以下、本発明に係る電気光学装置、表示装置およびこれを備える電子機器の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
[第1の実施の形態]
図1は本実施例に係る液晶表示装置910の斜視構成図(一部断面図)である。液晶表示装置910は、アクティブマトリクス基板101(半導体装置)と対向基板912とをシール材923により一定の間隔で貼り合わせ、ネマティック相液晶材料922を挟持してなる。アクティブマトリクス基板101上には図示しないがポリイミドなどからなる配向材料が塗布されラビング処理されて配向膜が形成されている。また、対向基板912は、図示しないが画素に対応したカラーフィルタと、光抜けを防止し、コントラストを向上させるための低反射・低透過率樹脂よりなるブラックマトリクス940と、アクティブマトリクス基板101上の対向導通部330−1〜330−2と短絡される共通電位が供給されるITO膜でなる対向電極930が形成される。ネマティック相液晶材料922と接触する面にはポリイミドなどからなる配向材料が塗布され、アクティブマトリクス基板101の配向膜のラビング処理の方向とは直交する方向にラビング処理されている。
さらに対向基板912の外側には、上偏光板924を、アクティブマトリクス基板101の外側には、下偏光板925を各々配置し、互いの偏光方向が直交するよう(クロスニコル状)に配置する。さらに下偏光板925下には、バックライトユニット926と導光板927が配置され、バックライトユニット926から導光板927に向かって光が照射され、導光板927はバックライトユニット926からの光をアクティブマトリクス基板101に向かって垂直かつ均一な面光源となるように光を反射屈折させることで液晶表示装置910の光源として機能する。バックライトユニット926は、本実施例ではLEDユニットであるが、冷陰極間(CCFL)であってもよい。バックライトユニット926はコネクタ929を通じて電子機器本体に接続され、電源を供給されるが、本実施例では電源が適宜適切な電流・電圧に調整されることでバックライトユニット926からの光量が調整される機能を有する。
図示しないが、さらに必要に応じて、周囲を外殻で覆っても良いし、あるいは上偏光板924のさらに上に保護用のガラスやアクリル板を取り付けても良いし、視野角改善のため光学補償フィルムを貼っても良い。
また、液晶表示装置910の外周部には光センサー受光開口部990が設けられる。また、アクティブマトリクス基板101は、対向基板912から張り出す張り出し部102が設けられ、その張り出し部102にある信号入力端子320には、FPC(可撓性基板)928が実装され電気的に接続されている。FPC(可撓性基板)928は電子機器本体に接続され、必要な電源、制御信号等を供給される。
さらに液晶表示装置910上には6個の光センサーの受光開口部990−1〜990−6が設けられる。この受光開口部990−1〜990−6は対向電極930上のブラックマトリクス940を部分的に除去することで形成されており、外部の光がアクティブマトリクス基板101上に到達するようになっている。各受光開口部990−1〜990−6の周囲は対向電極930上のブラックマトリクス940は除去されておらず、外光はアクティブマトリクス基板101上に到達しないようになっている。
図2はアクティブマトリクス基板101のブロック図である。アクティブマトリクス基板101上には、480本の走査線201−1〜201−480と1920本のデータ線202−1〜202−1920が直交して形成されており、480本の容量線203−1〜203−480は走査線201−1〜201−480と並行に配置されている。容量線203−1〜203−480は相互に短絡され、共通電位配線335と接続され、さらに2個の対向導通部330−1〜330−2と接続されて信号入力端子320より0V−5Vの反転信号、反転時間は35μ秒である共通電位を与えられる。走査線201−1〜201−480は走査線駆動回路301に接続され、またデータ線202−1〜202−1920はデータ線駆動回路302に接続され、それぞれ適切に駆動される。また走査線駆動回路301、データ線駆動回路302は信号入力端子320から駆動に必要な信号を供給される。信号入力端子320は張り出し部102上に配置される。一方、走査線駆動回路301、データ線駆動回路302は対向基板912と重なる領域、すなわち張り出し部102外に配置される。走査線駆動回路301、データ線駆動回路302は、低温ポリシリコンTFTプロセスによりアクティブマトリクス基板上に駆動に必要な回路機能をに集積するシステム・オン・グラス(SOG)技術により、アクティブマトリクス基板上にポリシリコン薄膜トランジスターを集積することで形成されており、後述する画素スイッチング素子401−n−mと同一工程で製造される、いわゆる駆動回路内蔵型の液晶表示装置となっている。
また6個の受光開口部990−1〜990−6と平面的に重なる領域にそれぞれ6個の受光センサー350P−1〜350P−6が形成され、それと交互になるように6個の遮光センサー350D−1〜350D−6が形成される。この受光センサー350P−1〜350P−6と遮光センサー350D−1〜350D−6もシステム・オン・グラス(SOG)技術により、アクティブマトリクス基板上に形成される。このようにガラス基板上に画素スイッチング素子401−n−mと同一工程で製造することで、製造コストを下げることができる。
受光センサー350P−1〜350P−6は受光開口部990−1〜990−6と平面的に重なっており外光がセンサーに到達するが、遮光センサー350D−1〜350D−6は受光開口部990−1〜990−6と平面的に重なっておらず、外光は対向電極930上のブラックマトリクス940で吸収されほとんど到達しない。受光センサー350P−1〜350P−6は配線PBT、配線VSH、配線SENSEと、遮光センサー350D−1〜350D−6は配線DBT、配線VSL、配線SENSEと接続される。これらの配線PBT、配線VSH、配線SENSE、配線DBT、配線VSLは検出回路360に接続される。検出回路360は受光センサー350P−1〜350P−6と遮光センサー350D−1〜350D−6からの外光照度と相関を持つ出力アナログ電流に対応したパルス長の二値出力信号OUTに変換し、信号入力端子320へ出力する。また、配線VCHG、配線RST、配線VSL、配線VSHも信号入力端子320を介して検出回路360に供給される。
詳細は後述するが、受光センサー350P−1〜350P−6はバックライト遮光電極611P−1〜611P−6、遮光センサー350D−1〜350D−6はバックライト遮光電極611D−1〜611D−6とそれぞれ平面的に重なり、それぞれバックライトからの光は遮蔽されているので、バックライトからの光によって外光の検出精度が低下することがないように構成されている。また、受光センサー350P−1〜350P−6は透明電極612P−1〜612P−6、遮光センサー350D−1〜350D−6は透明電極612D−1〜612D−6とも重なっており、表示領域310(点線は表示領域310の境界辺を示す。)を駆動する際に発生した電磁ノイズによって検出精度が低下することもない。これらの構成によって、受光センサー350P−1〜350P−6および遮光センサー350D−1〜350D−6は表示領域310近くに配置しても検出精度が低下しないので、従来の製品よりデザイン的な自由度が向上している。
ここで受光開口部990−1〜990−6については本実施例に示すように、複数に分割し、なるべく広い範囲に分散させて配置することが好ましい。例えば指などの影が部分的に液晶表示装置910上を覆っても、外光検出への影響を少なくすることを考慮すると受光開口部の総面積はなるべく広い方が好ましいが、面積の広い受光センサーを一箇所にまとめてしまうと遮光センサーとの距離を離さざるを得ず、液晶表示装置910内には温度分布が出来るので、受光センサー部と遮光センサー部で平均温度差が生じてしまう。そこで本実施例のようにセンサーを幾つかに分割し、さらに望ましくは交互に配置すると受光センサー部と遮光センサー部の平均温度をほぼ等しく出来る。本実施例では6分割としたが、もちろんこれより少なくてもよいし、多くても良い。
