JP2008209538A - 定着装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着装置1の最大消費電力を小さく留めつつ、定着装置1の立ち上げ時間を短縮し、かつ、シートS上のトナー像の定着を的確に行うことができる定着装置1を提供する。
【解決手段】内部に発熱源54、55を有する定着ローラ51と、加熱部材に圧接されニップを形成する加圧ローラ52と、定着ローラ51の温度を行う検知部材53と、発熱源54、55への通電を制御する制御部10とを有し、発熱源54、55は2本設けられ、一方の第1発熱源54は定着ローラ51の軸線方向中央部分の発熱が大きく、他方の第2発熱源55は定着ローラ51の軸線方向中央部分の発熱が大きく、制御部10は、定着装置1の立ち上げ時、所定時間、第1発熱源54のみ通電を行い、所定時間経過時の検知温度が基準温度以下の場合、第1発熱源54に加え所定温度に達するまでデューティ比を制御し第2発熱源55への通電を行う定着装置。
【選択図】図6

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ機等の画像形成装置に用いられる定着装置及びこれを備えた画像形成装置に関する。
一般に、複写機等の電子写真方式による画像形成装置では、シート上に形成されたトナー像を加熱・加圧し、トナーを溶融させてシートに固着させる手段として、内部に発熱源を備えた定着ローラと、定着ローラに圧接してニップを形成する加圧ローラを備える定着装置が用いられることがある。このニップにトナー像が転写されたシートが進入し、トナー像がシートに定着する。
このような定着装置では、発熱源を2つ備えるものがある。そして、2つの発熱源は、両方若しくは一方を定着ローラの軸線方向における中央部と端部で配熱を異ならせ、中央部と端部で発熱量に差を設けることがある。この2本の発熱源の点灯を適宜制御し、組み合わせて用いることで、効率よく定着ローラの加熱を行い、省電力及び急速な定着ローラの加熱を達成しようとする。
例えば、一方の発熱源は、最大通紙幅で均一に配熱し、他方の発熱源は、定着ローラの軸線方向中央部において、一定の幅の配熱を100%とし、端部の配熱を50%程度に抑える場合がある。更に別の例としては、一方の発熱源の配熱を中央部50%、両端部100%とし、他方の発熱源は、配熱を端部50%、中央部を100%とする場合がある。そして、定着装置の立ち上げ時の急速加熱には併用し、又、定着装置を通過する用紙サイズに合わせて、2つの発熱源の切り替えや通電のタイミングをずらし、使用する発熱源を適宜選択し効率よく加熱を行う。
具体的に、2つの発熱源を有するものとして、特許文献1記載の発明が存在する。特許文献1には、中央部の発熱量が大きい第1発熱体と、端部の発熱量が大きい第2発熱体と、記録材を加熱する加熱体と、加熱体の温度を検知する温度検知体と、第1発熱体及び第2発熱体への通電を制御する通電制御手段と、設定温度に達した場合第1発熱体への通電を停止する第1の立ち上げモードと、目標温度まで第1発熱体と第2発熱体を用いる第2の立ち上げモードを有し、立ち上げ動作開始時の検知温度によりモードを選択する選択手段を有する像加熱装置が記載されている。これにより迅速な立ち上げを達成し、オーバーシュートを回避しようとする(特許文献1:請求項1、段落0077等参照)。
特開2004−287414
しかし、発熱源を2本備える場合、定着装置の立ち上げ時、定着可能温度まで迅速に暖めるため2本の発熱源を同時に使用すると、発熱源を1本のみ使用する場合よりも消費電力が大きくなるという問題がある。又、近年の環境意識の高まりから、消費者は、製品購入の際、最大消費電力に着目する場合があり、又、電源装置のコスト等を勘案するとスペック上の最大消費電力は小さい方が好ましい。
又、2本の発熱源の配熱を異ならせた場合、発熱源の配熱や発熱源への通電を適切に制御しなければ、的確に定着を行うには、定着ローラの一部は十分に暖まっているが一部は十分に暖まっていない状態が生じ得る。この温度ムラは、定着性や画像品質に影響を与え得るという問題がある。
ここで、特許文献1記載の発明を見ると、特許文献1記載の発明は、定着装置を目標温度まで立ち上げる際に、例えば800Wと600Wの2本の発熱体(特許文献1:段落0008、0025等参照)を同時に使用する場合がある。そうすると、定着装置だけで、最大消費電力は1400Wになる。更に、画像形成装置が特許文献1記載の像加熱装置を備えた場合、像加熱装置以外に画像形成装置の動作に例えば200W要するとすれば、最大消費電力が1600Wにも達する。即ち、特許文献1記載の定着装置は、最大消費電力が大きく、最大消費電力を小さくするという問題には対応できない。
又、特許文献1記載の発明は、シートの皺対策の観点から加熱体(加熱ローラ)は逆クラウン形状とされるが(特許文献1:段落0040等参照)、この逆クラウン形状の加熱体は、単に温度分布においてムラが生じないように加熱しても、定着が確実に行われない場合があるという問題も有する。即ち、加熱体の両端部に対し中央部では径が短いため、中央部のニップの圧力は両端部よりも若干弱くなる。そうすると、たとえ加熱体の温度分布は均一であってもニップを通過するシートへの加熱において中央部と両端部でムラが生じ、定着性に問題が生ずる可能性がある。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、定着装置の最大消費電力を小さく留めつつ、定着装置の立ち上げ時間を短縮し、かつ、シート上のトナー像の定着を的確に行うことができる定着装置を提供することを課題とする。