JP2008209813A - 液晶配向処理方法、液晶表示パネル及びラビング布 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、ラビング処理における配向処理ムラを軽減する方法を得ることを目的とする。
【解決手段】本発明による液晶配向処理方法は、所定の下地上に液晶配向膜7を形成する工程と、ラビング布3が巻き付けられたラビングローラ5を準備する工程とを備えている。ラビング布3は、ローラ長手方向に延びる両端を継ぎ目4としてラビングローラ5に巻き付けられている。ラビングローラ5を用いて配向膜7にラビング処理を施す工程をさらに備えており、ラビング布3は、継ぎ目4に近い領域に形成された第1のパイル2と、第1のパイル2を除く領域に形成された第2のパイル1とを備え、第1のパイル2は第2のパイル1よりも小さい配向規制力を有する。
【選択図】 図4
【解決手段】本発明による液晶配向処理方法は、所定の下地上に液晶配向膜7を形成する工程と、ラビング布3が巻き付けられたラビングローラ5を準備する工程とを備えている。ラビング布3は、ローラ長手方向に延びる両端を継ぎ目4としてラビングローラ5に巻き付けられている。ラビングローラ5を用いて配向膜7にラビング処理を施す工程をさらに備えており、ラビング布3は、継ぎ目4に近い領域に形成された第1のパイル2と、第1のパイル2を除く領域に形成された第2のパイル1とを備え、第1のパイル2は第2のパイル1よりも小さい配向規制力を有する。
【選択図】 図4
Description
この発明は、液晶配向処理方法に関し、特に配向処理用ラビング布およびそれを用いた配向処理に関する。
液晶表示パネルは、例えば、能動素子を形成したアレイ基板と、カラーフィルタなどを形成したカラーフィルタ基板それぞれの最表面に配向膜を設け、両基板間に液晶を挟持させるようにして作成する。液晶表示パネルの製造時には、最表面に設けた配向膜の表面を、ローラに貼り付けたラビング布で擦ることによって、液晶を一様に並べる配向処理を行う方法が知られている。ラビング処理は、液晶表示パネルの表示品位を左右する重要な工程であり、均一な強さで処理することが求められ、用いるラビング布の性能及び性能維持のための適切な使用方法による運用が必要である。使用されるラビング布は原反から所定のサイズに裁断されたものを使用し、円筒形のラビングローラに両面テープを介して貼り付けられ、ラビングローラには継ぎ目を有して貼り付けられる。
ここで、例えば特許文献1では、ラビング布貼り付け時の継ぎ目部となる部分のローラを面取することで、継ぎ目部分でラビングしないようにしている。特許文献2、特許文献3では、ラビング布貼り付け時に継ぎ目ができないようにしている。特許文献4、特許文献5、特許文献6では、ローラに貼り付けたラビング布の継ぎ目の影響を小さくする方法として、継ぎ目をらせん状にする、あるいはランダムなノコギリ刃状にするなど、非直線形状としている。
ラビング布の端部(ローラ貼り付け時の継ぎ目)においては、布原反からの切り出し時の形状バラツキや変形、ローラ貼り付け作業時の布端部の浮き上がりなどの変形とそのバラツキ、段差部分をラビングすることによる衝撃などによって、パイルが抜け落ちることを含めて一様に植毛されたパイルの配列が乱れる。乱れたパイルの配列を反映して周期的な配向処理ムラが現れ、配向処理ムラが表示ムラに直結していることから、液晶表示パネルには直線上の表示ムラが発生してしまう問題があった。
このような課題を解決するため、先行例では、特許文献1において、ラビング布の継ぎ目部分でラビング処理(接触)をしないようにローラを平坦に削ることで対応している。しかし、ローラの加工精度の影響を強く受けることによりローラの偏心が発生し易く、偏心することにより同様の液晶配向ムラを引き起こしてしまう。また、平坦に加工したローラ部分では、円弧部分から平坦部への変極点においてラビング布のパイルの配列が変わり、これも同様の問題を引き起こしてしまう。
特許文献2、特許文献3においては、不良の原因となる布の継ぎ目をなくすことで対応している。しかし、ランニングコストを含めた製造コストやラビング処理の安定性において、現実性に乏しい。
