JP2008209746A - 電子写真画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、高画質、省エネルギー、かつ、高温高湿環境での画像劣化(画像流れ)を改善できるような、電子写真感光体とクリーニングブレードを組み合わせた電子写真画像形成装置を提供することである。
【解決手段】 本発明は、電子写真感光体の最表面と、クリーニングブレードの最表面とが、類似した形状であることを特徴とする、電子写真画像形成装置に関する。
【選択図】 無し

Description

本発明は、シリコン原子を母体とする非単結晶材料で形成される光導電層と特定の粗さ曲線を示す表面保護層とを有する電子写真感光体、かつ特定の粗さ曲線を示す表面を有するクリーニングブレードを使用する電子写真画像形成装置に関する。
電子写真画像形成装置に搭載される電子写真感光体は、帯電−露光−トナー現像−転写−転写残トナーのクリーニングといった画像形成プロセスを受けることから、電子写真画像形成装置において重要な主要部材である。近年、環境の面で無害であり、さらに高感度かつ高硬度であることから、高画質な画像を長期にわたって安定的に提供できる感光体として、水素化アモルファスシリコン感光体(以後、a−Si感光体と略)が注目されている。
このa−Si電子写真感光体において、クリーニング性向上、高湿環境下での画像流れ防止を目的として、電子写真感光体表面の微細形状を規定した電子写真感光体については数多くの提案がなされている。(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
また、クリーニング性向上、高湿環境下での画像流れ防止には、クリーニングブレードの特性も重要である。クリーニングブレードは、その摺擦能力、感光体との当接によって生じるクリーニング不良等を防止する観点から、弾性体からなるクリーニングブレードを使用する提案が多くなされている(例えば、特許文献4)。
特開平10−63023号公報 特開2002−49171号公報 特開2002−40697号公報 特開2003−340728号公報
しかしながら、近年、電子写真装置がカラー化へと進展したことにより、従来以上の高速化と高画質化への市場要求が高まっており、さらに、環境保全への意識の高まりから、更なる電子写真感光体の高寿命化、省エネルギー化が求められている。
具体的には、高画質化への市場要求を満たすために、電子写真の高画質化に対応した高解像度の露光潜像装置が使用されるようになってきている。また、省エネルギー化に対応し、感光体特性の安定化手段として従来設けられていた感光体ヒーターを使用しなくなりつつある。そのため、ワンドットワンスペース等の高解像度の静電潜像を行なった際に、特に高温高湿環境において、感光体表面に付着する水分に起因する画像流れが、従来よりも発生しやすくなり、ヒーターによる電子写真感光体の加熱ができないため、画像流れを防止することが困難となる場合がある。
本発明の目的は、上記の課題を鑑み、高画質、省エネルギー、かつ、高温高湿環境での画像劣化(画像流れ)を改善できるような、電子写真感光体とクリーニングブレードを組み合わせた電子写真画像形成装置を提供することにある。
導電性支持体上に、シリコン原子を母体とする非晶質性材料で形成される光導電層と、非晶質材料で形成される表面層とがこの順に積層された感光体と、該感光体表面の静電潜像を現像剤により現像する現像手段と、該現像剤により現像されたトナー画像を前記感光体表面から転写される転写手段と、弾性体で形成されるクリーニングブレードにより転写後に感光体上に残留する現像剤をクリーニングするクリーニング手段とを少なくとも備える電子写真画像形成装置において、表面粗さ計により該感光体の長手方向に測定して得られる基準長さ0.8mm、評価長さ4.0mmで評価した時に得られる測定曲線を、カットオフλc0.008mmでフィルタリングして得られる、該感光体表面の断面曲線V(x)と、同様の条件で該クリーニングブレードの感光体当接面を長手方向に測定して得られる該クリーニングブレードの断面曲線W(x)から計算される相互相関関数f(s)(下記式(1))の周波数分布F(k)(下記式(2))において最大分布を与える周波数が、該感光体表面の断面曲線の周波数分布における最大分布を与える周波数の0.5〜2.0の範囲にあることを特徴とする、電子写真画像形成装置である。
Figure 2008209746
本発明によれば、電子写真感光体とクリーニングブレードの両表面を類似形状とすることによって、高温高湿環境での画像劣化を低減し、高画質な画像を長期にわたり安定的に供給できる電子写真画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明における実施の最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。最初に、中間転写体を用いた、一般的な電子写真画像形成装置の全体の構成について説明する。
図1に、中間転写体106を用いて転写を行う、電子写真プロセスを利用したカラー画像形成装置(複写機またはレーザービームプリンター)の一例の模式図を示す。
この画像形成装置は、表面に静電潜像が形成され、この静電潜像上にトナーが付着されてトナー像が形成される第1の画像担持体である、繰り返し使用される電子写真感光体101を有している。感光体101の周りには、感光体101の表面を所定の極性・電位に一様に帯電させる一次帯電器102と、帯電された感光体101の表面に像露光を行って静電潜像を形成する、不図示の画像露光装置とが配置されている。また、形成された静電潜像上にトナーを付着させて現像する現像器として、マゼンタトナーM、シアントナーC、及びイエロートナーYを付着させる回転式の現像器104と、ブラックトナーKを付着させる現像器105とが配置されている。さらに、中間転写体106にトナー像を転写した後、感光体101上をクリーニングするクリーニングブレード113を有する感光体クリーナ103が設けられている。
中間転写体106は、感光体101に当接して回転可能なように配置されており、一次転写ローラ112を通して中間転写体に転写するための一次転写バイアスを印加するバイアス電源109が接続されている。中間転写体106の周りには、中間転写体106に転写されたトナー像を記録媒体にさらに転写するための転写ローラ110が、中間転写体106の回転軸に平行に軸支されて中間転写体106の下面部に接触するように設けられている。また、中間転写体106上のトナー像を記録媒体に転写した後、中間転写体106の表面上に残留した転写残トナーをクリーニングするための転写体クリーナ107が設けられている。転写ローラ110には、中間転写体106上のトナー像を記録媒体に転写するための二次転写バイアスを印加するバイアス電源111が接続されている。
またこの画像形成装置において、記録媒体の搬送経路上には、記録媒体上に転写されたトナー像を記録媒体に定着させる定着器108が配置されている。
一次帯電器102としてはコロナ放電器やローラー帯電器などが用いられる。像露光装置としては、カラー原稿画像の色分解・結像露光光学系や、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームを出力するレーザースキャナによる走査露光系などが用いられる。感光体表面の除電機能を有する前露光装置としては、LEDアレイなどの各種発光素子が用いられる。バイアス電源109、及びバイアス電源111からは、トナーとは逆極性の、例えば0.5〜3kVの範囲の電圧が印加される。
次に、この画像形成装置の動作について説明する。
まず、図1に矢印で示すように、感光体101が、反時計方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動され、中間転写体106が、時計方向に、感光体101と同じ周速度で回転駆動される。