又、この定着装置を備えることにより、最大消費電力が小さく、ウォームアップ時間が短く、定着性の良好な画像形成装置を提供することを課題とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、内部に発熱源が設けられ回転可能に支持される定着ローラと、前記加熱部材に圧接されニップを形成するとともに回転可能に支持される加圧ローラと、定着ローラの温度を検知するため定着ローラの軸線方向中央部に設けられる検知部材と、発熱源への通電を制御する制御部とを有する定着装置において、前記発熱源は、前記定着ローラの軸線方向に沿って2本設けられ、一方の第1発熱源は定着ローラの軸線方向中央部分よりも両端部分の発熱が大きく、他方の第2発熱源は定着ローラの軸線方向両端部分よりも中央部分の発熱が大きいものであって、前記制御部は、定着装置の立ち上げ時、所定時間、前記第1発熱源のみ通電を行い、前記所定時間経過時の前記検知部材による検知温度が基準温度以上の場合、前記第1発熱源のみに通電を続け、基準温度未満の場合、前記第1発熱源に加え所定温度に達するまでデューティ比を制御しつつ前記第2発熱源への通電を行うこととした。
又、請求項2に係る発明は、内部に発熱源が設けられ回転可能に支持される定着ローラと、前記加熱部材に圧接されニップを形成するとともに回転可能に支持される加圧ローラと、定着ローラの温度を検知するため定着ローラ軸線方向中央部に設けられる検知部材と、発熱源への通電を制御する制御部とを有する定着装置において、前記発熱源は、前記定着ローラの軸線方向に沿って2本設けられ、一方の第1発熱源は定着ローラの軸線方向中央部分よりも両端部分の発熱が大きく、他方の第2発熱源は定着ローラの軸線方向両端部分よりも中央部分の発熱が大きいものであって、前記制御部は、定着装置の立ち上げ時、所定時間、第1発熱源のみに通電を行い、前記所定時間経過時の前記検知部材による検知温度が基準温度以上の場合、前記第1発熱源のみに通電を続け、基準温度未満の場合、前記第1発熱源に加え、デューティ比を制御しつつ前記第2発熱源への通電を一定時間行うこととした。
又、請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記制御部は、前記第2発熱源の通電におけるデューティ比を、定着装置において消費できる最大消費電力から第1発熱源の消費電力を差し引いた残りの消費可能な電力を超えないように定めることとした。
又、請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明において、前記定着ローラ及び/又は加圧ローラは、前記所定時間に回転駆動を開始することとした。
又、請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発明において、前記第1発熱源は、前記第2発熱源よりも出力が大きいこととした。
又、請求項6に係る発明は、画像形成装置であって、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の定着装置を備えることとした。
請求項1記載の発明によれば、定着装置が備えられる画像形成装置の主電源がONされた場合等、定着装置が冷えた(室温)状態からの定着装置の立ち上げ時、所定時間経過時の検知温度により、定着ローラが十分に暖まっていない場合のみ第2発熱源への通電が選択され、常に両方の発熱源の通電を行わないから、定着装置立ち上げ時の消費電力を基本的に小さくすることができる。更に、第2発熱源への通電は制御部によりデューティ比が制御されるから、最大消費電力を抑えつつ定着装置を急速に立ち上げることができる。
更に、第1発熱源は中央部分よりも両端部分の発熱量が大きく、第2発熱源は両端部分よりも中央部分の発熱量が大きいから、第1発熱源により温度が上昇し難い定着ローラの両端部を確実に暖めることができる。更に、ローラ中央部の径が短く中央部分のニップの圧力が両端部よりも若干弱くなるため中央部分の温度を上昇させる必要がある逆クラウン形状の定着ローラであっても、第2発熱源により、定着ローラの中央部分の温度を上昇させることができ、定着を確実に行うことができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を有するが、定着装置の立ち上げ時における第2発熱源への通電を一定時間行うとすることで、検知部材が定着ローラの温度を立ち上げ完了まで監視し続ける必要がなくなる。又、検知部材を定着ローラに接触させない非接触式とすると、定着ローラの温度に対する検知の追従性が劣る場合があり、このような場合でも、第2発熱源への通電を一定時間行うことで定着ローラの温度を的確にコントロールし得る場合がある。
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明の効果に加え、最大消費電力に収まるようにデューティ比の制御を行うから、スペック上の最大消費電力を超えることがなく、かつ、最も迅速に定着装置を暖めることができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項1乃至3記載の発明の効果に加え、定着ローラとこれに接する加圧ローラが回転し始めると、加圧ローラに定着ローラの熱が奪われ、定着ローラの温度上昇率が低下するが、この際に第2発熱源の通電がなされ得るから、定着ローラの温度上昇率の低下を軽減でき、迅速に定着装置を使用可能状態まで立ち上げることができる。
請求項5記載の発明によれば、請求項1乃至4記載の発明の効果に加え、定着装置の立ち上げ時、放熱等により暖め難い定着ローラの端部を優先的に暖めるから、定着が確実に行うことができるように定着装置を暖めることができる。
