JP2008198521A - 車載用操作装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 筐体の装着孔にスイッチ本体を手作業で組み付ける際に、スイッチ本体の意匠面を汚すことなく、効率的に組み付け作業を行なうことができる車載用操作装置を提供する。
【解決手段】 車載用操作装置1であって、筐体30と、該筐体30の装着孔35内に進退可能に配置されるスイッチ本体10とを有し、スイッチ本体10は装着孔35に係合する形でその進退移動がガイドされている。スイッチ本体10は、装着孔35に対し筐体30裏面側から装着されるように構成されるとともに、当該装着時において該スイッチ本体10を把持するためのハンドリング用突出部19を備えてなる。
【選択図】 図2
【解決手段】 車載用操作装置1であって、筐体30と、該筐体30の装着孔35内に進退可能に配置されるスイッチ本体10とを有し、スイッチ本体10は装着孔35に係合する形でその進退移動がガイドされている。スイッチ本体10は、装着孔35に対し筐体30裏面側から装着されるように構成されるとともに、当該装着時において該スイッチ本体10を把持するためのハンドリング用突出部19を備えてなる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、車両(特に、自動車)等に備えられる押圧操作可能な操作装置に関する。
自動車等の車両に設けられる操作装置として、回転操作がなされるダイアル式の操作装置の他、押圧操作がなされるモーメンタリスイッチ等の押圧操作装置が存在する(例えば特許文献1)。この押圧操作装置は、操作パネルの意匠面を前面に備える筐体(ケース)と、該筐体前面部を貫通する装着孔内にて進退可能に配置されるプッシュノブ(スイッチ本体)とを有して構成されるとともに、装着孔内にてプッシュノブが押圧操作方向に進退移動するように、プッシュノブ及び筐体装着孔のそれぞれにはガイド部が形成されている。
この場合、プッシュノブ側及び筐体側のガイド部は、互いが係合する形でプッシュノブの進退移動をガイドするように構成され、このとき、それぞれガイド部の接触面(摺動面)には潤滑剤(グリース)が塗布される。
ところで、潤滑剤が塗布される押圧操作装置においては、押圧操作面をなすプッシュノブ前端の意匠面に潤滑剤が付かないように組み付けを行なうことが重要である。一方で、上記のような押圧操作装置は、筐体とプッシュノブとの組み付けを作業者の手によりなされることが一般的であるから、プッシュノブの意匠面への潤滑剤の付着は、作業者の組み付け作業中に、作業者の手を介して起こる可能性が高い。例えば、組み付け作業中、作業者の手に何らかの原因で潤滑剤が少しでも付着すると、以降の作業で、プッシュノブの意匠面やその付近に触れる作業があれば、当然意匠面にも潤滑剤が付着する、あるいは潤滑剤が付着する可能性が高くなる。
このため、潤滑剤が塗布される押圧操作装置においては、プッシュノブの意匠面に潤滑剤が付き難い組み付け方法が求められており、従来、以下の3タイプの組み付け方法が採用されていた。
第一の組み付け方法は、図10に示すように、プッシュノブを、意匠面を形成する部材とその他の本体部とに分け、それぞれを別体に形成する方法である。図10においては、まず、プッシュノブ10を、その意匠面20aが形成されるカバー部材29と、筐体側ガイド部33と係合するノブ側ガイド部13を有する本体部10´とに分けてそれぞれを別体に形成して予め用意しておく。そして、組み付けの際には、まず、筐体30を固定し、潤滑剤9を筐体側ガイド部33の後端位置に塗布しておく。その状態で、筐体30の装着孔35に対し後方から、本体部10´を作業者が手で持って挿入し、双方を組み付ける。その上で、装着孔35の前方側開口から露出する本体部10´の前端部11に、別体形成されたカバー部材29を組み付ける。この方法の場合、本体部10´が筐体30の装着孔35に組み付けられていく際に、本体部10´のノブ側ガイド部13が、潤滑剤9が塗布された筐体側ガイド部33の後端位置を摺動しながら通過していくので、双方のガイド部13,33の摺動面全体に潤滑剤9が行き渡る。
この第一の組み付け方法によると、本体部10´を筐体30に組み付ける際に、人が触れる本体部10´には潤滑剤9が付いていないため、人の手が潤滑剤9で汚れる心配が無い。人の手が潤滑剤9で汚れないので、プッシュノブ10の意匠面20aが形成されたカバー部材を後から組み付ける際にも、意匠面20aには潤滑剤9は付着しない。従って、意匠面に潤滑剤が付着することなく組み付け作業を完了することができる。ところが、この方法の場合、プッシュノブ10の意匠面20aをなすカバー部材29が本体部10´とは別体に形成されるので部品点数が多くなるとともに、カバー29を後付けするため組み付け工数が増すという課題がある。
