JP2010002535A - ラビング用布材 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ラビング用布材に係り、液晶表示装置の光学補償フィルム、特に、配向膜上に液晶層を積層する光学補償フィルムの配向膜のラビング処理に用いるラビング用布材に関する。
近年、光学フィルムの需要が増加しつつある。光学フィルムとしては、液晶セルに位相差板として使用される光学補償フィルムや、反射防止フィルム、防眩性フィルムなどの各種の機能を有するフィルムが代表的である。
このような光学フィルムの製造方法の代表的なものとして、帯状可撓性の支持体(以下、「ウエブ」ともいう)の表面にラビング処理を施し、次いで、ウエブの表面に各種塗布装置を使用して塗布液を塗布し、これを乾燥させ、その後に硬化させて各種組成の塗布膜(機能性膜)を形成する方法が挙げられる。
このラビング処理とは、液晶分子の配向処理方法の代表的なものであり、ウエブの表面に配向膜を形成し、この配向膜の表面をラビング用布材が付与されたラビングローラを用いて、一方向にラビング処理する方法が一般的である。
ラビング用布材を用いてラビング処理する方法として、各種の方法が提案されており、下記の特許文献1には、セルロース誘導体(エステル、エーテル、ウレタン)をパイル糸とした高耐久性、低帯電性、かつ、配向規制力の高い液晶表示装置用基板のラビング布について開示されている。特許文献2には、セルロース繊維からなるパイル糸表面に脂肪酸アミド成分を含む滑剤をコートし、ラビング布の裏面をアクリル樹脂などの補強剤でバックコートしてほつれを防止する工程について開示されている。特許文献3には、ラビング布パイル糸の先端部を凹凸形状とすることで、配向処理を効果的に行うことが開示されている。特許文献4には、ラビング布パイル糸を樹脂含浸によることなく、経糸と緯糸からなる地組織を、異なる長さの経糸を用いてパイル傾斜をさせる方法について開示されている。また、特許文献5には、静電気の発生、微小ダスト・異物の発生を抑制するため、導電性材料からなる芯および芯を被覆する非導電性材料からなる複合繊維を含むラビング布が記載されている。
特開2003−156747号公報
特開2004−212783号公報
特開2004−252341号公報
特開2005−308886号公報
特開2007−232938号公報
しかしながら、液晶表示装置は、装置の大型化、高輝度化が進むとともに、製造コストの低減が求められている。これに伴い、液晶表示装置の部材である偏光板も大サイズ化、高機能化、品質向上が求められるとともに、生産性の向上も必要となっている。偏光板用部材である位相差フィルム、保護フィルムなどの光学フィルムも同様である。
光学フィルムの品質向上は輝点などの欠陥の低減化により、生産性向上はフィルムの広幅化、長尺化により達成することができる。特に、配向膜上に液晶層を積層する光学補償フィルムでは、配向膜のラビング処理の安定化は重要であり、フィルムの広幅化、長尺化によりその重要度が増している。
しかしながら、特許文献1〜5に記載されているラビング処理に用いられるラビング布材料については、広幅化に伴う幅方向での均一なラビング処理ができず、光学補償フィルムの光学特性の幅方向バラツキが大きいという問題があった。また、ラビング布寿命が短いため、長尺化に対応できないという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、フィルムの広幅化、長尺化を行っても、幅方向の光学特性のバラツキが少なく、輝点発生頻度の少ない光学補償フィルムを製造することができるラビング用布材を提供することができる。
本発明の請求項1は、前記目的を達成するために、経糸および緯糸からなる地布組織と、該地布組織に織り込まれたパイル糸と、からなり、配向膜をラビング処理するためのラビング用布材であって、前記パイル糸の断面形状に内接する円形または楕円形の円周長(A)と、前記パイル糸断面の円周長(S)と、が下記式(1)を満足することを特徴とするラビング用布材を提供する。
請求項1によれば、パイル糸の断面形状に内接する円形または楕円形の円周長(A)とパイル糸の断面の円周長(S)との関係を上記式(1)の関係としたため、パイル糸の周面に皺(凹凸)の少ない表面形状とすることができ、ラビング屑が発生してもパイル糸の表面に入りこみ難くなる。さらに、ラビング布材の幅方向(フィルム幅方向)におけるラビング屑の付着のバラツキも抑制することができる。
これにより、フィルムの広幅化、長尺化を行っても、幅方向の光学特性のバラツキがなく、輝点発生頻度の少ない光学補償フィルムを製造することができる。
