JP2008203235A - 顕微レーザーラマン分光方法および分光装置 - Google Patents

顕微レーザーラマン分光方法および分光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 太陽電池や燃料電池などの微結晶、多結晶あるいは非晶質の薄膜または熱に弱い生体高分子や熱可塑性高分子材料などの有機化合物やその複合体では、レーザー光線の影響を大きく受け、試料の温度が上昇し、熱応力の影響や、熱変形及び変質が起こり、正確なラマンスペクトルの測定が出来ない問題があった。レーザー光線の試料への照射径を拡大し、単位面積当たりの照射強度を小さくして、短時間に正確なラマンスペクトルを提供する。
【解決手段】 顕微ラマン分光装置の対物レンズ焦点の内側に試料を配置し、そこから発生するラマン散乱光に対応できる3枚のレンズ光学系を配置し、その中の1枚を光軸上で移動可能にし、対物レンズ焦点の内側からのラマン散乱光に対応できるようにする。また、レーザー光線の光路上に凸または凹レンズ挿入し試料への照射径を拡大する手段を併用することと、レーザー光線とラマン散乱光の分離を穴あき全反射鏡で行うことにより、両光の透過効率を向上させることにより図る。
【選択図】図1

Description

本発明は、化学、物理学、医学、薬学などの分野で、物質の化学構造や組成、結晶構造や状態などの分析、解析に広く適用されているラマン散乱分光方法および装置に関するもので、特にレーザー光線を照射することにより熱変形や変質が生じ、これまで難しいとされていた太陽電池、燃料電池などの微結晶薄膜,多結晶、非晶質薄膜、あるいは生体高分子、熱可塑性高分子材料、有機化合物などの様に熱に弱い物質に適用できるように、照射するレーザー光線の影響を小さくし、試料の温度上昇を軽減し、熱応力の影響、熱変形及び変質のなどの影響を受けることなく、短時間に正確なラマンスペクトルを測定可能にする顕微ラマン分光方法および装置に関する。
レーザー光線(励起光)を照射すると、試料から振動数分だけシフトした光即ち、ラマン散乱光を生成する。ラマン散乱分光法もフーリエ変換赤外線分光法と同じ様に、その振動スペクトルから物質の化学結合状態、組成、結晶構造、結晶化度などの情報を得ることができる。しかし、ラマン散乱光は励起光の10万分の1以下と非常に弱い。そのためパワー密度の大きいレーザー光が励起光に用いられる。そのため、熱変形、熱損傷を生じ易い物質である高分子ポリマーとか有機化合物には利用できないことが多く、また熱により特性や形態などが変化する微結晶体、多結晶体、非晶質薄膜には適用が困難であった。そのためラマン散乱分光の普及はフーリエ変換赤外分光法の十分の1程度である。
図2は従来の顕微ラマン分光装置の構成図である。レーザー発振装置2を出たレーザー光線2aはノッチフィルター8aの裏面で反射し、さらに全反射鏡20aで反射し、対物レンズ5を介して試料1を照射する。試料1で発生したラマン散乱光は対物レンズ5で集光され、全反射鏡を経て2枚のノッチフィルター8a、8を透過し、励起レーザー光に由来のレーリー散乱光が除かれて分光器11に入射する。分光されたラマン散乱光はCCD(Charge Coupled devices、電荷結合素子)12で検知される。この図2に近い従来装置の構成例が特許文献1または2の公報に記載されている。
特許出開平10−90064号公報(第5頁 第1から第4図) 特許出開平10−318923号公報(第1−2頁 第1図)
ノッチフィルター8a、8bが開発される以前のラマン分光装置ではレーリー散乱光の排除を1段又は2段の分光器を正配置又は逆位置にして行われていた。そのためラマン散乱光の検出器への透過効率が非常に悪かった。またラマン散乱光の検出は光電子増倍管が用いられていた。CCDの様に広い波数領域を一度に測定することが出来ず、回折格子を連続駆動して測定するため、測定に長時間必要とした。そのためパワー密度が高いレーザー光線を長い時間試料に照射してラマンスペクトルを測定していた。
