JP2008202173A - 澱粉系紙力増強剤およびそれを用いた抄紙方法 - Google Patents

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【課題】紙または板紙の製造においてコストダウンに伴う劣化したパルプ繊維である故紙パルプ配合率の増加・抄紙系のクローズド化・酸性抄紙から中性さらにはアルカリ抄紙化への変化などに対応し、濾水性や歩留りを改善しつつ紙力を向上させ、紙製品性能の向上や生産性の向上を可能にする紙力増強剤および製紙方法を提供する。
【解決手段】生澱粉または生澱粉に非イオン的処理を施した改質澱粉の未溶解粒子の水性スラリーに、高度構造型分子構造を有する高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体の水溶液が混合されてなる紙力増強剤を用い、紙料スラリーに対し、前記紙力増強剤を添加し、得られたパルプスラリーを抄紙する工程を含む製紙方法である。これにより、前記未溶解の澱粉粒子を前記カチオン性ポリマーによりパルプ繊維に定着させ、その後の乾燥工程において澱粉粒子を溶解して紙力を向上させることが可能となる。
【選択図】なし

Description

本発明は、紙または板紙の製造において原料パルプに添加される、濾水性や歩留りを改善しつつ紙力を向上させ、紙製品性能の向上や生産性の向上を可能にする紙力増強剤および製紙方法に関する。
紙および板紙の紙力を向上させるために、紙料スラリーに加熱溶解した澱粉糊液やポリアクリルアミド系の合成紙力増強剤などを添加することが従来から行なわれている。近年、コストダウンに伴う劣化したパルプ繊維である故紙パルプ配合率の増加により紙力低下は免れ得ず、これら紙力増強剤の添加量を増加することにより対応せざるを得ないのが実情である。従来、澱粉は水中で加熱溶解した糊液の状態で添加している。澱粉は冷水に不溶性であるが、水に懸濁して加熱すると、60℃前後で澱粉粒子が膨潤を始め、さらに高温になるに従い膨潤した粒子が崩壊、澱粉分子が水中に分散して粘性の高い溶液(いわゆる糊液)となる。通常、糊液とした澱粉をパルプ繊維に効率よく定着させるために、澱粉をカチオン化したカチオン化澱粉、あるいはカチオン化とアニオン化を組み合わせた両性澱粉を使用している。しかし、添加量を増やすとワイヤーパートでの水切れ性、すなわち濾水性が悪化すると共に澱粉のパルプ繊維への歩留りが頭打ちとなるため、対紙料1.5%程度の添加が限度となっている。
このため、さらに紙製品の強度が必要な場合には、澱粉糊液を抄造された紙の表面に塗布するサイズプレス法が行なわれている。しかし、サイズプレス装置および塗布後の再度の乾燥工程が必要なことからコスト的に不利である。また、未溶解の澱粉粒子スラリーを抄き上げた湿紙の表面にスプレーして、その後の乾燥工程で澱粉を溶解して紙力を向上する方法が知られているが、澱粉粒子はスプレーされた側の紙の表面付近にしか留めることができないため、均一な内部強度を得ることは難しい。
別の手段として、澱粉を溶解せず澱粉粒子の状態のままで紙料スラリーに添加して抄紙し、その後の乾燥工程で澱粉粒子を溶解させる方法が提案されている。具体的には、未溶解の澱粉粒子を溶解カチオン澱粉および4dl/gを上回る固有粘度(IV)を有する合成ポリマーと混合して紙料スラリーへ添加、剪断段階を介した後、微粒状アニオン材料を添加する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかし、特許文献1の明細書の中で述べられている4dl/gを上回る固有粘度(IV)を有する高分子量カチオン性ポリマーは、イオン回復度(IR)が0%の直鎖型もしくは参考特許(特許文献2参照)に示されるイオン回復度(IR)が60%未満の構造型の分子構造をもつものであり、これらの高分子量カチオン性ポリマーを使用した場合、パルプスラリーに対する凝集性が強すぎるために地合が悪化するという欠点を有している。しかもイオン回復度(IR)が60%未満の直鎖型もしくは構造型の分子構造をもつ高分子量カチオン性ポリマーは、生澱粉または生澱粉に非イオン的処理を施した改質澱粉の粒子表面には吸着しにくく、その結果として澱粉粒子のパルプ繊維への定着率も不十分であった。
また、未溶解のアニオン性澱粉の粒子表面に高分子量カチオン性ポリマーを澱粉固形分当り固形分で400〜5000ppm吸着させた紙力増強剤を紙料スラリーへ添加する方法が提案されている(特許文献3参照)。しかし、アニオン性澱粉と高分子量カチオン性ポリマーを混合した場合、アニオン性澱粉粒子と高分子量カチオン性ポリマーとのイオン的な凝集が著しく、紙料スラリー添加前のストレージタンクにおいて大きなフロックを形成して沈殿してしまい、紙力剤スラリーの取り扱いが困難であるという問題がある。さらに、凝集の著しい紙力増強剤を紙料スラリーに均一に分散させるためにはマシンチェストもしくは少なくともファンポンプ以前に紙料スラリーに添加して、その後のファンポンプやスクリーンなどの剪断段階を通すことにより微細化する必要があるが、添加後にシェアがかかるほど澱粉粒子の歩留りが低下することは避けられない。また添加後にかかるシェアにより自己定着性澱粉に含まれる高分子量カチオン性ポリマーによる紙料全体の歩留り向上や濾水性向上効果は期待できない。
