JP2008210312A - 料金所横断用遮断装置 - Google Patents

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秀人 横瀬
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Abstract

【課題】料金収受員がレーンを横断する地点からなるべく遠く離れた位置にある物理的な障害物を持って有料道路の料金所に接近する車両のドライバーの注意を喚起して、レーンを横断する料金収受員の安全性を高めることができる料金所横断用遮断装置を提供する。
【解決手段】料金収受員が有料道路の料金所のレーン101を横断する際に料金所に接近する車両のドライバーの注意を喚起する料金所横断用遮断装置100であって、アイランド102a,bにおけるETCゲート又は料金収受員駐在用ブースよりも車両入口側に設けたフレーム1と、このフレーム1に固定した駆動ユニット2と、この駆動ユニット2の出力軸12に連結した回転軸17と、この回転軸17を支点にしてレーン101から退避した待機位置とレーン101を遮る遮断位置との間を回動する遮断棒36とを備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、料金収受員が有料道路の料金所のレーンを横断する際に料金所に接近する車両のドライバーの注意を喚起する料金所横断用遮断装置に関する。
近年、ETC(Electronic Toll Collection System)と呼ばれるノンストップ自動料金収受システムが有料道路の料金所に設置されつつある。このような料金所のETCレーン(ETCを設置したレーン)では、通行車両がETC車載器を装備した正規のETC車両であるときはバーを開き非ETC車両であるときはバーを閉じたままとする遮断機をアイランド出口付近に設置している。(特許文献1等参照)。
ETCでは、通常時に人員が必要となることはないが、ETCレーンで上記遮断機や車両にトラブルが発生した場合、料金事務所等に駐在する料金収受員が対応している。しかし、トラブルの発生したETCレーンに向かうのに、特にETCレーンを横断するには危険が伴い、レーンを通過しようとする車両に料金収受員がはねられる事故も発生している。
そこで、料金収受員駐在用ブースとETCレーンとの間にETCレーンと反対側に開くゲートを設けることで、料金収受員が不用意にETCレーンに進入することを抑制し、ETCレーンに進入する際の料金収受員自身の注意を喚起する技術が提唱されている(特許文献2等参照)。
特開2004−13207号公報 特開2006−37404号公報
しかしながら、上記特許文献2の従来技術では、料金収受員がETCレーンに進入する際の料金収受員自身の注意を喚起する一助とはなるが、現実にレーンを横断せざるを得ない状況下では、料金収受員がレーンを横断することが料金所に接近する車両のドライバー側に認識され難い。
また、上記特許文献1のように、従来ETCに設置された遮断機は、通行車両が正規のETC車両であるか否かによって車両の通行をコントロールする目的で設置されていたため、料金収受員がレーンを横断することを加味した上で開閉動作することができなかった。
本発明は上記に鑑みなされたもので、その目的は、料金収受員がレーンを横断する地点からなるべく遠く離れた位置にある物理的な障害物をもって有料道路の料金所に接近する車両のドライバーの注意を喚起して、レーンを横断する料金収受員の安全性を高めることができる料金所横断用遮断装置を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、料金収受員が有料道路の料金所のレーンを横断する際に料金所に接近する車両のドライバーの注意を喚起する料金所横断用遮断装置であって、アイランドにおけるETCゲート又は料金収受員駐在用ブースよりも車両入口側に設けたフレームと、このフレームに固定した駆動装置と、この駆動装置の出力軸に連結した回転軸と、この回転軸を支点にしてレーンから退避した待機位置とレーンを遮る遮断位置との間を回動する遮断棒とを備えたことを特徴とする。
(2)また本発明は、料金収受員が有料道路の料金所のレーンを横断する際に料金所に接近する車両のドライバーの注意を喚起する料金所横断用遮断装置であって、アイランドに設けたフレームと、このフレームに固定した駆動装置と、この駆動装置の出力軸に連結した回転軸と、この回転軸と固定され、前記回転軸を支点にして略鉛直に起立した待機位置とレーン側に略水平に傾倒した遮断位置との間を回動する遮断棒ホルダと、この遮断棒ホルダにより回動可能に保持され、前記遮断棒ホルダと略同一方向に延びる通常位置からアイランドの車両出口方向に退避した退避位置に移行可能な遮断棒と、前記遮断棒ホルダが前記待機位置にあるとき、前記遮断棒を前記通常位置でロックするロック装置とを備えたことを特徴とする。
(3)上記(2)において、好ましくは、前記ロック装置は、前記遮断棒に設けた第1係合手段と、前記遮断棒ホルダが前記待機位置にあるときに前記第1係合手段と係合するように前記フレームに設けた第2係合手段とを備えていることを特徴とする。
(4)上記(3)において、好ましくは、前記ロック装置は、前記第2係合手段に係合した状態で前記第1係合手段の動作を拘束する拘束手段を備えていることを特徴とする。
(5)上記(4)において、好ましくは、前記拘束手段は、ロータリソレノイドの出力軸に連結されており、前記ロータリソレノイドに通電されたとき、前記第1係合手段を拘束するロック位置から前記第1係合手段のロックを解除する解除位置に前記拘束手段が回動することを特徴とする。
(6)上記(5)において、好ましくは、前記駆動装置への駆動指令に合わせて前記ロータリソレノイドへの通電指令を出力する制御装置を備えていることを特徴とする。
(7)上記(2)〜(6)のいずれかにおいて、好ましくは、遮断棒を前記通常位置から前記退避位置に移行させる力への抵抗力を付与する抵抗手段を有することを特徴とする。
(8)上記(2)〜(7)のいずれかにおいて、好ましくは、前記遮断棒が前記通常位置から回動するのに要する初動負荷を調整する調整手段を有することを特徴とする。