感光体101は、回転過程で、一次帯電器102により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで、像露光を受け、これにより感光体101の表面上には、目的のカラー画像の第1の色成分像(例えばマゼンタ成分像)に対応した静電潜像が形成される。次いで、その静電潜像が現像器104により第1色であるマゼンタトナーMにより現像される。この時、現像器104中のシアントナーC及びイエロートナーYの現像器,現像器105は、作動オフになっていて感光体101には作用せず、第1色のマゼンタトナー像に影響を与えることはない。
このようにして、感光体101上に形成担持された第1色のマゼンタトナー像は、感光体101と中間転写体106とのニップ部を通過する過程で、バイアス電源109から印加される一次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体106の外周面に順次中間転写される。
中間転写体106に第1色のマゼンタトナー像を転写し終えた感光体101の表面は、感光体クリーニングブレード113によりクリーニングされる。次に、感光体101の清掃された表面上に、第1色のトナー像の形成と同様に、第2色のトナー像(例えばシアントナー像)が形成され、この第2色のトナー像が、第1色のトナー像が転写された中間転写体106の表面上に重畳転写される。以下同様に、第3色のトナー像(例えばイエロートナー像)、第4色のトナー像(例えばブラックトナー像)が中間転写体106上に順次重畳転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー像が形成される。
次に、中間転写体106と転写ローラ110との当接ニップ部に所定のタイミングで記録媒体が給送され、転写ローラ110が中間転写体106に当接されると共に、二次転写バイアスがバイアス電源111から転写ローラ110に印加されることにより、中間転写体106上に重畳転写された合成カラートナー像が、第2の画像担持体である記録媒体に転写される。記録媒体へのトナー像の転写終了後、中間転写体106上の転写残トナーは中間転写体クリーナ107によりクリーニングされる。トナー像が転写された記録媒体は定着器108に導かれ、ここで記録媒体上にトナー像が加熱定着される。
本画像形成装置の動作において、感光体101から中間転写体106への第1〜第4色のトナー像の順次転写実行時には、転写ローラ110および中間転写体クリーナ107は中間転写体106から離間させるようにしてもよい。
次に、図2を参照して、中間転写ベルト206を有し、トナー現像器と感光体とを有するユニットが各色に関して搭載された、いわゆるタンデム方式の画像形成装置について簡単に説明する。この画像形成装置は、中間転写ベルト206上へ各色のトナー画像を形成し、ベルトの下部で記録媒体へのトナー転写を行う、タンデム方式電子写真カラー画像形成装置の一例である。
このカラー画像形成装置は、例えばマゼンタ、シアン、イエロー、及びブラックの各色の可視画像(トナー像)を形成可能な第1〜第4の4つの画像形成部が直線的に並んで配列された構成を有している。このカラー画像形成装置は、中間転写ベルト206を、図2の矢印方向(ベルト回転方向)への回転移動に伴なって各画像形成部の転写領域に順次回転して搬送し、この際、中間転写ベルト206上に複数色のトナー像を重ね合わせてカラー画像を形成するものである。
各トナー画像形成部には、各色のトナー専用の画像担持体である感光体ドラム201m、201c、201y、201kが含まれている。各感光体ドラム201m,201c,201y,201kの周囲には、各色トナー専用の画像形成プロセス手段として、それぞれ、例えば1次帯電器202m、202c、202y、202k、画像露光装置(不図示)、現像器204m、204c、204y、204k、クリーニングブレード203m、203c、203y、203kなどが配置されている。
また、トナー各画像形成部の各感光体ドラム201m〜201kの下方を通るように無端移動する中間転写ベルト206が、周知の態様で複数のローラー間(205a、205b、205c)に張架されて設けられている。中間転写ベルト6に囲まれた領域内の、中間転写ベルト6を挟んで各感光体ドラム201m,201c,201y,201kの下面に対向する位置には、一次転写ローラー212m、212c、212y、212kがそれぞれ配設されている。また、中間転写ベルト206の、図2における右方には給紙部が、その反対側、すなわち図2における左方には定着器208がそれぞれ配置されている。
次に、この画像形成装置の動作について説明する。
図2に矢印で示すように、各感光体201m〜201kは反時計方向に回転駆動され、中間転写ベルト206は時計方向に循環される。
第1の画像形成部では、感光体201mの表面が1次帯電器202mによって一様に帯電され、原稿画像の、例えばマゼンタ色成分の画像情報を走査して得られたマゼンタ色成分の画像が、帯電された表面に対してLEDなどにより光照射され、静電潜像が形成される。この静電潜像上に、現像器204mによってマゼンタトナーが付着されてマゼンタトナー画像が形成され、バイアス電源209mによりかけられた一次転写バイアスによる電界により、中間転写ベルト上にマゼンタトナー画像が転写される。さらに、マゼンタトナー像を転写し終えた感光体201mの表面は、感光体クリーニングブレード203mによりクリーニングされる。
マゼンタのトナー画像がベルト上に形成された状態で、中間転写ベルトは時計方向に、第2の画像形成部まで循環する。この循環される間に、第2の画像形成部では、感光体201cの表面が1次帯電器202cによって一様に帯電され、原稿画像の、例えばシアン色成分の画像情報を走査して得られたシアン色成分の画像が、帯電された表面に対してレーザビームなどにより照射され、静電潜像が形成される。この静電潜像上に、現像器204cによってシアントナーが付着されてシアンの可視画像が形成され、バイアス電源209cによりかけられた一次転写バイアスによる電界により、この間に循環してきた中間転写ベルトのマゼンタトナー画像上へ、シアントナー画像が転写される。
これらの各色トナー画像形成プロセスを、残りのイエロートナー画像、ブラックトナー画像についても同様の操作で行うことにより、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各色トナーによってカラートナー画像が中間転写ベルト206上に形成される。
このカラートナー画像が形成された状態で、中間転写ベルト206は二次転写ローラ210のあるトナー画像転写部まで循環される。このカラートナー画像を、所定のタイミングにより不図示の給紙ユニットから供給された記録媒体上に、バイアス電源211により印加された1〜5kVの電界によって転写され、不図示の記録媒体搬送ユニットにより、定着器208まで搬送され、定着器でトナー画像が記録媒体に定着され、目的のフルカラー画像が形成された記録媒体を提供することができる。
続いて、本発明で使用するクリーニングブレードと電子写真感光体の詳細について述べる。
本発明は、電子写真感光体とクリーニングブレードのそれぞれの表面が類似の形状を有することを特徴とする電子写真画像形成装置である。すなわち、感光体表面の断面曲線とクリーニングブレード表面の断面曲線が類似の曲線であることを特徴とする電子写真画像形成装置である。この断面曲線を測定する際の詳細な条件は、種々の測定条件を用いることができるが、本発明においては、感光体の長手方向(円筒軸方向)に沿って表面粗さ計により測定して得られる基準長さ0.8mm、評価長さ4.0mmで評価した時に得られる測定曲線を、カットオフλc0.008mmでフィルタリングして得られる粗さ曲線を、断面曲線と定義する。
また、上記条件で測定して得られる感光体表面の断面曲線V(x)とクリーニングブレード表面の断面曲線W(x)から計算される相互相関関数f(s)(下記式(1))の周波数分布F(k)(下記式(2))において最大分布を与える周波数が、感光体表面の断面曲線の周波数分布における最大分布を与える周波数の0.5〜2.0の範囲にあることが好ましい。この周波数比が1に近いほど、感光体とクリーニングブレードが互いに類似な波長成分を有する表面層であることを示す。
