JP2008208623A - アンカー頭部及び頭部背面機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンカー頭部及び頭部背面の部品を交換する際に水密性を発揮し、シース材の状態の如何にかかわらず確実に水密性を発揮出来る様な背面管と、その背面管を用いたアンカー補修方法の提供。
【解決手段】グラウンドアンカーの頭部背面に設置され、地上側(E)の領域の外形寸法が地中側(G)の領域の外形寸法よりも大きく、地中側(G)の先端がテンドン(1)を被覆する鞘状部材(4)の内側の領域に侵入可能に構成されており、鞘状部材(4)の内側に挿入された際に断面形状が鞘状部材(4)の断面形状と相似形に変形するような可撓性を有しており、地中側(G)先端近傍の領域の全周にわたって突起(55)が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、既存のグラウンドアンカーを補修して延命するための技術に関し、特に、アンカー頭部及び頭部背面の部品を交換して、グラウンドアンカーを補修する技術と、それに用いられる部材に関する。
既存のグラウンドアンカーの設置期間が長期化した場合には、アンカー頭部及び頭部背面の劣化が問題となる。そして、グラウンドアンカーの支持力を維持するために、必要に応じてアンカー頭部及び頭部背面の部品を交換して、グラウンドアンカーの補修を図らなければならない。
ここで、アンカー頭部及び頭部背面の部品を交換して、グラウンドアンカーの補修を図るに際しては、当該補修措置を行った後も、アンカー頭部及び頭部背面が水密性を発揮する様に処理する必要がある。雨水や湧水がアンカー頭部及び頭部背面に浸入するためである。
上述した様な水密性を発揮させるために、従来は、アンカー頭部及び頭部背面の部品を交換する際に、図13で示す様に背面管5を、コンクリートフレーム8に嵌入した口元管9の中に挿入し、水密性を発揮せしめていた。図13で示す様に背面管5を口元管9の中に挿入することにより、地上側からの水(例えば、雨水等)がシース材4内部に侵入してしまうことが、ある程度は防止することが出来る。
図13において、符号1はテンドン、符号2はアンカープレート、符号3はアンカーヘッド、符号7はヘッドキャップを示す。以下、図14以降については、同じ構成には同一の符号を付し、説明の重複を避ける。
図13では示されていないが、背面管5の内壁面に止水部材を設け、当該止水部材により背面管の内壁面とシース材4外周面との間の管状空間をシールする様に構成すれば、地上側からの湧水がシース材外周面を伝って浸入することが防止できる。
図13で示す様な従来技術では、背面管5がシース材4の外周面を覆うように挿入する必要がある。
しかし、背面管5がシース材4の外周面を覆うように挿入することが出来ない様な場合が、種々存在する。
例えば、図14で示す様に、グラウト材12がシース材4の端面まで充填されて固結している場合には、固結したグラウト材12により、背面管(図示を省略)がシース材4の外周面を覆うように挿入することが妨げられてしまう。
また、図13で示す様に、背面管5が、コンクリートフレーム8よりも短く構成されている場合がある。その様な場合に、図15で示す様に法面Fの位置でシース材4が切断されていれば、通常の背面管(図示を省略)がシース材4の外周面を覆うように、充分に挿入することができない。換言すれば、通常の背面管5が装着される位置まで、シース材4が届いていないことになる。
さらに、シース材4の地上側の端面4aは、図16で示すように半径方向外方に拡がる傾向がある。シース材4の地上側の端面4aが半径方向外方に拡がると、背面管(図示を省略)でシース材4の外周面を覆うように挿入することが、より困難となる。
特に、図17で示す様にシース材4の地上側4aの端面が破損してしまった場合には、背面管(図示を省略)でシース材4の外周面を覆うように挿入することが、非常に困難となる。
図16或いは図17で示す場合に、シース材4の地上側の端面4aがコンクリートフレーム8の地表側に近い位置にあれば、シース材4の外周面を覆うべく背面管5を挿入することが可能となる様に、コンクリートフレーム8の地表側からシース材4端面を処理することも考えられる。