また、特許文献4、特許文献5、特許文献6においては、継ぎ目の形状を直線以外の形状とすることで対応している。継ぎ目の影響が周期的に発現し難いように軽減することはできるが、継ぎ目の影響の本質的対策とはなっていない。
このように、ラビング布の継ぎ目の影響を軽減する方法はいくつか示されているが、新たな問題が生じたり、コストの面で現実性が乏しい、或いは本質的な解決に至っていない等の問題があった。
この発明はこのような問題を解決するためになされたもので、ラビング布のローラ貼り付け時の継ぎ目の影響を比較的簡単な方法で軽減することを目的としている。
本発明では、複数の種類のパイルで構成されたラビング布を使用することを特徴とする。
本発明の一の態様において、ラビングローラの長手方向に延びる両端を継ぎ目とし、前記継ぎ目に近い領域(領域bとする)とその前記領域bを除く領域(領域aとする)とで異なるパイルを有するラビング布を用いて、領域bにおける配向規制力が領域aの配向規制力よりも小さいパイルが植毛されたラビング布となっている。
また、本発明の別の態様として、ラビング布の領域bにおいて、パイルの径や長さが異なる場合やパイルの植毛密度などによって、領域aのパイルに比べて領域bのパイルの形状復元力あるいは実効的な形状復元力を強くしたラビング布となっている。
本発明の上記一の態様においては、上記したようなラビング布を使用することで、液晶パネルの表示ムラの原因となるラビング布領域bのパイル配列の乱れを反映した液晶配向ムラが発生せず、表示ムラのない良好な液晶表示パネルを得ることができる。すなわち、パイルの配列が乱れやすいラビング布の領域bによるラビングでは配向規制力が付与され難いことによって、パイルの配列が乱れていても液晶の配向には実効的に寄与しないため、乱れた状態で液晶が配向されることはなく、パイルの配列が乱れにくい領域aにおけるラビングによって、実効的な液晶への配向規制力を与えることができ、比較的簡単な方法で表示ムラのない良好な液晶表示パネルを安定に得ることができる。
また、本発明の上記別の態様においては、領域bにおけるパイルの復元力が領域aにおけるパイルの復元力より強いことで、一度変形したパイルの配列が元に戻りやすく、所望の方向に配向規制力を与えることができ、比較的簡単な方法で表示ムラのない良好な液晶表示パネルを安定に得ることができる。
これら、領域aに比べて領域bにおいて復元力を強くしたパイルと、領域aに比べて領域bにおいて配向規制力を付与し難いパイルを組み合わせても、同様に比較的簡単な方法で表示ムラのない良好な液晶表示パネルを安定に得ることができる。
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
<実施の形態1>
本実施の形態における、ラビング布の構成図を図1に示す。図1(a)はラビング布の断面図、図1(b)はラビング布の平面図を示す。図1(a)、(b)に示すように、長方形のラビング布の生地3の、対向する辺に接するパイル領域2に、ポリエステル材等を使用したパイル、それ以外のパイル領域1にレーヨン材等を使用したパイルが形成される。布原反が、パイル領域1とパイル領域2が平行方向に位置する状態でパイル領域2が布端部になるように作られ、その直交方向にラビングローラの幅に合わせて裁断され図1のラビング布が形成される。
本実施の形態における、ラビング布の構成図を図1に示す。図1(a)はラビング布の断面図、図1(b)はラビング布の平面図を示す。図1(a)、(b)に示すように、長方形のラビング布の生地3の、対向する辺に接するパイル領域2に、ポリエステル材等を使用したパイル、それ以外のパイル領域1にレーヨン材等を使用したパイルが形成される。布原反が、パイル領域1とパイル領域2が平行方向に位置する状態でパイル領域2が布端部になるように作られ、その直交方向にラビングローラの幅に合わせて裁断され図1のラビング布が形成される。
