JP2008209568A - 電気光学素子及び走査型光学装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複屈折性を有するとともに、内部に生じる電界の大きさに応じて屈折率分布が変化し入射されたレーザ光を走査する電気光学結晶13と、該電気光学結晶13の複屈折性を変化させるための電圧を印加させる強度変調用電極11a,11bと、電気光学結晶13の屈折率分布を変化させるための電圧を印加させる走査用電極12a,12bと、電気光学結晶13のレーザ光の入射端面及13a及び射出端面13bのうち少なくとも射出端面13b側に設けられ、電気光学結晶13から射出される光のうち特定の振動方向の光を選択的に透過させる偏光選択部材15とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
一方、画像信号はCRT(Cathode Ray Tube)をベースに規格が決まっているため、左から右へスキャンした後は短い時間で左に戻り、再度右へスキャンする(片側スキャン)に合わせたフォーマットとなっている。したがって、MEMSスキャナの場合、一部のデータは入力された信号の順番を反転して表示しなければならないため、信号の制御が複雑となる。
そこで、MEMSスキャン以外の走査手段としては、電気光学(EO:Electro Optic)スキャナが考えられる。EOスキャナとはEO結晶に電圧を加えることにより、その結晶中を透過する光の進行方向を変える素子である。このようにEOスキャナでは、電圧によりスキャン角を制御できるので、CRTと同様に片側スキャンによる描画が可能となる。
本発明の電気光学素子は、複屈折性を有するとともに、内部に生じる電界の大きさに応じて屈折率分布が生じる電気光学結晶と、該電気光学結晶の複屈折性を変化させるための電圧を印加させる強度変調用電極と、前記電気光学結晶の屈折率分布を変化させるための電圧を印加させる走査用電極と、前記電気光学結晶のレーザ光の入射端面及び射出端面のうち少なくとも前記射出端面側に設けられ、前記電気光学結晶から射出される光のうち特定の振動方向の光を選択的に透過させる偏光選択部材とを備えることを特徴とする。
すなわち、音響光学素子を用いた外部変調器と同等の変調が可能となり、高速、かつ大偏角の電気光学素子を得ることが可能となる。さらには、他の光学部材を用いて変調速度を上げるのではなく、光を走査する電気光学結晶を共有し変調速度を速くしているため、小型、かつ、コストを抑えた電気光学素子を提供することが可能となる。
本発明に係る電気光学素子では、強度変調用電極と走査用電極との材質が異なるため、電気光学結晶において複屈折性と屈折率分布との両特性を確実に引き出すことができる。したがって、電気光学結晶に入射した光の強度変調と偏向との両方を確実に行うことが可能となる。
また、異なる波長のレーザ光を1ラインごとに走査する場合、異なる波長のレーザ光を1フレームごとに走査する場合に比べて、色の繰り返し周波数が高くなるので、カラーブレイクアップの発生を抑えることができる。また、異なる波長のレーザ光を1フレームごとに走査する場合に比べて、低速側の走査手段の駆動速度、すなわち、被投射面の垂直方向の走査速度が遅くて済むため、低速な走査手段でも良いので、低コスト化が可能である。
なお、ここで言う「水平走査」とは、2方向の走査のうち、高速側の走査であり、垂直走査とは低速側の走査である。
電気光学素子1は、複屈折性により入射した光を変調するとともに、内部に生じる電界の大きさに応じて屈折率分布が変化することによって、内部を進行するレーザ光を走査する2つの機能を兼ね備えたものである。具体的には、電気光学素子1は、図1に示すように、一対の強度変調用電極11a,11bと、一対の走査用電極12a,12bと、光学素子(電気光学結晶)13とを備えている。また、強度変調用電極11a,11bは光学素子13を挟んで対向配置されている。同様に、走査用電極12a,12bも光学素子13を挟んで対向配置されている。
また、電気光学素子1には、図1の矢印Aに示すように、強度変調用電極11a,11bの配列方向に振動するレーザ光が入射する。