Figure 2008209746
(ここで、式(2)中のNは規格化定数である)。
類似の表面形状を有する、つまり、類似の断面曲線を有する感光体とクリーニングブレードとの組み合わせが画像流れによる画像劣化の低減に対して特に有効である理由としては、明白ではないが、次のことが考えられる。クリーニングブレードによる感光体のクリーニング工程は、クリーニングブレードと感光体表面間にトナー外添剤層が形成された状態で摺擦が起こることにより実現されると考えられるが、感光体表面とクリーニングブレード表面が類似形状である場合、外添剤層を効率的に感光体表面に押し当てることができる。その結果、摺擦能力が向上することで感光体表面に付着する水分量が減少し、高解像度の静電潜像を保持できるため、高温高湿環境におけるワンドットワンスペース等の高精彩画像における画像濃度低下を防ぐことができる、と考えられる。
また、周波数分布において、最大分布を与える周波数ピーク以外にも分布が大きいピークが複数ある場合、具体的には、最大分布ピーク値の0.6〜1の分布を有する周波数ピークが複数個存在する場合には、それら各々の周波数値について、感光体表面の断面曲線での周波数値と、感光体−クリーニングブレード間の相互相関関数での周波数値との比が、0.5〜2.0であることが、上記と同様の理由により、好ましい。
相互相関関数f(s)は、前記の測定条件で得られた感光体表面の断面曲線V(x)の離散データV(ix)(ここで、i = 0,1,2,…n)と、クリーニングブレード表面の断面曲線W(x)の離散データW(ix)(ここで、i = 0,1,2,…n)とを元に、変数sの範囲を適当に選択して前述の式(1)の数値積分を計算することで得られる。nは計算に使用するサンプリングデータ数であり、2の乗数(256、512、1024、2048、・・・)となるように設定すると、次のf(s)のフーリエ変換を実行しやすくなる。f(s)の周波数成分を解析するためのフーリエ変換については、f(s)の結果をもとに、前述の式(2)を用いて離散的フーリエ変換を行なうことで算出される。ここで算出される周波数分布をもとに、本発明において最大分布を示す周波数成分の解析がなされる。
本発明における、電子写真感光体とクリーニングブレードとを類似形状とするための手段としては、特に限定されるものではないが、電子写真感光体の表面処理については、感光体を研磨する手段が最も好ましい。
研磨手段としては、研磨テープ、磁性粉体、バフ研磨等の研磨方法やこれらの組合せによる研磨等、特に制限されるものではなく、目的の表面形状に制御するために適宜選択して使用することが好ましい。
研磨テープ等の研磨砥粒が固定されているものを用いると、微視的及び巨視的な表面形状の山の頂点のみが選択的に研磨される。また、磁性粉体やバフ研磨等の研磨砥粒が固定されておらず、流動性を有するものを用いると、微視的及び巨視的な表面形状に関らず全体的に研磨される。
また、研磨に使用する砥粒の粒径は、目的の微視的及び巨視的な表面形状により適宜選択する必要があるが、砥粒の粒径は、特に微視的な表面形状の制御に効果的である。微視的な表面形状における山と山の間隔よりも大きい粒径の砥粒を用いると、谷部には砥粒が入り込めないため山部のみを選択的に研磨する。反対に、山と山の間隔よりも小さい粒径の砥粒を用いると、山、谷ともに研磨することができる。よって、電子写真感光体及び中間転写体の研磨前の表面形状、研磨後に目標とする表面形状等によって磁性粉体の粒径を適宜選択する必要があるが、研磨による電子写真感光体及び中間転写体の加工ダメージの点から、粒径が100μm以下の研磨砥粒を用いることが好ましい。
図5は、本発明で電子写真感光体の表面形状を制御するために用いた電子写真感光体表面を磁性粉体により研磨する研磨装置の一例を示した模式的な概略断面図である。
図5に示す研磨装置は、マグネットローラー容器504内に内部に磁性体を有するマグネットローラー502が収容されており、マグネットローラー502表面は磁性粉体503によって覆われている。電子写真感光体501及びマグネットローラー502は不図示の回転機構と接続されており、それぞれ回転可能になっている。マグネットローラー容器504は可動台507に固定されており、移動機構508によって電子写真感光体501へと磁性粉体503が接する位置まで移動し、これにより、電子写真感光体501表面を磁性粉体で研磨する構成となっている。
マグネットローラー502内部の磁性体により磁性粉体がブラシ状に形成され、電子写真感光体501の表面をマグネットローラー502上に形成されたブラシ状の磁性粉体により研磨することで、研磨時に発生した研磨残渣及び研磨前、研磨中に付着したダスト等を研磨面から除去することにより、研磨傷を抑制することが可能となる。
マグネットローラー502内部の磁性体により磁性粉体がブラシ状に形成され、電子写真感光体501の表面をマグネットローラー502上に形成されたブラシ状の磁性粉体により研磨することで、研磨時に発生した研磨残渣及び研磨前、研磨中に付着したダスト等を研磨面から除去することにより、研磨傷を抑制することが可能となる。
マグネットローラー502内部の磁性体は、通常のフェライト磁石等の金属や、プラスティックマグネット等の磁性体を用いて円筒状に形成したもので、マグネットローラー上に良好なブラシ状の磁性粉体を形成するためには、多極磁性体を用いることが好ましい。
また、磁性体の磁束線密度が低いものを用いた場合、マグネットローラー502表面で生じる磁性粉体の穂立ち部の流動性が高くなるため、電子写真感光体表面の微細な形状の凹部へと選択的に入り易くなり、研磨後の微細な形状は丸みを有する形状となる。逆に、磁性体の磁束線密度が高いものを用いた場合、穂立ち部の流動性が低下するために微細な形状の中で高い凸部が研磨されやすくなり、研磨後の微細な形状は凸部が平坦化された形状となる。よって、磁性体の磁束線密度は、電子写真感光体表面の形状等によって適宜選択する必要があるが、磁束線密度が低くすぎる場合には磁性粉体をマグネットローラー502表面に維持できなくなることから、マグネットローラー502表面で300G以上となるような磁性体を使用することが好ましい。
マグネットローラー502表面を覆う磁性粉体503の層厚は、マグネットローラー502と板状の磁性体規制ブレード505との間隔(SB距離)により制御される。磁性粉体層の電子写真感光体501上におけるニップ幅(電子写真感光体と磁性粉体の接触部における周方向の幅)は、研磨レート、研磨後の形状に影響を与えるため、ニップ幅を安定して制御することにより安定性及び再現性の高い研磨が可能となる。ニップ幅の制御手段として、図5の研磨装置では上記SB距離及び電子写真感光体501とマグネットローラー502との間隔であるSD距離を制御することで容易に実現できる。SD距離は、図5に示す研磨装置においては、マグネットローラー容器504に接続されたマイクロメーター506により容易に調整が可能である。ニップ幅は、広げると研磨レートが上がり、狭めると下がることから、SB距離及びSD距離は適宜選択する必要があるが、マグネットローラー502と電子写真感光体への接触を防ぐ点から、SB距離及びSD距離は400μm以上に、また、ニップ幅を広げていくと研磨レートが飽和することからSB距離は1500μm以下にすることが好ましい。
マグネットローラー502の外周は、磁力により吸引された磁性粉体503により覆われている。この磁性粉体としては、一般にフェライト、マグネタイト等の磁性粉体、周知の磁性トナーのキャリアを使用することが可能である。磁性粉体表面が樹脂膜等でコーティングされていると、電子写真感光体と磁性粉体との摩擦が低下し、研磨レートが低下するため磁性粉体表面がコーティングされていない磁性粉体を使用することが好ましい。
また、磁性粉体の形状は、焼結体等の球形の磁性粉体と焼結体を粉砕したもの等の不定形の磁性粉体とに大きく分けられる。球形の磁性粉体よりも不定形の磁性粉体の方が電子写真感光体表面と磁性粉体との摩擦抵抗が大きくなるため研磨レートが高くなる。このことから、磁性粉体の形状は研磨レート等によって適宜選択する必要がある。