またこの際、各受光開口部990−1〜990−6から表示領域310までの距離は等しくなるように配置すると良い。同様に各受光センサー350P−1〜350P−6、各遮光センサー350D−1〜350D−6から表示領域310までの距離は等しくなるように配置すると良い。表示領域310から外部へ表示のために透過される光は例えばアクティブマトリクス基板101や対向基板912を構成するガラスや上偏光板924の表面や各種絶縁膜の界面などで多重反射され、一部の迷光が各光センサーに入り込むが、この際、上記のように配置すると各受光センサー350P−1〜350P−6、各遮光センサー350D−1〜350D−6間で迷光の光量がほぼ一定になるので、本実施例のように各受光センサー350P−1〜350P−6と各遮光センサー350D−1〜350D−6間の電流差分をとると迷光分はほぼ除去できる。この観点からも受光開口部990−1〜990−6は複数に分割し、なるべく広い範囲に分散させて配置すると表示領域310の表示パターンに影響されにくくなるので好ましい。
また、各受光センサー350P−1〜350P−6、各遮光センサー350D−1〜350D−6は本実施例に示すようにバックライトユニット926とはなるべく遠い辺に配置されることが好ましい。バックライトユニット926はLEDであれCCFLであれ熱源になるため、バックライトユニット926に近いほど、アクティブマトリクス基板101内で熱勾配が大きくなり、各受光センサー350P−1〜350P−6、各遮光センサー350D−1〜350D−6の間で温度差ができやすいためである。
また、受光開口部990−1〜990−6のサイズについては、該受光開口部990−1〜990−6が配置された表示領域310の周縁部の境界辺に平行な方向(以下、X方向とする)に大きくすると温度分布や迷光の影響を受ける。また、表示領域310の境界辺に直交する方向(以下、Y方向とする)について大きくすると額縁領域が大きくなって液晶表示装置910の外形サイズが大きくなってしまう上に対向基板912と上偏光板924の界面で反射された表示領域310の光が各受光センサー350P−1〜350P−6、各遮光センサー350D−1〜350D−6に迷光として強く照射されてしまい、測定誤差の要因となる。一方で、X方向についてあまり小さくしてしまうと配置効率が悪くなり、PINダイオードのチャネル幅(W)が小さくなってしまうし、Y方向について小さくすると光の取り込み効率が悪くなり、検出精度に影響が生じる。以上のような条件を元に検討した結果、X方向については0.5mm〜20mm、Y方向については0.05mm〜対向基板912の板厚(本実施例では0.6mm)の範囲内が望ましいとの結論に達した。以上をふまえ、本実施例ではX方向は10mm、Y方向は0.3mmのサイズに設定している。
受光開口部990−1〜990−6の配置ピッチは20mmであり、また受光センサー350P−1と遮光センサー350D−1のピッチは10mm、遮光センサー350D−1のピッチと受光センサー350P−2のピッチも10mm、というように受光センサー350P−1〜350P−6と遮光センサー350D−1〜350D−6が10mmピッチで交互に配置されている。
図3は図2の点線310部で示す表示領域のm番目のデータ線202−mとn番目の走査線201−nの交差部付近の回路図である。走査線201−nとデータ線202−mの各交点にはNチャネル型電界効果ポリシリコン薄膜トランジスターよりなる画素スイッチング素子401−n−mが形成されており、そのゲート電極は走査線201−nに、ソース、ドレイン電極はそれぞれデータ線202−mと画素電極402−n−mに接続されている。画素電極402−n−m及び同一電位に短絡される電極は容量線203−nと補助容量コンデンサー403−n−mを形成し、また液晶表示装置として組み立てられた際には液晶素子をはさんで対向電極930(コモン電極)とやはりコンデンサーを形成する。
図4は本実施例での電子機器の具体的な構成を示すブロック図である。液晶表示装置910は図1で説明した液晶表示装置であって、外部電源回路784、映像処理回路780がFPC(可撓性基板)928およびコネクタ929を通じて必要な信号と電源を液晶表示装置910に供給する。中央演算回路781は外部I/F回路782を介して入出力機器783からの入力データを取得する。ここで入出力機器783とは例えばキーボード、マウス、トラックボール、LED、スピーカー、アンテナなどである。中央演算回路781は外部からのデータをもとに各種演算処理を行い、結果をコマンドとして映像処理回路780あるいは外部I/F回路782へ転送する。映像処理回路780は中央演算回路781からのコマンドに基づき映像情報を更新し、液晶表示装置910への信号を変更することで、液晶表示装置910の表示映像が変化する。また、液晶表示装置910上の検出回路360からの二値出力信号OUTがFPC(可撓性基板)928を通じて中央演算回路781に入力され、中央演算回路781は二値出力信号OUTのパルス長を対応する離散値に変換する。次に中央演算回路781はEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)よりなる参照テーブル785にアクセスし、変換した離散値を適切なバックライトユニット926の電圧に対応する値に再変換し、外部電源回路784に送信する。外部電源回路784はこの送信された値に対応した電圧の電位電源を液晶表示装置910内のバックライトユニット926にコネクタ929を通じて供給する。バックライトユニット926の輝度は外部電源回路784より供給される電圧によって変化するので、液晶表示装置910の全白表示時輝度も変化することになる。ここで電子機器とは具体的にはモニター、TV、ノートパソコン、PDA、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話、携帯フォトビューワー、携帯ビデオプレイヤー、携帯DVDプレイヤー、携帯オーディオプレイヤーなどである。
なお、本実施例では電子機器上の中央演算回路781によってバックライトユニット926の輝度を制御したが、例えば液晶表示装置910内にドライバーIC及びEEPROMを備えた構成とし、このドライバーICに二値出力信号OUTから離散値への変換機能、EEPROMを参照しての再変換機能、バックライトユニット926への出力電圧の調整機能を持たせても良い。また、参照テーブルを用いず、数値計算によって離散値からバックライトユニット926の電圧に対応する値に再変換するように構成しても良い。
図5は図3で示した画素表示領域の回路図の実際の構成を示す平面図である。図5の凡例に示す通り、各網掛けの異なる部位はそれぞれ異なる材料配線であることを示し、同じ網掛けで示した部位は同じ材料配線であることを示す。クロム薄膜(Cr)、ポリシリコン薄膜(Poly−Si)、モリブデン薄膜(Mo)、アルミ・ネオジウム合金薄膜(AlNd)、酸化インディウム・錫薄膜(Indium Tin Oxiced=ITO)の5層薄膜より構成されてなり、それぞれの層間には酸化シリコン、窒化シリコン、有機絶縁膜のいずれかあるいはそれらを積層した絶縁膜が形成される。具体的にはクロム薄膜(Cr)は膜厚100nm、ポリシリコン薄膜(Poly−Si)は膜厚50nm、モリブデン薄膜(Mo)は膜厚200nm、アルミ・ネオジウム合金薄膜(AlNd)は膜厚500nm、酸化インディウム・錫薄膜(ITO)は膜厚100nmとする。また、クロム薄膜(Cr)とポリシリコン薄膜(Poly−Si)の間には100nmの窒化シリコン膜と100nmの酸化シリコン膜を積層した下地絶縁膜が形成され、ポリシリコン薄膜(Poly−Si)とモリブデン薄膜(Mo)の間には100nmの酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜が形成され、モリブデン薄膜(Mo)とアルミ・ネオジウム合金薄膜(AlNd)の間には200nmの窒化シリコン膜と500nmの酸化シリコン膜を積層した層間絶縁膜が形成され、アルミ・ネオジウム合金薄膜(AlNd)と酸化インディウム・錫薄膜(ITO)の間には200nmの窒化シリコン膜と平均1μmの有機平坦化膜を積層した保護絶縁膜が形成され、互いの配線間を絶縁しており、適切な位置にコンタクトホールを開口して互いに接続される。なお、図5中にはクロム薄膜(Cr)パターンは存在しない。
