JP2008203537A - 液晶配向剤および液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、液晶配向剤及び液晶表示素子に関する。
従来、透明導電膜を介して、ポリアミック酸やポリイミドからなる液晶配向膜が表面に形成されている2枚の基板の間に、正の誘電異方性を有するネマチック型液晶の層を形成してサンドイッチ構造にし、前記液晶分子の長軸が基板間で連続的に90度以上捻れるようにしてなるTN(Twisted Nematic)型、または、STN(Super Twisted Nematic)型液晶セルを有する液晶表示素子が知られている。このTN型液晶表示素子をTFT駆動により動作させたいわゆるTFT液晶パネルが従来のブラウン管に代わって広く普及している。これらの液晶表示素子における液晶の配向は、通常、ラビング処理などにより液晶分子の配向能が付与された液晶配向膜により実現される。また、上記とは別の液晶表示素子として、負の誘電異方性を有する液晶分子を基板に垂直に配向させてなる垂直配向(Vertical Alignment)型液晶セルを有する液晶表示素子が知られている。このような液晶表示素子においても、液晶の配向制御は、通常、ポリアミック酸、ポリイミドなどの重合体を含有する液晶配向剤により形成された液晶配向膜によりなされている。
近年、液晶表示素子は、より明るく鮮やかな美しい画像を得る目的で高開口率化、高精細化が進んでいる。例えばTN型液晶表示素子においては従来よりも高いプレチルト角を安定に発現することができる液晶配向膜が必要とされている。
また、視野角に優れる垂直配向型液晶表示素子は、モニター用途、TV用途として多く用いられているが、約90度のプレチルト角を安定に発現することのできる液晶配向膜を必要としている。液晶配向膜は、通常、液晶配向剤を印刷機により基板に塗布し焼成により形成されるが、形成された液晶配向膜に膜厚ムラがあると、この液晶配向膜を具備する液晶表示素子が表示する画像にムラが現れることがある。このために塗布性の優れた液晶配向剤が求められている。
また、視野角に優れる垂直配向型液晶表示素子は、モニター用途、TV用途として多く用いられているが、約90度のプレチルト角を安定に発現することのできる液晶配向膜を必要としている。液晶配向膜は、通常、液晶配向剤を印刷機により基板に塗布し焼成により形成されるが、形成された液晶配向膜に膜厚ムラがあると、この液晶配向膜を具備する液晶表示素子が表示する画像にムラが現れることがある。このために塗布性の優れた液晶配向剤が求められている。
プレチルト角は、特許文献1に開示されているように1−オクタデシロキシ−2,4−ジアミノベンゼンのような嵩高い置換基を側鎖に持つモノマー(以下、プレチルト角発現モノマーと言う)をポリマー中に導入することで発現される。プレチルト角はモノマーの導入量に大きく依存し、また、同一導入量であっても側鎖構造が変化すると発現されるプレチルト角が変化する。
1−オクタデシロキシ−2,4−ジアミノベンゼンは、プレチルト角を発現する力が低く、90度の高いプレチルト角を安定に発現するにはモノマー導入量をかなり多くする必要がある。このために、得られた重合体を用いて形成される液晶配向剤は印刷性が不十分であり、これを用いて形成された液晶配向膜を具備する液晶表示素子は美しい画像を表示することができないといった問題があった。
1−オクタデシロキシ−2,4−ジアミノベンゼンは、プレチルト角を発現する力が低く、90度の高いプレチルト角を安定に発現するにはモノマー導入量をかなり多くする必要がある。このために、得られた重合体を用いて形成される液晶配向剤は印刷性が不十分であり、これを用いて形成された液晶配向膜を具備する液晶表示素子は美しい画像を表示することができないといった問題があった。
さらに特許文献2には4−(4−(4−n−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキシル−2,6−ジフルオロフェニル)オキシジフルオロメチル−1,3−フェニレンジアミンを含めて6種類のジアミンが開示されており、総量のジアミンに対して90モル%を導入した場合に高いプレチルト角を発現できることが記載されている。しかしながら、このジアミンを用いて得られた重合体を含有する液晶配向剤は印刷性が不十分であり、これを用いて形成された液晶配向膜を具備する液晶表示素子は美しい画像を表示することができないといった問題があった。
一方、特許文献3にシルセスキオキサンを含有したポリイミドが開示されているものの、極性溶剤への溶解性が低く、印刷性が著しく劣る。
本発明の目的はこれらの課題を解決するものである。
また、液晶表示素子にはさらに精細で美しい表示が求められるようになり、動画にも対応できることが必須となってきた。
このために、基板上に形成される段差が一段と大きくなり、従来の液晶配向剤では印刷性が不十分となりつつある。
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものである。
特開平 6−136122号公報
特開2003−96034号公報
特開2005−232024号公報
一方、特許文献3にシルセスキオキサンを含有したポリイミドが開示されているものの、極性溶剤への溶解性が低く、印刷性が著しく劣る。
本発明の目的はこれらの課題を解決するものである。
また、液晶表示素子にはさらに精細で美しい表示が求められるようになり、動画にも対応できることが必須となってきた。
このために、基板上に形成される段差が一段と大きくなり、従来の液晶配向剤では印刷性が不十分となりつつある。
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものである。
本発明の第1の目的は、高いプレチルト角を安定して発現することができる液晶配向膜を形成することができそして段差の大きい基板に対しても優れた印刷特性を示す液晶配向剤を提供することにある。
本発明の第2の目的は、美しい画像を表示することができる液晶表示素子を提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第一に、
下記式(I)
下記式(I)
および下記式(II)
ここで、R1およびR3は互に独立に、ジアミンから2つのアミノ基を除去した2価の有機基であり、R2およびR4は、互に独立に、テトラカルボン酸から4つのカルボキシル基を除去した4価の有機基である、但し、R1およびR3の少なくとも一方は、下記式(III)
(ここでRはイソブチル基である)
で表わされるジアミンから2つのアミノ基を除去した2価の有機基であるものとする、
で表わされる繰り返し単位からなることを特徴とする液晶配向剤により達成される。
で表わされるジアミンから2つのアミノ基を除去した2価の有機基であるものとする、
