JP2008198937A - 半導体受光素子および光信号処理装置 - Google Patents

半導体受光素子および光信号処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008198937A
JP2008198937A JP2007035111A JP2007035111A JP2008198937A JP 2008198937 A JP2008198937 A JP 2008198937A JP 2007035111 A JP2007035111 A JP 2007035111A JP 2007035111 A JP2007035111 A JP 2007035111A JP 2008198937 A JP2008198937 A JP 2008198937A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light receiving
semiconductor
receiving element
capacitor
semiconductor layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007035111A
Other languages
English (en)
Inventor
Emiko Fujii
恵美子 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP2007035111A priority Critical patent/JP2008198937A/ja
Publication of JP2008198937A publication Critical patent/JP2008198937A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】従来よりも入射光を安定した電圧に効率よく変換することが可能な半導体受光素子を提供する。
【解決手段】光を電圧に変換する機能を備えた受光部102と、受光部に並列に接続され、受光部と同一基板上に設けられたキャパシタ103とを有する構成である。
【選択図】図1

Description

本発明は、光を電圧に変換する半導体受光素子と、半導体受光素子を用いて光通信、光計測または光情報処理等のいずれかを実行する光信号処理装置とに関する。
光通信、光計測または光情報処理等のいずれかの分野において、光信号を電気信号に変換する素子の開発は必須であり、従来、半導体を用いた受光素子が開発されている。光を電流に変換する受光素子の例としては、PINフォトダイオード(非特許文献1)やアバランシェ・フォトダイオード(非特許文献2)等がある。
一方、光を電圧あるいは電力に変換する素子としては、光電池あるいはフォトボルと呼ばれる半導体受光素子が開発されている。太陽電池等にも用いられるSi半導体による光電変換素子等の他に、化合物半導体を用いた素子では、例えば、特許文献1の「光−電圧変換型半導体受光素子、光信号処理装置および光集積素子」に、n型、p型高濃度デルタドープ層からなるドーピングダイポール構造による光−電圧変換を行う受光素子が開示されている。
また、非特許文献3では、光通信波長帯において起電力10V以上の光−電圧変換が可能なマルチセル型の半導体受光素子が提案されている。このような光電池を適用する応用技術としては、非特許文献4や非特許文献5等に報告されており、光電池とMEMS(Micro- Electro- Mechanical Systems)を組み合わせた装置が提案されている。
1984年エレクトロニクス・レターズ(Electron. Lett.)Vol.20、No.16、第654頁 1984年エレクトロニクス・レターズ(Electron. Lett.)Vol.20、No.16、第653頁 特許3365329号公報 2006年電子情報通信学会主催ソサイエティ大会「非対称デルタドープ超格子構造を有する高起電圧光電池」(C-4-24) 2005年電子情報通信学会主催総合大会「MEMSを用いた光抑制器(C-3-113)」 アイトリプルイー・ジャーナル・フォトニクス・テクノロジー(IEEE Journal Photonics Technology, 2006年度、18巻、133〜135頁)「Optically Modulated MEMS scanning endoscope」
従来技術の光を電圧に変換する半導体受光素子では出力電圧での課題がある。従来技術の半導体受光素子では、出力電圧に揺らぎが発生するため、これを抑制あるいは低減する必要がある。図14に従来技術の半導体受光素子の構造の一例を示し、図15には、その素子の出力電圧の時間変動の例を示す。図15の横軸は時間で、縦軸は出力電圧Vout1である。