また、偏光板15の偏光方向(透過軸)は、入射するレーザ光の偏光方向に直交する方向(特定の振動方向)となっている。これにより、強度変調用電極11a,11b間に電圧が印加されていない状態で黒表示が行われる(ノーマリーブラック表示)。
光学素子13の一方の面13c側の強度変調用電極11a,走査用電極12aは一方の面13cを略2等分した領域に設けられている。同様に、光学素子13の他方の面13d側の強度変調用電極11b,走査用電極12bも他方の面13dを略2等分した領域に設けられている。
そして、光学素子13の一方の面13cに設けられた強度変調用電極11aと走査用電極12aとは、所定の間隔をあけてレーザ光の進行方向に向かって隣接して配置されている。すなわち、光学素子13の一方の面13cの入射端面13a側に強度変調用電極11aが配置され、他方の面13dの射出端面13b側に走査用電極12aが設けられている。
また、光学素子13の他方の面13dにも、一方の面13cと同様に、光学素子13の入射端面13a側に強度変調用電極11bが配置され、射出端面13b側に走査用電極12bが設けられている。
これらにより、光学素子13は、強度変調用電極11a,11bに挟まれた領域が変調領域T1と、走査用電極12a,12bに挟まれた領域が走査領域T2とが順に設けられた構成になっている。
強度変調用電極11a,11bの材料としては、光学素子13の内部にカー効果を誘発する材料を選択する。本実施形態では、強度変調用電極11a,11bの電極材料として、ショットキーバリアの大きい電極材料、例えば、Ptを用いる。なお、Ptは一例に過ぎない。
そして、強度変調用電極11a,11b間には電圧を印加する電源E1が接続されている。また、強度変調用電極11a,11bは、光学素子13内を進行するレーザ光Lの進行方向の寸法がほぼ同じである。
走査用電極12a,12bには、図1に示すように、光学素子13の内部に空間電荷によって屈折率分布が制御される効果(空間電荷制御モード電気光学効果)を誘発する材料を選択する。本実施形態では、走査用電極12a,12bの電極材料として、光学素子13に電流が注入されやすいTiを用いる。なお、走査用電極12a,12bの電極材料はTiに限らず、光学素子13とオーミックコンタクトが取れ、ショットキーバリアを下げる効果がある材質であれば良い。
そして、走査用電極12a,12b間には電圧を印加する電源E2が接続されている。また、走査用電極12a,12bは、光学素子13内を進行するレーザ光Lの進行方向の寸法がほぼ同じである。このように、電源E1及び電源E2により、強度変調用電極11a,11b、走査用電極12a,12bにはそれぞれ独立に電圧が印加できるようになっている。
変調領域T1には、ショットキーバリアの大きい電極材料Ptにより電圧が印加されるため、入射したレーザ光はカー効果を支配的に受ける。これにより、強度変調用電極11a,11b間に印加される電圧値に応じて偏光面が回転する。
具体的には、強度変調用電極11a,11b間には、電源E1により、例えば図2に示すような、光強度に対応した電圧値のパルス信号が印加される。これにより、変調領域T1に入射したレーザ光は、パルス信号の電圧値に応じて偏光面が回転されて、走査領域T2の入射端面T2aに入射する。走査領域T2に入射したレーザ光は、走査領域T2内において偏光面が維持されて光学素子13の射出端面13bに設けられた偏光板15から射出される。このとき、偏光板15では、入射した光のうち当該偏光板15の透過軸と一致しない成分が反射され、透過軸と合う成分の光が偏光板15を透過し射出される。このようにして、光学素子13に入射した光の強度変調が行われる。
走査領域T2に入射したレーザ光は、空間電荷制御モード電気光学効果を支配的に受けるので、走査用電極12a,12b間に印加される電圧値に応じて、走査領域T2に生じる電界の強度によって屈折する。
走査用電極12a,12b間には、電源E2により、例えば図3に示すように、鋸歯状の波形の電圧が印加される。なお、走査用電極12bは0Vに固定されている。
