶媒体 |
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