しかしながら、図15で示す様にシース材4が通常の背面管が装着される位置まで届いていない場合には、コンクリートフレーム8の地表側からシース材4端面を処理することができず、背面管をシース材4の外周面を覆うように挿入することは不可能である。
それに加えて、シース材4の回りで固結しているグラウト12により、図18で示す様に、シース材4の断面形状が、本来の断面形状である円形から、楕円形に変形してしまう場合が多い。シース材4の断面形状が楕円形に変形してしまうと(図18)、断面が円形の背面管(図示を省略)でシース材4の外周面を覆うように挿入することは不可能となる。
或いは図19で示す様に、シース材4が口元管9に対して偏芯した位置となって、シース材4の外周面が口元管9の内壁面9iと当接してしまう場合も存在する。この様な場合にも、シース材4の外周面を覆うように背面管(図示を省略)を挿入することは不可能である。
なお、図18で示す状態では、シース材4の断面形状が変形していると共に、シース材4の位置が口元管9の中心から偏芯している。
上記以外の従来技術として、削孔ケーシングの引き抜き工程に先立って、止水装置を削孔ケーシング内へ挿入して、押さえ冶具の交換作業を容易にせしめる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、特許文献1は、背面管の挿入に関する上述した様な各種問題を解消するものではない。
特開平8−326054号公報
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、アンカー頭部及び頭部背面の部品を交換する際に水密性を発揮し、シース材の状態の如何にかかわらず確実に水密性を発揮する様な背面管と、その背面管を用いたアンカー補修方法の提供を目的としている。
本発明の背面管(5)は、グラウンドアンカー(100)の頭部背面に設置され、地上側(E)の領域の外形寸法が地中側(G)の領域の外形寸法よりも大きく、地中側(G)の先端がテンドン(1)を被覆する鞘状部材(シース材4)の内側の領域に侵入可能に構成されており、鞘状部材(4)の内側に挿入された際に断面形状が鞘状部材(4)の断面形状と相似形に変形するような可撓性を有しており、地中側(G)先端近傍の領域の全周にわたって突起(55)が形成されており、その突起(55)は(健全な)鞘状部材(4)の内壁面(4i)に当接して水密性(止水作用)を発揮する様に構成されていることを特徴としている(請求項1)。
本発明の背面管(5)において、支圧板(アンカープレート2)に押圧される地上側(E)の領域に設置される外形寸法が大きい第1の部分(α)と、半径方向寸法が単一で軸方向寸法が異なる複数の中空円筒状部品から選択可能な第2の部分(β)と、鞘状部材の内側の領域に侵入可能に構成されており且つ前記突起(55)が全周にわたって形成されている第3の部分(γ)とに分割して構成することが可能である(請求項2:図5参照)。
本発明の背面管(5)において、地中側端部は斜めに切り落した形状(56)に形成されていることが好ましい(請求項3)。
その様な形状であれば、鞘状部材(シース材4)の内側の領域に浸入することが容易となるからである。
ただし、地中側端部を平坦な形状に形成することも可能である(図3参照)。その場合、必要に応じて、例えば作業現場等で、地中側端部を斜めに切り落した形状に加工することが可能である(図4参照)。
本発明の前記背面管(5)において、支圧板(アンカープレート2)に押圧される地上側(E)の領域に設置される外形寸法が大きい第1の部分(α)と、半径方向寸法が単一で軸方向寸法が異なる複数の中空円筒状部品から選択可能な第2の部分(β)と、鞘状部材(4)の内側の領域に侵入可能に構成されており且つ前記突起(55)が全周にわたって形成されている第3の部分(γ)とに分割して構成することが可能である(図5参照)。