図14(a)は上面図であり、図14(b)は図14(a)の線分B−B’で切ったときの断面図である。図14(b)に示すように、半導体基板101上に受光部1401が形成されている。図14(a)に示すように、受光部1401の平面パターンは円形状である。受光部1401の上面側に入射光1402が照射される。
図15に示すように、出力電圧Vout1は平均出力電圧V0に対して、不規則に変動する。出力電圧が変動する要因としては、光の強度や中心軸の揺らぎなどによる入射光の変動や、入射面および裏面反射での散乱や素子表面の凹凸による散乱などが考えられる。
上述の要因のうち、入射光の揺らぎは受光素子側では対応不可能な課題である。また、光の反射による散乱や表面の凹凸は、素子構造や作製プロセスを変更することによる低減の可能性があるが、作製プロセスの煩雑化が見込まれ、また、受光素子の構造により個別の対応が必要であるなど、根本的な解決手段にはならない。さらに、背景技術で説明した、マルチセル化により高出力化した受光素子の場合には、アライメントの揺らぎ等や素子表面の凹凸が増すため出力電圧の変動量はかえって増加してしまう。
一方、上記課題の解決策として出力電圧を外部回路で安定化することも考えられるが、受光素子と外部回路との接続が必要になる。それだけでなく、実装が煩雑になり、光−電圧変換部分全体としてのサイズが増大することなどから、背景技術のMEMSなどとの組み合わせの用途において高密度な実装を阻むという問題がある。また、取り扱いの容易性においても外部回路の接続は不利である。
また、背景技術に示した光電池を適用する応用技術において、受光素子の出力電圧の変動は、MEMSなどの安定した動作を阻害するおそれがある。さらに、光通信、光情報処理、光計測等などの用途において、安定した性能を実現するために出力の安定化は必須である。
上述したことにより、光通信、光情報処理、光計測等の装置において、安定した出力電圧が得られる高性能な半導体受光素子が求められている。
本発明は上述したような従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものであり、従来よりも入射光を安定した電圧に効率よく変換することが可能な半導体受光素子と、これを用いた光信号処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の半導体受光素子は、
光を電圧に変換する機能を備えた受光部と、
前記受光部に並列に接続され、該受光部と同一基板上に設けられたキャパシタと、
を有する構成である。
本発明では、受光部の出力電圧がキャパシタに印加されると、キャパシタの蓄電作用および放電作用により、出力電圧を従来よりも平滑化して取り出すことが可能となる。
本発明によれば、従来よりも、入射光を安定した電圧に効率よく変換することができる。
本発明の半導体受光素子は、受光部が設けられた基板上に、受光部と並列に接続されたキャパシタを有することを特徴とする。以下に、本発明の実施例について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本実施例の半導体受光素子の一構成例を示す断面図である。図2は図1に示す半導体受光素子の等価回路を示す図である。図1に示すように、本実施例の半導体受光素子は、光−電圧変換機能を有する受光部102と、キャパシタ103とが同一の半導体基板101上に形成されている。受光部102とキャパシタ103は下部配線104および上部配線105により並列に接続されている。受光部102は複数の半導体層が積層された構造である。なお、図1では、上部配線105は空中配線またはエアーブリッジと呼ばれる構造をとっているが、パッシベーション膜等による絶縁加工を施した素子表面上に形成される配線であってもよい。
図3は、本実施例の半導体受光素子の光−電圧変換の出力電圧Vout2の出力特性を示す。図3の横軸は時間で、縦軸は出力電圧である。図3に示すように、本実施例の受光素子の出力電圧Vout2は、図3に破線で示す、従来技術の受光素子による出力電圧Vout1に対して、電圧変動が減少している。この性能改善の要因は、同一基板上に形成されたキャパシタにより出力電圧の変動を抑制することができたためである。性能改善の一例を説明する。例えば、InGaAs光吸収層で形成した半導体受光素子において、出力電圧の変動率(出力電圧変動率は、「電圧変動量Vα」÷「平均出力電圧V0」×100で規定)を従来技術の場合の15%から、本実施例により5%以下に低減できた。
本実施例の半導体受光素子の動作原理を詳しく説明する。従来、図15で説明したように、受光部から出力される電圧Vout1は、入射光の揺らぎおよび素子表面や内部での反射や散乱などに起因する電圧変動±Vαを含む不安定な特性を示す。
これに対して、本実施例の半導体受光素子は、図1に示したように、受光部102にキャパシタ103が並列に接続された構成である。そのため、図2に示すように、受光部102からの出力電圧Vout1が受光部102に並列に接続されたキャパシタ103に印加され、キャパシタ103の蓄電作用および放電作用により受光部102からの出力電圧Vout1を平滑化した出力電圧Vout2が得られる。