走査用電極12aに印加される初期値S1の電圧を走査用電極12aに印加すると、図1に示すように、光学素子13を進行するレーザ光L1は直進する。また、走査用電極12aに印加する電圧値を、図3の電圧の波形に示すように徐々に上げると光学素子の屈折率勾配が大きくなり、電圧値に応じた偏角で射出される。そして、走査用電極12aに最大の電圧値S2を印加すると、光学素子13を進行するレーザ光L2は、図1に示すように、光学素子13内において大きく偏向して射出される。
すなわち、音響光学素子を用いた外部変調器と同等の変調(数百MHz以上)が可能であり、高速、大偏角の電気光学素子1を得ることが可能となる。さらには、他の光学部材を用いて変調速度を上げるのではなく、光を走査する光学素子13を用いて変調速度を速くしているため、小型、かつ、コストを抑えた電気光学素子1を提供することが可能となる。
つまり、本実施形態の電気光学素子1は、高速で、大きな偏角を得ることができるとともに、小型、かつ、コストを抑えることが可能である。
また、光学素子13は、入射端面13aからレーザ光の進行方向に向かって、変調領域T1と、走査領域T2とが順に設けられている構成にしたが、走査領域T2、変調領域T1の順に設けられた光学素子であっても良い。
しかしながら、本実施形態では、変調領域T1において、入射した光を所定の偏光面に回転させた後、走査領域T2において走査しているため、走査領域T2の入射端面T2aに対して垂直方向からレーザ光を入射させることが可能となる。これにより、変調領域T1の入射端面T1aに対して、斜め方向からレーザ光が入射する場合(走査領域T2、変調領域T1の順の場合)に比べて、光学素子13に入射した光をより精度良く変調することが可能となる。
また、強度変調用電極11a,11b間に電圧が印加されていない状態で黒表示が行われる(ノーマリーブラック表示)ため、電気光学素子1に電圧が印加されていない状態において、万が一電気光学素子1にレーザ光が入射され続けたとしても、電気光学素子1から外部に光が照射させるのを確実に防止することが可能となる。
また、電気光学素子1に入射する光が所定の偏光方向を有している場合は、上述したように光学素子13の入射端面13aには偏光板15を用いなくても良いが、より高い消光比(コントラスト)が必要である場合は、入射端面13a側にも偏光板を設けることが望ましい。
また、偏光板15として、ワイヤグリッド型偏光板を用いたが、これに限るものではなく、例えば、偏光板15を無機材料からなるものを用いたが、有機材料からなるものを用いることも可能である。
また、透過軸と一致しない成分が反射されるような偏光板を採用したが、透過軸と一致しない成分が偏光板により吸収されるような偏光板を採用しても良い。
また、光学素子13に入射するレーザ光として、強度変調用電極11a,11bの配列方向に振動するレーザ光を用いたが、この方向に限るのもではない。また、偏光板15としては、光学素子13に入射するレーザ光の偏光方向に応じた透過軸を有するものを用いれば良い。
この構成では、変調領域T1と走査領域T2とが同一領域であるため、光学素子13の素子長を短くすることができるので、小型、かつ、低コスト化を図ることが可能となる。さらに、光学素子13の素子長を短くすることで、光学素子13に入射してから射出されるまでのレーザ光の射出時間が短くなるため、光学素子13から射出される光のスキャン速度を速くすることが可能となる。
また、強度変調用電極11a,走査用電極12aは、光学素子13の略2等分した領域に設けられているとしたが、これに限るものではない。
また、電気光学素子1は、レーザ光を片側のみ走査させたが、光学素子13に入射した光を当該光を中心に両側に走査させる両側走査であっても良い。
次に、本発明に係る第2実施形態について、図5を参照して説明する。
本実施形態では、上記第1実施形態の電気光学素子1を走査手段として備える画像表示装置(走査型光学装置)30について説明する。
なお、以下に説明する各実施形態において、上述した第1実施形態に係る電気光学素子1と構成を共通とする箇所には同一符号を付けて、説明を省略することにする。