なお、パイル糸の断面形状に内接する円形または楕円形の円周長とは、とり得ることが可能な最大の円周長を有する円形または楕円形の円周長のことをいう。
請求項2は請求項1において、前記パイル糸の断面形状が円形または楕円形であることを特徴とする。
請求項2によれば、パイル糸の断面形状を、パイル糸の周面に角の無い円形または楕円形にしたので、配向膜を形成するためのラビング処理によりラビング屑(塵埃)の発生を抑制することができる。パイル糸の断面形状が三角形や四角形等の多角形の場合には、パイル糸の角が磨耗し易くなり、ラビング屑が発生し易くなる。したがって、ラビング処理においてパイル糸の磨耗を長期間抑制することができる。
請求項3は請求項1または2において、前記パイル糸の平均硬さが3〜30g/dであることを特徴とする。
請求項3は、配向膜に良好な配向性を得ることができ、輝点発生頻度の少ないフィルムを得るために好適な、パイル糸の平均硬さを規定したものである。パイル糸の平均硬さが上記範囲より低いと、配向膜の配向性が悪化する。また、上記範囲より高いと、フィルムにすり傷が発生するため好ましくない。
請求項4は請求項1から3いずれかにおいて、前記パイル糸の疲労寿命が、JIS L0849に定められた学振式摩擦堅牢度試験で60回以上であることを特徴とする。
近年、生産性向上の観点から偏光板用途の光学補償フィルムの長尺化と広幅化が要求されており、連続製造をするためにはラビング処理の途中でラビング布を交換することはできず、従来のラビング用布材では、長尺化に対応したラビング処理ができなかった。
請求項4によれば、パイル糸の疲労寿命を上記範囲とすることにより、長時間の使用においても、輝度の発生頻度を少なくして、品質要求の厳しいTV用途の液晶表示装置の光学補償フィルムを連続製造することができる。
請求項5は請求項1から4いずれかにおいて、前記パイル糸の相互摩擦係数(糸/糸)が0.15〜0.40であることを特徴とする。
請求項5によれば、パイル糸の相互摩擦係数を上記範囲とすることにより、配向膜に良好な配向性を得ることができ、輝点発生頻度の少ないフィルムを得ることができる。パイル糸の相互摩擦係数が上記範囲より低いと、輝点の数が増加するため好ましくない。また、上記範囲より高いと、配向性が悪くなるため好ましくない。
請求項6は請求項1から5いずれかにおいて、前記ラビング用布材は、300〜600Nm/m2のラビング仕事量で4000mラビング処理した配向膜上に液晶層を積層した光学補償フィルムの70μmを超える輝点数が、0.5個/m2以下であることを特徴とする。
本発明のラビング用布材は、使用寿命が長いので、ラビング用布材を用いて光学補償フィルムを4000mしたラビング処理した後においても、フィルム面に発生する輝点の数を抑えることができるので、輝点発生頻度の少ないフィルムの製造を行うことができる。
本発明のラビング用布材によれば、配向膜を形成するためのラビング処理により発生した塵埃が、ラビング布材に付着することを防止することができるので、長期にわたり使用しても、品質の高いフィルムを製造することができる。したがって、使用寿命を長くすることができるので、フィルムの長尺化に対応することが可能である。また、塵埃の付着を抑えることにより、使用により幅方向のラビング性能にバラつきが生じにくくなり、フィルムの光学特性バラつきが少なくなる。したがって、輝点発生頻度の少ない光学補償フィルムを製造することができる。
以下、本発明のラビング用布材について説明する。図1は、ラビング用布材1の構成を示す部分拡大斜視図である。このラビング用布材1は、地布組織の経糸2と地布組織の緯糸3とが格子状に織られた基布にパイル糸4が織り込まれて形成されている。このうち図1(A)に示すラビング用布材1のように、パイル糸4が3本の緯糸3に織り込まれたものをW組織と称し、図1(B)に示すラビング用布材6のように、パイル糸7に織り込まれたものをV組織と称している。W組織およびV組織は、パイル糸の織り込み方が異なるのみで、用いられる材料は同様の材料を使用することができる。
基布としては、たとえばナイロン6・6(登録商標)などのポリアミド系、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリエチレンなどのポリオレフィン系、ポリビニルアルコール系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアクリル系、ポリシアン化ビニリデン系、ポリフルオロエチレン系、ポリウレタン系などの合成繊維、絹、綿、羊毛、セルロース系、セルロースエステル系などの天然繊維、再生繊維(レーヨン、アセテートなど)の中から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせた繊維が挙げられる。