第二の組み付け方法は、上記第一の方法とは異なり、プッシュノブに意匠面を形成した状態で、筐体に組み付ける方法である。図11に示すように、まず、筐体30を固定し、潤滑剤9を筐体側ガイド部33の前端位置に塗布しておく。その状態で、筐体30の装着孔35に対し前方から、意匠面20aが形成されたプッシュノブ10を作業者が手で持って挿入し、双方を組み付ける。この方法の場合、プッシュノブ10が筐体30の装着孔35に組み付けられていく際に、プッシュノブ10のノブ側ガイド部13が、潤滑剤9が塗布された筐体側ガイド部33の前端位置を摺動しながら通過していくので、双方のガイド部13,33の摺動面全体に潤滑剤9が行き渡る。
この第二の組み付け方法によると、プッシュノブ10を筐体30に組み付ける際に、人が触れるプッシュノブ10には潤滑剤9が付いていないため、人の手が潤滑剤9で汚れる心配が無い。人の手が潤滑剤9で汚れないので、プッシュノブ10の意匠面20aにも潤滑剤9は付着しない。ところが、意匠上、プッシュノブ10の意匠面20a側からは、双方のガイド部13,33が見えることは好ましくない。このため、意匠面側から見たときに、プッシュノブ10の前端部11により、ノブ側ガイド部13と筐体側ガイド部33の係合状態が見えないよう該前端部11を大きく形成しておく必要が生じる。従って、プッシュノブ10の意匠面20aの大きさには制限が設けられ、プッシュノブ10を一定以上小さく形成できないという課題がある。
第三の組み付け方法は、上記第二の方法と同様、プッシュノブに意匠面を形成した状態で、筐体に組み付ける方法である。図12に示すように、まず、プッシュノブ10を治具にて固定し、潤滑剤9をノブ側ガイド部13の前端位置に塗布しておく。その状態で、固定されたプッシュノブ10の前端が装着孔35に対し後方から挿入されるように、筐体30を作業者が手で持って組み付けを行なう。そして、組み付け後、プッシュノブ10から治具を外す。この方法の場合、筐体30を装着孔35にプッシュノブ10が組み付けられていく際に、筐体30の筐体側ガイド部33が、潤滑剤9が塗布されたノブ側ガイド部13の前端位置を摺動しながら通過していくので、双方のガイド部13,33の摺動面全体に潤滑剤9が行き渡る。
この第三の組み付け方法によると、人が触る筐体30には潤滑剤9が付いていないため、人の手が潤滑剤9で汚れる心配が無い。また、潤滑剤9はプッシュノブ10のノブ側ガイド部13に付着されているため、該ノブ側ガイド部13よりも前方に位置する意匠面20aに潤滑剤9が付着する可能性も低い。ところが、この方法の場合、プッシュノブ10の形状に応じて、それに対応する治具が必要となるので、形状の異なるプッシュノブがある場合には治具を変えなければならず、組み付け作業性が悪い。また、プッシュノブ10と筐体30とを組み付けた状態でプッシュノブ10から治具90を外すためには、筐体30とプッシュノブ10との双方に互いを仮固定状態とする固定構造を設ける必要があるので、双方の構造が複雑化するという問題もある。
本発明の課題は、筐体の装着孔にプッシュノブを手作業で組み付ける際に、スイッチ本体の意匠面を汚すことなく、効率的に組み付け作業を行なうことができる車載用操作装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明の車載用操作装置は、
筐体前面部を貫通する装着孔内に、前端面が押圧操作面とされたスイッチ本体が進退可能に配置されるとともに、該スイッチ本体の周側面に貫通方向に沿って形成されたスイッチ側ガイド部が、筐体の装着孔の内周面に形成された筐体側ガイド部と潤滑剤を介して係合しつつ、押圧操作に伴うスイッチ本体の進退移動がガイドされるようになっており、
スイッチ本体は装着孔に対し筐体裏面側から装着されるとともに、当該装着時において該スイッチ本体を把持するためのハンドリング用突出部が、押圧操作方向において潤滑剤が塗布されるスイッチ側ガイド部の後端縁よりも後方に突出するか、又はスイッチ側ガイド部とは異なる位置にて周側面から突出する形でスイッチ本体に形成されてなることを特徴とする。
