JP2001071483A - 化粧シート，化粧板の製造システムおよび製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 象眼模様のような複雑な模様を，インクの滲
みがなく鮮明な象眼模様を容易に作成することができ，
かつ熟練を必要とせず容易に製造できる化粧シート，化
粧板の製造システム及び製造方法を提供する。 【解決手段】 印刷紙５にインクジェット印刷により象
眼模様層２を形成してパターン紙６とし，未硬化樹脂を
含浸硬化させて化粧シート７を製造するための製造シス
テムである。インクジェット印刷のための画像データを
格納するための記憶部，記憶部の画像データを基にイン
クジェット印刷装置を制御する制御部，画像データの入
力部，及びインクジェット印刷装置を備えてなり，予め
インクジェット印刷のための画像データを入力部を介し
て記憶部に格納し，格納された画像データに基づいて制
御部にてインクジェット印刷装置を制御して象眼模様層
２を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【技術分野】本発明は，木工品の表面装飾をするための
象眼模様などの特殊な模様を持った化粧シート，化粧板
の製造システムおよび製造方法に関する。

【０００２】

【従来技術】高級家具，ドアなどの木工品に材種と色調
が異なる銘木や貝殻を埋め込んだ象眼模様細工が伝統的
に行われている。象眼模様は，木工品の素地とは異なる
色の所望形状の小片を木工品に嵌め込んで形成される。

【０００３】

【解決しようとする課題】しかしながら，象眼模様細工
を行うには，熟練者による熟練した技術が必要であり，
また加工に手間がかかり，高価格に成らざるを得ない。

【０００４】本発明はかかる従来の問題点に鑑み，イン
クジェット印刷により低価格で象眼模様のような特殊な
模様をもった化粧シート，化粧板を製造するシステムを
提供しようとするものである。

【０００５】

【課題の解決手段】本発明は，請求項１の発明のよう
に，印刷紙にインクジェット印刷により印刷層を形成し
てパターン紙とし，その後このパターン紙に未硬化樹脂
を含浸させてこれを硬化する化粧シートを製造するため
の製造システムであって，インクジェット印刷のための
画像データを格納するための記憶部，前記記憶部の画像
データを基にインクジェット印刷装置を制御する制御
部，前記画像データの入力部，及びインクジェット印刷
装置を備えてなり，予めインクジェット印刷のための画
像データを入力部を介して記憶部に格納し，前記格納さ
れた画像データに基づいて制御部にてインクジェット印
刷装置を制御して前記印刷層を形成することを特徴とす
る化粧シートの製造システムである。

【０００６】また，請求項５の発明は，印刷紙にインク
ジェット印刷により印刷層を形成してパターン紙とし，
その後，このパターン紙に未硬化樹脂を含浸させてこれ
を硬化する化粧シートの製造方法であって，インクジェ
ット印刷のための画像データを格納するための記憶部，
前記記憶部の画像データを基にインクジェット印刷装置
を制御する制御部，前記画像データの入力部，及びイン
クジェット印刷装置を備えてなり，予めインクジェット
印刷のための画像データを入力部を介して記憶部に格納
し，前記格納された画像データに基づいて制御部にてイ
ンクジェット印刷装置を制御して印刷層を形成すること
を特徴とする化粧シートの製造方法である。

【０００７】これらの発明は，インクジェット印刷によ
って象眼模様のような鮮明な模様を形成できる。また，
予めインクジェット印刷のための画像データを入力部を
介して記憶部に格納し，格納された画像データに基づい
て制御部にてインクジェット印刷装置を制御して印刷層
を形成するため，象眼模様のような特殊な模様を誰でも
画像データとして簡単に造ることができ熟練が不要にな
る。このため，極めて低価格，短納期で複雑な模様を持
った化粧シートを製造することを可能にするのである。

【０００８】また，インクジェット印刷では，画像デー
タに基づきインクノズルのインク噴射量，噴射方向等を
制御してインク噴射を行う。そのため，画像データの変
更により種々の象眼模様を形成できる。また，印刷原版
を予め準備する必要はないため，一品製作を容易に行う
ことができる。

【０００９】インクジェット印刷のための画像データ
は，マウス，デジタイザー，キーボード，スキャナー，
ＣＣＤカメラなどを入力部として取り込むことができ
る。また，記憶部，制御部は市販のパーソナルコンピュ
ータを使用することができる。

【００１０】上記画像データは，スキャナーにより読み
込むことが好ましい。これにより，画像データの読取り
を容易に行うことができる。そのため，オーダーメイド
の象眼模様を有する化粧シートを安価にすばやく製造で
きる。

【００１１】印刷紙とは，インクジェット印刷が可能な
紙をいい，チタン紙やクラフト紙などを印刷紙として使
用することができる。上記象眼模様は，台紙上に描かれ
たものであることであることが好ましい。これにより，
スキャナ，ＣＣＤカメラなどの読込手段により容易に読
取ることができる。

【００１２】上記画像データは，例えば，象眼模様であ
ることが好ましい。象眼模様とは，所望形状の小片を木
工品に嵌め込んで形成された嵌め込み模様である。本発
明によれば，輪郭線が鮮明に見え実物の木工象眼模様に
近い雰囲気の印刷象眼模様を形成できる。上記画像デー
タは，象眼模様を読込手段により読み込み画像データと
したものであることが好ましい。これにより，実物感の
ある象眼模様を作成することができる。

