JP2008209258A - 音響パラメータ測定装置用の試料支持体、及び音響パラメータ測定装置 - Google Patents

音響パラメータ測定装置用の試料支持体、及び音響パラメータ測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】試料の音響パラメータを短時間で測定することができる音響パラメータ測定装置用の試料支持体を提供すること。
【解決手段】本発明のパルス励起型超音波顕微鏡2は、生体組織8を密着させて支持するための樹脂プレート9と、超音波トランスデューサ13と、X−Yステージ14とを備える。超音波トランスデューサ13は、超音波伝達媒体W1及び樹脂プレート9を介して下面92側から生体組織8に超音波を照射するとともに、生体組織8からの反射波を受信して電気信号に変換する。X−Yステージ14は、超音波の照射点を二次元的に走査させる。樹脂プレート9の上面91において、生体組織8の試料支持領域内に、複数のリファレンス部材19がマトリクス状に配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波を利用して試料の音響パラメータを測定する音響パラメータ測定装置用の試料支持体、及び音響パラメータ測定装置に関するものである。
従来、医療分野では、生体組織の診断を行う装置として、超音波顕微鏡を応用した製品の開発が進められており、高解像度で生体組織の観察が可能なものが実用化されている。光学顕微鏡では生体組織における化学的性質の違いを例えば染色によって区別するのに対し、超音波顕微鏡では物理的性質の違いを無染色で区別することができる。つまり、超音波顕微鏡を用いる場合には、染色を行わなくても生体組織診断を行うことができるといった利点がある。
具体的には、超音波顕微鏡を用いる場合、生体組織などの試料に超音波を照射しその反射波を検出することにより、音響パラメータ(音響インピーダンス、音速、減衰などのパラメータ)を算出して、その算出値に応じた超音波像(音響インピーダンス像、音速像、減衰像など)を表示する。本発明者らはパルス励起型の超音波顕微鏡を利用して生体組織の音響インピーダンス像を表示する超音波画像検査装置をすでに提案している(例えば、特許文献1参照)。この超音波画像検査装置では、図10に示されるように、樹脂プレート50(試料支持体)の上面に生体組織51を密着させて支持し、その生体組織51の周縁となる位置(試料支持領域の近傍)にリファレンス部材52を設けている。そして、超音波振動子53から樹脂プレート50を介して生体組織51及びリファレンス部材52に超音波Sを照射する。
ここで、リファレンス部材52においてその表面と直交する角度で照射される超音波(入射波)Sと反射波Sとは次式(1)の関係が成り立つ。
ただし、Zは樹脂プレート50の音響インピーダンスであり、Zはリファレンス部材52の音響インピーダンスである。
また、生体組織51においてその表面と直交する角度で照射される超音波Sと反射波Sとは次式(2)の関係が成り立つ。
ただし、Zは生体組織51の音響インピーダンスである。
従って、上記式(1),(2)から生体組織51の音響インピーダンスZは、次式(3)により求められる。
この超音波画像検査装置において、音響インピーダンスZを測定しながら超音波Sの照射点を二次元走査することにより、二次元の音響インピーダンス像が得られる。音響インピーダンスZは、組織の硬さに関連するパラメータであり、音響インピーダンス像によって生体組織51の性状を観察することができる。
特開2006−78408号公報
ところで、超音波画像検査装置では、樹脂プレート50において生体組織51とリファレンス部材52との距離を短くすることが好ましい。このようにすると、リファレンス部材52の反射波Sに続いて生体組織51の反射波Sを迅速に取得することができ、それら反射波S,Sに基づいて音響インピーダンスZを短縮時間で測定することが可能となる。しかしながら、樹脂プレート50において、予め設けられたリファレンス部材52の近傍に生体組織51の測定対象部位を置くことは大変困難な作業となる。そのため、従来では、樹脂プレート50に生体組織51を載置した後に、その生体組織51の測定対象部位の近傍にリファレンス部材52を設ける手法がとられていた。
ここで、生体組織51のサイズが大きくその中心部を測定対象部位とする場合、リファレンス部材52は、生体組織51の周囲に設けられているため測定対象部位から離れてしまう。また、別の生体組織51を樹脂プレート50に載置してその生体組織51の音響インピーダンスを測定する場合には、生体組織51に対応した位置にリファレンス部材52を再度設ける必要がある。そのため、音響インピーダンスを迅速に測定することができない。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、試料の音響パラメータを短時間で精度よく測定することができる音響パラメータ測定装置用の試料支持体、及び音響パラメータ測定装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、超音波を試料に向けて照射するとともに、前記試料からの反射波を受信して電気信号に変換する焦点型超音波振動子と、前記超音波の照射点を二次元的に走査させる二次元走査手段とを備えた超音波顕微鏡を含んで構成され、前記反射波に基づいて前記試料の音響パラメータを求める音響パラメータ測定装置にて使用される試料支持体であって、試料を密着させて支持するための第1面を有し、その反対側に位置しかつ超音波伝達媒体を接触させるための第2面を有し、前記試料及び前記超音波伝達媒体の音響インピーダンス値とは異なる既知の第1音響インピーダンス値を有しかつ超音波を透過しうる合成樹脂材料からなり、前記第1面上における少なくとも試料支持領域内に、前記試料及び前記超音波伝達媒体の音響インピーダンス値とも異なりかつ前記第1音響インピーダンス値とも異なる既知の第2音響インピーダンス値を有する複数のリファレンス部材が散点状に配置されていることを特徴とする音響パラメータ測定装置用の試料支持体をその要旨とする。
