JP2008201073A - 化粧材補修方法及びその化粧材補修方法により補修がなされて製造された化粧材並びに化粧材補修装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】化粧材の表面を撮像する撮像ステップS100と、撮像して得られた画像デー33bタと模様データ32aとを比較して不良箇所を特定する不良箇所特定ステップS101と、特定された不良箇所に施されるべき模様と塗装厚とを基準データに基づいて決定して、補修データを生成する補修データ生成ステップS103と、補修データに基づいて特定された不良箇所にインクジェット塗装を行う塗装ステップS104とを備えている。
【選択図】図1
Description
このような木質材は、表面の木目模様等の美しさから天然の木質材が多く用いられているが、天然の木質材には、その表面に入皮、節、ヤニ壺、シミ等の欠陥が木質材の生育中や加工時に発生することがある。
この欠陥補修装置は、被補修材の表面を撮像するライン型CCDカメラと、被補修材の欠陥部に補修剤(木質材の基材色に対応する色彩の塗料や漂白剤)を塗布するインクジェット式プリンタと、CCDカメラからの撮像データに基づき、インクの噴射を制御する制御ユニットとを備えている。
前記構成とされた欠陥補修装置は、CCDカメラで被補修材の表面を撮像して濃淡を示す撮像データを生成して制御ユニットで欠陥の有無を判定するとともに、その位置、形状、明度分布等を識別する態様とされている。
これにより、必要以上に補修剤を塗布して木質材表面の正常部位との間に違和感を与えたりすることが防止され、自然な状態を保ちながら補修できるとされている。
このような化粧材においては、表面に印刷された木目模様などに傷や汚れ、印刷ミス等の不良箇所が生じると、基材表面や基材表面に施された下地等が露出してしまい外観上好ましくなく、商品としての価値が低下してしまう。
ここに、前記不良箇所には、模様の塗装の一部が剥がれて下地が露出された傷が少なくとも含まれる。
また、インクジェット塗装により前記不良箇所に塗装を行うので、小さい不良箇所も高精度で補修できる。さらに、インクジェット塗装は、従来のペイント塗装などと比べて制御が容易であるので、不良箇所以外へのインクの塗布も制御でき、インクの無駄が生じないため、低コストで化粧材表面の補修が行える。
図1〜図6は、本発明に係る化粧材補修方法及びその化粧材補修方法により補修がなされて製造された化粧材並びに化粧材補修装置の実施形態の一例を示し、図1は、同実施形態に係る化粧材補修方法の一例を示すフローチャート、図2は、同実施形態に係る化粧材補修方法を実行する化粧材補修装置の一例を示すブロック図、図3は、同実施形態に係る化粧材補修装置による化粧材補修方法の工程を説明するための概略平面図、図4は、同実施形態に係る化粧材補修方法により補修される化粧材を示し、(a)は、同実施形態で補修される前の化粧材の概略平面図、(b)は概略断面図、図5は、同実施形態で補修された後の化粧材を示し、(a)は、同実施形態で補修される前の化粧材の概略平面図、(b)は概略断面図、図6は、同実施形態に係る化粧材補修方法により補修された化粧材を示す概略断面図である。
なお、図4、図5では、不良箇所13a及び補修箇所(補修層)13bを二点鎖線で表しており、図4では、木目模様層13が剥がれ、インク受理層12が露出して不良箇所13aが生じた例を示している。
また、各基材の表面に前記したインク受理層以外の下地層などを施したり、基材表面隠蔽処理をしたりして表面処理を施した後に、インクジェット塗装装置により模様層を形成するものであってもよい。
さらに、模様データは、天然銘木を撮影して得たものや人工的に作成した擬似木目等の木目模様に限らず、他の絵柄模様等であってもよい。
すなわち、予め記憶された模様データ32aに基づいて模様が施された化粧材10の表面を撮像する(ステップ100)。次いで、撮像して得られた化粧材10の表面の撮像画像データ33bと、基準データ32Aに含まれる模様データ32aとを比較して不良箇所13aを特定する(ステップ101)。不良箇所は、パターンマッチングなどの画像処理方法により模様パターンの欠落が抽出されて特定される。