(9)上記(2)〜(8)のいずれかにおいて、好ましくは、前記遮断棒が制限角度まで退避した際の衝撃力を吸収する衝撃吸収手段を備えていることを特徴とする。
(10)上記(1)〜(9)のいずれかにおいて、好ましくは、前記回転軸の回転運動の制限角度を調整し、前記遮断棒の停止位置を調整する遮断棒停止位置調整手段を備えていることを特徴とする。
(11)上記(1)〜(10)のいずれかにおいて、好ましくは、前記回転軸の回転角が制限角度近傍に達したことを検出するリミットスイッチと、このリミットスイッチからの検出信号を受けて前記駆動装置に停止を指令する制御装置とを備えていることを特徴とする。
(12)上記(1)〜(11)のいずれかにおいて、好ましくは、車両を検出する車両検出センサと、この車両検出センサからの検出信号を基に、少なくとも車両が前記遮断棒の動作範囲に干渉する位置にあるとき前記遮断棒を前記待機位置に退避させるように前記駆動装置に指令する制御装置とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、料金収受員がレーンを横断する地点からなるべく遠く離れた位置にある物理的な障害物をもって有料道路の料金所に接近する車両のドライバーの注意を喚起して、レーンを横断する料金収受員の安全性を高めることができる。
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る料金所横断用遮断装置を設けたアイランドの車両入口側の平面図、図2は料金所に接近する車両側から見たその正面図である。
図1及び図2に示した料金所横断用遮断装置(以下、遮断装置と記載する)100は、料金収受員が有料道路の料金所のレーンを横断する際に料金所に接近する車両のドライバーの注意を喚起する役割を果たすものである。遮断装置100は、レーン101を隣接レーンと分離する分離帯であるアイランド102a,102b上に支柱103(図2参照)を介して設けられており、設置高さは支柱103の高さ寸法により調整される。料金収受員は、一般に、料金所のETCが設置されていないレーン(以下、通常レーンと記載する)に設置された料金収受員駐在用ブース、或いはレーン近くに設けられた料金事務所(図示せず)に駐在している。
図示したように、本実施の形態ではレーン101の両側のアイランド102a,102bにそれぞれ遮断装置100が設けられており、2つの遮断装置100でレーン101を通行止めにするようになっているが、1つのレーン101に対していずれか片側のアイランド102a又は102bのみに遮断装置100を設けて1つの遮断装置100によりレーン101を遮断するようにしても良い。遮断装置100を設置するレーン101は、ETC(Electronic Toll Collection System)と呼ばれるノンストップ自動料金収受システムが設置されたレーン(以下、ETCレーンと記載する)である場合もあるし、ETCが設置されていないレーンである場合もある。遮断装置100をETCレーンに設けた例を図18に示す。
図18に示すように、レーン101がETCレーンである場合、アイランド102a,102bの出口付近にはETCゲート(ETC用遮断装置)200が設けられる。一般的に、ETCゲート200よりも車両入口側には、入口側から順に無線通信装置201、料金所端末装置(図示せず)、車両検出器(図示せず)等が設けられる。無線通信装置201はレーン101に進入する車両に搭載された車載器(図示せず)と無線通信し車載器の情報を取得し、料金所端末装置は車載器から読み取った情報を基に料金収受処理を実行する。車両検知器は無線通信装置201及び料金所端末装置により料金収受処理を終了した車両の通過を検知するもので、この車両検出器により料金収受処理が正常に終了した車両が検出されると、ETCゲート200が開いて車両の通過が許可される。このように、ETCゲート200は通常時はレーン101を遮断しており、レーン101で正常に料金収受処理を終了した正規のETC車両が検出された場合にそのETC車両を通過させるべく開く。
それに対し、遮断装置100は料金収受員がレーン101を横断する地点からなるべく長い距離が確保できるようにアイランド102a,102bの車両入口側に設けられ、少なくともアイランド102a,102b上のETCゲート200よりも車両入口側、好ましくは、無線通信装置201よりも車両入口側に設けられる。レーン101がETCを設置していない通常レーンである場合は、料金収受員駐在用ブース(図示せず)よりも車両入口側に設けることが好ましい。また遮断装置100は、ETCゲート200とは役割も異なっており、通常時は開いた状態でレーン101の車両の通行を許可し、料金収受員等がレーン101を横断するときにレーン101を遮断し、物理的な障害物としてレーン101への車両の進入を抑制する。
図3は遮断装置100の平面図、図4は料金所に接近する車両側から見た遮断装置100の正面図、図5は遮断するレーン101と反対側から見た遮断装置100の側面図、図6は料金所の車両出口側から見た遮断装置100の背面図、図7は後述するリミットスイッチ14a,14bの近傍部分を抽出して表す拡大図である。
図3では後述する駆動装置11を透視して図示している。また、図3〜図7では、図1及び図2に示したアイランド102b側に設置した遮断装置100が図示されているが、アイランド102a側に設置した遮断装置100は図3以降で説明する遮断装置100とレーン101を挟んで対称な構成である。
図3〜図7に示したように、遮断装置100は、アイランド102bに上記支柱103を介して設置したフレーム1と、フレーム1に固定した駆動ユニット2と、レーン101を遮断する遮断棒ユニット3と、レーン101上の車両(図示せず)を検出する車両検出センサ4と、遮断棒ユニット3を拘束するロック装置5と、遮断装置100の動作を制御する図示しない制御装置を備えている。
フレーム1は駆動ユニット2及び支柱103と連結するフランジを上下に有する筒状の部材であり、支柱103とはボルト等で連結されている。また、アイランド102b上のフレーム1の位置(言い換えれば支柱103の位置)は車両入口側であり、例えば、レーン101がETCレーンの場合は少なくともETCゲート200又は無線通信装置201(図18参照)よりも車両入口側、レーン101が通常レーンの場合は少なくとも料金収受員駐在用ブース(図示せず)よりも車両入口側である。