図5で示すように、データ線202−mはアルミ・ネオジウム合金薄膜(AlNd)により形成され、コンタクトホールを介して画素スイッチング素子401−n−mのソース電極に接続される。走査線201−nはモリブデン薄膜(Mo)で構成され、画素スイッチング素子401−n−mのゲート電極を兼用する。容量線203−nは走査線201−nと同じ配線材料から構成され、画素電極402−n−mは酸化インディウム・錫薄膜よりなり、画素スイッチング素子401−n−mのドレイン電極にコンタクトホールを通じて接続される。また、画素スイッチング素子401−n−mのドレイン電極はリンを高濃度ドープされたn+型ポリシリコン薄膜よりなる容量部電極605にも接続され、容量線203−nと平面的に重なって補助容量コンデンサー403−n−mを構成する。
図6は画素スイッチング素子401−n−mの構造を説明するための図5のA−A'線部に対応する液晶表示装置910の一部の断面構造を示す図である。なお、図を見やすくするために縮尺は一定でない。アクティブマトリクス基板101は無アルカリガラスよりなる厚さ0.6mmの絶縁基板であって、その上に200nmの窒化シリコン膜と300nmの酸化シリコン膜を積層した下地絶縁膜を介してポリシリコン薄膜よりなるシリコンアイランド602が配置され、走査線201−nはシリコンアイランド602と前述のゲート絶縁膜を挟んで上方に配置される。
走査線201−nとオーバーラップする領域ではシリコンアイランド602はリンイオンが全く、あるいはごく低濃度しかドープされていない真性半導体領域602Iであり、その左右にリンイオンが低濃度にドープされたシート抵抗20kΩ程度のn−領域602Lが存在し、さらにその左右にリンイオンが高濃度にドープされたシート抵抗1kΩ程度のn+領域602Nが存在する、LDD(Lightly Doped Drain)構造である。左右のn+領域602Nは層間絶縁膜にそれぞれ形成したコンタクトホールを介してソース電極603、ドレイン電極604と接続しており、ソース電極603はデータ線202−mと、ドレイン電極604は層間絶縁膜にそれぞれ形成した画素電極402−n−mとそれぞれ接続している。画素電極402−n−mと対向基板912上の対向電極930との間にはネマティック相液晶材料922が存在する。また、画素電極402−n−mと一部重なるようにしてブラックマトリクス940が対向基板912上に形成されている。なお、画素スイッチング素子401−n−mの光リーク電流が問題になる場合はシリコンアイランド602下にCr膜よりなる遮光層を形成しても良い。本実施例では光リーク電流はほとんど問題ではなく、かつこのような構造をとると、画素スイッチング素子401−n−mの移動度が下がるため、シリコンアイランド602下のCr膜は除去する構成を選択した。
図7は補助容量コンデンサー403−n−mの構造を説明するための図5のB−B'線部に対応する液晶表示装置910の一部の断面構造を示す図であり、ドレイン電極604と繋がる容量部電極605と容量線203−nがゲート絶縁膜をはさんで重なることで蓄積容量を形成している。
図8は受光センサー350P−1(第1の光センサー)と遮光センサー350D−1(第2の光センサー)付近の拡大平面図である。なお、図を見やすくするために縦と横の縮尺は一定でない。また、凡例は図5と同様である。受光センサー350P−1は太点線で示す受光開口部990−1と平面的に重なっており、外光が照射されるようになっている。受光センサー350P−1は4箇所の孤立した受光部350P−1Iとそれに隣り合う配線SENSEに接続されるアノード領域350P−1Pと、配線VSHに接続されるカソード領域350P−1Nとによって構成される。受光部350P−1I、アノード領域350P−1P、カソード領域350P−1Nはいずれも同一のポリシリコン薄膜アイランドがドープ濃度の違いによって分離されることで構成され、アノード領域350P−1Pは比較的高濃度のボロンイオンがドープされ、カソード領域350P−1Nは比較的高濃度のリンイオンがドープされ、受光部350P−1Iはごく低濃度でしかボロンイオン・リンイオンを含まない。また、アノード領域350P−1P、カソード領域350P−1N、受光部350P−1Iはそれぞれ幅10μmであって、受光部350P−1Iの長さはそれぞれ1000μmである。このように受光センサー350P−1は複数の並列接続されたPIN接合ダイオードを構成している。受光センサー350P−1及び遮光センサー350D−1の表示領域310に近い側には共通電位配線335が配置されるが、本実施例では受光センサー350P−1及び遮光センサー350D−1には接続されず、電磁ノイズの影響を避けるため100μm離して配置している。
遮光センサー350D−1は4箇所の孤立した受光部350D−1Iとそれに隣り合う配線VSLに接続されるアノード領域350D−1Pと、配線SENSEに接続されるカソード領域350D−1Nとによって構成される。カソードとアノードが接続される配線が異なることと、受光開口部990−1と平面的に重なっていないこと以外は受光センサー350P−1と遮光センサー350D−1は同一の構成であるので、これ以上の説明は省略する。また、受光センサー350P−2〜350P−5は受光センサー350P−1と、遮光センサー350D−2〜350D−5は遮光センサー350D−1と、それぞれ配置位置を除いて同様の構成であるので説明は省略する。
図9は受光センサー350P−1の構造を説明するための図8の線C−C'線部に対応する液晶表示装置910の一部の断面構造を示す図である。アクティブマトリクス基板101上には下地絶縁膜を介してバックライト遮光電極611P−1(第1の遮光電極)が配置され、その上に薄膜ポリシリコンよりなる受光センサー350P−1がゲート絶縁膜を挟んで形成される。。受光センサー350P−1が4箇所の受光部350P−1Iとそれに隣り合う配線VSLに接続されるアノード領域350P−1Pと、配線SENSEに接続されるカソード領域350P−1Nとによって構成されるのは前述の通りである。受光センサー350P−1の上方には層間絶縁膜、平坦化絶縁膜を介して酸化インディウム・錫薄膜(ITO)よりなる透明電極612P−1(第1の透明電極)が配置され、受光部350P−1Iに対する電界シールドとして機能する。透明電極612P−1の上方はネマティック相液晶材料922が封入され、対向基板912上の対向電極930が配置される。なお、受光センサー350P−1配置位置によってはネマティック相液晶材料922のかわりにシール材923が配置されることもある。受光開口部990−1は対向基板912上のブラックマトリクス940を部分的に除去することで形成されてなる。図示しないが、遮光センサー350D−1上には受光開口部は存在しないので、ブラックマトリクス940は除去されない。
対向基板912の上方からは外光LAが照射され、他方、アクティブマトリクス基板101の下方からはバックライトユニット926からの光(バックライト光LB)が照射される構成となっている。
なお、本実施例では実施していないが、受光開口部990−1部に光学的な補正層を入れてもよい。例えば対向基板912に形成される画素に対応したカラーフィルタを構成する色材のうちの一つあるいは複数を受光開口部990−1と重ねて形成して、視感度分光特性と受光センサー350P−1をより一致させるようにしてもよい。例えばグリーンの画素に対応する色材を受光開口部990−1上に重ねて形成すれば、短波長と長波長側をカットするため、受光センサー350P−1の分光特性が視感度分光特性より短波長あるいは長波長にずれていても補正できる。その他、反射防止膜や干渉層、偏光層等と目的に応じて受光開口部990−1部を重ねればよい。また、本図では図示してないが、上偏光板924は受光開口部990−1と重ねてもよいし、除去しても良い。重ねた方が受光開口部990−1は目立たなくなるが、除去すると光感度が向上する。
