JP2008201244A - 車両の人員拘束システム用インフレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】構造が簡単で組立も容易なインフレータの提供。
【解決手段】インフレータハウジング12と、ガス排出孔22a、22bを有するディフューザ20と、ガス出口44を有するガス排出路部材40を有しており、ガス排出路部材が、ガス排出孔22aと連通されたガス導入孔46と、ガス排出孔22bと連通されたピン導入孔52を有しており、ディフューザとガス排出路部材が固定ピン54で固定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車輌に搭載されるエアバッグ用インフレータや歩行者保護装置に使用される人員拘束システム用インフレータに関する。
自動車輌の人員拘束装置には、運転席や助手席のエアバッグ装置、側面衝突用エアバッグ装置、カーテンエアバッグ装置、ニーボルスター装置、インフレータブルシートベルト装置等のほか、歩行者保護のため、車両外部に取り付けられる装置がある。これらの装置を駆動させるインフレータは、エアバッグ等の拘束装置との接続のために別体の接続部材を用いる場合があるが、この接続部材は、できるだけ単純な構造で、簡単な工程で接続できるものが好ましい。
例えば側面衝突エアバッグやカーテンエアバッグ用のインフレータでは、車両の取り付けスペースの都合上、ハウジング全体を長尺状に形成し、その一端部にガス排出口が周方向に設けられた構造のものが知られており、そこから発生するガスは、接続チューブを経由して各種エアバッグに導入される。
このとき接続チューブとガス排出口との接続方法として、特許文献1のガス発生器がある。特許文献1には、ハウジング13の外周面に形成されたガス出口開口3に対して、シール17をその外側から取付け、更にその外側からシェル7、9が取り付けられたものである。シール17の内面には複数の突起19が形成され、この突起19がガス出口開口3に差し込まれてシールの固定が行われている。バッグへの流通管となるパイプライン5は、シール17に嵌め込まれ、シェル7、9が連結部材によって締結されることで、ハウジング13とパイプライン5が気密に維持されている。このようにインフレータとエアバッグを接続する部材が多数の部品から成り立っており、組立工程が煩雑になっている。
特開平11−255064号公報
本発明は、インフレータ本体と、インフレータから排出されるガス通路となる接続部材とが組み合わされた構造のインフレータであり、構造が簡単で組立も容易なインフレータを提供することを課題とする。
請求項1の発明は、課題の解決手段として、
ガス発生源が収容されたインフレータハウジングと、
前記インフレータハウジング内のガスを放出するための複数のガス排出孔を有するディフューザと、
前記ディフューザの外表面を覆って取り付けられた、ガス出口を有するガス排出路部材とを有する車両の人員拘束システム用インフレータであり、
前記ガス排出路部材が、前記ガス排出孔の少なくとも1つと連通されたガス導入孔と、少なくとも1つの他のガス排出孔と連通されたピン導入孔を有しており、
前記ディフューザと前記ガス排出路部材が、前記ガス排出孔と前記ピン導入孔の両方にに差し込まれた固定ピンで固定されている、車両の人員拘束システム用インフレータを提供する。
インフレータハウジング内のガスは、ディフューザのガス排出孔を通り、更にディフューザに取り付けられたガス排出路部材の内部通路を通って、ガス出口(エアバッグ等に連結される最終的なガスの排出口)から排出され、エアバッグを膨張させる。保管時や運搬時は、ディフューザからガス排出路部材は外されているが、その際、インフレータが誤作動を起こした場合の推力相殺の観点から、複数のガス排出孔は周方向に均等間隔をおいて形成されていることが好ましい。
ディフューザのガス排出孔の少なくとも1つは、ガス排出路部材のガス導入孔と繋がっており、ガスの排出経路となる。残りの少なくとも1つのガス排出孔とピン導入孔が繋がっており、これらのガス排出孔とピン導入孔に跨って固定ピンが差し込まれることで、ディフューザとガス排出路部材が接続・固定されている。複数のガス排出孔と同じ数のピン導入孔が繋がるようにして、それらに固定ピンが差し込まれて接続・固定されていてもよい。