本発明のアンカー頭部及び頭部背面機構は、テンドン(1)と、テンドン(1)に作用する緊張力を支持する支圧板(アンカープレート2)と、テンドンに付加された緊張力を保持する緊張力保持機構(例えば、アンカーヘッド3と定着くさび31)と、支圧板(3)よりも上方の領域(アンカー頭部)に被せられたヘッドキャップ(7)と、支圧板(2)により押圧され鞘状部材(シース材4)まで延在している背面管(5)とを備え、その背面管(5)は、地上側(E)の領域の外形寸法が地中側(G)の領域の外形寸法よりも大きく、地中側(G)の先端がテンドン(1)を被覆する鞘状部材(シース材4)の内側の領域に侵入可能に構成されており、鞘状部材の内側に挿入された際に断面形状が鞘状部材(4)の断面形状と相似形に変形するような可撓性を有しており、地中側先端近傍の領域の全周にわたって突起(55)が形成されており、その突起(55)は鞘状部材(4)の内壁面(4i)に当接して水密性を発揮する様に構成されていることを特徴としている(請求項4)。
本発明のアンカー補修方法は、テンドン(1)に背面管(5)を通して当該背面管(5)の地中側の先端を(テンドン1を被覆する)鞘状部材(シース材4)まで到達させる工程と、当該背面管(5)を地中側(G)に押圧してその地中側先端を鞘状部材(シース材4)の内側の領域に挿入する工程とを有し、当該挿入する工程では、背面管(5)の地中側先端近傍の領域全周にわたって形成された突起(55)が水密性を発揮する様に鞘状部材(4)の内壁面(4i)に当接し、緊張力保持機構(例えば、アンカーヘッド3と定着くさび10)によりテンドン(1)に付加された緊張力を保持する工程と、ヘッドキャップ(7)を支圧板(アンカープレート2)に取り付け、以って、支圧板(2)よりも地上側の領域(に存在するテンドン1及びアンカーヘッド3)をヘッドキャップ(7)で覆う工程と、ヘッドキャップ(7)に覆われた領域及び背面管(5)の内側の領域に充填材(例えば、グリース11の様な防錆材等)を充填する工程、とを有することを特徴としている(請求項5)。
本発明のアンカー補修方法の実施に際して、背面管(5)の地中側先端を鞘状部材(シース材4)の内側の領域に挿入する前記工程では、背面管(5)の断面形状が鞘状部材(4)の断面形状と相似形に変形することが好ましい。
上述する構成を具備する本発明によれば、背面管(5)がシース材(4)の内側でテンドン(1:例えば、PC鋼より線)の外側に挿入されている。
背面管(5)は、その外径がシース材(4)の内径よりも僅かに小さく構成されているが、背面管(5)の突起(55)の最大外径は、シース材(4)の内径と同一か、それよりも僅かに大きく構成されている。そのため、突起(55)はシース材(4)に対して締まり嵌めの状態となり、係る締まり嵌めの状態となった部分(突起55の形成された部分)が水密性を発揮する。換言すれば、突起(55)がシース材(4)の内壁面(4i)を押圧することにより、水分がシース材(4)の内部に浸入することが防止され、テンドン(1)の腐食が防止される。
また本発明によれば、背面管(5)がシース材(4)の内側に挿入されるので、図14で示す様にグラウト材(12)がシース材(4)の上端面近傍まで充填され固結している場合においても、背面管(5)をシース材(4)の(内側へ)確実に挿入することが可能となる。
また、図15で示す様に、シース材(4)が法面(F)で切断されている場合や、通常の背面管が装着される位置までシース材(4)が到達していない場合においても、テンドン(1)をガイド部材として、背面管を確実にシース材(4)の内側に挿入することが出来る。
そして、図16で示す様にシース材(4)の上端面(4a)が半径方向外側に拡がっている場合や、図17で示す様にシース材(4)の端面(4a)が破損している場合においても、本発明では背面管がシース材(4)の内側に挿入される構成となっているので、背面管を確実にシース材(4)へ挿入することが出来る。
ここで、背面管(5)の地中側端部を斜めに切り落した形状(56)に形成すれば(請求項3)、当該斜めに切り落した端部から、背面管(5)を鞘状部材(シース材4)の内側の領域に浸入することが容易となる。
ここで、本発明に係る背面管(5)は、シース材(4)の内側に挿入する際に、シース材(4)の断面形状に対応して変形する程度の可撓性を有して構成されている。
そのため、図18で示す様にシース材(4)が変形している場合であっても、シース材(4)の内側に挿入された背面管はシース材(4)の断面形状に対応して変形して、シース材(4)の内側に挿入される。
