JP2008200706A - ろう材、及びデバイスとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的低融点で扱いやすく、かつ修理や再はんだ付け等の再加熱にも十分耐えられるろう材を提供する。
【解決手段】本発明のろう材10Aは、Ni層としてのNi箔11とAuSn層としてのAuSnめっき層12a(12b)とを積層した構成である。またろう材10Bは、AuSn層としてのAuSn箔12とNi層としてのNiめっき層11a(11b)とを積層した構成である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ろう材、及びデバイスとその製造方法に関するものである。
半導体や水晶振動子パッケージのリッド接着は、一般に低融点ガラスや低融点合金で行われる。例えば下記特許文献1では、パッケージ本体とガラス製リッドをAu−Sn合金で接合する方法が取られている。
封止に使用される低融点ガラスや金属ろう材としては、封止の際の熱で電子部品が劣化、破壊されないように、350℃前後以下、高くとも400℃以下の融点のものが一般的である。最も多く使用される低融点ガラスでは約350℃、Au−20wt%Sn合金では融点が280℃である。
特開2006−033265号公報
上述した従来のろう材では以下のような問題点がある。
まず、低融点ガラスは鉛を含むものであり、今後はその使用が削減されるべきものである。
また、Au−Sn合金に代表される金属ろう材では、融点が低いために、実装後の修理や再はんだ付けで加熱されると、ろう材が溶融してパッケージの破損を招くおそれがある。より融点の高いAu−Ge系、Au−Si系のろう材も開発されているが、高融点のろう材は加工が困難で所望の形状に加工するために多くの工数を要するという問題がある。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、比較的低融点でろう付けがしやすく、また修理や再はんだ付け等の再加熱にも十分耐えられるろう材を提供することを目的としている。
本発明のろう材は、上記課題を解決するために、Niを主成分とするNi層とAuSn合金を主成分とするAuSn層とを積層してなることを特徴とする。
このようにNi層とAuSn層とを積層した構成とすれば、AuSn層を比較的低温で溶融させることができるため低温でのろう付けが可能である。また本発明では、ろう付け時の加熱によりNi層からAuSn層にNiを拡散させることができ、AuSnNi三元系合金をAuSn層中に形成することができる。これによりろう付け後の融点が上昇するので、修理や再はんだ付け等の再加熱にも十分耐えられる接合構造を形成することができる。
前記Ni層の両面に、第1の前記AuSn層と第2の前記AuSn層とがそれぞれ形成されている構成とすることができる。
あるいは、前記AuSn層の両面に、第1の前記Ni層と第2の前記Ni層とがそれぞれ形成されている構成とすることもできる。
このように本発明のろう材は、三層構造を備えたものとすることもでき、この場合のNi層とAuSn層の積層順は特に限定されない。上記いずれの構成とした場合にも、比較的低温でろう付けが可能であり、かつろう付け後に融点が上昇して優れた耐熱性を奏するろう材となる。
前記Ni層と前記AuSn層のうちいずれか一方の層が箔材であり、他方の層が前記箔材の表面に形成されためっき層である構成とすることが好ましい。このようにNi層とAuSn層の一方を基材とし、他方をめっきにより形成した構成とすれば、基材を有していることから所望の形状への加工や取り扱いが容易であり、かつ、一方がめっき層とされていることから厚さによる成分比率の調整を正確にかつ容易に行えるろう材となる。
あるいは、前記Ni層と前記AuSn層の双方が箔材である構成としてもよい。このような構成とすることで、機械的圧接(クラッド法)等を用いて容易に製造できるろう材となる。
前記AuSn層を構成する前記AuSn合金におけるSn含有量が15重量%以上30重量%以下であることが好ましい。Sn含有量が15重量%未満ではろう付けに適切な温度域(例えば350℃)において固相成分が多くなってろう付け性が低下する。また、Sn含有量が30重量%を超えると、同様にろう付け時に固相成分が多くなって良好なろう付けを行えなくなる。
上記範囲にSn含有量を調整することで、ろう付け時の接着強度に優れ、信頼性に優れた接合構造を形成できるろう材となる。