【００１３】上記画像データは，コンピュータデザイン
により作成したデータであることが好ましい。これによ
り，創造性の高い意匠模様を形成できる。

【００１４】インクジェット印刷を行う際には，マスキ
ング型板を用いることが好ましい。これにより，象眼模
様の輪郭線を鮮明に描くことができ，象眼模様特有の風
合いをもたせることができる。マスキング型板は，ＰＥ
Ｔ（ポリエチレンテレフタレート）樹脂フィルム，紙な
どから作成することができる。

【００１５】インクジェット印刷は，インクジェット印
刷装置が画像データに基づきインクの色の選択，噴射
量，噴射方向などを制御して行う。インクジェット印刷
による印刷層は一色でも多色でもよい。また，印刷層
は，複数の色のドットの集合を組合わせて構成されてい
てもよい。この場合には，複数色の模様が形成される。
６色印刷も可能である。インクの色は，どの色でも構わ
ないが，赤，青，黄，黒のほか，ライトシアン，ライト
マゼンダ，オレンジ，グリーンといった補色も用いるこ
とができる。

【００１６】本発明では，インクジェット印刷の後に
は，パターン層を構成する紙に樹脂を含浸するが，樹脂
含浸のために，インクジェットの出力画像解像度の調整
を行うことが望ましい。インクジェットの出力画像解像
度は，１５０〜１０００ｄｐｉが好ましい。出力画像解
像度が１５０ｄｐｉ未満の場合には解像度が低下し印刷
原稿の再現性が低下するおそれがある。１０００ｄｐｉ
を超える場合には，インクが障壁となって，印刷された
紙への樹脂含浸性が低下し，印刷層が剥離するおそれが
ある。

【００１７】さらには，インクジェットの出力画像解像
度は，１５０〜５００ｄｐｉが望ましい。これにより，
模様の原稿（オリジナル）の再現性に優れ，化粧板とし
て優れた製品を得ることができる。一方，出力画像解像
度が１５０ｄｐｉ未満の場合には解像度が低下し印刷原
稿の再現性が低下するおそれがある。５００ｄｐｉを超
える場合には，インクが障壁となって，印刷された紙へ
の樹脂含浸性が低下し，印刷層が剥離しやすくなるおそ
れがある。

【００１８】請求項９または１１の発明のように，上記
インクジェット印刷に用いられるインクは，水性顔料イ
ンクからなることが好ましい。これにより，印刷したイ
ンクの滲みが少なく，鮮明な模様を形成することができ
る。また，模様の耐候性及び耐熱性が向上する。水性顔
料インクは，例えば，顔料，セルロース化合物，バイン
ダーを含有している。インクジェットプリンタ用のイン
クは，熱発泡または振動によりインクが弾けて紙に沈着
する。

【００１９】請求項１３または１５の発明のように，上
記インクジェット印刷に用いられるインクは，溶剤系顔
料インクからなることが好ましい。これにより，樹脂透
過性のよい紙に印刷した場合にも，インクジェット印刷
用専用紙に印刷した場合と同様の色調を発現することが
できる。また，溶剤系顔料インクにより形成された印刷
層は，耐熱性，煮沸による耐剥離性などの物性を十分満
足している。さらに，溶剤系顔料インクは，すばやく乾
燥するため，乾燥に伴う紙の皺発生を抑制できる。

【００２０】本発明において，インクジェット印刷によ
り形成された印刷層は，円形のドットの集合群から構成
されている。そのため，円形のドットを互いに重ねるこ
となく分散配置した場合に限らず，円形のドットを密集
させて配置した場合にも，ドット間には，隙間が形成さ
れる。それゆえ，隙間を通じて樹脂が紙に均一に含浸す
ることになる。ゆえに，樹脂含浸紙に対する印刷層の密
着性を高くすることができる。

【００２１】各ドットの径は平均径に対して±５０％の
範囲内にあり，ドットの大きさに大差はない。このた
め，ドット間に均一な隙間が形成され，印刷層にはほぼ
均一な隙間が分布することになる。この隙間から，樹脂
が紙に含浸するため，パターン層には，局部的な樹脂未
含浸部が生じない。ゆえに，印刷層が樹脂含浸紙に強固
に密着し，煮沸試験などで剥離が発生することはない。
また，大きなドットによりオーバーレイ層との密着性が
低下することもなく，タバコの火などでオーバーレイ層
が剥離することもない。一方，ドットの平均径に対して
±５０％の範囲を逸脱する径を持つドットが存在する場
合には，ドット間の隙間が偏在し，印刷層の樹脂含浸紙
への密着性が低下するおそれがある。

【００２２】平均径とは平均直径をいい，たとえばＫＥ
ＹＥＮＣＥ社製のマイクロスコープ（ＶＨ−７０００）
で５０倍〜１００倍の拡大率で印刷面の画像を撮影し
て，ドットの長径と短径を測定し，その平均をドットの
径とする。画像中のすべてのドットの径を平均して平均
径として定義する。ばらつきは，画像内で最大の径のド
ットと最小の径のドットを選び，それらの直径が平均直
径の何％であるかを計算した。ところで，ドットの大き
さの調整は，インクジェットプリンタの場合はノズルの
径に依存し，グラビア印刷の場合は印刷版のエッチング
面積に依存する。