請求項6記載の発明は画像形成装置であって、請求項1乃至5にいずれか1項に記載の定着装置を用いるから、最大消費電力が一定に抑えられ、定着装置が急速に暖められ、更に、定着が確実に行われることにより、形成される画像の品質が高い画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜7を参照しつつ説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
まず、図1及び2を用いて、本発明の第1の実施形態における定着装置1を備えた電子写真方式の画像形成装置2の概略を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置2の概略構成を示す模型的断面図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置2の画像形成部30の部分拡大図である。
まず、画像形成装置2の各部について説明する。画像形成装置2の内部には、制御部10、シート供給部20、画像形成部30、中間転写部40及び定着装置1が設けられる。制御部10は、定着装置1、画像形成装置2内のシート搬送動作、画像形成部30の各動作等、画像形成装置2の動作を制御する。尚、制御部10の詳細は後述する。
前記シート供給部20は、カセット21、シート供給ローラ22、搬送ローラ対23及びレジストローラ対24等からなる。カセット21は、シートSを積載・収容するものであり、本体の下部に配設される。シートSは、カセット21からシート供給ローラ22により1枚ずつシート搬送路25へ送り出され、搬送ローラ対23、レジストローラ対24などによって搬送される。
前記画像形成部30は、マゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの各色のトナー像を形成するための画像形成ユニット31a(マゼンタ)、31b(シアン)、31c(イエロー)及び31d(ブラック)からなる。尚、各画像形成ユニット31a〜31dの構成及び動作の詳細は後述する。
中間転写部40は、シートSにトナー像を転写する前に、画像形成部30で形成された各色のトナー像を中間転写ベルト41上に重ね、フルカラーのトナー像を形成する。そして、中間転写ベルト41が、駆動ローラ42と、従動ローラ43、44、45、1次転写ローラ46とによって張架支持されることで、ユニットとして中間転写部40が形成される。又、中間転写ベルト41の下側の外面と各画像形成ユニット31a〜31dの像担持体としての感光体ドラム33が当接する。駆動ローラ42は中間転写ベルト41を駆動させるものであり、中間転写ベルト41は図1において時計方向(矢印方向)に回転する。ここで、本実施形態では、従動ローラ43、44、45と3本の従動ローラを用いているが、各画像形成ユニット31a〜31dが中間転写ベルト41と当接するのであれば、本数は問わない。
尚、1次転写ローラ46は、各画像形成ユニット31a〜31dの感光体ドラム33と中間転写ベルト41を介して対向する位置に1本ずつ配される。又、図1に示すように各画像形成ユニット31a〜31dは並列配置され、配列順序は変更可能である。
前記ベルトクリーニング装置47は、シートSに転写されなかった残トナー等を中間転写ベルト41から除去するもので、中間転写ベルト41に接するブレードを備える。
次に、画像形成部30の構成の詳細について説明する。画像形成部30は、画像形成ユニット31a、31b、31c及び31d及び2次転写ローラ32で構成される。画像形成ユニット31a、31b、31c及び31dのトナー像を形成する部分は、マゼンタ、シアン、イエローおよびブラックと形成するトナー像の色が異なるだけであり、いずれも基本的に同様の構成である。そこで、図2に、代表としてブラックのトナー像を形成する画像形成ユニット31dを示す。
図2に示すように、中間転写ベルト41の回転に合わせ回転する感光体ドラム33の周囲に、感光体ドラム33の下方から回転方向(矢印方向)に沿って、帯電装置34、露光装置35、現像装置36、中間転写ベルト41との当接部を挟みドラムクリーニング装置37および除電器38が配される。
次に、画像形成部30を中心として画像形成動作の説明をする。使用者が、画像形成装置2に直接またはネットワークを経由して接続された外部コンピュータ(不図示)から画像形成の指示を出すと制御部10が指示を受けて各部を動作させる。図1および図2において、中間転写ベルト41は駆動ローラ42によって右回り(矢印方向)に回転し、これに接触する各画像形成ユニット31a〜31dの感光体ドラム33は対応して左回り(矢印方向)に回転する。アモルファスシリコン等の感光層を表面に有する感光体ドラム33が回転すると、感光体ドラム33の表面は、まず帯電装置34により均一に帯電される。
尚、本実施形態における帯電装置34はコロナ放電式のものであるが、帯電ローラや帯電ブラシを用いてもよい。
次に、外部コンピュータから送られた原稿画像の電気信号に基づいて、多数のLEDからなるプリンタヘッドや、レーザーユニット等からなる露光装置35から照射される光により、感光体ドラム33上の電荷が一部消去され、感光体ドラム33の表面に静電潜像が形成される。そして、現像装置36によって感光体ドラム33上の静電潜像にトナーが供給されトナー像として現像される。
感光体ドラム33がさらに回転し、トナー像が中間転写ベルト41を挟んで1次転写ローラ46と対向する位置に来たときに、1次転写ローラ46にトナーの帯電極性と逆極性のバイアス電圧が印加され、前記トナー像が感光体ドラム33から中間転写ベルト41に転写される。転写されなかった残留トナーはドラムクリーニング装置37によって除去され、感光体ドラム33の表面に残った電荷は除電器38によって除去される。
