JP2008195984A - 高強度金属材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】型内で、金属材料に押出と据込とを1回または2回以上繰返し行って、該金属材料に強ひずみを加えて高強度化する。該型としては、大寸法断面積の型キャビティ1aと該キャビティ1aに連なる開閉可能な小寸法断面積の押出穴1bとを有する型を用いる。前記押出穴1bを開いて金属材料(マグネシウム合金10)の押出を行い、押し出された金属材料を前記型キャビティに戻し、前記押出穴を閉じて型キャビティ内で据え込みを行う。装置負担が過大になることなく、金属材料の径を小さくしないで金属材料に効果的に高強度化できる。ひずみ付与量は、繰り返し数によって調整できる。
【選択図】図1
Description
従来、強ひずみ加工によってマグネシウム合金の高強度化を図る方法として、一般的には、アルミサッシに代表されるような横型の押出法が実施されてきている。この押出では、押出比を大きくするほど強度を向上させることが知られており、押出比をできるだけ大きくする工夫もなされている(特許文献1参照)。
この発明は、上記のような従来のものの課題を解決するためになされたものであり、金属材料に押出と据込とによって強ひずみを加えることで、製造設備の過大な負担を招くことなく高強度材を製造することを可能にする高強度金属材の製造方法を提供することを目的とするものである。
型による押出と据込は、異なる型で行うことも可能であるが、通常は一つの型でこれらの加工を交互に行う。これを達成する型としては、据込用の大寸法断面積の空間と、これに連なる小寸法断面積の押出穴を有し、押出穴は押出加工時には開かれ、据込加工時には塞がれる構成のものが例示される。上記押出穴の開閉は、例えば押出穴への封止部材の装入、抜き取りなどにより行うことができるが、本発明としては開閉手段が特定のものに限定されるものではない。
なお、上記押出と据込における、押出比と据込比を2.25以上とすることで、強度の向上効果が顕著になる。
金型1は、本発明の型に相当し、押出と据込とをそれぞれ行うことができる。
すなわち、金型1は、据え込みを行う断面積が大径の型キャビティ1aを有し、該型キャビティ1aに対しては、マンドレル2の圧入が可能になっている。また、型キャビティ1aの先端側には、断面積が小径の押出穴1bが連なっている。該押出穴1bの断面積と型キャビティ1aの断面積の比を設定することで、押出および据込における加工比として2.25以上を確保するのが望ましい。また、該押出穴1bは、該押出穴1bに装入、抜き取りが可能な柱状の封止部材5によって開閉が可能になっている。
図1(a)に示すように、金属材料としてマグネシウム合金10を金型2の型キャビティ1aに収容し、押出穴1bは、開放しておく。上記マグネシウム合金10に対し、マンドレル2で押圧する。マグネシウム合金10は、該マンドレル2による押圧によって、押出穴1bへと押し出され、大きなひずみが与えられる。押出し後、マグネシウム合金10は、図1(b)に示すように、押し棒6によってキャビティ1a内に押し戻される。その後、図1(c)に示すように、押出穴1bには、封止部材5を装入し、キャビティ1aにある上記マグネシウム合金10に対し、マンドレル2を圧入し、マグネシウム合金10の据込みを行う。マグネシウム合金10は、金型1およびマンドレル2により密閉された状態で据込みが行われ、大きなひずみが与えられる。
上記工程を繰り返すことでマグネシウム合金に大きなひずみを与えて高強度化することができる。また、ひずみ量は押出、据込の繰返しの回数により調整でき、しかも、据込みをするために、ひずみ量が増えても、素材径が小さくなることはない。
MgZn2Y2Zr0.2合金の素材をφ150mm×70mmL形状に加工したものをマグネシウム合金(金属材料)として用意した。
上記マグネシウム合金からなる素材を、上記実施形態で説明した金型構造を有し、上下で口径の異なる円筒状の金型(キャビティφ150mm、押出穴:φ75mm)を用いて、素材および金型を100℃〜400℃で所定時間加熱した。
また、金型の上下の口径比を変えることで加工比を2.25として、同様の測定を行い、その結果を図2に示した。
従来の押出し法においては、押出比10では、300MPaに達する強度を得ることができないが、押出比を12.5とすると310MPaまでの強度を得ることができた。しかし、この押出法では、元の形状(φ×L)の比を例えば1:1とした場合、押出比12.5では加工後のそれは1:44と極端な長尺形状となってしまった。これに対し本法で押出・据込比を4とした場合は、押出・据込回数を各4+3回とすることで350MPaの強度に達し、径が小さくならずに高強度化を達成することができた。
以上、本発明について上記実施形態および実施例に基づいて説明を行ったが、本発明は上記説明の内容に限定をされるものではなく、本発明を逸脱しない範囲で適宜の変更が可能である。
1a キャビティ
1b 押出穴
2 マンドレル
4 加熱装置
10 マグネシウム合金
Claims (4)
- 型内で、金属材料に押出と据込とを1回または2回以上繰返し行って、該金属材料に強ひずみを加えて高強度化することを特徴とする高強度金属材の製造方法。
- 前記押出比および据込比が、2.25以上であることを特徴とする請求項1記載の高強度金属材の製造方法。
- 前記金属材料および型を100℃〜400℃で加熱しながら、前記押出と据込とを行うことを特徴とする請求項1または2記載の高強度金属材の製造方法。
- 大寸法断面積の型キャビティと該キャビティに連なる開閉可能な小寸法断面積の押出穴とを有する型を用い、前記押出穴を開いて前記金属材料の押出を行い、押し出された金属材料を前記型キャビティに戻し、前記押出穴を閉じて型キャビティ内で据え込みを行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高強度金属材の製造方法。
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