【００２３】ドットが円である場合には，ドットの径と
は，ドットの直径をいい，円ではない場合には，ドット
の径とは，１つのドットの最大径と最小径との平均をい
う。ドットの平均径とは，印刷層を構成するドットの集
合群の中の，すべてのドットの径を加算してドット数で
除した値をいう。

【００２４】さらには，印刷層を構成するインクのドッ
トの大きさは，ほぼ同一であることが好ましい。ドット
の集合群の中におけるドットの大きさの差は，±２０％
の範囲内にあることが好ましい。２０％を超える場合に
は，樹脂の含浸ムラが生じ，印刷層の耐久性が低下する
おそれがある。

【００２５】印刷層を構成するインクのドットは，平均
直径１μｍ〜５００μｍの大きさであることが好まし
い。１μｍ未満の場合には，インクが紙に沈着しないお
それがある。５００μｍを超える場合には，ドットの集
合より構成される模様（印刷層）が粗くなり見栄えが劣
るおそれがある。

【００２６】また，本発明の化粧シートの表面は，オー
バーレイ層で被覆されていてもよい。オーバーレイ層
は，酸化チタン含有量が５％未満の透明な紙に樹脂を含
浸させたり，透光性樹脂（ポリエステルなど）で被覆し
たもので，印刷面を被覆したものである。

【００２７】本発明の化粧シートは，例えば，家具，天
井材，壁材，建具の表面を装飾するために用いることが
できる。

【００２８】次に，請求項２の発明は，印刷紙にインク
ジェット印刷により印刷層を形成してパターン紙とし，
その後，未硬化樹脂をこのパターン紙に含浸，硬化さ
せ，基材と一体化する化粧板の製造システムであって，
インクジェット印刷のための画像データを格納するため
の記憶部，前記記憶部の画像データを基にインクジェッ
ト印刷装置を制御する制御部，前記画像データの入力
部，及びインクジェット印刷装置を備えてなり，予めイ
ンクジェット印刷のための画像データを入力部を介して
記憶部に格納し，格納された画像データに基づいて制御
部にてインクジェット印刷装置を制御して上部印刷層を
形成することを特徴とする化粧板の製造システムであ
る。

【００２９】また，請求項６の発明は，印刷紙にインク
ジェット印刷により印刷層を形成してパターン紙とし，
その後，未硬化樹脂をこのパターン紙に含浸，硬化さ
せ，基材と一体化する化粧板の製造方法であって，イン
クジェット印刷のための画像データを格納するための記
憶部，前記記憶部の画像データを基にインクジェット印
刷装置を制御する制御部，前記画像データの入力部，及
びインクジェット印刷装置を備えてなり，予めインクジ
ェット印刷のための画像データを入力部を介して記憶部
に格納し，前記格納された画像データに基づいて制御部
にてインクジェット印刷装置を制御して印刷層を形成す
ることを特徴とする化粧板の製造方法である。

【００３０】これらの化粧板は，インクジェット印刷に
より印刷層を形成した上記樹脂含浸パターン紙を基材上
に積層して加熱加圧して一体化したものである。化粧板
表面の模様は，上記化粧シートと同様にインクジェット
印刷により形成される。したがって，象眼模様のような
特殊な模様を誰でも画像データとして簡単に造ることが
でき熟練が不要になる。このため，極めて低価格，短納
期で複雑な模様を持った化粧シートを製造することを可
能にするのである。

【００３１】基材としては，クラフト紙などの紙に樹脂
を含浸した樹脂含浸コア紙であってもよく，また合板や
木板であってもよい。また，基材のパターン層が接触す
る側の反対側面にメラミン樹脂含浸バッカー層を形成し
ておいてもよい。反りを防止するためである。また，コ
ア紙に含浸する樹脂は，フェノール樹脂が最適である。
また，コア紙の樹脂含浸量は，２０〜７０％（樹脂の重
さ／樹脂含浸コア紙全体の重さ）であることが望まし
い。

【００３２】インクジェット印刷により模様を印刷した
印刷紙（パターン紙）に樹脂を含浸して樹脂含浸パター
ン紙とし，樹脂含浸コア紙と積層して加熱加圧により一
体化したり，合板などと積層して加熱加圧により一体化
して化粧板とするのである。加熱加圧条件は，８０〜２
００℃で２０〜１５０ｋｇ／ｃｍ^２で５分〜６０分であ
る。

【００３３】請求項１０または１２の発明のように，上
記インクジェット印刷に用いられるインクは，水性顔料
インクからなることが好ましい。これにより，鮮明で耐
候性及び耐熱性の高い模様を形成することができる。請
求項１４または１６の発明のように，上記インクジェッ
ト印刷に用いられるインクは，溶剤系顔料インクからな
ることが好ましい。これにより，樹脂透過性のよい紙に
印刷した場合にも，インクジェット印刷用専用紙に印刷
した場合と同様の色調を発現することができ，また十分
な物性を有し，乾燥時の紙の皺発生を抑制することがで
きる。

