JP3543393B2 - アンカー定着長部分の止水方法 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、岩盤や法面の補強等に使用されるPC鋼材やPC鋼撚り線によるアンカーの止水方法、特にその定着長部分の止水方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、構造物の引張力を地盤に伝達させて構造物の安定を図るため、図4に示すように、岩盤や地中にボーリング等により掘削した削孔1内にPC鋼材やPC鋼撚り線の緊張材2を挿入し、その周囲をグラウト3で固めるようにしたアンカーが使用されている。
【0003】
アンカーの地表側に近い自由長部分はポリエチレン等のシースからなる保護管4で周囲が覆われ、この保護管4の内部にはワックス等の防食材料5が充填されると共に、保護管4の定着長部分側端部には自由長部分への水の侵入を防ぐために、止水栓6等の止水構造が設けてある。一方、地中側の定着長部分では、グラウトホース7からセメントミルク等からなるグラウト3が削孔1内に注入され、硬化して緊張材2を固定するようになっている。
【0004】
従来、永久アンカーとして施工されたものでも、特にアンカー頭部背後や自由長部分での腐食が原因となる破断事故が起きている。これは、これらの部分での防食方法が完全でなかったために生じたものである。そこで、最近の永久アンカーはで、アンカー頭部背後や自由長部分の腐食による破断に対しては十分な配慮が払われるようになり、例えば図4に示すごとく、自由長部分の地表に近い箇所に止水パイプ8を配置し、止水パイプ8と保護管4の間を止水ゴム9で止水すると共に、アンカー頭部10をキャップ11で覆い、キャップ11内に充填材12を詰めた構造のものが実用化されている。
【0005】
ところが、定着長部分は緊張材2がグラウト3に埋設されているため、グラウト3の防食効果が期待され、従来から殆ど防食対策は行われていない。しかし、グラウト3にクラックが入ると水が侵入して緊張材2を腐食し、破断事故を招く危険がある。特に、グラウト3に0.1mm以上のクラックが発生すると、防食効果が低下すると言われている。
【0006】
通常、アンカーの緊張材2が緊張されると、緊張材2とグラウト3の間の付着が切れ、この付着が切れる長さを付着長と呼んでいる。付着長は緊張材2に負荷される緊張力に応じて変化する。この時、緊張材2の自由長部分と定着長部分の境界部分に最も大きな応力が加わり、定着長部分側に向かって応力は減少する。一方、グラウト3に発生する応力は、境界部分近くでは圧縮応力であるが、その部分より地中側に向かった領域では引張応力が存在する。このグラウト3に発生する引張応力が大きくなると、グラウト3に0.1mm以上のクラックが発生しやすい。
【0007】
そこで従来では、緊張材2の外周に螺旋状の補強材を配置することにより、引張力が加わった時に定着長部分での応力を分散し、クラックの発生を抑制する方法が知られている。しかし、この補強材は螺旋状であるため緊張材への取り付けが不安定になり、途中で位置ずれを起こしたり、しかも削孔への緊張材のスムースな挿入を妨げる欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来の事情に鑑み、グラウトに発生したクラックを通して周囲から侵入した水により緊張材が腐食され、定着長部分で破断事故が起こることを防止するため、簡単且つ確実な手段により、アンカーの定着長部分を止水する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明が提供するアンカー定着長部分の止水方法では、PC鋼棒又はPC鋼撚り線からなる緊張材の定着長部分はグラウト中に埋設され、自由長部分は防食材料を充填した保護管内に収納され、且つ保護管の定着長部分側端部に自由長部分への水の侵入を防ぐ止水構造を備えたアンカーにおいて、一端側に複数の通気孔を有し且つ他端側が開放された止水管の一端側を前記保護管の定着長部分側端部に接続固定し、該止水管の内側に定着長部分の一端側一部を収納すると共に、該止水管内側と定着長部分の間にグラウトが充填され、該止水管の長さが緊張材の破断荷重の60%の緊張力により緊張材とグラウトとの付着が切れる長さの1 . 5倍以内であることを特徴とする。
【0010】
【作用】
本発明においては、図1に示すように、従来止水対策が取られていなかった定着長部分のPC鋼棒やPC鋼撚り線からなる緊張材2について、その定着長部分のうち過大なクラックが発生すると予想される位置に、その外周を取り囲むように止水管13を配置する。止水管13は、緊張材2に直接取付けても良いが、削孔1に挿入する際に位置ずれを起こしやすいので、緊張材2の自由長部分を収納した保護管4の定着長部分側端部に接続固定することが好ましい。
【0011】
止水管13は、負荷される応力に耐え得るように鋼製又はプラスチック製であることが好ましく、形状も円筒形が好ましい。円筒形の止水管13の直径は、保護管4への接続と、内部へのグラウト3の侵入を容易にするため、保護管4の直径と同等か又はやや大きい程度が好ましい。
【0012】
又、止水管13の内側にグラウト3が隙間なく充填されるように、グラウトホース7からグラウト3を注入する際に止水管13の解放された他端からグラウト3が内部に入ってきた時、内部の空気を逃がすための通気孔を一端側、即ち保護管4との接続端側に設ける。
【0013】
