JP2008201373A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明の目的は、トレッドパターンの適正化を図ることにより、走行時の気柱共鳴音を低減しつつも、石噛み防止性能を向上した空気入りタイヤを提供することにある。
【解決手段】空気入りタイヤは、トレッド部踏面6に、略タイヤ周方向に延びる周方向溝7と、周方向溝7に開口し、周方向溝7と路面とで形成される管内の共鳴により発生する騒音を低減する共鳴器1とを具える。かかる共鳴器1は、周方向溝7から分岐して延びる枝溝部2及び、枝溝部2につながる気室部3を具える。かかる気室部3の延在方向に直交する面内の断面積は、枝溝部2の延在方向に直交する面内の断面積よりも大きい。なお、気室部3の深さを、気室部3の幅以下とする。あるいは、気室部3の幅を、トレッド部踏面から気室部の底部に向かって漸減させる。
【選択図】図3

Description

この発明は、トレッド部踏面に、略タイヤ周方向に延びる周方向溝と、かかる周方向溝に開口し、かかる周方向溝と路面とで形成される管内の共鳴により発生する騒音を低減する共鳴器とを具える空気入りタイヤに関するものであり、かかる空気入りタイヤから発生する騒音を低減しつつも、石噛み防止性能の向上を図る。
近年、車両の静粛化に伴って、空気入りタイヤの負荷転動に起因した自動車騒音に対する寄与が大きくなり、その低減が求められている。中でも、高周波数、特に、1000Hz周辺のタイヤノイズが車外騒音の主たる原因となっており、環境問題への対応からも、その低減対策が求められている。
この1000Hz周辺のタイヤノイズは、主に気柱共鳴音により発生する。気柱共鳴音とは、トレッド部踏面の周方向に連続して延びる周方向溝と、路面とによって囲曉される管内の空気の共鳴により発生する騒音であり、一般的な乗用車では800〜1200Hz程度に観測されることが多く、ピークの音圧レベルが高く、周波数帯域が広いことから、空気入りタイヤから発生する騒音の大部分を占めている。
また、人間の聴覚は、1000Hz周辺の周波数帯域(A特性)で特に敏感であることから、走行時のフィーリング面での静粛性を向上させる上でも、このような気柱共鳴音の低減は有効である。
そこで、かかる気柱共鳴音の低減を目的として、周方向溝の配設本数や容積を減じることが広く行われている他、特許文献1に開示されているように、一端だけが周方向溝に開口し、他端が陸部内で終端する長い横溝を設けて、その横溝内での反共振を用いて気柱共鳴音を低減させることが提案されている。しかし、周方向溝の溝容積を減少させた空気入りタイヤでは、周方向溝の溝容積が不足し、排水性能が低下する虞がある。また、特許文献1に記載の空気入りタイヤでは、長い横溝の配設が必須であることから、トレッドパターンのデザイン上の自由度が損なわれ、かつ、陸部の剛性が充分に確保されずに操縦安定性が低下する虞がある。
これら問題の解決策として、特許文献2〜4に記載されているように、ヘルムホルツタイプの共鳴器を配設することによって、反共振を用いて気柱共鳴音を低減する技術も提案されている。このことにより、周方向溝の溝容積を充分に確保して、排水性能を確保しつつも、特許文献1に記載の空気入りタイヤと比較して陸部の剛性を高くすることができる。
国際公開第04/103737号パンフレット 特開平5−338411号公報 特開2000−118207号公報 特開2001−191734号公報
しかし、特許文献2に記載の空気入りタイヤは、負荷転動時に路面に散在する石や砂利の上を通過した場合に、石や砂利がトレッド部の共鳴器内に噛み込まれて石噛みし、共鳴器の気室部が埋まることで、共鳴器としての機能が損なわれ、気柱共鳴音を低減することができなくなる虞がある。また、このとき、気柱共鳴音を低減できないばかりか、気室部に噛み込まれた石が、タイヤ回転に伴い路面に接触する度に接地音を発生させて、より大きな騒音を発生させる可能性がある。また、特許文献3及び4に記載の空気入りタイヤは、タイヤ負荷転動時に、ヘルムホルツタイプの共鳴器が路面と接地しないように配設されていることから、共鳴器の路面との衝突によるピッチノイズの発生及び石や砂利の噛み込みを有効に防止することができ、かつ、配設可能な共鳴器の体積が小さく制限されていることから、トレッド部の陸部剛性が高く、操縦安定性を充分に確保することができる。しかし、その反面、共鳴器の形状・寸法が限定されることから、設定可能な共鳴周波数の周波数帯域も限定されることとなり、気柱共鳴音が充分に低減されない可能性がある。