で表わされる繰り返し単位からなることを特徴とする液晶配向剤により達成される。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第二に、上記の液晶配向剤から形成された液晶配向膜を具備することを特徴とする液晶表示素子によって達成される。
本発明の液晶配向剤は印刷性が良好であり、高いプレチルト角を安定に発現する液晶配向膜を形成することができる。
本発明の液晶配向剤を用いた液晶表示素子は、垂直配向型液晶表示素子に好適に使用できる以外に、使用する液晶を選択することにより、IPS(In−Plane Switching)型、TN型、STN型、強誘電性および反強誘電性の液晶表示素子などにも好適に使用することができる。
さらに、本発明の液晶配向膜を有する液晶表示素子は、種々の装置に有効に使用でき、例えば卓上計算機、腕時計、置時計、係数表示板、ワードプロセッサ、パーソナルコンピューター、液晶テレビなどの表示装置に用いられる。
本発明の液晶配向剤を用いた液晶表示素子は、垂直配向型液晶表示素子に好適に使用できる以外に、使用する液晶を選択することにより、IPS(In−Plane Switching)型、TN型、STN型、強誘電性および反強誘電性の液晶表示素子などにも好適に使用することができる。
さらに、本発明の液晶配向膜を有する液晶表示素子は、種々の装置に有効に使用でき、例えば卓上計算機、腕時計、置時計、係数表示板、ワードプロセッサ、パーソナルコンピューター、液晶テレビなどの表示装置に用いられる。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の液晶配向剤は、上記式(I)で表される繰り返し単位および上記式(II)で表される繰り返し単位を含有してなる。上記式(I)で表される繰り返し単位は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物を有機溶剤中で反応、重合することにより得られる。さらに、この様にして得られた式(I)で表わされる繰返し単位を有する重合体を脱水閉環イミド化することにより、上記式(I)で表わされる繰返し単位から上記式(II)で表される繰り返し単位を得ることができる。
上記式(I)で表される繰り返し単位中のR1、上記式(II)で表される繰り返し単位中のR3はジアミン化合物から2つのアミノ基を除去した2価の有機基であり、R1、R3の少なくとも一方は、上記式(III)で表されるジアミン化合物から2つのアミノ基を除去した2価の有機基である。ここで、反応に供されるジアミン化合物全体に占める上記式(III)で表わされるジアミン化合物の割合は0.1〜100モル%が好ましく、特に好ましい割合は、TN型およびSTN型液晶表示素子においては、0.5〜30モル%であり、垂直配向型液晶表示素子においては、10〜80モル%、さらに好ましくは10〜50モル%である。
上記式(III)で表わされるジアミン化合物は、相当するシルセスキオキサンとジニトロベンゾイルクロライドを反応することにより得ることができる(例えば、特開2005−232024参照)。
また、上記式(III)で表わされるジアミン化合物と一緒に用いられる他の好ましいジアミン化合物としては、例えば1,4−ジアミノベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−(テトラメチルジシロキサン−1,3−ジイル)ビス(プロピルアミン)、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンおよび1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンを挙げることができる。これらの好ましい他のジアミン化合物は、単独でまたは2種以上一緒に用いられる。
また、上記式(III)で表わされるジアミン化合物と一緒に用いられる他の好ましいジアミン化合物としては、例えば1,4−ジアミノベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−(テトラメチルジシロキサン−1,3−ジイル)ビス(プロピルアミン)、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンおよび1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンを挙げることができる。これらの好ましい他のジアミン化合物は、単独でまたは2種以上一緒に用いられる。
さらに、本願発明の効果が損なわない範囲で併用できるさらにその他のジアミン化合物としては、例えばm−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニルなどの芳香族ジアミン;
1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)などの脂肪族および脂環式ジアミン;
2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−ジシアノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,6−ジアミノ−2−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−ジアミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチルウラシル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテート、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノアクリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミンおよび下記式(VI)〜(VII)のそれぞれで表される化合物などの、分子内に2つの1級アミノ基および該1級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミン;
1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)などの脂肪族および脂環式ジアミン;
2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−ジシアノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,6−ジアミノ−2−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−ジアミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチルウラシル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテート、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノアクリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミンおよび下記式(VI)〜(VII)のそれぞれで表される化合物などの、分子内に2つの1級アミノ基および該1級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミン;
