JP2008203155A - センサ回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】発熱を目的とした抵抗体や回路パターン等を特に設けることなくして、センサ出力の温度依存特性を改善し得るセンサ回路を提供する。
【解決手段】本実施形態に係るセンサ回路10によると、センサ21または信号処理回路23される半導体基板16に基づいて、当該センサ21または半導体基板16の温度がほぼ一定値を維持するように、信号処理回路23により一部が熱消費される消費電力を制御する。このため、当該センサ21または半導体基板16の温度をほぼ一定値に維持できるので、信号処理回路23によるセンサ出力の温度特性の補正を一定にすることができる。したがって、発熱を目的とした抵抗体や回路パターン等を特に設けることなくして、センサ出力の温度依存特性を改善することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、温度特性を有するセンサ素子を備えたセンサ回路に関するものである。
発熱体を備えたセンサ回路の一例として、下記特許文献1に開示される「湿度検知素子」がある。この種のセンサ回路では、湿度検知素子を形成する半導体基板の下面に発熱体として機能し得る抵抗パターンを形成することによって、当該湿度検知素子を60℃程度に加熱可能して、検知素子に吸着した水分の脱離可能にしている。また、検知素子自体やその周囲の温度を一定に維持してセンサ出力の温度依存特性を改善可能にもしている。
特開平2−140654号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示される「湿度検知素子」によると、このような発熱体を半導体基板に形成する必要がある。そのため、抵抗パターンやその他の発熱体を半導体基板等に形成する領域やエッチング工程等を設ける必要があり、センサ素子の大型化や製造コストの増大を招くという問題がある。
また、センサ出力の温度依存特性を改善する点においては、このような発熱体を設けることなく、センサ出力の温度によるシフト分(オフセット分のこと)を補正する方法(以下「オフセット温度特性の補正」という)がある。例えば、ある温度のときのセンサオフセット特性を予め測定しておき、その温度のときのオフセット分をゼロにする方法や、2点以上の温度とそれらの温度におけるオフセット量とを測定し、測定データのない他の温度のオフセット量については、補完的に補正量を推定して求めてオフセット分をゼロにする方法等がある。
ところが、このようなオフセット温度特性の補正によっても温度が多様に変化する場合に精度良く補正しようとすると、図4に示すように、なるべく多くの測定点を設ける必要があることから、このような測定処理や補正処理を行う信号処理回路の規模が大きくなるという問題がある。また、このような補正処理等をソフトウェア的に行う構成を採ったとしても、信号処理用のプロセッサに負担がかかったり、センサ出力の種類によっては補正処理が間に合わない場合もあり得るという新たな問題を招来する。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、発熱を目的とした抵抗体や回路パターン等を特に設けることなくして、センサ出力の温度依存特性を改善し得るセンサ回路を提供することにある。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1のセンサ回路では、センサ出力に温度特性を有するセンサ素子と、前記センサ素子と温度結合可能な半導体基板に形成され、前記センサ出力の温度特性を補正する信号処理回路と、前記センサ素子または前記半導体基板の温度情報を取得可能な温度情報取得手段と、前記温度情報取得手段による前記温度情報に基づいて前記センサ素子または前記半導体基板の温度がほぼ一定値を維持するように、前記信号処理回路により一部が熱消費される消費電力を制御する制御回路と、を備えることを技術的特徴とする。
特許請求の範囲に記載の請求項2のセンサ回路では、請求項1記載のセンサ回路において、前記信号処理回路による前記消費電力は、前記センサ出力を信号処理するアナログ回路のバイアス電流に依存するものであり、前記制御回路は、前記バイアス電流を増減させて前記消費電力を制御することを技術的特徴とする。