筐体前面部を貫通する装着孔内に、前端面が押圧操作面とされたスイッチ本体が進退可能に配置されるとともに、該スイッチ本体の周側面に貫通方向に沿って形成されたスイッチ側ガイド部が、筐体の装着孔の内周面に形成された筐体側ガイド部と潤滑剤を介して係合しつつ、押圧操作に伴うスイッチ本体の進退移動がガイドされるようになっており、
スイッチ本体は装着孔に対し筐体裏面側から装着されるとともに、当該装着時において該スイッチ本体を把持するためのハンドリング用突出部が、押圧操作方向において潤滑剤が塗布されるスイッチ側ガイド部の後端縁よりも後方に突出するか、又はスイッチ側ガイド部とは異なる位置にて周側面から突出する形でスイッチ本体に形成されてなることを特徴とする。
上記本発明の構成によると、前端面に意匠面(つまり押圧操作面)が一体に形成されたスイッチ本体部が、該意匠面を先頭にして装着孔に対し筐体裏面側から装着された構成となるとともに、潤滑剤が塗布されるスイッチ側ガイド部とは異なる位置に、装着時に作業者による把持が可能なハンドリング用突出部が形成される。これにより、組み付け作業中の作業者は、ハンドリング用突出部を把持する形でスイッチ本体を把持することができるので、潤滑剤塗布部分を触れることなく組み付け作業を行なうことができる。また、上記本発明の車載用操作装置によると、以下のような組み付け工程を経て組み付け作業を行なうことにより、作業者の手に潤滑剤が付く機会を除くことができる。
即ち、その組み付け方法とは、前端面に予め意匠面が一体に形成され、かつスイッチ側ガイド部が形成されたスイッチ本体において、該スイッチ側ガイド部の前端部に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布工程と、スイッチ本体の前端面(意匠面)を先頭にし、スイッチ側ガイド部と筐体側ガイド部とを係合させる形で、筐体の装着孔に対しその裏面側から該スイッチ本体を挿入する装着工程と、をこの順で行なうものである。この方法の場合、潤滑剤塗布工程において、潤滑剤はスイッチ本体側のガイド部の前端部分に塗布され、装着工程において、スイッチ本体を筐体の装着孔に挿入していく際に、スイッチ側ガイド部が潤滑剤が塗布された筐体側ガイド部の前端部を摺動しながら通過していくので、双方のガイド部の摺動面全体に行き渡る。
この方法によると、スイッチ本体の筐体装着孔への挿入作業時に、作業者が上記ハンドリング用突出部を把持するようにすることで、潤滑剤で手を汚す心配がない。さらに、各工程において、作業者が意匠面付近に触れる機会もないので、仮に潤滑剤で手を汚したとしても意匠面が汚れる心配はない。当然、上記した従来例のように、別体の意匠部の後付、意匠面形状の制約、治具の使用等の問題も生じ得ない。
ところで、スイッチ本体は、周側面を形成するとともに後端面側が開口する外周壁部と、該外周壁部の内側に設けられて後端部が該外周壁部の開口から後方に突出する内部構造体とを有して構成することができる。この構成によると、内部構造体の開口からの突出部分をハンドリング用突出部として使用することができるので、スイッチ本体と筐体とを組み付ける作業者の手に潤滑剤が付着する心配がない。また、潤滑剤は、スイッチ本体の周側面(外周側面)に塗布されて外側に向けて露出するものであるから、上記構成のように、それよりも内側にハンドリング用突出部が形成されていれば、これを把持する作業者の手に潤滑剤は一層付着し難くなる。
この内部構造体は、スイッチ本体の押圧操作側を形成する前端部の裏面から後方に突出する形態で後端面側が開口する筒状に形成することができる。そして、この筒状の内部構造体を、当該開口に臨む位置に設けられた表示用光源からの光を、スイッチ本体の前端側に形成された透光表示部に導くための、遮光材料からなる導光筒状部として構成することができる。これにより、ハンドリング用突出部が形成される内部構造体を、透光表示部の透光部に光を導くために形成される遮光壁部に兼用させることができるので、全体構造をよりシンプルにできる。
他方、ハンドリング用突出部は、周側面の内側だけでなく外側にも突出形成することが可能である。即ち、ハンドリング用突出部は、スイッチ本体の周側面の少なくとも後端部をなす領域に形成することができる。そして、この場合、ハンドリング用突出部は、スイッチ本体の前端面の幾何学的重心位置に関し互いに対称な位置に対をなして形成することができる。上記した組み付け方法によると、潤滑剤はスイッチ側ガイド部の前端部に塗布されるので、作業者が把持するハンドリング用突出部が、スイッチ本体における周側面の後端部に形成されていれば、作業者はより潤滑剤から遠い位置を把持することができ、手に潤滑剤が付着し難くなる。また、ハンドリング用突出部は対をなして形成されるので、組み付け作業者は双方のハンドリング用突出部を内向きに押さえつける形で安定して把持できる。