前記Ni層の当該ろう材に対する重量比率が、前記AuSn層を構成するAuSn合金のSn含有量をa重量%としたとき、(a×0.7−7)重量%以上、((a−10)×3)重量%以下であることが好ましい。かかる範囲とすることで、ろう付け後の融点上昇効果を得られるろう材となる。Ni含有量はNi層の厚さにより調整可能である。
前記Ni層の当該ろう材に対する重量比率が、前記AuSn層を構成するAuSn合金のSn含有量をa重量%としたとき、(a×0.7−5)重量%以上、((a−10)×3)重量%以下であることが好ましい。かかる範囲とすることで、ろう付け時の加熱時間を短縮しても融点上昇効果を得られるようになる。
前記Ni層の当該ろう材に対する重量比率が、前記AuSn層を構成するAuSn合金のSn含有量をa重量%としたとき、(a×0.7−1)重量%以上、((a−10)×3)重量%以下であることが好ましい。かかる範囲とすれば、ろう付け温度を低くしても融点上昇効果を得られるようになり、また加熱時間も短縮できる。
本発明のデバイスは、先に記載のろう材を用いた接合構造を有することを特徴とする。かかる構成によれば、融点が高く、耐熱性に優れた接合構造を有することから、修理や再はんだ付け等の再加熱による劣化や破損を防止でき、信頼性に優れ、取り扱いも容易なデバイスを提供することができる。
複数部材の接合構造を有するデバイスの製造方法であって、前記デバイスを構成する第1及び第2の部材を、両者の接合面に、先に記載の本発明のろう材を介在させて配置する工程と、前記第1及び第2の部材の少なくとも一方を加熱することで、前記ろう材の少なくとも一部を溶融させるとともに前記ろう材の前記AuSn層にNiを拡散させる工程と、前記ろう材を硬化させて前記第1及び第2の部材の接合構造を形成する工程と、を有することを特徴とする。
このような製造方法によれば、融点が高く、耐熱性に優れた接合構造を有することから、修理や再はんだ付け等の再加熱による劣化や破損を防止でき、信頼性に優れ、取り扱いも容易なデバイスを製造することができる。
(ろう材)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1(a)は、実施形態に係るろう材の第1構成例を示す断面構成図であり、図1(b)は、ろう材の第2構成例を示す断面構成図である。
図1(a)に示す第1構成例に係るろう材10Aは、Ni箔(Ni層)11と、Ni箔11の両面にそれぞれ形成されたAuSnめっき層(AnSn層)12a、12bとを備えた積層構造のろう材である。
図1(b)に示す第2構成例に係るろう材10Bは、AuSn箔(AuSn層)12と、AuSn箔12の両面にそれぞれ形成されたNiめっき層(Ni層)11a、11bとを備えた積層構造のろう材である。
Ni箔11及びNiめっき層11a、11bは、Niを主成分としてなるものであり、典型的にはNiからなるものとされ、他の金属元素を含んでいてもよい。
AuSn箔12及びAuSnめっき層12a、12bは、AuSn合金を主成分としてなるものであり、典型的にはAu−Snの二元系合金からなるものとされるが、第三元素を含んでいてもよい。
また、Ni箔11を2枚のAuSn箔12で挟んで機械的に圧接した構成であってもよく、AuSn箔12を2枚のNi箔11で挟んで機械的に圧接した構成であってもよい。
図1に示す構造を備えた本実施形態のろう材10A、10Bは、半導体チップを内蔵した半導体デバイスや、圧電素子を内蔵した圧電デバイスの封止に好適に用いることができる。そして、本実施形態のろう材は、Ni箔やAuSn箔を基材とする箔状のものであるため、デバイスの接合部の形状に合わせて容易に加工することができ、扱いやすいろう材となっている。
図1に示す構造を備えた本実施形態のろう材10A、10Bは、低融点のAuSn層を備えているため、350℃程度の加熱で容易にAuSn層を溶融させることができる。したがって、封止されるデバイスに備えられた半導体チップ等を劣化、破損させることなく、容易にろう付けを行うことができる。
さらに、ろう材10A及びろう材10Bは、AuSn層と積層されたNi層を有しており、このNi層はろう付け時の加熱によりAuSn層内に拡散し、比較的融点の高い含Ni化合物を形成する。そのため、ろう付け後には、接合部のろう材の融点が500℃以上にまで上昇する。したがって本実施形態のろう材を用いた接合構造を有するデバイスは、修理や再はんだ付けのために加熱しても接合部のろう材が容易には溶融しないので、接合構造の劣化や破損を生じない、耐久性に優れた接合構造を有するものとなる。
本実施形態のろう材10A、10Bでは、AuSn箔12及びAuSnめっき層12a、12bを構成するAuSn合金におけるSn含有量は、15重量%以上30重量%以下であることが好ましい。かかる範囲のAuSn合金を用いることで当該ろう材を用いて接合構造を形成したときに十分な接着強度を得ることができる。