駆動ユニット2は、ACモータである駆動装置11と、駆動装置11の出力軸12の回転運動の制限角度を調整する遮断棒停止位置調整手段13a,13bと、遮断棒ユニット3の回転軸17の回転角が制限角度近傍に達したことを検出するリミットスイッチ14a,14bと、これら駆動装置11・遮断棒停止位置調整手段13a,13b・リミットスイッチ14a,14b等を包囲するカバー15を備えている。
例えば図5に示すように、駆動装置11の出力軸12は、駆動伝達機構を介して遮断棒ユニット3の回転軸17に連結している。駆動伝達機構は、駆動装置11の出力軸12に取り付けたスプロケット18と、遮断棒ユニット3の回転軸17に取り付けたスプロケット19と、スプロケット18,19に掛け回したチェーン20を備えている。遮断棒ユニット3の回転軸17は、支持フレーム21,22にそれぞれ取り付けたベアリング23,24により回転自在に支持されている。支持フレーム21,22は、カバー15の内側に設けられ、フレーム1と連結したフランジ25上に互いに対向して立設している。駆動装置11は、カバー15内で支持フレーム22により支持されている。
支持フレーム21,22の間において、遮断棒ユニット3の回転軸17には、ストッパシャフト31がキー等により固定されている。前述した遮断棒停止位置調整手段13a,13bは、ストッパシャフト31に当接してストッパシャフト31の回動範囲を制限するもので、本実施の形態では調整ネジで形成されており、支持フレーム21,22間に固定されたブラケット32,33(図6参照)にそれぞれ螺合している。つまり、ストッパシャフト31の回動範囲が遮断棒停止位置調整手段13a,13bの間に制限される構成であり、遮断棒停止位置調整手段13a,13bをブラケット32,33に対して進退させることでストッパシャフト31の回動範囲が調整される。
リミットスイッチ14a,14bは、ストッパシャフト31を挟んで対向配置され、それぞれ支持フレーム22,21に固定されている。例えば、図7に示すように回転軸17が回転するのに伴ってストッパシャフト31が回動し、ストッパシャフト31がその進行方向にあるリミットスイッチ14b(逆回転の場合はリミットスイッチ14a、本段落の以下のカッコ内の対応関係も同様)を押し、リミットスイッチ14b(又は14a)がONになる。リミットスイッチ14b(又は14a)をONにすると同時、若しくはそれに僅かに遅れてストッパシャフト31が遮断棒停止位置調整手段13b(又は13a)に当接し、ストッパシャフト31の回転動作が拘束される。また、リミットスイッチ14b(又は14a)がONになると、リミットスイッチ14b(又は14a)からの検出信号が図示しない制御装置に入力される。制御装置は、リミットスイッチ14b(又は14a)からの検出信号を受けて駆動装置11に停止を指令する指令信号を出力し、これにより回転軸17への動力伝達が停止される。
車両検出センサ4は、フレーム1に取り付けられている。車両検出センサ4の検出範囲には、少なくとも遮断棒ユニット3の動作範囲に干渉する領域を含めるようにする。料金所に接近する車両も検出できるように検出範囲の広いセンサを用いるようにしても良い。車両検出センサ4に用いられるセンサの種類は特に限定されず、例えば光電式センサや超音波式センサ等、公知のセンサが広く利用できる。
遮断棒ユニット3は、回転軸17と固定された遮断棒ホルダ35と、この遮断棒ホルダ35により回動可能に保持された遮断棒36を備えている。
遮断棒36は、棒状の部材、例えば円筒形のパイプ等で形成されるが、これに限定されず、例えば角パイプ状の部材でも良いし、中空の部材に限らず中実の部材でも構わない。また、フラットバー状の部材でも良い。但し、所望の強度を備えつつも軽量な部材であることが望ましい。また、本実施の形態では、ウレタン等といった衝撃を緩和する材質のカバーで遮断棒36の外周部を覆っている。遮断棒36(これにカバーを被せる場合はそのカバー)は、できるだけ遠くからでも視認できるように視覚的に目立つデザインや彩色を施すことが望ましく、ドライバーに注意を働きかけるメッセージやマークを表示した垂れ幕あるいは表示器(図2参照)等を付けることも考えられる。
遮断棒ホルダ35は、回転軸17と固定された基端側ホルダ40と、基端側ホルダ40に回動可能に支持されたスイングホルダ50を備えている。
図8は基端側ホルダ40の平面図、図9は料金所に接近する車両側から見た基端側ホルダ40の正面図、図10は遮断するレーン101と反対側から見た基端側ホルダ40の側面図である。
図8〜図10に示すように、基端側ホルダ40は、回転軸17と嵌合する嵌合部41と、回転軸17と直交する方向に延びる本体部42と、スイングホルダ50を支持するブラケット部43と、スイングホルダ50が本体部42と略同一方向に延びる姿勢(これを“通常位置”と称する)から回動するのに要する初動負荷を調整するプランジャ44を備えている。
嵌合部41は、基端側ホルダ40の回転軸17との取り付け部であり、本実施の形態では、回転軸41を差し込むパイプ状の部材により形成され、本体部42の長手方向の中間部に設けられている。また嵌合部41は、回転軸17に対する回転防止及び抜け止めに配慮して構成されており、例えば回転軸17との間にキーを介在させることにより回転軸17に対する回転が防止され、周胴部に螺合した止めネジで回転軸17の外周部を押圧することにより回転軸17から外れることが防止される。
本体部42は、断面がコの字状に形成されており、ブラケット部43で支持したスイングホルダ50が前述した “通常位置”にあるとき、そのスイングホルダ50を内側に収容する。本体部42のブラケット部43を設けた先端側と反対側には、遮断棒36の重量に応じて遮断棒ユニット3の重心を回転軸17に近付けるカウンタウェイト60(図3等参照)を通しボルト61(図3等参照)等により取り付ける取り付け部45が設けられている。カウンタウェイト60は、例えば板材を重畳する構成とすれば、板材の枚数で重さが調整可能である。勿論、材質や大きさで重量調整する構成としても良い。
