JP2008200865A - ポーラスコンクリートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は、傾斜するように配置され且つ上方側に開口部が形成された筒状のドラム本体と該ドラム本体の内周面に沿って配設された螺旋状のブレードとを有する攪拌ドラムを備え、該攪拌ドラムが、内部収容物をブレードによって下方に押し込む順回転とブレードに載せて開口部側に移動させる逆回転とをしうるように構成されてなるアジテート車を用い、粗骨材とバインダーとを混練してポーラスコンクリートとするポーラスコンクリートの製造方法であって、
前記攪拌ドラム内に粗骨材とバインダーとを収容した後、前記攪拌ドラムの順回転と逆回転とを交互に繰り返し行い、前記粗骨材と前記バインダーとを混練することを特徴とするポーラスコンクリートの製造方法である。
【選択図】 図1
Description
従って、該POCは、一般のコンクリートと比較して単位粗骨材量が多く、単位ペースト量あるいは単位モルタル量(即ち、単位バインダー量)が極端に少ないコンクリートである。
この問題を改善するために、凝結遅延剤あるいは遅延形のコンクリート用混和剤等を過剰に添加することによってバインダーの流動性低下を軽減する方法がとられることもあるが、斯かる方法では、夏季等の高温時においては十分な効果を得ることができない上、養生期間の延長やバインダーの粘性増加などの問題が生じる可能性が考えられる。
例えば、多量(例えば攪拌ドラムの最大収容量の60%を超えるような場合)のバインダー及び粗骨材を攪拌ドラムに収容して混練するような場合や混練前のバインダーが比較的固い場合などには、攪拌ドラムを6〜12回/分という高速回転で回転させても、均一にバインダーと粗骨材とが混ざらず、不均一なPOCが製造されることとなる。
即ち、攪拌ドラムから排出されるPOCに於いて、排出始めのものと終わりのものとの性状が異なり、圧縮強度に差が生じることとなる。
前記攪拌ドラム内に粗骨材とバインダーとを収容した後、前記攪拌ドラムの順回転と逆回転とを交互に繰り返し行い、前記粗骨材と前記バインダーとを混練することを特徴とするポーラスコンクリートの製造方法である。
即ち、攪拌ドラムから排出される排出始めのものと終わりのものとの性状に差が少なく、圧縮強度に殆ど差がないものとすることができる。
図1は、本実施形態の攪拌ドラムを示す一部破断を含む斜視図である。
本実施形態のアジテータ車は、一般に、レディーミックスコンクリートの運搬に使用されるものであり、図1に示すような攪拌ドラム1を運転席後方に備えている。
前記攪拌ドラム1は、例えば図1に示すように、水平面に対して傾斜するように配置され且つ上方に開口部2が形成された筒状のドラム本体3と、該ドラム本体3の内周面に沿って配設された2枚の螺旋状のブレード4とを有している。
また、前記攪拌ドラム1は、開口部2の中心部に配されて原料の投入口2aと混練物の排出口2bとを区画形成する筒状部材5を有し、内部収容物10としてのバインダー10a及び粗骨材10bをブレード4によって下方に押し込む順回転とブレードに載せて排出口2b側に移動させる逆回転とをしうるように構成されている。
使用するセメントとしては、各種ポルトランドセメント等、任意のものを使用することができる。更に、バインダーには、必要に応じて細骨材や混和剤を添加しておくこともできる。
この方法としては、例えば、粗骨材とバインダーとを別の手段で運搬するか、あるいは混練前の粗骨材とバインダーとを同じアジテート車に積載し、アジテート車のドラムを回転させることなく運搬する方法などが挙げられる。
さらに、本実施形態においては、コンクリート廃材の粉砕物、いわゆるコンクリートガラを粗骨材として使用することができる。例えば、農業用水路などをPOCによってリニューアルする工事では、老朽化したコンクリート製の水路を解体することによってコンクリート廃材が発生するが、これを所定の大きさに粉砕したコンクリートガラを粗骨材としてそのまま使用することもできる。
具体的には、先ず、攪拌ドラムを6〜12回転/分という高速回転で30〜60秒程度順回転させる。その後攪拌ドラムを4〜5回転/分という低速回転で10〜30秒程度逆回転させる。そして、この一連の順回転から逆回転という操作を3〜5回程度繰り返し行う。
一般的なコンクリートを攪拌ドラム内に投入し該攪拌ドラムを順回転させた場合には、コンクリートは一体的に(全体が連続的に流動するように)攪拌される。即ち、順回転により最深部に移動したコンクリートは閉塞した最深部の壁に当たって跳ね返され攪拌される。
しかしながら、バインダーと粗骨材とをそれぞれ攪拌しようとした場合、バインダーは一般的なコンクリートと同様な動きが可能であるが、粗骨材は個々が独立して動くためバインダーと一体的な動きをすることができず、最深部に移動した粗骨材は排出方向に跳ね返されずに該最深部に滞留する場合がある。粗骨材の量が少ない場合には高速回転の遠心力により一部は攪拌が可能であるが、量が多くなると最深部に移動した粗骨材は大部分が最深部に滞留することとなる。また、バインダーは適度な流動性を保持していると一体的な動き(全体が連続的に流動する動き)を示すが、固くなると一体的に動くのが困難となり、同様に最深部で滞留することとなる。
一方、本実施形態に於いては、攪拌ドラムの最深部に滞留する粗骨材や固いバインダーを強制的に排出方向(上方)へ移動させる逆回転を行うことにより、十分な混練が可能となるのである。
また、順回転を継続する時間は、特に限定されないが、上記の如く30〜60秒程度が好ましい。
