JPH0322348Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 考案の目的 〔産業上の利用分野〕 本考案は、土木・建築等の工事において、地盤
そのものを補強するために打設される地山アンカ
ー、特に引張部材として高張力束ね鋼線を使用
し、長期間の使用にも腐食の虞がないいわゆる永
久型のアンカーに関するものである。

〔従来の技術〕

地山アンカーの引張部材には、一般に高張力鋼
材、いわゆるPC（プレストレストコンクリート用
の略称）鋼材を用いる。そして高設計荷重が得ら
れる点でPC束ね鋼線・PC束ね鋼より線・PCス
トランドが多く使用され、地山に対する定着手段
は、セメント系のグラウトによる摩擦型が一般で
ある。

上記地山アンカーを永久アンカーとする場合
は、そのPC鋼引張部材の腐食を防ぐためにアン
カー頭部を保護ダクト、緊張部を保護シースでそ
れぞれ覆つて中に防錆油などのさび止め剤を充填
し、定着端部には、表面に波形凹凸を有する保護
ダクトを鋼材との間に隙間を設けてかぶせ、且つ
その保護ダクトと地山の削孔の間にも隙間を形成
して保護ダクトの内外にモルタルまたはセメント
ペーストを充填し、固化定着させている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来のPC束ね鋼線アンカーは、使用する鋼線
の本数を設計荷重に応じて自由に増減できると共
に、現場における長さの変更も容易であるが、ア
ンカー頭部の構造が複雑で、その頭部における鋼
線の固定および緊張が難しい。

PC束ね鋼より線アンカーは、長さの変更は現
場で容易に行うことができるが、アンカー頭部に
おける鋼より線の固定は１本々々くさびによつて
止めなければならないので、単なる束ね鋼線の場
合に比べてさらに難しく、固定部が大型になる。
またプレストレス力導入後油圧ジヤツキの油圧を
解放すると、鋼より線の収縮によつて引ずり込ま
れ、プレストレス力が下がることがある。

PCストランドアンカーは、その一端に雄ねじ
付マンシヨンが固着されているので、緊張定着が
非常に簡単で、プレストレス力導入後のストラン
ドのスリツプ戻りがなくて確実なプレストレス力
を導入できるが、ストランドに対する雄ねじ付マ
ンシヨンの取付けには特殊な圧着装置を使用す
る。従つてそのマンシヨンの取付けは専門の工場
で行われ、アンカー施工現場でアンカーの長さを
変更することができない。

以上の観点から永久型地山アンカーとしては、
PC束ね鋼線を引張部材に用いるのが適している
が、その鋼線は横断面が真円であるから、定着端
部におけるグラウトとの付着が弱い。

また定着端部はたわみやすいので、その定着端
部における束ね鋼線の各線の間・その鋼線と波形
凹凸付保護ダクトの内面の間、およびそのダクト
と削孔内面の間にそれぞれ適切なグラウト充填ス
ペースを形成するのが難しい。

さらに波形凹凸付保護ダクトの内外に隙間な
く、しかも速くグラウトを注入する必要がある
が、上記従来型の永久アンカーでは困難である。

本考案は、従来の永久型地山アンカーが持つて
いる上記の各問題点を解決し、打設が簡単で確実
にプレストレス力を導入できて永久的にアンカー
としての機能を発揮し、その定着の確実性・永久
性を保障することができる地山アンカーを提供す
ることを目的とする。

ロ 考案の構成 〔問題点を解決するための手段〕 本考案の地山アンカーは上記の目的を達成させ
るために、図面に示すように、高張力束ね鋼線１
を引張部材とするアンカー本体のアンカー頭部
Ａ・緊張部Ｂおよび定着端部Ｃをそれぞれ次の構
成としたものである。

アンカー頭部Ａ ボルト２の雄ねじ２ａと反対側の端部に形成し
た円錐部２ｂと、その円錐部２ｂにはめたスリー
ブ３の上記円錐部２ｂに合うテーパ付内周面３ａ
との間に、束ね鋼線１の端部１ａを挾んで固定し
ている。

ボルト２の雄ねじ２ａにはめて締付けるアンカ
ープレート４と定着ナツト５、およびそのボルト
２・ナツト５にかぶせる保護キヤツプ６を備えて
いる。

雄ねじ２ａのアンカープレート４および定着ナ
ツト５をはめる部分を除いて、ボルト２と束ね鋼
線１の固定部２ｂ，３から束ね鋼線１を収束して
いるリング７までをダクト８で被覆密閉し、内部
にさび止め剤を充填している。