また、スイッチ側ガイド部を、潤滑剤を充填する潤滑剤充填溝として形成し、筐体側ガイド部を、潤滑剤充填溝に係合する凸条部として形成することができる。上記組み付け方法によると、潤滑剤塗布工程において、潤滑剤はスイッチ側ガイド部に塗布されるが、このとき、スイッチ側ガイド部が上記構成のように溝状に形成されていれば、該溝の内部に潤滑剤を充填することができるので、粘性を有する潤滑剤が塗布位置から拡がることを抑制できる。これにより、作業者が触れる可能性のある部分への潤滑剤の拡がりを抑制することができ、組み付け作業者の手には潤滑剤が一層付き難くなる。
さらに、ハンドリング用突出部がスイッチ本体の周側面から外側に突出形成され、スイッチ側ガイド部が潤滑剤充填溝として形成される場合には、スイッチ側ガイド部を、スイッチ本体の周側面から潤滑剤充填溝となる隙間を隔てて突出形成される溝形成凸条部対として形成することができる。この構成によると、溝形成凸条部対により形成される溝から潤滑剤があふれてスイッチ本体の周側面に付着し拡がったとしても、ハンドリング用突出部は該周側面から外向きに突出しているので、作業者が把持する該ハンドリング用突出部の先端部にまで潤滑剤が到達する可能性は低く、作業者の手に触れ難い。
なお、ハンドリング用突出部がスイッチ本体の周側面から突出形態に形成される場合に、押圧操作方向と直交する投影面におけるスイッチ本体の投影図形において、スイッチ側ガイド部の先端縁をつなぐ形で、該スイッチ本体の周側面の外周縁形状と相似な仮想外周限界線を考えたときに、ハンドリング用突出部は、投影面において該仮想外周限界線内に収まるように、突出高さを定めることができる。この構成によると、スイッチ本体の筐体装着孔への挿入は、スイッチ側ガイド部と筐体側ガイド部の係合を意識して行なわれるが、スイッチ本体の周側面から外向きに突出するハンドリング用突出部の突出高さが高すぎると、当該挿入時に、上記係合を意識するだけでなく、該ハンドリング用突出部が装着孔の開口周辺に当たらないようにも意識して装着しなければならず、組み付け作業効率が低下する可能性がある。上記構成のように、押圧操作方向と直交する投影面において上記仮想外周限界線内に収まるように、ハンドリング用突出部の突出高さが制限されることで、スイッチ本体の筐体装着孔への挿入時に、作業者はハンドリング用突出部を特に意識しなくとも装着孔への挿入を行うことが可能となる。
なお、本発明は、モーメンタリスイッチの押圧操作部とすることができる。
以下、本発明の車載用操作装置の一実施形態を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一適用対象である車内操作ユニット100の正面外観の一例を示すものである。この車内操作ユニット100は、車内電子機器としての自動車(車両)用空調装置の操作を行なうためのものであり、樹脂製の筐体30(操作パネルともいう)を有する。筐体30の前面部(車内操作ユニット100の装置前面を形成する)には、本発明の車載用操作装置をなす押圧操作スイッチ1a〜1g,3が設けられている。なお、以下、押圧操作スイッチ1a〜1g,3を総称する場合には符号[1]で代表させるものとする。
図1は、本発明の一適用対象である車内操作ユニット100の正面外観の一例を示すものである。この車内操作ユニット100は、車内電子機器としての自動車(車両)用空調装置の操作を行なうためのものであり、樹脂製の筐体30(操作パネルともいう)を有する。筐体30の前面部(車内操作ユニット100の装置前面を形成する)には、本発明の車載用操作装置をなす押圧操作スイッチ1a〜1g,3が設けられている。なお、以下、押圧操作スイッチ1a〜1g,3を総称する場合には符号[1]で代表させるものとする。
なお、図1において、スイッチ1a,1fはデフロスタスイッチ、スイッチ1bはオート空調制御を設定するAUTOスイッチ、スイッチ1cは空調装置をオフするOFFスイッチ、スイッチ1dはコンプレッサやエバポレータを作動させるA/Cスイッチ、スイッチ1eは運転席側と助手席側とで独立して空調制御する「独立制御」とそれら双方を一括して空調制御する「一括制御」とを切替え可能な独立/一括制御切替スイッチ(DUALスイッチ)、スイッチ1gは、内気吸気/外気吸気/AUTO吸気との間で切り替えを行なう内外気切替スイッチである。スイッチ3はハザードランプを点灯(点滅)させるハザードスイッチである。