止水管13は、その一端側を保護管4の定着長部分側端部に固定しただけで他端の解放端側が固定されていないと、削孔1に挿入後に緊張材2に対して均等な位置に配置されない場合がある。そこで、止水管13の他端側に、図2に示すように、緊張材2と止水管13との間に一定の間隔を確保するスペーサー14を配置することが好ましい。かかるスペーサー14を配置することにより、防食性に対する信頼性が一段と向上する。しかし、スペーサー14には、グラウト3が止水管13の内部に侵入できるように、例えば図2に示すごとく、止水管13や緊張材2との間に隙間を設けておく必要がある。
【0014】
止水管13の長さは、緊張材2の破断荷重の60%の緊張力により、緊張材2とグラウト3との付着が切れる長さの1.5倍以内とすることが好ましい。その理由は、防食性を低下させるようなグラウト3の過大なクラックを生じる引張力は、緊張材2とグラウト3との付着が切れる長さ、即ち付着長よりも短い所で発生することが多く、少なくとも付着長の1.5倍の長さの箇所では、そのような引張力は存在しなくなるからである。
【0015】
【実施例】
図1は、直径15.2mmの4本のPC鋼撚り線を緊張材2として用いた本発明の永久アンカーの概略図である。
【0016】
アンカーの自由長部分はポリエチレンのシースからなる保護管4で周囲が覆われ、この保護管4の内部にはワックスの防食材料5が充填されると共に、保護管4の定着長部分側端部には自由長部分への水の侵入を防ぐために、止水栓6が設けてある。又、自由長部分の地表に近い箇所には止水パイプ8を配置され、止水パイプ8と保護管4の間を止水ゴム9で止水すると共に、アンカー頭部10をキャップ11で覆い、キャップ11内に充填材12が詰められている。
【0017】
アンカーの定着長部分は、保護管4の下方に4mだけ伸びており、この緊張材2に許容緊張荷重(26600kg×0.6×4=63940kg)をかけて緊張した時、緊張材2に生じる歪の測定結果を図3の右側に示した。この結果から分かるように、緊張材2の歪は定着長部分と自由長部分の境界で6×10-3μmと最も大きく、定着長部分の先端側に行くに従って徐々に小さくなり、約1.0mの長さの箇所でゼロになっている。
【0018】
この歪が生じている領域では、緊張材2の周囲に存在するグラウト3に図3の左側に示したように、圧縮応力又は引張応力が発生する。即ち、自由長部分との境界では約50kg/mm2程度の圧縮応力が発生し、境界から約0.5mの長さの箇所から引張応力に変わり、緊張材2の歪がなくなる約1.0mの長さの箇所で応力がゼロになる、即ち緊張材2とグラウト3の付着長の切れがなくなることが分かる。
【0019】
この測定結果から、本実施例の止水管13の長さは、緊張材2のPC鋼撚り線の破断荷重の60%の緊張力(=前記許容緊張荷重)により緊張材2とグラウト3との付着が切れる長さ(付着長)の1.5倍の長さ、即ち1.50mとした。
【0020】
又、この止水管13は、その内径が保護管4の外径とほぼ同じ鋼製の円筒形であり、保護管4に接続すべき一端側に複数の直径20mmの通気孔を有し、且つ他端側は解放されている。解放された止水管13の他端には、図2に示すように、略十字状のスペーサー14が挿着され、4本の緊張材2と止水管13の間をほぼ等しい距離に保つと同時に、両者の間にグラウト3が通過できる隙間が形成されている。
【0021】
この止水管13の一端側を保護管4の定着長部分側端部に接続固定し、図1のごとく削孔1内に挿入した後、グラウトホース7からグラウト3を注入することにより、削孔1内のみならず止水管13の内部にもグラウト3を充填することができた。尚、15は削孔1内のスペーサーであり、止水管13に収納されていない定着長部分の緊張材2と削孔1との位置を規定するものである。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、簡単且つ確実な手段により、アンカーの定着長部分を止水することができるので、グラウトに発生したクラックを通して周囲から侵入した水により緊張材が腐食されることにより起こる定着長部分での破断事故を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による定着長部分の止水を施した永久アンカーの具体例を示す概略の断面図である。
【図2】図1のA−A線に沿った概略の断面図である。
【図3】実施例において測定した、アンカーの定着長部分における緊張材の歪とグラウトに発生する応力を、定着長部分の断面に沿って示したグラフである。
【図4】従来の永久アンカーの一例を示す概略の断面図である。
【符号の説明】
1 削孔
2 緊張材
3 グラウト
4 保護管
5 防食材料
6 止水栓
7 グラウトホース
8 止水パイプ
9 止水ゴム
10 アンカー頭部
11 キャップ
12 充填剤
13 止水管
14 スペーサー

Claims (2)

  1. PC鋼棒又はPC鋼撚り線からなる緊張材の定着長部分はグラウト中に埋設され、自由長部分は防食材料を充填した保護管内に収納され、且つ保護管の定着長部分側端部に自由長部分への水の侵入を防ぐ止水構造を備えたアンカーにおいて、一端側に複数の通気孔を有し且つ他端側が開放された止水管の一端側を前記保護管の定着長部分側端部に接続固定し、該止水管の内側に定着長部分の一端側一部を収納すると共に、該止水管内側と定着長部分の間にグラウトが充填され、該止水管の長さが緊張材の破断荷重の60%の緊張力により緊張材とグラウトとの付着が切れる長さの1 . 5倍以内であることを特徴とするアンカー定着長部分の止水方法。
  2. 止水管の解放された他端側端部に、止水管と緊張材との間隔を一定に保持し且つグラウトの通過が可能なスペーサーを装着することを特徴とする、請求項1に記載のアンカー定着長部分の止水方法。
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