特許請求の範囲に記載の請求項3のセンサ回路では、請求項1記載のセンサ回路において、前記信号処理回路による前記消費電力は、前記センサ出力を信号処理するデジタル回路のクロック周波数に依存するものであり、前記制御回路は、前記クロック周波数を増減させて前記消費電力を制御することを技術的特徴とする。
特許請求の範囲に記載の請求項4のセンサ回路では、請求項1記載のセンサ回路において、前記信号処理回路による前記消費電力は、前記センサ出力を信号処理するアナログ回路のバイアス電圧に依存するものであり、前記制御回路は、前記バイアス電圧を増減させて前記消費電力を制御することを技術的特徴とする。
特許請求の範囲に記載の請求項5のセンサ回路では、請求項1記載のセンサ回路において、前記信号処理回路による前記消費電力は、前記センサ出力を信号処理するデジタル回路のバイアス電圧に依存するものであり、前記制御回路は、前記バイアス電圧を増減させて前記消費電力を制御することを技術的特徴とする。
特許請求の範囲に記載の請求項6のセンサ回路では、請求項1〜5のいずれか一項に記載のセンサ回路において、前記センサ素子と、前記信号処理回路が形成される半導体基板とは、積層構造をとることを技術的特徴とする。
請求項1の発明では、センサ素子または信号処理回路が形成される半導体基板の温度情報に基づいて、当該センサ素子または半導体基板の温度がほぼ一定値を維持するように、信号処理回路により一部が熱消費される消費電力を制御する。これにより、発熱を目的とした抵抗体や回路パターン等を特に設けなくても、当該センサ素子または半導体基板の温度をほぼ一定値に維持できるので、信号処理回路によるセンサ出力の温度特性の補正を一定にすることができる。したがって、発熱を目的とした抵抗体や回路パターン等を特に設けることなくして、センサ出力の温度依存特性を改善することができる。
請求項2の発明では、信号処理回路による消費電力は、センサ出力を信号処理するアナログ回路のバイアス電流に依存するものであり、制御回路は、バイアス電流を増減させて消費電力を制御する。これにより、バイアス電流を制御することによって、トランジスタ等のアナログ回路の発熱によるセンサ素子または半導体基板の温度をほぼ一定値に維持できるので、信号処理回路によるセンサ出力の温度特性の補正を一定にすることができる。したがって、発熱を目的とした抵抗体や回路パターン等を特に設けることなくして、センサ出力の温度依存特性を改善することができる。
請求項3の発明では、信号処理回路による消費電力は、センサ出力を信号処理するデジタル回路のクロック周波数に依存するものであり、制御回路は、クロック周波数を増減させて消費電力を制御する。これにより、クロック周波数を制御することによって、デジタル回路の発熱によるセンサ素子または半導体基板の温度をほぼ一定値に維持できるので、信号処理回路によるセンサ出力の温度特性の補正を一定にすることができる。したがって、発熱を目的とした抵抗体や回路パターン等を特に設けることなくして、センサ出力の温度依存特性を改善することができる。
請求項4の発明では、信号処理回路による消費電力は、センサ出力を信号処理するアナログ回路のバイアス電圧に依存するものであり、制御回路は、バイアス電圧を増減させて消費電力を制御する。これにより、バイアス電圧を制御することによって、トランジスタ等のアナログ回路の発熱によるセンサ素子または半導体基板の温度をほぼ一定値に維持できるので、信号処理回路によるセンサ出力の温度特性の補正を一定にすることができる。したがって、発熱を目的とした抵抗体や回路パターン等を特に設けることなくして、センサ出力の温度依存特性を改善することができる。
請求項5の発明では、信号処理回路による消費電力は、センサ出力を信号処理するデジタル回路のバイアス電圧に依存するものであり、制御回路は、バイアス電圧を増減させて消費電力を制御する。これにより、バイアス電圧を制御することによって、ロジックIC等のロジック回路の発熱によるセンサ素子または半導体基板の温度をほぼ一定値に維持できるので、信号処理回路によるセンサ出力の温度特性の補正を一定にすることができる。したがって、発熱を目的とした抵抗体や回路パターン等を特に設けることなくして、センサ出力の温度依存特性を改善することができる。