ここで、ラビング布は、材料固有の摩擦係数に依存して液晶の配向規制力に影響を及ぼすことが分かっている(日本液晶学会会誌「液晶」第10巻第1号、78頁参照)。図1、図2に示したパイル領域1においては、前記文献で示される摩擦係数0.4以上となる公知のレーヨン材、コットン材、トリアセテート材などのセルロース骨格高分子のパイルを使用することで配向規制力を付与して液晶を所定の方向に配向させることができる。また、パイル領域2においては、本文献で摩擦係数0.4未満となる公知のポリエステル材、ナイロン材、ビニロン材などの直鎖状合成高分子のパイルを使用することで、配向規制力を付与せず液晶の配向には寄与しないパイル材料とすることができる。すなわち、パイル領域2のパイルはパイル領域1のパイルよりも小さい配向規制力を有する。
なお、ここに示す摩擦係数による分類は一般的に実績のある参考例であり、摩擦係数が配向膜の種類やパイルの形状などによっても影響されることから、実際には、通常の範囲内で液晶に対する実効的な配向規制力が重要である。従って、パイル領域1、パイル領域2に使用されるパイル材に関しては、多様な種類の配向膜とパイル材の組み合わせの中で決定され、パイル領域1及びパイル領域2に使用される、配向規制力を付与する材料と配向規制力を付与し難い材料の組み合わせについては、特に限定するものではない。
また、配向規制力の評価については、一般に知られるトルクバランス法などにより可能である。トルクバランス法では、上下基板を互いに平行に配向するようにラビング処理を施した2枚の基板に、自発的な捩れ力を付与するカイラル剤を添加したネマティック液晶を挟み込んで作製したテストパネルを用いる。このとき、テストパネルの液晶分子の配向は、カイラル剤による自発的な捩れ力とラビングによる配向規制力によって決定されるが、カイラル剤による自発的な捩れはその種類から一定となるため、ラビングによる配向規制力の強弱を確認することができる。すなわち、ラビングによる配向規制力が弱いとカイラル剤による自発的な捩れ力が支配的となりラビング方向からは外れて液晶が配向する。一方で、ラビングによる配向規制力が十分であれば、ラビング方向に沿って液晶が配向する。このように、本トルクバランス法により配向規制力の強弱を確認できる。
本実施の形態におけるラビングローラを図2に示す。図2(a)は斜視図、図2(b)は断面図を示す。図1に示したラビング布が、パイルが形成されている面を表面とし、またラビング布のパイル領域2を有するローラ長手方向に延びる両端を継ぎ目4として、ラビングローラ5に巻き付けられている。
図3にラビング処理が行われるテスト用の液晶表示パネル基板の略図を示す。ガラス基板6の表面に透明電極であるITO(Indium Tin Oxide)8が形成され、前記ITO8上にラビング処理が行われる配向膜7が形成されている。なお、通常の液晶表示パネルは、アレイ基板とカラーフィルタ基板を張り合わせることにより作製され、アレイ基板においては、配向膜以外にTFT(Thin Film Transistor)や画素電極、配線などが薄膜プロセスで形成され、カラーフィルタ基板においては、配向膜以外に色材やITOなどを使用した共通電極などが形成されるが、ここではこれらを省略し、図3のテスト用の液晶表示パネル基板を用いる。
図4に、図3に示したガラス基板と、図2に示したラビングローラを用いてラビング処理を行う時の構成図を示す。図3に示したガラス基板6が、配向膜7が形成された面を上面としてラビング装置9上に設置され、矢印の方向へ移動される。
図2に示したラビングローラ5は、ラビング装置の進行方向にガラス基板6と接触する形で設置され、ラビングローラ5の長手方向は、ガラス基板6の平行方向(ラビング装置9の進行方向に対して90度の方向)に対して所定の角度に傾けられる。(傾きがなければ、ラビング角は0度とする。)また、通常、ラビングローラ5及び巻き付けられたラビング布3の長手方向の幅は、少なくともラビングを行う基板の対角線の長さよりも長くし、基板をいずれの角度でラビングする場合においても、ラビング布の裁断する部分が基板内に配置するパネルに対応する部分に影響しないようにしている。ラビングローラ5はガラス基板6との接触部分の摩擦が大きい方向に回転され、ガラス基板6上の配向膜7にラビング処理が行われる。