磁性粉体503による研磨の際、電子写真感光体501を回転させて、電子写真感光体表面を研磨することにより、電子写真感光体外周を均一に研磨することが可能となる。電子写真感光体の回転数は、目的の微視的及び巨視的な表面形状により適宜選択する必要があるが、研磨時の回転数は、特に巨視的な表面形状の制御に効果的である。回転数を下げると電子写真感光体表面の巨視的な表面形状の山が選択的に研磨され、且つ研磨レートも低下する傾向が見られ、逆に、回転数を上げていくと巨視的な表面形状の谷が選択的に研磨され、且つ研磨レートも向上する傾向が見られるため、研磨後の電子写真感光体表面の形状、研磨レート及び研磨量によって適宜選択する必要があるが、安定した研磨を行うためには、10〜500rpmで回転させることが好ましい。
また、電子写真感光体表面を研磨する際に、マグネットローラー502に吸引されている磁性粉体503を常に入れ替えることにより、安定した研磨を行うことが可能となるため、マグネットローラー502も回転させることが好ましい。このとき、マグネットローラー502の回転方向は、電子写真感光体表面と磁性粉体が接する位置で電子写真感光体501の回転方向とマグネットローラー502の回転方向が同一方向よりも逆方向の方が、研磨レートが向上することからマグネットローラー502の回転方向を図5に示すように逆方向にする方が研磨時間短縮の点から好ましい。
図6は、本発明で電子写真感光体の微視的及び巨視的な表面形状を制御するために用いた電子写真感光体表面を研磨テープより研磨する研磨装置の一例を示した模式的な概略断面図である。加圧弾性ローラー容器607内に加圧弾性ローラー603が接続されている。不図示の回転機構に接続された定量送り出しローラー610とキャプスタンローラー609によって研磨テープ602は送り出し量が制御されており、送り出しロール604から送り出された研磨テープは、搬送経路支持棒611を経由して巻き取りロール605によって巻き取られる構成となっている。加圧弾性ローラー容器607は、移動機構606によって電子写真感光体601方向へと移動することによって、電子写真感光体601表面に研磨テープ602を押し当てて研磨を行う構成となっている。
研磨テープ602は、通常ラッピングテープと呼ばれるものが好ましく、砥粒としては炭化珪素(SiC)、酸化アルミ(Al)、α酸化鉄(Fe)、酸化クロム(Cr)、ダイヤモンド(C)、シリカ(SiO)、炭酸バリウム(BaCO3)等が用いられる。また、砥粒の粒径は、細かすぎると研磨レートが低下し、粗すぎると電子写真感光体表面への加工ダメージが大きくなることから、0.1〜100μm、更には1〜40μmが好適である。
研磨テープ602は、一般によく知られた塗布方法、例えばドクターブレード(ナイフエッジ)コート法、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法等により塗布することが可能である。
研磨テープの送り速度は、研磨レート、研磨傷、処理コスト、摩擦による発熱等を考慮しながら適宜決定すれば良いが、1〜300mm/min、更には10〜100mm/minにすることが好ましい。
加圧弾性ローラー603は、芯金上に可撓性部材としてのゴムを形成することにより作成される。ゴムはネオプレン(登録商標)ゴム、シリコンゴム等の材質が上げられる。JISゴム硬度が高くなると研磨レートは向上するが徐々に飽和していくため、JISゴム硬度が20〜90程度のものを用いるのが好ましい。
また、加圧弾性ローラー603の形状は、感光体母線方向に均一な処理を行うために、中央部の直径が両端部より太いものが好ましく、直径差が0.01〜0.6mm、さらには0.02〜0.4mmが好適である。
更に、電子写真感光体601を研磨する際に、加圧弾性ローラー603から回転する電子写真感光体601への押し当て圧力を9.8×10〜1.96×106N/mにすることが好ましく、4.9×10〜9.8×10N/mにすることがより好ましい。押し当て圧力が低すぎると研磨レートの低下につながり、逆に、高すぎると研磨面での発熱により研磨テープの樹脂成分が多量に電子写真感光体表面へと転写されてしまう。
電子写真感光体601と研磨テープ602が接する研磨面において、摩擦熱による前述した樹脂成分の電子写真感光体への転写及び研磨テープからの砥粒の脱落等を防ぐために、研磨面を水冷、空冷等で冷却した方が好ましい。研磨面の冷却方法としては、研磨面を直接冷却しても良いし、加圧弾性ローラー表面に冷却手段を接触させても良いし、電子写真感光体内部を冷却しても良い。
本発明に使用するクリーニングブレードとしては、弾性体として作用する樹脂であれば特に制限されるものではないが、反応性を有する液状の数種類の原料を混合し、加熱等の手段により硬貨させて弾性体として得られる、熱硬化性ポリウレタンポリマーを使用することが、弾性特性の環境安定性の点から好ましい。
ポリウレタンの一方の反応性原料であるポリオールとしては、特に限定されるものではないが、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のポリエーテルポリオール、ポリカプロラクタムの開環重合性ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール等、公知の多価アルコールを使用することができ、弾性特性、及びブレード状形状作製の容易さから、ポリエーテルポリオールが好ましい。
ポリウレタンのもう一方の反応性原料であるジイソシアネートとしては、特に限定されるものではないが、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート等、公知のジイソシアネート化合物を使用することができ、ブレード形状に成形した後の表面研磨処理の容易性、及び研磨粒子の表面移向性の観点から、脂肪族ジイソシアネート化合物が好ましい。
また、弾性体形成用の混合液の粘性や、形成されたブレードの弾性特性を制御する目的で、架橋剤を添加することも可能である。架橋剤としては、特に限定されるものではないが、エチレングリコール、ブタンジオール等のアルコール系架橋剤や、4,4’−ジアミノ−ジフェニルアミン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルアミン等の芳香族ジアミン、エチレンジアミン、ブチレンジアミン等のアミン系架橋剤を使用することができる。
上述の弾性体をブレードの形に成形する手段としては、複数種の原材料からなる混合液体を回転式のドラムロールの裏側に遠心成形させて加熱し、作製されたエンドレスシートを所望の大きさに切断する方法等が挙げられる。
上述のクリーニングブレードの表面性を変える手段として、研磨手段による研磨、ブレード中に研磨性微粒子を含有させる、等が挙げられ、研磨粒子を含有させる手段がより好ましい。また、これら複数の手段を組み合わせて施しても良い。
研磨手段としては、感光体を表面処理する手段として上述した、テープ研磨、あるいは磁性粒子による研磨方法をとることができる。
研磨性粒子をブレード中に含有させる手段としては、熱硬化させる前の混合液中に、研磨性粒子を適量添加してサンドミル等の混練手段により分散し、その分散液を用いて熱硬化させる方法等が挙げられる。
前記ブレードに含有される研磨性粒子としては、炭化珪素(SiC)、酸化アルミ(Al)、α酸化鉄(Fe)、酸化クロム(Cr)、ダイヤモンド(C)、シリカ(SiO)、炭酸バリウム(BaCO3)等が用いられるが、ケイ素原子、炭素原子、酸素原子、水素原子のうち、少なくとも1つから構成される研磨粒子を用いることが好ましく、前記感光体表面と類似組成の研磨粒子を用いることが最も好ましい。研磨粒子の数平均粒径は、0.01μm〜1μmであることが好ましく、表面性を変更させるために粒径分布を変えて用いてもよい。
次に、本発明に使用する、電子写真感光体について述べる。
本発明に使用する電子写真感光体は、導電性支持体上にシリコン原子を母体とする非晶質性材料で形成される光導電層、及び非晶質材料で形成される表面層とが少なくともこの順に積層された感光体である。