また、緑色光源装置30Gは、半導体レーザ(LD)及び波長変換素子を有するDPSS(Diode Pomping Solid State)レーザによって構成され、半導体レーザによって射出されたレーザ光は、波長変換素子により中心波長が530nmである緑色のレーザ光に変換される。
本実施形態で用いられる偏光板(偏光選択部材)36は、緑色のレーザ光の波長域、すなわち、490nm〜570nmの波長域の光に機能する。すなわち、偏光板36は、緑色のレーザ光のうち特定の偏光方向の偏光光を透過させ、これとほぼ直交する偏光方向を有する偏光光を反射する構成となっている。これにより、偏光板36は、490nm〜570nmの波長域外の光には機能しないため、赤色レーザ光及び青色レーザ光は変調されずに透過する。
各光源装置30R,30G,30Bから射出されたレーザ光は、クロスダイクロイックプリズム31で合成され電気光学素子1に入射する。光学素子13に入射した赤色、緑色、青色レーザ光は、変調領域T1において、強度変調用電極11a,11b間に印加される電圧に応じていずれの色光も偏光面が回転する。そして、変調領域T1から走査領域T2に入射した光は、スクリーン35の水平方向に走査され、ガルバノミラー32により垂直方向に走査されてスクリーン35に投影される。
このとき、赤色、緑色、青色レーザ光は、変調領域T1を通過することにより、いずれの色光も偏光面が回転しているが、電気光学素子1の偏光板36を透過する際、緑色のレーザ光のみ偏光板36の偏光方向と合わない成分が反射され、偏光方向と合う成分の光が偏光板36を透過し射出される。このようにして、光学素子13に入射した緑色のレーザ光の強度変調が行われる。
また、赤色、青色レーザ光は、光源装置30R,30Bに印加する電流または電圧を制御することにより、強度変調を行う。
しかも、電気光学素子1からなる走査手段は、MEMSスキャナより高速に走査することができるため、本実施形態のように、水平走査として電気光学スキャナを用い、走査自由度が高い垂直走査としてガルバノミラー32(動くことにより光を反射させる可動型の走査手段)を用いることにより、高性能な画像表示装置の実現が期待できる。なお、ガルバノミラー32に代えて、可動型の走査手段の一つである安価なポリゴンミラーにより走査を行っても良い。安価なポリゴンミラーを使用することで、コストを抑えつつ高性能な画像表示を行うことが可能となる。
次に、本発明に係る第3実施形態について、図6から図9を参照して説明する。
本実施形態に係る画像表示装置40では、電気光学素子41の構成において第2実施形態と異なる。
また、赤色変調領域T1Rは、一方の面13cに設けられた赤色強度変調用電極42aと他方の面13dに設けられた赤色強度変調用電極42bに挟まれた領域である。この領域T1Rに赤色光源装置30Rから射出された赤色レーザ光LRが入射するようになっている。同様に、緑色変調領域T1Gは、緑色強度変調用電極43a,43bに挟まれた領域であり、緑色レーザ光LGが入射するようになっており、青色変調領域T1Bは、青色強度変調用電極44a,44bに挟まれた領域であり、青色レーザ光LBが入射するようになっている。これら強度変調用電極42a,42b、43a,43b、44a,44bの電極材料はいずれもPtである。
これにより、図7に示すように、各変調領域T1R,T1G,T1Bに入射したレーザ光LR,LG,LBは、パルス信号の電圧値に応じてそれぞれの偏光面が回転されて、走査領域T2に入射する。そして、走査領域T2において、電源E2により走査用電極12a,12b間に電圧が印加されることで、各変調領域T1R,T1G,T1Bから走査領域T2に入射した赤色、緑色、青色レーザ光LR,LG,LBは、光学素子13内部で同じ電界を受けて走査用電極12b側に曲げられる。そして、走査領域T2において曲げられた赤色、緑色、青色レーザ光LR,LG,LBは、それぞれのレーザ光の偏光面に応じて偏光板45を透過して射出される。
電気光学素子41から射出された赤色、緑色、青色レーザ光は、図9に示すように、スクリーン35の上端35a側から下端35bに向かって順に青色レーザ光LB、緑色レーザ光LG、赤色レーザ光LRが3本同時に走査される。このとき、1番目の水平走査において、青色レーザ光LB及び緑色レーザ光LGはスクリーン35の上端35aの上方(スクリーン35外)を走査するため、青色光源装置30B,緑色光源装置30Gは消灯している。そして、例えば、2番目の水平走査から、緑色光源装置30Gが点灯され、例えば、3番目の水平走査から青色光源装置30Bが点灯される。