このように、これらの方法では澱粉粒子の歩留り効果や高分子量カチオンポリマーを混合した澱粉スラリーの取り扱い性の点で、紙力増強剤としては満足できるものではなかった。
特許第3801629号公報 ヨーロッパ特許出願公開第202,780号公報 特許第3578932号公報
本発明は、紙または板紙の製造においてコストダウンに伴う劣化したパルプ繊維である故紙パルプ配合率の増加・抄紙系のクローズド化・酸性抄紙から中性さらにはアルカリ抄紙化への変化などに対応し、濾水性や歩留りを改善しつつ紙力を向上させ、紙製品性能の向上や生産性の向上を可能にする紙力増強剤および製紙方法を提供する。
生澱粉または生澱粉に非イオン的処理を施した改質澱粉の未溶解の粒子スラリーに、濃度0.5重量%水溶液の25℃、60rpmにおけるB型粘度が300mPa・s以上であってイオン回復度(IR)が60%以上の高度構造型分子構造を有する高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体の水溶液が澱粉固形分当り固形分で0.05〜10%混合されてなる紙力増強剤に関する。
また本発明は、パルプスラリーに前記紙力増強剤を添加し、得られたパルプスラリーを抄紙する工程を含む製紙方法であって、その後の乾燥工程において澱粉粒子を溶解して紙力を向上させることを特徴とする製紙方法にも関する。
前記紙力増強剤は澱粉粒子の歩留りおよび濾水性や紙料構成成分の歩留り向上のために抄紙工程におけるファンポンプ以降で添加するのが好ましく、その後さらに紙料スラリーに歩留り助剤としてアニオン性無機填料を添加してもよい。
本発明は、生澱粉または生澱粉に非イオン的変性を施した改質澱粉の未溶解の粒子スラリーにイオン回復度(IR)が60%以上の高度構造型の分子構造を有する高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体の水溶液が混合されてなる紙力増強剤である。
本発明で用いられる澱粉の起源としては、特に限定されず、例えばタピオカ、馬鈴薯、トウモロコシ、小麦、サゴ、サツマイモ、米、ワキシートウモロコシなどから製造された生澱粉があげられる。なかでも、生産性やコストの点からタピオカ澱粉、トウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉が好ましい。未溶解の澱粉粒子の平均粒径は、およそ2〜50μmである。これらは単独でも、2種以上を組合せ用いてもよい。
通常生澱粉の粒子表面は分子内の水酸基により僅かにアニオン性を示し、そのアニオン化度は0.00001〜0.001meq/gである。本発明で用いられる澱粉は生澱粉または非イオン的変性を施した改質澱粉である。粒子表面のアニオン化度が0.00001〜0.001meq/gの範囲に入るものであれば、生澱粉であってもよく、また必要に応じて澱粉のフィルム特性や粘度特性を改質するために非イオン的な変性処理を施して良い。この様な処理方法として、アセチル化、ヒドロキシエチル化(以下、HE化と略す)やヒドロキシプロピル化(以下、HP化と略す)などの変性処理により非イオン性官能基を澱粉に導入する処理を施すことができる。また、酸処理を施すことができる。酸化変性は澱粉分子を切断して低粘度化すると共に分子内にカルボキシル基を生成するために澱粉はアニオン性となるが、ごく僅かな量の次亜塩素酸ナトリウムや過酸化水素水を用いて澱粉を漂白することは澱粉製造業界では常套手段であり、澱粉粒子表面のアニオン化度が0.001meq/gを超えないような酸化処理による漂白澱粉は本発明に含める。これらの処理は単独でも、2種以上を組合せ用いてもよい。また、生澱粉と非イオン的変性を施した改質澱粉を2種以上混合してもよい。
本発明に使用されるカチオン性ポリアクリルアミド誘導体は、モノエチレン不飽和を有するモノマー、あるいはアリルモノマー、あるいはビニルモノマー、特にアクリルあるいはメタクリルモノマー、様々な酸や四級化剤によって四級化されあるいは塩化されたジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、さらには塩化ベンジル、塩化メチル、塩化アルキルあるいはアリル、ジメチル硫酸、塩化ジアリルジメチルアンモニウム(DADMAC)、塩化アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム(APTAC)および塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム(MAPTAC)、塩化エチルアクリレートトリメチルアンモニウムなどから選択されたアクリルアミドおよび不飽和カチオンエチレン系モノマーのカチオンコポリマーであって、さらにポリマー合成時に、多価金属塩、ホルムアルデヒド、グリオキサールのようなイオン系架橋剤、あるいはモノマーと共重合する共有結合架橋剤が含まれ、このモノマーは好ましくはジエチレン不飽和を有するモノマー(ポリエチレングリコールPEGのジアクリレートのようなジアクリレートエステル系のようなもの)、あるいはポリエチレン不飽和を有するモノマー、特にメチレンビスアクリルアミド(MBA)などの架橋剤により架橋された高度構造型の分子構造を有する高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体である。