請求項6の発明では、センサ素子と、信号処理回路が形成される半導体基板とは、積層構造をとることから、コンパクトかつ熱伝導を良好に構成することができる。したがって、センサ出力の温度依存特性を効率良く改善することができる。
以下、本発明のセンサ回路の実施形態について図を参照して説明する。ここでは、加速度を検出可能なセンサ回路に本発明を適用した例を挙げて説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態に係るセンサ回路10、主に、センサ21、信号処理回路23、温度センサ25、制御回路27等により構成されており、信号処理回路23および制御回路27は半導体基板16に、またセンサ21はセンサ基板18に、それぞれ形成されている。
信号処理回路23および制御回路27が形成される半導体基板16の上には、センサ21が形成されるセンサ基板18がスタック構造で積層されており、両者間は熱伝導(熱伝達)を良好に構成されている。なお、これらの基板16,18は、セラミック等から構成される有底箱状のハウジング14内に収容されており、このハウジング14の開口部は上部カバー12により閉塞されている。
センサ21は、例えば、MEMS技術を用いて加工された角加速度センサで、角加速度に関する情報をセンサ出力として出力し得る機能を有するセンサ素子である。なお、このセンサ21は、その構成からセンサ出力に温度ドリフトがあるため、センサ出力に温度特性を有する。また、このセンサ21は、前述したようにセンサ基板18に形成されている。
信号処理回路23は、センサ21から出力されるセンサ出力に対して必要な周波数成分を残して不要なノイズ成分等を除去するフィルタリング処理やその他の所要の信号処理を施すほか、センサ出力に温度特性を是正するために予め決めておいた補正量でセンサ出力を補正する信号処理を行い得る機能を有するものである。例えば、図3に示すように、予め6点の温度に対するオフセット電圧(例えば図3に示す点線の電圧V0に対する電圧差)を測定しておき、そのうちから、後述する所定の設定温度付近における補正値を信号処理回路23に記憶している。
温度センサ25は、センサ21または半導体基板16の温度を測定し得る温度情報取得手段で、センサ基板18および半導体基板16に温度結合可能に設けられている。本実施形態では、この温度センサ25として、例えば温度検出回路を半導体基板16に制御回路を一緒に作り込む等を用いるが、センサ21または半導体基板16の温度情報を取得可能なものであれば、例えば、サーミスタ等別体の温度センサもしくは他のセンサやプロセッサ等からこれらの温度情報を取得しても良い。
制御回路27は、温度センサ25による温度情報に基づいてセンサ21または半導体基板16の温度が所定の設定温度(例えば、当該センサ回路10が置かれる周囲環境の最高温度以上で当該信号処理回路23が正常に動作し得る最高温度以下の範囲内の温度)付近でほぼ一定値を維持するように、信号処理回路23により一部が熱消費される消費電力を制御し得る機能を有するものである。
例えば、信号処理回路23がセンサ出力を信号処理するアナログ回路で構成されている場合には、当該アナログ回路を構成する図略のトランジスタのバイアス電流やバイアス電圧を増減させて信号処理回路23により一部が熱消費される消費電力を制御し得るように制御回路27を構成する。
また、信号処理回路23がセンサ出力を信号処理するデジタル回路で構成されている場合には、当該デジタル回路を構成するロジックICを制御する基準クロックの周波数を増減させて信号処理回路23により一部が熱消費される消費電力を制御し得るように制御回路27を構成する。また、当該デジタル回路を構成する図略のロジックICの信号レベルを設定するバイアス電圧を増減させて信号処理回路23により一部が熱消費される消費電力を制御し得るように構成してもよい。
これにより、当該センサ21または半導体基板16の温度を所定の設定温度付近でほぼ一定値に維持できるので、信号処理回路23によるセンサ出力の温度特性の補正を一定にすることができる。