ところで、最近の顕微ラマン分光装置はペルチェ電子素子で−50から−100℃に冷却した512から1024の多チャンネルのCCD12、励起レーザー光に由来するレーリー散乱光の排除には90%以上の高い透過効率のノッチフィルター8a、8bや、狭帯域で立ち上がるエッジフィルター(ハイパスフィルター)8が現れ、短時間に高感度で測定できる様になった。それにともないレーザー光線発生装置2も数十から百数十mW程度の出力の小さい装置が使われる様になった。
レーザー光線の熱影響を防止に関しては、試料を中空に保持し、試料両面に層流の冷媒を吹きつけて試料を冷却しながら測定する、ラマン分光計が特許文献2に提案されている。
特許公開2000−88754号公報(第1−2頁、第1図)
以上の様な技術の発展で、レーザー光線が試料に与える熱影響はかなり軽減されてきた。しかし、太陽電池、燃料電池などの微結晶薄膜、多結晶、非晶質薄膜あるいは熱に弱い生体高分子、熱可塑性高分子材料、有機化合物などでは、まだ不十分で、照射するレーザー光線の影響を大きく受け、試料の温度が上昇し、熱応力の影響や、熱変形及び変質などが起こり、正確なラマンスペクトルの測定が出来ない問題が多くあった。
ところで、かかる問題が、従来顕微ラマン分光装置で生じる場合、通常使われる50倍あるいは100倍の対物レンズに換えて20倍の対物レンズを用いると測定できることがある。これは、レーザー光線のスポット径が大きくなり、試料を照射するレーザー光線の密度が小さくなったためと考えられる。ところで、ラマン散乱光の集光率は対物レンズの開口角(N.A.)に大きく影響する。50倍あるいは100倍の対物レンズのN.A.は0.8あるいは0.9以上に対して20倍の対物レンズは0.45以下である。このため対物レンズに集まるラマン散乱光の量が1桁程度小さくなり、測定に長時間かかるとか、ノイズに埋もれてスペクトルが測定出来ないなどの問題が生じていた。
本発明は上述の諸事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ラマン散乱光の集光量が大きい50倍あるいは100倍の対物レンズを用い、照射するレーザー光線の影響を小さくして、試料の温度上昇を軽減し、熱応力の影響や、熱変形あるいは変質などの影響を受けることなく、短時間に正確なラマンスペクトルの測定を可能にする顕微ラマン分光方法および分光装置を提供することにある。
従来の顕微ラマン分光装置が20倍の対物レンズを用いる事で試料の温度上昇を軽減し、熱応力の影響や、熱変形あるいは変質などの影響を受けることなく測定できる点に着目して、100倍、50倍の対物レンズで、レーザー光線の密度を小さくして試料を照射する方法、即ちレーザー光線の試料への照射径を拡大してラマンスペクトルを測定する方法を考案する事にした。
レーザー光線はコヒーレントな平行光束からなり、従来の顕微ラマン分光装置は対物レンズ焦点に試料を配置するので、レーザー光線は試料上で集光する。633nmのHe−Neレーザー光線の場合、試料上に出来るレーザー光線のスポット径は100倍の対物レンズで約1μm、50倍の対物レンズで約2μmである。一方20倍の対物レンズは5から8μmである。
これらのことから、N.A.の大きい100倍あるいは50倍の対物レンズを用い、試料上に5から8μm以上の大きさレーザー光線スポット径を形成することが有効であると考えた。
対物レンズ5で形成されるレーザー光線のスポット径の拡大はレーザー光線の光路に凸レンズ26を挿入する事により可能である。図3はレーザー光線光路上で、対物レンズ5裏側の焦点に照射径拡大レンズ26の焦点を一致させて配置した様子を示したものである。レーザー光線は対物レンズ5を出て平行光束となって試料1を照射する。その径は照射径拡大レンズ26の焦点距離をf対物レンズ5のf、レーザー光線24の光束をLとすると、試料を照射するレーザースポット径Lは次の式で計算される。