したがって、この発明の目的は、共鳴器の断面形状の適正化を図ることにより、走行時の気柱共鳴音を低減しつつも、石噛み防止性能が向上した空気入りタイヤを提供することにある。
前記目的を達成するため、第一発明の空気入りタイヤは、トレッド部踏面に、略タイヤ周方向に延びる周方向溝と、かかる周方向溝に開口し、周方向溝と路面とで形成される管内の共鳴により発生する騒音を低減する共鳴器とを具えており、かかる共鳴器は、周方向溝から分岐して延びる枝溝部及び、枝溝部につながる気室部を具え、気室部の延在方向に直交する面内の断面積は、枝溝部の延在方向に直交する面内の断面積よりも大きく、気室部の深さは、トレッド部踏面における気室部の幅以下であることを特徴とする。このような空気入りタイヤは、共鳴器を配設することで、気柱共鳴音を低減しつつも、気室部の深さが、トレッド部踏面における気室部の幅以下であることから、タイヤ負荷転動時に、共鳴器の気室部内に石又は砂利が入り込んでも、噛み込まれずに排出され易くなっており、石又は砂利を噛み込んでしまった場合であっても、石又は砂利がトレッド部踏面から突出し易くなっていることから、タイヤ負荷転動時に、石又は砂利がトレッド部踏面から突出して、路面の凹凸と接触して引っかかることで気室部からかき出されることで、石噛み防止性能を有効に向上することが可能となる。ここで「略タイヤ周方向」とは、溝幅の中心位置を結んだ仮想線とタイヤ周方向とのなす角が±5°となる方向をいうものとし、「気室部の深さ」とは、トレッド部踏面から気室部の底部までのタイヤ径方向距離をいうものとし、「気室部の幅」とは、気室部の長手方向に直交する方向の距離、すなわち短手方向の距離をいうものとする。なお、気室部の長さは、気室部の長手方向の距離をいうものとする。
また、前記の目的を達成するため、第二発明の空気入りタイヤは、トレッド部踏面に、略タイヤ周方向に延びる周方向溝と、かかる周方向溝に開口し、周方向溝と路面とで形成される管内の共鳴により発生する騒音を低減する共鳴器とを具えており、かかる共鳴器は、周方向溝から分岐して延びる枝溝部及び、枝溝部につながる気室部を具え、気室部の延在方向に直交する面内の断面積は、枝溝部の延在方向に直交する面内の断面積よりも大きく、気室部の幅が、トレッド部踏面から気室部の底部に向かって漸減することを特徴とする。このような空気入りタイヤは、気室部の幅がトレッド部踏面から気室部の底部に向かって漸減していることから、石及び砂利が共鳴器の気室部に噛み込まれても、タイヤ負荷転動時に、トレッド部踏面と路面との摩擦により、気室部がその長さ方向に倒れ込み変形することで、石又は砂利に気室部の壁部から圧縮応力がかかり、石がタイヤ径方向内側から外側に押圧されて、共鳴器の気室部から押し出されるので、石噛み防止性能を有効に向上することが可能となる。
更に、前記の目的を達成するため、第三発明の空気入りタイヤは、トレッド部踏面に、略タイヤ周方向に延びる周方向溝と、かかる周方向溝に開口し、周方向溝と路面とで形成される管内の共鳴により発生する騒音を低減する共鳴器とを具えており、かかる共鳴器は、周方向溝から分岐して延びる枝溝部及び、枝溝部につながる気室部を具え、気室部の延在方向に直交する面内の断面積は、枝溝部の延在方向に直交する面内の断面積よりも大きく、気室部の深さは、トレッド部踏面における気室部の幅以下であり、気室部の幅が、トレッド部踏面から底部に向かって漸減することを特徴とする。このような空気入りタイヤは、第一発明及び第二発明の構成を併せ持っていることから、第一発明及び第二発明の効果を同時に兼ね備え、第一発明及び第二発明を単独で適用する場合よりも石噛み防止性能を向上することが可能となる。