中間転写ベルト41上に画像形成ユニット31aから、31b、31c、31dの順にトナー像が転写により積み重ねられ、さらに中間転写ベルト41が回転し、積み重ねられたトナー像が駆動ローラ42と対向して設けられる2次転写ローラ32の位置に来たときに、それに合わせて中間転写ベルト41と2次転写ローラ32とのニップに、レジストローラ対24がタイミングを調整しつつシートSを進入させる。このとき、2次転写ローラ32にトナーの帯電極性と逆極性のバイアス電圧が印加され、トナー像が中間転写ベルト41からシートSに転写される。
尚、中間転写ベルト41上の転写されなかった残留トナーは、ベルトクリーニング装置47によって中間転写ベルト41上から除去される。トナー像が転写されたシートSは、定着装置1に搬送され、トナー像が定着された後、画像形成装置2の上部に設けられた排紙トレイ25に排出される。
次に、図3及び4を用いて、本実施形態における画像形成装置2の定着装置1の構成を説明する。図3(a)は、本発明の第1の実施形態に係る定着装置1の基本構成を示す模型的断面図である。図3(b)は、本発明の第1の実施形態に係る定着装置1の発熱源の配置を示すための上方から見た模型的断面図である。図4は、本発明の第1の実施形態に係る定着装置1の発熱源54、55の配熱を説明するためのグラフである。
図3に示すように、本実施形態における定着装置1は、筐体50を有し、その内部に定着ローラ51、加圧ローラ52、検知部材53、2本の発熱源54、55が設けられる。
前記定着ローラ51は、内部に発熱源54、55が設けられ、回転可能に支持される。そして、定着ローラ51は、図3の紙面奥行き方向に伸びて形成され、その長さは、画像形成装置2で用いられるシートSの最大通過幅よりも約30mm程度長く形成される。又、定着ローラ51は、例えば、STKM(JIS G3445)等の金属で、例えば、外径30mm程度で薄肉(厚さ0.6mm以下)の中空円筒状に形成される。又、定着ローラ51は逆クラウン状に形成されていてもよい。
前記加圧ローラ52は、加熱部材に圧接されニップを形成するとともに回転可能かつ、定着ローラ51と軸線方向が平行となるように支持される。具体的には、図3の紙面奥行き方向に伸びて形成され、ローラ軸52aとローラ軸52a上に例えばシリコンゴム等による弾性層52bを有する。又、加圧ローラ52のローラ軸52aに、モータ、ギア等から構成される駆動機構(不図示)が接続され、モータが回転して加圧ローラ52が回転することで、定着ローラ51が従動して回転する。尚、長さは、画像形成装置2で用いられるシートSの最大通過幅よりも長く形成される。
尚、前記定着ローラ51及び加圧ローラ52の周面に対しては、フッ素樹脂等で離型性を高める処理を施してもよい。これにより定着装置1内でシートSが詰まることや、ローラにシートSが貼り付くことを減らすことができる。
前記検知部材53は、定着ローラ51の温度を検知するため定着ローラ51の軸線方向中央部に設けられる。ここで、検知部材53としては、サーミスタのような温度センサを用いることができる。又、検知部材53は、定着ローラ51に対し接触式でも非接触式でもよい。尚、図3では、念のため、接触式センサ53a及び非接触式センサ53bの両方を図示するが、いずれか一方を備えればよい。
図3(a)及び(b)に示すように、前記発熱源54、55は、定着ローラ51内で架け渡されるように定着ローラ51の軸線方向に沿って、シート搬送方向に並列して2本配される。そして、発熱源54、55の長さは同様である。又、この2本の発熱源54、55の出力は、800Wと600Wと異なる。ここで、800Wの発熱源を第1発熱源54とし、600Wの発熱源を第2発熱源55とする。尚、発熱源54、55としては定着ローラ51を暖められればよいが、例えば、ハロゲンランプを用いることができる。
そして、図3(b)に示すように、第1発熱源54は、定着ローラ51の軸線方向中央部分(領域F1)よりも両端部分(領域F2)の発熱が大きくなるように配熱され、第2発熱源55は、定着ローラ51の軸線方向両端部分(領域F3)よりも中央部分(領域F4)の発熱が大きくなるように配熱される。例えば、領域F1、F3の長さは、A4サイズのシートSの横方向の長さ(約21cm)に等しくすることができる。発熱源54、55の配熱例を具体的にいうと、第1発熱源54は、定着ローラ51の軸線方向において中央部分の配熱を100%とした場合に両端部分の配熱は101%以上であり、第2発熱源55は、前記定着ローラ51の軸線方向において中央部分の配熱を100%とした場合に両端部分の配熱は100%未満とする。
更に、図4の上部のグラフを用いてより具体的に説明すると、第1発熱源54は、中央部分の配熱を100%とすると、第1発熱源54の端部部分は約110%となり、最端部は、約60%の配熱となる。具体的には、第1発熱源54の中央Cから、端部に向けて第1発熱源54の全幅W1の約1/4程度の地点P1までが100%の配熱となっており(図3(b)の領域F1に相当)、その地点P1から配熱が徐々に上昇し、約110%の配熱に達する(図3(b)の領域F2に相当)。そして、定着ローラ51の幅は画像形成装置2に用いられるシートSの最大幅よりも若干大きく形成され、第1発熱源54の最端部に対向する位置における定着ローラ51部分は、定着の際に用いられないため、地点P2から第1発熱源54の最端部に向けて、配熱は低く設定される。
