JP2008203133A - センシング方法及びセンシング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バイオセンシング等の分野において利用可能であり、高感度かつ高性能に標的物質の濃度を検出できる手法を提供する。
【解決手段】局在プラズモン共鳴(LSPR)を誘起し得る導電性微細構造体の近傍に標的物質が存在する場合の光学スペクトル信号(光学スペクトル204)と、導電性微細構造体の近傍に標的物質が存在しない場合の光学スペクトル信号(光学スペクトル204)との減算信号を取得し、減算信号である差分スペクトル106における最大値207と最小値208の差から標的物質の濃度を検知する。
【選択図】図2

Description

本発明は、標的物質の濃度をセンシングする方法及び装置に関し、特に、生体分子の濃度の検出に適したセンシング方法及びセンシング装置に関する。
微小な導電性構造体には局在プラズモン共鳴(Localized Surface Plasmon Resonance:以下、LSPRと呼ぶ)が誘起されることが知られている。LSPRの共鳴条件は、微小な導電性構造体の周囲の誘電率により決定する。したがって、その導電性構造体の周囲の誘電率変化をLSPRにおける共鳴条件の変化として検出することができる。そして、LSPRによる共鳴が発生すると、その導電性構造体を透過する光のスペクトルが変化するから、LSPRでの共鳴条件の変化は、導電性構造体に光を照射、透過させ、その光学スペクトルの変化を測定することで検出できる。
LSPRは、導電性構造体の周囲の誘電率変化に敏感であり、この現象をバイオセンサなどに応用することで高感度なセンシングが可能となり、医療分野や食品、環境等の分野への幅広い応用が期待されている。例えば、導電性構造体の周囲で抗原抗体反応を起こさせれば、LSPRの共鳴条件の変化から、それらの抗原抗体反応を検知することができる。例として、Richard P. Van Duyneらが、NANO LETTERS、2004年、Vol. 4, No. 6, pp. 1029-1034で報告したものである。この論文において、Duyneらは、導電性薄膜構造体として、平滑な基板上に形成された微小な銀(Ag)薄膜微粒子構造を用いている。そして彼らは、この構造の周囲に抗体が付着している場合と、この抗体にさらに抗原が結合している状態との光学スペクトルの変化から、抗原濃度を測定している。またこの他にも酵素と基質の複合体や、DNAのハイブリダイゼーションによる相補的な塩基対形成やなども同様に検知できる。
Richard P. Van Duyne et al., NANO LETTERS, Vol. 4, No. 6, 1029-1034 (2004)
ところで、上述のようにLSPRを用いた光学スペクトルの変化によって、金属構造体周囲の誘電率変化を検出する場合、従来は、光学スペクトルの変化をLSPRの吸収ピーク波長の変化として検知していた。この場合、例えばスペクトルの変化が波長方向及び透過率の両方に対して生じる場合、従来技術では波長方向の変化しか捕らえていないため、外乱に対して検出感度向上が困難であるという課題があった。さらに言えば、LSPRにスペクトル変化が透過率変化にのみ生じる場合には、従来の検出方法では、信号値を取り出すことができなかった。
上記の事情により、LSPRを用いた高感度なセンシングのための新たな光学スペクトル評価法が望まれていた。
そこで本発明の目的は、LSPRを用いた高感度なセンシングのための新たなセンシング方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、LSPRを用いた高感度なセンシングのためのセンシング装置を提供することにある。
本発明のセンシング方法は、標的物質を検知するセンシング方法であって、局在プラズモンを誘起し得る導電性微細構造体の近傍に前記標的物質が存在する場合の光学スペクトル信号と、前記導電性微細構造体の近傍に前記標的物質が存在しない場合の光学スペクトル信号との減算信号を取得し、該減算信号における最大値と最小値の差から前記標的物質の濃度を検知することを特徴とする。
本発明のセンシング方法では、導電性微細構造体の近傍に標的物質が存在する場合の測定対象の全波長域の光学スペクトル信号を一括して取得し、かつ導電性微細構造体の近傍に標的物質が存在しない場合の測定対象の全波長域の光学スペクトル信号を一括して取得してもよい。あるいは本発明のセンシング方法では、導電性微細構造体の近傍に標的物質が存在する場合の光学スペクトル信号及び導電性微細構造体の近傍に標的物質が存在しない場合の光学スペクトル信号を、各々の光学スペクトル信号の同じ測定波長に対して同時に得るようにしてもよい。あるいは本発明のセンシング方法では、導電性微細構造体の近傍に標的物質が存在する場合の全測定波長域にわたる光学スペクトル信号及び導電性微細構造体の近傍に標的物質が存在しない場合の全測定波長域にわたる光学スペクトル信号を同時に得るようにしてもよい。
このような本発明のセンシング方法では、導電性微細構造体の近傍に標的物質が存在する場合の光学スペクトル信号及び導電性微細構造体の近傍に標的物質が存在しない場合の光学スペクトル信号を、同一の導電性微細構造体を用いて測定するようにしてもよい。導電性微細構造体の近傍に標的物質が存在する場合の光学スペクトル及び導電性微細構造体の近傍に標的物質が存在しない場合の光学スペクトルの差信号を、それぞれ電圧信号に変換する工程、電圧信号の値の差分を演算する工程、及び差分の最大値と最小値を検出する工程とを設けるようにしてもよい。