これらスイッチ1a〜1gの操作状態(ON・OFF)は、各スイッチ1a〜1gに対応形成されたインジケータ4の点灯状態により確認することができる。なお、スイッチ1a〜1gに対応する各シンボル図形6は、空調装置がオンのときに点灯、オフのときに非点灯となる。ハザードスイッチの操作状態(ON・OFF)は、シンボル図形6の点灯状態により確認することができる。
他方、スイッチ2aは吹出し口を切り替えるMODEスイッチ、スイッチ2bはマニュアル風量設定を行なう風量設定スイッチ、スイッチ2c、2dは運転席側・助手席側の温度設定スイッチである。これらスイッチ2a〜2dによる操作設定状態は、液晶表示面5の各表示部5a,5b,5c,5dに表示される。
図2は、図1の押圧操作スイッチ1cのa−a断面図である。なお、各押圧スイッチ1a〜1g,3の断面構造は同一であるから、以下の説明においてはそれらスイッチを押圧操作スイッチ1として、そのスイッチ構造の説明を行なう。
押圧操作スイッチ1は、筐体30の前面部31を貫通する装着孔35内に、前端面20aが押圧操作面とされたプッシュノブ(スイッチ本体)10が進退可能に配置される形で構成されている。プッシュノブ10の外周側面(周側面)12aには、筐体(ケース)30の装着孔35の貫通方向に沿ってノブ側ガイド部(スイッチ側ガイド部)13が形成され、他方、装着孔35の内周面35aにも、同じく貫通方向に沿って筐体側ガイド部33が形成されている。プッシュノブ10と筐体30との組み付け状態においては、ノブ側ガイド部13と筐体側ガイド部33とが潤滑剤(グリース)9を介して係合しており(図6参照)、これにより押圧操作に伴うプッシュノブ10の貫通方向(押圧操作方向P)への進退移動がガイドされるようになっている。
図3は、図2のプッシュノブ10の構造を示す図であり、図3(a)はプッシュノブ10における図1のa−a断面に相当する部分の端面図、図3(b)はプッシュノブ10の後端面図、図3(c)・(d)はプッシュノブ10の斜視図を示している。プッシュノブ10は、押圧操作面をなす前端面20aが意匠面とされた前端部11と、その後方において外周側面12aを形成するとともに後端面12c側が開口する外周壁部12とを一体に有して構成されている。
具体的には、プッシュノブ10は、押圧操作方向Pと直交する投影面におけるプッシュノブ10の投影図形において、その前端部11及び外周壁部12の外縁が、幾何学的重心位置が一致する互いに相似の四角形状をなして形成され、かつ前端部11よりも外周壁部12の外縁投影図形の方が面積が大となるように形成されている。即ち、プッシュノブ10の前端部11と外周壁部12との間には段差が形成されており、該段差により押圧操作方向後方に向けて外縁形状が外向きに大となる形で形成されているのである。また、押圧操作方向Pと直交する投影面における前端部11及び外周壁部12の投影図形において、前端部11の外縁図形が外周壁部12の外縁図形内に含まれる形で形成されている。
また、プッシュノブ10は、前端部11と外周壁部12とを一体に有して構成されるとともに、本実施形態においては、さらに、外周壁部12の内側に設けられて後端部19が該外周壁部12の開口12bから後方に突出する内部構造体14を一体に有して構成されている。そして、本実施形態においては、上記した内部構造体14の開口12bからの突出部分19が、筐体30への組み付け時に作業者が把持するハンドリング用突出部として使用される構造となっている。
内部構造体14は、プッシュノブ10の押圧操作側を形成する前端部11の裏面から後方に突出する形態で後端面14c側が開口14bを有する筒状をなし、遮光材料により形成されている。他方、プッシュノブ10の前端部11には透光部(例えば透明又は半透明の高分子材料)と遮光部(例えば透光部よりも透明度の低い高分子材料や遮光材料)とからなる透光表示部20が形成されている。
透光表示部20の押圧操作方向Pの後方位置には、図2に示すように、表示用光源70が設けられている。具体的に言えば、表示用光源70は、内部構造体14の後端面14c側の開口14bに臨む形で設けられており、該表示用光源70からの光を受ける透光表示部20では、その光を透光部にて透過し、遮光部にて遮光する形でシンボル図形6の図形形状を点灯表示する。このとき、遮光材料からなる筒状の内部構造体14は、透光表示部20に表示用光源70からの光を導くための導光筒状部として機能する。なお、本実施形態における透光表示部20の透光部は、図1のシンボル図形6の形成領域に相当し、遮光部はその背景領域に相当する。
