JP2008196955A - 容量式湿度センサ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 容量式湿度センサでは、電極11及び電極12が、基板10の上に櫛歯状に形成され、絶縁体13によって囲まれている。電極11の一部分は、電極12の一部分に挟まれ、電極12の一部分は、電極11の一部分に挟まれている。また、電極11及び電極12の上及び間に、感湿膜14が形成されている。絶縁体13は、電極11、電極12及び感湿膜14よりも厚くなっている。電極11、電極12及び感湿膜14は、容量を形成する。電極11と電極12とは、容量の電極として機能する。感湿膜14は、湿度の変化によって比誘電率が変化する。
【選択図】 図1
Description
従来の容量式湿度センサでは、図5に示すように、基板51の上に感湿膜53が形成され、感湿膜53の上に電極52が形成されている(例えば、特許文献1参照)。
電極51、電極52及び感湿膜53は、容量を形成する。電極51と電極52とは、容量の電極として機能する。感湿膜53は、湿度の変化によって比誘電率が変化する。
この容量の容量値Cは、真空の誘電率をε0とし、感湿膜の比誘電率をεHとし、基板51と電極52との対向する面積をSとし、感湿膜53の厚みをdHとすると、
C=ε0×εH×S/dH
によって算出される。
湿度が変化すると、感湿膜53の比誘電率も変化する。すると、容量の容量値が変化する。電極51及び電極52を用いて容量値が測定されることにより、湿度が測定される。
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、感光性のない感湿膜を使用でき、感湿膜の製造工程を容易にできる容量式湿度センサを提供する。
[第一実施形態](櫛歯状の電極を持つ1つの容量式湿度センサ)
まず、容量式湿度センサについて説明する。図1は、容量式湿度センサを示す図であり、(A)は、容量式湿度センサの平面図を示し、(B)は、(A)の容量式湿度センサにおけるX−X”間の断面図を示している。
電極11、電極12及び感湿膜14は、容量を形成する。電極11及び電極12は、容量の電極として機能する。感湿膜14は、湿度の変化によって比誘電率が変化する。
次に、湿度の測定方法について説明する。
電極11及び電極12が基板10の上に形成された後、絶縁体13が基板10の上に形成される。その後、感湿液14aを所定の箇所に吐出する装置が基板10の上に設けられていて、その装置により、図2の(B)に示すように、所定量の感湿液14aが電極11及び電極12の上の所定の箇所に吹き付けられる。ここでは、感湿液14aは、2箇所に吹き付けられている。吹き付けられる感湿液14aの量は、図1の(B)に示すような感湿膜14に厚さ、図2の(A)に示すような絶縁体13に囲まれて露出している基板10の面積、溶剤の種類や量に基づいた感湿液14aの粘度(例えば、100cps〜15000cps)、感湿液14aに含まれる揮発性物質の量などに基づいて予め設計される。吹き付けられた直後の感湿液14aは、図2に示したように、円の中心付近では厚いが、それ以外では薄い。この感湿液14aは、自然に重力によって高い所から低い所に流れ、およそ円形に広がっていく。最終的に、感湿液14aは、図1の(B)に示すように、所定時間経過後に、基板10の上の絶縁体13に囲まれた領域で略水平な感湿膜14になる。
ここで、Siなどの半導体が基板10として使用され、半導体フォトプロセスが使用される場合、酸化することやSiO2をデポジットすることにより、絶縁体層が基板10の表面に容易に設けられる。その後、アルミなどの金属のスパッタ後または蒸着後、その金属がパターニングされ、容易に図1に示すような櫛歯状の電極11及び電極12が基板10の上の絶縁体層の上に形成される。電極形成後、CVD(Chemical Vapor Deposition)装置により、SiO2膜や窒化膜がデポジットされ、絶縁体13が基板10の上の絶縁体層の上に形成される。なお、ポリイミド膜も絶縁体13として設けられてもよい。つまり、半導体フォトプロセスを使用することにより、電極11及び電極12が形成されること、及び、電極11、電極12及び感湿膜14よりも厚い絶縁体13が形成されることは容易である。
また、感湿液14aを所定の箇所に吐出する装置による液体吐出方法は、熱源によって感湿液14aに気泡を発生させ、その時の力で感湿液14aを吐出する方法、圧電体などの変形によって感湿液14aの体積を変化させ、その時の力で感湿液14aを吐出する方法などがある。
このようにすると、感湿膜14の形成時にフォトプロセスが不要になるので、感光性のない感湿膜14を使用することができる。また、感湿膜14の製造工程を容易にすることができ、容量式湿度センサのコストを低くできる。
