JPH05104188A - 繊維強化金属複合材料製バルブの製造方法 - Google Patents

繊維強化金属複合材料製バルブの製造方法

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JPH05104188A
JPH05104188A JP29840791A JP29840791A JPH05104188A JP H05104188 A JPH05104188 A JP H05104188A JP 29840791 A JP29840791 A JP 29840791A JP 29840791 A JP29840791 A JP 29840791A JP H05104188 A JPH05104188 A JP H05104188A
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valve
extrusion
upsetting
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Tatsuya Tsuzuki
達哉 都築
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 傘部に割れの如き欠陥を生ずることなく軸部
の強度に優れた繊維強化金属複合材料製のバルブを製造
する。 【構成】 傘部及び軸部を有し繊維強化金属複合材料よ
りなるバルブの製造方法である。塑性加工されていない
複合材料素材12の一部を第一の押出し工程により押出
し加工し、複合材料の実質的に押出し加工されていない
部分18を第二の押出し工程により押出し加工して軸部
22を形成し、第一の押出し工程により押出し加工され
た部分16を据込み加工して傘部24を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、傘部及び軸部を有する
バルブの製造方法に係り、更に詳細には繊維強化金属複
合材料製のバルブの製造方法に係る。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の吸排気バルブの如きバルブは
一般に傘部及び軸部を有しており、かかるバルブが組込
まれた内燃機関等の性能を向上させるべく、バルブを繊
維強化金属複合材料にて形成する試みが従来より行われ
ている。繊維強化金属複合材料よりなるバルブの製造方
法としては軸部及び傘部の両方を切削加工により形成す
る切削法や、軸部を押出し加工により形成し傘部を据込
み加工により形成する鍛造法があるが、繊維強化金属複
合材料は一般に被削性が悪く比較的高価であり、また鍛
造法によれば強化繊維がマトリックス金属の塑性流動方
向に整合するので、鍛造法の方が切削法よりも製造コス
トや機械的強度等の点で有利であることが知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし高圧鋳造等によ
り製造され塑性加工が施されていない繊維強化金属複合
材料素材は据込み加工性が良好ではないため、据込み加
工によって傘部を成形する際に割れが発生し易い。また
本願発明者が行った実験的研究の結果によれば、複合材
料素材に対し押出し加工を施すと複合材料の据込み加工
性が向上し、傘部を成形する際の割れの発生を回避する
ことができるが、押出し加工された複合材料に対し更に
押出し加工を施して軸部を形成すると軸部の抗折強度が
複合材料素材に対し一回の押出し加工を施すことにより
形成された軸部の抗折強度よりも低下してしまう。
【0004】かくして鍛造法により繊維強化金属複合材
料製のバルブを製造するための複合材料は、傘部の成形
性を考慮すると押出し加工された複合材料であることが
好ましく、軸部に十分な強度を確保するためには押出し
加工されていない複合材料素材であることが好ましく、
従って従来の鍛造法によっては傘部に割れの如き欠陥を
生ずることなく軸部の強度に優れた複合材料製のバルブ
を製造することが困難である。
【0005】本発明は、従来の繊維強化金属複合材料製
バルブの製造方法に於ける上述の如き問題に鑑み、鍛造
法の利点を生かしつつ傘部に割れの如き欠陥を生ずるこ
となく軸部の強度に優れた繊維強化金属複合材料製のバ
ルブを製造することのできる方法を提供することを目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の如き目的は、本発
明によれば、傘部及び軸部を有し繊維強化金属複合材料
よりなるバルブの製造方法にして、実質的に塑性加工さ