本実施の形態に示すラビング処理の方法は、液晶表示パネルの配向処理用ラビング布及びそれを用いた配向処理方法に関するものである。例えば、STN(Super Twisted Nematic)、TN(Twisted Nematic)、IPS(In Plane Switching)、ECB(Eletrically Controled Birefringence)、OCB(Optical Compensated Birefringence)といった液晶モードを限定するものではなく、ラビング布を用いたラビング処理により、液晶を所定の方向に配向させる工程を含むプロセスで作製された液晶パネルに適用できる。同様に、例えば、透過型、反射型、半透過型など、液晶表示パネルの表示方法についても特に限定するものではない。また、液晶を用いている光学フィルムにおいて、液晶表示パネルと同様にラビング布を用いたラビング処理により、液晶を所定の方向に配向させる工程を含むプロセスで作製された光学フィルムにも適用できる。すなわち、所定の下地上に形成された液晶配向膜にラビング処理を施す液晶配向処理方法に広く適用できる。
図2に示すラビングローラを用いることにより、継ぎ目部分の配向への影響力が小さくなり、配向ムラを小さくすることができる。
次に、図1に示したようなポリエステル材のパイルを有する領域と、レーヨン材のパイルを有する領域の2つの領域を備えたラビング布、及び全領域にレーヨン材のパイルを備えたラビング布について、ラビング処理の比較実験を行ったので、以下に示す。
図5に、比較実験に用いたラビングローラについて、巻き付けられたラビング布の継ぎ目の部分を正面から見た図を示す。
右側に、レーヨン材のパイルを有するパイル領域1と、ポリエステル材のパイルを有するパイル領域2を備えるラビング布11が、継ぎ目4を有して巻き付けられている。また、パイル領域2における最端部のパイルが裁断時のパイルの抜けや配列の乱れを起こしやすいため、パイル領域2の幅は、パイルの乱れの影響を軽減するためにラビング時に基板に押し付けて変形するパイルの距離よりも長くすることが好ましく、ここでは押し付ける距離0.4mmに対してパイルの根本からの変形を考慮し、パイルの長さと同じ2mmの幅とした。すなわち、パイル領域2の幅は、任意に設定されるラビング時の押し付け距離よりも長くすることが好ましく、任意に設定されるパイルの長さ以上とすることが、より好ましい。
また、左側にはレーヨン材のパイルを有するパイル領域1のみを有するラビング布10が、前記ラビング布11と隙間12を有して巻き付けられている。
ラビング処理が行われる液晶表示パネル基板については、通常の液晶表示パネルを作製すると、多くの労力と時間が必要になるため、前述した図3に示すようにガラス基板6上に形成したITO8上に配向膜7が形成されたテスト基板を用いた。
図4に示すように、上記に示したテスト用の液晶表示パネル基板がラビング装置上に設置される。また、ラビングローラは図2のものに替えて図5に示したラビング布10とラビング布11を有したものが使用される。ラビング角度については、図4に示すように、テスト基板に対して平行方向(ラビング角度0度)とした。ラビング装置を矢印方向に移動し、ラビングローラはガラス基板6との接触部分の摩擦が大きい方向に回転され、ガラス基板6上の配向膜7にラビング処理が行われる。
作製されたテスト基板は、水洗を行った後に液晶を挟持する間隔を規定するために、一方のテスト基板には5μm径のスペーサを均一な密度で散布し、他方の基板には両基板を固定するために、直径5.3μmのガラスファイバを混ぜ込んだシール材をディスペンサーにより塗布形成し、両基板をラビング方向が平行になるように貼り合わせた。貼り合わせ後、シール材を硬化させるため、基板に均一な圧力をかけながら150℃で30分間焼成を行った。