緊張部Ｂ 束ね鋼線１を保護シース９で覆い、内部にさび
止め剤を充填している。

中央部に束ね鋼線１を通し、流体の高圧注入に
よつて遠心方向に膨張可能のシーラ１１を、緊張
部Ｂと次の定着端部Ｃとの境目に設けている。

定着端部Ｃ 束ね鋼線１の長さ方向数ケ所に円板状スペーサ
１２を配置して鋼線相互間にグラウト充填用空隙
１３を形成している。

各鋼線の途中１ｂを一定長さにわたつて波打た
せている。

定着端部Ｃの束ね鋼線１のほぼ全長をコルゲー
トダクト１４で覆うと共に、先端に孔１５ａ付キ
ヤツプ１５をはめて閉塞している。

コルゲートダクト１４の外周面にその長手方向
に沿つて複数本の線材１６を平行に配置し、各線
材１６の一端を先端キヤツプ１５に、他端を前記
シーラ１１の定着端部側の端部１１ａに固定して
いる。

コルゲートダクト１４とシーラ１１の間を空け
て、その内側に位置する部分の束ね鋼線１の外周
に密閉処置１７を施している。

前記アンカー頭部Ａおよび緊張部Ｂの外側に添
わせた３本のチユーブ１８，１９，２０を束ね鋼
線１に沿つてシーラ１１の中央に導き、その中の
１本１８をシーラ１１の膨張空間１１ｂに開口
し、他の２本１９，２０はシーラ１１を貫いて、
その１本１９はシーラ１１とコルゲートダクト１
４の間の空所に、また残りの１本２０は円板状ス
ペーサ１２を貫いて先端キヤツプ１５まで延長し
てキヤツプ１５内に開口している。

〔作用〕

本考案の地山アンカーは、打設現場でPC鋼線
を打設場所毎の設計に応じた長さに切断してこれ
をを必要本数束ね、各付属部品を取付けて組立て
るもので、そのようにして組立てたアンカーを
を、第１図のように地山Ｇに開けた削孔Ｈの中に
定着端部Ｃを先にして挿入し、シーラ１１の中に
チユーブ１８を通じて水またはグラウトを高圧注
入し、シーラ１１を膨張させて孔壁に完全密着さ
せる。

次いでシーラ１１の膨張によつてシーラ１１の
前後を遮断した状態において、地山自由面に突出
しているボルト２にアンカープレート４およびナ
ツト５をはめてナツト５を仮締めし、上向き打設
の場合はチユーブ１９を通じて定着端部Ｃにグラ
ウトを高圧注入する。そうするとグラウトはコル
ゲートダクト１４の内外に同時に下側から充填さ
れ、孔奥の空気は他方のチユーブ２０を経て外に
押出される。下向き打設のときは上記とは反対に
チユーブ２０を通じてグラウトを高圧注入するも
ので、グラウトはコルゲートダクト１４の内部に
入ると共にキヤツプ１５の先端の孔１５ａから外
に出てコルゲートダクト１４の外側にも回り、コ
ルゲートダクト１４の内外に同時に充填される。
定着端部Ｃの内外の空気は他方のチユーブ１９を
経て外に出る。

以上のようにして定着端部Ｃの内外に充填され
たグラウトが固化し、完全に定着したならば、ボ
ルト２に油圧ジヤツキをつないで緊張させること
により束ね鋼線１にプレストレス力を導入する。
プレストレス力が所定の値に達したところでナツ
ト５を完全に締付け、外に出ているボルト２の端
部およびナツト５に保護キヤツプ６をかぶせて止
めるものである。

アンカー頭部Ａおよび緊張部Ｂの周りの隙間Ｓ
にはグラウトを注入しない。なお、後日地山が安
定したとき、隙間Ｓにグラウトを注入することも
ある。

〔実施例〕

保護キヤツプ６・ダクト８・保護シース９およ
びコルゲートダクト１４は耐食性・強度・材料費
等の点で塩化ビニル・ポリエチレン等の合成樹脂
製を可とする。上記保護キヤツプ６の中にも、必
要に応じてダクト８・保護シース９と同様にさび
止め剤を充填することがある。

束ね鋼線１とボルト２を接続する円錐部２ｂの
外周面とスリーブ３の内周面３ａには、適宜摩擦
増大処理を施しておくを可とするもので、一例と
して対向する各面に凹凸加工をして、それらの面
にコランダム等の超硬質微粒子をエポキシ樹脂等
の強力接着剤で付ける。その超硬質微粒子が鋼線
１に食込むことによつて、鋼線１とボルト２の接
続が確実となる。スリーブ３は円錐部２ａに対
し、後でボルト２を経て束ね鋼線１に加えられる
プレストレス力より約20％余分の圧力を掛けて嵌
合することにより、すべての鋼線の端部１ａに均
等なくさび作用荷重を与える。