AuSn箔12やAuSnめっき層12a、12bの厚さは、ろう材10A、10Bが用いられるデバイスの接合構造の構成等に合わせて適宜決定することができる。一例を挙げるならば、Niめっき層11a、11bの基材として用いられるAuSn箔12の厚さは、5μm〜100μm程度であり、Ni箔11上に形成されるAuSnめっき層12a、12bの厚さは、それぞれ5μm〜100μm程度である。
また、ろう材10A、10Bでは、Ni箔11及びNiめっき層11a、11bの厚さは、ろう材10A、10Bに対するNi含有量が、AuSn合金におけるSn含有量をa重量%としたとき、(a×0.7−7)重量%以上、((a−10)×3)重量%以下となる厚さとするとよい。
Ni含有量を(a×0.7−7)重量%以上とすれば、ろう付け時にAuSn層に十分にNiを拡散させることができ、ろう付け後のろう材の融点を確実に上昇させることができる。
また、Ni含有量を(a×0.7−5)重量%以上、((a−10)×3)重量%以下とすれば、ろう付け時の加熱時間を5分以下としても十分にNiを拡散させて融点を上昇させることができ、ろう付け工程の短縮を図り、デバイスの製造効率を向上させることができる。
さらに、Ni含有量を(a×0.7−1)重量%以上、((a−10)×3)重量%以下とすれば、融点上昇効果をより確実に得られるようになる。
本実施形態のろう材は、AuSn合金の融点(280℃)以上のろう付け温度であればデバイスのろう付けに用いることができる。ろう付けの際のろう付け温度は350℃以上であることが好ましく、かかるろう付け温度とすれば、ろう付け時の加熱時間を短縮でき、デバイス製造の効率化を図ることができる。ろう付け温度の上限には特に限定はなく、接合構造を備えたデバイスの耐熱温度により適宜決定すればよい。例えば、半導体チップを内蔵したパッケージの封止に用いる場合には、半導体チップの劣化や破損を防止するために400℃未満のろう付け温度とすることが好ましい。
なお、本実施形態では三層構造のろう材10A、10Bについて説明したが、本発明に係るろう材では、少なくとも一層のNi層と、少なくとも一層のAuSn層とが積層された構成であればよく、Ni層とAuSn層とが積層された二層構造のろう材であってもよい。かかる二層構造では、Ni箔とAuSnめっき層の組み合わせ、AuSn箔とNiめっき層の組み合わせ、さらにNi箔とAuSn箔の組み合わせのいずれも選択できる。
さらに本発明に係るろう材としては、四層以上を積層した構造のろう材であってもよい。例えば、AuSn層/Ni層/AuSn層/Ni層の四層構造や、AuSn層/Ni層/AuSn層/Ni層/AuSn層の五層構造も採用できる。
以下、実施例により本発明のろう材をさらに詳細に説明する。本実施例では、表1に示す本発明に係るろう材10A、及び比較用のろう材について、これらのろう材を用いて半導体デバイスのパッケージのろう付けを行い、接合部の接着強度、ろう付け後の融点上昇を確認した。
Figure 2008200706
図2(a)は、本実施例で作製した半導体デバイス100の概略断面図、図2(b)は図2(a)のA−A’線に沿う断面における概略平面図である。
半導体デバイス100は、図2(a)、(b)に示すように、フレーム部105及びベース部106からなるパッケージ本体108と、パッケージ本体108の内部に実装された半導体チップ107と、略矩形枠状のフレーム部105の上面にろう材103を介して接合されたアルミナ系セラミックスのリッド101とを備えている。図2(b)に示すように、ろう材103は、フレーム部105と略同一の枠状に形成されており、リッド101とパッケージ本体108とを気密に接合する。
半導体チップ107は、パッケージ本体108内に形成されている図示略の配線と接続されており、半導体チップ107の端子は前記配線を介してベース部106の外側の端子として取り出されている。
リッド101とろう材103との間、及びフレーム部105とろう材103との間には、W(タングステン)合金からなる接着層102,103がそれぞれ形成されている。接着層102,103は、W合金の表面にNi、Sn、Au等のめっき膜を、単層又は複層で0.5μm〜10μmの厚さに形成したものであってもよい。
そして、図3(a)に示すように、半導体チップ107を実装したパッケージ本体108と、リッド101とを用意し、表1に示したNo.1〜No14の各ろう材103をリッド101とパッケージ本体108との間に挟み込み、加熱することでリッド101とパッケージ本体108とを接合した。