また、図19で示す様に、シース材(4)が口元管(9)の中心から偏芯して、口元管(9)の内壁面(9i)に接触している場合においても、背面管がシース材(4)の内側に挿入される本発明であれば、当該背面管はシース材(4)へ容易に挿入されるのである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の実施形態に係るグラウンドアンカー100のアンカー頭部及び頭部背面の構造を示している。
図1において、グラウンドアンカー100は、例えば、PC鋼より線からなる複数(図1では3本)のテンドン1と、アンカープレート2と、アンカーヘッド3と、シース材4(鞘状部材)とを有している。
図1における符号Fは法面を示す。図1では、法面Fを境に、地上側を符号Eで示し、地中側をGで示す。
3本のテンドン1は、地上側端部近傍がアンカーヘッド3によって固定されることにより、緊張力が保持されている。アンカーヘッド3の上面(地上側端面)31のテンドン1の貫通位置には定着くさび10が挿入され、アンカーヘッド3によるテンドン1の締め付け(固定)を確実なものとしている。
アンカーヘッド3は、アンカープレート2の上面(地上側端面)21に載置され、アンカープレート2は、後述する補剛板6の上面(地上側端面)61に載置されている。補剛板6は、法面F上に設けたコンクリートフレーム8の上面(地上側端面)81に載置されている。
コンクリートフレーム8の補剛板6が載置される箇所には、挿通孔82が形成されている。この挿通孔82には、テンドン1が貫通する。
挿通孔82には、口元管9が挿入されている。
テンドン1における地中側Gの領域は、シース材4によって被覆されている。ここでシース材4は、テンドン1を保護するために設けられている。
シース材4の地上側端部の内側で、且つ、テンドン(PC鋼より線)1の外側には、背面管5が挿入されている。背面管5の内部には、テンドン1の防錆材であるグリース11が充填(注入)されている。
背面管5の地上側の端部には、フランジ54が形成されている。フランジ54は、アンカープレート2の下面22と、補剛板6の上面61とによって、挟持されて固定される。
図2は、上述した背面管5を単体で示している。
図2において、背面管5は全体が筒状体として構成されており、地上側に配置される部分であって且つ外径の大きな円筒部51と、地中側に配置される部分であって且つ外径の小さな円筒部52と、円筒部51と円筒部53とを接続するテーパー部53とを有している。
地上側に配置される部分であって且つ外径の大きな円筒部51の端部(地上側端部)には、フランジ54が形成されている。
外径の小さな円筒部52の地中側の先端は、斜めに切り落した形状56になっている。当該斜めに切り落した形状56の近傍には、全周にわたって突起55が形成されている。
図3及び図4を参照して後述するように、背面管5先端の斜めに切り落した形状56は、図3の背面管(標準背面管)の先端を斜めに切り落す加工を行って成形する。
図1及び図2において、テンドン1がPC鋼より線で構成されている場合、シース材4から露出したテンドン1は、アンカーヘッド2の半径方向外方に形成された穴(テンドン1を定着くさび10により締め付けるための穴)の内径に対応して、半径方向外側に拡がる。そのため、シース材4から露出したテンドン1と対応する領域、すなわち、地上側に配置される部分(外径の大きな円筒部)51の半径方向寸法を大きく形成している。
背面管5は、外径の小さな円筒部52(背面管5の地中側に配置される部分)の外径が、シース材4の内径よりも僅かに小さく構成されている。ただし、背面管5の先端近傍の突起55の最大外径は、シース材4の内径と同一か、或いは僅かに大きく構成されている。
したがって、突起55はシース材4に対して締まり嵌めとなり、係る締まり嵌めの部分(突起55の形成された部分)が、シース材4の内壁面と協働して、水密性を発揮している。すなわち、突起55がシース材4の内壁面4iを押圧することにより、水分は当該押圧された内壁面4iよりもシース材4の内部に浸入することが出来ず、水密性が発揮された状態となる。その結果、シース材4内部のテンドン1が腐食することが防止される。
突起55はOリング状に背面管5の全周にわたって形成されており、例えば、いわゆる「へらしぼり」の技法、或いはプレス加工により形成される。また、樹脂製品等における型成形により、突起55を形成することが出来る。