固定ピンは、螺子のないボルト状のもの(孔に圧入する)、先端部に螺子を有し、ねじ込み可能なボルト状のもの(少なくともガス排出孔に対応する螺子を形成しておく)、棒状のもので、リベットのように、孔に差し込んだあとで孔から突き出した部分を叩き潰すもの等を用いることができる。
本発明では、ディフューザとガス排出路部材との接続が、固定ピンが差し込まれることのみで行われているため、接続部分の構造を簡略化することができ、接続作業も簡単である。
ガス発生源は、アルゴン、ヘリウム等の加圧ガス、燃焼により生じるガスを発生するガス発生剤、これらの組み合わせのいずれでもよい。ガス発生源として加圧ガスを用いた場合には、閉塞部材としての破裂板を破壊する手段(公知の点火器等)が収容され、ガス発生源としてガス発生剤を用いた場合には、公知の点火器が収容される。
ディフューザは、インフレータハウジングの一端部に接続されていてもよいし、軸方向の中央部等に接続されていてもよい。
請求項2の発明は、課題の他の解決手段として、前記ディフューザが、対向する位置に2つ形成された2つのガス排出孔を有するものである、請求項1記載の車両の人員拘束システム用インフレータを提供する。
2つのガス排出孔の一方がガス排出路部材のガス導入孔と連通され、他のガス排出孔がピン導入孔と連通されている。
請求項3の発明は、課題の他の解決手段として、
前記ディフューザが、3つ以上のガス排出孔を有しており、
前記ディフューザと前記ガス排出路部材との間には、円周方向に環状ガス通路が形成されており、
前記環状ガス通路が、固定ピンが差し込まれたガス排出孔を除く残りのガス排出孔を連通している、請求項1又は2記載の車両の人員拘束システム用インフレータを提供する。
3つ以上のガス排出孔の1つが直接ガス排出路部材のガス導入孔と連通され、他のガス排出孔の1つがピン導入孔と連通されている。そして、残りの1又は2以上のガス排出孔とガス導入孔と連通されたガス排出孔は、環状ガス通路により連通されている。あるいは、ピン導入孔と連通されたガス排出孔を除くガス排出孔の全てが直接ガス導入孔と連通しておらず、環状ガス通路を経由してガス導入孔と連通されているものでもよい。
よって、ピン導入孔と連通されたガス排出孔を除くガス排出孔から排出されたガスは、全てガス導入孔を通ってガス排出路部材に流入して、ガス出口から排出される。環状ガス通路の径は、ガス排出孔の径よりも大きくしておくことが好ましい。
このように環状ガス通路を設けることで、複数のガス排出孔からガスを排出することができるため、ガスの排出時間が短縮できる。
請求項4の発明は、課題の他の解決手段として、
前記ディフューザの外表面と前記ガス排出路部材の内表面が接触する面において、いずれか一方の面に周方向に連続した1又は2以上の環状溝が形成されており、前記環状溝にシール材が配置されている、請求項1〜3のいずれかに記載の車両の人員拘束システム用インフレータを提供する。
環状溝は、ディフューザの外表面とガス排出路部材の内表面の一方又は両方に形成されており、Oリング等のシール部材が嵌め込まれている。このようにすることで、ディフューザとガス排出路部材との接触面における気密性が高められ、ガス漏れが防止される。
請求項5の発明は、課題の他の解決手段として、
前記ディフューザのガス排出孔の径が、前記ガス排出孔と連通された前記ガス排出路部材のガス導入孔の径よりも小さい、請求項1〜4のいずれかに記載の車両の人員拘束システム用インフレータを提供する。
このような関係にすることで、ディフューザからガス排出路部材にガスが流れやすくなる。
請求項6の発明は、課題の他の解決手段として、
前記ディフューザの外表面には、周方向に連続した1又は2以上の凸状段差が形成され、外径の異なる2又は3以上の凸状面が形成されており、前記凸状面の外径が前記ディフューザの一端部から他端部にかけて大きくなるように設定されており、
前記ガス排出路部材の内表面には、周方向に連続した1又は2以上の凹状段差が形成され、内径の異なる2又は3以上の凹状面が形成されており、前記凹状面の内径が前記ガス排出路部材の一端部から他端部にかけて大きくなるように設定されており、