(式中、R5は、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンから選ばれる窒素原子を含む環構造を有する1価の有機基を示し、Yは2価の有機基を示す。)
(式中、Xは、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンから選ばれる窒素原子を含む環構造を有する2価の有機基を示し、R6は2価の有機基を示し、複数存在するXは、同一でも異なっていてもよい。)
下記式(VI)で表されるモノ置換フェニレンジアミン
下記式(VI)で表されるモノ置換フェニレンジアミン
(式中、R7は、−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−および−CO−から選ばれる2価の有機基を示し、R8は、ステロイド骨格、トリフルオロメチル基およびフルオロ基から選ばれる基を有する1価の有機基または炭素数6〜30のアルキル基を示す。)
(式中、R9は炭素数1〜12の炭化水素基を示し、複数存在するR9は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、aは1〜3の整数であり、bは1〜20の整数である。)。
下記式(1)〜(5)で表される化合物などを挙げることができる。これらのさらに他のジアミン化合物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
(式中、Yは2〜12の整数であり、Zは1〜5の整数である。)。
これらのさらに他のジアミン化合物のうち、ビスアニリン、1,4−シクロヘキサンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、上記式(1)〜(5)で表される化合物、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、上記式(IV)で表される化合物のうち下記式(6)で表される化合物、上記式(V)で表される化合物のうち下記式(7)で表される化合物および上記式(VI)で表される化合物のうち下記式(8)〜(15)で表される化合物が好ましい。
これらのさらに他のジアミン化合物のうち、ビスアニリン、1,4−シクロヘキサンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、上記式(1)〜(5)で表される化合物、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、上記式(IV)で表される化合物のうち下記式(6)で表される化合物、上記式(V)で表される化合物のうち下記式(7)で表される化合物および上記式(VI)で表される化合物のうち下記式(8)〜(15)で表される化合物が好ましい。
上記式(VII)で表わされる化合物のうち、1,3−ビス(1−アミノメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(2−アミノエチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アミノブチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,5−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラプロピルジシロキサン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,7−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサンが好ましい。これらは1種または2種以上一緒に用いることができる。
〈テトラカルボン酸二無水物〉
上記式(I)で表される繰り返し単位中のR2、および上記式(II)で表される繰り返し単位中のR4は、テトラカルボン酸から4つのカルボキシル基を除去した4価の有機基である。
上記式(I)、(II)で表される繰り返し単位を得るために好ましく使用されるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、2,3,5,−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオンが挙げられる。
これらのテトラカルボン酸二無水物と異なる他のテトラカルボン酸二無水物も本発明による効果が損なわれない範囲で併用することが可能である。
上記式(I)で表される繰り返し単位中のR2、および上記式(II)で表される繰り返し単位中のR4は、テトラカルボン酸から4つのカルボキシル基を除去した4価の有機基である。
上記式(I)、(II)で表される繰り返し単位を得るために好ましく使用されるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、2,3,5,−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオンが挙げられる。
これらのテトラカルボン酸二無水物と異なる他のテトラカルボン酸二無水物も本発明による効果が損なわれない範囲で併用することが可能である。
併用できる他のテトラカルボン酸二無水物としては、例えば
ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、下記式(VIII)および(IX)で表される化合物などの脂肪族および脂環式テトラカルボン酸二無水物;
ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、下記式(VIII)および(IX)で表される化合物などの脂肪族および脂環式テトラカルボン酸二無水物;
(式中、R10およびR13は、芳香環を有する2価の有機基を示し、R11およびR12は、水素原子またはアルキル基を示し、複数存在するR11およびR12は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロピレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−ブタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,8−オクタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジン、下記式(16)〜(19)で表される化合物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