さらに本発明のセンシング方法では、減算信号の時間変化を取得するようにしてもよい。
本発明のセンシング装置は、標的物質の濃度を検知するセンシング装置において、局在プラズモンを誘起し得る導電性微細構造体と、前記導電性微細構造体に光を照射する光源と、前記導電性微細構造体からの光を検出する光検出器と、前記導電性微細構造体からの光の光学スペクトルを求める分光測定装置と、前記光学スペクトルに対して減算処理を行う減算処理装置と、を有することを特徴とする。
本発明のセンシング方法により、標的物質の濃度を高感度かつ高精度に検出できるようになる。
本発明のセンシング装置は、本発明のセンシング方法を用いることで、標的物質の濃度を高感度かつ高精度に検出できるようになる。
本発明では、局在プラズモン共鳴(LSPR)を誘起し得る導電性微細構造体の光学スペクトルの変化によって、標的物質の存在を評価する際に、変化後の光学スペクトルと変化前の光学スペクトルとを減算処理して信号を取得する。そして、その最大値と最小値の差をもって標的物質の濃度を求める。以下に例を用いて本発明の実施の形態を説明するが、これらの説明は、本発明を何ら限定するものではない。
例として抗原抗体反応を考える。この場合、標的物質を抗原とする。標的物質を導電性微細構造体の近傍に配置し、抗原抗体反応による誘電率変化を生じさせ、LSPRの共鳴条件の変化として濃度検知する。ここでいう導電性微細構造体の近傍とは、導電性微細構造体で発生するLSPRの共鳴条件に対して変化を及ぼすことができる領域のことを指している。また導電性微細構造体としては金(Au)からなるものを使用し、この構造体が石英基板上に支持されているものとする。
図1に例示するように、LSPR光学スペクトル(反応前)101は、抗原抗体反応後に、LSPR光学スペクトル(反応後)102に変化する。この変化から標的物質の濃度を検知するのが本発明の技術である。
まず、図2(a)に示すような、抗体201で修飾済みでありかつ抗原抗体反応前の状態の測定チップ202を用意する。この測定チップ202では、石英基板上に、ドットアレイ構造のものとして、Auからなる導電性微細構造体が支持されている。そして測定チップ202に光を照射し、測定チップ202の透過スペクトル(光学スペクトル(a)204)を取得する。次に、図2(b)に示すように、測定チップ202上において抗原203と抗体201との間で抗原抗体反応を生じさせ、抗原濃度に依存した抗原抗体間の結合を生じさせる。図2(c)に示すように、この状態でもう一度、測定チップ202の透過スペクトル(光学スペクトル(b)205)を測定する。以上の工程で測定した光学スペクトル(b)205から光学スペクトル(a)204を差し引いて、差分グラフ206を得る。そしてこの差分グラフ206の最大値207と最小値208の差を以って抗原濃度を求める。その場合、あらかじめ既知の濃度の試料を用いてその濃度と差分グラフでの最大値と最小値の差の値との関係を図14に示すような検量線として求めておく必要がある。そしてこの検量線1401に対して、未知の濃度の試料における差分グラフの最大値と最小値の差の値Δから濃度d0を決定する。
本発明の測定法では、最終的に得られる信号には、波長方向のスペクトル変化の成分と透過率方向のスペクトル変化の両方の成分を含んでいる。したがってこの方法では、従来の測定法のように波長方向のスペクトル変化のみを検知する方法と比較して、スペクトル変化を鋭敏に検知可能となっている。
また、例えば図3(a)に示すようにスペクトル変化301が透過率変化にだけ生じる場合を考える。この場合、従来技術の方法によりLSPR吸収ピーク波長位置の変化として標的物質の濃度を捕らえていた場合には、信号値が検出されないのに対し、本発明の測定法によれば、図3(b)に示すように。信号値を検出できる。
また本発明の測定法では、毎回の透過率スペクトル測定の際に、波長に依存しないノイズが乗ってくる場合(図3(c))、そのノイズ成分がバイアス成分302として現れるので、このノイズ成分を信号と区別、除去することも容易である(図3(d))。
上述の例では、LSPRを誘起しうる導電性微細構造体は、Auからなるものとしたたが、本発明において導電性微細構造体に使用できる材料は、これに限られない。例えば、Ag、Pt、Al、Cuなどの金属が好適であるが、この他の金属を用いてもよく、また、半導体を用いてもよい、また導電性微細構造体は石英基板上に支持されているとしたが、このような構造に限られるものではない。導電性微細構造体の構造は、ドットアレイであるとしたが、これに限られるものではなく、ホールアレイやその他の微細構造であってもよい。支持基板は、上述のような透過測定系である場合には、測定波長に対して透明な誘電体であれば、任意のものを使用することができる。
さらに、上述の例では。バイオ反応(抗原抗体反応)前のスペクトルと反応後のスペクトルを同測定一チップで測定したが、これに限るものではない。同じ構造の複数のチップを用いて、それぞれを反応前、反応後の状態にしておき。これらを同時測定する方法でもよい。
以下では実施例をもって本発明を説明するが、これらは本発明の範囲を何ら限定するものではない。
図4は、本発明に基づくセンシング方法の第1の例を説明するものである。ここでは、最も基本的な測定法として、1サンプルずつ分光器でスキャンすることにより、同一サンプルについての反応前と反応後の光学スペクトルを取得する場合を説明する。