一方、図4の下部のグラフを用いて、第2発熱源55をより具体的に説明すると、中央部分の配熱を100%とすると、第2発熱源55の端部の配熱が約50%以下となる。具体的には、第2発熱源55の中央Cから端部に向けて、第2発熱源55の全幅W2の約1/8程度の地点P3までが100%の配熱となり、その地点P3から更に第2発熱源55の端部に向けて第2発熱源55の全幅W2の約1/8程度の地点P4にかけて緩やかに約90%の配熱に降下する(図3(b)の領域F3に相当)。そして、配熱が90%となった地点P4から、第2発熱源55の端部に向けて約50%の配熱に達し(図3(b)の領域F4に相当)、その後、第1発熱源54と同様に第2発熱源55の最端部に対向する位置における定着ローラ51の周面部分は、定着の際に用いられないため、第2発熱源55の最端部では配熱が0%とされる。
このように配熱することで、第1発熱源54により熱が逃げやすく温度が上昇し難い定着ローラ51の両端部を確実に暖めることができる。更に、ローラの中央部では径が短く中央部分のニップの圧力は両端部よりも若干弱くなるため中央部分の温度を上昇させる必要がある逆クラウン形状の定着ローラ51であっても、第2発熱源55により、定着ローラ51の中央部分の温度を十分に上昇させることができ、定着性が向上する。しかも、ニップを通過するシート幅が狭い場合には(例えば、A4横)、第2発熱源55を用いるというように、ニップを通過するシートSの幅に合わせ、第1発熱源54と第2発熱源55を適宜切り替えて制御することで、定着装置1の省電力を達成することができる。
次に、本発明の実施形態に係る定着装置1の発熱源54、55への通電を制御するための制御部10について説明する。図5は、本発明の第1の実施形態に係る定着装置1の制御部10を説明するためのブロック図である。
図5に示すように、本実施形態に係る定着装置1は、発熱源54、55への通電を制御する制御部10を有する。ここで、本実施形態における定着装置1は、画像形成装置2に備えられるから、既述のように定着装置1の制御部10は、画像形成装置2全体の制御を行う制御部10でもあるが、定着装置1のみの制御を行うため別途制御基板を設けてもよい。尚、画像形成装置2の制御は多岐にわたるので、本説明においては、定着装置1の制御について説明する。
前記制御部10は、CPU11、RAM12、ROM13、場合によりHDD14等を備える。中央演算処理装置としての前記CPU11は、制御部10内の各部と信号線(不図示)により接続される。読み出し・書き込み自在のRAM12、読み出し専用のROM13、読み出し・書き込み速度は劣るが大容量のHDD14は、いずれも記憶装置である。これら記憶装置は、定着装置1の温度を制御するための制御プログラムや、検知部材53により検出された定着ローラ51の温度情報を記憶し保存しておくために備えられる。
そして、制御部10は、定着装置1を構成する定着ローラ51、第1発熱源54、第2発熱源55、加圧ローラ52、検知部材53等と、インターフェイス(不図示)を介してつながり、定着装置1の動作を制御する。具体的には、定着ローラ51、加圧ローラ52の回転動作を制御し、検知部材53の温度検知結果に基づき第1発熱源54及び第2発熱源55への通電のON/OFFやシートSのサイズに合わせて通電する発熱源54、55の切替を行う。
更に、制御部10は、定着装置1及び画像形成装置2に電力を供給する電源装置15とつながり、制御部10は、第1発熱源54及び第2発熱源55への通電のON/OFFのスイッチングについても制御し、又、電源装置15から出力される消費電力を監視し、後述するように最大消費電力を超えないように第2発熱源のデューティ比を制御する。
次に、図6、7に基づき、具体的な本発明の実施形態に係る定着装置1の発熱源54、55への通電制御を説明する。図6は、本発明の第1の実施形態に係る通電制御を説明するためのフローチャートである。図7は、本発明の第1の実施形態に係る定着装置1の通電制御を行った場合の定着装置1の温度上昇を示すグラフと通電のタイミングチャートである。尚、以下の説明では、定着装置1が冷えた状態から定着装置1がトナーの定着を行える温度に達するまでの立ち上げを説明する。しかし、ある程度定着装置1が暖まった状態からの復帰にも、時間や温度の設定を適宜行うことで本発明を適用することはできる。
図6に示すように、本実施形態における画像形成装置2の主電源が投入された場合や省電力のため定着装置1への電力供給を遮断する各モード(例えばスリープモード)からの復帰時等(この時点をt0とする。)に、本実施形態における定着装置1の立ち上げが開始される。
まず、制御部10は、第1発熱源54の通電を開始する(この時点をt1とする。)(ステップS1)。そして、制御部10は、所定時間T1が経過するまで第1発熱源54のみ通電を行う(ステップS2)。
ここで、所定時間T1は、任意に定めることができる。例えば、所定時間T1は、単純に10秒間のように一定の時間でもよい。又、t1における定着ローラ51の温度を検知部材53で検知して、その検知温度を参照して定めることができる。即ち、第1発熱源54による定着ローラ51の温度上昇率は経験的に把握でき、計算でも温度上昇率のおよその値は求められるから、第1発熱源54に通電を開始し、所定時間T1経過時に後述する基準温度RTに達するまでの予測した時間を所定時間T1とすることができる。これにより気温の高低によらず、所定時間T1経過後の定着ローラ51の温度を一定の幅の間に収めることができる。