これらのうち、その他のテトラカルボン酸二無水物としては、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、上記式(VIII)で表される化合物のうち下記式(20)〜(22)で表される化合物および上記式(IX)で表される化合物のうち下記式(23)で表される化合物が、良好な液晶配向性を発現させることができる観点から好ましく、特に好ましいものとして、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、ピロメリット酸二無水物および下記式(20)で表される化合物を挙げることができる。
〈ポリアミック酸の合成〉
本発明の上記式(I)の繰り返し単位が含まれるポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の使用割合は、ジアミン化合物に含まれるアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.2当量となる割合である。
本発明の上記式(I)の繰り返し単位が含まれるポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の使用割合は、ジアミン化合物に含まれるアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.2当量となる割合である。
ポリアミック酸の合成反応は、有機溶媒中において、好ましくは−20〜150℃、より好ましくは0〜100℃の温度条件下で行われる。ここで、有機溶媒としては、合成されるポリアミック酸を溶解できるものであれば特に制限はなく、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒を挙げることができる。また、有機溶媒の使用量(a)は、テトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物の総量(b)が、反応溶液の全量(a+b)に対して0.1〜30重量%になるような量であることが好ましい。
なお、上記有機溶媒には、ポリアミック酸の貧溶媒であるアルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素および炭化水素などを、生成するポリアミック酸が析出しない範囲で併用することができる。かかる貧溶媒の具体例としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、乳酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを挙げることができる。
以上のようにして、ポリアミック酸を溶解してなる反応溶液が得られる。そして、この反応溶液を大量の貧溶媒中に注いで析出物を得、この析出物を減圧下乾燥することによりポリアミック酸を得ることができる。また、このポリアミック酸を再び有機溶媒に溶解させ、次いで貧溶媒で析出させる工程を1回または数回行うことにより、ポリアミック酸を精製することができる。
〈イミド化重合体〉
本発明の上記式(II)の繰り返し単位を含むイミド化重合体は、上記ポリアミック酸を脱水閉環することにより調製することができる。ポリアミック酸の脱水閉環は、(i)ポリアミック酸を加熱する方法により、または(ii)ポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行われる。
上記(i)のポリアミック酸を加熱する方法における反応温度は、好ましくは50〜200℃であり、より好ましくは60〜170℃である。反応温度が50℃未満では脱水閉環反応が十分に進行せず、反応温度が200℃を超えると得られるイミド化重合体の分子量が低下することがある。
本発明の上記式(II)の繰り返し単位を含むイミド化重合体は、上記ポリアミック酸を脱水閉環することにより調製することができる。ポリアミック酸の脱水閉環は、(i)ポリアミック酸を加熱する方法により、または(ii)ポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行われる。
上記(i)のポリアミック酸を加熱する方法における反応温度は、好ましくは50〜200℃であり、より好ましくは60〜170℃である。反応温度が50℃未満では脱水閉環反応が十分に進行せず、反応温度が200℃を超えると得られるイミド化重合体の分子量が低下することがある。
一方、上記(ii)のポリアミック酸の溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加する方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸の繰り返し単位1モルに対して0.01〜20モルとするのが好ましい。また、脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの3級アミンを用いることができる。しかし、これらに限定されるものではない。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとするのが好ましい。なお、脱水閉環反応に用いられる有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。そして、脱水閉環反応の反応温度は、好ましくは0〜180℃、より好ましくは10〜150℃である。また、このようにして得られる反応溶液に対し、ポリアミック酸の精製方法と同様の操作を行うことにより、イミド化重合体を精製することができる。
本発明の液晶配向剤を構成する場合のイミド化重合体における好ましいイミド化率は、1〜100%、さらに好ましくは10〜98%である。ここで、「イミド化率」とは、重合体における繰り返し単位の総数に対する、イミド環を形成してなる繰り返し単位の数の割合を%で表したものとする。このとき、イミド環の一部がイソイミド環であっても良い。イミド化率は、上記脱水閉環反応の反応条件を調節することにより制御することができる。
〈末端修飾型の重合体〉