本実施例で用いているろう材103は、図1(a)に示した構造を備えたものである。すなわち、厚さ10μmのNi箔11の両面に、所定厚さのAuSnめっき層12a、12bを形成したものである。
本実施例では、図3(b)に示すように、リボン状に成形したNi箔材130を用意し、プレス加工により大略枠状の開口部103aと、矩形状の開口部103bとをNi箔材130に形成した。その後、Ni箔材130に対してAuSnめっきを施したものをプレス加工することで、図3(b)に斜線を付して示す矩形状の部分をろう材103とした。
表1において、No.1〜No.5は、AuSnめっき層12a、12bの組成を、重量比率でAu:Sn=(69〜86):(14〜31)の範囲で変更した場合の結果を示している。
表1に併記されている結果より、AuSn合金中のSn含有量が15重量%以上30重量%以下であるNo.2〜4のろう材では、十分な接着強度が得られており、ろう付け後の融点が500℃以上に上昇している。したがってSn含有量を上記範囲とすれば、良好なろう付け性と、再加熱に対する良好な耐久性とを備える接合構造を形成できるろう材となる。
一方、AuSn合金中のSn含有量が30重量%を超えているNo.5のろう材、及び15重量%未満であるNo.1のろう材では、融点の上昇は見られるものの、ろう材の回りが悪く、ろう付けの接着強度が不十分であった。
なお、No.1、No.5のろう材であっても、ろう付け温度(加熱温度)を400℃以上とすれば良好なろう付けが可能になる。ただし、このような高温でのろう付けは、パッケージ内に装填される半導体チップ107が十分な耐熱性を有している場合に可能となる。
次に、表1のNo.6〜8では、ろう付け時の加熱時間を一定(5分)とし、ろう付け温度を変更しつつ複数の半導体デバイスを作製した場合の結果である。
表1に併記されている結果から、ろう付け温度が280℃未満(実施温度278℃)であるNo.6のろう材ではろう材の溶解が起こらず、溶接を行うことができない。
また、ろう付け温度を400℃としたNo.7のろう材、及びろう付け温度を395℃としたNo.8のろう材では、いずれも接着強度、ろう付け後の融点ともに良好な結果が得られているが、本実施例ではろう付け時に400℃に加熱する条件で半導体チップ107に劣化が生じた。したがって、本発明に係るろう材は400℃程度までのろう付け温度に十分対応可能であるが、封止するデバイスの耐熱性に応じてろう付け温度を適宜調整することが好ましい。
なお、No.6〜8では、Sn含有量を20重量%に固定して行ったが、Sn含有量を15重量%以上30重量%以下の範囲で変えて同様の検証を行った場合にも、上述したのと同様に280℃未満のろう付け温度では良好な接着を行うことができないという結果であった。
次に、表1のNo.9〜20では、ろう付け温度(加熱温度)及び加熱時間を変更してパッケージの封止を行った場合の結果を示している。
表1に併記されている結果より、加熱時間に対し融点が上昇する適切なろう付け温度が存在することがわかる。すなわち、加熱時間が短い場合には、ろう付け後の融点上昇効果を得るためにろう付け温度を高くする必要がある。加熱時間が2分間である場合には約405℃、加熱時間が4分間である場合には約370℃、加熱時間が5分間である場合には約350℃を境にして高温側で融点の上昇が見られる。また、加熱時間を10分間と長くしたNo.18〜20の結果からわかるように、加熱時間を長くすることでろう付け温度を大幅に低くすることができる。表1の条件では、加熱時間を10分間にすることで、ろう付け温度を325℃にまで低下させることが可能である。
なお、このような加熱時間とろう付け温度との関係は、AuSn合金におけるSn含有量や、ろう材におけるNi含有量を変えた場合にも同様であり、加熱時間を長くすることで低いろう付け温度でも良好な接着が可能になる。
次に、ろう材におけるNi含有量の影響を検証するため、表2に示す各条件で実施例1と同様の半導体デバイスを作製し、接合構造の評価を行った。
本実施例では、Ni箔11の厚さを10μmで一定とし、ろう材におけるNi含有量を調整するためにAuSn層のめっき厚を変化させて複数条件のろう材を作製した。そして、かかるろう材を用い、また一部の条件についてはろう付け温度を変更して半導体デバイス100を作製した。表2には、Ni箔の厚さを変えたときのNi比率も併記している。
また本実施例では、評価のパラメータとして”n値”を設定している。より詳細には、n値を含む下記(式1)を規定し、n値を変化させて設定した範囲のNi量のろう材について特性評価を行い、その結果に基づいてn値の適正範囲を導出している。