なお、共鳴器の種類は限定されないが、例えばヘルムホルツタイプの共鳴器とすることができる。この場合、その共鳴周波数fは、一般に図1に示すような形状として表され、枝溝部2の半径をr、長さをl、枝溝部の断面積をSとし、気室部3の容積をV、音速をcとしたとき、
Figure 2008201373
として表すことができる。ここで、上記式中における枝溝部2端の補正は、通常は、実験によって求められるものであり、その値は、文献によって相違することになるも、ここでは、1.3rを用いるものとする。この場合、枝溝部2の断面が円形でないときは、枝溝部2の断面積から円形を仮定したrを算出して使用するものとする。従って、共鳴器1の共鳴周波数fは、枝溝部2の断面積S、気室部3の容積V等を選択することで、所要に応じて変化させることができる。
また、図2に示すように、共鳴器1の気室部3及び枝溝部2をそれぞれ第1管路4、第2管路5とみなして、それらを相互に連結した連結管路からなる段付きタイプの共鳴器とすることもでき、この場合の共鳴周波数fは、以下のようにして求めることができる。
段付きタイプの共鳴器につき、第1管路の延在方向に直交する断面積をS、第2管路の延在方向に直交する断面積をS、境界における第1管路4側の音響インピーダンスをZ12、境界における第2管路5側の音響インピーダンスをZ21とすると、連続の条件から次式が導かれる。
21=(S/S)・Z12
第2管路5の第2管路の周方向溝に開口している部分からの距離xの点における音圧Pは、境界条件を、x=0でV=Vjwtとし、x=lでP/V=Z としたとき、次式により導かれる。
=Z・{Z21cos(k(l−x))+jZsin(k(l−x))/Zcos(kl)+ jZ21 sin(kl)}・V0jwt、(ただし、k=2πf/c)
このとき、Vは第2管路5の粒子速度分布を、V0は入力点の粒子速度を、jは虚数単位を、Zcはρc(ρ:空気の密度、c:音速)を夫々示している。
第1管路4の音圧Pは、境界条件を、x=l1でV1=0とし、x=lでP/V=Z21としたとき、次式により導かれる。
=Z・[Z21cos(k(l−x))/cos(kl1)・{Zco(kl)+jZ21 sin(kl)}]・Vjwt
よって、共鳴周波数fの条件式は、共鳴の条件をx=0でP2=0とした場合に、次式として導かれる。この共鳴の条件式に基づいてk、l、l、S、S、cを決定して共鳴周波数fを求めることができる。
tan(kl1)tan(kl2)−(S2/S1)=0
更にまた、第二発明又は第三発明において、気室部の長さが、トレッド部踏面から気室部の底部に向かって漸減することが好ましい。
加えて、第二発明又は第三発明において、気室部のタイヤ径方向に直交する面内の断面積が、トレッド部踏面から気室部の底部に向かって漸減する錘状に形成されてなることが好ましい。
加えてまた、第二発明又は第三発明において、気室部のトレッド部踏面から底部に延在する少なくとも一つの壁部の延在方向とトレッド部踏面に立てた法線とのなす角度が、30〜60°の範囲内にあることが好ましい。
この発明によれば、トレッドパターンの適正化を図ることにより、走行時の気柱共鳴音を低減しつつも、石噛み防止性能を向上した空気入りタイヤを提供することが可能となる。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。図3はこの発明に従う第一発明の空気入りタイヤ(以下「タイヤ」という。)のトレッド部の一部の展開図であり、図4はこの発明に従う第二発明のタイヤのトレッド部の一部の展開図であり、図6はこの発明に従う第三発明のタイヤのトレッド部の一部の展開図であり、図7及び8は、この発明に従うその他のタイヤのトレッド部の一部の展開図である。また、図5は、図4に示す気室部を幅方向に切断した際の断面図である。