本発明の液晶配向剤を構成するポリアミック酸およびイミド化重合体は、分子量が調節された末端修飾型のものであってもよい。この末端修飾型の重合体を用いることにより、本発明の効果が損われることなく液晶配向剤の塗布特性などを改善することができる。このような末端修飾型のものは、ポリアミック酸を合成する際に、酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物などを反応系に添加することにより合成することができる。ここで、酸一無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルサクシニック酸無水物、n−ドデシルサクシニック酸無水物、n−テトラデシルサクシニック酸無水物、n−ヘキサデシルサクシニック酸無水物などを挙げることができる。また、モノアミン化合物としては、例えばアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシルアミンなどを挙げることができる。また、モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどを挙げることができる。
本発明の液晶配向剤を構成するポリアミック酸およびイミド化重合体は、分子量が調節された末端修飾型のものであってもよい。この末端修飾型の重合体を用いることにより、本発明の効果が損われることなく液晶配向剤の塗布特性などを改善することができる。このような末端修飾型のものは、ポリアミック酸を合成する際に、酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物などを反応系に添加することにより合成することができる。ここで、酸一無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルサクシニック酸無水物、n−ドデシルサクシニック酸無水物、n−テトラデシルサクシニック酸無水物、n−ヘキサデシルサクシニック酸無水物などを挙げることができる。また、モノアミン化合物としては、例えばアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシルアミンなどを挙げることができる。また、モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどを挙げることができる。
また、本発明の液晶配向剤は、例えば特開2002−204250号公報に示されているような、ポリイミドブロックとポリアミック酸ブロックとを共重合する方法によっても得られる。この場合のポリイミドブロックにおける好ましいイミド化率は10〜100%、さらに好ましくは30〜98%である。
〈重合体の対数粘度〉
本発明の液晶配向剤を構成するポリアミック酸およびイミド化重合体は、その対数粘度(ηln)の値が、好ましくは0.05〜10dl/g、より好ましくは0.1〜5dl/gである。
本発明における対数粘度(ηln)の値は、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用い、濃度が0.5g/100ミリリットルである溶液について30℃で粘度の測定を行い、下記式(i)によって求められるものである。
本発明の液晶配向剤を構成するポリアミック酸およびイミド化重合体は、その対数粘度(ηln)の値が、好ましくは0.05〜10dl/g、より好ましくは0.1〜5dl/gである。
本発明における対数粘度(ηln)の値は、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用い、濃度が0.5g/100ミリリットルである溶液について30℃で粘度の測定を行い、下記式(i)によって求められるものである。
〈液晶配向剤〉
本発明の液晶配向剤は、構成するポリアミック酸およびイミド化重合体が、好ましくは、有機溶媒中に溶解含有されて構成される。
本発明の液晶配向剤を調製する際の温度は、好ましくは0℃〜200℃、より好ましくは20℃〜60℃である。
本発明の液晶配向剤を構成する有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成反応に用いられるものとして例示した溶媒を挙げることができる。また、ポリアミック酸の合成反応の際に併用することができるものとして例示した貧溶媒も適宜選択して併用することができる。
本発明の液晶配向剤は、構成するポリアミック酸およびイミド化重合体が、好ましくは、有機溶媒中に溶解含有されて構成される。
本発明の液晶配向剤を調製する際の温度は、好ましくは0℃〜200℃、より好ましくは20℃〜60℃である。
本発明の液晶配向剤を構成する有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成反応に用いられるものとして例示した溶媒を挙げることができる。また、ポリアミック酸の合成反応の際に併用することができるものとして例示した貧溶媒も適宜選択して併用することができる。
本発明の液晶配向剤における固形分濃度は、粘性、揮発性などを考慮して選択されるが、好ましくは1〜10重量%の範囲である。すなわち、本発明の液晶配向剤は、基板表面に塗布され、液晶配向膜となる塗膜が形成されるが、固形分濃度が1重量%未満である場合には、この塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜を得ることができず、固形分濃度が10重量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜を得ることができず、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性が劣るものとなる。
本発明の液晶配向剤には、基板表面に対する接着性を向上させる観点から、好ましくは、エポキシ基含有化合物が含有される。例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4、4’−ジアミノジフェニルメタンなどを好ましいものとして挙げることができる。
また、本発明の液晶配向剤には、官能性シラン含有化合物が含有されていてもよい。
かかる官能性シラン含有化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどを挙げることができる。
これらエポキシ基含有化合物や官能性シラン含有化合物の配合割合は、重合体100重量部に対して、好ましくは60重量部以下、より好ましくは50重量部以下である。
かかる官能性シラン含有化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどを挙げることができる。
これらエポキシ基含有化合物や官能性シラン含有化合物の配合割合は、重合体100重量部に対して、好ましくは60重量部以下、より好ましくは50重量部以下である。
〈液晶表示素子〉
本発明の液晶表示素子は、例えば次の方法によって製造することができる。
本発明の液晶表示素子は、例えば次の方法によって製造することができる。