本実施例では液晶表示装置910は低消費電力化のため、共通電位配線335に反転信号を印加する共通電極反転駆動(コモンAC駆動)を行っているので、対向電極930には振幅V0〜5V、周波数14KHzのAC信号が印加される。しかしながら対向電極930より生じる電磁波は透明電極612P−1によってシールドされるため、対向電極930反転時に受光センサー350P−1にノイズがほとんどのることがない。同様に下方からの電磁ノイズに対してはバックライト遮光電極611P−1がシールドとして機能する。
図10は図8の線D−D'線部に対応する液晶表示装置910の一部の断面構造を示す図である。下地絶縁膜上に形成されるバックライト遮光電極611P−1(第1の遮光電極)とバックライト遮光電極611D−1(第2の遮光電極)は遮光電極間隙611Gによって互いに離間しており、別々の電位を与えられる。また平坦化絶縁膜上に形成される透明電極612P−1(第1の透明電極)と透明電極612D−1(第2の透明電極)も透明電極間隙612Gによって互いに離間しており、別々の電位を与えられる。バックライト遮光電極611P−1と透明電極612P−1は互いに中間電極613P−1とゲート絶縁膜、層間絶縁膜および平坦化絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して接続されており、最終的に配線PBTに接続される。バックライト遮光電極611D−1と透明電極612D−1は互いに中間電極613D−1とゲート絶縁膜、層間絶縁膜および平坦化絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して接続されており、最終的に配線DBTに接続される。
ここで遮光電極間隙611Gと透明電極間隙612Gはアクティブマトリクス基板101および対向基板912の鉛直方向において互いに重ならない。このように構成すると、平面的に上下ともにシールドされていない領域がなくなるので、間隙から進入する電磁ノイズが左右に広がりにくくなり、間隙によるシールド性能の低下を軽減できる。
また、遮光電極間隙611Gと重なるようにモリブデン薄膜(Mo)よりなる間隙遮光体610が形成される。これにより、遮光電極間隙611Gより進入するバックライト光が各種絶縁膜やガラスの界面等で多重反射され、迷光となって受光センサー350P−1や遮光センサー350D−1に到達する割合を飛躍的に軽減できる。
以上のような構成による受光センサー350P−1〜350P−6、遮光センサー350D−1〜350D−6の等価回路が図11である。各受光センサー350P−1〜350P−6、遮光センサー350D−1〜350D−6はそれぞれ、4つのPINダイオードが並列に接続されている。また、各受光センサー350P−1〜350P−6も互いに並列に接続されており、遮光センサー350D−1〜350D−6も互いに並列に接続されている。ゆえに最終的に図11は図12の回路図と等価である。すなわち、遮光センサー350D−1〜350D−6はチャネル幅24000μm、チャネル長10μmのPINダイオードであり、そのアノードは配線VSLに接続され、そのカソードは配線SENSEに接続される。また、遮光センサー350D−1〜350D−6と平面的に重なるバックライト遮光電極611D−1〜611D−6及び透明電極612D−1〜612D−6は配線DBTに接続される。受光センサー350P−1〜350P−6はチャネル幅24000μm、チャネル長10μmのPINダイオードであり、そのアノードは配線SENSEに接続され、そのカソードは配線VSHに接続される。また、受光センサー350P−1〜350P−6と平面的に重なるバックライト遮光電極611P−1〜611P−6及び透明電極612P−1〜612P−6は配線PBTに接続される。
図13は一定の外光照度LXが液晶表示装置910に照射された時の受光センサー350P−1〜350P−6と遮光センサー350D−1〜350D−6を構成するPINダイオードの特性を示したグラフである。横軸はバイアス電位Vd(=アノード電位−カソード電位)であり、縦軸はアノード−カソード間に流れる電流量Idである。実線で示したグラフ(A)は受光センサー350P−1〜350P−6の特性であり、破線で示したグラフ(B)は遮光センサー350D−1〜350D−6の特性である。このように順バイアス領域(Id>0)ではほぼ両者は一致するが、逆バイアス領域(Id<0)では受光センサー350P−1〜350P−6のグラフ(B)方が電流の絶対値が大きくなる。これは遮光センサー350D−1〜350D−6には外光が照射されないため、温度に起因する熱電流量Ileakのみが流れるが、受光センサー350P−1〜350P−6を構成するPINダイオードの受光部350P−1I〜350P−6Iに光が照射されるとキャリア対が生成され、光電流量Iphotoが流れるため、受光センサー350P−1〜350P−6では光電流量と熱電流量の和、Iphoto+Ileakが流れるためである。熱電流量IleakはVd(=アノード電位−カソード電位)依存性を示し、−5.0≦Vd≦−1.5の領域では傾きKA(KA>0)の直線として近似できる。ここでKAは温度に対する関数であって、温度が上昇すると指数関数的に上昇する。このVd領域(Vd=−5.0≦Vd≦−1.5)では受光センサー350P−1〜350P−6に流れる光電流量Iphotoはほぼ一定の値を有し、外光照度LXに比例する(以下、Iphoto=LX×kとする)。ゆえに、受光センサー350P−1〜350P−6に流れる電流(グラフ(A))、遮光センサー350D−1〜350D−6に流れる電流(グラフ(B))ともに−5.0≦Vd≦−1.5の領域では傾きKA(KA>0)の直線である。
ここで遮光センサー350D−1〜350D−6と受光センサー350P−1〜350P−6のVdを同じになるようにバイアスを設定する、すなわち配線SENSEの電位VSENSEを配線VSHの電位VVSHと配線VSLの電位VVSLのちょうど中間である(VVSH+VVSL)÷2に設定すると、受光センサー350P−1〜350P−6と遮光センサー350D−1〜350D−6に流れる熱電流量(Ileak)は全く一致する。このとき、配線VSHに流れる電流量(=受光センサー350P−1〜350P−6に流れる電流量)はIphoto+Ileakであり、配線VSLにながれる電流量(=遮光センサー350D−1〜350D−6に流れる電流量)はIleakであるので、キルヒホッフ第1法則から配線SENSEに流れる電流量はIphoto=LX×kとなって、外光照度LXに比例する。なお実施例では受光センサーを高電位側に、遮光センサーを低電位側に接続したが、もちろん別でも差し支えないし、結論は同じである。
図14は検出回路360の回路図である。配線VCHG、配線RST、配線VSL、配線VSH、配線OUTは信号入力端子320と接続され、また配線VSL、配線VSH、配線SENSE、配線PBT、配線DBT配線は受光センサー350P−1〜350P−6及び遮光センサー350D−1〜350D−6に接続される。ここで配線VCHG、配線VSL、配線VSHは外部電源回路784より供給されるDC電源に接続され、VCHG配線は電位VVCHG(=2.0V)、VSL配線は電位VVSL(=0.0V)、VSH配線は電位VVSH(=5.0V)を供給される。なお、ここでVSL配線の電位VVSLは液晶表示装置910のGNDである。