れていない繊維強化金属複合材料の一部を押出し加工す
る第一の押出し工程と、前記複合材料の実質的に押出し
加工されていない部分を押出し加工して軸部を形成する
第二の押出し工程と、前記第一の押出し工程により押出
し加工された部分を据込み加工して傘部を形成する据込
み工程とを含むバルブの製造方法によって達成される。
【0007】
【作用】本発明の方法によれば、実質的に塑性加工され
ていない繊維強化金属複合材料の一部が第一の押出し工
程により押出し加工され、複合材料の実質的に押出し加
工されていない部分が第二の押出し工程によって押出し
加工されることにより軸部が形成され、第一の押出し工
程により押出し加工された部分が据込み加工されること
により傘部が形成される。
【0008】従ってこの方法によれば、バルブの傘部は
第一の押出し工程によって据込み加工性が向上された部
分が据込み加工されることにより形成されるので、傘部
を形成する際に割れが発生することが回避され、またバ
ルブの軸部は複合材料の実質的に押出し加工されていな
い部分が押出し加工されることにより形成されるので、
押出し加工された部分が再度押出し加工されることに起
因する軸部の強度低下が確実に回避される。
【0009】
【課題を解決するための手段の補足説明】繊維強化金属
複合材料を鍛造法によりバルブに成形する場合には、成
形前の複合材料の直径は製品バルブの傘部の直径及び複
合材料の限界据込み率より逆算される。繊維強化金属複
合材料は鋼に比して限界据込み率が低いため、成形前の
複合材料の直径を大きくせざるを得ない。そのため成形
前の複合材料の直径と前方押出し率とにより定まる成形
後の軸部の直径も必要以上に大きくなってしまう。成形
される軸部の直径を小さくし機械加工代を低減すべく大
きい前方押出し率にて軸部を成形することが考えられる
が、この場合には強化繊維の折損等の問題が生じる。従
って成形される軸部の直径を小さくするためには成形前
の複合材料の直径を小さくせざるを得ないが、そのため
には複合材料の限界据込み率を向上させることが必要不
可欠となる。
【0010】本発明の方法の一つの実施例に於ては、使
用される複合材料のマトリックス金属はアルミニウム合
金である。かかる複合材料が素材として使用される場合
には、後に詳細に説明する本願発明者が行った実験的研
究の結果より明らかである如く、第一の押出し加工工程
等に於ける素材の温度が300〜450℃に設定される
場合に複合材料の塑性加工性が向上し、特に限界据込み
率が向上する。従って第一及び第二の押出し加工工程及
び据込み加工工程に於ける複合材料の温度は300〜4
50℃に設定される。
【0011】また本発明の一つの実施例に於ては、第一
の押出し加工工程に於ける押出し率は押出し加工後の複
合材料の限界据込み率が十分に向上するよう50%以上
に設定され、また第二の押出し加工工程の押出し率は第
二の押出し加工工程により形成される軸部に対する切削
加工量ができるだけ小さくなるよう75%以上に設定さ
れ、据込み加工工程に於ける据込み率はこれにより形成
される傘部に割れの如き欠陥が生じないよう70%以下
に設定される。
【0012】また本願発明者が行った実験的研究の結果
によれば、後に詳細に説明する如く、複合材料の強化繊
維の体積率が30%以下の範囲に於ては、第二の押出し
加工工程により形成される軸部の強度が第一の押出し加
工工程により押出し加工された部分に対し再度押出し加
工を行うことにより形成される軸部の強度以上になるの
で、複合材料の強化繊維の体積率は30%以下に設定さ
れる。また複合材料の強化繊維の体積率が5%未満の場
合には繊維強化の効果が不十分であるので、複合材料の
強化繊維の体積率は5%以上に設定される。
【0013】尚本発明の方法に於て使用される複合材料
の強化繊維は炭化ケイ素繊維、窒化ケイ素繊維、アルミ
ナ繊維、アルミナ−シリカ繊維の如く強度向上効果及び
耐摩耗性向上効果に優れた任意の強化繊維であってよ
く、マトリックス金属はアルミニウム合金やマグネシウ
ム合金の如き軽合金であることが好ましい。
【0014】また本発明の方法の第一の押出し加工工程
に供される複合材料は高圧鋳造法の如き鋳造法により製
造された複合材料に限らず、例えば粉末冶金法等にて形
成された複合材料であってもよい。
【0015】
【実施例】以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施
例について詳細に説明する。
【0016】図1は本発明による繊維強化金属複合材料