そして、検知部材53は、所定時間T1経過時の定着ローラ51の温度を検知する(ステップS3)。その検知とほぼ同時に、制御部10は、加圧ローラ52を回転駆動させ(定着ローラ51は加圧ローラ52に従動)、定着ローラ51の熱により加圧ローラ52を暖める(ステップS4)。尚、この定着装置1の立ち上げ時の、加圧ローラ52及び定着ローラ51の回転駆動を安定駆動と呼ぶものとする。又、この安定駆動開始時の時点をt2とする。
次に、制御部10は、この所定時間T1経過時、即ち、t2の時点での定着ローラ51の温度が基準温度RTに達しているか否か判断する(ステップS5)。ここで、基準温度RTは、ある程度任意に定めることができ、例えば、定着装置1がトナーを溶融するのに十分に暖まっている温度、即ち定着可能温度とできる。これは、既に基準温度RTに達していれば、追加的に第2発熱源55に通電して電力を消費する必要はないからである。尚、基準温度RTは、検知部材53の感度や定着装置1を構成する部材の特性(例えば熱容量や部材の厚さ)等を考慮して、定着可能温度に対し、例えば、±10°Cの範囲で定めるようにして、補正を行ってもよい。
次に、制御部10は、所定時間T1における検知部材53による検知温度が基準温度RT以上の場合、第1発熱源54のみに通電を続ける(ステップS6)。
一方、制御部10は、所定時間T1での検知温度が、基準温度RT以下の場合、第1発熱源54に加え所定温度MTに達するまでデューティ比を制御しつつ第2発熱源55への通電を行う(ステップS7)。これにより、定着装置1を急速に暖めることができ、第2発熱源55への通電は制御部10によりデューティ比が制御され、消費電力を少なくすることができる。ここで所定温度MTは、例えば、基準温度RT、定着可能温度よりも、例えば、5°Cから20°C程度上回るように、十分に定着装置1が暖まった温度とすることができる。尚、所定温度MTに達した時点をt3とする。
そして、制御部10は、検知部材53による定着ローラ51の温度が所定温度MTに達したかを確認し、達していないならば第2発熱源55への通電を継続する(ステップS9)。所定温度MTに達したならば、まず、第2発熱源55の通電をOFFし、しばらくした後、第1発熱源54への通電を終了する。このようにして、定着装置1の立ち上げが完了する。
次に、図7を用いて、定着装置1の立ち上げ時の第1発熱源54と第2発熱源55の併用を具体的な数字を挙げつつ、第2発熱源55への通電を行う場合を詳細に説明する。
まず、上述したとおり、本説明での定着装置1は、定着ローラ51は、外径30mm、厚さ0.6mm以下という薄肉の逆クラウン形状のSTKMである。薄肉に形成することで定着ローラ51は急速に暖められ、オーバーシュートも軽減できる。加圧ローラ52はローラ軸52aにシリコンゴムが巻き付けられた円筒形状であり、外径25mmのものを用いる。そして、定着ローラ51、加圧ローラ52の長さは、縦方向のA4サイズのシートSを加熱できるように、290mm+10〜30mm程度で形成される。第1発熱源54は800Wのものを、第2発熱源55は、600Wのものを用い、各発熱源54、55の配熱は図4を用いて説明したとおりのものであり、定着ローラ51内に定着ローラ51の端部から端部に架け渡されるように、ほぼ定着ローラ51の長手方向にわたり設けられる。尚、検知部材53にはサーミスタを用いる。又、所定時間T1は10秒間、基準温度RTは170°C、所定温度MTは180°Cと設定する。
まず、画像形成装置2の主電源が投入される等により定着装置1の立ち上げが開始され(t0)、その後、制御部10は、第1発熱源54への通電を開始し、定着ローラ51の加熱が始まる(t1)。ここで、図7のグラフに示すように、画像形成装置2の主電源投入時の定着ローラ51の温度を20゜Cとする。
そして、検知部材53は、第1発熱源54への通電開始後、所定時間T1経過時(t2)に定着ローラ51の温度を検知する。所定時間T1、即ちt1とt2の間隔は、上述の通り10秒間である。そして、10秒後における定着ローラ51の温度が150°Cまで暖められたとする。言い換えると、本実施例の定着ローラ51は、第1発熱源54に通電が開始されてから約13°C/秒で定着ローラ51が暖められる。
しかし、所定時間T1経過時(t2)では、定着ローラ51は基準温度RT(170°C)に達していないので、第2発熱源55の通電がなされる。尚、所定時間T1経過時(t2)に図7のタイミングチャートで示すように、加圧ローラ52を暖めて、定着装置1における熱が均等となるように定着ローラ51及び加圧ローラ52の回転、即ち、安定駆動が開始される。この際、加圧ローラ52に定着ローラ51の熱が奪われるので温度上昇率が低下するが、第2発熱源55に通電がなされるので、図7においては定着ローラ51の温度上昇率の低下は軽減されている。
ここで、本実施例では、第2発熱源55への通電はデューティ比が制御される。画像形成装置2により最大消費電力は異なるが、画像形成装置2の最大消費電力が1050Wとし、制御部10の動作や画像形成装置2内のモータを回転させる等のために150Wを要するとすれば、定着装置1で消費できる電力は、1050−150=900W、となる。
そして、定着装置1では、800Wの第1発熱源54に通電がなされるので、第2発熱源55が消費できる消費電力は、900−800=100W、となる。従って、最大100Wまでの範囲で、600Wの第2発熱源55に通電させるから、第2発熱源55における電源のデューティ比は、最高で100÷600≒16.7%までとなる。即ち、本発明に係る定着装置1の制御部10は、第2発熱源55の通電におけるデューティ比を、定着装置1において消費できる最大消費電力から第1発熱源54の消費電力を差し引いた残りの消費可能な電力を超えないように定める。