配線SENSEは第1のコンデンサーC1と、第3のコンデンサーC3の各一端に接続される。また、初期充電トランジスターNCのドレイン電極に接続される。第3のコンデンサーC3の他端は配線VSLに接続される。第1のコンデンサーC1の他端はノードAに接続される。初期充電トランジスターNCのソース電極は配線VCHGに接続され、電位VVCH(=2.0V)電源を供給される。初期充電トランジスターNCのゲート電極は配線RSTに接続される。ノードAはさらに第1のN型トランジスターN1のゲート電極と第1のP型トランジスターP1のゲート電極とリセットトランジスターNRのドレイン電極に接続され、さらに第2のコンデンサーC2の一端に接続される。第2のコンデンサーC2の他端は配線RSTに接続される。第1のN型トランジスターN1のドレイン電極と第1のP型トランジスターP1のドレイン電極とリセットトランジスターNRのソース電極はノードBに接続され、ノードBはさらに第2のN型トランジスターN2のゲート電極と第2のP型トランジスターP2のゲート電極に接続される。第2のN型トランジスターN2のドレイン電極と第2のP型トランジスターP2のドレイン電極はノードCに接続され、ノードCはさらに第3のN型トランジスターN3のゲート電極と第3のP型トランジスターP3のゲート電極に接続される。第3のN型トランジスターN3のドレイン電極と第3のP型トランジスターP3のドレイン電極はノードDに接続され、ノードDはさらに第4のN型トランジスターN4のゲート電極と第4のP型トランジスターP4のゲート電極に接続される。第4のN型トランジスターN4のドレイン電極と第4のP型トランジスターP4のドレイン電極は配線OUTに接続され、配線OUTはさらに第5のN型トランジスターN5のドレイン電極にも接続される。第5のN型トランジスターN5のゲート電極と第5のP型トランジスターP5のゲート電極は配線RSTに接続され、第5のP型トランジスターP5のドレイン電極は第4のP型トランジスターP4のソース電極に接続される。第1〜5のN型トランジスターN1〜N5のソース電極は配線VSLに接続され、電位VVSL(=0V)を供給されてなる。また第1〜3のP型トランジスターP1〜P3及び第5のP型トランジスターP5のソース電極は配線VSHに接続され、電位VVSH(=+5V)を供給されてなる。
また、検出回路360には配線PBTと配線DBTに印加する電位をトランジスターの閾値電圧(Vth)から自動的に補正する自己補正電圧回路361も備えてなる。自己補正電圧回路361は第6のN型トランジスターN11と、第6のP型トランジスターP11のドレイン電極及びゲート電極がそれぞれ配線PBTに接続され、第7のN型トランジスターN21と、第7のP型トランジスターP21のドレイン電極及びゲート電極がそれぞれ配線DBTに接続され、第6のN型トランジスターN11と、第7のN型トランジスターN21のソース電極は配線VSLに接続されて電位VVSL(=0V)を供給され、第6のP型トランジスターP11と、第7のP型トランジスターP21のソース電極は配線VSHに接続され、電位VVSH(=+5V)を供給されて構成される。
また、検出回路360は画素電極402−n−mを構成する酸化インディウム・錫薄膜(ITO)と同一の膜で形成されたシールド電極369によって全面を覆われる。シールド電極369は配線VSLを通じて液晶表示装置910のGND電位に接続され、電磁ノイズに対するシールドとして機能する。
ここで本実施例では第1のN型トランジスターN1のチャネル幅は10μmであり、第2のN型トランジスターN2のチャネル幅は35μmであり、第3のN型トランジスターN3のチャネル幅は100μmであり、第4のN型トランジスターN4のチャネル幅は150μmであり、第5のN型トランジスターN5のチャネル幅は150μmであり、第6のN型トランジスターN11のチャネル幅は4μmであり、第7のN型トランジスターN21のチャネル幅は200μmであり、第1のP型トランジスターP1のチャネル幅は10μmであり、第2のP型トランジスターP2のチャネル幅は35μmであり、第3のP型トランジスターP3のチャネル幅は100μmであり、第4のP型トランジスターP4のチャネル幅は300μmであり、第5のP型トランジスターP5のチャネル幅は300μmであり、第6のP型トランジスターP11のチャネル幅は200μmであり、第7のP型トランジスターP21のチャネル幅は4μmであり、リセットトランジスターNRのチャネル幅は2μmであり、初期充電トランジスターNCのチャネル幅は50μmであり、全てのN型トランジスターのチャネル長は8μmであり、全てのP型トランジスターのチャネル長は6μmであり、全てのN型トランジスターの移動度は80cm2/Vsecであり、全てのP型トランジスターの移動度は60cm2/Vsecであり、全てのN型トランジスターの閾値電圧(Vth)は+1.0Vであり、全てのP型トランジスターの閾値電圧(Vth)は−1.0Vであり、第1のコンデンサーC1の容量は1pFであり、第2のコンデンサーC2の容量は100fFであり、第3のコンデンサーC3の容量は100pFである。
配線RSTは電位振幅0−5Vのパルス波であって、周期510m秒毎にパルス長100μ秒の間High電位(5V)に保持され、残りの509.9m秒間はLow電位(0V)に保持される。RST配線が510m秒毎にHigh(5V)になると、初期充電トランジスターNCとリセットトランジスターNRがONし、配線SENSEにはVCHG配線の電位(2.0V)がチャージされ、ノードAとノードBは短絡する。第1のN型トランジスターN1と第1のP型トランジスターP1はインバーター回路を構成するから、インバーター回路のIN/OUTが短絡される。このとき、ノードAとノードBの電位は最終的に以下の数式で表される電位VSに到達する(詳細なる計算は例えばKang Leblebici著”CMOS Digital Integrated Circuits” Third Edition P206などを参照)。
ここで、Wn:第1のN型トランジスターN1のチャネル幅、Ln:第1のN型トランジスターN1のチャネル長、μn:第1のN型トランジスターN1の移動度、Vthn:第1のN型トランジスターN1の閾値電圧、Wp:第1のP型トランジスターP1のチャネル幅、Lp:第1のP型トランジスターP1のチャネル長、μp:第1のP型トランジスターP1の移動度、Vthp:第1のP型トランジスターP1の閾値電圧であるので、本実施例においてはVS=2.5(V)と計算される。なお、配線RSTがHigh(5V)である間は第5のN型トランジスターN5がONし、第5のP型トランジスターP5がOFFしているのでOUT配線は0Vである。
RST配線が100μ秒後にLow(0V)になると、リセットトランジスターNRがOFFし、ノードAとノードBは電気的に切り離される。この時、第1のN型トランジスターN1と第1のP型トランジスターP1で構成されるインバーター回路はノードAの電位がVSより低ければノードBにVSより高い電位を出力し、ノードAの電位がVSより高ければノードBにVSより低い電位を出力する。第2のN型トランジスターN2と第2のP型トランジスターP2および第3のN型トランジスターN3と第3のP型トランジスターP3もそれぞれインバーター回路を構成するが、同様に入力段の電位がVSより低ければVSより高い電位を、入力段の電位がVSより高ければVSより低い電位を、それぞれ出力する。この時、入力段の電位のVSとの差より出力段の電位のVSとの差はより大きくなり、配線VSHの電位VVSH(=+5V)もしくは配線VSLの電位VVSL(=0V)へと近づく。結果、ノードAの電位がVSより低ければノードDはほぼVSH配線の電位VVSH(=+5V)となり、ノードAの電位がVSより高ければノードDはほぼVSL配線の電位VVSL(=0V)となる。第4のN型トランジスターN4及び第5のN型トランジスターN5、第4のP型トランジスターP4及び第5のP型トランジスターP5はNOR回路を構成してなるので、RST配線の電位がLow(0V)である期間ではノードDがHigh(+5V)であればLow(0V)を、ノードDがLow(0V)であればHigh(+5V)を、それぞれOUT配線へ出力する。すなわち、RST配線の電位がLow(0V)である期間ではノードAの電位がVSより低ければOUT配線への出力はLow(0V)であり、ノードAの電位がVSより高ければOUT配線への出力はHigh(+5V)となる。