製バルブの製造方法の一つの実施例を示す工程図であ
る。
【0017】図1(a)に於て、10は高圧鋳造により
得られた鋳物を示しており、左下りのハッチングが施さ
れた部分12は繊維強化複合材料の部分を示しており、
右下りのハッチングが施された部分14はマトリックス
金属のみの部分を示している。次の工程(b)に於ては
鋳物10より繊維強化複合材料の部分12が切削により
切出され、工程(c)に於ては複合材料素材12の一部
が第一の押出し加工工程により押出し率50%以上にて
押出し加工される。尚図1に於てはかくして押出し加工
された部分にはクロスハッチングが施されており、図1
(c)に於て16は押出し加工された部分を示し、18
は実質的に押出し加工されていない部分を示している。
【0018】次の工程(d)に於ては図1(c)に於て
仮想線にて示されている如く部分的に押出し加工された
素材12よりバルブの製造に供される円柱状の複合材料
20が押出し加工された部分16及び実質的に押出し加
工されていない部分18にまたがるよう切削により切出
され、しかる後工程(e)に於て複合材料20の実質的
に押出し加工されていない部分18が第二の押出し加工
工程により押出し率75%以上にて押出し加工され、こ
れによりバルブの軸部22が形成される。
【0019】次の工程(f)に於ては工程(c)に於て
押出し加工され工程(e)に於て押出し加工されなかっ
た部分16が据込み率70%以下にて据込み加工される
ことによりバルブの傘部24が形成され、しかる後最終
工程(g)に於て軸部22及び傘部24に対し所要の切
削加工及び研削加工が施され、これにより繊維強化複合
材料製のバルブ26が形成される。
【0020】具体例 本発明の方法に従って炭化ケイ素ウイスカを強化繊維と
しアルミニウム合金をマトリックス金属とする複合材料
にてバルブを形成した。
【0021】まず図には示されていないが炭化ケイ素ウ
イスカ(東海カーボン株式会社製、平均ウイスカ径1μ
m 、平均ウイスカ長10μm )を圧縮成形することによ
り炭化ケイ素ウイスカが体積率約20%にて三次元的に
ランダムに配向された直径39.5mm、長さ125mmの
円柱状の繊維成形体を形成した。次いで繊維成形体を高
圧鋳造装置の鋳型内に配置し、該鋳型内に730℃のA
l合金(JIS規格A2024)の溶湯を注湯し、該溶
湯を鋳型に嵌合するプランジャにより約100MPaの
圧力に加圧し、その加圧状態を溶湯が完全に凝固するま
で保持した。
【0022】溶湯が完全に凝固した後鋳型より鋳物を取
出し、該鋳物に対し切削加工を施すことにより、図2に
示されている如く体積率約20%の炭化ケイ素ウイスカ
28にて複合強化されたアルミニウム合金よりなり直径
39.5mm、長さ125mmの寸法を有する複合材料11
を切出した。更に図2に於て仮想線にて示されている如
く、複合材料11の上端に近接した部分より複合材料素
材12を切出した。この素材は図3に示されている如く
直径38mm、長さ35.5mmの寸法を有する実質的に円
柱状をなし、一端より3mmの範囲に傾斜角45度の円錐
テーパ面30を有していた。
【0023】次いで図には示されていないが潤滑剤とし
ての二硫化モリブデンを複合材料素材12の外面に塗布
した後、該素材を電気炉にて400℃に加熱した。次い
で内壁面にグラファイト系の潤滑剤が塗布されバンドヒ
ータにより400℃に加熱保持された押出し率75%の
ダイスを用いて、図4に示されている如く複合材料素材
12の一部を前方押出し加工した。その結果押出し加工
された部分16の直径及び長さはそれぞれ19mm、約4
0mmであり、全く押出し加工されていない部分18aの
長さは約20mmであり、押出し加工された部分16と全
く押出し加工されていない部分18aとの間には表面が
円錐テーパ状をなす長さ9.5mmの部分的に押出し加工
された部分18bが存在していた。
【0024】次いで図4に於て仮想線にて示されている
如く、直径18mm、長さ37mmの寸法を有し一端より1
7mmの長さの部分が実質的に押出し加工されていない部
分18a及び18bに属し残りの長さ20mmの部分が部
分16に属し、一端に幅2mmの円錐形の面取りを有する
実質的に円柱状の複合材料20を切出した。
【0025】次いで図には示されていないが複合材料2
0の表面に潤滑剤としての二硫化モリブデンを塗布し、
電気炉により400℃に加熱した。次いで内壁面にグラ
ファイト系の潤滑剤が塗布されバンドヒータにより40
0℃に加熱保持された押出し率85%のダイスを用いて
複合材料20の実質的に押出し加工されていない部分1