まず、図4(a)に示すように、導電性微細構造体を支持するための誘電体基板401として、厚さ約0.5mmの石英基板を使用し、この誘電体基板401上に、厚さ約20nmのAu薄膜を導電性微細構造体402として設ける。ただし、導電性微細構造体402の厚さはこれに限るものではなく、導電性微細構造体402を構成する材料もAuに限られるものではない。Auの代わりに使用できる材料としては、Ag、Cu、Alなどの誘電損失が小さい金属が好ましい。また半導体などその他の導電性物質でも良い。また、誘電体基板401も石英に限るものではない。本実施例で以下に述べるように、基板は、透過スペクトルを測定する手法を用いる場合は、使用波長に対して透過率が高い物質であることが好ましい。このような導電性微細構造体402を、図4(b)に示すように、誘電体基板401上で一辺約200nmの正方形に形成し、隙間を70nm空けて正方格子状に配置したものをあらかじめ用意しておく。
次に、導電性微細構造体402の表面を抗体で修飾する。
例えば抗体として、抗AFP(α−フェトプロテイン(α-fetoprotein))抗体を使用して、この抗体を導電性微細構造体402のAu表面に固定化するものとする。この場合、チオール基を有する11−メルカプトウンデカン酸(11-Mercaptoundecanoic acid)のエタノール溶液をスポッタ等で滴下することにより、構造体表面にカルボキシル基が露出される。ここに、N−ヒドロキシスルホサクシニミド(N-Hydroxysulfosuccinimide)水溶液及び塩酸1−エチル−3−[3−ジメチルアミノ]プロピルカルボジイミド(1-Ethyl-3-[3-dimethylamino]propyl carbodiimide hydrochloride)水溶液を同様にスポッタ等で反応領域に滴下することで、構造体表面にスクシンイミド基が露出される。ここに、ストレプトアビジンを反応させ、構造体表面をストレプトアビジンで修飾する。そしてこの構造体に、ビオチン化した抗AFP抗体を固定させる。その結果、導電性微細構造体は、図4(c)に示すように、抗体403で修飾された状態になる。
抗原抗体反応及び光学スペクトル測定は、概略、図5に示すような構成で行なう。
まず、図5(a)に示されるように、反応ウェル503内に配置されるように、基板507上に本発明の導電性微細構造体505を作製する。そして、この導電性微細構造体505に対し、AFPを含んだ検体を注入口502より注入し、AFPを導電性微細構造体505に捕捉させる。その後、検体を排出口504より排出し、リン酸緩衝液を注入口502より注入し、反応ウェル503の内部を洗浄する。最後に、リン酸緩衝液を反応ウェル503内に充填して、この状態で、導電性微細構造体505の光学スペクトルを、光源501からの光を照射し、透過光を分光器506にて分光し、分光器からの各波長ごとの光を光検出器509で検出、測定する。光源501としては、例えばタングステンランプが用いられるが、光源の種類はこれに限られるものではない。
反応開始前の光学スペクトル1 508と反応後の光学スペクトル2 509とを取得し、両者のスペクトル間で減算処理を行うと、図5(b)及び図5(c)に示すように、差分スペクトル510を得ることができる。差分スペクトル510のグラフからその最大値511と最小値512の差を読み取り、それを信号値513とする。このとき、予め濃度が既知のAFP溶液を用いて信号値と濃度との関係を求めておくことで、すなわち検量線を求めておくことで、被測定検体の濃度を求めることが出来る。
このように、反応前後での光学スペクトルを減算処理し信号を抽出することで、高感度な標的物質検出が可能となる。
なお、本実施例では、分光器の測定波長をスキャンしていき、波長ごとの信号を逐次取り込んでいるが、これに限るものではなく、センサアレイ等を用い全測定波長域の信号を同時に取得する手法を用いてもよい。その場合には、測定された個々の光学スペクトルの測定データから、光源などに起因する光量やノイズの時間的な変化の成分を除去できる。
また本実施例では導電性微細構造体の構造は正方形の薄膜であるとしたが、これに限るものではない。LSPRを起こす構造であれば、任意の形状の導電性微細構造体を用いることができる。また本実施例では、光源501においてその偏光を特には制御していないが、例えば導電性微細構造体においてLSPRを誘起する効率に偏光依存性がある場合などには、偏光を制御しておくことが好ましい。光源501として、定電流制御されたLED(発光ダイオード)などの出力が安定した光源を用いる場合には、光源波長が本実施例での吸収ピーク付近にありかつ吸収ピークの幅程度以上の波長帯域があるものを用いることが好ましい。その他、本実施例で用いている素子の共鳴スペクトルのピーク波長近傍を含む発光波長帯域を有する光源を用いてもよい。
また、本実施例では、導電性微細構造体の光学スペクトルを透過測定したが、光学スペクトルの測定方法はこれに限るものではなく、反射スペクトルなどを測定してよい。なお、反射測定を行う場合には、基板の反射率は、測定波長において高い方が好ましい。
図6は、本発明に基づくセンシング方法の第2の例を説明するものである。この例は、反応前の光学スペクトル取得の対象となるサンプルと反応後の光学スペクトル取得の対象となるサンプルとが異なる場合のものである。
まず、図6(a)に示すように、導電性微細構造体を支持するための誘電体基板601として、厚さ約0.5mmの石英基板を使用し、この誘電体基板601上に、厚さ約20nmのAu薄膜を導電性微細構造体602として設ける。ただし、導電性微細構造体602の厚さはこれに限るものではなく、導電性微細構造体602を構成する材料もAuに限られるものではない。Auの代わりに使用できる材料としては、Ag、Cu、Alなどの誘電損失が小さい金属が好ましい。また半導体などその他の導電性物質でも良い。また、誘電体基板601も石英に限るものではない。本実施例で以下に述べるように、基板は、透過スペクトルを測定する手法を用いる場合は、使用波長に対して透過率が高い物質であることが好ましい。このような導電性微細構造体602を、図6(b)に示すように、誘電体基板601上で一辺約200nmの正方形に形成し、隙間を70nm空けて正方格子状に配置したものをあらかじめ用意しておく。