【００３４】次に，請求項３の発明は，印刷紙にグラビ
ア印刷により下部印刷層を形成し，更にその表面にイン
クジェット印刷により上部印刷層を形成してパターン紙
とし，その後このパターン紙に未硬化樹脂を含浸させて
これを硬化する化粧シートを製造ための製造システムで
あって，グラビア印刷装置，インクジェット印刷のため
の画像データを格納するための記憶部，前記記憶部の画
像データを基にインクジェット印刷装置を制御する制御
部，前記画像データの入力部，及びインクジェット印刷
装置を備えてなり，予めインクジェット印刷のための画
像データを入力部を介して記憶部に格納し，一方グラビ
ア印刷装置により下部印刷層を形成し，前記格納された
画像データに基づいて制御部にてインクジェット印刷装
置を制御して上部印刷層を形成することを特徴とする化
粧シートの製造システムである。

【００３５】また，請求項７の発明は，印刷紙にグラビ
ア印刷により下部印刷層を形成し，更にその表面にイン
クジェット印刷により上部印刷層を形成してパターン紙
とし，その後このパターン紙に未硬化樹脂を含浸させて
これを硬化する化粧シートの製造方法であって，グラビ
ア印刷装置，インクジェット印刷のための画像データを
格納するための記憶部，前記記憶部の画像データを基に
インクジェット印刷装置を制御する制御部，前記画像デ
ータの入力部，及びインクジェット印刷装置を備えてな
り，予めインクジェット印刷のための画像データを入力
部を介して記憶部に格納し，一方グラビア印刷装置によ
り下部印刷層を形成し，前記格納された画像データに基
づいて制御部にてインクジェット印刷装置を制御して上
部印刷層を形成することを特徴とする化粧シートの製造
方法である。

【００３６】これらの発明は，インクジェット印刷にグ
ラビア印刷を併用して模様を形成するものである。象眼
模様のような複雑な模様では，インクジェットのインク
が滲んで模様がぼけてしまうことがあるが，グラビア印
刷層がインクの浸み込みを抑制するため，インクがにじ
まず，鮮明な模様が得られるのである。化粧シート表面
の模様は，グラビア印刷とインクジェット印刷とを併用
して形成される。したがって，象眼模様のような特殊な
模様を誰でも画像データとして簡単に造ることができ熟
練が不要になる。このため，極めて低価格，短納期で複
雑な模様を持った化粧シートを製造することを可能にす
るのである。

【００３７】グラビア印刷層（下部印刷層）は印刷紙の
全表面に形成してもよいが，一部に形成してもよい。グ
ラビア印刷層（下部印刷層）は模様をつけてもよいし無
模様でもよい。色は１色でも多色でもよく，濃淡を付し
てもよい。グラビア印刷層（下部印刷層）で模様を形成
する場合，グラビア印刷層のインク中の酢酸セルロース
などのセルロース化合物の存在により，その上にインク
ジェット印刷で形成する模様（上部印刷層）が，紙の中
にしみ込まず，明確な模様となる。

【００３８】グラビア印刷は，凹版印刷の一種であり，
無数の凹部を有する原版を準備し，この原版の凹部内に
インクを充填し，インクを原版の回転により印刷紙に転
写することにより行う。

【００３９】次に，請求項４の発明のように，印刷紙に
グラビア印刷により下部印刷層を形成し，更にその表面
にインクジェット印刷により上部印刷層を形成してパタ
ーン紙とし，その後，未硬化樹脂をこのパターン紙に含
浸，硬化させ，基材と一体化する化粧板の製造システム
であって，グラビア印刷装置，インクジェット印刷のた
めの画像データを格納するための記憶部，前記記憶部の
画像データを基にインクジェット印刷装置を制御する制
御部，前記画像データの入力部，及びインクジェット印
刷装置を備えてなり，予めインクジェット印刷のための
画像データを入力部を介して記憶部に格納し，一方グラ
ビア印刷装置により下部印刷層を形成し，前記格納され
た画像データに基づいて制御部にてインクジェット印刷
装置を制御して上部印刷層を形成することを特徴とする
化粧板の製造システムである。

【００４０】また，請求項８の発明のように，印刷紙に
グラビア印刷により下部印刷層を形成し，更にその表面
にインクジェット印刷により上部印刷層を形成してパタ
ーン紙とし，その後，未硬化樹脂をこのパターン紙に含
浸，硬化させ，基材と一体化する化粧板の製造方法であ
って，グラビア印刷装置，インクジェット印刷のための
画像データを格納するための記憶部，前記記憶部の画像
データを基にインクジェット印刷装置を制御する制御
部，前記画像データの入力部，及びインクジェット印刷
装置を備えてなり，予めインクジェット印刷のための画
像データを入力部を介して記憶部に格納し，一方グラビ
ア印刷装置により下部印刷層を形成し，前記格納された
画像データに基づいて制御部にてインクジェット印刷装
置を制御して上部印刷層を形成することを特徴とする化
粧板の製造方法である。

【００４１】これらの発明は，インクジェット印刷とグ
ラビア印刷とを併用して模様を形成した樹脂含浸パター
ン紙を基材上に積層して加熱加圧して一体化したもので
ある。化粧板表面の模様は，上記化粧シートと同様にイ
ンクジェット印刷により形成される。したがって，象眼
模様のような特殊な模様を誰でも画像データとして簡単
に造ることができ熟練が不要になる。このため，極めて
低価格，短納期で複雑な模様を持った化粧シートを製造
することを可能にするのである。また，化粧板表面の模
様は，グラビア印刷とインクジェット印刷とを併用して
形成される。したがって，象眼模様のような特殊な模様
を誰でも画像データとして簡単に造ることができ熟練が
不要になる。このため，極めて低価格，短納期で複雑な
模様を持った化粧シートを製造することを可能にするの
である。

