JP2008201951A - アルミ箔プレス成形用潤滑剤及び該潤滑剤を用いた容器の製造方法 - Google Patents

アルミ箔プレス成形用潤滑剤及び該潤滑剤を用いた容器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アルミ箔製品のプレス成形において優れた成形性を付与できると共にプレス成形に用いるポンチ、ダイ等の成形用金型における錆の発生を防止できる潤滑剤を提供する。
【解決手段】この発明に係るアルミ箔プレス成形用潤滑剤は、多価アルコール又は/及びそのアルキルエーテル(但し、アルキル基の炭素数は1〜12)からなる主剤と、オレイン酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、カプリル酸グリセリンエステル、ラウリン酸グリセリンエステル、安息香酸ナトリウム、タンニン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム及び酒石酸ナトリウムからなる群より選ばれる1種又は2種以上の副剤と、を含有した水溶性組成物からなることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

この発明は、アルミニウム又はその合金からなる箔やこれら箔の片面又は両面にコーティングあるいはラミネートによって合成樹脂が被覆されたもの(以下、これらを総称して「アルミ箔」という)をプレス成形する際に用いる潤滑剤と、この潤滑剤を用いたアルミ箔製の容器の製造方法に関する。
アルミ箔製容器の製作では、冷間プレス成形によって成形材料の平板状アルミ箔の周辺部を絞って立ち上げるのが一般的であるが、このときの材料破断を防止して成形性を向上させるために、アルミ箔表面に成形用金型との間の滑り性を高める潤滑剤を塗布することが一般に行われている。
従来、例えば鍋焼うどん容器、グラタン容器、ケーキ用ミニカップ等の食品包装用容器を対象としたプレス成形の潤滑剤として、流動パラフィン、シリコーン、高級脂肪酸のトリグリセライド等が汎用されているが、これら潤滑剤は、水溶性ではないために洗浄除去するのが容易ではなく洗浄処理に非常に時間を要するし、成形性の面でも充分ではなかった。
また、これら汎用潤滑剤に代わるものとして、ワックス及びブチルセロソルブを含有する塗料(特許文献1参照)を使用することが提案されている。
しかしながら、上記提案に係る潤滑剤も、同様に水溶性ではないために洗浄除去するのが容易ではなく洗浄処理に非常に時間を要するという問題があった。更に、容器がグラタン容器のような浅い皿状形態である場合は特に問題はないが、深い絞りを要するコップ状形態等、厳しい成形条件になる場合に材料破断を生じ易いという難点があった。
そこで、本出願人は、多価アルコール又は/及びそのアルキルエーテル(但し、アルキル基の炭素数は1〜12)を主剤とする水溶性組成物からなる潤滑剤を用いることを提案している(特許文献2参照)。この潤滑剤を用いれば、成形後にこれを水洗洗浄する場合でも容易に洗浄除去することができると共に、深い絞りを要するコップ状形態等の厳しい成形条件においても成形材料に破断を生じない優れた成形性を付与することができる。
特開平11−348999号公報 特開2006−15385号公報
ところで、上記従来の潤滑剤を用いてアルミ箔製容器を製作した場合、製作してから例えば1〜3日経過後に成形に用いたポンチ及びダイの表面を観察すると、その表面に錆が発生することがわかった。ポンチ及びダイは、通常は鉄製であり、空気中の水分や酸素と接触することによって、その表面に錆が発生したものと考えられる。
このようにポンチ及びダイの表面に錆が発生すると、これらポンチ及びダイを、食品を収容する用途に用いられる食品包装用容器等の製造に用いる場合には、その都度、表面の錆を清浄除去する必要があり、このために非常に手間がかかって生産性が低下するという問題があった。
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、アルミ箔製品のプレス成形において優れた成形性を付与できると共に、プレス成形に用いるポンチ、ダイ等の成形用金型における錆の発生を防止できる潤滑剤、及びこの潤滑剤を用いた容器の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]多価アルコール又は/及びそのアルキルエーテル(但し、アルキル基の炭素数は1〜12)からなる主剤と、
オレイン酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、カプリル酸グリセリンエステル、ラウリン酸グリセリンエステル、安息香酸ナトリウム、タンニン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム及び酒石酸ナトリウムからなる群より選ばれる1種又は2種以上の副剤と、