(1)パターニングされた透明導電膜が設けられている基板の一面に、本発明の液晶配向剤を例えばロールコーター法、スピンナー法、印刷法、インクジェット法などの方法によって塗布し、次いで、塗布面を加熱することにより塗膜を形成する。ここに、基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネートなどのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO2)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In2O3−SnO2)からなるITO膜などを用いることができる。これらの透明導電膜のパターニングには、フォト・エッチング法や予めマスクを用いる方法が用いられる。反射電極にはAlやAgなどの金属、あるいは、これらの金属を含有する合金などを用いることができる。十分な反射率を有してさえいればこれらに限定されるものではない。液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面および透明導電膜や反射電極と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板の該表面に、官能性シラン含有化合物、官能性チタン含有化合物などを予め塗布することもできる。液晶配向剤塗布後の加熱温度は、好ましくは80〜300℃であり、より好ましくは120〜250℃である。ポリアミック酸を含有する本発明の液晶配向剤は、塗布後に有機溶媒を除去することによって配向膜となる塗膜を形成するが、さらに加熱することによって脱水閉環を進行させ、よりイミド化された塗膜とすることもできる。形成される塗膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmであり、より好ましくは0.005〜0.5μmである。
(2)形成された塗膜面を、特開2002−327058号公報に示されているように、基板上に感光性樹脂を用いて構造物を形成し、その上に垂直液晶配向膜を形成する。
(3)上記のようにして垂直液晶配向膜が形成された基板を2枚作製し、2枚の基板を、間隙(セルギャップ)を介して対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面およびシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填し、注入孔を封止して液晶セルを構成する。そして、液晶セルの外表面、すなわち、液晶セルを構成する透明基板側に、偏光板を配することにより、液晶表示素子が得られる。
ここに、シール剤としては、例えば硬化剤およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。
液晶としては、ネマティック型液晶およびスメクティック型液晶を挙げることができる。その中でもネマティック型液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック型液晶や商品名「C−15」「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤などを添加して使用することもできる。さらに、p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶も使用することができる。
また、液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させたH膜と称される偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板またはH膜そのものからなる偏光板を挙げることができる。
ここに、シール剤としては、例えば硬化剤およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。
液晶としては、ネマティック型液晶およびスメクティック型液晶を挙げることができる。その中でもネマティック型液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック型液晶や商品名「C−15」「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤などを添加して使用することもできる。さらに、p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶も使用することができる。
また、液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させたH膜と称される偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板またはH膜そのものからなる偏光板を挙げることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。実施例および比較例における印刷性、垂直配向性は以下の方法により評価した。
[液晶配向剤の印刷性試験]
本発明の液晶配向剤を、液晶配向膜印刷機(日本写真印刷機(株)製)を用いて、膜厚200nm、幅20μmのITO膜が100μm間隔でストライプ状に形成されている透明電極付きガラス基板の透明電極面に塗布し、焼成によって液晶配向膜を形成した後、この液晶配向膜の周辺部、中央部を倍率20倍の顕微鏡にて観察し、塗布ムラの無い場合を「良好」、塗布ムラの有る場合を「不良」と判定した。
本発明の液晶配向剤を、液晶配向膜印刷機(日本写真印刷機(株)製)を用いて、膜厚200nm、幅20μmのITO膜が100μm間隔でストライプ状に形成されている透明電極付きガラス基板の透明電極面に塗布し、焼成によって液晶配向膜を形成した後、この液晶配向膜の周辺部、中央部を倍率20倍の顕微鏡にて観察し、塗布ムラの無い場合を「良好」、塗布ムラの有る場合を「不良」と判定した。
[垂直配向性]
電圧OFF時および交流12V(ピーク−ピーク)での液晶表示素子をクロスニコル下で観察し、異常ドメインの有無を偏光顕微鏡で観察し、異常ドメインのない場合を「良好」と判定した。
電圧OFF時および交流12V(ピーク−ピーク)での液晶表示素子をクロスニコル下で観察し、異常ドメインの有無を偏光顕微鏡で観察し、異常ドメインのない場合を「良好」と判定した。
合成例1
以下の反応は窒素雰囲気で行った。
以下の反応は窒素雰囲気で行った。
化合物1を10g(11.4mmol)、3,5−ジニトロベンゾイルクロライド2.9g(12.6mmol)、テトラヒドロフラン30mlを三口フラスコ中で混合撹拌し、氷浴で冷却した。この状態で、ピリジン2.7g(34.2mmol)を滴下した。氷浴のまま一時間撹拌し、室温に戻して更に8時間撹拌した。
TLC(薄層クロマトグラフィー)で反応終了を確認後、反応溶液から溶液分を留去した。残った固形分をクロロホルムに溶解し、水、飽和食塩水の順で分液洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、溶媒をエバポレーターで留去した。得られた固体をエタノールで再結晶することで、目的物2を8.8g得た。