【００４２】

【発明の実施の形態】実施形態例１ 本発明の実施形態に係る化粧シート，象眼模様化粧板の
製造方法について，図１〜図４を用いて説明する。本例
の化粧シート７は，図１のごとく，坪量５０〜２５０ｇ
／ｍ^２の酸化チタン含有印刷紙（酸化チタン５〜５０重
量％含有）６にグラビア印刷によりグラビア印刷層１
（下部印刷層）を形成し，更にその表面にインクジェッ
ト印刷により象眼模様層２（上部印刷層）を形成したも
のである。グラビア印刷により形成された木目模様１０
の中には，象眼模様２０を配置している。

【００４３】インクジェット印刷層のドットの平均直径
は，１９２μｍであり，ドットの平均直径のばらつき
は，＋２０％から−２０％であった。また，グラビア印
刷層のドットの平均直径は２００μｍであり，ドットの
平均直径のばらつきは＋５２％から−５３％であった。

【００４４】グラビア印刷層１は，図１（ｂ）に示すご
とく，インクドットの密度により濃淡がつけられて，木
目模様２０を形成している。象眼模様層２は，図２に示
すごとく，グラビア層１とは異なる材色の木片をパネル
状に嵌め込んだように描いた象眼模様２０である。

【００４５】次に，本例の化粧シートの製造方法につい
て説明する。前述のように坪量５０〜２５０ｇ／ｍ^２の
酸化チタン含有印刷紙（酸化チタン５〜５０重量％含
有）６を準備する。次に，印刷紙６の全表面にグラビア
印刷により，木目模様１０のグラビア印刷層１を形成す
る。

【００４６】グラビア印刷では，まず，図３（ａ）に示
すごとく，縦横に無数の凹凸目９１を有するロール状グ
ラビア版９を準備する。凹凸目９１には，凹部に充填し
たインクが印刷されたときに木目模様を描くように，所
望の高低差，ピッチ，形状を有する凸９１及び凹部９２
が形成されている。

【００４７】グラビア印刷では，まず，図３（ａ）に示
すごとく，縦横に無数の凹凸目９１を有するロール状グ
ラビア版９を準備する。凹凸目９１には，凹部に充填し
たインクが印刷されたときに木目模様を描くように，所
望の高低差，ピッチ，形状を有する凸９１及び凹部９２
が形成されている。

【００４８】次に，図３（ｂ）に示すごとく，ロール状
グラビア版９の下部には，インクをロール状グラビア版
９に供給するためのインク槽９５を配置する。ロール状
グラビア版９の上部には，印刷紙５を順送りするための
送りローラ９６を配置する。インク槽９５と送りローラ
９６との間には，ロール状グラビア版９の表面に付着し
たインクの膜厚を調整するためのドクターブレード９７
を設ける。

【００４９】次に，ロール状グラビア版９を回転させ
る。ロール状グラビア版９は，インク槽９５の中を通過
する際に，その凹凸目９１の凹部９２にインクが充填さ
れ，ドクターブレード９７により付着したインクの膜厚
が調整される。続いて，ロール状グラビア版９には，送
りローラ９６により印刷紙５が押圧される。これによ
り，ロール状グラビア版９に付着していたインクが印刷
紙５に転写される。以上により，木目模様１０を有する
グラビア印刷層（下部印刷層）１を形成する。

【００５０】次いで，グラビア印刷層（下部印刷層）１
の上にインクジェット印刷により象眼模様層（上部印刷
層）２を形成する。インクジェット印刷は，図４に示す
ごとく，インクジェット印刷装置８０を用いて行う。イ
ンクジェット印刷装置８０は，画像を読み込むためのス
キャナ８１と，読み込んだ画像から画像データを記憶す
る記憶部およびインクジェット印刷装置を制御する制御
部を兼ね備えたパーソナルコンピュータ８２と，インク
ジェットプリンター８４とを有する。

【００５１】インクジェットプリンター８４は，複数の
インクノズル８４１と，複数のインクノズル８４１を支
持するインクヘッダー８４２と，インクノズル８４１に
インクを供給するための複数のインクタンク８４３とか
らなる。各インクタンク８４３には，赤，青，黄，黒の
インクが入っている。また，インクジェットプリンター
８４には，インクノズルのインク噴射時に，インクノズ
ル８４１の下方に印刷紙５が配置するように印刷紙５を
供給する送りローラ（図示しない）が設けられている。

【００５２】上記インクジェット印刷装置８４を用いて
インクジェット印刷を行うに当たっては，まず，木片を
パネル状に嵌め込んで形成した象眼模様８０１を有する
化粧原板８０を適宜選択し，スキャナ８１の原稿搭載部
８１１の上に載置し蓋８１０を閉めて，化粧原板８０の
象眼模様８０１をスキャナ８１で読み込む。読み込まれ
た画像は，パーソナルコンピュータ８２の記憶部に送ら
れ，そこで電子情報に変換されて画像データとして格納
される。画像データは，制御部によりインクジェットプ
リンター８４を制御する信号に変換されて，画像データ
に基づき，インクノズル８４１の開閉量及び噴射方向，
インクタンク８４３によるインク供給量が制御されて，
インクタンク８４３から所定量のインクがインクノズル
８４１に供給され，また，インクノズル８４１の開閉弁
が作動し，所定の噴射方向にインクが噴射される。これ
により，図１（ａ）に示すごとく，インクが印刷紙５に
印刷され，象眼模様層２が形成される。インクジェット
の出力画像解像度は１５０〜１０００ｄｐｉとする。後
工程において印刷紙への樹脂含浸性を高めるためであ
る。以上により，グラビア印刷層１と象眼模様層２とを
印刷形成したパターン紙６が得られる。