ブラケット部43は、本体部42の上下の面にそれぞれ固着したL字型のプレートで形成されており、その屈曲部分にピン挿通孔46を有している。また、ブラケット部43の先端側(本体部42から背面側つまり図8中の上側に突出した部分)には、衝撃吸収手段62(図6等参照)を取り付ける取り付け板47が設けられている。衝撃吸収手段62は、衝撃吸収ゴム等の衝撃を吸収する材質で形成されており、遮断棒36の後述する“退避位置”側の回動角度を制限するストッパの役割を果たすとともに、遮断棒36が“退避位置”側の制限角度まで回動した際の衝撃を吸収する役割を果たす。
図11はスイングホルダ50の平面図、図12は料金所に接近する車両側から見たスイングホルダ50の正面図、図13は遮断するレーン101と反対側から見たスイングホルダ50の側面図である。
図11〜図13に示すように、スイングホルダ50は、基端側ホルダ40のブラケット部43と連結されるブラケット部51と、このブラケット部51に対して固定された本体部52と、この本体部52に対して回動可能に連結された挟持部53を備えている。
ブラケット部51は、本体部52の上下の面にそれぞれ背面側(図11では上側)に突出するように固着したプレート状の部材であり、ピン挿通孔54を有している。このブラケット部51は、本体部52における遮断棒36の先端側(図11では左側)の端部近傍に位置している。なお、本体部52のブラケット部51よりも反回転軸17側の部分の背面部分をストッパ面55(図11参照)と称する。
本体部52は、挟持部53とともに遮断棒36の基部を挟持し遮断棒36を保持する。本体部52のブラケット部51と反対側の端部近傍には、本体部52が前述した“通常位置”にあるときに基端側ホルダ40のプランジャ44と嵌合する嵌合穴56が設けられている。本体部52が“通常位置”にあるとき、プランジャ44が嵌合穴56に嵌合することにより、プランジャ44の押圧力が、基端側ホルダ40に対するスイングホルダ50の回動を抑止し、一定の力でスイングホルダ50を“通常位置”に拘束しようとする。これにより“通常位置”にあるスイングホルダ40が回動するために必要な初動負荷がプランジャ44の押圧力により調整可能である。
また、本体部52のブラケット部51近傍の背面には、ネジ穴(本例ではナット57)が設けられている。このナット57の位置に対応して、基端側ホルダ40の本体部42には、スイングホルダ50が“通常位置”にあるときにナット57との干渉を避けるための逃がし穴48(図6、図9参照)が設けられている。
挟持部53は、嵌合穴56側(図11では右側)の端部でピン58を介して本体部52と回動可能に連結されている。また、挟持部53の本体部52のナット57との対向位置には貫通穴59が設けられており、本体部52及び挟持部53で遮断棒36を挟持した状態で、貫通穴59から、遮断棒36の対応位置に穿設された貫通孔(図示せず)に通しボルト63(図3等参照)を通し、本体部52のナット57に通しボルト63を螺合させて締め込むことにより、遮断棒36がスイングホルダ50に固定される。
上記構成のスイングホルダ50は、基端側ホルダ40に対し、互いのピン挿入孔46,54に通したピン64を介して回動可能に連結されている。したがって、スイングホルダ50に保持された遮断棒36は、基端側ホルダ40と略同一方向に延在する“通常位置”にあるとき、回転軸17を支点にして、略鉛直に起立してレーン101から退避した位置(これを“待機位置”と称する)とレーン101側に略水平に傾倒してレーン101を遮断する位置(これを“遮断位置”と称する)との間を回動する。また、遮断棒ホルダ35を、基端側ホルダ40とこれに対して回動するスイングホルダ50とで構成したことにより、遮断棒ユニット3が“遮断位置”にある場合、例えば料金所に進入した車両により、遮断棒36を“通常位置”で保とうとするプランジャ44による保持力を超える力で遮断棒36が押されたら、“通常位置”にある遮断棒36がアイランド102a,102bの車両出口方向に退避した位置(これを“退避位置”と称する)に移行する。
このとき、遮断棒36は回動し始めたら無抵抗に“退避位置”に向かうのではなく、本実施の形態では、遮断棒36を“通常位置”から“退避位置”に移行させる力への抵抗力を抵抗手段としてのダンパ機構70により付与している。ダンパ機構70は、基端側ホルダ40とスイングホルダ50との連結部分においてブラケット部43,51の間に作用する摩擦力を遮断棒36が回動する力に抗する力として利用する構成である。
図14はダンパ機構70の詳細構造を表した拡大図である。
ダンパ機構70は、基端側ホルダ40及びスイングホルダ50を挟み込むように設けた複数のワッシャ71と、基端側ホルダ40・スイングホルダ50のブラケット部43,51及びワッシャ71に通した上記ピン64の先端部に嵌合した抜け止め手段である割ピン72と、ピン64の頭部とこれに近い側のブラケット部(図14ではブラケット部51)との間に介設したスプリング73を備えている。
つまり図14の例では、スプリング73の付勢力でスイングホルダ50のブラケット部51を基端側ホルダ40のブラケット部43に押し付けることにより、基端側ホルダ40とスイングホルダ50の間に作用する摩擦力を大きくしている。この構成のダンパ機構70は、図4に示したように遮断棒ユニット3の上下両側において、それぞれブラケット部43,51の連結部分に設けられている。こうしてダンパ機構70により付与される摩擦力が、スイングホルダ50が基端側ホルダ40に対して回動する力(言い換えれば遮断棒36が回動する力)に対する抵抗力となり、遮断棒36が“退避位置”に移行する場合の遮断棒36の回動速度が減じられるようになっている。このブラケット部43,51の間に作用する摩擦力は、スプリング73のバネ力や、ブラケット部43,51の接触面積(或いはブラケット部43,51とワッシャ71の接触面積)により調整可能である。
ロック装置5は、遮断棒ホルダ35が“待機位置”にあるとき、スイングホルダ50を“通常位置”で保持することにより、遮断棒36を“通常位置”でロックする機能を果たす。このロック装置5は、遮断棒36を保持するスイングホルダ50に設けた第1係合手段であるフック81と、遮断棒ホルダ35が“待機位置”にあるときにフック81を拘束するロックユニット82を備えている。
図15はロックユニット82の近傍箇所をレーン101側から見た側面図、図16は料金所に接近する車両側から見たロックユニット82の正面図、図17はレーン101側から見たロックユニット82の側面図である。