ここで、スペーサは200個/mm2の密度で散布しており、積水化学のミクロパールSPを用いたが、液晶を挟持する間隔を保持する機能を有していれば、特に材料、サイズなどを限定するものではなく、ポストスペーサと呼ばれるアレイ基板あるいはカラーフィルタ基板にアクリル樹脂などで形成する柱状のスペーサを用いてもよい。また、シール材は公知のエポキシ系熱硬化型の材料を使用しているが、上下のテスト基板を固定できればよく、特に材料やシールの形成方法などを限定するものではない。シール材に混合させるガラスファイバについても、特に材料、形状、サイズなどを限定するものではない。
次に、図6に示すように貼り合わせた基板をパネルサイズに切断した。矢印はラビング方向を示す。表示エリア13が図5におけるラビング布10でラビングされた領域、表示エリア14が図5におけるラビング布11でラビングされた領域を示す。さらに、シール部15に設けた注入口16から、液晶を真空法などにより注入し、テスト基板の一方にはラビング方向と平行方向に、他方にはラビング方向と直交方向に偏光板を貼り付けた。注入法及び液晶の種類については、所望の機能を満足する特性であればよく、特に限定するものではない。また、使用する偏光板についても偏光機能を備えていればよく、特に限定するものではない。
上記の比較実験用に作製したパネルについて、以下の方法で評価を行った。表示エリア13及び表示エリア14の液晶配向ムラについて、ND(Neutral Density)フィルタの透過量を比較することで評価した。NDフィルタは、中灰色のフィルタで光量を減らす働きがあり、また、任意に透過量を選ぶことができる。このため、テストパネルの液晶配向ムラを評価する際、NDフィルタでテストパネルを通過する光量を減光することができ、テストパネルを通過する光量が低ければ液晶配向ムラも視認され難くなる。
すなわち、本評価方法では、液晶配向ムラが強くでていればNDフィルタの透過量が小さくても視認されるが、液晶配向ムラが弱く出ている場合にはNDフィルタの透過量を大きくしなければ視認されないため、視認できるNDフィルタの透過量が小さくなるほど液晶配向ムラが強く出ており、NDフィルタの透過量が大きくなれば液晶配向ムラが弱く良好な液晶配向が成されていることになる。ここでは、市販されている、可視域での透過量1%、5%、10%、20%、30%、50%、70%のNDフィルタを用いて、液晶配向ムラの視認可否を確認することにより評価を行った。なお、評価に用いたバックライトは全て同じものを用いた。
図7の実施の形態1の欄に、ここで行った5枚のテストパネルにおいて、液晶配向ムラが視認されたNDフィルタの透過量別のパネル数を示す。ラビング布10でラビング処理を行ったテストパネルの表示エリア13では、NDフィルタ5%で液晶配向ムラが3/5パネルで視認されるのに対し、ラビング布11でラビング処理を行ったテストパネルの表示エリア14ではNDフィルタ50%で4/5パネルに液晶配向ムラが視認された。すなわち、ラビング布継ぎ目の部分のパイルの配列が乱れる影響による液晶配向ムラが、本発明の特徴であるラビング布のパイル領域2において、パイル領域1のパイルに用いているレーヨン材に比べて配向規制力を付与し難いポリエステル材を用いることによって、液晶の配向ムラとして視認され難くなることが確認された。
<実施の形態2>
本実施の形態では、図1、2に示すパイル領域2のパイルとして、ナイロン材を使用する。パイル領域2のパイルはパイル領域1のパイルよりも小さい配向規制力を有する。その他のラビング布、ラビングローラ、液晶表示パネル、ラビング装置の構成、及びラビング処理の方法については、実施の形態1と同様である。従って、ここでの詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、図1、2に示すパイル領域2のパイルとして、ナイロン材を使用する。パイル領域2のパイルはパイル領域1のパイルよりも小さい配向規制力を有する。その他のラビング布、ラビングローラ、液晶表示パネル、ラビング装置の構成、及びラビング処理の方法については、実施の形態1と同様である。従って、ここでの詳細な説明は省略する。
本実施の形態のラビングローラを用いることにより、継ぎ目部分の配向への影響力が小さくなり、配向ムラを小さくすることができる。