【００５３】次に，このパターン紙６にメラミン樹脂，
フェノール樹脂，ジアリルフタレート樹脂から選ばれる
少なくとも１種以上の樹脂を含浸量１０〜８０重量％
（樹脂量の重さ／樹脂含浸紙全体の重さ）で含浸させ
て，８０〜２００℃で１０〜１２０分硬化させて，化粧
シート７を得る。得られた化粧シート７は，合板などの
表面に面に接着してもよく，また，図７のようにフェノ
ール樹脂含浸紙からなるコア層の上にパターン層として
積層されてもよい。

【００５４】図５に示すごとく，本例の化粧シート７に
ついて，顕微鏡写真を撮影した。図５において，濃淡２
色のドットが配列しており，いずれのドットの大きさも
ほぼ同じであることが観察される。なお，比較のため
に，グラビア印刷により３色のドットからなる模様を形
成した化粧シートを作製した。その顕微鏡写真を図６に
示した。同図より，各ドットの大きさにバラツキがある
ことがわかる。

【００５５】本例の製造方法により得られた化粧シート
７は，象眼模様の滲みがなく，本来の木工細工によって
形成した象眼模様のように，グラビア印刷により形成し
た木目模様１０の中に象眼模様２０をくっきりと認識で
きる。また，インクジェット印刷では，画像データに基
づきインク噴射を行うため，画像データの変更により種
々の象眼模様を形成できる。したがって，オーダーメイ
ドの一品製作を容易に行うことができる。

【００５６】また，印刷技術により象眼模様を形成して
いるため，従来のように熟練者による手作業によらず
に，簡易に象眼模様を形成することができる。出力画像
解像度が高すぎるとインクが障壁となって，模様が印刷
された印刷紙への樹脂含浸性が低下し，出力画像解像度
が高すぎると模様の原稿（オリジナル）の再現性に優
れ，化粧板として優れているからである。また，印刷技
術により象眼模様を形成しているため，従来のように熟
練者による手作業によらずに，簡易に象眼模様を形成す
ることができる。

【００５７】実施形態例２ 本例は，図７に示すごとく，パターン紙６の表面にオー
バーレイ層９を設け，かつ裏面にコア層８を形成した化
粧板７０である。本例の化粧板を製造するにあたって
は，まず，酸化チタンを２０重量％含有するチタン紙
（坪量８０ｇ／ｍ^２）を準備し，これを印刷紙とした。
次に，印刷紙の表面にグラビア印刷により，木目柄を印
刷した。次に，水性顔料インクをインクジェット印刷法
により象眼模様を印刷してパターン紙とした。

【００５８】インクジェット印刷層のドットの平均直径
は，２１０μｍであり，ドットの平均直径のばらつきは
＋１５％から−１５％であった。また，グラビア印刷層
のドットの平均直径は２００μｍであり，ドットの平均
直径のばらつきは＋５２％から−５３％であった。この
パターン紙にメラミン樹脂を含浸し，これを乾燥させて
含浸率６０重量％とした。

【００５９】坪量１９０ｇ／ｍ^２のクラフト紙にフェノ
ール樹脂を含浸させて，これを乾燥して樹脂含浸紙（コ
ア紙）とした。フェノール樹脂の含浸率は５０重量％で
あった。さらに，坪量１０ｇ／ｍ^２の灰分０重量％の晒
クラフト紙にメラミン樹脂を含浸させて，これを乾燥し
て樹脂含浸オーバーレイ紙とした。コア紙８０を５枚を
積層したものに，樹脂含浸パターン紙６０，オーバーレ
イ紙９０を積層し，１５０℃で８０ｋｇ／ｃｍ^２の条件
で３０分ホットプレスし，１．２ｍｍの厚さの木目象眼
柄メラミン樹脂化粧板を得た。この化粧板７０は，イン
クジェットによる象眼模様が鮮明であった。

【００６０】実施形態例３ 本例の化粧板は，木目象眼ポリエステル化粧合板からな
る。この化粧板７１には，図８（ｃ）に示すごとく，パ
ターン紙６の表面にオーバーレイ層として艶があるビニ
ロンフイルム９１を設けており，また，パターン紙６の
裏面にはコア層として合板８１が設けられている。

【００６１】本例の化粧板を製造するに当たっては，図
８（ａ）に示すごとく，まず，実施形態例２と同様にし
て，印刷紙５に木目模様を有するグラビア印刷層１を形
成し，その上にインクジェット印刷により象眼模様層２
を形成してパターン６となし，樹脂を含浸させた。この
樹脂含浸木目象眼パターン紙６０に，厚みが２．５ｍｍ
の合板８１を積層し，酢酸ビニル接着剤６１で接着し
た。インクジェット印刷層のドットの平均直径は３００
μmであり，ドットの平均直径のばらつきは＋３０〜−
３０％であった。