L=L×(f/f)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)式
100倍の対物レンズ5の焦点距離(f)は顕微鏡メーカーにより若干異なるが本発明では2.0mmを用いている。焦点距離150mmの照射径拡大レンズ26と光束径1000μmのレーザー光線24を用い、対物レンズ5の裏側の焦点に照射拡大レンズ26の焦点を一致させた時、試料上に形成するレーザースポットの照射径は(1)式より約13μmである。
レーザー光線の光路上で、照射径拡大レンズ26の焦点を対物レンズ5の裏焦点だけでなく外の場所に合わせた場合ついても検討した。その結果を図5に示した。横軸は焦点距離(f)150mmの拡大レンズ26の対物レンズからの配置距離である。即ち、横軸150は対物レンズの光学的センターに拡大レンズ26の焦点がある場合を意味する。この150mm近く即ち、144から160mmの間に拡大レンズ26を配置した場合は、スポット径が2から60μm以上と大きく変動し、定常的に一定の大きさの照射径を得るには好ましくない。140mm以下あるいは160mm以上に配置すると照射径は配置位置による変化は小さく、140mm以下、即ち対物レンズ5の試料側でフォーカスする様に配置した場合、レーザー光線の照射径は約12μmの大きさとなる。また150mm以上、即ち、対物レンズ5の裏側でフォーカスする様にした場合の照射径は約15μmとなる。
図6は拡大レンズの焦点距離の違いについて検討した結果である。焦点距離が大きい凸レンズは照射径を拡大する効果が小さく、小さい焦点距離のレンズの方が有効であることを示している。しかし、小さい焦点距離のレンズは対物レンズとの間が狭くなり、他の光学素子と干渉する恐れがある。以上の事から実質的に使えるのは焦点距離100mmから200mm凸レンズ26のである。
以上の様に、凸レンズは照射径を12から15μm程度の拡大効果しか得られない。さらに大きく拡大する事ができないか凹レンズでもって検討した。その概要を図7に、検討結果を図8に示した。
凹レンズ25も凸レンズ26と同じ様に大きい焦点距離のレンズの効果は小さく、小さい焦点距離のレンズの方が良い、そして、凸レンズ26と同じ様に他の光学素子と干渉する等のことから、焦点距離が100mm以上のレンズを使う必要がある。図7、8結果を合わせて考えると150mmのレンズが適切であり、幅を広げて考慮しても100から200mmの焦点距離中から選択する必要がある。
以上ことから凸レンズ26や凹レンズ25を使ってもレーザー光線スポット径を十数μm程度にしか出来ない。さらに大きくする方法を検討した。
従来の顕微ラマン分光では試料1は対物レンズ5の焦点に配置して測定している。対物レンズ5の焦点から外せば照射するレーザー光線のスポットは大きくなる、しかしラマン散乱光は分光器11のスリット10にフォーカスしなくなる。本発明では対物レンズ5の焦点から外して測定する方法する適切な方法を考案した。
図2に従来の顕微ラマン分光一例を示した様に、対物レンズ5からのラマン散乱光は平行光束となり分光器11の前のスリット10に集光レンズ9でもってフォーカスさせる構成である。 ところで、本発明はラマン散乱光をより多く集めるため、即ち、N.A.(開口角)を大きくとるため、対物レンズ5焦点の内側に試料を外して照射径を大きくすることを考えた。この様にすることで、対物レンズ5から分光器11に向かうラマン散乱光は平行光束でなくなり、発散光となる。そのため分光器の前光レンズ9に入射するラマン散乱光は非常に少なくなる。この問題を解決するために図1の集光レンズ9の前に2枚のリレーレンズ6、7aを配置することにした。レンズ7aは対物レンズの焦点より内側に配置した試料からのラマン散乱光に対応した位置の配置で、7bは対物レンズの焦点に配置した試料からのラマン散乱光に対応した位置である。従来装置の様に試料をレーザー光線のフォーカス位置での測定は7a位置から7b位置に対物レンズを移動して測定するようにした。