シーラ１１は第５図に示したように、剛性管１
０の外周に肉厚のゴム筒をはめてその両端を締め
輪２１，２１で固定している。そして剛性管１０
の中にチユーブ１８，１９，２０の一部としてそ
れらのチユーブと接続する鋼製等の硬質チユー
ブ、および束ね鋼線案内管２２を配置して隙間に
モルタル２３（第９図示）を詰めてある。チユー
ブの一つ１８は剛性管１０内で、その管１０とシ
ーラ１１との隙間１１ｂに開口２４している。上
記案内管２２の両端は、シーラ１１を束ね鋼線１
の所定位置にはめた後、一端は緊張部Ｂの保護シ
ース９と重ねてさび止め剤の充填、防食テープ・
粘着テープ２５の巻付けおよび熱収縮チユーブの
被着等によつて固定し、他端は前記密閉処置１７
の延長部によつて固定されている。その密閉処置
１７も、さび止め剤の充填、テープの巻付け、熱
収縮チユーブの被着等によつて行われる。

定着端部Ｃの円板状スペース１２は第１４図に
示すように、その中心にチユーブ２０を通す穴１
２ａを有し、放射方向に鋼線支持用の多数の切込
溝１２ｂが形成されている。また円周上に、コル
ゲートダクト１４の内面とのスペーサの役をする
鋼線１ｃをはめるための凹部１２ｃが形成されて
いる。

コルゲートダクト１４の外周面に添わせる線材
１６は鋼線を使用し、また先端キヤツプ１５およ
びシーラ１１の端部１１ａを成す剛性管１０も鋼
板製とし、線材１６の両端をキヤツプ１５および
シーラ端部１１ａに溶接している。図中２６はチ
ユーブ１８，１９，２０をダクト８・シース９に
止める粘着テープ、２７は線材１６のずれを押え
る粘着テープである。

定着端部に対するグラウト注入用および空気抜
きチユーブ１９，２０は、アンカープレート４に
開けた穴２８，２９を通して位置決め支持してい
る。シーラ１１に対する流体注入用チユーブ１８
も、必要があればアンカープレート４に穴３０を
開けて通す。

ハ 考案の効果 本考案の地山アンカーは次の諸効果を持つてい
る。

ａ 地山アンカーを打設する場所は事前に地質調
査を行うが、地質状況を完全に把握することは
難しい。そこでしばしば工事の途中でアンカー
の長さおよび設計荷重の変更が起る。

本考案の地山アンカーが引張部材として使用
している鋼材は１種類の高張力鋼線を束ねたも
の１であるから、設計の変更に際しては、その
長さおよび使用本数を変えるだけでよい。また
その鋼線の資材管理が容易である。従つて工事
現場において、設計の変更に短時間で対処でき
る利点がある。

ｂ 引張部材である高張力束ね鋼線１は、１本の
ボルト２の一端に、円錐部２ｂとその外側には
めたスリーブ３のテーパ付内周面３ａとによる
くさび作用によつて接続され、そのボルト２に
はめたアンカープレート４と定着ナツト５のね
じ込みによつて緊張定着されるから、プレスト
レス力の導入と共に上記束ね鋼線１とボルト２
の接続箇所のくさび作用が増大し、接続箇所に
おける束ね鋼線１の弛緩がない。従つて緊張力
の損失がない。またプレストレス力の導入およ
び定着が唯１本のボルト２によつてできるた
め、緊張用油圧ジヤツキは小型・軽量のもので
足りる。従つて作業性がよく、任意の時期に再
緊張・再ゆるめを容易に行うことができる。

ｃ 緊張部Ｂと定着端部Ｃの境目に、流体の高圧
注入によつて膨張させることができるシーラ１
１を設けたから、地山の削孔Ｈ内において緊張
部Ｂと定着端部Ｃを完全に遮断し、定着端部Ｃ
にのみモルタルを高圧充填することができる。

従つて鋼線１・コルゲートダクト１４とグラ
ウトの付着、および地山とグラウトの付着が強
化され、軟弱地盤にも、また上向きにも容易に
打設することができる。付着力が強いことは、
従来のアンカーより定着長を短くしても同等の
定着力が得られる利点がある。