第一発明のタイヤは、図3a及びbに示すように、トレッド部踏面6に、略タイヤ周方向に延びる周方向溝7と、かかる周方向溝7に開口し、周方向溝7と路面とで形成される管内の共鳴により発生する騒音を低減する共鳴器1とを具える。かかる共鳴器1は、周方向溝7から分岐して延びる枝溝部2及び、枝溝部2につながる気室部3を具え、気室部3の延在方向に直交する面内の断面積は、枝溝部2の延在方向に直交する面内の断面積よりも大きく、気室部3の深さは、トレッド部踏面6における気室部3の幅以下である。このようなタイヤは、共鳴器1を配設することで、気柱共鳴音を低減しつつも、気室部3の深さが、トレッド部踏面6における気室部3の幅以下であることから、タイヤ負荷転動時に、気室部3内に石又は砂利が入り込んでも、噛み込まれずに排出され易くなっており、また、石又は砂利を噛み込んでしまった場合であっても、石又は砂利がトレッド部踏面6から突出し易くなっていることから、タイヤ負荷転動時に、石がトレッド部踏面6から突出して、路面の凹凸と接触して引っかかることで気室部3からかき出されるので、共鳴器1の石噛み防止性能を有効に向上することが可能となる。なお、共鳴器1としての基本的な機能には影響しないことから、共鳴器1の枝溝部2は、図3aに示すように、トレッド部踏面6に開口していなくとも良く、また、図3bに示すように、トレッド部踏面6に開口していても良い。
また、第二発明のタイヤは、図4に示すように、トレッド部踏面6に、略タイヤ周方向に延びる周方向溝7と、かかる周方向溝7に開口し、周方向溝7と路面とで形成される管内の共鳴により発生する騒音を低減する共鳴器1とを具える。かかる共鳴器1は、周方向溝7から分岐して延びる枝溝部2及び、枝溝部2につながる気室部3を具え、気室部3の延在方向に直交する面内の断面積は、枝溝部2の延在方向に直交する面内の断面積よりも大きく、気室部3の幅が、トレッド部踏面6から気室部3の底部10に向かって漸減する。このようなタイヤは、気室部3の幅がトレッド部踏面から気室部3の底部10に向かって漸減していることから、石及び砂利が気室部3に噛み込まれても、タイヤ負荷転動時に、トレッド部踏面6と路面との摩擦により、気室部3がその長さ方向に倒れ込み変形することで、図5に示すように、気室部3の壁部8から石又は砂利9に圧縮応力Fがかかり、かかる圧縮応力Fが分力E、Gにより構成されていることから、石又は砂利9を気室部3から押し出す方向の分力Eが、石又は砂利9をタイヤ径方向内側から外側に押圧して、気室部3から押し出すので、共鳴器1の石噛み防止性能を有効に向上することが可能となる。
更に、第三発明のタイヤは、図6に示すように、第一発明及び第二発明を組み合わせた構成を具える。このようなタイヤは、第一発明及び第二発明の構成を併せ持っていることから、第一発明及び第二発明の効果を同時に兼ね備え、第一発明及び第二発明を単独で適用する場合よりも気室部1の石噛み防止性能を向上することが可能となる。なお、第一〜第三発明のタイヤは、摩耗が進行すると、周方向溝7の溝容積が減少して、そもそも気柱共鳴音が発生しにくくなることを鑑みると、トレッド部の摩耗初期において夫々の発明の効果を主に発揮するものである。
更にまた、第二発明又は第三発明において、気室部1の長さが、トレッド部踏面6から気室部3の底部10に向かって漸減することが好ましい。なぜなら、気室部3の長さが、トレッド部踏面6から気室部3の底部10に向かって漸減することで、気室部3の幅がトレッド部踏面6から気室部3の底部10に向かって漸減する効果と同様に、石又は砂利が気室部3に挟み込まれると、タイヤ負荷転動時に、気室部3の壁部8が気室部3の長さ方向に倒れ込み変形し、かかる壁部8からの圧縮押圧により、石又は砂利がタイヤ径方向内側から外側に押圧されて、気室部3から押し出されるので、共鳴器1の石噛み防止性能を向上することができる可能性があるからである。
加えて、図7及び8に示すように、第二発明又は第三発明において、気室部3は、タイヤ径方向に直交する面内の断面積が、トレッド部踏面6から気室部3の底部10に向かって漸減する錘状に形成されてなることが好ましい。なぜなら、気室部3が錘状となることで、石及び砂利が気室部3に噛み込まれにくくなり、石又は砂利が噛み込まれた場合にも、タイヤ負荷転動時に、気室部3の壁部8がいかなる方向に倒れ込み変形しても、壁部8からかかる圧縮応力が大きくなり、石又は砂利がタイヤ径方向内側から外側に押圧されて、気室部3から押し出されるので、共鳴器1の石噛み防止性能を向上することができる可能性があるからである。