図9は対物レンズ5の焦点の内側に試料1を配置する様子を示したもので、図10は対物レンズのフォーカス位置から試料表面までの距離とレーザー光線の照射径の関係を示したものである。焦点の位置では100倍の対物レンズの方が50倍の対物レンズに比べて照射径は小さいが、焦点より対物レンズ方向に少し移動すると照射径は100倍の方が大きくなる。この方法は適当な大きさの照射径を選ぶのに適した方法である。
ところで顕微ラマン分光では試料へのレーザー光線と試料から発光するラマン散乱光は同じ光路を通るので分光器に入射する前に分離する必要がある。従来顕微ラマン分光ではノッチフィルター8aやビームスプリッターなどが用いられている。ノッチフィルターは傾斜させて使用するため反射する際30から40%のレーザー光線の強度が減少する。ビームスプリッターはさらに大きく50%減少する。ラマン散乱光もこれらを透過する際に同じように強度が減少する。この問題を解決するため本発明ではレーザー光線を透過するに必要なだけの小さな孔をあけた全反射鏡4をこれらの代わりに用いることにした。ラマン散乱光は孔の分だけ減少するが10%以下で、またレーザー光線は減光することなく透過する。
本発明によれば、照射径を拡大したレーザー光線を試料に照射することが可能となり、また穴あき全反射鏡使用により、レーザー光線の透過効率を高くすることが出来き、より強度の大きい励起レーザー光線を単位面積当たりの照射強度を小さくして試料に照射可能とする。これにより、試料に与えるレーザー光線の影響が小さくなり、試料の温度上昇が大きく軽減され、熱応力の影響、熱変形あるいは変質などを生じさせることなく、短時間に正確なラマンスペクトルの測定を可能にする効果がある。これまで、レーザー光線を照射することにより熱変形や変質が生じ測定が難しいとされていた太陽電池、燃料電池などの微結晶、多結晶、非晶質薄膜、あるいは生体高分子、熱可塑性高分子材料、有機化合物などへの適用が可能となる。
発明の実施するための最良の形態
以下、図1、図11および図12は本発明の実施の形態を示す図である。図1は顕微ラマン分光装置のレーザー光線発生装置2と対物レンズ5の間に凹レンズ25を配置して試料を照射するレーザー光線の拡大を図った本発明にかかわる一実施形態である。レーザー光線24の光束が1mmで出力21mWのHe−Neレーザー光線発生装置2を出射したレーザー光線は焦点距離が100mmの凹レンズ25を透過した後、径が2mmの孔をセンターにあけた孔あき全反射鏡4の孔を通過して、対物レンズ5に入射させた。凹レンズ25と対物レンズ5との光学センター間が150mmとなるように配置した。凹レンズ25を出た後、レーザー光線24の光束は広がるが、孔あき全反射鏡4の孔の位置では照射径は1.5mm程度で孔径2.0mmより小さい。しかし穴あき全反射鏡4の孔壁に接触しないで通りぬけるように細心の注意を払って全反射鏡3等を調整した。
対物レンズ5の焦点から0.1mm程度内側に配置した試料1aから出たラマン散乱光は拡大光線となり孔あき全反射鏡で反射した後、凸レンズ6に入射しリレーレンズ7の間で集光する。この集光位置は対物レンズの焦点の位置に置いた試料からの平行光束ラマン散乱光よりも遠くで集光する。リレーレンズ7の7bの位置は対物レンズの焦点の内側に配置した試料に対応位置で、7aは対物レンズの焦点に配置した試料1bに対応位置である。これらのリレーレンズ7からでたラマン散乱光が平行光束でレーリー光排除フィルター8に入射する様に予め調整した位置7a、7bの間を移動できるよう、スライドレールの上に搭載した。