8a及び18bを前方押出し、これにより図5に示され
ている如くバルブの軸部22を形成した。尚この場合押
出しストロークは約21.5mmであり、形成された軸部
の長さは約125mmであった。
【0026】次いでかくして軸部が形成された複合材料
をダイスより取出し、電気炉により400℃に加熱した
後、図6に示されている如くバンドヒータにより400
℃に加熱された据込み率40%の金型32に複合材料2
0を挿入し、金型に嵌合するパンチ34を複合材料の部
分16に対し据込みストローク約4.5mm(据込み率2
2.5%)にて押付ける据込み加工を行うことにより、
図7に示されている如く傘部24を形成した。
【0027】次いでかくして軸部22及び傘部24が形
成されたバルブ粗形材に対しT6処理を施した後、ダイ
ヤモンドカッタ及び超硬バイトを用いて機械加工を行う
ことにより全長117.8mm、軸部長さ98.4mm、軸
部直径6.0mm、傘部の最大直径27.5mmのバルブを
形成した。
【0028】かくして形成されたバルブの傘部をその全
周に亘り調査したところ、割れの如き欠陥は全く発生し
ていないことが確認された。またバルブをその軸線を含
む平面にて切断しその断面を光学顕微鏡にて観察したと
ころ、軸部の炭化ケイ素ウイスカはその大部分が軸部の
長手方向に沿って好ましく配向されていることが認めら
れた。
【0029】据込み温度試験 バルブ構成材料として繊維強化アルミニウム合金が使用
される場合に於て、複合材料に対する据込み加工等の塑
性加工が如何なる温度範囲にて行われることが適してい
るかについての検討を行うべく本願発明者が行った据込
み試験について説明する。
【0030】まず上述の具体例の場合と同一の要領及び
条件にて三次元的にランダムに配向された体積率13%
の炭化ケイ素ウイスカにて複合強化されたアルミニウム
合金(JIS規格A2021)の複合材料を製造し、該
複合材料より直径13.3mm、長さ20.0mmの試験片
を切出し、各試験片を種々の据込み率及び種々の温度に
て据込み加工することにより、加工された部分に割れの
如き欠陥が発生するか否かを調査した。この据込み試験
の結果を図8に示す。尚図8に於て、〇は割れの如き欠
陥が発生しなかったことを示しており、●は割れの如き
欠陥が発生したことを示している。
【0031】図8より、高い限界据込み率を確保するた
めには、据込み時の複合材料の温度は300〜450℃
であることが好ましいことが解る。また図8より、複合
材料に対する据込み率は55%以下、特に50%以下で
あることが好ましいことが解る。
【0032】尚図には示されていないが、この試験に供
された複合材料と同一の複合材料より引張り試験片を切
出し、各試験片について種々の温度にて引張り試験を行
った結果、縮径率及び伸びの何れの点でも複合材料の温
度は300〜450℃、特に350〜400℃であるこ
とが好ましいことが確認された。
【0033】据込み率試験 バルブ構成材料として繊維強化アルミニウム合金が使用
される場合に於て、据込み加工に先立って押出し加工を
行うことにより複合材料に対する限界据込み率がどれほ
ど向上するかについての検討を行うべく本願発明者が行
った据込み試験について説明する。
【0034】炭化ケイ素ウイスカの体積率が13%、2
0%、30%に設定された点を除き上述の据込み温度試
験の場合と同一の要領及び条件にて炭化ケイ素ウイスカ
にて複合強化されたアルミニウム合金(JIS規格A2
021)よりなる3種類の複合材料を製造し、各複合材
料より直径13.3mm、長さ20.0mmの試験片を切出
した。
【0035】また各複合材料より直径38mm、長さ5
5.5mmの被押出し材を切出し、各被押出し材を押出し
率75%にて押出ししそれらを切断することにより、直
径13.3mm、長さ20.0mmの試験片を形成した。
【0036】次いでかくして形成された複合材料素材よ
りなる試験片及び押出し加工された複合材料よりなる試
験片を400℃に加熱した後種々の据込み率にて据込み
加工を行い、加工された部分に割れの如き欠陥が発生し
たか否かを調査した。この据込み試験の結果を図9に示
す。尚図9に於て、丸の記号は複合材料素材より形成さ
れた試験片の結果を示しており、四角の記号は押出し加
工された複合材料にて形成された試験片の結果を示して
おり、白抜きの記号は割れの如き欠陥が発生しなかった
ことを示しており、黒塗りの記号は割れの如き欠陥が発
生したことを示している。
【0037】図9より、炭化ケイ素繊維の体積率に拘ら
ず、押出し加工された複合材料に対し据込み加工を行え