カチオン性ポリアクリルアミド誘導体は高分子量であるほどよい。しかし、高分子量のカチオン性ポリアクリルアミド誘導体の分子量を正確に測定することは困難であるため、本特許では、濃度0.5重量%水溶液の25℃、60rpmにおけるブルックフィールド型粘度計での粘度測定値(以下、B型粘度と略す)を指標として規定した。高度構造型の分子構造を有するカチオン性ポリアクリルアミド誘導体のB型粘度は300mPa・s以上であることが好ましく、450mPa・s以上であることがより好ましい。B型粘度がこれ未満では、澱粉の歩留り向上効果や紙料の濾水性、微細成分の歩留り向上効果が不十分となる。
通常、高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体の架橋すなわち構造化の程度はイオン回復度(Ionic Regain)によって表わされる。これは、カチオン性ポリマーの0.5〜1.0重量%の水溶液を、例えば「ウルトラ・タラックス(Ultra Turrax)」(商標名)装置内で10,000rpmで15〜30秒間剪断して剪断前後のイオン性を測定することにより求められる。「イオン回復度(IR)%=(X−Y)/Y×100」であり、ここで「X:meq/gでの剪断後のイオン性」、「Y:meq/gでの剪断前のイオン性」である。線状すなわち直鎖型のカチオン性ポリマーは剪断前後のイオン性に変化がなく、イオン回復度(IR)は0%である。構造型分子構造を有するカチオン性ポリマーの場合、分子内側に存在するカチオン基が剪断により外部へ露出してくるために、剪断後のイオン性は架橋すなわち構造化の程度に比例して増加する。本発明に使用される高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体のイオン回復度(IR)は60%以上の高度に構造化した分子構造をもつものである。
前記高度構造型の分子構造を有する高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体のカチオン化度は、0.2〜4.0meq/gであることが好ましく、0.5〜2.5meq/gであることがより好ましい。カチオン化度が0.2meq/g未満であると澱粉粒子をパルプ繊維に定着させることが不十分となり、3.5meq/gを超えるとパルプ繊維が過凝集してしまい紙の地合が悪化する。
生澱粉または生澱粉に非イオン的変性を施した改質澱粉の未溶解の澱粉粒子と高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体は、紙または板紙の製造工程において、例えば紙料スラリーに添加する前に水中で混合して用いられる。これにより未溶解の澱粉粒子表面に高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体がイオン的に吸着し、紙力増強剤として使用されうる。
生澱粉または生澱粉に非イオン的変性を施した改質澱粉の未溶解の澱粉粒子に対する高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体の配合量は、澱粉固形分当り固形分で0.05〜10%の範囲であることが好ましい。0.05%未満の場合は、澱粉粒子表面に吸着する高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体の量が充分でないためにパルプ繊維に定着させることが不十分となる。
紙料スラリーに添加される前記紙力増強剤中の高度構造型分子構造を有する高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体は、紙料固形分当り固形分で0.005〜0.2%の範囲であることが好ましい。0.005%未満の場合は澱粉粒子をパルプに定着させることが不十分となると共に、濾水性や紙料構成成分歩留りの改善効果が不十分となる。一方、0.2%を超えると高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体によるパルプ繊維の凝集の度合いが高くなり紙の地合が悪化すると共に澱粉の含有量が低下するためにコスト高となる傾向がある。
本発明は、紙料スラリーに対し、前記紙力増強剤を抄紙工程におけるファンポンプ以降で添加し、得られたパルプスラリーを抄紙する工程を含む製紙方法であって、前記紙力増強剤中の未溶解の澱粉粒子を高度構造型分子構造を有する高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体によりパルプ繊維に定着させ、その後の乾燥工程において澱粉粒子を溶解して紙力を向上させることを特徴とする製紙方法にも関する。