を含有した水溶性組成物からなることを特徴とするアルミ箔プレス成形用潤滑剤。
[2]前記主剤100質量部に対し、前記副剤が0.01〜30質量部の割合で配合されてなる前項1に記載のアルミ箔プレス成形用潤滑剤。
[3]前記副剤としてオレイン酸ナトリウム又は/及びリン酸三ナトリウムが用いられている前項1または2に記載のアルミ箔プレス成形用潤滑剤。
[4]前記主剤としてプロピレングリコール又は/及びグリセリンが用いられている前項1〜3のいずれか1項に記載のアルミ箔プレス成形用潤滑剤。
[5]前記プロピレングリコール100質量部に対し、前記グリセリンが20〜900質量部の割合で配合されている前項4に記載のアルミ箔プレス成形用潤滑剤。
[6]前記主剤及び副剤と共に、脂肪酸及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の濡れ性付与剤を含有する前項1〜5のいずれか1項に記載のアルミ箔プレス成形用潤滑剤。
[7]アルミニウム箔又は合成樹脂被覆アルミニウム箔からなるプレス成形材料の少なくとも片面に、前項1〜6のいずれか1項に記載の潤滑剤を塗布し、所定の容器形状に冷間プレス成形することを特徴とする容器の製造方法。
[8]口径が50〜100mmで、深さが50〜150mmの容器形状に冷間プレス成形する前項7に記載の容器の製造方法。
[1]の発明に係るアルミ箔プレス成形用潤滑剤は、多価アルコール又は/及びそのアルキルエーテル(但し、アルキル基の炭素数は1〜12)からなる主剤を含有するので、この潤滑剤を成形材料のアルミ箔の表面に塗布すれば、アルミ箔製品のプレス成形において優れた成形性を付与することができる、即ち深い絞りを要するコップ状形態等、成形条件が厳しくなる場合でも成形材料の破断を防止できる。更に、前記特定の副剤を含有するので、プレス成形に用いる成形用金型(例えばポンチ、ダイ等)における錆の発生を防止できる。また、この潤滑剤は水溶性であるから、成形後に潤滑剤を除去する必要がある場合には、水洗洗浄により潤滑剤を容易に洗浄除去することができる。
[2]の発明では、主剤100質量部に対し、副剤が0.01〜30質量部の割合で配合されているから、優れた成形性を維持しつつ、成形用金型における錆の発生を十分に防止することができる。
[3]の発明では、副剤としてオレイン酸ナトリウム又は/及びリン酸三ナトリウムが用いられているから、より優れた防錆効果が得られる利点がある。
[4]の発明では、主剤としてプロピレングリコール又は/及びグリセリンが用いられているが、プロピレングリコールとグリセリンはいずれも食品添加物として認可されているので、特に食品包装用容器の製造に好適であると共に、成形後の洗浄を省略することができ、また脱脂洗浄を行う場合でも簡単な処理操作で済む利点がある。
[5]の発明では、プロピレングリコール100質量部に対しグリセリンが20〜900質量部の割合で配合されているので、塗布作業性を向上できると共に優れた成形性も確保できる。
[6]の発明では、主剤及び副剤と共に、脂肪酸及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の濡れ性付与剤を含有するから、潤滑剤のアルミ箔表面に対する濡れ性を向上させることができ、これにより潤滑剤を均一に塗布できる。
[7]の発明(製造方法)によれば、成形性に優れていて、深絞り型の容器でも高い歩留りで製造することができる。
[8]の発明によれば、口径が50〜100mmで、深さが50〜150mmの容器形状に冷間プレス成形するにもかかわらず、即ち深絞りする厳しい成形条件であるにもかかわらず、成形材料を破断させることなく良好状態に成形できる。
この発明に係るアルミ箔プレス成形用潤滑剤は、以下に説明する主剤及び副剤を含有した水溶性組成物からなることを特徴とする。
前記主剤は、多価アルコール又は/及びそのアルキルエーテル(但し、アルキル基の炭素数は1〜12)からなる。
また、前記副剤としては、オレイン酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、カプリル酸グリセリンエステル、ラウリン酸グリセリンエステル、安息香酸ナトリウム、タンニン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム及び酒石酸ナトリウムからなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物を用いる。
本発明の潤滑剤は、多価アルコール又は/及びそのアルキルエーテル(但し、アルキル基の炭素数は1〜12)からなる主剤を含有するので、アルミ箔製品のプレス成形において優れた成形性を付与することができる、即ち容器のフランジ部分や側壁に皺を発生させることなく成形できるのは勿論のこと、材料破断を起こすことなく成形できる。更に、前記特定の副剤を含有するので、プレス成形に用いる成形用金型(例えばポンチ、ダイ等)における錆の発生を防止することができる。このようにプレス成形に用いる成形用金型の表面に錆が発生することを防止できるので、錆を清浄除去する煩雑な作業を行う必要がなく、従ってアルミ箔製容器を安定して生産性良く製造することができる。