次に、導電性微細構造体602の表面を抗体で修飾する。
例えば抗体として、抗AFP(α-fetoprotein)抗体を使用して、この抗体を導電性微細構造体602のAu表面に固定化するものとする。この場合、チオール基を有する11−メルカプトウンデカン酸のエタノール溶液をスポッタ等で滴下することにより、構造体表面にカルボキシル基が露出される。ここに、N−ヒドロキシスルホサクシニミド水溶液及び塩酸1−エチル−3−[3−ジメチルアミノ]プロピルカルボジイミド水溶液を同様にスポッタ等で反応領域に滴下することで、構造体表面にスクシンイミド基が露出される。ここに、ストレプトアビジンを反応させ、構造体表面をストレプトアビジンで修飾する。そしてこの構造体に、ビオチン化した抗AFP抗体を固定させる。その結果、導電性微細構造体は、図6(c)に示すように、抗体603で修飾された状態になる。
抗原抗体反応及び光学スペクトル測定は、概略、図7に示すような構成で行なう。
まず、図7(a)に示されるように、本実施例の導電性微細構造体A 701及び導電性微細構造体B 702を用意しておき、両構造体701,702を組み込んだ基板703を作製する。ここで導電性微細構造体A 701は、反応ウェルA 705内に配置されるようにする。その後、導電性微細構造体A 701に対し、AFP(α−フェトプロテイン)を含んだ検体を注入口A 704より注入し、AFPを導電性微細構造体A 701に捕捉させる。その後、検体を排出口A 717より排出し、リン酸緩衝液を注入口A 704より注入し、反応ウェルA 705の内部を洗浄する。最後にリン酸緩衝液を反応ウェルA 705内に充填する。
次に、光源706からの光を両方の導電性微細構造体701,702に照射し、構造体701,702からの透過光をそれぞれ分光器A 707及び分光器B 708にて分光する。そして、両分光器707,708からの各波長ごとの光を光検出器A 709及び光検出器B 710でそれぞれ検出、測定する。光検出器A 709で得られる光学スペクトルA 711は抗原抗体反応後のスペクトルであり、光検出器B 710で得られる光学スペクトルB 712は反応前のスペクトルである。光源706としては例えばタングステンランプが用いられるが、これに限定されるものではない。
光検出器A 709で測定した光学スペクトルA 711と光検出器B 710で測定した光学スペクトルB 712との間で減算処理を行うと、図7(b)及び図7(c)に示すように、差分スペクトル713を得ることができる。差分スペクトル713のグラフから最大値714と最小値715との差を読み取ることで、信号値716とする。このとき、予め濃度が既知のAFP溶液を用いて信号値と濃度との関係を求めておくことで、被測定検体の濃度を求めることができる。
このように、本実施例においても、反応前後での光学スペクトルを減算処理し信号を抽出することで、高感度な標的物質検出が可能となる。
光源501として、定電流制御されたLED(発光ダイオード)などの出力が安定した光源を用いる場合には、光源波長が本実施例での吸収ピーク付近にありかつ吸収ピークの幅程度以上の波長帯域があるものを用いることが好ましい。その他、本実施例で用いている素子の共鳴スペクトルのピーク波長近傍を含む発光波長帯域を有する光源を用いてもよい。
本実施例のように、反応後と反応前にそれぞれ対応する2つの構造体A,Bについて、同一波長域を略同一のタイミングでそれらの光学スペクトルを測定することにより、両者の光学スペクトルの同一波長域の測定データ間での測定装置系のノイズ等を除去できる。
なお、本実施例では、分光器の測定波長をスキャンしていき、波長ごとの信号を逐次取り込んでいるが、これに限るものではなく、センサアレイ等を用い全測定波長域の信号を同時に取得する手法を用いてもよい。その場合には、測定された個々の光学スペクトルの測定データから、光源などに起因する光量やノイズの時間的な変化の成分を除去できる。また、上述のような二つのサンプルの全波長域のスペクトルを同時に得るのが困難な場合には、それぞれのサンプルに対する全波長域のスペクトルの一括取得を各々のサンプルに対して順次行う方法でもよい。
また本実施例では導電性微細構造体の構造は正方形の薄膜であるとしたが、これに限るものではない。LSPRを起こす構造であれば、任意の形状の導電性微細構造体を用いることができる。また本実施例では、光源501においてその偏光を特には制御していないが、例えば導電性微細構造体においてLSPRを誘起する効率に偏光依存性がある場合などには、偏光を制御しておくことが好ましい。偏光制御を行う場合には、当然のことであるが、LSPRが効率よく生じるような向きの偏光にしておくことで、より高感度な測定が可能となる。
また、本実施例では、導電性微細構造体の光学スペクトルを透過測定したが、光学スペクトルの測定方法はこれに限るものではなく、反射スペクトルなどを測定してよい。なお、反射測定を行う場合には、基板の反射率は、測定波長において高い方が好ましい。
図8は、実施例3におけるセンシング装置の構成を示している。