具体的には、マシンチェストで作製された紙料スラリーはファンポンプによりプレッシャースクリーンに供給され、該プレッシャースクリーンにより凝集物などが除去されたのち、抄紙工程に供するという方法があげられる。紙力増強剤は、ファンポンプ通過後プレッシャースクリーン通過前、プレッシャースクリーン通過後ワイヤーパートでの抄紙前のいずれの時点で添加しても良い。ファンポンプ通過以前で添加すると、ファンポンプ通過時の強い剪弾(シェア)により澱粉粒子の歩留りおよび濾水性や紙料構成成分の歩留り向上効果が不十分となる。
紙力増強剤を紙料スラリーに添加した後、さらに紙料スラリーに歩留り助剤としてアニオン性無機填料を対紙料固形分当り0.05〜0.5%の範囲で添加してもよい。アニオン性無機填料としては、ベントナイト、シリカ、カオリンなどがあげられる。しかしながらシリカは高価であるためコスト面で不利であり、カオリンは歩留り助剤としての効果に劣るためにベントナイトが好ましい。
原料パルプとしては特に限定されないが、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、未晒パルプ、半化学パルプ、脱墨パルプ(DIP)や段ボール故紙などの故紙パルプ、機械パルプなどがあげられる。
本発明の紙力増強剤によると、生澱粉または生澱粉に非イオン的処理を施した改質澱粉の未溶解の澱粉粒子表面に高度構造型分子構造を有する高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体が全面に十分量吸着されるため、パルプ繊維に定着されることとなる。
本発明で用いる高度構造型分子構造を有する高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体が、イオン回復度(IR)の低い高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体と比較して、生澱粉または生澱粉に非イオン的処理を施した改質澱粉の未溶解の澱粉粒子表面に吸着しやすい理由は、例えば1分子の直鎖型高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体が僅かにアニオン性を示す澱粉粒子表面に吸着した場合、分子が線状であるために比較的広範囲にわたって吸着してしまい、この吸着した部分は高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体のカチオン基によりイオン的に反発するために他の高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体分子が吸着しにくくなってしまうが、1分子の高度構造型高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体が澱粉粒子表面に吸着した場合、高度構造型高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体は立体的3次元構造であるために澱粉粒子表面の比較的狭い範囲のみに吸着し、他の部分にはさらに別の高度構造型高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体が吸着できることによるものではないかと発明者らは推察した。
本発明で用いる高度構造型分子構造を有する高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体は、紙料スラリーへ添加する前に未溶解の澱粉粒子スラリーと混合され、澱粉粒子表面に吸着されることにより澱粉粒子をパルプ繊維に定着させる働きを担うが、高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体の澱粉粒子に対する添加量は、澱粉粒子表面に吸着される必要量よりも過剰量であってもよい。高度構造型分子構造を有する高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体は濾水性向上効果や紙料構成成分の歩留り向上効果をも持っているため、地合を大幅に悪化させない範囲で適宜添加量は決定されるべきである。
本発明は、セルロース繊維を含む紙料スラリーから製紙装置を用いて製造される紙および板紙の製造に好適に用いることができる。紙料スラリーに、セルロース繊維以外の構成成分として任意の填料や任意の合成パルプ等を含んでいても構わず、また必要に応じてサイズ剤、溶解したカチオン化澱粉、紙力向上用PAM、歩留り向上剤などを併用しても何ら差し障りはない。具体的には、印刷・情報用紙、包装用紙、衛生用紙、加工原紙などの雑種紙、中芯やライナーなどの段ボール原紙、白板紙などの紙器用板紙、紙管原紙や建材用原紙などを挙げることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。なお、動的歩留り試験装置を用いた試験条件と評価および抄紙試験条件と評価、および各結果表中の製品名の詳細は以下のとおりである。カチオン性ポリマー製品名中に記載された粘度は、濃度0.5重量%水溶液の25℃、60rpmにおけるB型粘度である。