加えてまた、第二発明又は第三発明において、図5に示すように、気室部3のトレッド部踏面6から底部10に延在する少なくとも一つの壁部8の延在方向11とトレッド部踏面に立てた法線12とのなす角度Xが、30〜60°の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは、30〜45°の範囲内にある。なぜなら、かかる壁部8の延在方向11と、トレッド部踏面に立てた法線12とのなす角度Xが30°よりも小さい場合には、角度Xが小さくなり過ぎて、そのことに伴い、タイヤ負荷転動時に、タイヤ径方向内側から外側へと石又は砂利を押圧する圧縮応力が小さくなり、石又は砂利が排出されにくくなる可能性があり、一方、かかる壁部8の延在方向11と、トレッド部踏面6に立てた法線12とのなす角度Xが60°を超える場合には、角度Xが大きくなり過ぎて、壁部8が路面に対して平行となるような形状に近づくので、石及び砂利が噛み込みしにくくなるものの、気室部3の体積を充分に確保することが困難となり、仮に充分な体積を確保することができたとしても、タイヤ摩耗最初期に気室部3が摩耗により消滅し、共鳴器1としての機能が損なわれる可能性があるからである。なお、一つの壁部8の延在方向11とトレッド部踏面6に立てた法線12とのなす角度が、上記範囲内にあるよりも、全ての壁部8の延在方向11とかかる法線12とのなす角度が、上記範囲内にある方が好ましい。その方が、石及び砂利が噛み込まれにくくなり、かつ、石及び砂利をタイヤ径方向内側から外側へと押圧する圧縮応力が大きくなるので、石又は砂利が気室部3から押し出されて、共鳴器1の石噛み防止性能を向上することができる可能性があるからである。
なお、上述したところはこの発明の実施形態の一部を示したに過ぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を交互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。
次に、共鳴器を具える従来のタイヤ(従来例タイヤ)及びこの発明のタイヤ(実施例タイヤ1〜5)を、タイヤサイズ225/55R17の乗用車用ラジアルタイヤとして、夫々試作し、性能評価を行ったので、以下に説明する。
従来例タイヤは、トレッド部踏面に4本の周方向溝及びかかる周方向溝に開口する従来の共鳴器を具えており、表1に示す諸元を有する。
また、実施例タイヤ1〜5は、トレッド部踏面に、4本の周方向溝及びかかる周方向溝に開口する種々の形状の共鳴器を夫々具えており、表1に示す諸元を有する。
Figure 2008201373
これら各供試タイヤをサイズ7.5J×17.0のリムに取付けてタイヤ車輪とし、空気圧:220kPa(相対圧)、タイヤ負荷荷重5.0kNを適用し、テスト用車両に装着した状態で各種試験に行い、その性能を評価した。
石噛み防止性能を評価する試験では、テスト用車両を、直径1〜10mm程度の石及び砂利を敷き詰めた一周約300mの未舗装路を600m走行させ、次いで、石及び砂利が路上に散在しておらず、直進路及びコーナリング路を含む舗装路を2000m走行させた後に、気室部内に噛み込まれた石及び砂利の個数を数え、従来例タイヤの気室部内の石及び砂利の個数を基準値として、指数化した。なお、数値が小さいほど、石噛み防止性能に優れていることを示している。石噛み防止性能の評価結果は、表2に示す。
静粛性を評価する試験では、テスト用車両を長い直線部分を含む周回路及び緩やかなカーブの多いハンドリング評価路等からなるテストコース内を、低速から時速100km/hまでの範囲の速度で走行させて、気柱共鳴音の聞こえ易さ及び気になり易さをプロのドライバーが10点満点で絶対評価した。なお、数値が大きいほど静粛性に優れていることを示しており、7点を超えている場合はドライバーにとって走行時に充分な静粛性が確保されていることを意味している。静粛性の評価結果は、表2に示す。
Figure 2008201373