第2発熱源55への通電のデューティ比のコントロールは、種々行うことが可能であるが、例えば、周波数50Hzの正弦波を入力電圧・電流として、10周期を1つの単位とする(尚、発熱源54、55にはリアクタンスがないものとする。)。即ち、200msが1つの単位となる。第2発熱源55に正弦波を入力すればデューティ比は、100%となるが、半周期分の入力をカットすることで、5%単位でデューティ比を制御できることになる。即ち、制御部10は、電圧又は電流値が0となる時点でON/OFFのスイッチング(ゼロクロス制御)を行う。従って、この場合、制御部10は、デューティ比を16.7%以下とするため、200ms当たり1.5周期分だけ第2発熱源55への通電を行い、デューティ比を15%とする。
尚、上記の場合では、デューティ比を15%としたが、画像形成装置2及び定着装置1で消費される電力は、定着装置1の立ち上げ時でも時間により変化するので、その変化にあわせ、第2発熱源55のデューティ比を制御してもよい。具体的には、制御部10は電源装置15における消費電力を監視しているから、制御部10は、定格の最大消費電力から、第2発熱源以外で消費されている電力を差し引いた電力を第2発熱源55に供給すべき電力としてデューティ比を可変させる。
その後、定着ローラ51の温度は基準温度RTを超え、定着ローラ51が所定温度MTに達した時(t3)、第2発熱源55への通電が停止される。尚、第2発熱源55への通電が停止された後も、定着ローラ51と加圧ローラ52の温度を均一にし、又、定着装置1の温度が低下しないように、第1発熱源54への通電及び定着ローラ51・加圧ローラ52の回転は継続する。そして、定着ローラ51の温度が185°C程度に達した後、5秒間程度経過した時に(t4)、第1発熱源54への通電及び定着ローラ51・加圧ローラ52の回転が停止し、定着装置1の立ち上げが完了する。
このようにして、内部に発熱源54、55が設けられ回転可能に支持される定着ローラ51と、加熱部材に圧接されニップを形成するとともに回転可能に支持される加圧ローラ52と、定着ローラ51の温度を検知するため定着ローラ51の軸線方向中央部に設けられる検知部材53と、発熱源54、55への通電を制御する制御部10とを有する定着装置1において、発熱源54、55は、定着ローラ51の軸線方向に沿って2本設けられ、一方の第1発熱源54は定着ローラ51の軸線方向中央部分よりも両端部分の発熱が大きく、他方の第2発熱源55は定着ローラ51の軸線方向両端部分よりも中央部分の発熱が大きいものであって、制御部10は、定着装置1の立ち上げ時、所定時間T1、第1発熱源54のみ通電を行い、所定時間T1経過時の検知部材53による検知温度が基準温度RT以上の場合、第1発熱源54のみに通電を継続し、基準温度RT未満の場合、第1発熱源54に加え所定温度MTに達するまでデューティ比を制御しつつ第2発熱源55への通電を行うようにすれば、定着装置1が備えられる画像形成装置2の主電源がONされた場合等、定着装置1の立ち上げ時、所定時間T1経過時の検知温度により、定着ローラ51が十分に暖まっていない場合のみ第2発熱源55への通電が選択され、常に両方の発熱源54、55の通電を行わないから、定着装置1立ち上げ時の消費電力を基本的に小さくすることができる。更に、第2発熱源55への通電は制御部10によりデューティ比が制御されるから、最大消費電力を抑えつつ定着装置1を急速に立ち上げることができる。
更に、第1発熱源54は中央部分よりも両端部分の発熱量が大きく、第2発熱源55は両端部分よりも中央部分の発熱量が大きいから、第1発熱源54により温度が上昇し難い定着ローラ51の両端部を確実に暖めることができる。更に、ローラ中央部の径が短く中央部分のニップの圧力が両端部よりも若干弱くなるため中央部分の温度を上昇させる必要がある逆クラウン形状の定着ローラ51であっても、第2発熱源55により、定着ローラ51の中央部分の温度を上昇させることができ、定着を確実に行うことができる。
又、制御部10は、第2発熱源55の通電におけるデューティ比を、定着装置1において消費できる最大消費電力から第1発熱源54の消費電力を差し引いた残りの消費可能な電力を超えないように定めるようにすれば、最大消費電力に収まるようにデューティ比の制御を行うから、スペック上の最大消費電力を超えることがなく、かつ、最も迅速に定着装置1を暖めることができる。
又、定着ローラ51及び/又は加圧ローラ52は、所定時間T1経過時に回転駆動を開始するようにすれば、定着ローラ51とこれに接する加圧ローラ52が回転し始めると、加圧ローラ52に定着ローラ51の熱が奪われ、定着ローラ51の温度上昇率が低下するが、この際に第2発熱源55の通電がなされ得るから、定着ローラ51の温度上昇率の低下を軽減でき、迅速に定着装置1を使用可能状態まで立ち上げることができる。
又、第1発熱源54は、第2発熱源55よりも出力が大きいようにすれば、定着装置1の立ち上げ時、放熱等により暖まり難い定着ローラ51の端部を優先的に暖めるから、迅速かつ定着が確実に行うことができるように定着装置1を暖めることができる。
又、画像形成装置2に本発明の実施形態に係る定着装置1を備えるようにすれば、最大消費電力が一定に抑えられ、定着装置1が急速に暖められ、更に、定着が確実に行われることにより、形成される画像の品質が高い画像形成装置2を提供することができる。
次に、図8に基づき、本発明の第2の実施形態について説明する。図8は、本発明の第2の実施形態に係る通電制御を説明するためのフローチャートである。