請求項1に記載の発明によれば、超音波顕微鏡において、試料支持体の第1面の試料支持領域に試料が密着されて支持される。そして、焦点型超音波振動子から出力される超音波が超音波伝達媒体及び試料支持体を介して伝達され、その超音波が試料支持体の第2面側から試料に照射される。試料支持体は、超音波を透過しうる合成樹脂材料からなり、試料の音響インピーダンス値とは異なる既知の第1音響インピーダンス値を有するので、その試料支持体と試料との境界面(第1面)で超音波が確実に反射する。また、試料支持体の第1面上における少なくとも試料支持領域内に複数のリファレンス部材が散点状に配置されている。これらリファレンス部材は、試料支持体(合成樹脂材料)の第1音響インピーダンス値とは異なる第2音響インピーダンス値を有するので、その試料支持体とリファレンス部材との界面で超音波が確実に反射する。本発明の試料支持体では、従来技術のように試料支持領域の周辺ではなく、試料支持領域内に複数のリファレンス部材が設けられている。従って、測定対象部位の近傍に設けられているリファレンス部材を選択してそのリファレンス部材に超音波を照射することにより、二次元走査手段の移動距離を短くすることができ、リファレンス部材の反射波を迅速に取得することができる。また、従来技術のように測定対象部位の近傍にリファレンス部材を設ける必要がなく、そのための作業時間も不要となる。従って、リファレンス部材の反射波と試料の反射波とを迅速に取得することができ、それら反射波に基づいて、試料の音響パラメータを短時間で測定することができる。また、測定対象部位の近傍にあるリファレンス部材を参照することにより、測定精度を向上させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記複数のリファレンス部材はマトリクス状に配置されていることをその要旨とする。
請求項2に記載の発明によれば、複数のリファレンス部材がマトリクス状に、すなわち等間隔で規則正しく配置されているので、試料の測定対象部位に最も近いリファレンス部材を容易に選択することができる。また、超音波顕微鏡により試料の超音波像を取得する場合、その超音波像の目印(基準位置)としてリファレンス部材を利用することができる。さらに、複数のリファレンス部材がランダムではなくマトリクス状に配置されているので、試料支持体の外観も良く、実用上好ましいものとなる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記第1面には親水化処理が施されていることをその要旨とする。
本発明では、試料支持体の第1面の試料支持領域において、複数のリファレンス部材が突設されるため、そのリファレンス部材により凸凹が形成されてしまう。また、超音波を透過しうる合成樹脂材料は、比較的親水性が劣るため、試料との密着性を十分に確保することができない場合がある。この場合、試料と試料支持体との間に隙間が形成されてしまうと、その隙間に介在する水の層などの音響インピーダンスの影響や、超音波の乱反射などの影響で試料の音響インピーダンス値を正確に測定することができなくなる。
この対策として、請求項3に記載の発明では、試料支持体の第1面に親水化処理が施される。このようにすれば、試料支持体の第1面に試料を確実に密着させることができ、試料の音響インピーダンス値を正確に測定することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2において、前記第1面上には、前記合成樹脂材料よりも親水性が高くかつ化学的手法により形成された親水性無機薄膜が存在することをその要旨とする。
請求項4に記載の発明によれば、試料支持体の第1面上に親水性無機薄膜が形成されるので、その第1面に試料を確実に密着させることができ、試料の音響インピーダンス値を正確に測定することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4において、前記複数のリファレンス部材は、前記第1面上に形成された親水性無機薄膜を介して配置されることをその要旨とする。
請求項5に記載の発明によれば、試料支持体の第1面上に親水性無機薄膜を形成した後、複数のリファレンス部材が配置される。この場合、親水性無機薄膜の形成時に化学的な作用がリファレンス部材に加わることがなく、その化学的な作用によるリファレンス部材の特性変化を防止することができる。従って、リファレンス部材の音響インピーダンス値が、既知の第2音響インピーダンス値から変化するといったことを回避でき、試料の音響インピーダンス値を正確に測定することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項4において、前記複数のリファレンス部材は、前記第1面上に直接配置され、前記親水性無機薄膜は、前記複数のリファレンス部材を覆うようにして前記第1面上に設けられていることをその要旨とする。