表2の結果から明らかなように、実施例タイヤ1〜5は、気柱共鳴音を低減しつつも、従来例タイヤよりも石噛み防止性能が向上している。なお、特に実施例タイヤ4及び5における石噛み防止性能が顕著に向上している。
以上のことから明らかなように、共鳴器の形状の適正化を図ることにより、走行時の気柱共鳴音を低減しつつも、石噛み防止性能を向上した空気入りタイヤを提供することが可能となる。
ヘルムホルツタイプの共鳴器を模式的に示す図である。 段付きタイプの共鳴器を模式的に示す図である。 この発明に従うタイヤのトレッド部の一部の斜視図である。 この発明に従うタイヤのトレッド部の一部の斜視図である。 図4に示す気室部及びその近傍の気室部の幅方向断面図である。 この発明に従うその他のタイヤのトレッド部の一部の斜視図である。 この発明に従うその他のタイヤのトレッド部の一部の斜視図である。 この発明に従うその他のタイヤのトレッド部の一部の斜視図である。
符号の説明
1 共鳴器
2 枝溝部
3 気室部
4 第1管路
5 第2管路
6 トレッド部踏面
7 周方向溝
8 気室部の壁部
9 石又は砂利
10 気室部の底部
11 気室部の壁部の延在方向
12 トレッド部踏面に立てた法線

Claims (6)

  1. トレッド部踏面に、略タイヤ周方向に延びる周方向溝と、該周方向溝に開口し、該周方向溝と路面とで形成される管内の共鳴により発生する騒音を低減する共鳴器とを具える空気入りタイヤにおいて、
    該共鳴器は、該周方向溝から分岐して延びる枝溝部及び、該枝溝部につながる気室部を具え、
    該気室部の延在方向に直交する面内の断面積は、該枝溝部の延在方向に直交する面内の断面積よりも大きく、
    該気室部の深さは、トレッド部踏面における該気室部の幅以下であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. トレッド部踏面に、略タイヤ周方向に延びる周方向溝と、該周方向溝に開口し、該周方向溝と路面とで形成される管内の共鳴により発生する騒音を低減する共鳴器とを具える空気入りタイヤにおいて、
    該共鳴器は、該周方向溝から分岐して延びる枝溝部及び、該枝溝部につながる気室部を具え、
    該気室部の延在方向に直交する面内の断面積は、該枝溝部の延在方向に直交する面内の断面積よりも大きく、
    該気室部の幅が、トレッド部踏面から底部に向かって漸減することを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. トレッド部踏面に、略タイヤ周方向に延びる周方向溝と、該周方向溝に開口し、該周方向溝と路面とで形成される管内の共鳴により発生する騒音を低減する共鳴器とを具える空気入りタイヤにおいて、
    該共鳴器は、該周方向溝から分岐して延びる枝溝部及び、該枝溝部につながる気室部を具え、
    該気室部の延在方向に直交する面内の断面積は、該枝溝部の延在方向に直交する面内の断面積よりも大きく、
    該気室部の深さは、トレッド部踏面における該気室部の幅以下であり、
    該気室部の幅が、トレッド部踏面から底部に向かって漸減することを特徴とする空気入りタイヤ。
  4. 前記気室部の長さが、トレッド部踏面から該気室部の底部に向かって漸減する、請求項2又は3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記気室部は、タイヤ径方向に直交する面内の断面積が、トレッド部踏面から気室部の底部に向かって漸減する錐状に形成されてなる、請求項2〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記気室部のトレッド部踏面から底部に延在する少なくとも一つの壁部の延在方向とトレッド部踏面に立てた法線とのなす角度が、30〜60°の範囲内にある、請求項2〜5のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
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