本実施例の半導体受光素子は、電圧変動の抑制に用いるキャパシタ103を受光部102と同一基板上に形成することで、電圧安定化のための外部回路を必要とせずに、単一の受光素子として光−電圧変換による安定した出力電圧が得られる。また、外部安定化回路の実装を必要としないことから、光−電圧変換装置としてのサイズ低減に有効である。すなわち、省スペースで入射光の揺らぎおよび素子の散乱や反射に起因する出力電圧の変動を抑制することができ、安定した「光−電圧変換」が可能になる。
本実施例の半導体受光素子は、受光部とキャパシタのそれぞれの構成のうち一部を共通の材料で形成したものである。
本実施例の半導体受光素子の構成を説明する。図4(a)および図4(b)は本実施例の半導体受光素子の構成例を示す断面図である。図4(a)に示すように、受光部506は、下部コンタクト層に相当する第1の半導体層502と、光吸収層としての役目を果たす第2の半導体層503と、上部コンタクト層に相当する第3の半導体層504とが半導体基板101上に順に積層された構造を有する。キャパシタ509は、下部コンタクト層および下部電極に相当する第1の半導体層502と、誘電体507と、上部電極508とが半導体基板101上に順に積層された構造を有する。
第2の半導体層503は、n型導電性不純物が拡散された半導体層であるn型半導体層、アンドープ半導体層(intrinsic layer)、およびp型導電性不純物が拡散された半導体層であるp型半導体層が順に積層された膜構造が設けられているか、またはその膜構造が複数積み重ねられている。第1の半導体層502と第3の半導体層504は異なる導電型である。
受光部506の第3の半導体層504上に上部電極505が設けられている。上部電極505は、入射光106が第3の半導体層504に照射しやすいように、枠状のパターンである。上部電極505は上部配線511を介してキャパシタ509の上部電極508と接続されている。受光部506の下部コンタクト層とキャパシタ509の下部コンタクト層とが下部配線510で接続されている。受光部506とキャパシタ509は下部配線510および上部配線511により並列に接続されている。なお、上部配線511の配線方法は実施例1と同様の方法である。
本実施例では、受光部506とキャパシタ509のそれぞれの下部コンタクト層は同じ材料の第1の半導体層502であることから、受光部506のアイソレーション工程で同時にキャパシタ509についてもアイソレーションを行うことが可能である。
また、図4(b)に示すように、下部コンタクト層である第1の半導体層502を用いた電気的接続が可能である。この場合、図4(a)に示した下部配線510を設ける必要がない。
本実施例の半導体受光素子は、受光部およびキャパシタのそれぞれの下部コンタクト層に同じ材料の第1の半導体層を用いることにより、それぞれの下部コンタクト層を別々に形成する場合よりもプロセスの簡素化が可能である。膜形成工程やパターニング工程を受光部形成とキャパシタ形成とで共通化できるからである。
また、受光部およびキャパシタのそれぞれの下部コンタクト層に同じ材料の第1の半導体層を用いることにより、受光部とキャパシタの位置制御が容易となる。受光部とキャパシタのそれぞれの下部コンタクト層のパターニング工程を共通化することで、下部コンタクト層間の距離が製造ロット毎に同等になるからである。
さらに、第1の半導体層を共通のコンタクト層として受光部とキャパシタを電気的に接続することにより、下部配線を設ける必要がなくなる。キャパシタの下部電極が第1の半導体層で特定されるため、誘電体を形成する材料や膜厚で容量を設計することが可能となる。
本実施例の半導体受光素子は、受光部とキャパシタのそれぞれの構成のうち共通の材料で形成する部位を実施例2よりも増やしたものである。以下では、実施例1または実施例2と同様な構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施例の半導体受光素子の構成を説明する。図5は本実施例の半導体受光素子の一構成例を示す断面図である。図5に示すように、受光部506は、実施例2と同様に、第1の半導体層502、第2の半導体層503および第3の半導体層504が半導体基板101上に順に積層された構造を有している。本実施例のキャパシタ708は、下部コンタクト層に相当する第1の半導体層502と、第2の半導体層503と、第3の半導体層504とが半導体基板101上に順に積層された構造を有する。
受光部506の第1の半導体層502はキャパシタ708の第1の半導体層502と第1の配線709を介して接続されている。キャパシタ708の第3の半導体層504の上には上部電極707が設けられ、キャパシタ708の第3の半導体層504の上面は第2の配線707で覆われている。受光部506の上部電極505とキャパシタ708の上部電極707は第2の配線710を介して接続されている。受光部506とキャパシタ708は第1の配線709および第2の配線710により並列に接続されている。なお、第1の配線709の配線方法は実施例1と同様の方法である。