基板803上に、流路A 819と流路B 802が形成されている。流路A 819の一端に送液ポンプA 815が配置し、他端に廃液リザーバA 816が配置されている。流路A 819では、送液ポンプA 815と廃液リザーバA 816との間に、注入口A 804、反応ウェルA 805、排出口A 806がこの順で配置し、導電性微細構造体A 801が反応ウェルA 805内に配置されている。流路B 802の一端に送液ポンプB 817が配置し、他端に廃液リザーバB 818が配置している。流路B 802では、送液ポンプB 817と廃液リザーバB 818との間に、注入口B 807、反応ウェルB 809、排出口B 810がこの順で配置し、導電性微細構造体B 808が反応ウェルB 809内に配置されている。このような流路819,802に対し、参照液(リファレンス液)及び検体液をそれぞれ流すものとする。
導電性微細構造体A 801及び導電性微細構造体B 808の光学スペクトルを測定するために、光源ユニット814が設けられている。光源ユニット814からの光は、導電性微細構造体A 801及び導電性微細構造体B 808に照射され、それらの透過光がスペクトルアナライザ811に導かれるようになっている。スペクトルアナライザ811は、両方の透過光の分光測定を実行するものである。スペクトルアナライザ811では、測定対象とする波長領域の全体にわたるスペクトルを一括してすなわち一時に取得することができる。スペクトルアナライザ811からのデータが供給される中央演算装置812が設けられている。中央演算装置812は、導電性微細構造体A 801及び導電性微細構造体B 808の光学スペクトル信号の減算信号を取得し、減算信号における最大値と最小値との差の値を評価するためのものである。中央演算装置812は、計測結果を表示ユニット813に表示させると同時に、光源ユニット814への制御信号を発生する。光源ユニット814は例えばLEDによって構成されるが、LED以外のものを用いてもよい。光源ユニット814としては、測定波長域に発光波長がある光源であればどのようなものも使用でき、例えばハロゲンランプなどを用いてもよい。また基板803は、例えば石英から構成されるが、これに限られない。基板803は、測定波長に対して透過率が高い材質であることが好ましい。
本実施例のセンシング装置は、導電性微細構造体の光学スペクトルを透過測定する構成のものであるが、本発明のセンシング装置はこれに限られるものではなく、例えば、反射スペクトル等を測定するものであってもよい。
また本実施例では、光源ユニット814において特にその偏光を制御していないが、例えば導電性微細構造体においてLSPRを誘起する効率に偏光依存性がある場合などには、偏光を制御しておくことが好ましい。
本発明のセンシング方法を用いたセンシング装置をこのように構成することにより、高感度なセンシング、例えば屈折率センシングやバイオセンシングを行なうことができる。
図9は、実施例4におけるセンシング装置の構成を示している。このセンシング装置は、導電性微細構造体からの透過光における波長ごとの強度を得るために、バンドパスフィルタ(BPF)を用いたものである。以下の説明において使用されるバンドパスフィルタとしては、干渉フィルタが好ましく使用される。
図8に示したものと同様に、基板903上に、流路A 919と流路B 903が形成されている。流路A 919は、送液ポンプA 915、注入口A 904、導電性微細構造体A 901、反応ウェルA 905、排出口A 906、廃液リザーバA 916からなる。流路B 920は、送液ポンプB 917、注入口B 907、導電性微細構造体B 908、反応ウェルB 909、排出口B 910、廃液リザーバB 918からなる。このような流路A919及び流路B 920に対し、参照液及び検体液をそれぞれ流すものとする。
導電性微細構造体A 901及び導電性微細構造体B 908に対する測定を行うために、光源ユニット914が設けられている。光源ユニット914からの光は、導電性微細構造体A 901及び導電性微細構造体B 908に照射され、それらの透過光がそれぞれビームスプリッタA 911及びビームスプリッタB 923に導かれるようになっている。ビームスプリッタA 911は、導電性微細構造体A 901を透過した光を2つに分割し、一方をバンドパスフィルタA1 912を通してフォトディテクタA1 913に入射させ、フォトディテクタA1 913において電流信号に変換させる。またビームスプリッタA 911は、分割した他方の光をバンドパスフィルタA2 921を通してフォトディテクタA2 922に入射させ、フォトディテクタA2 922において同様に電流信号に変換させる。フォトディテクタ913,922の出力にはそれぞれ負荷抵抗A1 929及び負荷抵抗A2 928が設けられており、フォトディテクタ913,922の出力電流は電圧信号に変換される。そして、両方の電圧信号の間の減算信号を生成する減算器1 930が設けられている。
ここでバンドパスフィルタA1 912及びバンドパスフィルタA2 921の透過波長領域をそれぞれ透過帯域A1 1002、透過帯域A2 1003とする。このとき、図10に示すように、導電性微細構造体A 901が示す光学スペクトル1001の微分が最小になる波長である微分最小波長1004を含むように、透過帯域A1 1002を設定する。同様に、微分が最大になる波長である微分最大波長1005を含むように、透過帯域A2 1003を設定しておく。