なお、(式1)における変数aはAuSn合金のSn含有量(重量%)である。
(式1) (a×0.7−n値)≦Ni量(重量%)≦(a−10)×3
(式1)に示されているように、Ni量の下限値はAuSn合金のSn含有量に0.7を乗じ、その値からn値を引いた値であり、n値が大きくなると相対的にNi量が減り、n値が小さくなるとNi量は増加する。つまり本実施例ではAuSn層を構成するAuSn合金のSn含有量に基づいてろう材のNi量を決定するようになっており、n値はSn含有量を勘案したNi量の下限値を規定するパラメータとなっている。
(式1)において、Ni量の上限値は、(a−10)×3(重量%)となっている。これは、本発明に係るろう材を用いてろう付けを行った場合に、AuSn層に含まれる10重量%分のSnはAuとの合金(ζ相)となり、残りのSnがAuSn層中に拡散したNiとの金属間化合物(NiSn)を形成すると考えられるためである。つまり、Ni量が(a−10)×3(重量%)を超えると、ろう付け時に単体のNiが残存し、このNiが溶けずに残るため接着性が低下するためである。
Figure 2008200706
表2に併記されている結果から、n値を8以上としてNi含有量を設定した(Ni量を少なくした)No.1,6,9では、ろう付け後の融点上昇は起こらない。したがって本発明のろう材においては、Ni箔11の厚さは、ろう材に対するNiの含有量の下限値がn値を7以下として設定された含有量となるようにすることが必要である。
また、表2から、n値を小さくしてNi量を増加させると、No.13、No.15の結果からわかるように、ろう付け温度を低くしても融点上昇効果を得られるようになる。また、ろう付け温度を350℃で一定した場合には、No.16、No.17のように、Ni量を増加させることで加熱時間を短縮することが可能である。
なお、本実施例ではNi量の変化に対するろう材の特性変化を検証するため、図1(b)に示したAuSn箔12上にNiめっき層11a、11bが形成されたろう材10Bの構成を用いている。このような構成では、Niめっき層11a、11bがリッド101の接着層102及びパッケージ本体108の接着層104と接触するため、Ni量が過大である場合に単体のNiが溶けずに残ると接着性が低下する。
その一方で、図1(a)に示したAuSnめっき層12a、12bが外側に形成されているろう材10Aを用いた場合には、AuSnめっき層12a、12bの融点が280℃程度であるため、厚いNi箔11を使用してNi量が多くなっても、AuSnめっき層12a、12bが溶ければろう付けを行うことが可能である。
したがって、図1(a)に示したろう材10AのようにNi層を挟んでAuSn層を形成した構成においては、場合によってはNi量の上限が(式1)の範囲を超えていてもよい。ただし、かかる構成にあっても、Ni量の範囲を(式1)に従って設定することでろう付け時にNiが溶けずに残るのを防止できるため、(式1)に従って上限値を規定することが好ましい。
(圧電デバイス)
先の実施例では、本発明に係るろう材を半導体デバイスの封止に用いた場合について説明したが、本発明に係るろう材は種々のデバイスの封止に用いることができ、例えば図4に示す圧電デバイスにも好適に用いることができる。
図4(a)は、圧電デバイスの一例である表面実装型水晶振動子の概略平面図である。図4(b)は図2(a)に対応する断面図である。
図4に示す水晶振動子は、セラミック材料のベース211と蓋部212とからなるパッケージ213と、パッケージ213の内部に気密に封止された音叉型水晶振動片214とを備えている。ベース211は、大略矩形状のセラミック薄板からなる底板部215と、形状の異なる複数枚のセラミック薄板を積層してなる大略矩形状の枠体部216とを一体に積層接合して、水晶振動片214を収容するキャビティ217を画定する薄い箱型に形成されている。
水晶振動片214は、その基端部214aにおいて導電性接着剤218により、キャビティ217底面に形成された接続電極219に片持ちで略水平に固着されている。また、水晶振動片214の振動腕先端部214bに対応する位置のキャビティ217底面には、凹部220が形成されている。凹部220は、外部からの衝撃等で水晶振動片214の振動腕が下向きに振れても振動腕先端部214bがベース211に衝突しないための逃げとして機能する。
蓋部212は、ガラス又はセラミックス等の絶縁材料からなる矩形薄板で形成され、ベース211の上端面に、ろう材222によって気密に接合されている。蓋部212の接合後にパッケージ213の外側からレーザ光を照射して周波数調整できるように、透明なガラス製の蓋を用いてもよい。