ノードAは前述の通り、配線RSTがLow(0V)になってリセットトランジスターNRがOFFし、ノードAとノードBは電気的に切り離されるが、これと同時に第2のコンデンサーC2の結合によって配線RSTと同時に電位が下がる。ここで第1のコンデンサーC1の容量CC1(=1pF)がコンデンサーC2の容量CC2(=100fF)及び第1のN型トランジスターN1、第1のP型トランジスターP1、リセットトランジスターNRのゲート・ドレイン間容量(本実施例ではいずれも10fF以下)より十分大きければ、またリセットトランジスターNRの書き込みインピーダンスと第1のコンデンサーC1の容量の積(本実施例では約1μ秒)が配線RSTの電位の立ち下げ期間(本実施例では100n秒)より十分大きければ配線RSTがLow(0V)になったとき(以下、これを時間t=0)とするのノードAの電位(以下、VA(t)とする)は以下の式で表される。
本実施例ではVA(t=0)=2.0Vとなる。このとき、受光センサー350P−1にかかるバイアスはVd=−3.0Vであり、遮光センサー350D−1にかかるバイアスはVd=−2.0Vである。図13の説明から明らかなように、このとき、受光センサー350P−1と遮光センサー350D−1を構成するPINダイオードの熱電流量Ileakの差はKA×1.0で表される。従って、配線SENSEには受光センサー350P−1に照射される外光に応じた光電流量Iphotoに電流量KA×1.0を加えた電流が流れる。ここで、KA<<Iphotoであれば配線SENSEに流れる電流量はIphotoのみと近似でき、熱電流の寄与を除去できることになる。本実施例では動作保証温度上限の70℃におけるKAと照度10ルクスにおけるIphotoが等しくなった。このことから、外光照度100ルクス以上であれば動作保証温度範囲内において効果的に熱リークを除去できる。
ここで外光とIphotoの関係は前述の通り、このバイアス条件では外光が受光センサー350P−1を照らす外光照度LXに比例してVdには依存せずIphoto=LX・kとなる(kは一定の係数)。RST配線がLow(0V)になると、ノードAはフローティング状態であるので、第2のコンデンサーC2の容量CC2及び第1のN型トランジスターN1、第1のP型トランジスターP1のゲート・ソース間容量を無視すればほぼ実効的な容量は第3のコンデンサーC3の容量CC3のみとなって、配線SENSEの電位VSENSEは以下の式で示すように変化する。
なお、ここでは説明のために受光センサー350P−1及び遮光センサー350D−1、及び引き回し配線での付加容量を無視して説明をしている。これらの付加容量分は上記のCC3に加算すればよい。また、受光センサー350P−1及び遮光センサー350D−1、及び引き回し配線での付加容量が十分大きい場合は第3のコンデンサーC3は無くても良い。従って、CC3の値は受光センサー350P−1及び遮光センサー350D−1、及び引き回し配線の付加容量から下限が決定される。
VA(t)はVSENSE(t)が変化すると容量結合で同じ電位分変化する。従って、ノードAの電位VAは以下のような式で表される。
ここでVA(t)=VSとなる時間t0は、以下のような式で表される。
すなわち、時間t0でOUT出力はLow(0V)→High(5V)へと反転することになり、この時間t0から外光照度LXは容易にもとまる。
検出回路360はRST配線がLow(0V)である間、ノードAがフローティング状態となり、ここに電磁ノイズが進入してノードAの電位が変化すると誤動作する。従って、電磁ノイズの防止が極めて重要であり、このためにシールド電極369を配置している。
さて本構成のようなラテラル構造のPIN型ダイオードやPN型ダイオードは垂直方向の電界に対して光電流量Iphotoが変化するという問題がある。本実施例にあわせて具体的に言うと、配線PBTに接続される透明電極612P−1〜612P−6とバックライト遮光電極611P−1〜611P−6の電位(以下、VPBT)が受光センサー350P−1〜350P−6の特性に、配線DBTに接続される透明電極612D−1〜612D−6とバックライト遮光電極611P−1〜611P−6の電位(以下、VDBT)が遮光センサー350D−1〜350D−6の特性に、それぞれ影響する。
図15は受光センサー350P−1〜350P−6及び遮光センサー350D−1〜350D−6を構成するダイオードの特性について、遮光電極(及び透明電極)−カソード電極間の電位差を横軸にとり、PINダイオードの23℃、バイアスVd=−2.5V、外光1000ルクス条件におけるアノード・カソード間電流を縦軸にとった時のグラフである。本実施例では横軸は受光センサー350P−1〜350P−6ではVPBT−VVSH、遮光センサー350D−1〜350D−6ではVDBT−VSENSEに相当する。
実線(A)はピーク電流を示す横軸の電圧値が複数サンプル数を測定したうち、中央値を示したサンプルの結果であり、点線(B)は同じくピーク電流を示す横軸の電圧値が複数サンプル測定したうち、最大値を示したサンプルの結果であり、破線(C)は同じくピーク電流を示す横軸の電圧値が複数サンプル測定したうち、最小値を示したサンプルの結果である。いずれもある適正電圧をピークにもつことがわかる(この光電流がピークになる遮光電極(及び透明電極)−カソード電極間の電位差を以下VMAXと呼ぶ)。これは遮光電極(及び透明電極)−カソード電極間の電位差が適正電圧であるとPIN接合ダイオードの受光部(図8における受光部350P−1I、受光部350D−1Iが相当する)が空乏化して全域で光によってキャリアが励起されるのに対し、遮光電極(及び透明電極)−カソード電極間の電位差が適正電圧よりプラスになると受光部がN型化、同じく適正電圧よりマイナスになると受光部がP型化し、空乏層の幅が狭くなり、光によってキャリアが励起される面積が制限されるためである。従って、光電流を十分に得るためにはVPBT,VDBTを適正に制御し、VMAX点になるようにする必要がある。図15のグラフ(A)からわかるように、製造バラツキの中央値において遮光層及び透明電極の電位はカソード電極に印加している電位から1.4V程度低い電位にすることが好ましい。しかし、グラフ(A)とグラフ(B)とグラフ(C)を比較してわかるように、実際には製造ばらつきによって適正電位VMAXは若干ずれる。これは、ポリシリコン薄膜中の欠陥準位や下地絶縁膜・ゲート絶縁膜界面の固定電荷などが製造工程でばらつくために発生する現象である。
図16は同一基板上に作成した薄膜トランジスターとPINダイオードの相関を示す散布図である。N型薄膜トランジスターの閾値電圧(VthN)とP型薄膜トランジスターの閾値電圧(VthP)の平均を横軸に、PINダイオードの光電流を最大にする適正電位VMAXを縦軸にしている。図16から分かるとおり、薄膜トランジスターの閾値とPINダイオードの光電流を最大にする適正電位VMAXは強い正の相関を有する。本実施例では図16グラフ(A)のように、遮光電極(及び透明電極)がカソード電極電位に比べ1.4V程度低い時に光電流は最大値を示し(VMAX)、この時のN型薄膜トランジスターの閾値電圧(VthN)は+1.0V、とP型薄膜トランジスターの閾値電圧(VthP)は−1.0Vであるのが製造ばらつき中の平均的な状態であり、製造ばらつきでVthNとVthPの平均が1VずれるとVMAXも1Vずれる、ほぼy=x(点線)の正の相関を示していた。
以上をふまえ、本実施例では薄膜トランジスターの閾値(Vth)をもとに電圧を自己補正し、配線PBTと配線DBTに電圧を印加する自己補正電圧回路361を用いている。本実施例での製造ばらつき中の平均的な値では、VthN=+1.0、VthP=−1.0であって、このとき自己補正電圧回路361は配線PBTには3.6Vが、配線DBTには1.4Vを印加する。受光センサー350P−1〜350P−6ではカソードは配線VSHと接続され5.0Vであるから、バックライト遮光電極611P−1〜611P−6及び透明電極612P−1〜612P−6とカソードの電位差は−1.4Vとなり、これが光電流を得られる最適電位(VMAX)となる。製造ばらつきでトランジスターの特性が変動し、例えばVthN=+1.5、VthP=−0.5であれば配線PBTには4.1Vが、配線DBTには1.9Vが印加される。同様に例えばVthN=+0.5、VthP=−1.5であれば配線PBTには3.1Vが、配線DBTには0.9Vがそれぞれ印加される。いずれの場合もトランジスターのしきい値が変動するとそれにあわせて配線PBTと配線DBTに印加される電位も変動するので、常に光電流がほぼ最大に得られるのである。