図3は本発明の構成のアモルファスSi感光体300の模式的な断面図の一例である。
図3に示すアモルファスSi感光体はアルミニウム等の導電性基体301と、導電性基体301の表面に順次積層された下部阻止層302と光導電層303、保護層304から成る。
導電性基体301の基材としては、導電性でも電気絶縁性であっても良い。導電性基体としては、例えば、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属及びこれらの合金、例えばステンレス等が挙げられる。又、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルム又はシート、ガラス、セラミック等の電気絶縁性支持体の少なくとも感光層を形成する側の表面を導電処理したものも導電性基体として用いることができる。
光導電層303は、水素及び/又はハロゲン(x)を含み、シリコン原子を母体とするアモルファスシリコン(a−Si:(H、X))をベースとし、更に炭素原子、窒素原子、酸素原子、ホウ素原子、リン原子から選ばれる原子をさらに含有してもよい。また、光導電層303は、複数の層を積層した構成とすることも可能であり、電荷発生層、電荷輸送層とを積層した機能分離型の光導電層とすることも可能である。
また、感光体の高帯電性、高光感度、等の電子写真特性を実現するために、光導電層の膜厚は、10〜50μmであることが好ましく、20〜45μmであることがより好ましく、25〜40μmであることが最も好ましい。
保護層304は、水素及び/又はハロゲン(x)を含み、シリコン原子を母体としたアモルファスシリコン(a−Si:(H、X))をベースとし、更に炭素原子、窒素原子及び酸素原子から選ばれる少なくとも1種以上の原子を更に含有する非単結晶材料から構成される。あるいは、水素及び/又はハロゲンを含み、炭素原子を母体としたアモルファスカーボン(a−C:(H,X))をベースとし、更に窒素原子及び酸素原子から選ばれる少なくとも1種以上の原子を更に含有する非晶質性材料から構成される。このような非晶質材料として、アモルファス炭化珪素、アモルファス窒化珪素、アモルファス酸化珪素、アモルファス炭化窒素、アモルファスカーボン等が挙げられる。この中でもアモルファス炭化珪素(a−SiC:(H、X))、あるいはアモルファスカーボン(a−C:(H,X))で形成されることが 電子写真特性における高帯電性の観点から好ましく、より耐久性を高めるという観点から、アモルファスカーボンで形成されることがさらに好ましい。
また、感光体の高帯電性、低残留電位、等の電子写真特性を満足するために、保護層の膜厚は、0.01〜3μmであることが好ましく、0.05〜2μmであることがより好ましく、0.1〜1μmであることが最も好ましい。
下部阻止層302を設ける場合には、一般的にa−Si:(H、X)をベースとし、周期表13族元素、15族元素等のドーパントを含有させることにより伝導型を制御し、導電性基体からのキャリアの注入阻止能を持たせることが可能である。この場合、必要に応じて炭素原子、窒素原子及び酸素原子から選ばれる少なくとも1種以上の原子を含有させることで応力を調整し、感光層の密着性向上の機能を持たせることもできる。
下部阻止層の膜厚は、0.01〜10μmであることが好ましい。
また、図3に図示されてはいないが、光導電層303と保護層304の間に、上部阻止層を設けることも可能である。上部阻止層を設ける場合には、一般的にa−Si:(H、X)をベースとし、13族元素、15族元素等のドーパントを含有させることにより伝導型を制御し、保護層からのキャリアの注入阻止能を持たせることが可能である。この場合、必要に応じて炭素原子、窒素原子及び酸素原子から選ばれる少なくとも1種以上の原子を含有させることで応力を調整し、感光層の密着性向上の機能を持たせることもできる。
上部阻止層の膜厚は、伝導性と阻止能を両立させる観点から、0.01〜10μmであることが好ましい。
本発明で使用する電子写真感光体は、類似の表面形状を持つようにクリーニングブレードを選択して組み合わされれば特に制限されるものではないが、電子写真感光体の表面をAFM(Atomic Force Microscope)により測定して得られる10μm×10μmの範囲における算術平均粗さRaD(micro)が、RaD(micro)≦0.04μmの範囲にあることが好ましい。さらに、表面粗さ計により測定して得られる基準長さ0.8mm、評価長さ4.0mmで評価した時に得られる測定曲線を、カットオフλc0.008mmでフィルタリングして、粗さ曲線における算術平均粗さRaD(macro)が、RaD(macro)≦0.30μmの範囲にあることが好ましい。
次に、本発明の電子写真感光体の製造方法について説明する。本発明において、電子写真感光体には、a−Si感光層を高周波プラズマCVD(PCVD)法により成膜したa−Si感光体を用いた。図4に、本発明に用いた感光体の製造装置の模式図を示す。この製造装置は、電子写真用感光体の製造に使用する一般的なPCVD装置である。このPCVD装置は、堆積装置400と、不図示の原料ガス供給装置および排気装置とを備えている。
堆積装置400は、縦型の真空容器である反応容器401を有している。反応容器401の側面には、高周波電力が印加される凸部404が設けられている。この反応容器401内の周囲には、縦方向に延びる原料ガス導入管403が複数本設けられており、ガス導入管403の側面には、長手方向に沿って多数の細孔が設けられている。反応容器401内の中心には、螺旋状に巻かれているヒータ402が縦方向に延在して設けられている。反応容器401の上部には、感光体ドラム1の基体となる円筒状の基体412を反応容器401内に挿入するために開閉可能な蓋401aが設けられている。基体412はヒータ402を内側に囲むように配置される。
反応容器401の下部には、原料ガス導入管403に接続されている原料ガス供給管405が設けられており、供給バルブ406を介して不図示のガス供給装置に接続されている。また、反応容器401の下部には排気管407が取り付けられており、この排気管407はメイン排気バルブ408を介して不図示の排気装置(真空ポンプ)に接続されている。さらに排気管407には、真空計409、サブ排気バルブ410が取り付けられている。
次に、このPCVD装置を用いてa−Si感光層を形成する方法について説明する。
まず、反応容器401内に感光体ドラムの基体となる基体412をセットし、蓋401aを閉じた後、真空容器401内の空気を不図示の排気装置により排気し、真空容器401内を所定の圧力以下まで減圧する。次に、排気を続けながら、ヒータ402により基体412を内側から加熱して、基体412を20℃〜450℃の範囲内の所定の温度に保つように制御する。基体412を所定の温度に加熱した後、作製する感光層に応じた所定の原料ガスを、それぞれの原料ガス導入系統毎に設けられている、それぞれの流量制御器(不図示)により所定の流量に調節しながら、導入管403を介して反応容器401内に導入する。導入された原料ガスは、反応容器401内に満たされ、反応容器401内を所定の圧力に保つように排気管407を通して容器401外に排気される。
このようにして、反応容器401内が原料ガスに満たされ、真空計409により反応容器401内の圧力が所定の圧力になって安定したことを確認した後、図示しない高周波電源(周波数13.56MHzのRF帯域、または周波数50〜250MHzのVHF帯域など)から、高周波電力を所望の電力投入量で反応容器401内に導入し、反応容器401内にグロー放電を発生させる。このグロー放電のエネルギーによって原料ガスの成分が分解されて基体412の表面に堆積され、珪素を主体としたa−Si堆積層が形成される。