請求項6に記載の発明によれば、試料支持体の第1面上の試料支持領域に複数のリファレンス部材が直接配置され、複数のリファレンス部材を覆うように親水性無機薄膜が設けられているので、試料支持体の第1面と試料との密着性をより高めることができる。なおこの場合、リファレンス部材の特性が変化しない形成方法、例えば、スプレー法などの塗布方法を利用して親水性無機薄膜を形成することが好ましい。
請求項7に記載の発明では、試料を密着させて支持するための第1面を有し、その反対側に位置しかつ超音波伝達媒体を接触させるための第2面を有する試料支持体と、前記超音波伝達媒体及び前記試料支持体を介して前記第2面側から前記試料に超音波を照射するとともに、前記試料からの反射波を受信して電気信号に変換する焦点型超音波振動子と、前記超音波の照射点を二次元的に走査させる二次元走査手段とを備えた超音波顕微鏡を含んで構成され、前記反射波に基づいて前記試料の音響パラメータを求める音響パラメータ測定装置であって、前記試料支持体は、前記試料及び前記超音波伝達媒体の音響インピーダンス値とは異なる既知の第1音響インピーダンス値を有しかつ超音波を透過しうる合成樹脂材料からなり、前記試料支持体の前記第1面上における少なくとも試料支持領域内には、前記試料及び前記超音波伝達媒体の音響インピーダンス値とも異なりかつ前記第1音響インピーダンス値とも異なる既知の第2音響インピーダンス値を有する複数のリファレンス部材が散点状に配置されていることを特徴とする音響パラメータ測定装置をその要旨とする。
請求項7に記載の発明によれば、超音波顕微鏡において、試料支持体の第1面の試料支持領域に試料が密着されて支持される。そして、焦点型超音波振動から出力される超音波が超音波伝達媒体及び試料支持体を介して伝達され、その超音波が試料支持体の第2面側から試料に照射される。試料支持体は、超音波を透過しうる合成樹脂材料からなり、試料の音響インピーダンス値とは異なる既知の第1音響インピーダンス値を有するので、その試料支持体と試料との境界面(第1面)で超音波が確実に反射する。また、試料支持体の第1面上における少なくとも試料支持領域内に複数のリファレンス部材が散点状に配置されている。これらリファレンス部材は、試料支持体(合成樹脂材料)の第1音響インピーダンス値とは異なる第2音響インピーダンス値を有するので、その試料支持体とリファレンス部材との界面で超音波が確実に反射する。本発明の試料支持体では、従来技術のように試料支持領域の周辺ではなく、試料支持領域内に複数のリファレンス部材が設けられている。従って、測定対象部位の近傍に設けられているリファレンス部材を選択してそのリファレンス部材に超音波を照射することにより、二次元走査手段の移動距離を短くすることができ、リファレンス部材の反射波を迅速に取得することができる。また、従来技術のように測定対象部位の近傍にリファレンス部材を設ける必要がなく、そのための作業時間も不要となる。従って、リファレンス部材からの反射波と試料からの反射波とを迅速に取得することができ、それら反射波に基づいて、試料の音響インピーダンスを短時間で測定することができる。また、測定対象部位の近傍にあるリファレンス部材を参照することにより、測定精度を向上させることができる。
以上詳述したように、請求項1〜7に記載の発明によると、試料の音響インピーダンスを短時間で精度よく測定することができる。
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は音響パラメータ測定装置としての超音波画像検査装置を示す概略構成図であり、図2は、その超音波画像検査装置の電気的な構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、本実施の形態の超音波画像検査装置1は、パルス励起型超音波顕微鏡2と、パーソナルコンピュータ(パソコン)3とを備える。パルス励起型超音波顕微鏡2は、試料ステージ4を有する顕微鏡本体5と、試料ステージ4の下方に設置された超音波プローブ6とを備える。そのパルス励起型超音波顕微鏡2の超音波プローブ6がパソコン3と電気的に接続されている。
本実施の形態の試料ステージ4は、ユーザの手動操作により、水平方向(即ちX方向及びY方向)に移動できるように構成されている。この試料ステージ4には、生体組織8を載置した樹脂プレート9(試料支持体)が固定されている。なお、生体組織8は、例えば、ラットの小脳から切り出した脳組織であり、300μm〜400μmの厚さを有する。
超音波プローブ6は、水などの超音波伝達媒体W1を貯留可能な貯留部11をその先端部に有するプローブ本体12と、プローブ本体12の略中心部に配置される超音波トランスデューサ13(焦点型超音波振動子)と、プローブ本体12を前記試料ステージ4の面方向に沿って二次元的に走査するためのX−Yステージ14(二次元走査手段)とを備える。プローブ本体12の貯留部11は上部が開口しており、その貯留部11の開口側を上向きにした状態で超音波プローブ6が試料ステージ4の下方に設置されている。