図15〜図17に示したように、ロックユニット82は、ロックユニット82をフレーム1に取り付けるユニットフレーム83と、遮断棒36が“待機位置”にあるときにフック81に係合するようにユニットフレーム83を介してフレーム1に設けた第2係合手段であるバー84と、バー84に係合した状態でフック81の動作を拘束する拘束手段であるレバー85を備えている。
バー84は、本実施の形態ではほぼ鉛直に設けられている。それに対し、スイングホルダ50側のフック81は、バー84に係合した状態で車両進行方向(つまり遮断棒36の“退避位置”への回動方向)の両側からバー84を挟みこむような形をしている。これにより、バー84にフック81が係合した状態のときには、スイングホルダ50の基端側ホルダ40に対する回動が規制される。
レバー85は、ユニットフレーム83に固定されてフレーム1内に収容されているロータリソレノイド86の出力軸87に連結されており、ロータリソレノイド86に通電されたとき、フック81を拘束する“ロック位置”(図15中の実線位置)からフック81のロックを解除する“解除位置”(図15中の二点鎖線位置)にレバー85が回動する。フック81をバー84に係合した状態で拘束することにより、遮断棒ユニット3の“待機位置”からの傾倒も規制される。
このとき、ロータリソレノイド86への通電指令は、前述した制御装置(図示せず)により制御され、本実施の形態において、制御装置は、駆動装置11への駆動指令に合わせてロータリソレノイド86への通電指令を出力する。したがって、遮断棒36が“待機位置”から“遮断位置”に回動する際、及び“遮断位置”から“待機位置”に回動する際にレバー85が解除位置に移行し、フック81の軌道に干渉しないように制御される。なお、レバー85には、“ロック位置”と“解除位置”の切り換えを人力で操作するためのグリップ88が設けられている。
次に上記構成の遮断装置100の動作及び作用を順次説明する。
遮断装置100がレーン101を遮断するのは、例えばETCレーンでトラブル(例えばETC非対応車のETCレーンへの進入等)が発生した場合に料金所の所定のアイランド上にある図示しない駐在ブース又は料金事務所の料金収受員が目的のETCレーンに向かう際にレーン101を横断する場合のように、人間がレーン101を横断するときである。
したがって、例えば料金所の所定のアイランドの料金収受員駐在ブース又は料金事務所内に遮断装置100の操作盤を設けておき、その操作盤により料金収受員が遮断棒36を“遮断位置”に移行させる操作を行うと、その操作盤からの操作信号を受けた制御装置により遮断棒36を“遮断位置”に移行させる指令信号が駆動装置11に出力されるようにしておく。場合によっては、例えばETCレーンの制御盤と連動してETCレーンでトラブルが発生した場合にETCの制御盤から遮断装置100の制御装置に信号が入力されるようにしておき、その入力信号を受けて制御装置が遮断棒36を“遮断位置”に移行させる指令信号を駆動装置11に出力するようにすることも考えられる。
なお、遮断棒36でレーン101を遮断する場合、それに先行してレーン101を赤信号にしておき、料金所に接近する車両に対してレーン101が通行止めになることを事前に報知することが望ましい。
遮断棒ユニット3が“待機位置”にあるとき、例えば操作盤からの操作信号に応じて制御装置からの駆動指令信号が駆動装置11に入力されると、駆動装置11の出力軸12が正転方向に回転し、出力軸12の回転動力がチェーン20等の駆動伝達機構を介して回転軸17に伝達され、回転軸17とともに遮断棒ユニット3が下方に回動し起立した姿勢から傾倒する。このとき、駆動装置11への駆動指令に合わせて制御装置からの指令によりロータリソレノイド86が通電され、“ロック位置”にあったロック装置5のレバー85が“解除位置”に移行しフック81の通過を許容する。
遮断棒ユニット3がさらに傾倒しほぼ水平姿勢になると、回転軸17に伴って回動するストッパシャフト31がリミットスイッチ14bを押し、リミットスイッチ14bからのON信号が制御装置に出力される。リミットスイッチ14bからのON信号を受けた制御装置は、駆動装置11に対して駆動停止を指令する指令信号を出力し、回転軸17への回転動力の伝達を停止させる。これにより、遮断棒停止位置調整手段13bにストッパシャフト31が当接して遮断棒ユニット3が概略水平の“遮断位置”で停止し、レーン101を遮断棒36により遮断する。
遮断棒36が“遮断位置”にある場合、万一料金所に進入する車両が遮断棒36に衝突し、プランジャ44によるスイングホルダ50の保持力を超える力が遮断棒36に作用したら、車両に押された遮断棒36がスイングホルダ50とともに車両の進行方向に回動する。このとき、ダンパ機構70の作用によって遮断棒36及びスイングホルダ50の退避速度は減じられ、遮断棒36及びスイングホルダ50が勢いよく“退避位置”側の回動制限角度に達することが抑制される。さらに、遮断棒36及びスイングホルダ50がある程度の速度をもって“退避位置”側の回動制限角度に達しても、スイングホルダ50のストッパ面55が衝撃吸収手段62により受け止められ、スイングホルダ50が制限角度に達した際の衝撃が吸収される。これにより、遮断棒36への衝撃が緩和されるとともに遮断棒36がバウンドして車両に再衝突することも抑制され、車両側の損傷も抑制される。
また、車両検出センサ4の検出範囲内に車両が進入し、車両検出センサ4からの検出信号が制御装置に入力されると、制御装置は遮断棒ユニット3を“遮断位置”から退避させる。つまり、遮断棒36が元々“待機位置”にある場合は車両検出に伴って特に遮断装置100が動作することはないが、遮断棒36が“遮断位置”に移行している最中又は既に“遮断位置”にあるときに車両が検出された場合には、制御装置は速やかに駆動装置11に指令信号を出力し、遮断棒36を“待機位置”に移行させる。これにより、例えば遮断棒36の動作範囲に干渉する位置にある車両又は料金所に接近してくる車両に遮断棒36が干渉することによる車両の損傷が抑制される。