ｄ 定着端部Ｃにおいて、束ね鋼線１の長さ方向
数ケ所に配置した円板状スペーサ１２によつ
て、各銅線相互間に空隙１３が形成され、また
束ね鋼線１のほぼ全長を覆つたコルゲートダク
ト１４の外周面に取付けた複数本の線材１６が
スペーサとなつて、コルゲートダクト１４と削
孔Ｈの内面との間に適切な隙間Ｓが形成され
る。

上記コルゲートダクト１４の外周面に配置し
た複数本の線材１６は、該ダクト１４と平行で
その一端を先端キヤツプ１５に、他端をシーラ
１１の定着端部側の端部１１ａに固定されてい
るから、定着端部Ｃは、その線材１６による補
強作用によつて剛性を有し、削孔Ｈに対する挿
入が容易であると共に、削孔Ｈの内面との間の
隙間形成を容易にする。

さらに定着端部Ｃに導かれた１本のチユーブ
１９はシーラ１１とコルゲートダクト１４の間
の空所に、他の１本のチユーブ２０は、孔１５
ａが付いた先端キヤツプ１５の中にそれぞれ開
口しているから、何らか一方のチユーブから注
入されるグラウトがコルゲートダクト１４の内
外の空隙１３・Ｓに同時に充填され、空隙１
３・Ｓ内の空気は他方のチユーブを通じて外に
押出される。

従つてグラウトは削孔Ｈの中に隙間なく迅速
に充填され、作業時間を短縮すると共に定着を
確実にする効果がある。

ｅ グラウト注入用チユーブ１９を開口させたシ
ーラ１１とコルゲートダクト１４の間の空所の
内側に面している束ね鋼線１の外周には密閉処
置１７が施されているから、定着端部Ｃに高圧
充填されるグラウトが緊張部Ｂの保護シース９
の中に逆流することはない。

ｆ 定着端部Ｃにおける束ね鋼線１の互いに隔離
された各鋼線の一部１ｂに波打ち加工してある
ので、各鋼線はグラウトの付着力の外に、波打
ち加工部１ｂの凸部がグラウトを支圧してせん
断抵抗が働き、真直ぐの鋼線に比べてその定着
力は格段に大きい。

実験によればPC鋼線をグラウトに10cm埋込
んだときの引抜き力は、 直径７mmPC鋼線（波打ち加工なし） 124Kg／10cm 同 上 （波打ち加工あり） 2474Kg／10cm （グラウト：標準配合、材令３日、 圧縮強度250Kg／cm²） 波打ち加工部１ｂの長さ40cmとした場合、上
記直径７mmのPC鋼線１本当りの最大引抜き力
は 2474Kg×４＝9896Kgとなる。

これに対し、直径７mmPC鋼線１本当りのプ
レストレス力の引受け荷重は、例えば100tonア
ンカーの場合使用本数26本なので 100000Kg÷26本＝3846Kgとなる。

従つて１本当りの引受け荷重は少なくて済
み、故に波打ち加工は、各鋼線の先端部に少し
施すだけで各鋼線の定着は確実である。

ｇ 地山アンカーの自由長は、一般にアンカープ
レート４の位置からシーラ１１までであるが、
本考案では各鋼線の完全定着部が波打ち加工部
１ｂとなるため、実質的の自由長は波打ち加工
部１ｂの始まる位置まで延長される。

前記(f)のように、鋼線１本当りのプレストレ
ス引受け荷重は少なくて波打ち加工部１ｂの長
さを短くできるので、波打ち加工部１ｂを定着
端部Ｃの先端寄りに設ければ、鋼線の波打ち加
工部１ｂまでの部分はすべて自由長に入る。

アンカーにプレストレス力を導入すると、自
由長部の鋼線は伸びる。従つて自由長が長けれ
ば長いほど伸び量は大きくなり、その中におけ
る変位量の比率は小さくなる。荷重＝伸び量で
あるから、伸び量に対する変位量の比率が小さ
ければ荷重の変位も小さくなるもので、アンカ
ー頭部Ａまたは緊張部Ｂにおける地山に変位が
生じても、プレストレス力が大きく変化するこ
とはない。

ｈ アンカー打設後、地山自由面に現われている
ボルト２のねじ２ａおよび定着ナツト５は保護
キヤツプ６で覆われ、アンカー頭部Ａはさび止
め剤とダクト８で、またそれに続く緊張部Ｂは
さび止め剤と保護シース９で二重に、それぞれ
地下水・海水・温泉などによる腐食から守られ
る。