なお、図2の表示用光源70は、本実施形態においては回路基板40上に実装されるLEDとして構成されている。また、該回路基板40上には、図2に示すように、プッシュノブ10の進退移動を検出する進退移動検出部としてタクトスイッチ50も実装されている。このタクトスイッチ50は、プッシュノブ10の押圧操作方向Pへの変位を検出することにより電気的にON・OFFするものであり、本実施形態においては、押圧操作に伴うプッシュノブ10の進退移動により、該プッシュノブ10の押圧部15がタクトスイッチ50の操作受け部51を押圧する形でON・OFFされる。なお、プッシュノブ10の押圧部15は、プッシュノブ10の外周壁部12の内側から押圧操作方向後方に延出する形で、内部構造体14とは異なる位置に設けられている。また、タクトスイッチ50には、ON・OFFされた後、押圧部15を押圧位置から元の位置に戻す(図2の右側から左へ戻す)ように作用する復帰ばね(図示せず)が内蔵されている。
さらに、回路基板40上には、タクトスイッチ51のON・OFFに伴い点灯・消灯するインジケータ用光源(LED)80が実装されている。インジケータ用光源80は、プッシュノブ10の前端部11にて透光部21として形成されたインジケータ6(例えばレンズ体等の透光部材からなる)に向けて光を照射するように構成されている。
これら回路基板40上のタクトスイッチ50、表示用光源70、インジケータ用光源80は、プッシュノブ10の外周壁部12を押圧操作方向Pに投影した領域内に位置する形態で実装されるので、複数の押圧操作スイッチ1が隣接配置される筐体30(操作パネル)において、スイッチ間距離を短く取ることができ、その小型化を容易に実現できる。
なお、ハザードスイッチ3には対応するインジケータ4(透光部21)が存在しないので、インジケータ用光源80は存在せず、ハザードスイッチ3に対応する表示用光源70がタクトスイッチのON・OFFに伴い点灯(点滅)・消灯するように構成されている。
図3に戻り、プッシュノブ10の外周壁部12の外周側面12aには、ノブ側ガイド部13が形成される。ノブ側ガイド部13は、筐体30への装着前に、潤滑剤9を充填する潤滑剤充填溝16として形成され、本実施形態においては、プッシュノブ10の外周側面12aから突出形成された対をなす溝形成凸条部(溝形成凸条部対)130,130の間の隙間が潤滑剤充填溝16とされている。
他方、図4は、図2の筐体30の構造を示す図である。このうち、図4(a)は筐体30における図1のa−a断面に相当する部分の端面図、図4(b)は筐体30の後端面図、図4(c)・(d)は筐体30の斜視図を示している。筐体30は、プッシュノブ10の押圧操作方向P(図2参照)において、前面31aに意匠面を形成する筐体前端部31と、その後方にて筐体側ガイド部33が形成される筐体後端部32とを有して構成されている。装着孔35は、これら筐体前端部31及び筐体後端部32を該押圧操作方向Pにおいて貫通する形で形成されており、該装着孔35として、筐体前端部31には前端開口部31bが、筐体後端部32には後端開口部32bが形成されている。
筐体後端部32の後端開口部32bには、筐体側ガイド部33が形成されている。筐体側ガイド部33は、プッシュノブ10の潤滑剤充填溝16に係合する凸条部33として、後端開口部32bの内周面から内向きに突出する形で形成されている。この凸条部33は、筐体前端部31の裏面から押圧操作方向後方に延出する形で形成されている。
この凸条部33は、その内側へ突出した先端面が、筐体前端部31の内周面位置又はそれを越えない位置(筐体前端部31の内周面よりも外側の位置)となるように形成されている。これにより、プッシュノブ10が組み付けられた際に、押圧操作面側から視認する際に、互いのガイド部13,33が前端部11により隠されて視認できない構造となる。さらに、プッシュノブ10は前端部11が段差を介して後端部(外周壁部)12よりも小さく形成される構造を有するので、プッシュノブ10の前端部11に形成される意匠面の形状は、前端開口部31bの開口面積を変更すれば、ガイド部13,33の係合が隠される構成のままで、大小いずれにも変更して形成することが可能となる。なお、本実施形態では、凸条部33の先端面が筐体前端部31の内周面と面位置に形成されている。