超音波トランスデューサ13は、酸化亜鉛の薄膜圧電素子16とサファイアロッドの音響レンズ17とからなり、パルス励起されることで樹脂プレート9の下面92(第2面)側から生体組織8に対して超音波を照射する。超音波トランスデューサ13が照射する超音波は、貯留部11の超音波伝達媒体W1を介して円錐状に収束されて樹脂プレート9の上面91(生体組織8の表面)で焦点を結ぶようになっている。なお、超音波トランスデューサ13としては、口径1.2mm、焦点距離1.5mm、中心周波数80MHz、帯域幅50〜105MHz(−6dB)の仕様のものを用いている。
樹脂プレート9は、超音波を透過しうる合成樹脂材料(例えば、アクリル樹脂)を用いて形成されており、その上面91(第1面)には、合成樹脂材料よりも親水性が高いSiOゲル膜18(親水性無機薄膜)が形成されている(図3参照)。このSiOゲル膜18は、化学的手法(例えば、ゾルゲル法)により形成されたシリコーン酸化物薄膜であり、0.4μm程度の厚さを有する。本実施の形態のSiOゲル膜18は、非結晶のゲル膜であり、水のような極性の高い液体となじみやすいOH基を有している。このSiOゲル膜18を形成することで、樹脂プレート9表面の改質を行うことができ、その表面の親水性が向上する。
図4に示されるように、樹脂プレート9の上面91においてその中央部には生体組織8のセット部R0(試料支持領域)が設けられている。このセット部R0には、シリコーン樹脂の硬化物からなる複数のリファレンス部材19がマトリクス状に配置されている。具体的には、セット部R0は、例えば10mm角の領域であり、このセット部R0において、各リファレンス部材19は、例えば4mmのピッチで等間隔に配置されている。各リファレンス部材19は、平面視で円形を呈しており、中心部ほど厚くなるようドーム状に突設されている。このリファレンス部材19のサイズは、例えば直径が300μm程度であり、中心部の厚さが150μm程度である。本実施の形態では、樹脂プレート9上のセット部R0に、図示しない注出器のノズルからシリコーン樹脂を滴下して硬化させることにより、各リファレンス部材19が形成される。
図2に示されるように、超音波プローブ6は、超音波トランスデューサ13と、X−Yステージ14と、パルス発生回路21と、受信回路22と、送受波分離回路23と、検波回路24と、A/D変換回路25と、エンコーダ26と、コントローラ27とを備える。
X−Yステージ14は、超音波の照射点を二次元的に走査させるためのXステージ14X及びYステージ14Yを備えるとともに、それぞれのステージ14X,14Yを駆動するモータ28X,28Yを備えている。これらのモータ28X,28Yとしては、ステッピングモータやリニアモータが使用される。
各モータ28X,28Yにはコントローラ27が接続されており、該コントローラ27の駆動信号に応答してモータ28X,28Yが駆動される。これらモータ28X,28Yの駆動により、Xステージ14Xを連続走査(連続送り)するとともに、Yステージ14Yを間欠送りとなるよう制御することで、X−Yステージ14の高速走査が可能となっている。
また、本実施の形態においては、Xステージ14Xに対応してエンコーダ26が設けられ、エンコーダ26によりXステージ14Xの走査位置が検出される。具体的に、走査範囲(例えば、縦横3mmの走査範囲)を300×300個の測定点(ピクセル)に分割した場合、1回のX方向(水平方向)の走査が300分割される。そして、各測定点の位置がエンコーダ26によって検出されパソコン3に取り込まれる。パソコン3はそのエンコーダ26の出力に同期して駆動制御信号を生成して、その駆動制御信号をコントローラ27に供給する。コントローラ27は、この駆動制御信号に基づいてモータ28Xを駆動する。また、コントローラ27は、エンコーダ26の出力信号に基づきX方向の1ラインの走査が終了した時点でモータ28Yを駆動して、Yステージ14YをY方向に1ピクセル分移動させる。
さらに、コントローラ27は、駆動制御信号に同期してトリガ信号を生成してパルス発生回路21に供給する。これにより、パルス発生回路21において、そのトリガ信号に同期したタイミングで励起パルスが生成される。その励起パルスが送受波分離回路23を介して超音波トランスデューサ13に供給される結果、超音波トランスデューサ13から超音波が照射される。
図5には、X−Yステージ14の移動に伴う超音波の走査範囲R1の一例を示している。走査範囲R1は、生体組織8における測定対象部位とその近傍にあるリファレンス部材19を含むように設定される。なおこの例では、走査範囲R1の左上の隅にリファレンス部材19が配置されるようになっており、その位置から走査が開始される。そして、矢印で示すように、生体組織8の表面に沿ってX方向及びY方向に二次元的に走査が順次行われる。
超音波トランスデューサ13の薄膜圧電素子16は、送受波兼用の素子であり、生体組織8で反射した超音波(反射波)を電気信号に変換する。そして、その反射波の信号は、送受波分離回路23を介して受信回路22に供給される。受信回路22は、信号増幅回路を含んで構成されていて、反射波の信号を増幅して検波回路24に出力する。
検波回路24は、生体組織8からの反射波信号を検出するための回路であり、図示しないゲート回路を含む。本実施の形態の検波回路24は、超音波トランスデューサ13で受信した反射波信号のなかから生体組織8やリファレンス部材19の反射波信号を抽出する。そして、検波回路24で抽出された反射波信号は、A/D変換回路25に供給されてA/D変換された後、パソコン3に転送される。