一方、ビームスプリッタB 923は、導電性微細構造体B 908を透過した光を2つに分割し、一方をバンドパスフィルタB1 924を通してフォトディテクタB1 925に入射させ、このフォトディテクタB1 925において電流信号に変換させる。またビームスプリッタB 203は、分割した他方の光をバンドパスフィルタB2 926を通してフォトディテクタB2 927に入射させ、フォトディテクタB2 927において同様に電流信号に変換させる。フォトディテクタ925,927の出力にはそれぞれ負荷抵抗B1 902及び負荷抵抗B2 933が設けられており、フォトディテクタ925,927の出力電流は電圧信号に変換される。そして、両方の電圧信号の間の減算信号を生成する減算器2 931が設けられている。ここでバンドパスフィルタB1 924及びバンドパスフィルタB2 926の透過波長領域は、それぞれ、上述の透過帯域A1 1002及び透過帯域A2 1003と同じ波長帯域に設定しておく。
減算器1 930の出力及び減算器2 931の出力が入力する減算器3 932が設けられている。減算器3 932は、減算器1 930からの電圧信号を減算器2 931からの電圧信号から減算することによって、両方の電圧信号の間の減算信号を生成する。ここで各バンドパスフィルタの帯域を十分狭くしておくことで、導電性微細構造体A 901の光学スペクトルと導電性微細構造体B 908の光学スペクトルの差信号における最大値と最小値の差を精度良く評価可能することが可能になる。
光源ユニット914は、例えばタングステンランプによって構成されるが、タングステンランプ以外のものを用いてもよい。光源ユニット914としては、測定波長域に発光波長がある光源であればどのようなものも使用でき、例えばLEDなどを用いてもよい。また基板903は、例えば石英から構成されるが、これに限られない。基板903は、測定波長に対して透過率が高い材質であることが好ましい。
また本実施例では、光源ユニット914において特にその偏光を制御していないが、例えば導電性微細構造体においてLSPRを誘起する効率に偏光依存性がある場合などには、偏光を制御しておくことが好ましい。
本実施例のセンシング装置は、導電性微細構造体に対して透過測定を行う構成のものであるが、本発明のセンシング装置はこれに限られるものではなく、例えば、反射測定を行うものであってもよい。
本発明のセンシング方法を用いたセンシング装置をこのように構成することにより、高感度なセンシング、例えば屈折率センシングやバイオセンシングを行なうことができる。
図11は、実施例5におけるセンシング装置の構成を示している。このセンシング装置は、導電性微細構造体からの透過光における波長ごとの強度を得るために、2色光源、すなわち2つの波長の光を同時に発生する光源を用いたものである。
図8に示したものと同様に、基板1119上に、流路A 1110と流路B 1116が形成されている。流路A 1110は、送液ポンプA 1105、注入口A 1106、導電性微細構造体A 1107、反応ウェルA 1108、排出口A 1109、廃液リザーバA 1111からなる。流路B 1116は、送液ポンプB 1112、注入口B 1113、導電性微細構造体B 1115、反応ウェルB 1114、排出口B 1117、廃液リザーバB 1118からなる。このような流路A 1110及び流路B 1116に対し、参照液及び検体液をそれぞれ流すものとする。
導電性微細構造体A 1107及び導電性微細構造体B 1115に対する測定を行うために、二色光源である光源ユニット1101が設けられている。光源ユニット1101は、導電性微細構造体A 1107及び導電性微細構造体B 1115に対し、波長が異なる2種類の光を照射する。これらの2種類の光の波長をそれぞれ波長A 1103、波長B 1104とする。導電性微細構造体A 1107及び導電性微細構造体B 1115を透過した光は、それぞれ、ビームスプリッタA 1120及びビームスプリッタB 1128に導かれるようになっている。ビームスプリッタA 1120は、導電性微細構造体A 1107の透過光を2つに分割し、一方をバンドパスフィルタA1 1121を通して一方の波長のみにした後、フォトディテクタA1 1122で電流信号に変換させる。ビームスプリッタA 1120で分割された他方の光は、バンドパスフィルタA2 1123を通して他方の波長のみとされた後、フォトディテクタA2 1124により電流信号に変換される。
同様に、ビームスプリッタB 1128は、導電性微細構造体B 1115を透過した光を2つに分割し、一方をバンドパスフィルタB1 1129を通して一方の波長のみにした後、フォトディテクタB1 1130で電流信号に変換させる。ビームスプリッタB 1128で分割された他方の光は、バンドパスフィルタB2 1131を通して他方の波長のみとされた後、フォトディテクタB2 1132により電流信号に変換される。
フォトディテクタA1 1122からの信号及びフォトディテクタA2 1124からの信号は、実施例4の場合と同様に、それぞれ、負荷抵抗A1 1126、負荷抵抗A2 1125により電圧信号に変換され、減算器1 1127にて減算処理される。またフォトディテクタB1 1130からの信号及びフォトディテクタB2 1132からの信号も、それぞれ、負荷抵抗B1 1134、負荷抵抗B2 1133により電圧信号に変換され、減算器2 1135にて減算処理される。
減算器1 1127及び減算器2 1135からの信号を減算器3 1102にて減算処理することで、導電性微細構造体A 1107及び導電性微細構造体B 1115の光学スペクトルの差信号における最大値と最小値の差を精度良く評価できる。
ここで波長A 1103の波長は、図12に示すように、導電性微細構造体A 1107または導電性微細構造体B 1115が示す光学スペクトル1201の微分が最小になる波長である微分最小波長1204の近傍に設定しておく。同様に、波長B 1104の波長は、導電性微細構造体A 1107または導電性微細構造体B 1115が示す光学スペクトル1201の微分が最大になる波長である微分最大波長1205の近傍に設定しておく。