これらの繊維素材において、好ましくは、ナイロン6、ナイロン6・6(登録商標)などのポリアミド系、ポリアクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアクリル系、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、再生繊維としてのセルロース系、セルロースエステル系であるレーヨンおよびアセテートが挙げられる。
この基布の経糸2および緯糸3は、たとえば1.4デニールの繊維が70本より合わされて約100デニールのフィラメントとなっている状態で使用される。このような経糸2および緯糸3としては、たとえば旭化成社製のキュプラレーヨン(ベンベルグ)フィラメントが好ましく使用できる。
パイル糸4としては、径が1.0〜2.5デニールのものが求められる。特に好ましくは、径が1.5〜2.0デニールである。パイル糸の径が1.0デニール未満の場合、ラビング不足により消光度が低減したり、パイル糸が磨耗しやすく配向性が不足となったりし、不具合が生じやすくなる。一方、パイル糸の径が2.5デニールを超える場合は、ラビング用布材の弾性が高くなり過ぎ、配向膜を強く擦り過ぎて、微粉の発生により面状欠点が生じ易くなるため好ましくない。
パイル糸4の密度は、25000〜150000本/cm2とすることが好ましい。パイル糸の密度が、25000本/cm2未満の場合、ラビング不足により消光度が低減したり、パイル糸が磨耗しやすく配向性が不足となったりし、不具合が生じやすくなる。一方、パイル糸の密度が150000本/cm2を超える場合、パイル糸の抜けや脱落となりやすく、微粉の発生により面状欠点を生じやすく、また、コストアップとなるため好ましくない。
また、パイル糸4の材質としては、再生繊維、半合成繊維、合成繊維とすることが好ましい。紡糸ノズルを所定の形状とすることで皺の少ない断面形状のパイル糸を得ることができるからである。このようなパイル糸4としては、たとえば、再生繊維(レーヨン、ポリノジック、キュプラ)、半合成繊維(アセテート、トリアセテート、プロミックス)、合成繊維(ポリエステル、ナイロン、アクリル、ビニロン、ポリウレタン)を好ましく使用することができる。
図2(a)に本発明のラビング布材に用いられるパイル糸として断面が円形状であるポリエステル繊維の断面形状、図2(b)にパイル糸の断面が楕円形状であるレーヨン繊維の断面形状、図2(c)に従来のラビング布材に用いられるパイル糸としてトリアセテートの断面形状を示す。図2において、内接する円形または楕円形9は、パイル糸8断面のとり得ることが可能な最大の円周長を有する円形または楕円形である。なお、図2(a)は、パイル糸の断面が略円形であり、図2(b)は略楕円形の場合であり、この場合内接する円形または楕円形9は、パイル糸8断面の円周と重なっている。
本発明のラビング用布材に用いられるパイル糸は、パイル糸の断面形状に内接する円形または楕円形の円周長(A)と、パイル糸断面の円周長(S)は下記式(1)を満足している。
より好ましくは、1.8A≧S≧Aであり、さらに好ましくは、1.3A≧S≧Aである。
式(1)を上記範囲内とすることにより、ラビング屑または塵埃が皺(凹凸)に入りこんでも、容易に取り除くことができるので、ラビング性能が低下することなくラビング処理を行うことができる。なお、図2(a)は、パイル糸の断面が略円形であり、図2(b)は略楕円形の場合であり、A≒Sの場合である。このような構成とすることにより、ラビング処理により塵埃が発生しても、容易にラビング布から除去することができ、ラビング布の幅方向における塵埃の付着のバラツキを抑えることができる。また、円形または楕円形とすることにより、パイル糸の磨耗を長期間抑制することができる。したがって、フィルムの広幅化、長尺化を行っても、輝点発生頻度の少ない光学補償フィルムを製造することができる。
一方、図2(c)に示すように、従来のラビング用布材に用いられるパイル糸の断面は、皺(凹凸)が形成されており、この皺の間に塵埃が付着するため、ラビング布材の長期使用が困難であった。また、フィルム幅方向に塵埃の付着のバラつきが生じるため、長尺フィルムの幅方向に光学特性にバラつきが生じていた。