本実施例では、キャパシタ708を形成している半導体層は、光が照射されると、起電力を生じてしまう。これを防ぐために、キャパシタ側の第3の半導体層504の上面を上部電極707で完全に覆っている。上部電極707が遮光膜の役目を果たしている。
本実施例においては、受光部とキャパシタは同じ半導体層により形成されることから、受光部と同時にキャパシタを形成できる。
キャパシタ708の第2の半導体層503はpn接合のダイオード特性を有する。第2の半導体層503のpin積層構造は、1段であってもよく、複数段積み重ねられていてもよい。図6(a)は図5に示した半導体受光素子の等価回路を示す図である。図6(a)に示すように、キャパシタ708はダイオード802に置き換えられる。この場合は、ダイオード802に逆方向バイアスが印加される接続である。なお、キャパシタ708は、ダイオードが複数直列に接続された構成になるが、ここでは単体のダイオードとして示している。
図7は、キャパシタを逆方向バイアスに接続した場合の半導体受光素子の容量変化の一例を示すグラフである。図7の横軸は印加電圧で、縦軸は容量である。ここでは、InGaAs光吸収層で半導体受光素子を形成している。図7に示すように、印加電圧が0Vから−10Vの範囲で、容量の変化量は0.005pF/V程度である。
逆方向バイアスに接続されるダイオード802の場合、受光部506から印加される電圧がダイオード802のブレークダウン電圧以下であれば容量の変動は小さく、安定した容量が得られる。
一方、受光部506の上部電極505をキャパシタ708の第1の半導体層502に接続し、受光部506の第1の半導体層502をキャパシタ708の上部電極707に接続すれば、図6(a)に示すダイオード802を図6(b)に示すダイオード803に置き換えることが可能である。図6(b)の場合には、ダイオード803に順方向バイアスが印加される。
順方向バイアスに接続されるダイオード803の場合、印加される電圧の増大に従って容量も増大するため、キャパシタの大容量化が可能である。しかし、ビルトイン電圧を超える電圧では電流が増加するため、光−電圧変換の効率が低下する。変換効率低下の抑制には、キャパシタとなるダイオードを複数個設け、複数個のダイオードを直列に接続し、電流が流れ出す電圧を上げる構成をとればよい。
本実施例の半導体受光素子では、キャパシタが受光部と同一の半導体層で形成されるため、キャパシタがpn接合によるダイオード特性を有する。並列接続される受光部およびキャパシタの接続の仕方を変えることで、その違いに対応して容量の異なるキャパシタが形成される。また、プロセスを変更することなく受光部とキャパシタを同時に形成することが可能であり、実施例2の半導体受光素子と同様に受光部とキャパシタの位置制御が容易である。
本実施例の半導体受光素子は、受光部とキャパシタの平面パターンの一例を示すものである。以下では、実施例1から実施例3のいずれかと同様な構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施例の半導体受光素子の構成を説明する。図8は本実施例の半導体受光素子の構成例を示す上面図と断面図である。図8(a)において、上側の上面図の線分A−A’で切ったときの断面を下側の断面図に示す。図8(a)に示すように、キャパシタ1008は、平面パターンが円形状の受光部506を囲む位置にリング状に形成されている。キャパシタ1008の平面パターンを受光部506に外周形状に沿ったリング状にしているため、本実施例のパターン配置により、素子サイズを必要最小限に抑えることができる。また、キャパシタ1008が受光部506を取り囲んでいることから、受光部メサ構造を外部衝撃や基板応力などから保護する効果がある。
図8(b)は、キャパシタの平面パターンが弧形状の場合を示す。図8(b)に示すキャパシタ1008の平面パターンは、図8(a)に示したリング状パターンの一部を取り除いた形状である。この場合においても、素子サイズおよび受光部メサ構造への効果は図8(a)の場合のリング形状に順じる。
図8(c)は、本実施例の場合の配線接続の一例を示す断面図である。受光部506とキャパシタ1008の下部電極同士を第1の配線1009で接続し、上部電極同士を第2の配線1010で接続している。本実施例では、第2の配線1010を実施例3とは異なる方法で形成しているが、実施例3と同様に空中配線であってもよい。図8(c)に示すように、受光部506およびキャパシタ1008の側壁に保護膜としてパッシベーション膜1011を形成し、第2の配線1010が電極以外の層に接触しないようにしている。なお、パッシベーション膜1011は、少なくとも第2の配線1010を形成する部位にあればよい。