なお、このような防錆効果が得られるメカニズムは定かではないが、潤滑剤中の前記特定の副剤が、成形用金型の表面に吸着して保護皮膜を形成し、これによって成形用金型表面に水分や酸素が接触するのを遮断できることで、錆の発生を防止することができるものと推定される。
前記水溶性組成物中における主剤の含有率は50質量%以上とするのが、より優れた成形性を確保できる点で、好ましい。
前記主剤として用いる多価アルコール及びそのアルキルエーテルとしては、特に限定されるものではないが、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジブロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン−プロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、グリセリンエーテル等の常温で液状を呈するもの等が挙げられる。これら主剤成分は、その1種を単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
前記主剤として、プロピレングリコール又は/及びグリセリンを用いた場合には、これらはいずれも食品添加物として認可されているので、プレス成形後のアルミ箔製容器は、食品包装用容器に用いるものであっても、基本的には脱脂洗浄を行わずに製品として供し得る。ただし、プレス成形後の容器外面に印刷を施す場合、潤滑剤の存在によって印刷品質が低下するならば、前もって水洗や加熱処理または軽い脱脂処理によって潤滑剤を除去すれば良い。
中でも、前記主剤としては、アルミ箔表面での保持性と塗布作業性とを両立する観点から、低粘性成分と高粘性成分とを併用することが好ましく、とりわけプロピレングリコールとグリセリンとの併用が推奨される。即ち、グリセリンは特にアルミ箔表面での良好な保持性によって成形性を高めさせる効果が大きいが、高粘性であるためにこれを主剤として単独使用した潤滑剤ではべとついて作業性が些か低下することから、低粘性で且つ成形性向上効果も比較的高いプロピレングリコールとの組み合わせにより、優れた成形性を確保しながら潤滑剤の粘度を適度に設定することが可能となる。しかして、潤滑剤の粘度を適度にして優れた成形性と良好な作業性を両立させる上で、プロピレングリコール100質量部に対しグリセリンが20〜900質量部の割合で配合された構成を採用するのが好ましい。
前記副剤としては、オレイン酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、カプリル酸グリセリンエステル、ラウリン酸グリセリンエステル、安息香酸ナトリウム、タンニン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム及び酒石酸ナトリウムからなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物が用いられる。これら化合物は、いずれも食品添加物として認可されているので、前記主剤としてのプロピレングリコール又は/及びグリセリンに添加して使用する場合には、食品包装用容器に用いるものであっても、基本的には脱脂洗浄を行わずに製品として供し得る。また、これら化合物は、いずれも、無味、無臭であるので、内容物への風味の影響もない。
中でも、前記副剤としては、より防錆効果に優れている点で、オレイン酸ナトリウム、リン酸三ナトリウムが好適に用いられる。
この発明において、主剤と副剤の配合割合については、主剤100質量部に対して副剤が0.01〜30質量部の割合で配合されるのが好ましい。0.01質量部以上であることで成形用金型における錆の発生を十分に防止することができると共に、30質量部以下であることで潤滑剤中の主剤の含有比率を低下させ過ぎることがなくて優れた成形性を確保できる。また、両者の配合割合がこのような範囲であれば、材料破断を起こさせない適正なしわ押さえ圧力の範囲を広く設定することができる利点もある。中でも、主剤100質量部に対して副剤が0.2〜1質量部の割合で配合されるのが特に好ましい。
また、この発明の水溶性潤滑剤は、前記主剤及び副剤と共に、脂肪酸及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の濡れ性付与剤を含有する構成であるのが好ましい。この濡れ性付与剤は、アルミ箔表面に対する潤滑剤の濡れ性を高め、もって該潤滑剤をアルミ箔の表面全体に均一に塗布することを容易に可能ならしめ、ひいてはより少ない塗布量でもって成形性をより向上させる機能を果たすものである。