本発明ではレーリー光排除フィルター8として狭帯域で立ち上がるエッジフィルター(ハイパスフィルター)を用いたが、これは狭帯域バンドオフフィルター(ノッチフィルター)でも同じ効果を得ることが出来る。レーリー光排除フィルター8を通過させた後、ラマン散乱光を分光器11のスリット9に集光させ、CCD12検出器でラマンスペクトルを測定した。
図1の一実施形態で試料1bを対物レンズ5の焦点に配置し、光路から外してある観察用全反射鏡16bを挿入し、光路を観察カメラ18切り替えて、He−Neレーザー光線で出来る照射像を観察した。その際He−Neレーザー強度が1%程度になるような減光フィルターを挿入して行った。計測した結果約13μmであった。従来顕微ラマン分光装置の20倍の対物レンズ焦点の位置に試料を置いて出来る照射径は6から8μmである。非晶質など小さな温度変化でも結晶化が進む試料や、温度測定、応力測定などを除けば利用可能場合が多い。
次に試料を図1の一実施形態で試料1bを対物レンズ5の焦点から0.1mm程度内側に配置し、レーザー光線24の試料1a上に出来る照射径を観察用カメラ18で前述と同じ方法で測定した。その結果照射径は約25μmであった。
図1の一実施形態の凹レンズ25に換えて焦点距離150mmの凸レンズ26を100倍の対物レンズから裏面から150mmの距離に配置し、試料1bを対物レンズの焦点の位置に配置した。そして前述と同じ方法で試料1b上の照射径を計測した結果約15μm程度であった。次に焦点から0.1mm程度内側にしてレーザー光線の照射径を測定した結果約30μmであった。
図11は照射径拡大レンズの凹レンズ25や凸レンズ26を使わないで、試料に形成されるレーザー光線の照射径を拡大する一実施形態にかかわるものである。100倍の対物レンズ5の焦点から0.1mm程度内側に試料1aを配置して、前述と同じ様方法で試料形成されるレーザー光線の照射径を測定した。その結果約26μmであった。
試料1aを100倍の対物レンズ焦点から0.1mm程度内側に配置し、照射径を計測する際挿入した減光フィルターおよび観察用全反射鏡16a、観察用ハーフミラー15aなどを光路から外し、ラマン散乱光を3枚の凸レンズおよびレーリー光排除フィルター8を通して分光器のスリット10に集光し、分光器11とCCD12検出器でラマンスペクトルを測定した。測定に際しては3枚の凸レンズ6,7a、93中で中央に配置した凸レンズ7aをレーリー光排除フィルター8方向に移動し、ラマン散乱光が平行光束になるようにした。
本発明の一実施形態例を具体的に図12に示した。ステージ19上に搭載し、対物レンズ5焦点内への配置は、ステージ19の高さは回転駆動ノブ27により行った。この回転駆動ノブ27には対物レンズの焦点位置、焦点から0.1mm位置、0.2mmの位置などに対応した回転位置に目じるしを付け、その目じるしの位置に回転ノブ27を止めた時、前述と同じ様方法で試料形成されるレーザー光線の照射径を測定し照射径を確認した後、レーザー光線強度減光フィルターを光路から外してラマンスペクトルの測定を行った。
図13は4種類のGee組成比の異なるナノ結晶Sage薄膜試料ラマンスペクトル測定結果である。レーザー光線の試料へ露光時間は1秒である。従来の顕微ラマン分光装置で100倍の対物レンズで測定しようとすると、レーザー光線を照射した瞬間に結晶化が起こるので、20倍の対物レンズで測定を行っている。そのため、露光時間は100秒以上必要とした。本発明手法で測定すると1秒程度で測定できるので、測定時間を大幅に低減できた。対物レンズの焦点から0.1mmに配置し、対物レンズの焦点ではレーザー光線を受けて一瞬にスペクトルが変化するGe組成比が0.48(48%)のナノ微結晶薄膜を対物レンズ焦点から0.1mm内側の位置に配置した直後と2時間照射続けた後のラマンスペクトルはほとんど変化がなかった。