パソコン3は、CPU31、I/F回路32、メモリ33、記憶装置34、入力装置35、及び表示装置36を備え、それらはバス37を介して相互に接続されている。
CPU31は、メモリ33を利用して制御プログラムを実行し、システム全体を統括的に制御する。制御プログラムとしては、X−Yステージ14による二次元走査を制御するためのプログラム、音響インピーダンスを算出するためのプログラム、音響インピーダンス像を表示するためのプログラムなどを含む。
I/F回路32は、超音波プローブ6との間で信号の授受を行うためのインターフェース(具体的には、USBインターフェース)である。I/F回路32は、超音波プローブ6に制御信号(コントローラ27への駆動制御信号)を出力したり、超音波プローブ6からの転送データ(A/D変換回路25から転送されるデータなど)を入力したりする。
表示装置36は、例えば、LCDやCRTなどのカラーディスプレイであり、生体組織8の画像(音響インピーダンス像)や各種設定の入力画面を表示するために用いられる。入力装置35は、キーボードやマウス装置などであり、ユーザからの要求や指示、パラメータの入力に用いられる。
記憶装置34は、磁気ディスク装置や光ディスク装置などであり、制御プログラム及び各種のデータを記憶している。なお、この記憶装置34に記憶されるデータとしては、樹脂プレート9の第1音響インピーダンス値やリファレンス部材19の第2音響インピーダンス値を含む。具体的には、例えば、樹脂プレート9の第1音響インピーダンス値は、3.2×10Ns/mであり、リファレンス部材19の第2音響インピーダンス値は、1.0×10Ns/mである。
CPU31は、入力装置35による指示に従い、プログラムやデータを記憶装置34からメモリ33へ転送し、それを逐次実行する。なお、CPU31が実行するプログラムとしては、メモリカード、フレキシブルディスク、光ディスクなどの記憶媒体に記憶されたプログラムや、通信媒体を介してダウンロードしたプログラムでもよく、その実行時には記憶装置34にインストールして利用する。
ここで、生体組織8の音響インピーダンス像を生成するためにCPU31が実行する処理例について、図6のフローチャートを用いて説明する。
まず、超音波プローブ6の初期動作として、CPU31からの指示に基づいてコントローラ27によりモータ28X,28Yが駆動され、走査位置がリファレンス部材19に位置するようにX−Yステージ14が移動される。またこのとき、励起パルスがトランスデューサ13に供給されると、図3に示すように、リファレンス部材19に超音波Sが照射され、その反射波Sが検波回路24で検出される。そして、CPU31は、A/D変換回路25で変換されたデジタルデータをI/F回路32を介して取得し、そのデータをリファレンス部材19の反射波のデータとしてメモリ33に記憶する(ステップ100)。
その後、CPU31からの指示に基づいてコントローラ27によりモータ28X,28Yが駆動され、X−Yステージ14による二次元走査が開始される。CPU31は、エンコーダ26の出力に基づいて測定点の座標データを取得する(ステップ110)。そして、図3に示すように、生体組織8に超音波Sが照射され、その反射波Sが検波回路24で検出される。CPU31は、A/D変換回路25で変換されたデジタルデータをI/F回路32を介して取得し、そのデータを生体組織8の反射波Sのデータとして座標データに関連付けてメモリ33に記憶する(ステップ120)。
その後、CPU31は、得られたリファレンス部材19及び生体組織8での反射波S,Sの強度と、リファレンス部材19及び樹脂プレート9の音響インピーダンスZ,Zの値とを用いて、上記の式(3)に対応した演算処理を行い測定点での音響インピーダンスZを算出する。そして、CPU31は、算出された音響インピーダンスZを測定点の座標データに関連付けてメモリ33に記憶する(ステップ130)。
その後、CPU31は、算出した音響インピーダンスZに基づいて音響インピーダンス像を生成するための画像処理を行う。詳しくは、CPU31は、音響インピーダンスZを用いてカラー変調処理を行い、音響インピーダンスZの大きさに応じた画像データを生成し、該画像データをメモリ33に記憶する(ステップ140)。これの具体例を挙げると、音響インピーダンスZの値が大きくなるほど赤色系の色調を強くし、音響インピーダンスZの値が小さくなるほど青色系の色調を強くするような画像処理を行う。
CPU31は、全ての測定点での処理が終了し、1画面分の画像データが取得されたか否かを判断する(ステップ150)。ここで、全データが取得されていない場合、CPU31は、ステップ110に戻って、ステップ110〜150の処理を繰り返し実行する。そして、全データが取得された場合には、該データを表示装置36に転送して、図7に示すような音響インピーダンス像41を表示させた後、図6の処理を終了する。なお、図7の音響インピーダンス像41では、生体組織8における音響インピーダンスの違いを色の濃淡で示しているが、実際には、音響インピーダンスの値に応じて色分けされたカラー画像として表示される。
図7に示されるように、音響インピーダンス像41において、小脳の神経回路を構成する各神経層(顆粒細胞IGL、平行線維ML、白質WMなど)を確認することができた。また、音響インピーダンス像41の左上の隅部には、リファレンス部材19が黒色で表示されている。