図例の化粧材補修装置Aは、不良品としてベルトコンベアなどの搬送手段(不図示)により搬送されてきた不良箇所13aがある化粧材10を載置する基台20と、化粧材10の表面を撮像する撮像手段を構成するCCDカラーラインセンサユニット21と、不良箇所13aに塗装を行うインクジェット塗装噴射ユニット25と、これら各ユニットの駆動制御、模様データ32a等の記憶、不良箇所13aの特定、補修データ33cの生成等を行う制御ユニット30とを有している。
撮像部24は、CCDカラーラインセンサ24a、化粧材10の表面をCCDカラーラインセンサ24aの撮像部位に応じて均一に照射するLEDあるいはラインガイドなどからなる光源24b、レンズやミラーなどの光学系(不図示)を備えている。
また、撮像部24は、サーボモータやステッピングモータなどの撮像部駆動手段22aにより、ライン毎の撮像ピッチに応じて、化粧材10の表面全体の撮像が可能なように駆動制御がなされる。
なお、撮像手段としては、CCDカラーラインセンサユニット21に限られず、化粧材の表面全体を撮像し、撮像画像データを得られるものであればどのようなものでもよく、例えば、CCDエリアセンサ、CISセンサ、3CCDカラーラインセンサ、CCDモノクロラインセンサ、TDIカラーラインセンサなどを適用してもよい。
ノズルヘッド案内棹28は、基台20を挟んで装置本体26に対して対向配置された案内棹支持部27と、装置本体26とにより支持されている。
ノズルヘッド29は、ノズルヘッド案内棹28に沿って、白抜矢印X方向に移動可能に構成されており、裏面には、不良箇所13aに塗装するための複数のインクを噴射する複数の噴射ノズル(不図示)を有している。また、後述するように、不良箇所13aに対して白地のインク受理層12を形成するためのインク受理層用溶液を噴射する噴射ノズルが備えられている。
ノズルヘッド29の移動は、ノズルヘッド駆動手段26aによりなされ、後述する不良箇所13aに応じて細かい制御がなされる。
すなわち、ノズルヘッド29は、ノズルヘッド駆動手段26a及びノズルヘッド案内棹28により、化粧材10に対してX−Y方向に駆動制御がなされる。
なお、噴射ノズルからインクを噴射するためのインクジェットのノズル駆動方式は、特に限定されず、適宜公知のものが選択可能であり、ドロップオンデマンドピエゾ方式、ドロップオンデマンドバルブ方式、コンティニュアス帯電偏向方式など任意のものが適用可能である。
特に、模様パターンの塗装厚を再現すべくインクジェットにより重ね塗装を行うようにするためには、速乾性インク、UV硬化インクなどを使用して、効率のよいインク噴射を行うことが望ましい。
さらに、本実施形態のように、白地のインク受理層12が形成されている場合は、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン等のインクが適用されるが、インク受理層の色が異なる場合やインク受理層を形成する必要がない基材の場合は、そのインク受理層の色や基材の表面色に応じて、適宜インクカラーの選択が可能である。
まず、CCDカラーラインセンサユニット21を駆動して基台20の上に載置された化粧材10の表面を撮像する。
この際、前記したように撮像部24は、化粧材10に対してY方向に移動走査し、順次ライン毎に撮像して化粧材10の表面全体を撮像する。撮像された画像はA/D変換部22aでデジタル画像に変換され、撮像画像データ33bとしてメモリ33に格納される。
ここで、模様データ33aと撮像画像データ33bとの比較は、公知の画像処理技術の適用が可能である。例えば、パターンマッチングにより模様データ33aと撮像画像データ33bとの位置合わせを行った上で、それらの差分を算出して、その差分結果が一定値(閾値)以上、あるいは一定値(閾値)以下の箇所を不良箇所として抽出し特定するようにしてもよい。
例えば、カラー濃淡処理により画素毎にRGBの濃淡がそれぞれ256階調の輝度値で現され、模様データ33aの輝度値と、撮像画像データ33bの輝度値とを比較することにより行うようにしてもよい。その場合、詳述は省略するが、データの対応する部分における輝度値の平均値、標準偏差、最大値や最小値を計算し、濃淡の比較を行って不良箇所13aを抽出するようにしてもよい。