【００６２】図８（ｂ）に示すごとく，この合板上に５
００ｍｌ／ｍ^２のポリエステル樹脂を流し込み，その上
にアルミ製型枠４１に貼った艶りのビニロンフィルム９
１を被せ，その上から樹脂が均一になるようにゴムロー
ラー４２で押さえた。これにより，ポリエステル樹脂６
２からなるオーバーレイ層９２を形成した。１２時間室
温放置し，ビニロンフィルム９１を，オーバーレイ層９
２からはがした。以上により，２．７ｍｍの艶有り木目
象眼ポリエステル化粧合板を得た。この化粧板７１で
は，インクジェットによる象眼模様が鮮明であった。

【００６３】以上の説明のように本発明のシステムによ
れば，図４に示すごとく，パーソナルコンピューター８
２に記憶部が設けられているため，象眼模様をスキャナ
で取り込んで記憶部に格納し，これをインクジェットプ
リンター８４で印刷するだけで象眼模様を形成できるた
め，熟練工が要らない。また，実際の木工細工の象眼模
様がなくても，市販のデザインソフトで象眼模様のデー
タを作成してこれを記憶部に格納しておけば，創造的な
象眼模様を形成できる。さらに，本発明のシステムで
は，写真をそのまま意匠として化粧シートや化粧板に再
現できる。また，グラビア印刷のように印刷製版が必要
ではないため，少量多品種の生産を実現することができ
る。

【００６４】

【発明の効果】本発明によれば，象眼模様のような複雑
な模様を熟練を必要とせず容易に製造できる化粧シー
ト，化粧板の製造システム及び製造方法を提供すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施形態例１における，化粧シートの断面図
（ａ）及び平面図（ｂ）。

【図２】実施形態例１における，化粧シートの部分斜視
図。

【図３】実施形態例１における，グラビア印刷の原版の
断面図（ａ）及び印刷方法を示す説明図（ｂ）。

【図４】実施形態例１における，インクジェット印刷方
法を示すための説明図。

【図５】実施形態例１における，シート上にインクジェ
ット印刷により形成されたドットの状態を示すための図
面代用写真。

【図６】比較のための，シート上にグラビア印刷により
形成されたドットの状態を示すための図面代用写真。

【図７】実施形態例２の説明図。

【図８】実施形態例３の説明図。

【符号の説明】

１．．．グラビア印刷層， １０．．．木目模様， ２．．．象眼模様層， ２０．．．象眼模様， ５．．．印刷紙， ６．．．パターン紙， ７．．．化粧シート， ７０，７１．．．化粧板， ８０．．．インクジェット印刷装置，