次に、図1に示したようなナイロン材のパイルを有するパイル領域2と、レーヨン材のパイルを有するパイル領域1の2つの領域を備えたラビング布、及び全領域にレーヨン材のパイルを備えたラビング布について、ラビング処理の比較実験を行ったので、以下に示す。
図5に、比較実験に用いたラビングローラについて、巻き付けられたラビング布の継ぎ目の部分を正面から見た図を示す。右側に、レーヨン材のパイルを有するパイル領域1と、ナイロン材のパイルを有するパイル領域2を備えるラビング布11が、継ぎ目4を有して巻き付けられている。また、左側にはレーヨン材のパイルを有するパイル領域1のみを有するラビング布10が、前記ラビング布11と隙間12を有して巻き付けられている。
その他の、実験に用いたラビング布、ラビングローラ、液晶表示パネル、ラビング装置の構成、及びラビング処理の方法については、実施の形態1と同様である。従って、ここでの詳細な説明は省略する。
上記の比較実験用に作製したパネルについて、実施の形態1と同様の方法で評価を行った。
図7の実施の形態2の欄に、5枚のテストパネルにおいて、液晶配向ムラが視認されたNDフィルタの透過量別のパネル数を示す。その結果、ラビング布10でラビング処理を行ったテストパネルの表示エリア13では、NDフィルタ5%で液晶配向ムラが5/5パネルで視認されるのに対し、ラビング布11でラビング処理を行ったテストパネルの表示エリア14ではNDフィルタ50%で5/5パネルに液晶配向ムラが視認された。すなわち、ラビング布継ぎ目の部分のパイルの配列が乱れる影響による液晶配向ムラが、本発明の特徴であるラビング布のパイル領域2において、パイル領域1のパイルに用いているレーヨン材に比べて配向規制力を付与し難いナイロン材を用いることによって、液晶の配向ムラとして視認され難くなることが確認された。
<実施の形態3>
本実施の形態では、図1、2に示すパイル領域2のパイルとして、ビニロン材を使用する。パイル領域2のパイルはパイル領域1のパイルよりも小さい配向規制力を有する。その他のラビング布、ラビングローラ、液晶表示パネル、ラビング装置の構成、及びラビング処理の方法については、実施の形態1と同様である。従って、ここでの詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、図1、2に示すパイル領域2のパイルとして、ビニロン材を使用する。パイル領域2のパイルはパイル領域1のパイルよりも小さい配向規制力を有する。その他のラビング布、ラビングローラ、液晶表示パネル、ラビング装置の構成、及びラビング処理の方法については、実施の形態1と同様である。従って、ここでの詳細な説明は省略する。
本実施の形態のラビングローラを用いることにより、継ぎ目部分の配向への影響力が小さくなり、配向ムラを小さくすることができる。
次に、図1に示したようなビニロン材のパイルを有するパイル領域2と、レーヨン材のパイルを有するパイル領域1の2つの領域を備えたラビング布、及び全領域にレーヨン材のパイルを備えたラビング布について、ラビング処理の比較実験を行ったので、以下に示す。
図5に、比較実験に用いたラビングローラについて、巻き付けられたラビング布の継ぎ目の部分を正面から見た図を示す。右側に、レーヨン材のパイルを有するパイル領域1と、ビニロン材のパイルを有するパイル領域2を備えるラビング布11が、継ぎ目4を有して巻き付けられている。また、左側にはレーヨン材のパイルを有するパイル領域1のみを有するラビング布10が、前記ラビング布11と隙間12を有して巻き付けられている。
その他の、実験に用いたラビング布、ラビングローラ、液晶表示パネル、ラビング装置の構成、及びラビング処理の方法については、実施の形態1と同様である。従って、ここでの詳細な説明は省略する。
上記の比較実験用に作製したパネルについて、実施の形態1と同様の方法で評価を行った。