一方、“遮断位置”にある遮断棒36を“待機位置”に戻す場合、例えばトラブル対応を終えた料金収受員が、レーン101等を横断しETCレーンから元の料金収受員駐在ブース又は料金事務所に戻った後、ブース又は料金事務所内の操作盤により遮断棒36を“待機位置”に移行させる操作を行う。すると、その操作盤からの操作信号を受けた制御装置により遮断棒36を“待機位置”に移行させる指令信号が駆動装置11に出力される。
遮断棒ユニット3が“遮断位置”にあるときに制御装置からの駆動指令信号が駆動装置11に入力されると、駆動装置11の出力軸12が逆転方向に回転し、回転軸17とともに遮断棒ユニット3が上方に回動し水平姿勢から起立する。また、この駆動装置11への駆動指令に合わせ、制御装置からの指令によりロータリソレノイド86が通電され、“ロック位置”にあったロック装置5のレバー85が“解除位置”に移行しフック81の通過を許容する。
遮断棒ユニット3がさらに起立しほぼ鉛直姿勢になると、回転軸17に伴って回動するストッパシャフト31がリミットスイッチ14aを押し、リミットスイッチ14aからのON信号が制御装置に出力される。リミットスイッチ14aからのON信号を受けた制御装置は、駆動装置11に対して駆動停止を指令する指令信号を出力し、回転軸17への回転動力の伝達を停止させる。これにより、遮断棒停止位置調整手段13aにストッパシャフト31が当接して遮断棒ユニット3が概略鉛直の“待機位置”で停止し、遮断棒36をレーン101から退避させる。
本実施の形態によれば、料金収受員が駐在ブース又は料金事務所を出てレーンを横断せざるを得ない場合に、横断するレーンを遮断装置100の遮断棒36で遮断することにより、料金所に接近する車両があっても、そのドライバーに対して料金収受員の横断を事前に認識させ物理的障害物をもってドライバーの注意を喚起することができる。したがって、料金収受員がレーン101を横断する地点からなるべく遠く離れた位置にある物理的な障害物を持って有料道路の料金所に接近する車両のドライバーの注意を喚起して、レーン101を横断する料金収受員の安全性を高めることができる。
また、遮断装置100は、遮断棒36を上下に回動するのみならず、遮断棒36に車両進行方向への力が加わった場合には、遮断棒36及びスイングホルダ50が車両進行方向に回動する。これにより、万一遮断棒36に車両が衝突しても、遮断棒36の退避動作により衝撃力が分散され、衝突の際の車両及び遮断棒36の損傷が抑制される。また、前述したように遮断棒36の退避動作の速度を抑制するダンパ機構70や遮断棒36の回動制限角度に達する際の衝撃を吸収する衝撃吸収手段62も車両及び遮断棒36の損傷の抑制に貢献する。さらに、ダンパ機構70によって、車両及び遮断棒36の損傷を防止しつつも、レーン101を横断する料金収受員の方に車両が向かうのを抑制する抵抗力を付与することができるメリットもある。
ここで、遮断装置100は、遮断棒36がスイングホルダ50とともに車両進行方向に回動可能な構成となっているため、例えば遮断棒36が強風に煽られると“通常位置”から“退避位置”に向かって回動してしまう可能性がある。一般に、有料道路は風速20m/sを超えると通行止めになることが多い。通行止めになった場合、遮断装置100は“通常位置”にある遮断棒36を“待機位置”にした状態で放置されることが想定される。この間に強風に煽られて遮断棒36が“通常位置”から傾倒してしまうと、有料道路の通行止めが解除されたときに人手により遮断棒36を“通常位置”に戻さなければならない。
それに対し、本実施の形態では、“通常位置”にあるスイングホルダ50が“待機位置”にある場合、前述した如くロック装置5によりスイングホルダ50が拘束されるので、スイングホルダ50とともに遮断棒36が“通常位置”で保持される。このように遮断棒36が不必要に“通常位置”から傾倒することを抑制することができるので、通行再開の際に遮断棒36を“通常位置”に戻す手間を省くことができ、ユーザの負担軽減の効果が得られる。また、ロック装置5によりスイングホルダ50を拘束することで、“待機位置”にある遮断棒36が例えば強風等によって意図しない形で“遮断位置”に傾倒することも抑制される。
また、遮断棒停止位置調整手段13a,13bにより遮断棒ユニット3の回動制限角度を調整することができるので、遮断棒36の“遮断位置”や“待機位置”の角度を微調整することができる。
なお、以上に説明した実施の形態において、ロック装置5にレバー85を設けて“待機位置”にある遮断棒ユニット3の“遮断位置”への傾倒を規制する構成としたが、例えば駆動装置11のブレーキ機構等、他の手段に代替して遮断棒ユニット3の傾倒を抑制することができれば、レバー85を省略して単にスイングホルダ50及び遮断棒36の“退避位置”への回動を規制する機構を設ける構成とすることもできる。また、ごく限られた場合にスイングホルダ50及び遮断棒36の“退避位置”への回動を抑止する上では、レバー85が駆動装置11の動作に連動する構成としなくても、レバー85或いはそれに代わる手段を人手で操作することによりフック81を拘束するようにしても良い。
また、駆動装置11は単なるACモータでなく、サーボモータを用いることもできる。この場合、サーボモータの制御により遮断棒ユニット3の回動角度を精度良く制御できるようになる。但し、サーボモータを用いる場合、遮断装置100の製作コストが上がり、サイズも大きく重くなる。それに対し、上記の実施の形態のようにサーボモータでない単なるACモータを利用し、リミットスイッチ14a,14bと組み合わせてモータの回転角度を制御する構成とすることにより、駆動ユニット2を小型化することができ、ひいては遮断装置100の本体部分を小型化することができる。遮断装置100の設置高さは支柱103の高さ調整により調整することができるが、料金所のアイランドの遮断装置100の設置箇所の高さがあまり高いと、いくら短い支柱103を用意しても遮断装置100の設置高さを適当な高さにすることができない場合も起こり得る。このような場合、上記した実施の形態のように遮断装置100の本体部分を小型化することができれば、設置高さの調整代を拡大することができ、より柔軟な設置性を確保する上で有利である。
また、上記実施の形態では、遮断棒36が上下に回動する構成としたが、これに限定されない。レーン101を遮断し料金収受員がレーン101を横断する際のドライバーの注意を喚起する上では、例えば遮断棒36が水平方向に回動し、“遮断位置”にある遮断棒36が車両進行方向に退避する“待機位置”に移行する構成も考えられる。