前記ディフューザと前記ガス排出路部材が、前記1又は2以上の凸状段差と前記1又は2以上の凹状段差が当接された状態で固定されている、請求項1〜5のいずれかに記載の車両の人員拘束システム用インフレータを提供する。
このようなディフューザとガス排出路部材を用いることにより、ガス排出路部材の最大内径側からディフューザの最小外径側を挿入することができるので、組立作業が容易になる。また、凸状段差と凹状段差を合わせるように挿入すればよいので、軸方向の位置決めが容易になるため、連通させるガス排出孔とガス導入孔の位置決めも容易になる。なお、Oリング等のシール部材は、2又は3以上の凸状面と2又は3以上の凹状面の一方又は両方に配置することができる。
本発明のインフレータでは、インフレータハウジングと一体化されたディフューザと、ディフューザから排出されるガスの排出経路を形成するガス排出路部材とが、固定ピンで接続・固定されているため、取付構造が簡単で、取付作業も容易である。
(1)図1のインフレータ
図1(a)は、インフレータの幅方向の断面図(点火器及び破裂板は表示していない)、図1(b)は、インフレータの軸方向の部分断面図である。図1のインフレータは、ガス発生源として加圧ガスを利用したカーテンエアバッグ用インフレータとして使用できる。
インフレータ10では、インフレータハウジング12は、一端側に開口部14を有し、他端側は閉塞(図示せず)されており、内部空間16には、アルゴン、ヘリウム、窒素等の不活性ガスからなる加圧ガスが充填されている。インフレータハウジング12は、幅方向の断面が円形であり、開口部14も同様である。
インフレータハウジング12の開口部14側には、ディフューザ20が接続されており、ディフューザ20の周面には、加圧ガスを外部に流出させるための2つのガス排出口22a、22bが対向する位置に形成されている。
インフレータハウジング12とディフューザ20は、溶接部26において溶接接合されているが、この接合については溶接以外のネジ締結手段を使用してもよい。
ディフューザ20内部には、空間16内部の加圧ガスを排出する加圧ガス流出経路18が形成されており、作動前には破裂板19で閉塞されている。よって、内部空間16は高圧の気密状態に維持されている。
ディフューザ20には、破裂板19の破壊手段として、点火薬を備えた点火器25が収容されている。この点火器25は、インフレータハウジング12と破裂板19が取り付けられたディフューザ20とを接続し、空間16にガスを充填した後に取り付けられ、ディフューザ20の一端開口部(図面左側の開口部)から破裂板19に向かう方向に嵌入され、嵌入後において、ディフューザ20の一端開口部に形成された周縁28をかしめて固定されている。そして、点火器25の着火薬を含んだ作動部25aを破裂板19に対向させるように配置している。破裂板19は、空間16に充填されたガスにより、作動部25aの方に椀状に変形している。
点火器25と破裂板19は、インフレータハウジング12の中心軸と同軸上に取り付けられ、点火器25の作動により発生する燃焼生成物(衝撃波、高温ガス、火炎など)で破裂板19が破壊され、内部空間16内に充填された加圧ガスが開放されて放出されることになる。
ディフューザ20の外表面には、ガス排出路部材40が取り付けられている。ガス排出路部材40は、ガス排出孔22aと直接通されたガス導入孔46を有し、ガス導入孔46の反対側にはガス出口44を有しており、ガス導入孔46とガス出口44の間はガス排出路42を有している。ガス導入口46の径Aは、ガス排出口22の径Bよりも大きくなっている。
ガス出口44がエアバッグのガス導入口に接続されるが、図1(b)に示しているように、必要に応じてガス出口44にチューブ状の導管48を取り付け、導管48をエアバッグに接続するようにしてもよい。
ガス排出路部材40は、ディフューザ20が嵌め込まれた貫通孔30を有しており、貫通孔30の内表面には、凹状段部32が形成されている。貫通孔30の内表面は、凹状段部32を境にして内径が異なっており、ガス出口44側の内径が小さく、残部の内径が大きくなっている。