図17は図16の自己補正電圧回路361の別なる構成である第2の自己補正電圧回路361'を示す回路図である。第8のN型トランジスターN31のゲート電極とドレイン電極と第8のP型トランジスターP31のゲート電極とドレイン電極は全てノードEに接続される。また、ノードEは第9のP型トランジスターP41のゲート電極と、第9のN型トランジスターN41のゲート電極にも接続される。第9のP型トランジスターP41のソース電極は配線PBTに接続され、ドレイン電極は配線VSLに接続される。また、第10のP型トランジスターP42のドレイン電極は配線PBTに接続され、ソース電極は配線VSHに接続され、ゲート電極は調整電源配線Voff1に接続される。る。第9のN型トランジスターN41のソース電極は配線DBTに接続され、ドレイン電極は配線VSHに接続される。第10のN型トランジスターN42のドレイン電極は配線DBTに接続され、ソース電極は配線VSLに接続され、ゲート電極は調整電源配線Voff2に接続される。調整電源配線Voff1及び調整電源配線Voff2は信号入力端子320を通じて外部電源回路784より供給される電源であって、調整電源配線Voff1は3.9V、調整電源配線Voff2は1.1Vに設定される。ここで、第8のN型トランジスターN31のチャネル幅は10μm、第8のP型トランジスターP31のチャネル幅は10μm、第9のN型トランジスターN41のチャネル幅は100μm、第10のN型トランジスターN42のチャネル幅は100μm、第9のP型トランジスターP41のチャネル幅は100μm、第10のP型トランジスターP42のチャネル幅は100μmであり、全てのN型トランジスターのチャネル長は8μmであり、全てのP型トランジスターのチャネル長は6μmであり、全てのN型トランジスターの移動度は80cm2/Vsecであり、全てのP型トランジスターの移動度は60cm2/Vsecである。以上のように構成すると、第2の自己補正電圧回路361'より配線DBTに出力される電圧および配線PBTに出力される電圧と薄膜トランジスターの閾値電圧(Vth)の関係は図14の自己補正電圧回路361の時と全く同様になる。
図14の自己補正電圧回路361の構成と比較して図17の第2の自己補正電圧回路361'の構成は調整電源配線Voff1及び調整電源配線Voff2の電位を調整することでアクティブマトリクス基板101を変更することなく配線DBTに出力される電圧および配線PBTに出力される電圧を調整可能である点が利点である。一方、素子数、配線数、端子数が増大するため、回路面積の観点からは不利な構成となっているので、いずれを採用するかはそれぞれの長短所をふまえた上で任意に決定すればよい。また、本発明はこれらの回路構成に限定されるものではなく、その他、既知のあらゆる電圧回路を自己補正電圧回路361の代わりに使用して差し支えない。また、配線DBTおよび配線PBTを信号入力端子320を介して外部電源回路784に接続し、適切な電位を外部電源回路784から供給してもよい。この場合、外部電源回路784から出力する電位の設定値をEEPROMなどに製品毎に書き込むことで製品ばらつきに対する制御も可能となる。
なお、今回の実施例では受光センサー350P−1〜350P−6および遮光センサー350D−1〜350D−6に接続する電源の配線VSHと電源の配線VSLを検出回路360の駆動電源としても用いたが、これらは別の電源配線としてもよい。このように構成すると、配線や端子数が増大する一方で、検出回路360の動作ノイズが受光センサー350P−1〜350P−6および遮光センサー350D−1〜350D−6に影響しにくいという利点がある。
本実施例では、中央演算回路781が端子OUTの信号を監視し、反転した時間t0から離散値V10をまず得る。離散値V10は任意の回数サンプリングされ、この平均値V10_を得る。このV10_から参照テーブル785を参照し、V10_に対応する適切なバックライトユニット926の電圧設定値V20を得る。中央演算回路781はこのV20値を外部電源回路784に送ることでバックライトユニット926の輝度が変更される。これにより液晶表示装置910の全白表示時輝度が変化し、ユーザーにとって過剰な輝度を抑えることで視認性を向上させるとともに消費電力の増大を抑えることができるのである。
本実施例では外部光の検出照度とバックライト輝度の関係は図18のように設定した。検出照度300(ルクス)まではバックライトの照度を緩やかに上げ、300ルクス以上では比較的傾きを大きくして照度を上げる。検出照度2000ルクスで輝度はMAXとなって以降は同じ状態となる。このように設定すると、外光が300ルクス以下で周囲がごく暗く、ユーザーの瞳孔が開いている時にはまぶしくない程度にバックライトを抑え、300ルクス〜2000ルクスまでの外光が液晶パネルに映り込む領域では周囲の明るさに合わせて輝度を急速に上げて視認性を低下させないことが出来る。
一方、本実施例のように透過型ではなく、半透過型液晶を使う場合は図19のようにすればよい。外光照度5000ルクスまでは同様であるが、それ以上では反射部分だけで十分な視認性になるため、バックライトを完全にOFFし、消費電力を節約できるようになっているため、特に屋外で使用すると搭載する電子機器のバッテリー駆動時間が飛躍的に延びる。
もちろん、この制御カーブは一例であって、用途に応じ、どのようなカーブの設定にしてもよいし、ちらつきを抑えるためにカーブにヒステリシスを持たせるなどしてもよい。また、測定毎に輝度調整するのではなく、複数回数を測定し、平均や中央値をとって輝度を調整するなどしてもよい。
受光センサー350P−1〜350P−6および遮光センサー350D−1〜350D−6をフォトトランジスターで構成する場合も基本的に本実施例で述べたように、受光センサー350P−1〜350P−6および遮光センサー350D−1〜350D−6と平面的に重なる電極に印加する電圧は個別に最適化することが好ましい。フォトトランジスターにおける空乏層の広がりもまた、平面的に重なる電極の影響を受けるからである。
[第2の実施の形態]
図20は第2の実施例に係る液晶表示装置910Bの斜視構成図(一部断面図)であって、第1の実施例における図1で説明された液晶表示装置910にかわるものである。以下、第1の実施例での図1での液晶表示装置910との差異を説明する。
本実施例では受光開口部990−1〜990−6にかわり、10個の受光開口部991−1〜991−10が配置される。ここで受光開口部991−1〜991−6は張り出し部102から遠い対向する周縁部に設置され、受光開口部991−7〜991−10は張り出し部102に直交する周縁部の辺に設置される。また、アクティブマトリクス基板101にかわり、アクティブマトリクス基板101Bが使用され、対向基板912は対向基板912Bにおきかわる。ここで対向基板912Bはその厚みが0.25mmであることを除き、対向基板912同様の構成である。その他の点は第1の実施例での図1と相違ないので同じ記号を付与して説明は省略する。