(1)ブリットジャー試験
製紙業界にて汎用的に使用される動的歩留り試験装置であるブリット式ダイナミックドレイネージジャーテスター(以下、ブリットジャーと略す)は、実機抄造ラインにおける紙料スラリーにかかるシェアを撹拌の回転数と時間により調整し、実機に近い歩留り率などの試験データを得るために利用されている。実機抄造ラインにおいて、特に大きなシェアがかかる箇所にファンポンプとプレッシャースクリーンがある。種々の薬品はファンポンプ前やプレッシャースクリーン前またはプレッシャースクリーン後に添加することが可能であり、実施例ではブリットジャーの試験条件として、ファンポンプでかかるシェアを1000rpmで30秒間、プレッシャースクリーンでかかるシェアを1000rpmで10秒間とした。さらにプレッシャースクリーン通過後から抄紙ワイヤーまでのシェアを750rpmで10秒として、薬品を添加してから抄紙するまでに紙料スラリーにかかるシェアを模擬して試験を行なった。
(2)澱粉粒子の歩留り率
ブリットジャーに60メッシュの金網を取り付け、0.5%紙料スラリー500gを入れて1000rpmで攪拌した。澱粉系紙力増強剤として、未溶解の澱粉粒子と高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体を結果表のように添加して、結果表に示す添加場所に相当する前記シェアを紙料スラリーに与えた。その後750rpmに下げて、10秒後に脱水を開始した。最初の白水の20mlを捨て、その後の100mlを採取した。得られた白水にアミラーゼ酵素を添加して80℃で2時間反応させて澱粉を分解し、白水中の全糖量を測定した。この際、ブランクとして試験用紙料スラリーのみで同様に試験を行ない、各測定値から試験用紙料スラリー中に予め含まれていた澱粉分を差し引き、澱粉粒子のパルプ繊維への歩留り率を求めた。
(3)濾水性
0.5%紙料スラリー1リットルをブリットジャーに入れて、1000rpmで攪拌した。澱粉系紙力増強剤として、未溶解の澱粉粒子と高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体を結果表のように添加して、結果表に示す添加場所に相当する前記シェアを紙料スラリーに与えた。その後750rpmに下げて10秒間攪拌した。その後、直ちに紙料スラリーをボトムオリフィスを封鎖したカナディアンフリーネステスターの濾水筒へ移して、常法に従い紙料スラリーを流下させ、経時的な全濾水量の変化を比較した。本試験では、濾水量が700mlに到達するまでの時間(秒数)を測定した。秒数が少ないほど濾水性は良好である。
(4)微細成分の歩留り率
ブリットジャーに60メッシュの金網を取り付け、0.5%紙料スラリー500gを入れて1000rpmで攪拌した。澱粉系紙力増強剤として、未溶解の澱粉粒子と高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体を結果表のように添加して、結果表に示す添加場所に相当する前記シェアを紙料スラリーに与えた。その後750rpmに下げて、10秒後に脱水を開始した。最初の白水の20mlを捨て、その後の100mlを採取した。得られた白水にアミラーゼ酵素を添加して80℃で2時間反応させて澱粉を分解した後、全量を濾過して乾燥し、白水中の微細繊維などの微細成分重量を測定した。別にブリットジャーに60メッシュの金網を取り付けて脱水しながら紙料スラリーを水で十分に洗浄して、試験用紙料スラリー中に予め含まれていた60メッシュ金網を通過する微細成分の量を求めておき、微細成分の歩留り率を求めた。
(5)抄紙試験
1%紙料スラリーの必要量をブリットジャーに入れ、1000rpmで攪拌した。澱粉系紙力増強剤として、未溶解の澱粉粒子と高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体を結果表のように添加して、結果表に示す添加場所に相当する前記シェアを紙料スラリーに与えた。その後750rpmに下げて10秒間攪拌した。その後、直ちにTAPPIスタンダード角形シートマシンにて常法により抄紙した。得られた湿紙を濾紙に挟んでプレスして湿紙水分60%になるまで脱水した。これをドラムドライヤーにて110℃で乾燥して試験紙を作製した。得られた試験紙の紙力をJISに準拠して測定した。
(6)澱粉粒子
HE化酸処理澱粉a:コートマスターK49F(アニオン化度0.0005meq/g、三晶(株)販売)
HE化酸処理澱粉b:コートマスターK520(アニオン化度0.0004meq/g、三晶(株)販売)
生馬澱:市販生馬鈴薯澱粉
アセチル化澱粉a:SBガム−A(アニオン化度0.0001meq/g、三晶(株)販売)