TLC(薄層クロマトグラフィー)で反応終了を確認後、反応溶液から溶液分を留去した。残った固形分をクロロホルムに溶解し、水、飽和食塩水の順で分液洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、溶媒をエバポレーターで留去した。得られた固体をエタノールで再結晶することで、目的物2を8.8g得た。
合成例2
以下の反応は窒素雰囲気下で行った。
以下の反応は窒素雰囲気下で行った。
化合物2を7g(6.54mmol)、亜鉛8.56g(131mmol)、塩化アンモニウム1.4g(26.2mmol)、エタノール(EtOH)90ml、水10mlをジムロート冷却管を備えた三口フラスコ中で混合撹拌した。この溶液を8時間加熱還流させ、反応を完結させた。
反応溶液を冷却後、固形分をろ別した。ろ液をエバポレーターを用いて濃縮し、得られた固体を少量のテトラヒドロフランで溶解させた。
この溶液を水400mlに滴下し、析出した固体をろ別、乾燥することで目的の化合物3を4.9g得た。
反応溶液を冷却後、固形分をろ別した。ろ液をエバポレーターを用いて濃縮し、得られた固体を少量のテトラヒドロフランで溶解させた。
この溶液を水400mlに滴下し、析出した固体をろ別、乾燥することで目的の化合物3を4.9g得た。
合成例3
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物1.0モル、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン0.8モル、合成例2と同様の方法で得た化合物3の0.2モルをN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコール中に注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.50dl/gのポリアミック酸400gを得た。
得られたポリアミック酸30gをN−メチル−2−ピロリドン570gに溶解させ、ピリジン5.7gおよび無水酢酸7.4gを添加し110℃で4時間脱水閉環させ、上記と同様にして沈殿、洗浄、減圧を行い、イミド化率52%、対数粘度0.41dl/gのポリイミド(これを「ポリイミド(PI−1)」とする)19.0gを得た。
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物1.0モル、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン0.8モル、合成例2と同様の方法で得た化合物3の0.2モルをN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコール中に注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.50dl/gのポリアミック酸400gを得た。
得られたポリアミック酸30gをN−メチル−2−ピロリドン570gに溶解させ、ピリジン5.7gおよび無水酢酸7.4gを添加し110℃で4時間脱水閉環させ、上記と同様にして沈殿、洗浄、減圧を行い、イミド化率52%、対数粘度0.41dl/gのポリイミド(これを「ポリイミド(PI−1)」とする)19.0gを得た。
合成例4
合成例3において、化合物3の代わりに、コレスタニル3,5−ジアミノベンゾエート0.2モルを用いた以外は合成例1と同様にして、対数粘度0.40dl/gのポリアミック酸390gを得た。得られたポリアミック酸30gを用いた以外は合成例3と同様にイミド化を行い、イミド化率55%、対数粘度0.32dl/gのポリイミド(これを「ポリイミド(PI−2)」とする)18.9gを得た。
合成例3において、化合物3の代わりに、コレスタニル3,5−ジアミノベンゾエート0.2モルを用いた以外は合成例1と同様にして、対数粘度0.40dl/gのポリアミック酸390gを得た。得られたポリアミック酸30gを用いた以外は合成例3と同様にイミド化を行い、イミド化率55%、対数粘度0.32dl/gのポリイミド(これを「ポリイミド(PI−2)」とする)18.9gを得た。
合成例5
合成例3において、化合物3の代わりに、1−オクタデシロキシ−2,4−ジアミノベンゼン0.2モルを用いた以外は合成例1と同様にして、対数粘度0.17dl/gのポリアミック酸372gを得た。得られたポリアミック酸30gを用いた以外は合成例3と同様にイミド化を行い、イミド化率51%、対数粘度0.35dl/gのポリイミド(これを「ポリイミド(PI−3)」とする)18.9gを得た。
合成例3において、化合物3の代わりに、1−オクタデシロキシ−2,4−ジアミノベンゼン0.2モルを用いた以外は合成例1と同様にして、対数粘度0.17dl/gのポリアミック酸372gを得た。得られたポリアミック酸30gを用いた以外は合成例3と同様にイミド化を行い、イミド化率51%、対数粘度0.35dl/gのポリイミド(これを「ポリイミド(PI−3)」とする)18.9gを得た。
合成例6
特開2005−232024記載の合成法に従って下記式で表わされるジアミン化合物を3g合成した。
特開2005−232024記載の合成法に従って下記式で表わされるジアミン化合物を3g合成した。
合成例6で合成したジアミン3g(2.3mmol)、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物1.05g(2.3mmol)をN−メチル−2−ピロリドン20mlに溶解させた。
室温で3時間撹拌し得られたワニスを用いて、合成例3と同様にイミド化を行った。イミド化率60%、対数粘度0.45dl/gのポリイミド(これを「ポリイミド(PI−4)」とする)2.1gを得た。
実施例1
(印刷性試験)
合成例3で得られた部分イミド化重合体(PI−1)を、N−メチル−2−ピロリドン/γ−ブチロラクトン/エチレングリコール モノブチルエーテル混合溶剤(重量比70/10/20)に溶解させて固形分濃度5重量%の溶液とし、十分な攪拌後、この溶液を孔径1μmのフィルターを用いて濾過し、本発明の液晶配向剤を調製した。上記液晶配向剤を、ガラス基板の一面に設けられたITO膜からなる透明導電膜上に、液晶配向膜印刷機(日本写真印刷機(株)製)を用いて塗布し、ホットプレート上で、80℃で1分の仮乾燥を行い、次いでクリーンオーブンで、200℃で1時間乾燥することにより、乾燥膜厚約500Åの液晶配向膜を形成した。この液晶配向膜は塗布ムラが観察されず、従って、実施例1で調製した液晶配向剤の印刷性を「良好」と判定した。
(印刷性試験)