Claims (16)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷紙にインクジェット印刷により印刷
   層を形成してパターン紙とし，その後このパターン紙に
   未硬化樹脂を含浸させてこれを硬化する化粧シートを製
   造するための製造システムであって，インクジェット印
   刷のための画像データを格納するための記憶部，前記記
   憶部の画像データを基にインクジェット印刷装置を制御
   する制御部，前記画像データの入力部，及びインクジェ
   ット印刷装置を備えてなり，予めインクジェット印刷の
   ための画像データを入力部を介して記憶部に格納し，前
   記格納された画像データに基づいて制御部にてインクジ
   ェット印刷装置を制御して前記印刷層を形成することを
   特徴とする化粧シートの製造システム。
2. 【請求項２】 印刷紙にインクジェット印刷により印刷
   層を形成してパターン紙とし，その後，未硬化樹脂をこ
   のパターン紙に含浸，硬化させ，基材と一体化する化粧
   板の製造システムであって，インクジェット印刷のため
   の画像データを格納するための記憶部，前記記憶部の画
   像データを基にインクジェット印刷装置を制御する制御
   部，前記画像データの入力部，及びインクジェット印刷
   装置を備えてなり，予めインクジェット印刷のための画
   像データを入力部を介して記憶部に格納し，格納された
   画像データに基づいて制御部にてインクジェット印刷装
   置を制御して上部印刷層を形成することを特徴とする化
   粧板の製造システム。
3. 【請求項３】 印刷紙にグラビア印刷により下部印刷層
   を形成し，更にその表面にインクジェット印刷により上
   部印刷層を形成してパターン紙とし，その後このパター
   ン紙に未硬化樹脂を含浸させてこれを硬化する化粧シー
   トを製造ための製造システムであって，グラビア印刷装
   置，インクジェット印刷のための画像データを格納する
   ための記憶部，前記記憶部の画像データを基にインクジ
   ェット印刷装置を制御する制御部，前記画像データの入
   力部，及びインクジェット印刷装置を備えてなり，予め
   インクジェット印刷のための画像データを入力部を介し
   て記憶部に格納し，一方グラビア印刷装置により下部印
   刷層を形成し，前記格納された画像データに基づいて制
   御部にてインクジェット印刷装置を制御して上部印刷層
   を形成することを特徴とする化粧シートの製造システ
   ム。
4. 【請求項４】 印刷紙にグラビア印刷により下部印刷層
   を形成し，更にその表面にインクジェット印刷により上
   部印刷層を形成してパターン紙とし，その後，未硬化樹
   脂をこのパターン紙に含浸，硬化させ，基材と一体化す
   る化粧板の製造システムであって，グラビア印刷装置，
   インクジェット印刷のための画像データを格納するため
   の記憶部，前記記憶部の画像データを基にインクジェッ
   ト印刷装置を制御する制御部，前記画像データの入力
   部，及びインクジェット印刷装置を備えてなり，予めイ
   ンクジェット印刷のための画像データを入力部を介して
   記憶部に格納し，一方グラビア印刷装置により下部印刷
   層を形成し，前記格納された画像データに基づいて制御
   部にてインクジェット印刷装置を制御して上部印刷層を
   形成することを特徴とする化粧板の製造システム。
5. 【請求項５】 印刷紙にインクジェット印刷により印刷
   層を形成してパターン紙とし，その後，このパターン紙
   に未硬化樹脂を含浸させてこれを硬化する化粧シートの
   製造方法であって，インクジェット印刷のための画像デ
   ータを格納するための記憶部，前記記憶部の画像データ
   を基にインクジェット印刷装置を制御する制御部，前記
   画像データの入力部，及びインクジェット印刷装置を備
   えてなり，予めインクジェット印刷のための画像データ
   を入力部を介して記憶部に格納し，前記格納された画像
   データに基づいて制御部にてインクジェット印刷装置を
   制御して印刷層を形成することを特徴とする化粧シート
   の製造方法。
6. 【請求項６】 印刷紙にインクジェット印刷により印刷
   層を形成してパターン紙とし，その後，未硬化樹脂をこ
   のパターン紙に含浸，硬化させ，基材と一体化する化粧
   板の製造方法であって，インクジェット印刷のための画
   像データを格納するための記憶部，前記記憶部の画像デ
   ータを基にインクジェット印刷装置を制御する制御部，
   前記画像データの入力部，及びインクジェット印刷装置
   を備えてなり，予めインクジェット印刷のための画像デ
   ータを入力部を介して記憶部に格納し，前記格納された
   画像データに基づいて制御部にてインクジェット印刷装
   置を制御して印刷層を形成することを特徴とする化粧板
   の製造方法。
7. 【請求項７】 印刷紙にグラビア印刷により下部印刷層
   を形成し，更にその表面にインクジェット印刷により上
   部印刷層を形成してパターン紙とし，その後このパター
   ン紙に未硬化樹脂を含浸させてこれを硬化する化粧シー
   トの製造方法であって，グラビア印刷装置，インクジェ
   ット印刷のための画像データを格納するための記憶部，
   前記記憶部の画像データを基にインクジェット印刷装置
   を制御する制御部，前記画像データの入力部，及びイン
   クジェット印刷装置を備えてなり，予めインクジェット
   印刷のための画像データを入力部を介して記憶部に格納
   し，一方グラビア印刷装置により下部印刷層を形成し，
   前記格納された画像データに基づいて制御部にてインク
   ジェット印刷装置を制御して上部印刷層を形成すること
   を特徴とする化粧シートの製造方法。
8. 【請求項８】 印刷紙にグラビア印刷により下部印刷層
   を形成し，更にその表面にインクジェット印刷により上
   部印刷層を形成してパターン紙とし，その後，未硬化樹
   脂をこのパターン紙に含浸，硬化させ，基材と一体化す
   る化粧板の製造方法であって，グラビア印刷装置，イン
   クジェット印刷のための画像データを格納するための記
   憶部，前記記憶部の画像データを基にインクジェット印
   刷装置を制御する制御部，前記画像データの入力部，及
   びインクジェット印刷装置を備えてなり，予めインクジ
   ェット印刷のための画像データを入力部を介して記憶部
   に格納し，一方グラビア印刷装置により下部印刷層を形
   成し，前記格納された画像データに基づいて制御部にて
   インクジェット印刷装置を制御して上部印刷層を形成す
   ることを特徴とする化粧板の製造方法。
9. 【請求項９】 請求項１または３において，上記インク
   ジェット印刷に用いられるインクは，水性顔料インクか
   らなることを特徴とする化粧シートの製造システム。
10. 【請求項１０】 請求項２または４において，上記イン
    クジェット印刷に用いられるインクは，水性顔料インク
    からなることを特徴とする化粧板の製造システム。
11. 【請求項１１】 請求項５または７において，上記イン
    クジェット印刷に用いられるインクは，水性顔料インク
    からなることを特徴とする化粧シートの製造方法。
12. 【請求項１２】 請求項６または８において，上記イン
    クジェット印刷に用いられるインクは，水性顔料インク
    からなることを特徴とする化粧板の製造方法。
13. 【請求項１３】 請求項１または３において，上記イン
    クジェット印刷に用いられるインクは，溶剤系顔料イン
    クからなることを特徴とする化粧シートの製造システ
    ム。
14. 【請求項１４】 請求項２または４において，上記イン
    クジェット印刷に用いられるインクは，溶剤系顔料イン
    クからなることを特徴とする化粧板の製造システム。
15. 【請求項１５】 請求項５または７において，上記イン
    クジェット印刷に用いられるインクは，溶剤系顔料イン
    クからなることを特徴とする化粧シートの製造方法。
16. 【請求項１６】 請求項６または８において，上記イン
    クジェット印刷に用いられるインクは，溶剤系顔料イン
    クからなることを特徴とする化粧板の製造方法。