JP2008209981A - 火災警報器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】煙、熱等の火災要因を検知して、検知信号を出力する火災検知手段10と、上記火災検知手段から出力される検知信号が設定された基準レベルを越えているかどうか判別し、該基準レベルを越えていたときに火災検知信号を出力し、上記火災検知信号の出力回数を所定の時間毎に計数し、所定の計数値に達したときに実火災であると判別して、火災発報信号を出力する火災発報判別回路15とを備えた火災警報器1において、タイマー14bを有し、試験信号を受信すると、上記タイマーを起動して、所定の時間を経過するまでは、上記発報判別回路の基準レベルをもとの基準レベルよりも低いレベルに切換設定する一方、所定の時間が経過した後は、もとの基準レベルに復帰させるモード切換手段14を備えている。
【選択図】図1
Description
すなわち、動作試験時以外は、火災監視時の設定時間になっていなければ、適切に実火災の判定動作を行うことができないにもかかわらず、動作試験後に設定時間を火災監視時の設定時間に戻すことを忘れてしまうと誤発報が生じる原因となり、火災警報器としての信頼性を損なうため問題であった。またこのような火災警報器は通常天井に設置されているので、点検モードから通常の火災監視時の状態に戻すための釦操作等の操作が非常に手間である。
よって試験信号の入力により、火災監視時よりも低いレベルであぶり試験等の火災発報の動作試験を行うことができる。
更に請求項3の発明に係る火災警報器は、請求項1又は2において、発報判別回路は、更に上記火災検知手段の断線、短絡の有無を判別する試験判別手段を備えている。
そして請求項4の発明に係る火災警報器は、請求項1乃至請求項3のいずれにおいて、上記発報判別回路は、上下の異なる基準レベルを有した2つの判別回路を組み合わせた構成とされており、上記モード切換手段は、上記試験信号を受けると、上記火災検知手段からの検知信号を、上記2つの判別回路に切換え供給する制御接点を備えている。
また上記所定の時間が経過した後には、もとの基準レベルに自動的に復帰させる構成としているので、動作試験後に、操作者が基準レベルをもとの基準レベルに戻す設定操作をする必要がないので手間がない。よって、火災監視時において基準レベルが低いレベルのままになることを防止でき、信頼性の高い火災警報器を構成できる。
図1は本発明の火災警報器の要部構成の一例を示すブロック図、図2は図1に示すブロック図の回路構成の一例を示す図、図3は熱検出信号の出力レベル(周囲の温度上昇に依存する)と、試験発報、火災発報の基準レベルとの関係を示す図である。ここでは、火災警報器のあぶり試験だけでなく、センサが通常の監視状態で正常範囲を出力しているかの内部回路試験も行うことができる火災警報器について説明するが、これに限定されるものではなく、あぶり試験のみを行う火災警報器にも適用可能な点はいうまでもない。また以下の説明では、断線、短絡を検出するために予め設定されている所定の電圧レベルを電圧レベルEH、ELとし、あぶり試験時には切換えられて火災報知の試験を行う電圧レベルを基準レベルEB、火災監視時の電圧レベルを基準レベルEAとする。
尚、図中タイマー14bはリレー切換部14aに内蔵されたものを示しているが、別途独立して設けてもよいことはいうまでもない。
発報判別回路15は、少なくとも異なる基準レベルを有した2つの判別回路とを組み合わせた構成とされ、図2では、更に断線、短絡の判別をし、異なる電圧レベルを有した判別回路を備えたものを示しており、モード切換手段14は、試験釦等からの入力により試験信号を受けると、火災検知手段10からの検知信号を上記判別回路に切換え供給する制御接点(第1のスイッチS1、第2のスイッチS2)を備えた構成にしている。
火災検知手段10は、温度センサ10aと抵抗R4とを直列接続したものに電源電圧Vを加え、抵抗R4の両端の電圧を検知信号として取り出している。温度センサ10aは負の温度特性を呈するサーミスタで構成されているので、周囲温度が上昇すれば、抵抗R4の両端の電圧が大きくなる一方、周囲温度が下降すれば、抵抗R4の両端の電圧が小さくなる。
火災発報処理手段12は、それぞれ、別の入力ポートで、火災発報判別手段11、試験判別手段13を接続しており、それぞれの入力ポートに、火災検知信号、正常動作判別信号が入力されたことを受けて、後述する火災報知、試験報知を行う。
火災監視時において、火災警報器1の周囲温度が低い場合は、火災が起こっていないとして、何ら動作はなされず、火災が起こり、周囲温度が高まると、所定の電圧レベルの検知信号が火災検知手段10から火災発報判別手段11に出力され、その検知信号の電圧レベルが基準レベルEAを越えていると判別されると火災発報判別手段11は火災検知信号を火災発報処理手段12に対して出力する。火災検知信号を受信した火災発報処理手段12は、カウンタ12aを起動させ、火災発報処理手段12から送出される火災検知信号の所定時間毎に計数し、所定の計数値に達したときは、実火災であると判別して、火災発報信号を警報部(不図示)へ出力する。
図3を参照ながら具体的に説明すると、温度センサ10aによって測定される周囲温度がおよそ60℃を越えると、基準レベルEAを越す検知信号が火災発報判別手段11に送出される。ここで基準レベルEAは4.5(V)程度に設定されている。検知信号の電圧レベルが基準レベルEAを越えていると火災発報判別手段11が判別すると火災検知信号を火災発報処理手段12に送出する。火災発報処理手段12では、9パルスカウントが計時されると実火災であると判別して火災発報信号を出力し、警報停止釦(不図示)等が操作されるまで、警報部より「火災です」等と火災報知がなされる。