そして、例えば、最後から2番目の水平走査から、赤色レーザ光LRはスクリーン35の下端35bの下方(スクリーン35外)を走査するため、赤色光源装置30Rは消灯され、最後の水平走査において、緑色レーザ光LGはスクリーン35の下端35bの下方(スクリーン35外)を走査するため、緑色光源装置30Gは消灯される。
次に、本発明に係る第4実施形態について、図10及び図11を参照して説明する。
上記第3実施形態の画像表示装置40では、赤色、緑色、青色レーザ光のすべての変調速度を調整するために、各領域にそれぞれのレーザ光を入射させた。本第4実施形態の画像表示装置50では、同一変調領域T1に赤色、緑色、青色レーザ光を入射させ、赤色、緑色、青色のレーザ光変調速度を調整する点において第3実施形態の画像表示装置40と異なる。また、電気光学素子としては第1実施形態で用いた電気光学素子1を用いる。なお、電気光学素子1の射出端面13bに設けられた偏光板15は、赤色レーザ光の波長域、緑色レーザ光の波長域、青色レーザ光の波長域、すべての波長域の光に機能する。
制御部51は、図11のタイミングチャートに示すように、1フレーム(1つのカラー画像を描く期間)ごとに、赤色レーザ光、緑色レーザ光、青色レーザ光が順に射出するように、赤色光源装置30R、緑色光源装置30G、青色光源装置30Bをこの順に色順次駆動する。
時間tFで赤色、緑色、青色レーザ光により3色の1フレーム分を描画する場合、各レーザ光の1フレームあたりの描画時間はtF/3となる。また、各レーザ光は変調領域T1で変調されるため、各光源装置30R,30G,30Bの制御はON、OFFのみである。
次に、緑色光源装置30Gにより描画が行われた後、制御部51により、青色光源装置30Bを駆動させ、赤色レーザ光と同様に、青色レーザ光による1フレームの描画を行う。また、青色光源装置30Bにより描画が行われている間は、制御部51は、赤色光源装置30R及び緑色光源装置30GをOFFに制御する。
このように、赤色、緑色、青色レーザ光により1フレーム分の各色光ごとの画像が形成され、これらの画像が人間の眼で重ね合わされてフルカラー画像が形成される。
また、図11に示すように、走査用電極12a,12bに印加する電圧波形は図3に示す波形と同じである。また、強度変調用電極11a,11bには、図11に示すように、光強度に対応した電圧信号が印加される。
また、異なる波長のレーザ光を1フレームごとに走査するため、1ラインごとに走査する場合に比べて、各レーザ光を長い時間照射するため、制御部51による光源装置30R,30G,30Bの駆動制御が簡易となる。また、描画方式による色ずれも起きないので、鮮明な画像をスクリーン35に投射することができる。
次に、本発明に係る第5実施形態について、図10及び図12を参照して説明する。
上記第4実施形態の画像表示装置50では、制御部51により、赤色、緑色、青色レーザ光を1フレームごとに走査するように、光源装置30R,30G,30Bを制御した。本第5実施形態の画像表示装置60では、制御部61により、赤色、緑色、青色レーザ光を1ライン(1つのカラー画像を構成する水平方向の1ライン)ごとに走査するように、光源装置30R,30G,30Bを制御する。
なお、本実施形態の画像表示装置60の概略全体構成図は、第4実施形態の画像表示装置50と同じである。
制御部61は、図12のタイミングチャートに示すように、1ラインごとに、赤色レーザ光、緑色レーザ光、青色レーザ光が順に射出するように、赤色光源装置30R、緑色光源装置30G、青色光源装置30Bをこの順に色順次駆動する。
時間tLで赤色、緑色、青色レーザ光により3色の1ライン分を描画する場合、各レーザ光の1ラインあたりの描画時間はtL/3となる。各レーザ光は変調領域T1で変調されるため、各光源装置30R,30G,30Bの制御はON、OFFのみである。