また、図15に示したように、コイルバネであるスプリング73の付勢力によりスイングホルダ50と基端側ホルダ40の間の摩擦力を増大させてスイングホルダ50の回動に抵抗する抵抗手段(ダンパ機構70)を例に挙げて説明したが、抵抗手段は、他の弾性体で摩擦力の増大を図る構成としても良い。例えば、ピン64に通すワッシャにスプリングワッシャを入れる構成でも代替できる。また、弾性体の付勢力により摩擦力を増大させる構成に限らず、例えば基端側ホルダ40に対するスイングホルダ50の回動支点をボルト・ナットで締め付ける構成とし、ボルト・ナットの締め付けトルクの調整により抵抗力を調整する構成とすることも考えられる。
また、上記実施の形態では、ダンパ機構70を遮断棒ユニット3の上下両側に分割して設ける構成としたが、例えば1本の通しボルト(又はピン)等を通して締め付ける構成のように、ダンパ機構を1つにまとめる構成とすることもできる。但し、上記実施の形態の場合、ダンパ機構70を上下に分割することにより、高価な通しボルトを使用することなく、安価な規格品のボルトやピンでダンパ機構70を構成することができるメリットがある。また、短いピン64を用いので軽量化にも有利である。さらに、通しボルトを用いる場合、基端側ホルダ40及びスイングホルダ50に上下両側から圧縮力がかかって両ホルダが変形し易く、通しボルトによる締め付け力がそのままブラケット部43,51の圧縮力として作用するとは限らないが、上記実施の形態のようにダンパ機構70を片側ずつ設けることで、押し付け力がブラケット部43,51の圧縮力として効果的に作用する。その他の抵抗手段としては、ブラケット部43,51の摩擦力を予め高めておく構成に限らず、例えばブラケット部43,51に対してピン64を傾斜させることにより、“退避位置”側に回動するにつれて動作に対する抵抗が増す構成とすることも考えられる。
さらに、衝撃吸収手段62は、衝撃吸収ゴム等の衝撃を吸収する材質の部材で構成したものに限らず、単に衝撃を吸収する目的を果たす限りにおいては、空気等の流体抵抗を利用した公知の構成のダンパを利用することも考えられる。また、基端側ホルダ40に対してスイングホルダ50が回動するように構成することによりスイングホルダ50に保持された遮断棒36が基端側ホルダ40に対して回動する構成としたが、場合によっては、例えば基端側ホルダに相当する部材のみで構成された遮断棒ホルダに直接、遮断棒36を回動可能に連結する構成としても良い。
また、遮断装置100を制御する図示しない制御装置には、様々な機能をもたせることができる。例えば、遮断装置100の電源として外部電源(100V系)を、制御装置の電源として補助電源(DC24V)を用いる場合、例えば外部電源からの電力供給が遮断されると接点が切り換わるリレー回路等を制御装置に持たせておくことにより、停電等で外部電源からの電力供給が遮断されて駆動装置11が作動不能になったとき、それを報知する信号が上記リレー回路を介して外部(例えば料金収受員駐在ブースや料金事務所等に設置した操作盤等の表示手段)に出力されるようにすることで、遮断装置100が動作不能になったことを逸早く料金収受員等に知らせることができる。この場合、メンテナンス等のために遮断装置100への電力供給を中止した場合にもその事実が表示手段で確認できるので、遮断装置100がメンテナンス中であることを離れた場所から確認するのにも役立つ。
また、例えば制御装置に設けられたタイマーでリミットスイッチ14a,14bの双方がOFFになっている(すなわち駆動装置11が動作している)時間を計測し、それをしきい値と比較する回路を持たせておくことにより、想定された時間内に遮断棒36の開閉動作が完了するかどうかを判定することができる。この場合、例えば駆動装置11の不具合や可動部の部品の経年劣化等によって想定時間内に遮断棒36の開閉動作が完了できなくなった場合に、制御装置から外部(料金収受員駐在ブースや料金事務所等に設置した表示手段)に信号が出力されるようにすることで、駆動装置11や可動部の部品等の不具合を逸早く料金収受員等に知らせることができる。また、例えばリミットスイッチ14a,14bが同時にONになった場合には、機械的な故障あるいは電気回路の故障と見なすことができるので、この場合にも外部に信号が出力されるようにしておけば、遮断装置100の故障を逸早く料金収受員等に知らせることができる。
また、例えば遮断棒36(又はそれに被せた包囲手段)の外周部、或いは図2に示したような垂れ幕又は表示器の表示内容は蛍光材料で表示することによって夜間等の暗いときの視認性を向上させることができるが、電光表示することも考えられる。この場合、制御装置が、例えばリミットスイッチ14bからのON信号によって遮断棒36が“遮断位置”にあると判定したとき、電光表示器への電力供給を電源(外部電源又は内蔵の補助電源)に指令するように構成することで、必要時(遮断時)にのみ電光表示器を点灯又は点滅させることができ、最小限のエネルギーで良好な視認性を確保することができる。さらに、光度を検知するセンサからの検出信号を基に判定された周囲の明るさを加味する構成とすることで、例えば夜間等の暗いときに遮断棒36が遮断したときのみ電光表示するように構成することも可能である。
また、遮断装置100の開閉状態をリミットスイッチ14a,14bからの信号を基に判定し、遮断棒36の開閉状態を表示する表示信号を外部(料金収受員駐在ブースや料金事務所等に設置した表示手段)に出力するように構成することで、離れたところからでも遮断装置100の開閉状態を確認することができる。