尚、本発明の第2の実施形態は、図8に示すように、第1の実施形態と、制御部10は、定着装置1の立ち上げ時、基準温度RT以下の場合、第1発熱源54に加え、デューティ比を制御しつつ第2発熱源55への通電を一定時間行うようにする点で異なる(ステップS18)。尚、その他の点は、例えば、図8において、ステップS11〜S17が第1の実施形態での図6と同様であり、又、定着装置1及び画像形成装置2の構成も同様にできるから、第1の実施形態を適用できる部分の説明及び図示は省略する。
この第2の実施形態によれば、第1の実施形態に係る本発明と同様の作用、効果を有するが、定着装置1の立ち上げ時における第2発熱源55への通電を一定時間行うことで、検知部材53が定着ローラ51の温度を立ち上げ完了まで監視し続ける必要がなくなる。又、検知部材53を定着ローラ51に接触させない非接触式とすると、定着ローラ51の温度に対する検知の追従性が劣る場合があり、このような場合でも、第2発熱源55への通電を一定時間行うことで定着ローラ51の温度を的確にコントロールし得る。尚、この一定時間は、任意に定めることができるものであるが、上記の所定時間T1と同様に、定着ローラ51の温度上昇率は経験的に把握でき、計算でも温度上昇率のおよその値は求められるから、定着装置1の機種ごとに設定すればよい。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
本発明は、画像形成装置における定着装置及びこれを用いた画像形成装置において利用可能である。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置2の概略構成を示す模型的断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の画像形成部の部分拡大図である。 (a)は、本発明の第1の実施形態に係る定着装置の基本構成を示す模型的断面図である。(b)は、本発明の第1の実施形態に係る定着装置の発熱源の配置を示すための模型的断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る定着装置1の発熱源の配熱を説明するためのグラフである。 本発明の第1の実施形態に係る定着装置の制御部を説明するためのブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る通電制御を説明するためのフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る定着装置の通電制御を行った場合の定着装置の温度上昇を示すグラフと通電のタイミングチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る通電制御を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 定着装置
2 画像形成装置
10 制御部
51 定着ローラ
52 加圧ローラ
53 検知部材
54 第1発熱源(発熱源)
55 第2発熱源(発熱源)

Claims (6)

  1. 内部に発熱源が設けられ回転可能に支持される定着ローラと、前記加熱部材に圧接されニップを形成するとともに回転可能に支持される加圧ローラと、定着ローラの温度を検知するため定着ローラの軸線方向中央部に設けられる検知部材と、発熱源への通電を制御する制御部とを有する定着装置において、
    前記発熱源は、前記定着ローラの軸線方向に沿って2本設けられ、一方の第1発熱源は定着ローラの軸線方向中央部分よりも両端部分の発熱が大きく、他方の第2発熱源は定着ローラの軸線方向両端部分よりも中央部分の発熱が大きいものであって、
    前記制御部は、定着装置の立ち上げ時、所定時間、前記第1発熱源のみ通電を行い、前記所定時間経過時の前記検知部材による検知温度が基準温度以上の場合、前記第1発熱源のみに通電を続け、基準温度未満の場合、前記第1発熱源に加え所定温度に達するまでデューティ比を制御しつつ前記第2発熱源への通電を行うことを特徴とする定着装置。
  2. 内部に発熱源が設けられ回転可能に支持される定着ローラと、前記加熱部材に圧接されニップを形成するとともに回転可能に支持される加圧ローラと、定着ローラの温度を検知するため定着ローラ軸線方向中央部に設けられる検知部材と、発熱源への通電を制御する制御部とを有する定着装置において、
    前記発熱源は、前記定着ローラの軸線方向に沿って2本設けられ、一方の第1発熱源は定着ローラの軸線方向中央部分よりも両端部分の発熱が大きく、他方の第2発熱源は定着ローラの軸線方向両端部分よりも中央部分の発熱が大きいものであって、
    前記制御部は、定着装置の立ち上げ時、所定時間、第1発熱源のみに通電を行い、前記所定時間経過時の前記検知部材による検知温度が基準温度以上の場合、前記第1発熱源のみに通電を続け、基準温度未満の場合、前記第1発熱源に加え、デューティ比を制御しつつ前記第2発熱源への通電を一定時間行うことを特徴とする定着装置。
  3. 前記制御部は、前記第2発熱源の通電におけるデューティ比を、定着装置において消費できる最大消費電力から第1発熱源の消費電力を差し引いた残りの消費可能な電力を超えないように定めることを特徴とする請求項1又は2記載の定着装置。
  4. 前記定着ローラ及び/又は加圧ローラは、前記所定時間経過時に、回転駆動を開始することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の定着装置。
  5. 前記第1発熱源は、前記第2発熱源よりも出力が大きいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の定着装置を備えた画像形成装置。
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