本実施例の半導体受光素子は、受光部およびキャパシタのいずれか一方または両方が、複数のパターンを有するものである。以下では、実施例1から実施例4のいずれかと同様な構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図9(a)から図9(f)は本実施例の半導体受光素子の構成例を示す上面図である。図9(a)は、複数の受光部と1つのキャパシタとを有する素子の例を示す。以下では、複数の受光部の1つの部位を受光部セルと称する。
図9(a)に示すように、複数の受光部セル1102を囲む位置にリング状パターンのキャパシタ1103が配置されている。受光部セル1102は、円形状の受光部が均等に分割されたものである。図9(a)に示す例では、図8(a)に示した円形状の受光部が中心角45度で8等分されている。受光部セル1102を中心部に均等に配置することで、入射光を効率的に吸収する。なお、複数の受光部セル1102を取り囲むリング形状のキャパシタの効果については、実施例4と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
図9(b)から図9(d)には、1つの受光部と複数のキャパシタとを有する素子の例を示す。なお、複数のキャパシタの1つの部位をキャパシタセルと称する。
図9(b)では、リング状のキャパシタセル1104が円形状の受光部1101を中心とする同心円状に2本配置されている。なお、キャパシタセル1104の数は2つに限られない。この構成によれば、キャパシタセル1104の帯状パターンの幅を大きくするか、キャパシタセル1104の数を増やすことで、キャパシタの面積拡大による大容量化が容易である。
図9(c)では、図9(b)に示したリング状の1本のキャパシタセル1104を複数に均等に分割したキャパシタセル1104aが受光部1101の外周に沿って配置されている。この場合、キャパシタ全体としての所望の容量値に合わせて複数のキャパシタセル1104aのうち並列接続にするセルと直列接続にするセルをそれぞれ特定して配線することで、配線による容量の変更に有利である。
さらに、図9(d)では、図9(b)に示したキャパシタセル1104を複数に均等に分割し、分割されたキャパシタセル1104bが同心円状に配置されている。この場合、より多くのキャパシタセルの集積が可能である。
図9(e)および図9(f)は複数の受光部と複数のキャパシタとを有する素子の例を示す。図9(e)および図9(f)に示すように、受光部1101を複数に均等に分割して、複数の受光部セル1102を集積した場合においても、図9(c)および図9(d)でそれぞれ示したキャパシタセル1104a、1104bの配置を適用できる。
なお、図9(b)から図9(f)のそれぞれに示した複数のキャパシタセルの接続方法については、キャパシタ全体としての所望の容量値に合わせて、並列もしくは直列またはそれらを組み合わせて接続すればよい。キャパシタ全体としての容量値は、公知の合成容量導出方法から算出することが可能である。
図10は図9に示した素子の電気的接続の具体例を示す回路図である。図10(a)では、複数のキャパシタセルが並列に接続された構成のキャパシタ402が、1個の受光部1101に対して並列に接続されている。この場合、平滑化に用いる容量の増大が可能である。図10(b)では、複数のキャパシタセルが直列に接続された構成のキャパシタ403が、1個の受光部1101に対して並列に接続されている。この場合、容量の低減が可能である。
図10(c)は、複数の受光部セルが直列に接続された構成の受光部401に対して、キャパシタ403が並列に接続されている。図10(d)は、受光部401に対してキャパシタ402が並列に接続されている。図10(e)では、受光部404は、複数の受光部セルが直列に接続されたものが並列に2本接続されている。この本数は2本に限られない。そして、この受光部404に対して、キャパシタ403が並列に接続されている。図10(f)は、受光部404に対してキャパシタ402が並列に接続されている。
図10(c)から図10(f)では、複数の受光部セルの直列接続および並列接続の組み合わせにより、発生電圧の増大および安定が可能である。
本実施例の半導体受光素子は、受光部とキャパシタの集積化により所望の出力電圧を得られる。
なお、複数のキャパシタセルを集積したキャパシタのうち任意のキャパシタセルから外部出力を取り出すことにより容量を変化させて所望の出力電圧を引き出すようにしてもよい。図11(a)および図11(b)は本実施例の半導体受光素子の容量変更例の等価回路を示す図であり、出力電圧を取り出すための端子が接続されるキャパシタセルの位置の例を示す。
図11(b)に示すように、キャパシタ604は、出力電圧を取り出すための2本の端子のうち、一方の端子は図11(a)のキャパシタ602と同じだが、他方の端子はキャパシタ602と異なっている。キャパシタ604は、直列に接続された複数のキャパシタセル603の数がキャパシタ602よりも少ないため、キャパシタ602の出力電圧Vout2とキャパシタ604の出力電圧Vout3は異なる電圧になる。出力電圧の目標値に対応して複数のキャパシタセルのうちいずれかのキャパシタセルに、出力電圧を取り出すための配線を接続する。このようにして、出力電圧を制御することができる。ここでは、受光部を単体の受光部1101としているが、複数の受光部セルで構成されるものであってもよい。