二色光源である光源ユニット1101は、例えば半導体レーザーによって構成されるが、半導体レーザー以外のものを用いてもよい。光源ユニット1101としては、測定波長域に発光波長がある光源であれば使用することができ、例えばLEDなどを用いてもよい。また基板1119は、例えば石英から構成されるが、これに限られない。基板1109は、測定波長に対して透過率が高い材質であることが好ましい。
また本実施例では、光源ユニット1101において特にその偏光を制御していないが、例えば導電性微細構造体においてLSPRを誘起する効率に偏光依存性がある場合などには、偏光を制御しておくことが好ましい。
本実施例のセンシング装置は、導電性微細構造体に対して透過測定を行う構成のものであるが、本発明のセンシング装置はこれに限られるものではなく、例えば、反射測定を行うものであってもよい。
本発明のセンシング方法を用いたセンシング装置をこのように構成することにより、高感度なセンシングを行なうことができる。
図13は、実施例5におけるセンシング装置の構成を示している。
基板1310に対し、送液ポンプ1303、注入口1304、導電性微細構造体1305、反応ウェル1306、排出口1307及び廃液リザーバ1309からなる流路1308が形成されている。この流路1308に対して参照液及び検体液が流されるようになっている。
導電性微細構造体1305に光を照射するための光源ユニット1301と、光源ユニット1301から導電性微細構造体1305を透過してきた光の分光測定を行うスペクトルアナライザ1311とが設けられている。また、スペクトルアナライザ1311からのデータが供給される中央演算装置1312が設けられている。中央演算装置1312は、スペクトルアナライザ1311からの光学スペクトル信号に対して演算処理を行うとともに、計測結果を表示ユニット1302に表示させ、光源ユニット1301への制御信号を発生する。
このようなセンシング装置では、反応ウェル1306に対して一定濃度の検体液を流し始め、標的物質が導電性微細構造体1305に捕捉されていく過程を光学スペクトルの経時変化として検知する。導電性微細構造体1305の光学スペクトルの測定は、光源ユニット1301からの光を導電性微細構造体1305に照射し、透過光をスペクトルアナライザ1311で分光測定することで行う。この中央演算装置1312は、導電性微細構造体1305の光学スペクトル信号の経時変化を記録する。具体的には中央演算装置1312は、まず、導電性微細構造体1305に標的物質が捕捉される前の光学スペクトル信号を取得する。そして、標的物質が捕捉され始めてからの光学スペクトル信号を逐次取得し、これらの信号と標的物質が捕捉される前の各光学スペクトル信号との減算信号を生成し、その減算信号における最大値と最小値との差の経時変化を記録する。これにより、このセンシング装置によれば、導電性微細構造体1305に標的物質が捕捉されていく過程を時間変化として検知することが可能となる。
光源ユニット1301は、例えばタングステンランプによって構成されるが、タングステンランプ以外のものを用いてもよい。光源ユニット1301としては、測定波長域に発光波長がある光源であればどのようなものも使用でき、例えばLEDなどを用いてもよい。また基板1310は、例えば石英から構成されるが、これに限られない。基板1310は、測定波長に対して透過率が高い材質であることが好ましい。
本実施例のセンシング装置は、導電性微細構造体に対して透過測定を行う構成のものであるが、本発明のセンシング装置はこれに限られるものではなく、例えば、反射測定を行うものであってもよい。
本発明のセンシング方法を用いたセンシング装置をこのように構成することにより、高感度なセンシングを行なうことができる。
本実施例では、導電性微細構造体の光学スペクトルの時間変化として、全波長域での光学スペクトルの経時変化を記録したが、この方法に限られるものではない。例えば、実施例5における手法と同様に、導電性微細構造体の光学スペクトルの微分が最大になる波長と最小になる波長との2つの波長で透過率変化を検知し、両者の波長での透過率の差の経時変化を記録することができる。このような手法によっても、、導電性微細構造体に標的物質が捕捉されていく過程を時間変化として検知することが可能である。
本発明に基づくセンシング方法の原理を説明するグラフである。 本発明に基づくセンシング方法の原理を説明する図である。 本発明に基づくセンシング方法を説明するグラフである。 実施例1における導電性微細構造体を示す図である。 実施例1におけるセンシング方法を説明する図である。 実施例2における導電性微細構造体を示す図である。 実施例2におけるセンシング方法を説明する図である。 実施例3におけるセンシング装置を説明する図である。 実施例4におけるセンシング装置を説明する図である。 実施例4での測定原理を説明するグラフである。 実施例5におけるセンシング装置を説明する図である。 実施例5での測定原理を説明するグラフである。 実施例6におけるセンシング装置を説明する図である。 本発明に基づくセンシング方法の原理を説明するグラフである。
符号の説明
101 LSPR光学スペクトル(反応前)
102 LSPR光学スペクトル(反応後)
201,403,603 抗体
202 測定チップ
203 抗原
204,205,508,509,711,712,1001,1301 光学スペクトル
206,510,713 差分スペクトル