例えば、前述した従来のオフセット温度特性の補正では、図4に示すように、測定データのない他の温度のオフセット量については、補完的に補正量を推定して求めてオフセット分をゼロにする信号処理が行うものの、誤差をほぼゼロにすることは難しい(図4に示す一点鎖線楕円内)。
これに対し、上述した本実施形態に係るセンサ回路10によると、センサ21または信号処理回路23される半導体基板16に基づいて、当該センサ21または半導体基板16の温度がほぼ一定値を維持するように、信号処理回路23により一部が熱消費される消費電力を制御する。このため、図3に示すように、当該センサ21または半導体基板16の温度をほぼ一定値に維持できるので、信号処理回路23によるセンサ出力の温度特性の補正を一定にすることができる。したがって、発熱を目的とした抵抗体や回路パターン等を特に設けることなくして、センサ出力の温度依存特性を改善することができる。
また、上述した本実施形態に係るセンサ回路10によると、センサ21が形成されるセンサ基板18と、信号処理回路23が形成される半導体基板16とは、スタック構造(積層構造)をとることから、コンパクトかつ熱伝導を良好に構成することができる。したがって、センサ出力の温度依存特性を効率良く改善することができる。
なお、以上説明した実施形態では、センサ回路10により検出される検出対象として、角加速度を例示して説明したが、本発明に係るセンサ回路の検出対象はこれに限られることはなく、センサ出力に温度特性を有するものであれば、例えば、電流、電圧、光、温度、圧力等でも良く、これらの場合においても上述と同様の作用・効果を得ることができる。
本発明の一実施形態に係るセンサ回路の構成例を示すブロック図である。 本実施形態に係るセンサ回路のスタック構造例を示す説明図である。 本実施形態に係るセンサ回路により補正されるセンサ出力の例を示す説明図である。 オフセット温度特性の補正方法の一例を示す説明図である。
符号の説明
10…センサ回路
12…上部カバー
14…ハウジング
16…半導体基板
18…センサ基板
21…センサ(センサ素子)
23…信号処理回路
25…温度センサ(温度情報取得手段)
27…制御回路

Claims (6)

  1. センサ出力に温度特性を有するセンサ素子と、
    前記センサ素子と温度結合可能な半導体基板に形成され、前記センサ出力の温度特性を補正する信号処理回路と、
    前記センサ素子または前記半導体基板の温度情報を取得可能な温度情報取得手段と、
    前記温度情報取得手段による前記温度情報に基づいて前記センサ素子または前記半導体基板の温度がほぼ一定値を維持するように、前記信号処理回路により一部が熱消費される消費電力を制御する制御回路と、
    を備えることを特徴とするセンサ回路。
  2. 前記信号処理回路による前記消費電力は、前記センサ出力を信号処理するアナログ回路のバイアス電流に依存するものであり、
    前記制御回路は、前記バイアス電流を増減させて前記消費電力を制御することを特徴とする請求項1記載のセンサ回路。
  3. 前記信号処理回路による前記消費電力は、前記センサ出力を信号処理するデジタル回路のクロック周波数に依存するものであり、
    前記制御回路は、前記クロック周波数を増減させて前記消費電力を制御することを特徴とする請求項1記載のセンサ回路。
  4. 前記信号処理回路による前記消費電力は、前記センサ出力を信号処理するアナログ回路のバイアス電圧に依存するものであり、
    前記制御回路は、前記バイアス電圧を増減させて前記消費電力を制御することを特徴とする請求項1記載のセンサ回路。
  5. 前記信号処理回路による前記消費電力は、前記センサ出力を信号処理するデジタル回路のバイアス電圧に依存するものであり、
    前記制御回路は、前記バイアス電圧を増減させて前記消費電力を制御することを特徴とする請求項1記載のセンサ回路。
  6. 前記センサ素子と、前記信号処理回路が形成される半導体基板とは、積層構造をとることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のセンサ回路。
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