次に、緑色光源装置30Gにより描画が行われた後、制御部61により、青色光源装置30Bを駆動させ、赤色レーザ光と同様に、青色レーザ光による1ラインの描画を行う。また、青色光源装置30Bにより描画が行われている間は、制御部51により、赤色光源装置30R及び緑色光源装置30GをOFFに制御する。
このように、1ラインごとに赤色、緑色、青色レーザ光が人間の眼で重ね合わされて適切な表示となる。
例えば、上記各実施形態において、光学素子としてKTN結晶を例に挙げて説明したが、これに限ることはなく、屈折率が線形的に変化する素子であれば良い。例えば、LiNbO3(ニオブ酸リチウム)等の電気光学効果を有する誘電体結晶であっても良いが、LiNbO3等の組成を有する結晶は、KTN結晶に比べて走査偏角が小さく、また、駆動電圧が高いため、KTN結晶を用いることが好ましい。
また、色光合成手段として、クロスダイクロイックプリズムを用いたが、これに限るものではない。色光合成手段としては、ダイクロイックミラーをクロス配置とし色光を合成するもの、ダイクロミラーを平行に配置し色光を合成するものを用いることができる。
Claims (10)
- 複屈折性を有するとともに、内部に生じる電界の大きさに応じて屈折率分布が生じる電気光学結晶と、
該電気光学結晶の複屈折性を変化させるための電圧を印加させる強度変調用電極と、
前記電気光学結晶の屈折率分布を変化させるための電圧を印加させる走査用電極と、
前記電気光学結晶のレーザ光の入射端面及び射出端面のうち少なくとも前記射出端面側に設けられ、前記電気光学結晶から射出される光のうち特定の振動方向の光を選択的に透過させる偏光選択部材とを備えることを特徴とする電気光学素子。 - 前記電気光学結晶は、入射端面から光の進行方向に向かって、前記強度変調用電極に挟まれた変調領域と、前記走査用電極に挟まれた走査領域とが順に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学素子。
- 前記強度変調用電極と前記走査用電極との材質が異なることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気光学素子。
- 前記電気光学結晶がKTa1−xNbxO3の組成を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電気光学素子。
- レーザ光を射出する光源装置と、
該光源装置から射出したレーザ光を画像信号に応じて変調するとともに、被投射面に向けて走査する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電気光学素子を有することを特徴とする走査型光学装置。 - 前記光源装置が複数の異なる波長のレーザ光を射出し、
前記偏光選択部材が、前記複数のレーザ光の波長域のうち特定の波長域のレーザ光のうち特定の振動方向の光を選択的に透過させ、前記特定の波長域外のレーザ光を振動方向に関わらず透過させることを特徴とする請求項5に記載の走査型光学装置。 - 前記光源装置が互いに波長の異なる複数のレーザ光を射出し、
前記複数のレーザ光がそれぞれ前記電気光学結晶の異なる領域に入射され、
前記異なる領域ごとに前記強度変調用電極が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の走査型光学装置。 - 前記光源装置が互いに波長の異なる複数のレーザ光を射出し、
前記複数のレーザ光を1フレームあたりの描画時間で時間順次に走査するように前記光源装置の駆動を制御する制御部を備えることを特徴とする請求項5に記載の走査型光学装置。 - 前記光源装置が互いに波長の異なる複数のレーザ光を射出し、
前記複数のレーザ光を1ラインあたりの描画時間で時間順次に走査するように前記光源装置の駆動を制御する制御部を備えることを特徴とする請求項5に記載の走査型光学装置。 - 前記電気光学素子が、水平走査を行うことを特徴とする請求項5から請求項9のいずれか1項に記載の走査型光学装置。
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