次に、上記したプッシュノブ10と筐体30との組み付け方法について、図5を用いて説明する。プッシュノブ10と筐体30との組み付けは、まず、プッシュノブ10に設けられた潤滑剤充填溝16の前端部に潤滑剤9を充填する(潤滑剤塗布工程:図5(a))。その上で、プッシュノブ10の前端面20aを先頭にし、ノブ側ガイド部をなす潤滑剤充填溝16と筐体側ガイド部をなす凸条部33とを係合させる形(図6)で、筐体30の装着孔35(後端開口部32b)に対しその裏面側から挿入する(装着工程:図5(b)及び図5(c))。この挿入は、プッシュノブ10の後端部(外周壁部12及びガイド部13)の前端面12dが筐体前端部31の内周側裏面31cに当接する位置まで行なわれて完了する。プッシュノブ10と筐体30とを組み付けた後は、押圧操作方向Pの後方側には上記実装状態をなす回路基板40が配置され、図2のような形態となる。
この組み付け方法によると、潤滑剤9は、潤滑剤塗布工程において、潤滑剤充填溝16の前端部分に塗布され、装着工程において、プッシュノブ10の挿入に伴い該プッシュノブ10の潤滑剤充填溝16と筐体30の凸条部33との摺動により双方の摺動面全体に行き渡る。このとき、作業者は、プッシュノブ10のハンドリング用突出部19を把持するようにすれば、これら各工程において塗布された潤滑剤9で手を汚す心配がない。また、ハンドリング用突出部19は、潤滑剤9が塗布される潤滑剤充填溝16を形成する溝形成凸条部対130,130の後端縁13cよりも後方に突出する形で形成されているので、作業者はプッシュノブ10が上記当接位置に到達するまで、即ち組みつけが完了するまで、ハンドリング用突出部19を把持することができるから挿入し易い。さらに、この組み付け方法によると、各工程において、作業者が意匠面20a付近に触れる機会がないので、仮に作業者が潤滑剤9で手を汚したとしても意匠面20aが汚れる心配はない。
また、本実施形態においては、プッシュノブ10と筐体30とを組み付けた状態において、プッシュノブ10の潤滑剤充填溝16と筐体30の凸条部33との係合状態は、押圧操作方向Pの前面側から視認されることがない。即ち、当該係合状態部分の押圧操作方向前方を被う形で筐体前端部31が設けられ、意匠面側から視認できないよう隠されている。これにより、係合状態の露出により意匠性が損なわれないようになっている。
以上、本発明の様々な実施形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態におけるノブ側ガイド部13をなす潤滑剤充填溝16を、溝形成凸条部対130,130を省略して、プッシュノブ10の外周壁部12における外周側面12a上の溝として形成してもよい。
また、上記実施形態におけるハンドリング用突出部19を、プッシュノブ10の外周側面12aから外向きに突出する形で形成することができる。図7のハンドリング用突出部191は、プッシュノブ10の外周側面12aの全領域にて、前端面20aの幾何学的重心位置Cに関し互いに対称な位置に対をなして形成されている。また、図7のハンドリング用突出部191は、プッシュノブ10の外周側面12aに隣接形成された潤滑剤充填溝16(溝形成凸条部対130,130からなる)の間に形成されている。具体的に言えば、押圧操作方向Pと直交する断面において外縁が四角形状をなす外周壁部12の角部に形成されている。
また、この実施形態では、押圧操作方向Pと直交する投影面におけるプッシュノブ10の投影図形において、ノブ側ガイド部13の先端縁をつなぐ形で、該プッシュノブ10の外周側面12aの外周縁形状と相似な仮想外周限界線Vを考えた場合に、ハンドリング用突出部191は、投影面において該仮想外周限界線V内に収まるように、その突出高さが定められている。
また、図7のハンドリング用突出部191を、図8のハンドリング用突出部192のように、プッシュノブ10の外周側面12aの後端部をなす領域にのみ形成することもできるし、図9のハンドリング用突出部193のように、ノブ側ガイド部13の後端縁13cよりも後方に突出する形で形成することもできる。
100 車内操作ユニット
1 押圧操作スイッチ
9 潤滑剤
10 プッシュノブ(スイッチ本体)
12 外周壁部(周壁部)
13 ノブ側ガイド部(スイッチ側ガイド部)
130,130 溝形成凸条部対
14 内部構造体(導光筒状部)
16 潤滑剤充填溝
19 ハンドリング用突出部
20a 前端面(押圧操作面、意匠面)
20 透光表示部
30 筐体(ケース)
35 装着孔
33 筐体側ガイド部(凸条部)
70 表示用光源
1 押圧操作スイッチ
9 潤滑剤
10 プッシュノブ(スイッチ本体)
12 外周壁部(周壁部)