以上のように、不良箇所13aは、撮像画像データ33bを少なくとも基準データ32Aに含まれる模様データ32aと比較して特定されるが、撮像画像データ33bが3次元情報を含んでいる場合には、基準データ32Aに含まれる塗装厚データ32bを加味して不良箇所13aを抽出するようにしてもよい。
この塗装厚データ32bは、模様データ32aの模様位置毎に対応したものが記憶されており、例えば図4に示すように、木目に沿って所定間隔毎に木目を切断する仮想切断線Lを想定して、その仮想切断線Lを所定単位に細分化した塗装厚をひも付けるように記憶すればよい。
したがって、補修データ33cは1つの不良箇所13aに対応して、模様データと塗装厚データとの組み合わせよりなるが、前記のように座標等により定まる所定単位毎に塗装厚を定めるとすれば、1つの不良箇所13aに対して、複数の塗装厚データがひも付けられる。
また、補修データ33cの模様データには、特定された不良箇所13aの模様パターン、位置や形状、画素毎の明度、彩度、色相などの情報、補修に使用するインクカラーの組み合わせが含まれる。
なお、不良箇所13aがインク受理層12の露出以外による場合は、補修データ33cには、インク受理層12を形成するための情報がさらに含まれる。
この際、前記したように、不良箇所13aがインク受理層12の露出以外による場合は、インク受理層12を形成した後に、さらに、木目模様層13を形成するためのインクを噴射して塗装を行う。
この重ね噴射の回数は、補修データ33cに含まれる塗装厚データによって定まる。例えば、1回の噴射により形成できる塗装厚を予め定義、記憶しておき、不良箇所13a毎に、あるいは所定単位毎に、塗装厚/1回の噴射厚で塗装回数を算出して、その回数分インク噴射を行うようにすればよい。
液滴量を異ならせる方式としては、種々の液滴量に対応した複数の噴射ノズルを設けてもよいし、同一位置での噴射時間の長さを可変させるようにインクジェット塗装噴射ユニット25を制御してもよい。
もちろん、模様パターンそのものについても、施されるべき模様、すなわち図例では、木目模様や導管模様に合った色、濃淡で塗装がなされるので、自然な外観を損なうことなく意匠性に優れた化粧材10となる。つまり、不良箇所13aには、施されるべき模様が補修データ33cに基づき補修層13bが形成されるので、高精度で補修を行うことができる。
このように、不良箇所13aへの塗装の後に、保護層14を形成することで、化粧材10の表面が保護され傷等が生じることを低減できる。
なお、保護層14は、化粧材補修装置Aにより形成されてもよいし、別工程として形成されてもよい。
また、保護層14を別途、形成することなく、化粧材の表面に模様を塗装する際及び前記した補修の際に噴射するインクに、耐候性のあるアクリル系、メタクリル系、ウレタン系、フッ素系等の樹脂を含有させて、塗装による模様層が保護層を兼ねるようにしてもよい。
特に、本実施形態の化粧材10のように表面に木目模様層13が形成された化粧材10の天然木調の自然な凹凸感を有した外観を阻害することなく、補修が可能となる。
特に、インクジェット塗装噴射ユニット25により不良箇所13aに塗装を行う構成であるため、重ね塗装や、液滴量を異ならせた塗装が容易に行え、そのような塗装により、凹凸を有した模様に対して、精度が高く、効率のよい補修が実現できる。
さらに、本実施形態では、化粧材補修装置Aが化粧材製造ラインの一部をなし、前記したように模様が施された化粧材10の不良品選別後の下流側に位置しているので、化粧材製造ライン内の補修ライン上で補修が可能となり、生産性が向上する。
さらに、インクジェット塗装装置で木目模様層13を形成する際に使用する模様データ32aと塗装厚データ32bとを、補修の際の補修データとして使用することができるので、容易かつ確実に補修を行える。
また、本実施形態では、1つの基台20にて、CCDカラーラインセンサユニット21による化粧材10の撮像、インクジェット塗装噴射ユニット25による不良箇所13aへの塗装を行っているが、各工程を複数の基台にわたって、搬送して行う態様としてもよい。
同実施形態は、特定した不良箇所13aの(傷などの)深さを計測して、計測した深さに応じて高精度の補修をできるようにしたものである。