アセチル化澱粉b:SBガム−EVO(アニオン化度0.0001meq/g、三晶(株)販売)
生コンス:生トウモロコシ澱粉(アニオン化度0.0001meq/g、三晶(株)販売)
HP化澱粉:PURE−COTE B790(アニオン化度0.0002meq/g、三晶(株)販売)
酸化澱粉:マーメイド M−210(アニオン化度0.0131meq/g、三晶(株)販売)
燐酸エステル化澱粉:PT−13(アニオン化度0.0323meq/g、三晶(株)販売)
アセチル化酸化澱粉:OXCEL 030(アニオン化度0.0013meq/g、三晶(株)販売)
(7)カチオン性ポリマー
高度構造型PAM1:メイプロフロック EHSC−10(B型粘度556mPa・s、三晶(株)販売)
高度構造型PAM2:試作品(B型粘度604mPa・s)
構造型PAM:メイプロフロック ESC−15(B型粘度698mPa・s、三晶(株)販売)
直鎖型PAM:メイプロフロック PC−33(B型粘度400mPa・s、三晶(株)販売)
カチオン澱粉:SBガム−POSIT 300(三晶(株)販売)
(8)アニオン性無機填料
ベントナイト:メイプロフィラー K(三晶(株)販売)
実施例1および2ならびに比較例1〜6
[内添試験1]
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を1%濃度となるように水で希釈して試験用紙料スラリー(濾水度403mlCSF、pH7.2、水温20℃)を作製した。この紙料スラリーを抄紙試験に供した。この紙料スラリーを0.5%濃度となるように水で希釈して、歩留り率および濾水性試験に供した。結果を表1に示す。
Figure 2008202173
澱粉粒子として紙料スラリーに添加した実施例1および2ならびに比較例1〜4の試験紙をヨウ素溶液で染め、顕微鏡観察したところ、澱粉粒子は良好に溶解していることが認められた。表1より、紙力増強剤成分として高度構造型分子構造を有する高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体を用いた実施例1および2では、高い澱粉の歩留り率と高い破裂強度を示しつつ、微細繊維などの微細成分の歩留り性や濾水性にも優れることがわかる。これに対して、直鎖型あるいは構造型の高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体を用いた比較例1〜4では、澱粉粒子の歩留り率は低く、このため紙の強度も低い。また溶解したカチオン澱粉を用いた比較例5では、濾水性が大幅に悪化しており実機抄紙マシンでの抄造は困難である。
実施例3〜6ならびに比較例7〜12
[内添試験2]
段ボールを水中で離解して作成した1%濃度の段ボール故紙に、撹拌しながら硫酸バンドをパルプ固形分に対して2%添加して試験用紙料スラリー(濾水度314mlCSF、pH6.5、水温20℃)を作製した。この紙料スラリーを抄紙試験に供した。この紙料スラリーを0.5%濃度となるように水で希釈して、歩留り率および濾水性試験に供した。結果を表2に示す。
Figure 2008202173
澱粉粒子として紙料スラリーに添加した実施例3〜6ならびに比較例7〜10の試験紙をヨウ素溶液で染め、顕微鏡観察したところ、これら澱粉粒子は良好に溶解していることが認められた。表2より、紙力増強剤成分として高度構造型分子構造を有する高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体を用いた実施例3〜6では、高い澱粉粒子の歩留り率と高い破裂強度を示しつつ、微細繊維などの微細成分の歩留り性や濾水性にも優れることがわかる。これに対して、紙力増強剤をファンポンプ通過前に紙料スラリーへ添加することを模擬した比較例3では、澱粉粒子の歩留り率は低い。また、澱粉粒子と高度構造型分子構造を有する高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体を予め混合することなく、各々別に紙料スラリーへ添加した比較例9および10では、澱粉粒子の歩留り率が低いことがわかる。
実施例7〜13ならびに比較例13および14
[内添試験3]
脱墨パルプ(DIP)と広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を30:70の比率で混合したものを、0.5%濃度となるように水で希釈して試験用紙料スラリー(濾水度262mlCSF、pH7.4、水温20℃)を作製した。この紙料スラリーを歩留り率および濾水性試験に供した。結果を表3に示す。
Figure 2008202173
表3より、実施例7〜13では、カチオン性ポリマーを添加しない比較例14と比較して、高い澱粉粒子の歩留り率を示しつつ、微細繊維などの微細成分の歩留り性や濾水性を改善していることがわかる。しかし比較例13では、澱粉粒子の歩留り率は低く、微細成分の歩留り性や濾水性の改善効果は不十分である。
実施例14〜16ならびに比較例15〜19
[澱粉粒子とカチオン性ポリマーの凝集試験]