30秒程度で、順回転時に必要とされる十分な攪拌が可能である。また、60秒を超えて攪拌しても粗骨材が攪拌ドラムの最深部に滞留するのみであり、均一な混練に寄与しないとともに、攪拌に伴う騒音やエネルギーの過消費など問題が生じる。
また、逆回転を継続する時間は、特に限定されないが、上記の如く10〜30秒程度が好ましい。
10秒程度で、順回転時に必要とされる十分な攪拌が可能である。また、収容量にもよるが、30秒を超えて逆回転を継続すると、粗骨材が開口部付近にまで移動してしまい、開口部から粗骨材がオーバーフローする虞がある。
3回程度の繰り返しで略均一に混練することが十分に可能であり、また、5回を超えて繰り返しを行うと、略均一に混練されたPOCを過度に攪拌することとなり、品質が変化してしまう虞が有ると共に、攪拌に伴う騒音やエネルギーの消費など問題が生じる。
下記表1の配合よりなるバインダー(モルタル)を作製し、その直後に粗骨材(3号砕石)を表1の配合となるように添加したPOC用原料を、攪拌ドラムの容積に対する収容率がそれぞれ表2に示す値となるように攪拌ドラムに収容し、次いで、それぞれ表2に示す条件(順回転継続時間、逆回転継続時間、繰り返し回数)にて、攪拌を行いPOCを調製した。
尚、圧縮強度は、前半(排出を開始した直後に採取したPOC)、中間(半分排出した時点で採取したPOC)、後半(略全量排出した時点で採取したPOC)のものを用いてΦ15×30cmの試験体を3つずつ作製し、それぞれJIS A 1108「コンクリートの圧縮強度試験法」に準じて材齢28日に於ける強度を測定し、その平均値を求めたものである。
また、上記試験に於いて、排出のタイミングで圧縮強度がばらつくということは、同じアジテータ車から連続して排出されたPOCを打設した場合に、打設箇所の違いで強度に差が生じることを意味する。即ち、一体の構造物を形成するにあたり、部材内部の強度のバラツキにより弱点部が生じることとなり、強度の弱い構造物が形成されることを意味するものである。
尚、試験例2に於いて、排出のタイミングによるバラツキが大きく前半に排出されたPOCの圧縮強度が低くなっている原因は、収容量が多く順回転のみでは粗骨材が対流せず、均一にバインダーがまぶされていないためである。後半に排出されたPOCの強度が大きくなっている原因は、バインダーが均一に混練されず最深部に滞留して最後に残っていた分が排出されたためである。試験例2の結果から分かるように、製造の効率等を考慮して収容量を多くすると、順回転のみの混練では、品質の安定したPOCの製造が困難となる。
Claims (2)
- 傾斜するように配置され且つ上方側に開口部が形成された筒状のドラム本体と該ドラム本体の内周面に沿って配設された螺旋状のブレードとを有する攪拌ドラムを備え、該攪拌ドラムが、内部収容物をブレードによって下方に押し込む順回転とブレードに載せて開口部側に移動させる逆回転とを行いうるように構成されてなるアジテート車を用い、粗骨材とバインダーとを混練してポーラスコンクリートとするポーラスコンクリートの製造方法であって、
前記攪拌ドラム内に粗骨材とバインダーとを収容した後、前記攪拌ドラムの順回転と逆回転とを交互に繰り返し行い、前記粗骨材と前記バインダーとを混練することを特徴とするポーラスコンクリートの製造方法。 - 前記攪拌ドラムを順回転させた後に逆回転させるという操作、若しくはその逆の操作を3〜5回繰り返すことを特徴とする請求項1記載のポーラスコンクリートの製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2007035964A JP2008200865A (ja) | 2007-02-16 | 2007-02-16 | ポーラスコンクリートの製造方法 |
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JP2008200865A true JP2008200865A (ja) | 2008-09-04 |
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JP (1) | JP2008200865A (ja) |
Citations (3)
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---|---|---|---|---|
JPH06328431A (ja) * | 1993-05-21 | 1994-11-29 | Kajima Corp | 生コンクリート製造用バッチャープラント |
JPH11192882A (ja) * | 1997-12-26 | 1999-07-21 | Fudo Constr Co Ltd | 流動化処理土製造兼運搬車と流動化処理土製造方法 |
JP2003291129A (ja) * | 2002-03-29 | 2003-10-14 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | ポーラスコンクリートの調達方法 |
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2007
- 2007-02-16 JP JP2007035964A patent/JP2008200865A/ja active Pending
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