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施の形態の樹脂プレート9では、従来技術のように試料支持領域R0の周辺ではなく、試料支持領域R0内に複数のリファレンス部材19が設けられている。従って、生体組織8における測定対象部位の近傍に設けられているリファレンス部材19を選択してそのリファレンス部材19に超音波を照射することにより、X−Yステージ14による超音波トランスデューサ13の移動距離が短くなり、リファレンス部材19の反射波Sを迅速に取得することができる。また、従来技術のように測定対象部位の近傍にリファレンス部材19を設ける必要がなく、そのための作業時間も不要となる。従って、リファレンス部材19の反射波Sと生体組織8の反射波Sとを迅速に取得し、それら反射波S,Sに基づいて、生体組織8の音響インピーダンスZを短時間で測定することができる。また、測定対象部位の近傍にあるリファレンス部材19を参照することにより、測定精度を向上させることができる。
(2)本実施の形態の樹脂プレート9では、複数のリファレンス部材19がマトリクス状に、すなわち等間隔で規則正しく配置されているので、生体組織8の測定対象部位に最も近いリファレンス部材19を容易に選択することができる。また、音響インピーダンス像41を取得する際に、その音響インピーダンス像41の目印(基準位置)としてリファレンス部材19を利用することができる。さらに、複数のリファレンス部材19がマトリクス状に規則正しく配置されているので、ランダムに設けた場合と比較してその外観も良く、実用上好ましいものとなる。
(3)本実施の形態の樹脂プレート9では、その上面91に親水性のSiOゲル膜18が形成されているので、その上面91に生体組織8を確実に密着させることができ、生体組織8の音響インピーダンスZの値を正確に測定することができる。また、本実施の形態では、樹脂プレート9の上面91にSiOゲル膜18を形成した後に、そのSiOゲル膜18上に複数のリファレンス部材19が配設されている。この場合、SiOゲル膜18の形成時に化学的な作用がリファレンス部材19に加わることがなく、その化学的な作用によるリファレンス部材19の特性変化を防止することができる。従って、リファレンス部材19の第2音響インピーダンス値が、既知の音響インピーダンス値から変化するといったことを回避でき、生体組織8の音響インピーダンスZの値を正確に測定することができる。
(4)本実施の形態のSiOゲル膜18は、0.4μm程度の厚さであり、超音波Sの波長(具体的には、15μm程度)の1/10以下の厚さを有する。この場合、超音波SがSiOゲル膜18を通過する際に減衰することなく、生体組織8の音響インピーダンスZを正確に測定することができる。
(5)本実施の形態では、樹脂プレート9の上面91に形成されるリファレンス部材19は、平面視形状が円形であり、中央部ほど厚くなるようドーム状に突設されている。この場合、樹脂プレート9の上面91において、例えば柱状のリファレンス部材を形成した場合と比較して、表面の凹凸が滑らかになるため、生体組織8を確実に密着させることができる。
(6)本実施の形態のパルス励起型超音波顕微鏡2は、生体組織8の下方から超音波Sを照射してその組織下面の画像を可視化するよう構成された倒立型の顕微鏡である。この場合、試料ホルダなどの特別な固定部材を設ける必要がなく、樹脂プレート9上面91に生体組織8を載せるだけで、その音響インピーダンスZを容易に測定することができる。従って、生体組織8を生かした状態でその組織構造を迅速に確認することができる。言い換えると、生体組織8のありのままの様子を観察することが可能となる。
なお、本発明の実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、樹脂プレート9の上面91には、親水性無機薄膜としてのSiOゲル膜18(シリコン酸化物薄膜)を形成するものであったが、これ以外に、例えば、チタン酸化物薄膜などの金属酸化物薄膜を形成してもよい。但し、親水性無機薄膜は、JIS R 3257の測定法に準拠して測定したときの接触角の値が20°〜60°であることが好ましい。ここで、接触角の値が60°よりも大きすぎると、親水性が不足して樹脂プレート9の上面91に生体組織8を密着させることが困難となる。また、接触角の値が20°よりも小さいと、親水性無機薄膜と生体組織8との間に水の層が介在してしまい、その水の音響インピーダンスの影響で生体組織8の音響インピーダンスZを正確に測定できなくなる。従って、接触角の値が20°〜60°となるように親水性無機薄膜を形成すれば、樹脂プレート9の上面91に生体組織8を密着させることができ、その生体組織8の音響インピーダンスZを正確に測定することができる。なお、親水性無機薄膜は、ゾルゲル法以外に、スプレー法、液相析出法などの化学的手法によって形成されるものでもよい。
・上記実施の形態では、樹脂プレート9の上面において、親水性無機薄膜(SiOゲル膜18)を介してリファレンス部材19が配置されるものであったが、図8に示されるように、リファレンス部材19を覆うようにして親水性無機薄膜45を形成してもよい。このように、親水性無機薄膜45を形成することにより、生体組織8との密着性をより高めることができ、生体組織8の音響インピーダンスZを正確に測定することができる。なおこの場合、リファレンス部材19の特性が変化しない形成方法、例えば、スプレー法などの塗布方法を利用して親水性無機薄膜45を形成する。