また、ラビング用布材において、パイル糸4が基布(経糸2および緯糸3)から抜け落ちないよう、目止め剤を用いることができる。本発明に用いられる目止め剤としては、たとえば、ポリビニル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリエステル系、合成ゴム系、エポキシ系、フェノール系、これらに含まれないアクリル系などの合成樹脂エマルジョン、酢酸ビニル樹脂/エマルジョン型、酢酸ビニル樹脂/トルエン溶剤型、から1種または2種以上のブレンド物、またはこれらを組み合わせた共重合体エマルジョンが挙げられる。
表面粗さの測定方法としては、超深度レーザー顕微鏡で測定することができる。
また、本発明のラビング用布材は以下の物性を有することが好ましい。
パイル糸の平均硬さが3〜30g/dであることが好ましく、より好ましくは5〜25g/dであり、さらに好ましくは8〜20g/dである。パイル糸の平均型さが3g/d未満であると、ラビング不足により消光度が低減したり、配向性が不足となったりし、不具合が生じやすくなる。また、30g/dより大きいと、輝点の数が増加し、面状欠点が生じやすくなるので、好ましくない。
パイル糸の平均硬さは繊維の硬さ計で測定することができる。
パイル糸の疲労寿命は、JIS L0849に定められた学振式摩擦堅牢度試験で60回以上が好ましく、より好ましくは80回以上であり、さらに好ましくは100回以上である。パイル糸の疲労寿命が60回未満であると、輝点の数が増加し、面状欠点が悪くなるので、好ましくない。
パイル糸の疲労寿命は、学振式摩擦堅牢度試験機で測定することができる。
パイル糸の相互摩擦係数(糸/糸)は、0.15〜0.40であることが好ましく、より好ましくは0.15〜0.30であり、さらに好ましくは0.15〜0.25である。パイル糸の相互摩擦係数が0.15未満であると、ラビング不足により消光度が低減したり、配向性が不足となったりし、不具合が生じやすくなる。また、0.40より大きいと、輝点の数が増加し、面状欠点が生じやすくなるので、好ましくない。
本発明のラビング用布材は使用寿命を長くすることができるので、本発明のラビング用布材を用いて、300〜600Nm/m2のラビング仕事量で4000mラビング処理した配向膜上に液晶層を積層した光学補償フィルムの70μmを超える輝点数が、0.5個/m2以下とすることができる。
以下に、本発明を実施例および比較例により例証するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
図3に示す光学フィルムの製造ライン10を使用して各種の条件で光学補償フィルムの製造を行った。
図3に示す光学フィルムの製造ライン10において、トリアセチルセルロース(フジタック、富士フイルム(株)製、厚さ:100μm、幅:500mm)の長尺状のウエブ16の一方の側に、長鎖アルキル変性ポパール(MP−203、クラレ(株)製)5重量%の溶液を塗布し、90℃で4分間乾燥させた後、ラビング処理を行って膜厚2.0μmの配向膜形成用樹脂層を形成した。ウエブ16の搬送速度は、20m/分とした。
ラビング処理装置70において、ウエブ16を連続して20m/分で搬送しながら、樹脂層表面にラビング処理を施した。ラビング処理は、ラビングローラ72の回転数を300rpmにて行った。またラビング仕事量は400Nm/m2であった。
ラビング処理の後、得られた配向膜を有するウエブ16を、連続して20m/分で搬送しながら、配向膜上に、ディスコティック化合物TE−8(3)とTE−8(5)の重量比で4:1の混合物に、光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)を上記混合物に対して1重量%添加した混合物の10重量%メチルエチルケトン溶液(塗布液)を、バー塗布装置11Bにて、塗布量5ml/m2で塗布し、次いで、乾燥ゾーン76Bおよび加熱ゾーン78Bを通過させた。
乾燥ゾーン76Bには0.1m/秒の風を送り、加熱ゾーン78Bは130℃に調整した。ウエブ16は、塗布後3秒後に乾燥ゾーン76Bに入り、更に3秒後に加熱ゾーン78Bに入った。ウエブ16は加熱ゾーン78Bを約3分間で通過した。
次いで、この配向膜および液晶層が塗布されたウエブ16を、連続して20m/分で搬送しながら液晶層の表面に紫外線ランプ80により紫外線を照射した。すなわち、加熱ゾーン78Bを通過したウエブ16に、紫外線ランプ80(出力:160W/cm、発光長:1.6m)により、照度600mWの紫外線を4秒間照射し、液晶層を架橋させた。
更に、配向膜および液晶層が形成されたウエブ16は、検査装置84により表面の光学特性が測定され、検査され、次いで、液晶層表面に保護フィルム88Aがラミネート機88により積層され、巻き取り機82により巻き取られ、光学補償フィルムが得られた。