ディフューザ20の外表面には、凹状段部32と対応するように、凸状段部50が形成されている。ディフューザ20の外表面は、凸状段部50を境にして外径が異なっており、周縁28側の外径が小さく、残部の径が大きくなっている。
ガス排出路部材40は、ガス導入口46と対向する位置にピン導入孔52を有している。ピン導入孔52とガス排出孔22bは、繋がって1つの孔を形成しており、前記の1つの孔に固定ピン54が差し込まれている。
固定ピン54は、先端部54aと拡張部54bを有しているもので、先端部54aの外径はガス排出孔22bの内径と同等か、内径よりもごく僅かに大きくなっており、固定ピン54の拡張部54bの外径は、ピン導入孔52の内径よりもわずかに小さくなっている。よって、固定ピン先端部54aがガス排出孔22bにきつく嵌め込まれ、ピン導入孔52内に固定ピン拡張部54bが位置していることにより、ディフューザ20とガス排出路部材40が接続・固定され、ガス排出路部材40が軸方向及び円周方向に移動しないようになっている。
ディフューザ20の外周面には、2つの環状の溝13a、13bが形成されている。この溝13a、13bは、ガス排出口22a、22bを両側から挟むような位置に、周方向に連続して形成されており、それらの中にOリング15a、15bがはめ込まれている。Oリング15a、15bにより、ディフューザ20とガス排出路部材40との接触面の気密性が高められている。
次に、ディフューザ20とガス排出路部材40の取付方法について説明する。ディフューザ20とガス排出路部材40を取り付けるときは、2つの環状の溝13a、13bにOリング15a、15bを嵌め込んだ状態で、ディフューザ20をガス排出路部材40の貫通孔30に挿入する。このとき、ディフューザ20の周縁28側(点火器25は取り付けられている)をガス出口44とは反対側の開口から挿入して行き、凹状段部32に凸状段部50が当たったところで挿入を停止する。その後、ガス排出孔22bとピン導入孔52に跨って固定ピン54を差し込んで、ディフューザ20とガス排出路部材40を接続・固定する。
なお、ディフューザ20へのガス排出路部材40の取り付けは、エアバッグにインフレータ10を接続する直前に行い、インフレータ10の運搬・保管時の段階では、ガス排出路部材40は取り付けていないことが好ましい。以下の各実施形態においても同様である。
図1のインフレータ10の動作は、次のとおりである。車輌が衝撃を受けた場合、衝撃センサ(図示せず)からの信号を受けて点火器25が作動し、点火薬が着火燃焼する。そして燃焼生成物によって破裂板19が破壊される。破裂板19の破壊によって流出経路18が開放され、内部空間16内の加圧ガスは、ガス排出路42を経てガス出口44(又は導入管48の出口)より排出され、エアバッグを膨張させる。
(2)図2のインフレータ
図2(a)は、インフレータの幅方向の断面図(点火器及び破裂板は表示していない)、図2(b)は、インフレータの軸方向の部分断面図である。図2のインフレータは、ガス発生源として加圧ガスを利用したカーテンエアバッグ用インフレータとして使用できる。
図2のインフレータ100は、図1のインフレータ10とは、ディフューザ20が有しているガス排出孔の数が異なるほかは同一のものである。インフレータ100は、ディフューザ20の周りに均等間隔で(45°の角度で)形成された8つのガス排出孔22a〜22hを有している。ガス排出孔22a〜22hの径は同じである。
図2(a)では、ガス排出孔22aのみがガス排出路部材40のガス導入孔46と連通され、ガス排出孔22eがピン導入孔52と連通され、固定ピン54が差し込まれている。ガス排出孔22a〜22hは均等間隔で配置されているので、対向するいずれか2つのガス排出孔同士を利用して、ガス導入孔46及びピン導入孔52と連通させることができる。なお、ガス排出孔22b〜22d、22f〜22hは、実質的にガス排出路部材40で閉じられている。
(3)図3のインフレータ
図3(a)は、インフレータの幅方向の断面図(点火器及び破裂板は表示していない)、図3(b)は、インフレータの軸方向の部分断面図である。図3のインフレータは、ガス発生源として加圧ガスを利用したカーテンエアバッグ用インフレータとして使用できる。