この際、ガス種、ガス導入量、ガス導入比率、反応容器401内の圧力、基体412の温度、投入電力、堆積膜の膜厚などのパラメータを調整することにより、様々な特性のa−Si堆積層を形成することができる。このようにして、感光体の電子写真プロセスにおける特性、具体的には電気特性、表面エネルギー、感光体の表面層の表面形状などが所望の特性になるように調整することができる。また、感光体の表面層の表面形状については、基体412の表面形状を変えるなどの補助的な手段も用いられる。また、原料ガス導入管403の長手方向に沿って多数設けられている細孔から反応容器401内に導入される原料ガスの導入量の、原料ガス導入管403長手方向に沿った流量分布、排気管からの排ガスの流出速度、放電エネルギーなどを調整することによって、基体412上に形成されるa−Si堆積層の特性の、基体412の長手方向に沿った分布を所望の分布に調整することもできる。
基体412の表面に形成されたa−Si堆積層が所望の膜厚になった後、高周波電力の供給を止め、供給バルブ406などを閉じて反応容器401内への原料ガスの導入を停止し、一層分のa−Si堆積層の形成を終える。同様の操作を複数回繰り返し、所望のa−Si堆積層の多層構造を有するa−Si感光体を形成する。以上のようにして、基体412の表面に多層構造のa−Si感光層を有する感光体ドラムが製造される。
<a−Si感光体の製造>
次に本実施例及び比較例で使用した感光体について述べる。図4に示したRFプラズマ処理装置(13.56MHzの帯域の高周波を使用)を用いて、前記の手順に従い、表1に示す製造条件で、図3に示した下部阻止層、光導電層、保護層から成るφ84正帯電a−Si感光体(S−X)を作製した。この感光体(S−X)の表面を下記実施例中に示した条件により研磨処理し、各実施例で使用した。
Figure 2008209746
<表面粗さ計による測定方法>
測定位置は、電子写真感光体の長手方向における任意の中心位置を、表面粗さ計(Mitutoyo社製:SV−C4000)により測定し、Dualtrace PackのSurfpakを用いて解析した。
表面粗さ計の測定条件は、先端半径5μmの標準スタイラス(12AAB403)及び標準ノーズピース(12AAC753)を取り付け、速度0.1mm/S、ピッチ0.5μ、4mN用検出器でとした。測定時の温度は23℃、相対湿度は50%であった。また、評価条件は、規格をOLDMIXとし、基準長さ0.8mm、評価長さ4.0mm、で評価した時に得られる測定曲線を、カットオフλc0.008mmでフィルタリングすることにより、本発明で使用する断面曲線を求めた。
<AFMによる測定方法>
測定位置は、上述した表面粗さ計での測定位置と同じ位置を測定した。測定時の温度は23℃、相対湿度は50%であった。AFMは、Quesant社製 Q-SCOPE250(Version3.181)、ヘッドTape10、プローブNSC16を用い、10μm×10μmの範囲をSCAN RATE 4Hzで測定したAFM観察像をQuesant社製 Q-SCOPE250のTilt RemovalのParabolic Line by line補正を行った後に得られる三次元形状から成るAFM観察像を、Histogram Analysisにより解析することにより、Mean Deviationを得た。この値が本発明における、微視的領域の算術平均粗さRa(micro)に相当するものである。
<画像流れ評価方法>
図1に示すような構成を有する画像形成装置として、キヤノン製iRC6800複写機を改造して画像評価に使用した。感光体及びクリーニングブレードを実施例及び比較例に記載の条件で作製したものにそれぞれ交換した後、画像流れの評価を行なった。
まず評価に先立ち、一次帯電器と潜像露光光量の設定を行なった。画像形成プロセススピードが285mm/secの条件において、a−Si感光体の表面電位を現像位置で+500Vに帯電させるように、一次帯電器を調製した。そして直ちに670nmの波長を有するLEDアレイを光源とし、670nmの光を照射し、現像器位置において感光体表面電位が+100Vに減衰するように潜像露光光量を決定した。この方法で決定した帯電−露光条件のもとで、以下の画像流れ評価を行った。
32℃/85%の高温高湿環境において、ドラムヒーターの電源を切り、印字率5%の文字チャートを使用した、A4コピー用紙10万枚のコピー耐久後、コピー機の電源を落とし、12時間放置した。放置後、再度コピー機を作動させ、画像流れの評価を行った。但し、この際、感光体をヒーターにより加熱する加温手段は使用せず、高温高湿環境に保持した状態で行った。
画像評価は2種類のコピー画像を用いて行なった。一方は、白地に全面6ポイントのひらがな文字よりなる文字画像チャートを使用し、得られたコピー画像を観察し、画像上の細線がぼけていないか評価した。但しこの時画像上でむらがある時は、全画像領域で評価し一番悪い部分の結果を示した。また、他方は、ハーフトーンチャートを原稿台に置きコピーしたときに得られた、空回転後のコピー画像を目視により評価を行なった。評価基準は次の通りである。
◎…ルーペで観察しても画像流れは全く見られず、非常に良好
○…ルーペで観察すると分かる程度の滲みはあるが、文字の判読には全く支障がなく良好
△…画像流れが発生し、一部の文字に滲みが見られるが、実用上問題なし
×…画像流れがひどく、一部の文字が判別できない
≪クリーニングブレード(C−1)の作製≫
ポリオールとして、ポリテトラメチレングリコール(保土ヶ谷化学社製、PTMG(登録商標)1000SN、水酸基価111.8mgKOH/g)を100g、イソシアネートとして、脂肪族イソシアネート混合物(住友バイエルウレタン社製、スミジュール(登録商標)N3300、NCO=22%、及び、三井武田ケミカル社製、コスモネート(登録商標)NBDI、NCO=40.8%、の2種を1対1でブレンドしたもの)を50g、研磨粒子として一次粒径が20nm、比表面積が70m/gであるシリカ微粒子を100g、それぞれを混ぜて混合液体を得た。この混合液を、0.8mmφのガラスビーズ入りサンドミルで1時間分散し、シリカ分散液を得た。このシリカ分散液75gに、上述のポリテトラメチレングリコール270部、上述のイソシアネート160g、及び、芳香族ジアミン硬化剤(住友バイエルウレタン社製、バイテック1604、アミン当量121)60部を加え、攪拌し、12時間静置して脱法し、ブレード形成用の混合液を作製した。次に、内径300mmの円筒金型からなる遠心成形機を用いて、120℃に加熱した円筒金型を150rpmで回転させた状態で、金型内面に上述の混合液を流し込み、5分間維持した。次に、1000rpmに回転数を上げて15分間維持した後、回転数を300rpmに落とした状態で60分間維持し、熱硬化させた。放冷した後、金型から成形された弾性シートを取り外し、110℃で24時間乾燥し、厚さ1.5mmの研磨粒子含有弾性シートを作製した。この弾性シートを、330mm×20mm×3mmのブレード状に切り出し、研磨粒子が表面に露出した、望みのクリーニングブレード(C−1)を得た。
≪a−Siドラム(S−1)の作製≫
前記a−Siドラム(S−X)の最表面に対して、下記研磨条件1の条件のもと、概略図5に示したような装置を用いた磁気ブラシによる研磨処理を実施し、a−Siドラム(S−1)を作製した。
<研磨条件1>
電子写真感光体の研磨については、図5の研磨装置を用いて、電子写真感光体501の回転数を90rpm、マグネットローラー502の回転数を240rpm、マグネットローラー502の磁力を900G、SD距離を0.8mm、SB距離を1.5mmに調整し、磁性粉体503は、同和鉄粉工業株式会社製Cu-Znフィライト(DFC450)を5.0μm以上を取り除いたものを用いて行なった。研磨は、4時間行なった。
≪断面曲線の測定、及び、周波数分布解析≫
a−Siドラム(S−1)、及び前記クリーニングブレード(C−1)の最表面層について、表面粗さ計(MITUTOYO社製SV−C4000)を用いて、前述の条件のもと、両部材表面が互いに当接される部位の断面曲線を測定した。感光体(S−1)表面の断面曲線を図7に、クリーニングブレード(C−1)表面の断面曲線を図8に示す。この図7の断面曲線から得られる、感光体(S−1)の表面における算術平均粗さRaD(macro)は0.021μmであった。また、この感光体(S−1)の表面をAFMにより測定して得られた微視的領域の算術平均粗さRaD(micro)は、22nmであった。