本実施例の半導体受光素子は、実施例1から実施例5のいずれかについて、電流の制御性を向上させたものである。
図12は本実施例の半導体受光素子の等価回路を示す図である。図12に示すように、本実施例の素子は、キャパシタ1202と負荷抵抗1203が直列に接続されたものが、受光部1201に対して並列に接続されている。実施例1から実施例5のいずれかの半導体受光素子において、電流制御のための負荷抵抗1203をキャパシタ1202に直列に接続した場合でも、実施例1から実施例5で説明した本発明による効果を得られる。負荷抵抗1203は、受光部1201を形成する際の半導体層および電極により形成することが可能である。
本実施例の半導体受光素子は、実施例1から実施例5のいずれかについて、電流の逆流を防止する構成を設けたものである。
図13は本実施例の半導体受光素子の等価回路を示す図である。図13に示すように、本実施例の素子は、並列に接続された受光部1301とキャパシタ1302を結ぶ配線に、逆流電流防止のためのダイオード1303が設けられている。実施例1から実施例5のいずれかの半導体受光素子において、逆流電流防止のためのダイオード1303を受光部1301とキャパシタ1302の間に接続した場合でも、実施例1から実施例5で説明した本発明による効果を得られる。ダイオード1303は、受光部1301を形成する際の半導体層および電極により形成することが可能である。なお、本実施例に実施例6を組み合わせてもよい。
上述したように、本発明の半導体受光素子は、従来よりも効率よく光を安定した電圧に変換することが可能である。
上記実施例1から実施例7において、受光部の第2の半導体層のn型半導体層とp型半導体層を高濃度層(各導電型の不純物濃度が1018cm-3以上)にしてもよい。n型高濃度半導体層、アンドープ半導体層およびp型高濃度半導体層からなる構造膜を複数積層した構造で構成される光吸収領域を受光部が備えることで、光−電圧変換率が向上し、出力電圧が増大する。
また、上述の実施例において、受光部の第2の半導体層のn型半導体層とp型半導体層を上記高濃度層にし、これらのPIN構造膜を複数積層した光吸収領域を設け、かつ、この光吸収領域が光の入射方向に対して半導体層の膜厚が徐々に厚くなるように各半導体層を形成してもよい。入射光の光強度は上層側よりも下層側ほど小さくなるが、この場合、下層側ほど半導体層の膜厚が厚くなり、下層側での光−電圧変換率が従来よりも向上する。光入射方向の光キャリアの分布に沿った半導体層の周期数および厚さを最適化することで、光−電圧変換が効率的に行われ、出力電圧を増大できる。
また、上述の実施例では、半導体基板の表面と裏面のうち受光部が形成された表面に光が入射される素子を基本に説明しているが、逆転構造により裏面から光が入射する構造であってもよい。
また、上述の実施例ではInGaAs光吸収層を適用した場合の電圧変動量などを示したが、光吸収層はInGaAsの場合に限られない。これ以外にも元素In、Al、Ga、As、P、SbおよびNの組み合わせからなる半導体や、元素Zn、Cd、SeおよびOの組み合わせからなる半導体や、元素Fe、SiおよびGeならびにその組み合わせからなる半導体においても、本発明の半導体受光素子を実現することが可能である。
さらに、上記実施例1から実施例7の場合に限らず、これらの実施例を組み合わせてもよい。
本発明の半導体受光素子を、光通信、光情報処理、または光計測等を行う光信号処理装置に搭載することにより、これらの装置の高性能化を図ることができる。なお、これらの光信号処理装置については、広く知られており、特許文献1および非特許文献3から非特許文献5などに開示されている。
実施例1の半導体受光素子の一構成例を示す断面図である。 実施例1の半導体受光素子の等価回路を示す図である。 実施例1の半導体受光素子の出力電圧波形を示すグラフである。 実施例2の半導体受光素子の構成例を示す断面図である。 実施例3の半導体受光素子の一構成例を示す断面図である。 実施例3の半導体受光素子の等価回路を示す図である。 実施例3の半導体受光素子におけるダイオードの容量変化を示すグラフである。 実施例4の半導体受光素子の構成例を示す上面図および断面図である。 実施例5の半導体受光素子の構成例を示す上面図である。 実施例5の半導体受光素子の電気的接続の具体例を示す回路図である。 実施例5の半導体受光素子についての容量変更例の等価回路を示す図である。 実施例6の半導体受光素子の等価回路を示す図である。 実施例7の半導体受光素子の等価回路を示す図である。 従来の半導体受光素子の構成例を示す上面図および断面図である。 従来の半導体受光素子の出力電圧波形を示すグラフである。