係る構成を具備する背面管5の地中側の先端部は、シース材4の端面4aが半径方向外側に拡がっている場合(図16)や、シース材4の端面4aが破損している場合(図17)であっても、シース材4の端面4a近傍の領域を抵抗無く通過する。
ある程度の距離だけ背面管5が挿入され、突起55を形成した部分がシース材4の健全な領域(半径方向外側に拡がっておらず、破損もしていない領域)まで到達したならば、突起55はシース材4に対して締まり嵌めとなり、シース材4の内壁面4iに押圧されて、水密性を発揮する。
図1で示す様なグラウンドアンカー100のアンカー頭部及び頭部背面の構造によれば、背面管5をシース材4の内側に挿入するように構成しているので、図14で示す様にグラウト材12(一次グラウト、既設グラウト)がシース材4の端面近傍まで充填され固結している場合においても、背面管5をシース材4の(内側へ)確実に挿入することが可能となる。
また、図15で示す様に、シース材4が法面Fで切断されている場合や、通常の背面管が装着される位置までシース材4が届いていない場合においても、後述する様に、テンドン1をガイド部材として、背面管5を地上から確実にシース材4の内側に挿入することが出来る。
そして、図16で示す様にシース材4の端面4aが半径方向外側に拡がっている場合や、図17で示す様にシース材4の端面4aが破損している場合においても、図1で示す様なアンカー頭部及び頭部背面の構造では、背面管5をシース材5の内側に挿入するように構成しているので、背面管5を確実にシース材4の半径方向内方の領域へ挿入することが出来る。
図1では明確には図示されていないが、図8を参照して後述する様に、背面管5は、シース材4の内側に挿入する際に、シース材4の断面形状に対応して変形する程度の可撓性を有して構成されている。
そのため、図18で示す様にシース材4が変形している場合であっても、シース材4の内側に挿入された背面管5は、シース材4の断面形状に対応して変形して、シース材4の内側に挿入される。
また、図19で示す様に、シース材4が口元管9の中心から偏芯して、口元管9の内壁面9iに接触している場合においても、背面管5をシース材4の内側に挿入するように構成している図1のアンカー頭部及び頭部背面の構造(図1)によれば、背面管5はシース材4へ容易に挿入されるのである。
上述したように、背面管5はシース材4の内側に挿入する際に、シース材4の断面形状に対応して変形する程度の可撓性を有して構成されているが、係る可撓性を保証するため、薄肉管状になっている。
しかし、可撓性を有する薄肉管は、シース材4の内側に押し込む際に、予期しない変形や座屈を生じる恐れがある。
それに対して、図2で示す背面管5は、背面管5の地中側の先端を斜めに切り落した形状56とすることにより、シース材4の内側に挿入し易くしている。すなわち、シース材4の内側に挿入することが容易な形状とすることにより、可撓性を有する薄肉管であっても、予期しない変形や座屈を生じること無く、確実に、シース材4の内側に挿入されるのである。
図3は標準的な背面管を示している。図3において、背面管は符号5Aで示す。
図3において、背面管5Aの地中側先端56Aは、平坦な形状に形成されている。背面管5Aの地中側先端56Aが平坦に形成されている以外は、図2で示す背面管5と同様である。
換言すれば、図2の背面管5において、背面管5の地中側先端56を、(図2に示すような)斜めに切り落とした形状に加工しなければ(平坦な形状のままにすれば)、図3の背面管5Aとなる。
図3の背面管5A(地中側の先端が平坦な形状の背面管)を、挫屈等を起さずにシース材4内部に挿入するのが困難な場合には、作業現場において、例えば図4で示すように、図3の背面管5Aにおける突起55の下方の領域を斜めに切り落とすことが可能である。換言すれば、その様な場合には、作業現場において、図3で示す標準的な形状の背面管を、図2で示すような形状(地中側先端が斜めに切り落された形状)に加工することが出来る。
図5は、背面管の第2変形例を示している。
図15を参照して説明したように、背面管が装着される位置までシース材が届いていない状態で、アンカーの頭部及び頭部背面の部品を交換する作業を行う際には、背面管の軸方向長さを、作業現場で調節する必要がある事態が想定される。
係る場合には、図5において、符号5Xで示す背面管を用いることが可能である。