得られた光学補償フィルムの評価を行った。評価は、ラビング用布材を用い、4000mラビング処理した配向膜上に液晶層を積層した光学補償フィルムについて、配向膜配向性、輝点発生頻度について評価を行った。結果を表1に示す。なお、表中の記号は以下の通りである。
≪配向膜配向性≫
配向膜の配向性は、消光度を確認することで評価を行った。ここで、消光度とは、本発明の光学補償フィルムの消光度をいい、クロスニコルに配置した2枚の偏光板間に、透過率が最小となるように本発明の光学補償フィルムを配置した時に測定される透過率をいう。透過率の測定波長は550nmであり、パラニコル配置の偏光板の透過率を100%とする。
◎・・・・・消光度が0.010%未満
○・・・・・消光度が0.010%以上0.015%未満
×・・・・・消光度が0.015%以上
≪輝点発生頻度≫
輝点発生頻度は、光源と検出装置(CCDカメラ)との間にクロスニコルに配置した2枚の偏光板間に、本発明の光学補償フィルムを配置した時に、光源CCDカメラにより検出された画像のサイズと10mあたりの検出個数から求めた。
◎・・・・・0.3個/m未満
○・・・・・0.3個/m以上〜0.5個/m未満
×・・・・・0.5個/m以上
配向膜の配向性は、消光度を確認することで評価を行った。ここで、消光度とは、本発明の光学補償フィルムの消光度をいい、クロスニコルに配置した2枚の偏光板間に、透過率が最小となるように本発明の光学補償フィルムを配置した時に測定される透過率をいう。透過率の測定波長は550nmであり、パラニコル配置の偏光板の透過率を100%とする。
◎・・・・・消光度が0.010%未満
○・・・・・消光度が0.010%以上0.015%未満
×・・・・・消光度が0.015%以上
≪輝点発生頻度≫
輝点発生頻度は、光源と検出装置(CCDカメラ)との間にクロスニコルに配置した2枚の偏光板間に、本発明の光学補償フィルムを配置した時に、光源CCDカメラにより検出された画像のサイズと10mあたりの検出個数から求めた。
◎・・・・・0.3個/m未満
○・・・・・0.3個/m以上〜0.5個/m未満
×・・・・・0.5個/m以上
内接する円形または楕円形の円周長(A)と比較し、実際のパイル糸の断面の円周長(S)が2倍を越えている比較例1〜3は、輝点発生頻度が不良であった。また、パイル糸間の相互摩擦係数が本発明の数値範囲を超える比較例2、および、パイル糸平均硬さおよびパイル糸疲労寿命の数値が本発明の範囲外である比較例3、においては、配向膜の配向性も不良であった。
内接する円形または楕円形の円周長(A)と、実際のパイル糸の断面の円周長(S)が、式(1)の関係を満たしている実施例1〜7は良好な光学補償フィルムを得ることができた。また、パイル糸間の相互摩擦係数が本発明の下限値未満である実施例1についても、配向膜の配向性が不良であったが、輝点発生頻度が良好であり、全体として問題ない光学補償フィルムを製造することができた。また、図4に実施例におけるパイル糸8の断面形状およびそれに内接する楕円形9を示す。図4(a)が実施例5、(b)が実施例6、(c)が実施例7のパイル糸である。図4に示すように、内接する楕円形9は、パイル糸8の断面形状に内接する最大の円周長を有する楕円形となっている。
1、6…ラビング用布材、2…経糸、3…緯糸、4、7…パイル糸、10…光学フィルムの製造ライン、11…バー塗布装置、16…ウエブ、66…送り出し機、68…ガイドローラ、70ラビング…処理装置、72…ラビングローラ、76…乾燥ゾーン、78…加熱ゾーン、80…紫外線ランプ、82…巻き取り機、84…ローラステージ、86、88…バックアップローラ
Claims (6)
- 前記パイル糸の断面形状が円形または楕円形であることを特徴とする請求項1に記載のラビング用布材。
- 前記パイル糸の平均硬さが3〜30g/dであることを特徴とする請求項1または2に記載のラビング用布材。
- 前記パイル糸の疲労寿命が、JIS L0849に定められた学振式摩擦堅牢度試験で60回以上であることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載のラビング用布材。
- 前記パイル糸の相互摩擦係数(糸/糸)が0.15〜0.40であることを特徴とする請求項1から4いずれかに記載のラビング用布材。
- 前記ラビング用布材は、
300〜600Nm/m2のラビング仕事量で4000mラビン処理した配向膜上に液晶層を積層した光学補償フィルムの70μmを超える輝点数が、0.5個/m2以下であることを特徴とする請求項1から5いずれかに記載のラビング用布材。
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