符号の説明
101 半導体基板
102、401、404、506、1101、1201、1301、1401 受光部
103、402、403、602、604、708、1008、1103、1202、1302、 キャパシタ
104、510 下部配線
105、511 上部配線
106、1402 入射光
502 第1の半導体層
503 第2の半導体層
504 第3の半導体層
505 上部電極
507 誘電体
508、707 上部電極
709、1009 第1の配線
710、1010 第2の配線
1011 パッシベーション膜
802、803 ダイオード
603、1104、1104a、1104b キャパシタセル
1102 受光部セル
1203 負荷抵抗

Claims (10)

  1. 光を電圧に変換する機能を備えた受光部と、
    前記受光部に並列に接続され、該受光部と同一基板上に設けられたキャパシタと、
    を有することを特徴とする半導体受光素子。
  2. 請求項1記載の半導体受光素子において、
    前記キャパシタが複数のセルで構成され、該複数のセルが並列もしくは直列またはそれらの組み合わせで電気的に接続されていることを特徴とする半導体受光素子。
  3. 請求項1または2記載の半導体受光素子において、
    前記受光部は、
    下部コンタクト層として第1の導電型を有する第1の半導体層と、光吸収層である第2の半導体層と、上部コンタクト層として第2の導電型を有する第3の半導体層とが前記基板上に順に積層された構造を有し、
    前記キャパシタは、
    前記第1の半導体層と同一材料の下部コンタクト層と、誘電体と、上部電極とが前記基板上に順に積層された構造を有することを特徴とする半導体受光素子。
  4. 請求項1または2記載の半導体受光素子において、
    前記受光部は、
    下部コンタクト層として第1の導電型を有する第1の半導体層と、光吸収層である第2の半導体層と、上部コンタクト層として第2の導電型を有する第3の半導体層とが前記基板上に順に積層された構造を有し、
    前記キャパシタは、
    前記第1の半導体層と同一材料の下部コンタクト層と、前記第2の半導体層と同一材料の層と、前記第3の半導体層と同一材料の上部コンタクト層と、上部電極とが前記基板上に順に積層された構造を有することを特徴とする半導体受光素子。
  5. 請求項3または4記載の半導体受光素子において、
    前記キャパシタが複数のセルで構成され、該複数のセルが並列もしくは直列またはそれらの組み合わせで電気的に接続され、
    出力電圧の目標値に対応して、前記出力電圧を取り出すための配線が前記複数のセルのうちいずれかのセルに接続されていることを特徴とする半導体受光素子。
  6. 請求項3から5のいずれか1項記載の半導体受光素子において、
    前記受光部の下部コンタクト層と前記キャパシタの下部コンタクト層とが電気的に接続され、
    前記受光部の上部コンタクト層と前記キャパシタの上部電極とが電気的に接続されていることを特徴とする半導体受光素子。
  7. 請求項3から5のいずれか1項記載の半導体受光素子において、
    前記受光部の下部コンタクト層と前記キャパシタの上部電極とが電気的に接続され、
    前記受光部の上部電極と前記キャパシタの下部コンタクト層とが電気的に接続されていることを特徴とする半導体受光素子。
  8. 請求項1から7のいずれか1項記載の半導体受光素子において、
    前記受光部は、
    不純物濃度が所定の濃度以上である高濃度の第1の導電型の半導体層とアンドープ半導体層と前記高濃度の第2の導電型の半導体層とが積層された構造が複数積み重ねられている光吸収領域を有することを特徴とする半導体受光素子。
  9. 請求項1から8のいずれか1項記載の半導体受光素子において、
    前記受光部は、
    不純物濃度が所定の濃度以上である高濃度の第1の導電型の半導体層とアンドープ半導体層と前記高濃度の第2の導電型の半導体層とが積層された構造が複数積み重ねられている光吸収領域を有し、該光吸収領域を形成する複数の半導体層の個々の厚さが光の入射方向に対して徐々に増していることを特徴とする半導体受光素子。
  10. 請求項1から9のいずれか1項記載の半導体受光素子を備え、
    前記半導体受光素子を用いて光通信、光情報処理、および光計測のうちいずれかを実行することを特徴とする光信号処理装置。
JP2007035111A 2007-02-15 2007-02-15 半導体受光素子および光信号処理装置 Pending JP2008198937A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007035111A JP2008198937A (ja) 2007-02-15 2007-02-15 半導体受光素子および光信号処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007035111A JP2008198937A (ja) 2007-02-15 2007-02-15 半導体受光素子および光信号処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008198937A true JP2008198937A (ja) 2008-08-28