前記濡れ性付与剤として用いる脂肪酸としては、特に限定されるものではないが、炭素数8〜20の飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸が好適であり、例えばオレイン酸、力プリル酸、パルミチン酸等が挙げられる。
また、前記濡れ性付与剤として用いる脂肪酸の誘導体としては、特に限定されるものではないが、例えば脂肪酸エステル(例えばオレイン酸メチルエステル等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル(例えばプロピレングリコールラウリル酸エステル等)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(例えばポリグリセリンカプリル酸エステル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンステアリン酸エステル等)、グリセリン脂肪酸エステル(例えばグリセリンジオレイン酸エステル等)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えばソルビタンラウリン酸エステル等)、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記濡れ性付与剤として、ポリグリセリンカプリル酸エステル、ポリグリセリンオレイン酸エステル及びポリグリセリンステアリン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の濡れ性付与剤を用いた場合には、これらはいずれも食品添加物として認可されているので、前記主剤としてのプロピレングリコール又は/及びグリセリンに添加して使用する場合には、食品包装用容器に用いるものであっても、基本的には脱脂洗浄を行わずに製品として供し得る。
前記濡れ性付与剤の配合量は、前記主剤100質量部に対して、0.5〜50質量部であるのが好ましい。0.5質量部以上であることで潤滑剤の少ない塗布量でもって優れた成形性を確保できると共に、50質量部以下であることで潤滑剤中の主剤の含有比率を低下させ過ぎることがなくて優れた成形性を確保できる。中でも、前記主剤100質量部に対して濡れ性付与剤が1〜30質量部の割合で配合されるのが特に好ましい。
この発明の潤滑剤を用いてアルミ箔成形用材料をプレス成形してアルミ箔製容器を製造する際には、例えばシート状のアルミ箔の片面又は両面に前記潤滑剤を塗布したのち、所定形状に打ち抜き、これをプレス成形機(例えばポンチ及びダイを備えた構成のプレス成形機)によって所要の容器形態にプレス成形すれば良い。
成形材料のアルミ箔としては、アルミニウム又はその合金からなる箔の他、これら箔の片面又は両面に耐熱性、耐食性、成形性等を改善する目的で合成樹脂を被覆したもの等を使用できる。後者の合成樹脂被覆アルミ箔としては、例えば、熱硬化型アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等を箔の表面にコーティングしたものや、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系フィルムまたはポリエステルフィルムを箔の表面に加熱融着または接着したもの等が挙げられる。
成形材料のアルミ箔の厚さは、容器の用途及びサイズによって好適値が異なるが、一般的には20〜200μmである。また、合成樹脂被覆の厚さは、容器の用途等によって好適値が異なるが、コーティングでは1〜10μmが好適で、ラミネートフィルムでは20〜300μmが好適である。
アルミ箔表面に対する潤滑剤の塗布量としては、0.05〜0.5g/m2の範囲が好適である。0.05g/m2以上に設定されることで十分な成形性を得ることができると共に0.5g/m2以下に設定されることで潤滑剤の無駄がなくて経済的に製造することが可能となる。中でも、潤滑剤の塗布量は0.1〜0.3g/m2の範囲に設定するのがより好適である。
この発明の潤滑剤を用いてアルミ箔成形用材料をプレス成形して得られるアルミ箔製容器の形状(製品形状)としては、特に制約はなく、グラタン容器や鍋焼うどん容器のような比較的浅い皿形から飲料用容器のような深いコップ形容器やサインペンのような筒形製品まで広範囲に及ぶと共に、その平面形状も丸形、角形、楕円形等の種々の形状を採用できる。中でも、この発明のアルミ箔プレス成形用潤滑剤の使用効果は、深絞り成形、とりわけ口径が50〜100mmで、深さが50〜150mmの容器形状にプレス成形する場合に特に顕著である。
なお、深いコップ形容器のような深絞り成形においては、成形を1段で行うことも可能であるが、材料破断を確実に防止するために2段あるいは3段以上の多段成形を行っても良い。
次に、この発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のものに特に限定されるものではない。
<実施例1〜18、比較例1>