火災警報器1に備えた試験釦操作等により、モード切換手段14に試験信号が入力されると、リレー切換部14aのタイマー14bが起動し、まず所定時間(例えば30S程度)が経過するまでは、リレー切換部14aによって第1のスイッチS1が閉じられ、第2のスイッチS1は開となる。この所定時間内に、火災検知手段10の温度センサ10aが正常範囲の出力をしているかの内部回路試験がなされる。図3を参照しながら具体的に説明すると、動作試験時において、温度センサ10aによって検出される周囲温度がおよそ0℃〜40℃の範囲内の場合は、電圧レベルEL(1.5(V))〜電圧レベルEH(3.5(V))の範囲内の検知信号が試験判別手段13に対して出力され、試験判別手段13において、電圧レベルEL(1.5(V)))〜電圧レベルEH(3.5(V))の範囲内に検知信号の電圧レベルがあると判別されると、火災発報処理手段12へは正常であるとして、正常動作判別信号が送出される。
そして正常動作判別信号を受信した火災発報処理手段12は警報部に対して試験発報信号を送出し、警報部より「正常です」等と試験報知がなされ、異常がある場合は何ら試験報知がなされないため、異常があることを認識できる。
尚、異常があるときには「異常です」等と報知する構成としてもよいことは言うまでもない。
即ち、火災監視時は、周囲温度が60℃以上と検知されると基準レベルEA以上の検知信号が出力されると実火災と判別されるが、あぶり試験時においては、周囲温度40℃〜60℃の範囲内で実火災と判別され火災発報信号が火災発報処理手段から送出されるよう、基準レベルをEAより低いレベルに切換えてあぶり試験を行う。即ちモード切換手段14による設定電圧レベルの切換えによって温度センサ10aは火災監視時よりも低い温度で火災要因を検知することになるので、温度センサ10aの感度を上げていると言い換えることができる。
図3では基準レベルEAは4.5(v)とされ、基準レベルEBはおよそ4.0(v)に設定されている。ここで基準レベルEBは、電圧レベルEH〜基準レベルEAの範囲内に設定されるものであり、電圧値が電圧レベルEHに近い程、あぶり試験を迅速に行うことができることとなる。
これによれば、火災監視時の実火災判定に比べて検知温度が低い状態下で火災が検知される点に加えて計数値を小さく値に設定することにより、基準レベルを検知温度を低くし、且つ上記計数値を小さくするという両方で低いレベルとして、より一層迅速に動作試験を行うことができる。
よって、動作試験後に、操作者が基準レベルを火災監視時のもとの基準レベルに設定操作をする必要がないので、手間がなく、また基準レベルの戻し忘れを防止できるので、信頼性の高い火災警報器1を構成できる。
また設定される基準レベルEA、EB、電圧レベルEH、ELの電圧値やカウントされるパルスカウント数、温度センサ10aによる検出温度設定等は例示であって、これに限定されるものではない。更に警報部による報知は音声報知に限らず、鳴動音、光による報知、これらの組み合わせによる報知も含むものである。
そして図3に基づいた上記説明ではサーミスタで構成された温度センサ10aの温度特性が直線的に変化するものとして述べたが、実際には温度に対して双曲線状の変化を示すものが多く、特性曲線に応じて基準レベルEA、EBや電圧レベルEH、ELを定めればよい。
10 火災検知手段
11 火災発報判別手段
12 火災発報処理手段
13 試験判別手段
14 モード切換手段
14a リレー切換部
14b タイマー
15 発報判別回路
Claims (4)
- 煙、熱等の火災要因を検知して、検知信号を出力する火災検知手段と、上記火災検知手段から出力される検知信号が設定された基準レベルを越えているかどうか判別し、該基準レベルを越えていたときに火災検知信号を出力し、上記火災検知信号の出力回数を所定の時間毎に計数し、所定の計数値に達したときに実火災であると判別して、火災発報信号を出力する火災発報判別回路とを備えた火災警報器において、
タイマーを有し、試験信号を受信すると、上記タイマーを起動させ、所定の時間を経過するまでは、上記発報判別回路の上記基準レベルをもとの基準レベルよりも低いレベルに切換設定する一方、所定の時間が経過した後は、もとの基準レベルに復帰させるモード切換手段を備えている火災警報器。 - 請求項1において、
上記火災発報判別回路は、上記タイマーが上記所定の時間を経過するまでの間は、上記計数値を、火災監視時よりも小さい値に設定することにより、上記基準レベルをもとの基準レベルよりも低いレベルに設定している火災警報器。 - 請求項1又は2において、
上記発報判別回路は、更に上記火災検知手段の断線、短絡の有無を判別する試験判別手段を備えている火災警報器。 - 請求項1乃至請求項3のいずれにおいて、
上記発報判別回路は、少なくとも異なる基準レベルを有した2つの判別回路を組み合わせた構成とされており、
上記モード切換手段は、上記試験信号を受けると、上記火災検知手段からの検知信号を、上記2つの判別回路に切換え供給する制御接点を備えている火災警報器。
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