本発明の料金所横断用遮断装置を設けたアイランドの車両入口側の平面図である。 本発明の料金所横断用遮断装置を設けたアイランドを料金所に接近する車両側から見た正面図である。 本発明の一実施の形態に係る料金所横断用遮断装置の平面図である。 本発明の一実施の形態に係る料金所横断用遮断装置を料金所に接近する車両側から見た正面図である。 本発明の一実施の形態に係る料金所横断用遮断装置をレーンと反対側から見た側面図である。 本発明の一実施の形態に係る料金所横断用遮断装置を料金所の車両出口側から見た背面図である。 本発明の一実施の形態に係る料金所横断用遮断装置に備えられたリミットスイッチの近傍部分を抽出して表す拡大図である。 本発明の一実施の形態に係る料金所横断用遮断装置に備えられた基端側ホルダの平面図である。 本発明の一実施の形態に係る料金所横断用遮断装置に備えられた基端側ホルダの正面図である。 本発明の一実施の形態に係る料金所横断用遮断装置に備えられた基端側ホルダの側面図である。 本発明の一実施の形態に係る料金所横断用遮断装置に備えられたスイングホルダの平面図である。 本発明の一実施の形態に係る料金所横断用遮断装置に備えられたスイングホルダの正面図である。 本発明の一実施の形態に係る料金所横断用遮断装置に備えられたスイングホルダの側面図である。 本発明の一実施の形態に係る料金所横断用遮断装置に備えられたダンパ機構の詳細構造を表した拡大図である。 本発明の一実施の形態に係る料金所横断用遮断装置に備えられたロックユニットの近傍箇所をレーン側から見た側面図である。 本発明の一実施の形態に係る料金所横断用遮断装置に備えられたロックユニットを料金所に接近する車両側から見た正面図である。 本発明の一実施の形態に係る料金所横断用遮断装置に備えられたロックユニットをレーン側から見た側面図である。 本発明の一実施の形態に係る料金所横断用遮断装置を設けたETCレーンの一構成例の全体を示す平面図である。
符号の説明
1 フレーム
2 駆動ユニット
3 遮断棒ユニット
4 車両検出センサ
5 ロック装置
11 駆動装置
12 出力軸
13a,b 遮断棒停止位置調整手段
14a,b リミットスイッチ
17 回転軸
35 遮断棒ホルダ
36 遮断棒
40 基端側ホルダ
44 プランジャ
50 スイングホルダ
62 衝撃吸収手段
70 ダンパ機構
81 フック
82 ロックユニット
83 ユニットフレーム
84 バー
85 レバー
86 ロータリソレノイド
87 出力軸
100 料金所横断用遮断装置
101 レーン
102a,b アイランド
200 ETCゲート
201 無線通信端末

Claims (12)

  1. 料金収受員が有料道路の料金所のレーンを横断する際に料金所に接近する車両のドライバーの注意を喚起する料金所横断用遮断装置であって、
    アイランドにおけるETCゲート又は料金収受員駐在用ブースよりも車両入口側に設けたフレームと、
    このフレームに固定した駆動装置と、
    この駆動装置の出力軸に連結した回転軸と、
    この回転軸を支点にしてレーンから退避した待機位置とレーンを遮る遮断位置との間を回動する遮断棒と
    を備えたことを特徴とする料金所横断用遮断装置。
  2. 料金収受員が有料道路の料金所のレーンを横断する際に料金所に接近する車両のドライバーの注意を喚起する料金所横断用遮断装置であって、
    アイランドに設けたフレームと、
    このフレームに固定した駆動装置と、
    この駆動装置の出力軸に連結した回転軸と、
    この回転軸と固定され、前記回転軸を支点にして略鉛直に起立した待機位置とレーン側に略水平に傾倒した遮断位置との間を回動する遮断棒ホルダと、
    この遮断棒ホルダにより回動可能に保持され、前記遮断棒ホルダと略同一方向に延びる通常位置からアイランドの車両出口方向に退避した退避位置に移行可能な遮断棒と、
    前記遮断棒ホルダが前記待機位置にあるとき、前記遮断棒を前記通常位置でロックするロック装置と
    を備えたことを特徴とする料金所横断用遮断装置。
  3. 請求項2の料金所横断遮断装置において、前記ロック装置は、前記遮断棒に設けた第1係合手段と、前記遮断棒ホルダが前記待機位置にあるときに前記第1係合手段と係合するように前記フレームに設けた第2係合手段とを備えていることを特徴とする料金所横断用遮断装置。
  4. 請求項3の料金所横断遮断装置において、前記ロック装置は、前記第2係合手段に係合した状態で前記第1係合手段の動作を拘束する拘束手段を備えていることを特徴とする料金所横断用遮断装置。
  5. 請求項4の料金所横断用遮断装置において、前記拘束手段は、ロータリソレノイドの出力軸に連結されており、前記ロータリソレノイドに通電されたとき、前記第1係合手段を拘束するロック位置から前記第1係合手段のロックを解除する解除位置に前記拘束手段が回動することを特徴とする料金所横断用遮断装置。
  6. 請求項5の料金所横断用遮断装置において、前記駆動装置への駆動指令に合わせて前記ロータリソレノイドへの通電指令を出力する制御装置を備えていることを特徴とする料金所横断用遮断装置。
  7. 請求項2〜6のいずれかの料金所横断用遮断装置において、遮断棒を前記通常位置から前記退避位置に移行させる力への抵抗力を付与する抵抗手段を有することを特徴とする料金所横断用遮断装置。
  8. 請求項2〜7のいずれかの料金所横断用遮断装置において、前記遮断棒が前記通常位置から回動するのに要する初動負荷を調整する調整手段を有することを特徴とする料金所横断用遮断装置。
  9. 請求項2〜8のいずれかの料金所横断用遮断装置において、前記遮断棒が制限角度まで退避した際の衝撃力を吸収する衝撃吸収手段を備えていることを特徴とする料金所横断用遮断装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかの料金所横断用遮断装置において、前記回転軸の回転運動の制限角度を調整し、前記遮断棒の停止位置を調整する遮断棒停止位置調整手段を備えていることを特徴とする料金所横断用遮断装置。
  11. 請求項1〜10のいずれかの料金所横断用遮断装置において、前記回転軸の回転角が制限角度近傍に達したことを検出するリミットスイッチと、このリミットスイッチからの検出信号を受けて前記駆動装置に停止を指令する制御装置とを備えていることを特徴とする料金所横断用遮断装置。
  12. 請求項1〜11のいずれかの料金所横断用遮断装置において、車両を検出する車両検出センサと、この車両検出センサからの検出信号を基に、少なくとも車両が前記遮断棒の動作範囲に干渉する位置にあるとき前記遮断棒を前記待機位置に退避させるように前記駆動装置に指令する制御装置とを備えていることを特徴とする料金所横断用遮断装置。
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