厚さ120μmのアルミニウム合金箔の両面にポリプロピレンフィルムがラミネートされたアルミ箔シート(成形物内面側のポリプロピレン層の厚さ:200μm、同外面側のポリプロピレン層の厚さ:30μm)の表裏両面に、表1〜3に記載の組成からなる水溶性潤滑剤をロールコーターを用いて片面0.2g/m2、0.3g/m2、0.5g/m2の各割合で塗布したのち、直径170mmの円形に打ち扱いて成形材料とした。この成形材料を、ポンチ及びダイを備えたプレス成形機によってプレス圧3.0kg/cm2で冷間プレス成形し、口径63mm、深さ100mmのコップ状容器を製作した。
Figure 2008201951
Figure 2008201951
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<成形性評価法>
上記プレス成形時のアルミ箔の成形性を下記評価基準に基づき評価した。
「◎」…潤滑剤塗布量0.2g/m2、0.3g/m2、0.5g/m2のいずれでも成形時に材料破断がなかった。しかも、潤滑剤塗布量0.3g/m2 未満の少ない塗布量においても、成形時に材料破断が起こらない適正しわ押さえ圧力の範囲が広かった。
「○」…潤滑剤塗布量0.2g/m2、0.3g/m2、0.5g/m2のいずれでも成形時に材料破断がなかった。また、潤滑剤塗布量0.3g/m2 以上の多い塗布量においては、成形時に材料破断が起こらない適正しわ押さえ圧力の範囲は広かった。
「△」…潤滑剤塗布量0.3g/m2、0.5g/m2のいずれでも成形時に材料破断がなかったものの、潤滑剤塗布量0.2g/m2では材料破断が僅かに発生した。
「×」…潤滑剤塗布量0.2g/m2、0.3g/m2、0.5g/m2のいずれでも材料破断が発生した。
<防錆性評価法>
直径12cmの円板状の鋳鉄製試験片(一般のポンチやダイと同材質)を上記各潤滑剤液に10分間浸漬した後、試験片を取り出し、空気雰囲気下常温で静置し、2日間経過後に試験片の表面を目視観察し、下記評価基準に基づいて防錆性を評価した。
「◎」…試験片の表面に錆の発生が全く認められなかった
「○」…試験片の表面のごく一部に僅かに錆の発生が認められたが、影響がない程度であった
「×」…試験片の表面の全面に錆の発生が認められた。
表1〜3から明らかなように、この発明の実施例1〜18のアルミ箔プレス成形用潤滑剤をアルミ箔の表面に塗布して冷間プレス成形した場合には、材料破断が発生せず成形性が良好であると共に、防錆性にも優れていた。
これに対し、前記副剤を含有しない比較例1の潤滑剤をアルミ箔の表面に塗布して冷間プレス成形した場合には、成形性は良好であるものの、防錆性が不十分であった。

Claims (8)

  1. 多価アルコール又は/及びそのアルキルエーテル(但し、アルキル基の炭素数は1〜12)からなる主剤と、
    オレイン酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、カプリル酸グリセリンエステル、ラウリン酸グリセリンエステル、安息香酸ナトリウム、タンニン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム及び酒石酸ナトリウムからなる群より選ばれる1種又は2種以上の副剤と、
    を含有した水溶性組成物からなることを特徴とするアルミ箔プレス成形用潤滑剤。
  2. 前記主剤100質量部に対し、前記副剤が0.01〜30質量部の割合で配合されてなる請求項1に記載のアルミ箔プレス成形用潤滑剤。
  3. 前記副剤としてオレイン酸ナトリウム又は/及びリン酸三ナトリウムが用いられている請求項1または2に記載のアルミ箔プレス成形用潤滑剤。
  4. 前記主剤としてプロピレングリコール又は/及びグリセリンが用いられている請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミ箔プレス成形用潤滑剤。
  5. 前記プロピレングリコール100質量部に対し、前記グリセリンが20〜900質量部の割合で配合されている請求項4に記載のアルミ箔プレス成形用潤滑剤。
  6. 前記主剤及び副剤と共に、脂肪酸及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の濡れ性付与剤を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルミ箔プレス成形用潤滑剤。
  7. アルミニウム箔又は合成樹脂被覆アルミニウム箔からなるプレス成形材料の少なくとも片面に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の潤滑剤を塗布し、所定の容器形状に冷間プレス成形することを特徴とする容器の製造方法。
  8. 口径が50〜100mmで、深さが50〜150mmの容器形状に冷間プレス成形する請求項7に記載の容器の製造方法。
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