これら(S−1)、(C−1)の各断面曲線から、前述の計算方法の元、断面曲線間の相互相関関数を算出し、その算出結果をもとにフーリエ変換して得られた相互相関関数の周波数分布曲線を図10に示す。相互相関関数において、最も分布が大きい周波数ν(相関関数)は、184(1/mm)であった。さらに、ドラム(S−1)表面の断面曲線に対してフーリエ変換を行い、周波数分布を算出したところ(図9)、最大分布を与える周波数ν(S−1)は235(1/mm)であり、それぞれの最大分布周波数の比は、ν(相関関数)/ν(S−1)=0.78と算出された。結果を表5に示す。
≪高温高湿環境での画像流れ評価≫
上記感光体(S−1)及びクリーニングブレード(C−1)を用いて、画像流れについての画像評価を前述の画像流れ評価方法に従って行なった。結果を表5に示す。
≪クリーニングブレード(C−2)の作製≫
前記クリーニングブレード(C−1)の作製において、シリカ微粒子の替わりに、研磨粒子として一次粒径が30nm、比表面積が65m/gである炭化ケイ素微粒子を用いた以外は実施例1と同様の方法でクリーニングブレード(C−2)を作製した。
≪a−Siドラム(S−2)の作製≫
前記a−Siドラム(S−2)の作製において、磁性粒子による研磨時間を2時間に変更した以外は、実施例1と同様の方法でа−Siドラム(S−2)を作製した。
≪断面曲線の測定、及び、周波数分布解析≫
a−Siドラム(S−2)、及び前記クリーニングブレード(C−2)の最表面層について、前述の条件のもと、両部材表面が互いに当接される部位の断面曲線を測定した。感光体(S−2)表面のRaD(macro)、及びRaD(micro)、また、両部材表面の断面曲線における最大分布周波数と感光体(S−2)表面の断面曲線における最大分布周波数の比、それぞれの測定及び算出結果を表5に示す。
≪高温高湿環境での画像流れ評価≫
上記感光体(S−2)及びクリーニングブレード(C−2)を用いて、画像流れについての画像評価を前述の画像流れ評価方法に従って行った。結果を表5に示す。
≪クリーニングブレード(C−3)の作製≫
前記クリーニングブレード(C−1)の作製において、シリカ微粒子の替わりに、研磨粒子として一次粒径が60nm、比表面積が40m/gであるアルミナ微粒子を用いた以外は、実施例1と同様の方法でクリーニングブレード(C−3)を作製した。
≪a−Siドラム(S−3)の作製≫
前記a−Siドラム(S−X)の最表面に対して、下記研磨条件2の条件のもと、概略図6に示したような装置を用い、研磨テープによる研磨処理を実施し、a−Siドラム(S−3)を作製した。
<研磨条件2>
電子写真感光体の研磨については、図6に示す研磨装置を用いて、電子写真感光体601の回転数を90rpm、研磨テープの送り速度を30mm/min、加圧弾性ローラー603から電子写真感光体601への圧力を5.0×10N/mと調整し、加圧弾性ローラーの材質はJISゴム硬度50のネオプレン(登録商標)ゴムであり、中央部の直径が両端部より0.1mm太いものを用いた。研磨テープ602は富士写真フィルム社製ラッピングテープLT−C2000 (砥粒:炭化珪素(SiC)、粒径:6μm、塗布方法:ドクターブレード(ナイフエッジ)コート法)を用いた。研磨は、30分間行なった。
≪断面曲線の測定、及び、周波数分布解析≫
a−Siドラム(S−3)、及び前記クリーニングブレード(C−3)の最表面層について、前述の条件のもと、両部材表面が互いに当接される部位の断面曲線を測定した。感光体(S−3)表面のRaD(macro)、及びRaD(micro)、また、両部材表面の断面曲線における最大分布周波数と感光体(S−3)表面の断面曲線における最大分布周波数の比、それぞれの測定及び算出結果を表5に示す。
≪高温高湿環境での画像流れ評価≫
上記感光体(S−3)及びクリーニングブレード(C−3)を用いて、画像流れについての画像評価を前述の画像流れ評価方法に従って行った。結果を表5に示す。
≪クリーニングブレード(C−4)の作製≫
前記クリーニングブレード(C−1)の作製において、シリカ微粒子の替わりに、研磨粒子として一次粒径が30nm、比表面積が65m/gであるダイヤモンド微粒子を用いた以外は、実施例1と同様の方法でクリーニングブレード(C−4)を作製した。
≪a−Siドラム(S−4)の作製≫
表2に示した成膜条件により、実施例1と同様の成膜装置を用いて、表面保護層がアモルファス炭化水素で構成された感光体(S−A)を作製した。表中で“成り行き”と記載されている部分は、基板を加熱するためのヒーター電源をオフにし、ヒーターによる加熱を行なっていない状態を表す。
Figure 2008209746
さらに、作製した感光体(S−A)を用いて、実施例1と同様の条件で磁気ブラシによる研磨処理を行い、感光体(S−4)を作製した。
≪断面曲線の測定、及び、周波数分布解析≫
a−Siドラム(S−4)、及び前記クリーニングブレード(C−4)の最表面層について、前述の条件のもと、両部材表面が互いに当接される部位の断面曲線を測定した。感光体(S−4)表面のRaD(macro)、及びRaD(micro)、また、両部材表面の断面曲線における最大分布周波数と感光体(S−4)表面の断面曲線における最大分布周波数の比、それぞれの測定及び算出結果を表5に示す。
≪高温高湿環境での画像流れ評価≫
上記感光体(S−4)及びクリーニングブレード(C−4)を用いて、画像流れについての画像評価を前述の画像流れ評価方法に従って行った。結果を表5に示す。
シリカ微粒子を含有させなかった以外は、実施例(1)と同様の方法でクリーニングブレード(C−5)を作製した。また、a−Siドラムとして、上述の(S−1)を用い、それぞれの部材の断面曲線、周波数分布、及び画像評価を行なった。結果を、表5に示す。
クリーニングブレードとして、実施例(1)で作製した、上述の(C−1)を用いた。
≪a−Siドラム(S−6)の作製≫
表3に示した成膜条件により、実施例1と同様の成膜装置を用いて、表面保護層がアモルファス酸化珪素で構成された感光体(S−B)を作製した。さらに、作製した感光体(S−B)を用いて、実施例1と同様の条件で磁気ブラシによる研磨処理を行い、感光体(S−6)を作製した。
≪断面曲線の測定、及び、周波数分布解析≫
a−Siドラム(S−6)、及び前記クリーニングブレード(C−1)の最表面層について、前述の条件のもと、両部材表面が互いに当接される部位の断面曲線を測定した。感光体(S−6)表面のRaD(macro)、及びRaD(micro)、また、両部材表面の断面曲線における最大分布周波数と感光体(S−6)表面の断面曲線における最大分布周波数の比、それぞれの測定及び算出結果を表5に示す。
≪高温高湿環境での画像流れ評価≫
上記感光体(S−6)及びクリーニングブレード(C−1)を用いて、画像流れについての画像評価を前述の画像流れ評価方法に従って行った。結果を表5に示す。
Figure 2008209746
(比較例1)
クリーニングブレードは、研磨粒子を含有しない上述の(C−5)を用いた。
≪a−Siドラム(S−11)の作製≫
a−Si感光体として、表4に示した成膜条件により、実施例1と同様の成膜装置を用いて、感光体(S−11)を作製した。感光体(S−11)表面のRaD(macro)、及びRaD(micro)、さらに、両部材表面の断面曲線における最大分布周波数と感光体(S−11)表面の断面曲線における最大分布周波数の比、それぞれの測定及び算出結果を表5に示す。
これらの感光体(S−11)、クリーニングブレード(C−5)を用いて、前記の評価条件に従って、画像評価を行なった。結果を表5に示す。
Figure 2008209746
(比較例2)
クリーニングブレードは、研磨粒子を含有しない上述の(C−5)を用いた。
≪a−Siドラム(S−12)の作製≫
平均粒径が20μm以上のフェライト微粒子を用いて磁気ブラシ研磨を行なった以外は、実施例1と同様にして感光体(S−12)を作製した。
感光体(S−12)表面のRaD(macro)、及びRaD(micro)、さらに、両部材表面の断面曲線における最大分布周波数と感光体(S−12)表面の断面曲線における最大分布周波数の比、それぞれの測定及び算出結果を表5に示す。