207,511,714 最大値
208,512,715 最小値
301 スペクトル変化
302 バイアス成分
401,601 誘電体基板
402,505,602,701,702,801,808,901,908,1107,1115,1205 導電性微細構造体
501,706 光源
502,704,804,807,904,907,1106,1113,1304 注入口
503,705,805,809,905,909,1108,1114,1306 反応ウェル
504,806,810,906,910,1109,1117,1307 排出口
506,707,708 分光器
509,709,710 光検出器
513,716 信号値
703,803,903,1119,1310 基板
802,819,919,920,1110,1116,1308 流路
811,1311 スペクトルアナライザ
812,1312 中央演算装置
813,1302 表示ユニット
814,914,1101,1301 光源ユニット
815,817,915,917,1105,1112,1303 送液ポンプ
816,818,916,918,1111,1118,1309 廃液リザーバ
902,928,929,933,1125,1126,1133,1134 負荷抵抗
911,923,1120,1128 ビームスプリッタ
912,921,924,926,1121,1123,1129,1131 バンドパスフィルタ
913,922,925,927,1122,1124,1130,1132 フォトディテクタ
930,931,932,1102,1127,1135 減算器
1002,1003 透過帯域
1004,1204 微分最小波長
1005,1205 微分最大波長
1103,1104 波長
1401 検量線

Claims (12)

  1. 標的物質を検知するセンシング方法において、
    局在プラズモンを誘起し得る導電性微細構造体の近傍に前記標的物質が存在する場合の光学スペクトル信号と、前記導電性微細構造体の近傍に前記標的物質が存在しない場合の光学スペクトル信号との減算信号を取得し、
    該減算信号における最大値と最小値の差から前記標的物質の濃度を検知する、
    ことを特徴とするセンシング方法。
  2. 請求項1に記載のセンシング方法であって、
    前記導電性微細構造体の近傍に前記標的物質が存在する場合の測定対象の全波長域の光学スペクトル信号を一括して取得し、かつ前記導電性微細構造体の近傍に前記標的物質が存在しない場合の測定対象の全波長域の光学スペクトル信号を一括して取得することを特徴とするセンシング方法。
  3. 請求項1に記載のセンシング方法であって、
    前記導電性微細構造体の近傍に前記標的物質が存在する場合の光学スペクトル信号及び前記導電性微細構造体の近傍に前記標的物質が存在しない場合の光学スペクトル信号を、各々の光学スペクトル信号の同じ測定波長に対して同時に得ることを特徴とするセンシング方法。
  4. 請求項1に記載のセンシング方法であって、
    前記導電性微細構造体の近傍に前記標的物質が存在する場合の全測定波長域にわたる光学スペクトル信号及び前記導電性微細構造体の近傍に前記標的物質が存在しない場合の全測定波長域にわたる光学スペクトル信号を同時に得ることを特徴とするセンシング方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のセンシング方法であって、
    前記導電性微細構造体の近傍に前記標的物質が存在する場合の光学スペクトル信号及び前記導電性微細構造体の近傍に前記標的物質が存在しない場合の光学スペクトル信号を、同一の前記導電性微細構造体を用いて測定することを特徴とするセンシング方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のセンシング方法であって、
    前記導電性微細構造体の近傍に前記標的物質が存在する場合の光学スペクトル及び前記導電性微細構造体の近傍に標的物質が存在しない場合の光学スペクトルの差信号を、それぞれ電圧信号に変換する工程、前記電圧信号の値の差分を演算する工程、及び該差分の最大値と最小値を検出する工程を有することを特徴とするセンシング方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のセンシング方法であって、前記減算信号の時間変化を取得することを特徴とするセンシング方法。
  8. 標的物質の濃度を検知するセンシング装置において、
    局在プラズモンを誘起し得る導電性微細構造体と、
    前記導電性微細構造体に光を照射する光源と、
    前記導電性微細構造体からの光を検出する光検出器と、
    前記導電性微細構造体からの光の光学スペクトルを求める分光測定装置と、
    前記光学スペクトルに対して減算処理を行う減算処理装置と、
    を有することを特徴とするセンシング装置。
  9. 請求項8に記載のセンシング装置であって、前記光源が発光ダイオードであること特徴とするセンシング装置。
  10. 請求項8に記載のセンシング装置であって、前記光源が半導体レーザーであること特徴とするセンシング装置。
  11. 請求項8または9に記載のセンシング装置であって、前記分光測定装置に分光器を含むことを特徴とするセンシング装置。
  12. 請求項8また9に記載のセンシング装置であって、前記分光測定装置に干渉フィルタを含むことを特徴とするセンシング装置。
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