図7の実施の形態3の欄に、5枚のテストパネルにおいて、液晶配向ムラが視認されたNDフィルタの透過量別のパネル数を示す。その結果、ラビング布10でラビング処理を行ったテストパネルの表示エリア13では、NDフィルタ1%で液晶配向ムラが1/5パネルで視認されるのに対し、ラビング布11でラビング処理を行ったテストパネルの表示エリア14ではNDフィルタ50%で5/5パネルに液晶配向ムラが視認された。すなわち、ラビング布継ぎ目の部分のパイルの配列が乱れる影響による液晶配向ムラが、本発明の特徴であるラビング布のパイル領域2において、パイル領域1のパイルに用いているレーヨン材に比べて配向規制力を付与し難いビニロン材を用いることによって、液晶の配向ムラとして視認され難くなることが確認された。
<実施の形態4>
本実施の形態では、図1、2に示すパイル領域2のパイルとして、パイル領域1のパイルに比べて直径を大きく、例えば2倍としたレーヨン材を使用する。パイル領域2のパイルはパイル領域1のパイルよりも大きい形状復元力を有する。ここでいう形状復元力とは、ラビング処理時に液晶表示パネル基板に押し付けられて変形したパイルが、元の形状に復元する力のことである。例えば、形状復元力は同じ材質ではパイルの直径の大きいほうが大きい。その他のラビング布、ラビングローラ、液晶表示パネル、ラビング装置の構成、及びラビング処理の方法については、実施の形態1と同様である。従って、ここでの詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、図1、2に示すパイル領域2のパイルとして、パイル領域1のパイルに比べて直径を大きく、例えば2倍としたレーヨン材を使用する。パイル領域2のパイルはパイル領域1のパイルよりも大きい形状復元力を有する。ここでいう形状復元力とは、ラビング処理時に液晶表示パネル基板に押し付けられて変形したパイルが、元の形状に復元する力のことである。例えば、形状復元力は同じ材質ではパイルの直径の大きいほうが大きい。その他のラビング布、ラビングローラ、液晶表示パネル、ラビング装置の構成、及びラビング処理の方法については、実施の形態1と同様である。従って、ここでの詳細な説明は省略する。
本実施の形態のラビングローラを用いることにより、継ぎ目部分の変形したパイルの形状復元力が大きく、所望の方向に配向規制力を与えることができる。
なお、パイル領域2のパイルの長さをパイル領域1のパイルと比べて長くしたり、パイル領域2のラビング布端から徐々にパイルの長さをパイル領域1と同じ長さまで長くしたり、あるいはパイル領域2のパイルの密集度をパイル領域1のパイルと比べて大きくしたりすることにより、継ぎ目部分のパイルの形状復元力を大きくし、所望の方向に配向規制力を与える方法も考えられる。
さらに、パイル領域2のパイルとしてパイル領域1のパイルに比べて配向規制力が小さい場合と、パイル領域2のパイルとしてパイル領域1のパイルに比べて形状復元力が大きい場合を組み合わせ、より効果を得る方法も考えられる。
次に、図1に示したようなパイル領域2のパイルとして、パイル領域1のパイルに比べて直径を2倍としたレーヨン材を使用したラビング布、及び前記パイル領域2を持たず全領域を前記パイル領域1と同様な直径のパイルを使用した場合について、ラビング処理の比較実験を行ったので、以下に示す。
図5に、比較実験に用いたラビングローラについて、巻き付けられたラビング布の継ぎ目の部分を正面から見た図を示す。右側に、レーヨン材のパイルを有するパイル領域1と、パイル領域1のパイルに比べて直径を2倍としたレーヨン材のパイルを有するパイル領域2を備えるラビング布11が、継ぎ目4を有して巻き付けられている。また、左側には布11の領域1と同様な直径のレーヨン材のパイルを全域に有するラビング布10が、前記ラビング布11と隙間12を有して巻き付けられている。
その他の、実験に用いたラビング布、ラビングローラ、液晶表示パネル、ラビング装置の構成、及びラビング処理の方法については、実施の形態1と同様である。従って、ここでの詳細な説明は省略する。
上記の比較実験用に作製したパネルについて、実施の形態1と同様の方法で評価を行った。