5%の澱粉スラリー500gを1リットルのビーカーへ入れ、凝集試験で通常用いられるジャーテスター(宮本理研工業製)内で250rpmで撹拌しながら、0.5%の高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体水溶液を20ml(高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体の添加量は澱粉固形分当り固形分0.4%)添加した。2分後に撹拌を停止して、凝集の程度を生成フロック径として以下の基準で目視判定した。結果を表4に示す。
生成フロック径・・・2mm以下、2−3mm、3−5mm、5mm以上
Figure 2008202173
表4より、非イオン的処理を施した改質澱粉を用いた実施例14〜16は、高度構造型分子構造を有する高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体を混合しても大きなフロックを形成しない。これに対して、澱粉粒子表面のアニオン化度が0.001meq/gを超えるアニオン変性された澱粉を用いた比較例15〜19は、高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体と大きなフロックを形成することがわかる。
実施例17および18ならびに比較例20および21
[澱粉粒子表面への高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体の吸着量]
生トウモロコシ澱粉スラリーに高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体を混合して、澱粉10%、高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体0.01%(高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体の添加量は澱粉固形分当り固形分1000ppm)の懸濁液800gを作成した。別に高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体0.01%のみの水溶液を作成してブランクとした。17時間静置後、上澄みの電荷量を表面電荷量測定装置(PCD−03:ミューテック社製)にて測定して、以下の算式によりカチオン性ポリマーの澱粉粒子表面への吸着量を算出した。結果を表5に示す。
A=B×(Y−X)/Y
A:高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体の吸着量(重量ppm対澱粉固形分)
B:高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体の添加率(重量ppm対澱粉固形分)
X:電荷量(meq/g)
Y:ブランクの電荷量(meq/g)
Figure 2008202173
表5より、高度構造型分子構造を有する高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体を用いた実施例17および18は、直鎖型または構造型の高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体を用いた比較例20および21と比較すると、澱粉粒子表面に吸着されるカチオン性ポリマー量が多いことがわかる。

Claims (5)

  1. 生澱粉または生澱粉に非イオン的処理を施した改質澱粉の未溶解の粒子スラリーに、濃度0.5重量%水溶液の25℃、60rpmにおけるB型粘度が300mPa・s以上であってイオン回復度(IR)が60%以上の高度構造型分子構造を有する高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体の水溶液が澱粉固形分当り固形分で0.05〜10%混合されてなる紙力増強剤。
  2. 請求項1に記載の紙力増強剤を、抄紙工程におけるファンポンプ以降で添加する製紙方法であって、前記紙力増強剤中の未溶解の澱粉粒子を高度構造型分子構造を有する高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体によりパルプ繊維に定着させ、その後の乾燥工程において澱粉粒子を溶解して紙力を向上させることを特徴とする製紙方法。
  3. 紙料スラリーに添加される前記紙力増強剤中の高度構造型分子構造を有する高分子量カチオン性ポリアクリルアミド誘導体が紙料スラリー固形分当り固形分で0.005〜0.2%の範囲である請求項2に記載の製紙方法。
  4. 前記紙力増強剤を紙料スラリーに添加した後、さらに紙料スラリーにアニオン性無機填料を添加する請求項2または3に記載の製紙方法。
  5. 前記アニオン性無機填料がベントナイトである請求項2から4のいずれかに記載の製紙方法。
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