合成例3で得られた部分イミド化重合体(PI−1)を、N−メチル−2−ピロリドン/γ−ブチロラクトン/エチレングリコール モノブチルエーテル混合溶剤(重量比70/10/20)に溶解させて固形分濃度5重量%の溶液とし、十分な攪拌後、この溶液を孔径1μmのフィルターを用いて濾過し、本発明の液晶配向剤を調製した。上記液晶配向剤を、ガラス基板の一面に設けられたITO膜からなる透明導電膜上に、液晶配向膜印刷機(日本写真印刷機(株)製)を用いて塗布し、ホットプレート上で、80℃で1分の仮乾燥を行い、次いでクリーンオーブンで、200℃で1時間乾燥することにより、乾燥膜厚約500Åの液晶配向膜を形成した。この液晶配向膜は塗布ムラが観察されず、従って、実施例1で調製した液晶配向剤の印刷性を「良好」と判定した。
(垂直配向性試験)
合成例3で得られた部分イミド化重合体(PI−1)を、N−メチル−2−ピロリドン/γ−ブチロラクトン/エチレングリコール モノブチルエーテル混合溶剤(重量比70/10/20)に溶解させて固形分濃度3.5重量%の溶液とし、十分な攪拌後、この溶液を孔径1μmのフィルターを用いて濾過した後、ガラス基板の一面に設けられたITO膜からなる透明導電膜上にスピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、80℃で1分の仮乾燥を行い、次いでクリーンオーブンで、200℃で1時間乾燥することにより、乾燥膜厚約500Åの液晶配向膜を有する透明電極基板を作成した。次に、一対の透明電極/透明電極基板の上記液晶配向膜塗布基板の液晶配向膜を有するそれぞれの外縁に、直径3.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤を塗布した後、液晶配向膜面が相対するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化させた。次いで、液晶注入口より基板間に、ネガ型液晶(メルク社製、MLC−6608)を充填した後、アクリル系光硬化接着剤で液晶注入口を封止し、基板の外側の両面に偏光板を張り合わせ、液晶表示素子を作製し、得られた液晶表示素子の垂直配向性を評価したところ、異常ドメインは発生せず、「良好」であると判定した。
合成例3で得られた部分イミド化重合体(PI−1)を、N−メチル−2−ピロリドン/γ−ブチロラクトン/エチレングリコール モノブチルエーテル混合溶剤(重量比70/10/20)に溶解させて固形分濃度3.5重量%の溶液とし、十分な攪拌後、この溶液を孔径1μmのフィルターを用いて濾過した後、ガラス基板の一面に設けられたITO膜からなる透明導電膜上にスピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、80℃で1分の仮乾燥を行い、次いでクリーンオーブンで、200℃で1時間乾燥することにより、乾燥膜厚約500Åの液晶配向膜を有する透明電極基板を作成した。次に、一対の透明電極/透明電極基板の上記液晶配向膜塗布基板の液晶配向膜を有するそれぞれの外縁に、直径3.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤を塗布した後、液晶配向膜面が相対するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化させた。次いで、液晶注入口より基板間に、ネガ型液晶(メルク社製、MLC−6608)を充填した後、アクリル系光硬化接着剤で液晶注入口を封止し、基板の外側の両面に偏光板を張り合わせ、液晶表示素子を作製し、得られた液晶表示素子の垂直配向性を評価したところ、異常ドメインは発生せず、「良好」であると判定した。
比較例1〜3
実施例1において、重合体(PI−1)の代りに、合成例4、5、7で得られたそれぞれ重合体(PI−2)、(PI−3)、(PI−4)を用い、実施例1と同様に行って液晶配向剤を調整し、実施例1と同様にして、印刷性、垂直配向性を評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、重合体(PI−1)の代りに、合成例4、5、7で得られたそれぞれ重合体(PI−2)、(PI−3)、(PI−4)を用い、実施例1と同様に行って液晶配向剤を調整し、実施例1と同様にして、印刷性、垂直配向性を評価した。結果を表1に示す。
Claims (5)
- 上記式(I)におけるR1および上記式(II)におけるR3を与える、上記式(III)で表わされるジアミン以外のジアミンが、1,4−ジアミノベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−(テトラメチルジシロキサン−1,3−ジイル)ビス(プロピルアミン)、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンおよび1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の液晶配向剤。
- 上記式(I)におけるR2および上記式(II)におけるR4を与えるテトラカルボン酸二無水物が、2,3,5,−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオンおよび1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載の液晶配向剤。
- エポキシ基含有化合物をさらに含有する請求項1〜3のいずれかに記載の液晶配向剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の液晶配向剤から形成された液晶配向膜を具備することを特徴とする液晶表示素子。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007039599A JP2008203537A (ja) | 2007-02-20 | 2007-02-20 | 液晶配向剤および液晶表示素子 |
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Cited By (1)
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JP2017076105A (ja) * | 2015-06-25 | 2017-04-20 | Jsr株式会社 | 液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子、液晶配向膜の製造方法及び化合物 |
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2007
- 2007-02-20 JP JP2007039599A patent/JP2008203537A/ja not_active Withdrawn
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