13 ノブ側ガイド部(スイッチ側ガイド部)
130,130 溝形成凸条部対
14 内部構造体(導光筒状部)
16 潤滑剤充填溝
19 ハンドリング用突出部
20a 前端面(押圧操作面、意匠面)
20 透光表示部
30 筐体(ケース)
35 装着孔
33 筐体側ガイド部(凸条部)
70 表示用光源
Claims (7)
- 筐体前面部を貫通する装着孔内に、前端面が押圧操作面とされたスイッチ本体が進退可能に配置されるとともに、該スイッチ本体の周側面に前記貫通方向に沿って形成されたスイッチ側ガイド部が、前記筐体の前記装着孔の内周面に形成された筐体側ガイド部と潤滑剤を介して係合しつつ、前記押圧操作に伴う前記スイッチ本体の進退移動がガイドされるようになっており、
前記スイッチ本体は前記装着孔に対し筐体裏面側から装着されるとともに、当該装着時において該スイッチ本体を把持するためのハンドリング用突出部が、前記押圧操作方向において前記潤滑剤が塗布される前記スイッチ側ガイド部の後端縁よりも後方に突出するか、又は前記スイッチ側ガイド部とは異なる位置にて前記周側面から突出する形で前記スイッチ本体に形成されてなることを特徴とする車載用操作装置。 - 前記スイッチ本体は、前記周側面を形成するとともに後端面側が開口する外周壁部と、該外周壁部の内側に設けられ、後端部が該外周壁部の開口から後方に突出する内部構造体とを有し、該内部構造体の前記開口からの突出部分が前記ハンドリング用突出部として使用される請求項1記載の車載用操作装置。
- 前記内部構造体は、前記スイッチ本体の押圧操作側を形成する前端部の裏面から後方に突出する形態で後端面側が開口する筒状に形成されるとともに、当該開口に臨む位置に設けられた表示用光源からの光を、前記スイッチ本体の前端側に形成された透光表示部に導くための、遮光材料からなる導光筒状部とされてなる請求項2記載の車載用操作装置。
- 前記ハンドリング用突出部は、前記スイッチ本体の前記周側面の少なくとも後端部をなす領域にて、前記前端面の幾何学的重心位置に関し互いに対称な位置に対をなして形成されてなる請求項1記載の車載用操作装置。
- 前記スイッチ側ガイド部は前記潤滑剤を充填する潤滑剤充填溝として形成され、前記筐体側ガイド部は、前記潤滑剤充填溝に係合する凸条部として形成されてなる請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車載用操作装置。
- 前記スイッチ側ガイド部は、前記スイッチ本体の前記周側面から前記潤滑剤充填溝となる隙間を隔てて突出形成される溝形成凸条部対である請求項5記載の車載用操作装置。
- 前記ハンドリング用突出部は、前記スイッチ本体の前記周側面から突出形態に形成され、
押圧操作方向と直交する投影面における前記スイッチ本体の投影図形において、前記スイッチ側ガイド部の先端縁をつなぐ形で、該スイッチ本体の周側面の外周縁形状と相似な仮想外周限界線を考えた場合に、前記ハンドリング用突出部は、前記投影面において該仮想外周限界線内に収まるように、突出高さが定められてなる請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の車載用操作装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007033390A JP2008198521A (ja) | 2007-02-14 | 2007-02-14 | 車載用操作装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007033390A JP2008198521A (ja) | 2007-02-14 | 2007-02-14 | 車載用操作装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2008198521A true JP2008198521A (ja) | 2008-08-28 |
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Family Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2007
- 2007-02-14 JP JP2007033390A patent/JP2008198521A/ja active Pending
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