[第二実施形態](櫛歯状の電極を持つ複数の容量式湿度センサ)
また、第一実施形態で1つの電極対について説明したが、複数の電極対が一緒に形成されてもよい。図3は、複数の容量式湿度センサを示す図である。
このようにすると、湿度に基づいて最適な容量式湿度センサが選択され、湿度が正確に測定される。
[第三実施形態](島状の電極を持つ1つの容量式湿度センサ)
また、櫛歯状の電極について説明したが、他の形状の電極が形成されてもよい。図4は、島状の電極が形成された容量式湿度センサを示す図である。
容量式湿度センサでは、図4に示すように、電極31が島状に複数形成され、電極32が電極31をそれぞれ囲む形状で形成されている。全ての電極31は、図示しないが、金属配線によって接続されている。また、全ての電極31及び電極32は、絶縁体33によって囲まれている。また、図4に示すように、電極31及び電極32の上及び間に、感湿膜34(例えば、厚さ5um〜10um)が形成されている。絶縁体33は、電極31、電極32及び感湿膜34よりも厚くなっている。
電極31及び電極32が基板の上に形成された後、絶縁体33が基板の上に形成される。その後、所定量の感湿液が電極31及び電極32の上の所定の箇所に吹き付けられる。吹き付けられた直後の感湿液は、所定時間経過後に、基板の上の絶縁体33に囲まれた領域で略水平な感湿膜34になる。
[第四実施形態](島状の電極を持つ複数の容量式湿度センサ)
また、第三実施形態で1つの電極対について説明したが、複数の電極対が一緒に形成されてもよい。
図示しないが、第三実施形態と同一の容量式湿度センサが、2つ形成されてもよい。
なお、基板10は、絶縁機能を有すればよく、セラミック基板、エポキシ基板、半導体基板などでもよい。
また、容量式湿度センサが製造されるように、湿度の変化によって比誘電率が変化する感湿液14aが電極11及び電極12の上に吹き付けられているが、容量式の液体検出センサや気体検出センサが製造されるように、酸を含む液体やH2などに反応して比誘電率が変化する液体が電極11及び電極12の上に吹き付けられてもよい。
また、容量式湿度センサ単体のみについて説明したが、半導体基板上に、容量式湿度センサと容量式湿度センサからの信号を処理する信号処理回路とが一緒に集積化されて形成されてもよい。この時、一つの半導体装置により、信号処理、インピーダンス変換などが行われ、容量値(つまり、湿度)が半導体装置外部に出力される。よって、電極11及び電極12と信号処理回路とを接続する配線における寄生容量が小さくなる。また、容量式湿度センサ及び信号処理回路が小型化する。
10 基板
Claims (3)
- 容量式湿度センサにおいて、
一部分が第二電極の一部分に挟まれ、基板の上に櫛歯状に形成された第一電極と、
一部分が前記第一電極の一部分に挟まれ、前記基板の上に櫛歯状に形成された前記第二電極と、
所定量の感湿液が前記第一電極及び前記第二電極の上の所定の箇所に吹き付けられることによって前記第一電極及び前記第二電極の上及び間に形成され、湿度の変化によって比誘電率が変化する感湿膜と、
前記第一電極、前記第二電極及び前記感湿膜よりも厚い、前記第一電極及び前記第二電極を囲む絶縁体と、
を備えていることを特徴とする容量式湿度センサ。 - 容量式湿度センサにおいて、
島状に複数形成された第一電極と、
全ての前記第一電極を接続している金属配線と、
前記第一電極をそれぞれ囲む形状で形成された第二電極と、
所定量の感湿液が前記第一電極及び前記第二電極の上の所定の箇所に吹き付けられることによって前記第一電極及び前記第二電極の上及び間に形成され、湿度の変化によって比誘電率が変化する感湿膜と、
前記第一電極、前記第二電極及び前記感湿膜よりも厚い、全ての前記第一電極及び前記第二電極を囲む絶縁体と、
を備えていることを特徴とする容量式湿度センサ。 - 容量式湿度センサの製造方法において、
第一電極及び第二電極が基板の上に形成されるステップと、
前記第一電極及び前記第二電極を囲む絶縁体が前記基板の上に形成されるステップと、
所定量の感湿液が前記第一電極及び前記第二電極の上の所定の箇所に吹き付けられるステップと、
吹き付けられた直後の前記感湿液は、中心付近では厚いが、それ以外では薄く、自然に重力によって高い所から低い所に流れておよそ円形に広がっていき、所定時間経過後に前記基板の上の前記絶縁体に囲まれた領域で略水平な感湿膜になるステップと、
を備えていることを特徴とする容量式湿度センサの製造方法。
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