Family

ID=39757588

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007035111A Pending JP2008198937A (ja) 2007-02-15 2007-02-15 半導体受光素子および光信号処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008198937A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103703146A (zh) * 2011-07-19 2014-04-02 株式会社日立高新技术 核酸分析方法和核酸分析装置
WO2014051889A1 (en) * 2012-09-28 2014-04-03 Dow Global Technologies Llc Photo-voltaic device having improved shading degradation resistance
JPWO2015129178A1 (ja) * 2014-02-26 2017-03-30 日本電気株式会社 光モジュール及びデジタルコヒーレントレシーバ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103703146A (zh) * 2011-07-19 2014-04-02 株式会社日立高新技术 核酸分析方法和核酸分析装置
US10294519B2 (en) 2011-07-19 2019-05-21 Hitachi High-Technologies Corporation Method and apparatus for nucleic acid analysis
WO2014051889A1 (en) * 2012-09-28 2014-04-03 Dow Global Technologies Llc Photo-voltaic device having improved shading degradation resistance
JPWO2015129178A1 (ja) * 2014-02-26 2017-03-30 日本電気株式会社 光モジュール及びデジタルコヒーレントレシーバ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20230158593A1 (en) Solar cell assembly
US20220102569A1 (en) Monolithic multijunction power converter
JP4609430B2 (ja) アバランシェフォトダイオード
JP6341651B2 (ja) 光信号を電気信号に変換するアバランシェ光検出器素子、これを用いた電気回路、およびアバランシェ光検出器の使用
US7936034B2 (en) Mesa structure photon detection circuit
KR20170124639A (ko) 태양 전지의 제조를 위한 공정 및 구조물
US10431613B2 (en) Image sensor comprising nanoantenna
JP2006216608A (ja) 太陽電池モジュール
EP1878054B1 (en) Solar cell array with isotype-heterojunction diode
JP5137563B2 (ja) 横型構成電気光学デバイス
WO2014068850A1 (ja) フォトダイオード
JP2008198937A (ja) 半導体受光素子および光信号処理装置
CN101593781A (zh) 非线性太阳能电池模块
JP4985298B2 (ja) アバランシェフォトダイオード
JP6332096B2 (ja) 半導体受光素子
JP2018098399A (ja) 半導体受光素子
KR102097516B1 (ko) 유연소자 및 이를 이용하여 체결된 태양전지
JP2013197464A (ja) 太陽電池回路
JP2011165837A (ja) 太陽電池ストリング、太陽電池モジュールおよび太陽電池セル
US20220102561A1 (en) Photodetector
JP4252565B2 (ja) 半導体装置
JP2005072387A (ja) 光半導体装置、半導体リレー装置及び光信号受信装置
JP2008066446A (ja) 半導体積層構造および半導体素子
JP2016219704A (ja) 光電変換装置