図3のインフレータ200は、図1のインフレータ10とは、ディフューザ20が有しているガス排出孔の数が異なることと、ガス排出孔を周方向に連通している環状通路60を有しているほかは同一のものである。
インフレータ200は、ディフューザ20の周りに均等間隔で(45°の角度)形成された8つのガス排出孔22a〜22hを有している。ガス排出孔22a〜22hの径は同じである。
図3では、ガス排出孔22aがガス排出路部材40のガス導入孔46と直接連通され、ガス排出孔22eがピン導入孔52と連通され、固定ピン54が差し込まれている。なお、図3(a)のように、固定ピン拡張部54bが環状通路60にまで嵌め込まれるようにして固定してもよい。
そして、固定ピン54が差し込まれたガス排出孔22eを除いた他のガス排出孔は、環状通路60で連通されている。環状通路60の環状断面積はガス排出口22a〜22hの総開口面積よりも大きくなっている。
ガス排出孔22a〜22hは、均等間隔で配置されているので、対向するいずれか2つのガス排出孔同士を利用して、ガス導入孔46及びピン導入孔52と連通させることができる。
作動の際、ガスは、ガス排出口22a〜22h(ただし、ガス排出孔22eを除く)から排出されるが、ガス排出孔22aを通ったガスは、直ちにガス導入孔46に流れ出てガス出口44から排出され、ガス排出孔22b〜22d、22f〜22hを通ったガスは、環状通路60を経て、ガス導入孔46に流れ出てガス出口44から排出される。
(4)図4のインフレータ
図4(a)は、インフレータの軸方向の部分断面図、図4(b)は(a)の部分拡大図である。図4のインフレータは、ガス発生源として加圧ガスを利用したカーテンエアバッグ用インフレータとして使用できる。
図4のインフレータ300は、図1のインフレータ10とは、ディフューザ20の外表面の形状とガス排出路部材40(貫通孔30)の内表面の形状が異なるほかは同一のものである。スクリーン70は、破裂板19の破片を捕捉する金網状のもので、必要に応じて取り付けることができる。
ガス排出路部材40の貫通孔30の内表面には、第1凹状段部32aと第2凹状段部32bが軸方向に離れた位置に形成されている。貫通孔30の内表面は、第1凹状段部32aと第2凹状段部32bを境にして内径が異なっており、ガス出口44側端部と第1凹状段部32aの間の内径が最も小さく、第2凹状段部32bと反対端部(インフレータハウジング12側)の内径が最も大きく、第1凹状段部32aと第2凹状段部32bの間の内径はそれらの間の大きさである。よって、ガス出口44から反対端部側に向かって、3段階で内径が大きくなっている。
ディフューザ20の外表面には、第1凹状段部32aと第2凹状段部32bと対応するように、第1凸状段部50aと第2凸状段部50bが形成されている。ディフューザ20の外表面は、第1凸状段部50aと第2凸状段部50bを境にして外径が異なっており、周縁28と第1凸状段部50aの間の外径が最も小さく、第2凸状段部50bと反対端部(インフレータハウジング12側)の外径が最も大きく、第1凸状段部50aと第2凸状段部50bの間の外径はそれらの間の大きさである。よって、周縁28から反対端部側に向かって、3段階で外径が大きくなっている。
次に、インフレータ300におけるディフューザ20とガス排出路部材40の取付方法について説明する。ディフューザ20とガス排出路部材40の取り付けるときは、2つの環状の溝13a、13bにOリング15a、15bを嵌め込んだ状態で、ディフューザ20をガス排出路部材40の貫通孔30に挿入する。このとき、ディフューザ20の周縁28側(点火器25は取り付けられている)をガス出口44とは反対側の開口から挿入して行き、第1凹状段部32aに第1凸状段部50aが当たり、同時に第2凹状段部32bに第2凸状段部50bが当たったところで、挿入を停止する。その後、ガス排出孔22bとピン導入孔52に跨って固定ピン54を差し込んで、ディフューザ20とガス排出路部材40を接続・固定する。この構造ではガス排出路部材40を挿入するとき、O−リング15aがガス排出路部材40の内周面と接触するが短いため、より組み立てやすい。