図21は第2の実施例に係るアクティブマトリクス基板101Bのブロック図であって第1の実施例における図2で説明されたアクティブマトリクス基板101にかわるものであり、以下、第1の実施例の図2でのアクティブマトリクス基板101との相違点を中心に説明する。本実施例では配線DBT、配線PBTは存在せず、受光センサー350P−1〜350P−6は受光センサー351P−1〜351P−10に、遮光センサー350D−1〜350D−6は遮光センサー351D−1〜351D−10にそれぞれ置き換えられる。ここで受光センサー351P−1〜351P−6及び遮光センサー351D−1〜351D−10は受光開口部991−1〜991−6が設けられた周縁部と同じ辺に配置され、受光センサー351P−1〜351P−6は受光開口部991−1〜991−6と平面的に重なって配置構成される。また受光センサー351P−7〜351P−10及び遮光センサー351D−7〜351D−10は受光開口部991−1〜991−6が設けられた周縁部と同じ辺に配置され、受光センサー351P−1〜351P−6は受光開口部991−1〜991−6と平面的に重なって配置構成される。受光センサー351P−1〜351P−10は配線SENSE及び配線VSHに接続され、遮光センサー351D−1〜351D−10は配線VSLと配線SENSEと配線VCHGに接続される。検出回路360は検出回路362に置き換えられる。その他の点においては第1の実施例となんら相違無いので、同じ記号を付与することで説明は省略する。また、本実施例における配線VSHに与えられる電位は5.0Vであり、配線VSLに与えられる電位は0.0Vであり、配線VCHGに与えられる電位は2.0Vであり、配線RSTに与えられる信号は電位振幅0−5Vのパルス波であって、周期510m秒毎にパルス長100μ秒の間High電位(5V)に保持され、残りの509.9m秒間はLow電位(0V)に保持される。これらも第1の実施例と相違無い。
図22は検出回路362の回路図であり、第1の実施例の図14に示した検出回路360との相違点を説明する。本実施例では配線DBT、配線PBTは存在せず、また自己補正電圧回路361も存在しない。変わりに配線VCHGを遮光センサー351D−1〜351D−10へそのまま出力している。また、シールド電極369は存在しない。これにより、第1の実施例に比べ、回路の付加容量が小さくなり、より高速かつ精度よく動作可能になっているが、一方で電磁ノイズには弱くなっており、シールド電極369の有無は検出回路の配置位置等による電磁ノイズの大小で決めればよい。第1のコンデンサーC1、第2のコンデンサーC2、第3のコンデンサーC3の接続および容量、初期充電トランジスターNC、初期充電トランジスターNC、第1〜第5のN型トランジスターN1〜N5、第1〜第5のP型トランジスターP1〜P5の構成、サイズ、移動度、閾値電圧(Vth)の設定は全て第1の実施例と同様であるので説明は省略する。
図23は受光センサー351P−1(第1の光センサー)と遮光センサー351D−1(第1の光センサー)付近の拡大平面図である。第1の実施例の図8と比較しながら説明する。受光センサー351P−1は受光開口部990−1と平面的に重なっていて外光が照射されるようになっており、受光部351P−1I、アノード領域351P−1P、カソード領域351P−1Nによって構成され、遮光センサー351D−1は受光開口部990−1とは平面的に重なっておらず、受光部351D−1I、アノード領域351D−1P、カソード領域351D−1Nによって構成される。受光部351P−1I、アノード領域351P−1P、カソード領域351P−1N、受光部351D−1I、アノード領域351D−1P、カソード領域351D−1Nはそれぞれ第1の実施例における受光部350P−1I、アノード領域350P−1P、カソード領域350P−1N、受光部350D−1I、アノード領域350D−1P、カソード領域350D−1Nと構成・サイズ・接続先等は何ら変わりはないので説明は省略する。本実施例では受光センサー351P−1と重なるバックライト遮光電極614P−1は中間電極616P−1を通じて配線VSHに接続され、遮光センサー351D−1と重なるバックライト遮光電極614D−1は中間電極616D−1を通じて配線VCHGに接続される。また、受光センサー351P−1に重なる透明電極615は遮光センサー351D−1にも重なり、互いに分離されておらず、従って第1の実施例における透明電極間隙612Gは存在しない。透明電極614は受光センサー351P−1及び遮光センサー351D−1の表示領域310に近い側に配置される共通電位配線335が配置され、共通電位を与えられる。本実施例では共通電位配線335にはDC電位が印加され、その電位は4.0Vである。受光センサー351P−2〜351P−10は受光センサー351P−1と、遮光センサー351D−2〜351D−10は遮光センサー351D−1と、配置の位置・ピッチ・方向を除いて全く同一であるので説明を省略する。
液晶表示装置910Bを用いた電子機器については第1の実施例の図4の説明の通りであるので詳細は省略する。
受光開口部991−1〜991−6のサイズについては、該受光開口部990−1〜990−6が配置された表示領域310の周縁部の境界辺に平行な方向(以下、X方向とする)は第1の実施例と同じ10mmである。一方、受光開口部991−7〜991−10のX方向のサイズはバックライトユニット926に近い辺であって温度勾配が強くなることを勘案し、7mmと短くしている。これに応じて、受光開口部991−1〜991−6の配置ピッチは20mm、受光開口部991−7〜991−10の配置ピッチは14mmである。
表示領域310の境界辺に直交する方向(以下、Y方向とする)については、対向基板912Bの厚みが0.25mmであるので、第1の実施例と同じ0.3mmでは迷光が強くなり、測定精度が低下してしまうので、受光開口部991−1〜991−10全てでY方向は0.2mmのサイズに設定している。
本実施例のように、複数の辺に受光センサーを配置すると、より指や小さな影の影響を除去できるため、ますます好ましくなるが、光源との位置関係から温度勾配に気を使う必要がある。本実施例では2辺に受光センサーを配置したが、当然、3辺あるいは4辺に配置してもよい。また、本実施例では辺によってセンサーピッチ及び開口部のサイズを変えたが、同一辺の中で温度勾配が著しく異なるのであれば、同一辺内でセンサーピッチ及び開口部のサイズを変えても構わない。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
[産業上の利用可能性]
本発明は実施例の形態に限定されるものではなく、TNモードではなく垂直配向モード(VAモード)、横電界を利用したIPSモード、フリンジ電界を利用したFFSモードなどの液晶表示装置に利用しても構わない。また、全透過型のみならず全反射型、反射透過兼用型であっても構わない。また、液晶表示装置ではなく、有機ELディスプレイ、フィールドエミッション型ディスプレイに用いても良いし、液晶表示装置以外の半導体装置に用いても良い。
また、本実施例で示したような外光にあわせた表示輝度の制御だけでなく、表示装置の輝度や色度を測定してこれをフィードバックし、ムラや経年変化のない表示装置に用いても構わない。
101,101B…アクティブマトリクス基板(本発明の「第1の基板」、「半導体装置」の一例)、102…張り出し部、201−1〜201−480…走査線、202−1〜202−1920…データ線、301…走査線駆動回路、302…データ線駆動回路、320…信号入力端子、330−1〜330−2…対向導通部、335…共通電位配線、350P−1〜350P−6,351P−1〜351P−6…受光センサー(本発明の「第1の光センサー」の一例)、350D−1〜350D−6,351D−1〜351D−6…遮光センサー(本発明の「第2の光センサー」の一例)、360,362…検出回路(本発明の「光検出部」の一例)、361,361'…自己補正電圧回路、611P−1〜611P−6,611D−1〜611D−6…バックライト遮光電極、612P−1〜612P−6,612D−1〜612D−6…透明電極、781…中央演算回路、784…外部電源回路、910…液晶表示装置、911…液晶パネル(本発明の「パネル」の一例)、912…対向基板(本発明の「第2の基板」の一例)、922…ネマティック相液晶材料、923…シール材、926…バックライトユニット、927…導光板、940…ブラックマトリクス、990−1〜990−6,991−1〜991−10…受光開口部、LA…外光、LB…バックライト光。