図7の実施の形態4の欄に、5枚のテストパネルにおいて、液晶配向ムラが視認されたNDフィルタの透過量別のパネル数を示す。その結果、ラビング布10でラビング処理を行ったテストパネルの表示エリア13では、NDフィルタ20%で液晶配向ムラが3/5パネルで視認されるのに対し、ラビング布11でラビング処理を行ったテストパネルの表示エリア14ではNDフィルタ50%で4/5パネルに液晶配向ムラが視認された。すなわち、ラビング布継ぎ目の部分のパイルの配列が乱れる影響による液晶配向ムラについて、ラビング布の領域1においては領域10と同様に配向規制力を付与しやすいが領域10に比べて復元力が高く、パイルの配列が乱れがたいレーヨン材としたラビング布を用いることによっても、液晶の配向ムラとして視認され難くなることが確認された。
1,2 パイル領域、3 ラビング布の生地、4 継ぎ目、5 ラビングローラ、6 ガラス基板、7 ITO形成領域、8 配向膜形成エリア、9 ラビング装置のステージ、10,11 ラビング布、12 隙間、13,14 表示エリア、15 シール、16 液晶注入口、17 ラビング方向。
Claims (9)
- 所定の下地上に液晶配向膜を形成する工程と、
ラビング布が巻き付けられたラビングローラを準備する工程とを備え、
前記ラビング布は、ローラ長手方向に延びる両端を継ぎ目として前記ラビングローラに巻き付けられており、
前記ラビングローラを用いて前記配向膜にラビング処理を施す工程をさらに備え、
前記ラビング布は、
前記継ぎ目に近い領域に形成された第1のパイルと、
前記第1のパイルを除く領域に形成された第2のパイルと、
を備え、
前記第1のパイルは前記第2のパイルよりも小さい配向規制力を有する、
液晶配向処理方法。 - 前記第1のパイルとしてポリエステル材、ナイロン材、ビニロン材のいずれかを用い、前記第2のパイルとしてレーヨン材、コットン材、トリアセテート材のいずれかを用いる、請求項1に記載の液晶配向処理方法。
- 所定の下地上に液晶配向膜を形成する工程と、
ラビング布が巻き付けられたラビングローラを準備する工程とを備え、
前記ラビング布は、ローラ長手方向に延びる両端を継ぎ目として前記ラビングローラに巻き付けられており、
前記ラビングローラを用いて前記配向膜にラビング処理を施す工程をさらに備え、
前記ラビング布は、
前記継ぎ目に近い領域に形成された第1のパイルと、
前記第1のパイルを除く領域に形成された第2のパイルと、
を備え、
前記第1のパイルは前記第2のパイルよりも大きい形状復元力を有する、
液晶配向処理方法。 - 前記第1のパイルは前記第2のパイルよりも小さい配向規制力を有する、請求項3に記載の液晶配向処理方法。
- 前記第1のパイルとして、前記第2のパイルよりも直径の大きいパイルを用いる、請求項3に記載の液晶配向処理方法。
- 前記第1のパイルとして、前記第2のパイルよりも長さの短いパイルを用いる、請求項3に記載の液晶配向処理方法。
- 前記第1のパイルは、前記第2のパイルよりも密集して形成された、請求項3に記載の液晶配向処理方法。
- 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の液晶配向処理方法を用いて製造された液晶表示パネル。
- 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の液晶配向処理方法に用いるラビング布。
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---|---|---|---|
JP2007048424A JP2008209813A (ja) | 2007-02-28 | 2007-02-28 | 液晶配向処理方法、液晶表示パネル及びラビング布 |
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-
2007
- 2007-02-28 JP JP2007048424A patent/JP2008209813A/ja active Pending
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