図5において、背面管5Xは、半径方向外方に広がった部分α(第1の部分)と、円筒形状の部分β(第2の部分)と、突起55が形成されて水密性を発揮する部分γ(第3の部分)とに3分割可能に構成されている。
ここで、軸方向長さの調整のため、複数種類の軸方向寸法の円筒形状の部分β(第2の部分)が用意されている。
分割された背面管5Xでは、コンクリートフレームの地上側表面からシース材端面までの距離に対応して、第2の部分βの軸方向寸法を適宜選定すれば良い。
図5で示す背面管も、図3の標準的な背面管を加工することにより、成形することが出来る。
次に、図6〜図10を参照して、図示の実施形態に係るアンカーの頭部及び頭部背面の部品を交換する作業の手順を説明する。
図6は、グラウンドアンカーの劣化した頭部及び頭部背面を取り除いた直後の状態を示している。なお、図6では、グラウト材12の図示が省略されている。
次に、図7で示す様に、補強プレート(補剛板)6を設置して、図2〜図5を参照して説明した背面管5(或いは5A、又は5X)を、シース材4の内側に挿入する。
図8は、シース材4の断面形状が、図18で示す様に変形していた場合において、図7のA−A線断面を示している。
上述した様に、背面管5はシース材4の内側に挿入する際に、シース材4の断面形状に対応して変形する程度の可撓性を有して構成されている。そのため、図8で示す様に、シース材4の断面形状が変形されている場合には、背面管5の断面形状はシース材4の断面形状に従って、シース材4の断面形状と相似形に変形する。
図7で示す工程において、背面管5(5A、5X)を、シース材4の内側に挿入するに際しては、現場作業員によるマニュアル作業で行うことが可能である。しかし、現場作業員によるマニュアル作業により、背面管5をシース材4の内側に挿入することが困難な場合は、例えば、図9(垂直な状態で表示)で示すように油圧ジャッキ90を用いて、背面管5をシース材4の内側に挿入することが出来る。
図9において、油圧ジャッキ9はアンカープレート2の上方に配置されており、そのジャッキシリンダー91は収縮した状態となっている。そして油圧ジャッキ9は、カプラー92と、プーリングヘッド94を備えている。
カプラー92は、ジャッキ9内部のPC鋼より線96と結合されており、且つ、テンドン1に結合されている。そして、PC鋼より線96はプーリングヘッド94に結合されている。
図9で示す状態において、ジャッキシリンダー91の上方はプーリングヘッド94が固定されており、プーリングヘッド94は、PC鋼より線96及びカプラー92を介してテンドン1に固定されているので、ジャッキシリンダー91に圧油を供給して伸長せしめれば、油圧ジャッキ90がアンカープレート2を介して背面管5をシース材4側(図9の矢印P方向)に押圧する。
その結果、図7で示すように、背面管5はシース材4の内側に挿入される。
図10で示す工程では、背面管5をシース材4内側に挿入した後、背面管5のフランジ54を補剛板6と挟み込む様にアンカープレート2を設置する。そして、アンカーヘッド3及び定着くさび10でテンドン1を定着し、ヘッドキャップ7を被せる。
ヘッドキャップ7に設けた図示しない注入口から、防錆材であるグリース11を注入して、ヘッドキャップ7内部領域及び背面管5の内側の領域に、グリース11を充填する。
これにより、グラウンドアンカーの劣化した頭部及び頭部背面が新しい部品に交換されると共に、水の浸入及びそれに起因する腐食が防止されるのである。
図10で示す状態から、さらに防錆力を向上するために、図11で示すように、コンクリートフレーム8に嵌入した口元管9の内側で、背面管5の外側の領域に、二次グラウト122を注入しても良い。
図11で示すように二次グラウト122を注入することにより、シース材4の内側に水が浸入することはより一層困難となり、テンドン1の防錆がさらに確実なものとなる。
二次グラウト122を注入するための具体的な態様の一例が、図12で示されている。
図12では、補剛板6に代えて定着台座162を設けられており、定着台座162に形成された二次注入孔164から二次グラウト122を注入することができる。
図11及び図12で示す態様について、その他の構成及び作用効果については、上述したのと同様である。