・上記実施の形態の樹脂プレート9において、生体組織8との密着性が十分に確保できる場合には、SiOゲル膜18などの親水性無機薄膜を省略してもよい。さらに、樹脂プレート9の上面には、プラズマ照射または紫外線照射による親水化処理を施してもよい。この親水化処理を施すことにより、樹脂プレート9の上面91と生体組織8との密着性が高められるので、生体組織8の音響インピーダンスZを正確に測定することができる。
・上記実施の形態では、樹脂プレート9は、アクリル樹脂により形成されるものであったが、これ以外に、ポリスチレンやポリエチレンテレフタレートなどの超音波を透過しうる合成樹脂材料を用いて形成されるものでもよい。
・上記実施の形態では、リファレンス部材19は、シリコーン樹脂により形成されていたが、例えば、エポキシ樹脂などの別の樹脂材料を用いて形成されるものでもよい。このリファレンス部材19は、樹脂プレート9の第1音響インピーダンス値とは異なる第2音響インピーダンス値を有する部材で形成されるものであればよい。
・上記実施の形態では、樹脂プレート9において、複数のリファレンス部材19をマトリクス状に規則正しく配置していたが、ランダムで散点状に配置してもよい。勿論、二次元的な配置以外に一次元的な配置(例えば、直線状の配置)となるよう複数のリファレンス部材19を設けてもよい。また、走査範囲R1内において1つのリファレンス部材19を含むようにその配置間隔が設定されていたが、これに限定されるものではない。リファレンス部材19の配置間隔を短くし、走査範囲R1内に複数のリファレンス部材19が含まれるように構成してもよい。この場合、複数のリファレンス部材19の反射波Sを取得し、各反射波Sを用いて、音響インピーダンスZを算出する。具体的には、例えば、複数のリファレンス部材19の反射波Sに基づいて、超音波伝達媒体W1の温度変化による測定誤差を補正するように構成してもよい。
・上記実施の形態では、各リファレンス部材19は、直径が300μm程度、中心部の厚さが150μm程度であるドーム状に形成されていたが、このサイズや形状は適宜変更してもよい。リファレンス部材19の形状としては、図9(a)に示すような円柱状や図9(b)に示すような四角柱状などでもよい。なおこの場合、複数の貫通孔を有するマスクを樹脂プレート9の上面91に重ねて配置した後、印刷法によりシリコーン樹脂のペーストを各貫通孔に充填して硬化させることで、各リファレンス部材19を形成する。また例えば、超音波トランスデューサ13から照射する超音波Sの周波数を高くして、音響インピーダンス像41の解像度を高める場合には、リファレンス部材19のサイズを小さくする。但し、リファレンス部材19にて超音波Sを確実に反射させるためには、その超音波Sの波長よりも厚くなるようにリファレンス部材19を形成することが好ましい。
・上記実施の形態において、樹脂プレート9を構成する合成樹脂材料とは異なる色でリファレンス部材19を着色してもよい。このように、リファレンス部材19を着色することにより、リファレンス部材19の位置を容易に確認することができる。
・上記実施の形態において、ラットの小脳における生体組織8を観察するものであったが、ラット以外の動物の生体組織を観察してもよい。また、小脳以外の脳(大脳、間脳、中脳など)の組織や、脳以外の神経組織や、神経組織以外の臓器(心臓、肺、肝臓、腎臓、脾臓など)の組織を観察してもよい。
・上記実施の形態では、生体組織8の音響インピーダンスZを測定するものであったが、音響インピーダンスZ以外に、密度や体積弾性率などの音響パラメータを測定してもよい。
・上記実施の形態では、生体組織8の下方から超音波を照射する倒立型の超音波顕微鏡2を用いるものであったが、生体組織8の上方から超音波を照射する超音波顕微鏡を用いてもよい。
・上記各実施の形態において、パソコン3を用いて超音波画像検査装置1を構成したが、それ以外にワークステーションなどのコンピュータを用いてもよい。また、音響インピーダンス像41を表示するための表示装置36は、パソコン3に一体的に設けられるものであったが、パソコン3と別体で設けてもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)請求項4において、前記親水性無機薄膜は、金属酸化物薄膜であることを特徴とする記載の音響パラメータ測定装置用の試料支持体。
(2)請求項4において、前記親水性無機薄膜は、ゾルゲル法により形成された金属酸化物薄膜であることを特徴とする音響パラメータ測定装置用の試料支持体。
(3)請求項4において、前記親水性無機薄膜は、ゾルゲル法により形成されたシリコーン酸化物薄膜であることを特徴とする音響パラメータ測定装置用の試料支持体。
(4)請求項4において、前記親水性無機薄膜は、JIS R 3257の測定法に準拠して測定したときの接触角の値が20°〜60°であることを特徴とする音響パラメータ測定装置用の試料支持体。
(5)請求項4において、前記親水性無機薄膜は、照射する超音波の波長の1/10以下の厚さを有することを特徴とする音響パラメータ測定装置用の試料支持体。
(6)請求項3において、前記親水化処理は、プラズマ照射または紫外線照射による親水化処理であることを特徴とする音響パラメータ測定装置用の試料支持体。