ベース211には、パッケージ213の外部とキャビティ217の内部とを連通する封止孔223が設けられている。封止孔223は、ベース211の底面に開口する円形の外側孔部224と、キャビティ217の底面に開口する円形の内側孔部225とで構成されている。外側孔部224、及び内側孔部225は、それぞれ底板部215と枠体部216を構成するセラミック薄板に形成された貫通孔である。
上記構成の水晶振動子において、蓋部212とベース211とを接合するろう材222に、先の実施形態に係るろう材10A、あるいはろう材10Bが用いられている。かかる接合構造は、図3(a)に示した半導体デバイスの場合と同様に、ベース211の上端面のシール領域に対応する略矩形状のろう材222を用意し、これを蓋部212とベース211との間に挟み込んで加熱することで接合することができる。
そして、本例の圧電デバイスでは、ろう材222として本発明に係るろう材10A、10Bを用いていることで、ろう付け時には比較的低融点で容易かつ迅速にろう付け作業を行うことができ、ろう付け後には接合部を構成するろう材の融点が高く、耐熱性に優れた圧電デバイスとなる。
実施形態に係るろう材の断面構成図。 実施形態に係るろう材を用いた半導体デバイスを示す図。 半導体デバイスの製造方法の説明図。 実施形態に係るろう材を用いた圧電デバイスを示す図。
符号の説明
10A,10B ろう材、11 Ni箔(Ni層),11a,11b Niめっき層、12 AuSn箔(AuSn層)、12a,12b AuSnめっき層、100 半導体デバイス、200 圧電デバイス

Claims (11)

  1. Niを主成分とするNi層とAuSn合金を主成分とするAuSn層とを積層してなることを特徴とするろう材。
  2. 前記Ni層の両面に、第1の前記AuSn層と第2の前記AuSn層とがそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載のろう材。
  3. 前記AuSn層の両面に、第1の前記Ni層と第2の前記Ni層とがそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載のろう材。
  4. 前記Ni層と前記AuSn層のうちいずれか一方の層が箔材であり、他方の層が前記箔材の表面に形成されためっき層であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のろう材。
  5. 前記Ni層と前記AuSn層の双方が箔材であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のろう材。
  6. 前記AuSn層を構成する前記AuSn合金におけるSn含有量が15重量%以上30重量%以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のろう材。
  7. 前記Ni層の当該ろう材に対する重量比率が、前記AuSn層を構成するAuSn合金のSn含有量をa重量%としたとき、
    (a×0.7−7)重量%以上、((a−10)×3)重量%以下であることを特徴とする請求項6に記載のろう材。
  8. 前記Ni層の当該ろう材に対する重量比率が、前記AuSn層を構成するAuSn合金のSn含有量をa重量%としたとき、
    (a×0.7−5)重量%以上、((a−10)×3)重量%以下であることを特徴とする請求項6に記載のろう材。
  9. 前記Ni層の当該ろう材に対する重量比率が、前記AuSn層を構成するAuSn合金のSn含有量をa重量%としたとき、
    (a×0.7−1)重量%以上、((a−10)×3)重量%以下であることを特徴とする請求項6に記載のろう材。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載のろう材を用いた接合構造を有することを特徴とするデバイス。
  11. 複数部材の接合構造を有するデバイスの製造方法であって、
    前記デバイスを構成する第1及び第2の部材を、両者の接合面に請求項1から9のいずれか1項に記載のろう材を介在させて配置する工程と、
    前記第1及び第2の部材の少なくとも一方を加熱することで、前記ろう材の少なくとも一部を溶融させるとともに前記ろう材の前記AuSn層にNiを拡散させる工程と、
    前記ろう材を硬化させて前記第1及び第2の部材の接合構造を形成する工程と、
    を有することを特徴とするデバイスの製造方法。
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