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない旨を付記する。
例えば、図示の実施形態において、テンドンとしてはPC鋼より線が記載されているが、端部にネジ山を形成した棒鋼をテンドンとして用いている場合においても、本発明を適用することが出来る。
本発明の実施形態に係るグラウンドアンカーの頭部及び頭部背面の構造を示す断面図。 実施形態で用いられる背面管であって、標準的な背面管を加工した背面管の断面図。 標準的な背面管を示す断面図。 標準的な背面管を加工する態様を示す断面図。 標準的な背面管を図2とは別の態様に加工した背面管の断面図。 実施形態の作業工程を説明する工程図。 図6とは別の工程を説明する工程図。 図7におけるA−A断面図。 図7で示す工程の具体的な態様を示す断面図。 図6、図7とは別の工程を説明する工程図。 図10とはさらに別の工程を説明する工程図。 2次グラウトを充填する具体的な態様を示す図。 従来技術のグラウンドアンカーの頭部及び頭部背面の断面図。 グラウト材がシース材の端面まで充填された状態を示す図。 法面の位置でシース材が切断されている状態を示す図。 半径方向外方に広がる傾向のあるシース材の端部断面図。 シース材の地上側端部が破損した状態を示す図。 シース材の地上側端部が楕円形に変形した状態を示す横断面図。 シース材が口元管に対して偏芯した状態を示す横断面図。
符号の説明
1・・・テンドン
2・・・支圧板/アンカープレート
3・・・アンカーヘッド
4・・・鞘状部材/シース材
5・・・背面管
6・・・補剛板
7・・・ヘッドキャップ
8・・・コンクリートフレーム
9・・・口元管
11・・・グリース
12・・・グラウト材

Claims (5)

  1. グラウンドアンカーの頭部背面に設置され、地上側の領域の外形寸法が地中側の領域の外形寸法よりも大きく、地中側の先端がテンドンを被覆する鞘状部材の内側の領域に侵入可能に構成されており、鞘状部材の内側に挿入された際に断面形状が鞘状部材の断面形状と相似形に変形するような可撓性を有しており、地中側先端近傍の領域の全周にわたって突起が形成されており、その突起は鞘状部材の内壁面に当接して水密性を発揮する様に構成されていることを特徴とする背面管。
  2. 支圧板に押圧される地上側の領域に設置される外形寸法が大きい第1の部分と、半径方向寸法が単一で軸方向寸法が異なる複数の中空円筒状部品から選択可能な第2の部分と、鞘状部材の内側の領域に侵入可能に構成されており且つ前記突起が全周にわたって形成されている第3の部分とに分割して構成した請求項1の背面管。
  3. 地中側端部は斜めに切り落した形状に形成されている請求項1、請求項2の何れかの背面管。
  4. テンドンと、テンドンに作用する緊張力を支持する支圧板と、テンドンに付加された緊張力を保持する緊張力保持機構と、支圧板よりも上方の領域に被せられたヘッドキャップと、支圧板により押圧され鞘状部材まで延在している背面管とを備え、その背面管は、地上側の領域の外形寸法が地中側の領域の外形寸法よりも大きく、地中側の先端がテンドンを被覆する鞘状部材の内側の領域に侵入可能に構成されており、鞘状部材の内側に挿入された際に断面形状が鞘状部材の断面形状と相似形に変形するような可撓性を有しており、地中側先端近傍の領域の全周にわたって突起が形成されており、その突起は鞘状部材の内壁面に当接して水密性を発揮する様に構成されていることを特徴とするアンカー頭部及び頭部背面機構。
  5. テンドンに背面管を通して当該背面管の地中側の先端を鞘状部材まで到達させる工程と、当該背面管を地中側に押圧してその地中側先端を鞘状部材の内側の領域に挿入する工程とを有し、当該挿入する工程では、背面管の地中側先端近傍の領域全周にわたって形成された突起が水密性を発揮する様に鞘状部材の内壁面に当接し、緊張力保持機構によりテンドンに付加された緊張力を保持する工程と、ヘッドキャップを支圧板に取り付け、以って、支圧板よりも地上側の領域をヘッドキャップで覆う工程と、ヘッドキャップに覆われた領域及び背面管の内側の領域に充填材を充填する工程、とを有することを特徴とするアンカー補修方法。
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