これらの感光体(S−12)、クリーニングブレード(C−5)を用いて、前記の評価条件に従って、トナー転写効率と摺擦後の画像評価を行なった。結果を表5に示す。
Figure 2008209746
本実施例及び比較例を比べると、電子写真感光体とクリーニングブレードの互いの最表面が類似形状を有する、特に、両部材表面の断面曲線における最大分布を与える周波数比が0.5〜2.0の範囲にある、a−Si感光体及びクリーニングブレードを用いた場合に、高温高湿環境における文字画像、及びハーフトーン画像において、画像流れを低減できることが分かる。
本発明で用いる電子写真感光体と中間転写体を搭載したデジタルカラー電子写真装置の一例を示す模式的構成図である。 本発明で用いる電子写真感光体と中間転写体を搭載したタンデム方式のデジタルカラー電子写真装置の一例を示す模式的構成図である。 本発明で用いる電子写真感光体の層構成の一例を示す模式図である。 本発明に関わるRF−PCVDによる電子写真感光体製造装置の一例を示す模式的構成図である。 本発明に関わる磁性ブラシを用いて感光体を研磨するための研磨装置の概略図である。 本発明に関わる研磨テープを用いて感光体を研磨するための研磨装置の概略図である。 実施例1で用いた、感光体(S−1)表面の断面曲線である。 実施例1で用いた、クリーニングブレード(C−1)表面の断面曲線である。 感光体(S−1)表面の断面曲線について、離散的フーリエ変換を行なって得られた周波数分布曲線である。 感光体(S−1)表面の断面曲線、及びクリーニングブレード(C−1)表面の断面曲線から算出された相互相関関数をもとに離散的フーリエ変換を行なって得られた、相互相関関数の周波数分布曲線である。
符号の説明
101 アモルファスSi感光体
102 一次帯電器
103 感光体クリーニングユニット
104 カラートナー現像器
105 ブラックトナー現像器
106 中間転写体
107 中間転写体クリーニングユニット
108 定着器
109 一次転写用バイアス電源
110 二次転写ローラ
111 二次転写用バイアス電源
112 一次転写ローラ
113 クリーニングブレード
201m アモルファスSi感光体−マゼンタ画像形成部
201c アモルファスSi感光体−シアン画像形成部
201y アモルファスSi感光体−イエロー画像形成部
201k アモルファスSi感光体−ブラック画像形成部
202m 一次帯電器−マゼンタ画像形成部
202c 一次帯電器−シアン画像形成部
202y 一次帯電器−イエロー画像形成部
202k 一次帯電器−ブラック画像形成部
203m 感光体クリーニングユニット−マゼンタ画像形成部
203c 感光体クリーニングユニット−シアン画像形成部
203y 感光体クリーニングユニット−イエロー画像形成部
203k 感光体クリーニングユニット−ブラック画像形成部
204m マゼンタトナー現像器
204c シアントナー現像器
204y イエロートナー現像器
204k ブラックトナー現像器
205a 中間転写ベルト搬送ローラ
205b 中間転写ベルト搬送ローラ
205c 中間転写ベルト搬送ローラ
206 中間転写ベルト
207 中間転写ベルト用クリーニングユニット
208 定着器
209m 一次転写用バイアス電源−マゼンタ画像形成部
209c 一次転写用バイアス電源−シアン画像形成部
209y 一次転写用バイアス電源−イエロー画像形成部
209k 一次転写用バイアス電源−ブラック画像形成部
210 二次転写ローラ
211 二次転写用バイアス電源
212m 一次転写ローラ−マゼンタ画像形成部
212c 一次転写ローラ−シアン画像形成部
212y 一次転写ローラ−イエロー画像形成部
212k 一次転写ローラ−ブラック画像形成部
300 アモルファスSi感光体
301 導電性基体
302 下部阻止層
303 光導電層
304 保護層
400 堆積膜形成装置
401 反応容器
401a 蓋
402 ヒータ
403 原料ガス導入管
404 凸部
405 原料ガス供給管
406 供給バルブ
407 排気管
408 メイン排気バルブ
409 真空計
410 サブ排気バルブ
412 基体
501 電子写真感光体
502 マグネットローラー
503 磁性体
504 マグネットローラー容器
505 磁性体規制ブレード
506 マイクロメーター
507 可動台
508 移動機構
509 ベース台
601 電子写真感光体
602 研磨テープ
603 加圧弾性ローラー
604 送り出しロール
605 巻き取りロール
606 マイクロメーター
607 加圧弾性ローラー容器
608 移動機構
609 キャプスタンローラー
610 定量送り出しローラー
611 搬送経路支持棒

Claims (5)

  1. 導電性支持体上に、シリコン原子を母体とする非晶質性材料で形成される光導電層と、非晶質材料で形成される表面層とがこの順に積層された感光体と、該感光体表面の静電潜像を現像剤により現像する現像手段と、該現像剤により現像されたトナー画像を前記感光体表面から転写される転写手段と、弾性体で形成されるクリーニングブレードにより転写後に感光体上に残留する現像剤をクリーニングするクリーニング手段とを少なくとも備える電子写真画像形成装置において、表面粗さ計により該感光体の長手方向に測定して得られる基準長さ0.8mm、評価長さ4.0mmで評価した時に得られる測定曲線を、カットオフλc0.008mmでフィルタリングして得られる、該感光体表面の断面曲線V(x)と、同様の条件で該クリーニングブレードの感光体当接面を長手方向に測定して得られる該クリーニングブレードの断面曲線W(x)から計算される相互相関関数f(s)(下記式(1))の周波数分布F(k)(下記式(2))において最大分布を与える周波数が、該感光体表面の断面曲線の周波数分布における最大分布を与える周波数の0.5以上2.0以下の範囲にあることを特徴とする、電子写真画像形成装置。
    Figure 2008209746
  2. 前記弾性体で形成されるクリーニングブレードが、前記感光体との当接面に研磨性粒子を含有することを特徴とする、請求項1に記載の電子写真画像形成装置。
  3. 前記クリーニングブレードに含有される研磨性粒子が、ケイ素原子、炭素原子、酸素原子、水素原子のうち、少なくとも1つを主成分として含有することを特徴とする、請求項1、2いずれかに記載の電子写真画像形成装置。
  4. 前記クリーニングブレードに含有される研磨性粒子が、前記感光体表面を構成する原子と同種類の原子により構成されることを特徴とする、請求項1から3に記載の電子写真画像形成装置。
  5. 前記感光体の表面を表面粗さ計により測定して得られる基準長さ0.8mm、評価長さ4.0mmで評価した時に得られる測定曲線を、カットオフλc0.008mmでフィルタリングして得られる粗さ曲線における算術平均粗さRaD(Macro)が、RaD(macro)≦0.30μmの範囲にあり、前記感光体の表面をAFM(Atomic Force Microscope)により測定して得られる10μm×10μmの範囲における微視的表面の算術平均粗さRaD(micro)が、RaD(micro)≦0.04μmの範囲にある感光体を使用することを特徴とする、請求項1から4いずれかに記載の電子写真画像形成装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010256778A (ja) * 2009-04-28 2010-11-11 Canon Inc 画像形成装置
JP2012163673A (ja) * 2011-02-04 2012-08-30 Sharp Corp クリーニングブレード及びクリーニングブレードの製造方法、並びにトナー規制ブレード
JP2017102073A (ja) * 2015-12-04 2017-06-08 ルネサスエレクトロニクス株式会社 半導体装置の製造方法

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