なお、上記図1〜図4で示す実施形態では、ディフューザがインフレータハウジングと別に形成されているインフレータを示したが、例えば、USP 5,573,271のように、ハウジングの一部にガス排出口が形成されている構造のインフレータでもよい。また、加圧ガスのみを使用するインフレータに対してガス排出路部材を固定する形態を説明したが、インフレータとしてハイブリッドインフレータ(加圧ガスと固形ガス発生剤を併用したもの)を使用する場合は、例えば、USP 5,230,531のような内部構造のもの、特開2003-011769号公報に記載の構造のものにすることもできる。また、固形ガス発生剤のみを使用したインフレータとしては、特開2005-178643号公報に開示の構造を使用できる。
(a)は本発明のインフレータの幅方向の断面図、(b)は本発明のインフレータの軸方向の部分断面図。 (a)は本発明のインフレータの幅方向の断面図、(b)は本発明のインフレータの軸方向の部分断面図。 (a)は本発明のインフレータの幅方向の断面図、(b)は本発明のインフレータの軸方向の部分断面図。 (a)は本発明のインフレータの軸方向の部分断面図、(b)は(a)の部分拡大図。
符号の説明
10、100、200、300 インフレータ
12 インフレータハウジング
20 ディフューザ
25 点火器
22a、22b ガス排出孔
40 ガス排出路部材
44 ガス出口
46 ガス導入孔
52 ピン導入孔
54 固定ピン54




Claims (6)

  1. ガス発生源が収容されたインフレータハウジングと、
    前記インフレータハウジング内のガスを放出するための複数のガス排出孔を有するディフューザと、
    前記ディフューザの外表面を覆って取り付けられた、ガス出口を有するガス排出路部材とを有する車両の人員拘束システム用インフレータであり、
    前記ガス排出路部材が、前記ガス排出孔の少なくとも1つと連通されたガス導入孔と、少なくとも1つの他のガス排出孔と連通されたピン導入孔を有しており、
    前記ディフューザと前記ガス排出路部材が、前記ガス排出孔と前記ピン導入孔の両方に差し込まれた固定ピンで固定されている、車両の人員拘束システム用インフレータ。
  2. 前記ディフューザが、対向する位置に2つ形成された2つのガス排出孔を有するものである、請求項1記載の車両の人員拘束システム用インフレータ。
  3. 前記ディフューザが、3つ以上のガス排出孔を有しており、
    前記ディフューザと前記ガス排出路部材との間には、円周方向に環状ガス通路が形成されており、
    前記環状ガス通路が、固定ピンが差し込まれたガス排出孔を除く残りのガス排出孔を連通している、請求項1又は2記載の車両の人員拘束システム用インフレータ。
  4. 前記ディフューザの外表面と前記ガス排出路部材の内表面が接触する面において、いずれか一方の面に周方向に連続した1又は2以上の環状溝が形成されており、前記環状溝にシール材が配置されている、請求項1〜3のいずれかに記載の車両の人員拘束システム用インフレータ。
  5. 前記ディフューザのガス排出孔の径が、前記ガス排出孔と連通された前記ガス排出路部材のガス導入孔の径よりも小さい、請求項1〜4のいずれかに記載の車両の人員拘束システム用インフレータ。
  6. 前記ディフューザの外表面には、周方向に連続した1又は2以上の凸状段差が形成され、外径の異なる2又は3以上の凸状面が形成されており、前記凸状面の外径が前記ディフューザの一端部から他端部にかけて大きくなるように設定されており、
    前記ガス排出路部材の内表面には、周方向に連続した1又は2以上の凹状段差が形成され、内径の異なる2又は3以上の凹状面が形成されており、前記凹状面の内径が前記ガス排出路部材の一端部から他端部にかけて大きくなるように設定されており、
    前記ディフューザと前記ガス排出路部材が、前記1又は2以上の凸状段差と前記1又は2以上の凹状段差が当接された状態で固定されている、請求項1〜5のいずれかに記載の車両の人員拘束システム用インフレータ。



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