そしてアンカー頭部Ａおよび緊張部Ｂの削孔
Ｈとの間隙にグラウト注入は行わないため、そ
のアンカー頭部Ａおよび緊張部Ｂの周りに常に
空間Ｓが形成され、地山が変位したとき、その
変位量を上記空間Ｓで吸収することができるも
ので、アンカーに損傷を与えるのを防いでい
る。

ｉ 削孔Ｈ内に定着された定着端部Ｃの束ね鋼線
１の周囲にコルゲートダクト１４が同心状に埋
設されるから、プレストレス力導入の際、コル
ゲートダクト１４と削孔Ｈの内面との間の固化
グラウトにテンシヨンクラツクが生じて、その
クラツクから有害な地下水が浸入しても、コル
ゲートダクト１４によつて遮られ、中の鋼線は
腐食することがない。コルゲートダクト１４
は、耐食性の例えばポリエチレン樹脂性のもの
を使用することにより、永久的に変質せず、ア
ンカー定着端部の確実性・永久性を保証する効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案地山アンカーの仮定着状態を示
す一部縦断側面図、第２図はアンカー頭部の縦断
側面図、第３図は緊張部ならびにシーラ部分の一
部縦断側面図、第４図は定着端部の縦断側面図、
第５図はシーラの膨張前の状態の拡大縦断側面
図、第６図・第７図は第２図−線および−
線に沿う拡大横断面図、第８図・第９図・第１
０図・第１１図は第３図−線・−線・
−線およびXI−XI線に沿う拡大横断面図、第１
２図・第１３図は第４図XII−XII線および−
線に沿う拡大横断面図、第１４図は円板状スペ
ーサの正面図。 Ａ……アンカー頭部、Ｂ……緊張部、Ｃ……定
着端部、Ｈ……削孔、Ｓ……空間、１……束ね鋼
線、２……ボルト、２ａ……雄ねじ、２ｂ……円
錐部、３……スリーブ、３ａ……テーパ付内周
面、４……アンカープレート、５……定着ナツ
ト、６……保護キヤツプ、７……収束リング、８
……ダクト、９……保護シース、１１……シー
ラ、１１ａ……シーラの定着端部側の端部、１１
ｂ……シーラの膨張空間、１２……円板状スペー
サ、１３……グラウト充填用空隙、１４……コル
ゲートダクト、１５……先端キヤツプ、１５ａ…
…孔、１６……線材、１７……密閉処置、１８，
１９，２０……チユーブ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 高張力束ね鋼線を引張部材とするアンカー本体
   のアンカー頭部・緊張部および定着端部をそれぞ
   れ次の構成とした地山アンカー。 アンカー頭部 ボルトの雄ねじと反対側の端部に形成した円錐
   部と、その円錐部にはめたスリーブの上記円錐部
   に合うテーパ付内周面との間に、束ね鋼線の端部
   を挾んで固定している。 ボルトの雄ねじにはめて締付けるアンカープレ
   ートと定着ナツト、およびそのボルト・ナツトに
   かぶせる保護キヤツプを備えている。 雄ねじのアンカープレートおよび定着ナツトを
   はめる部分を除いて、ボルトと束ね鋼線の固定部
   から束ね鋼線を収束しているリングまでをダクト
   で被覆密閉し、内部にさび止め剤を充填してい
   る。 緊張部 束ね鋼線を保護シースで覆い、内部にさび止め
   剤を充填している。 中央に束ね鋼線を通し、流体の高圧注入によつ
   て遠心方向に膨張可能のシーラを、緊張部と次の
   定着端部との境目に設けている。 定着端部 束ね鋼線の長さ方向数ケ所に円板状スペーサを
   配置して鋼線相互間にグラウト充填用空隙を形成
   している。 各鋼線の途中を一定長さにわたつて波打たせて
   いる。 定着端部の束ね鋼線のほぼ全長をコルゲートダ
   クトで覆うと共に、先端に孔付キヤツプをはめて
   閉塞している。 コルゲートダクトの外周面にその長手方向に沿
   つて複数本の線材を平行に配置し、各線材の一端
   を先端キヤツプに、他端を前記シーラの定着端部
   側の端部に固定している。 コルゲートダクトとシーラの間を空けて、その
   内側に位置する部分の束ね鋼線の外周に密閉処置
   を施している。 前記アンカー頭部および緊張部の外側に添わせ
   た３本のチユーブを束ね鋼線に沿つてシーラの中
   央に導き、その中の１本をシーラの膨張空間に開
   口し、他の２本はシーラを貫いて、その１本はシ
   ーラとコルゲートダクトの間の空所に、また残り
   の１本は円板状スペーサを貫いて先端キヤツプま
   で延長してキヤツプ内に開口している。