本発明にかかわる顕微ラマン分光の一実施形態その1 従来の顕微ラマン分光例 凸レンズレンズを用いて照射径を拡大する様子を示した図 凸レンズレンズを用いて照射径を拡大する様子を示した追加図 照射径拡大凸レンズの位置と照射径の関係図 照射径拡大凸レンズの焦点距離と照射径の関係図 凹レンズを用いて照射径を拡大する様子を示した図 照射径拡大凹レンズの位置と照射径の関係図 対物レンズの焦点の内側に試料を配置する様子を示した図 対物レンズの焦点の内側に試料を配置した位置と照射径の関係 本発明にかかわる顕微ラマン分光の一実施形態その2 本発明にかかわる顕微ラマン分光の一実施形態その3 本発明にかかわる顕微ラマン分光でのラマン散乱スペクトル測定例
符号の説明
1・・・試料
1a・・・対物レンズの焦点の内側に配置した試料
1b・・・対物レンズの焦点に配置した試料
2・・・顕微ラマン分光装置のレーザー光線発生装置
3・・・全反射鏡
4・・・孔あき全反射鏡
5・・・対物レンズ
6・・・凸レンズ
7・・・可動リレーレンズ
7a・・・対物レンズの焦点の内側に配置した試料に対応位置
7b・・・対物レンズの焦点に配置した試料に対応位置
8・・・レーリー光排除フィルター
9・・・分光器スリットへの集光レンズ
10・・・スリット
11・・・分光器
12・・・CCD
13・・・観察用照明光
14・・・観察用照明光レンズ
15・・・観察用ハーフミラー
15a・・・ラマン散乱光路から外した観察用ハーフミラー
15b・・・ラマン散乱光路に挿入した観察用ハーフミラー
16・・・観察用全反射鏡
16a・・・ラマン散乱光路から外した観察用全反射鏡
16b・・・ラマン散乱光路に挿入した観察用全反射鏡
17・・・観察用カメラリレーレンズ
18・・・観察用カメラ
19・・・試料ステージ
19a・・・対物レンズの焦点の内側に配置した試料のステージ位置
19b・・・対物レンズの焦点に配置した試料のステージ位置
20・・・従来ラマン分光装置の切り替え全反射鏡
20a・・・ラマン散乱光のスペクトル測定位置
20b・・・試料像観察位置
21・・・顕微鏡本体
22・・・観察照明装置
24・・・レーザー光線
25・・・レーザー光線拡大凹レンズ
26・・・レーザー光線拡大凸レンズ
27・・・回転駆動ノブ

Claims (4)

  1. レーザー光線を試料に照射して、該試料から発生するラマン散乱光を分光して検出する顕微ラマン分光装置であって、対物レンズの焦点距離よりも内側に試料を配置して、レーザー光線を照射し、該試料から発生するラマン散乱光を3枚のレンズを通過させた後分光器のスリット集光させることを特徴とし、該3枚のレンズの中の1枚はラマン散乱光の光路上を移動可能であることを特徴とする顕微ラマン分光分析方法および装置
  2. 請求項1記載の顕微ラマン分光装置であって、中央に穴をあけた全反射鏡を分光器の前に傾斜させて配置することを特徴とする顕微ラマン分光装置
  3. 請求項2記載の顕微ラマン分光装置であって、該中央に穴をあけた全反射鏡とレーザー光線発生装置との間に焦点距離が100から200mmの凹レンズまたは凸レンズを挿入することを特徴とする顕微ラマン分光装置
  4. 請求項1または請求項2記載の顕微ラマン分光装置あるいは方法であって、レーザー光線を受けて熱変形、熱損傷、形態の変化、結晶構造の変化、化学組成の変化などを生じ易い微結晶,多結晶、非晶質薄膜または構造体、あるいは生体高分子や熱可塑性高分子、有機化合物や複合材料や、薬剤などの試料を対物レンズの焦点の内側に配置し、レーザー光線の照射径を拡大して測定することを特徴とする顕微ラマン分光分析方法および装置、
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