(7)請求項1乃至6のいずれか1項において、前記リファレンス部材は、前記二次元走査手段による超音波の走査範囲内に少なくとも1つのリファレンス部材が配置されるようにその走査範囲に対応した間隔で設けられることを特徴とする音響パラメータ測定装置用の試料支持体。
(8)請求項1乃至6のいずれか1項において、前記リファレンス部材は、前記合成樹脂材料とは異なる色で着色されていることを特徴とする音響パラメータ測定装置用の試料支持体。
(9)請求項1乃至6のいずれか1項において、前記リファレンス部材は、平面視形状が円形であり、中央部ほど厚くなるようドーム状に突設されていることを特徴とする音響パラメータ測定装置用の試料支持体。
(10)請求項7において、前記超音波顕微鏡は、前記試料の下方から超音波を照射してその試料における下面の画像を可視化するよう構成された倒立型の顕微鏡であることを特徴とする音響パラメータ測定装置。
本発明を具体化した一実施の形態の超音波画像検査装置を示す概略構成図。 超音波画像検査装置の電気的な構成を示すブロック図。 生体組織を載置した樹脂プレートを示す拡大断面図。 樹脂プレートを示す斜視図。 超音波の走査範囲を示す説明図。 音響インピーダンス像の生成処理を示すフローチャート。 音響インピーダンス像を示す説明図。 別の実施形態の樹脂プレートを示す拡大断面図。 (a),(b)は、別の実施形態のリファレンス部材を示す斜視図。 音響インピーダンスの測定方法を示す説明図。
符号の説明
1…音響パラメータ測定装置としての超音波画像検査装置
2…超音波顕微鏡としてのパルス励起型超音波顕微鏡
8…試料としての生体組織
9…試料支持体としての樹脂プレート
13…焦点型超音波振動子としての超音波トランスデューサ
14…二次元走査手段としてのX−Yステージ
18…親水性無機薄膜としてのSiOゲル膜
91…第1面としての上面
92…第2面としての下面
R0…試料支持領域としてのセット部
…超音波
…反射波
…音響パラメータとしての音響インピーダンス
W1…音波伝達媒体

Claims (7)

  1. 超音波を試料に向けて照射するとともに、前記試料からの反射波を受信して電気信号に変換する焦点型超音波振動子と、前記超音波の照射点を二次元的に走査させる二次元走査手段とを備えた超音波顕微鏡を含んで構成され、前記反射波に基づいて前記試料の音響パラメータを求める音響パラメータ測定装置にて使用される試料支持体であって、
    試料を密着させて支持するための第1面を有し、その反対側に位置しかつ超音波伝達媒体を接触させるための第2面を有し、前記試料及び前記超音波伝達媒体の音響インピーダンス値とは異なる既知の第1音響インピーダンス値を有しかつ超音波を透過しうる合成樹脂材料からなり、前記第1面上における少なくとも試料支持領域内に、前記試料及び前記超音波伝達媒体の音響インピーダンス値とも異なりかつ前記第1音響インピーダンス値とも異なる既知の第2音響インピーダンス値を有する複数のリファレンス部材が散点状に配置されていることを特徴とする音響パラメータ測定装置用の試料支持体。
  2. 前記複数のリファレンス部材はマトリクス状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の音響パラメータ測定装置用の試料支持体。
  3. 前記第1面には親水化処理が施されていることを特徴とする請求項1または2に記載の音響パラメータ測定装置用の試料支持体。
  4. 前記第1面上には、前記合成樹脂材料よりも親水性が高くかつ化学的手法により形成された親水性無機薄膜が存在することを特徴とする請求項1または2に記載の音響パラメータ測定装置用の試料支持体。
  5. 前記複数のリファレンス部材は、前記第1面上に形成された親水性無機薄膜を介して配置されることを特徴とする請求項4に記載の音響パラメータ測定装置用の試料支持体。
  6. 前記複数のリファレンス部材は、前記第1面上に直接配置され、前記親水性無機薄膜は、前記複数のリファレンス部材を覆うようにして前記第1面上に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の音響パラメータ測定装置用の試料支持体。
  7. 試料を密着させて支持するための第1面を有し、その反対側に位置しかつ超音波伝達媒体を接触させるための第2面を有する試料支持体と、前記超音波伝達媒体及び前記試料支持体を介して前記第2面側から前記試料に超音波を照射するとともに、前記試料からの反射波を受信して電気信号に変換する焦点型超音波振動子と、前記超音波の照射点を二次元的に走査させる二次元走査手段とを備えた超音波顕微鏡を含んで構成され、前記反射波に基づいて前記試料の音響パラメータを求める音響パラメータ測定装置であって、
    前記試料支持体は、前記試料及び前記超音波伝達媒体の音響インピーダンス値とは異なる既知の第1音響インピーダンス値を有しかつ超音波を透過しうる合成樹脂材料からなり、
    前記試料支持体の前記第1面上における少なくとも試料支持領域内には、前記試料及び前記超音波伝達媒体の音響インピーダンス値とも異なりかつ前記第1音響インピーダンス値とも異なる既知の第2音響インピーダンス値を有する複数のリファレンス部材が散点状に配置されている
    ことを特徴とする音響パラメータ測定装置。
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