すなわち、同実施形態の化粧材補修方法においては、不良箇所13aの深さを計測するステップ(S202)と、インク受理層12までをも削り取られた傷に対して実行すべき下地塗装ステップ(S204)とをさらに含んでいる。つまり、本実施形態では、化粧材10の表面の撮像(S200)、撮像画像データと記憶された模様データとの比較による不良箇所13aの特定(S201)、不良箇所13aの深さの計測(S202)、補修データの生成(S203)、下地塗装(S204)、補修データに基づくインクジェット塗装(S205)、保護層形成(S206)を順次実行する。
なお、距離センサに代えて変位センサを使用してもよい。
また、インク受理層12の厚さを定義した下地厚データ32cを予め記憶しておき、計測した傷の深さがインク受理層12まで達していると判断した不良箇所13aに対しては、インク受理層用のデータ(インク色、厚)を含ませるように補修データを生成し、インク受理層12を再形成する下地塗装を実行する。
なお、化粧材10表面の凹みなど、模様が残存した不良箇所13aを検出するために、図1に示した画像処理に加えて、光の表面反射などを利用してもよい。
なお、図9(c)は、補修がなされた模様層13の上に保護層14を形成したものを示している。
11 基材
12 インク受理層
13 模様層
13a 不良箇所
13b 補修箇所、補修層
14 保護層
21 CCDカラーラインセンサユニット(撮像手段)
25 インクジェット塗装噴射ユニット(インクジェット塗装噴射手段)
30 制御ユニット(不良箇所特定手段、補修データ生成手段)
32A 基準データ
32a 模様データ
32b 塗装厚データ
33b 撮像画像データ(撮像データ)
33c 補修データ
A 化粧材補修装置
Claims (7)
- 予め記憶された基準データに基づいて基材表面に凹凸を有した模様が施された化粧材の不良箇所を補修する化粧材補修方法であって、
前記基準データは、模様データと、模様の位置に対応した塗装厚データとを有しており、
化粧材の表面を撮像する撮像ステップと、撮像して得られた撮像データと前記模様データとを比較して不良箇所を特定する不良箇所特定ステップと、前記特定された不良箇所に施されるべき模様と塗装厚とを前記基準データに基づいて決定して、補修データを生成する補修データ生成ステップと、該補修データに基づいて前記特定された不良箇所にインクジェット塗装を行う塗装ステップとを備えたことを特徴とする化粧材補修方法。 - 請求項1において、
前記塗装ステップは、前記補修データで指定された塗装厚に応じて、インクの液滴量を異ならせている化粧材補修装置。 - 請求項1または2において、
前記塗装ステップは、前記補修データで指定された塗装厚に応じて、塗装回数を異ならせている化粧材補修装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項において、
前記模様は、木目模様である化粧材補修方法。 - 請求項1〜4のいずれか1項において、
前記塗装ステップの後に、さらに保護層を表面に形成する保護層形成ステップを備えた化粧材補修方法。 - 基材の表面に凹凸を有した模様が施された模様に不良箇所がある化粧材に、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化粧材補修方法により、補修がなされて製造された化粧材。
- 記憶手段に予め記憶された基準データに基づいて基材の表面に凹凸を有した模様が施された化粧材の不良箇所を補修する化粧材補修装置であって、
前記基準データは、模様データと、前記模様の位置に対応した塗装厚データとを有しており、
化粧材の表面を撮像する撮像手段と、撮像して得られた撮像データと前記模様データとを比較して不良箇所を特定する不良箇所特定手段と、前記特定された不良箇所に施されるべき模様と塗装厚とを前記基準データに基づいて決定して、補修データを生成する補修データ生成手段と、該補修データに基づいて前記特定された不良箇所にインクを噴射するインクジェット塗装噴射手段とを備えたことを特徴とする化粧材補修装置。
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