ば、複合材料素材に対し据込み加工が行われる場合に比
して限界据込み率が約15%向上することが解る。
【0038】軸部曲げ試験 バルブの軸部が押出し加工されていない複合材料を押出
し加工することによって形成されることにより、軸部が
押出し加工された複合材料を再度押出し加工することに
よって形成される場合に比してその強度がどれほど向上
するかについての検討を行うべく本願発明者が行った曲
げ試験について説明する。
【0039】炭化ケイ素ウイスカの体積率が13%、2
0%、30%に設定された点を除き上述の据込み温度試
験の場合と同一の要領及び条件にて炭化ケイ素ウイスカ
にて複合強化されたアルミニウム合金(JIS規格A2
021)よりなる3種類の複合材料を製造し、各複合材
料より厚さ2mm、幅5mm、長さ50mmの曲げ試験片A1
〜A3 を切出した。
【0040】また3種類の複合材料より直径15.5m
m、長さ33.2mmの被押出し材を切出し、各被押出し
材を押出し率85%にて押出ししそれらを切断すること
より、厚さ2mm、幅5mm、長さ50mmの曲げ試験片B1
〜B3 を形成した。更に3種類の複合材料より直径38
mm、長さ55.5mmの被押出し材を切出し、各被押出し
材を押出し率75%にて押出しし、かくして押出しされ
た材料を再度押出し率85%にて押出ししそれらを切断
することより、厚さ2mm、幅5mm、長さ50mmの曲げ試
験片C1 〜C3 を形成した。
【0041】次いでかくして形成された各曲げ試験片を
150℃に加熱した後、支点間距離39mmにて3点曲げ
試験を行い、各材料の曲げ強さを測定した。また比較の
目的でマトリックス金属であるアルミニウム合金(JI
S規格A2021)よりなる曲げ試験片D1 、アルミニ
ウム合金を押出し率85%にて押出しすることにより形
成された曲げ試験片D2 、アルミニウム合金を押出し率
75%にて押出しし更に押出し率85%にて押出しする
ことにより形成された曲げ試験片D3 についても同様に
曲げ強さを測定した。この曲げ試験の結果を図10に示
す。
【0042】図10より、炭化ケイ素ウイスカの体積率
が30%以下の範囲に於ては、押出し加工されていない
複合材料を押出し加工することによって形成されるバル
ブの軸部の強度は、押出し加工された複合材料を再度押
出し加工することによって形成される軸部の強度以上で
あり、従ってバルブの軸部は押出し加工されていない複
合材料素材を押出し加工することによって形成されるこ
とが好ましいことが解る。
【0043】尚強化繊維が平均ウイスカ径1μm 、平均
ウイスカ長100μm の窒化ケイ素ウイスカでありマト
リックス金属がアルミニウム合金(JIS規格A202
4)である複合材料、強化繊維が平均繊維径3μm 、平
均繊維長200mmのアルミナ繊維でありマトリックス金
属がアルミニウム合金(JIS規格A3003)である
複合材料、強化繊維が平均繊維径10μm 、平均繊維長
150mmのアルミナ−シリカ繊維でありマトリックス金
属がアルミニウム合金(JIS規格A2024)である
複合材料についても上述の据込み温度試験、据込み率試
験、軸部曲げ試験と同一の各試験を行ったところ、それ
ぞれ図8乃至図10に示された結果と同様の結果が得ら
れた。
【0044】以上に於ては本発明を特定の実施例及び具
体例について詳細に説明したが、本発明はこれらの実施
例及び具体例に限定されるものではなく、本発明の範囲
内にて他の種々の実施例が可能であることは当業者にと
って明らかであろう。
【0045】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明によれば、バルブの傘部は第一の押出し工程によって
据込み加工性が向上された部分が据込み加工されること
により形成されるので、傘部を形成する際に割れが発生
することを回避することができ、またバルブの軸部は複
合材料の実質的に押出し加工されていない部分が第二の
押出し加工によって押出し加工されることにより形成さ
れるので、押出し加工された部分が再度押出し加工され
ることに起因する軸部の強度低下を確実に回避すること
ができ、これにより切削法よりも製造コストや機械的強
度等の点で有利であるという鍛造法の利点を生かしつ
つ、傘部に割れの如き欠陥を生ずることなく軸部の強度
に優れた繊維強化金属複合材料製のバルブを製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による繊維強化金属複合材料製バルブの
製造方法の一つの実施例を示す工程図である。
【図2】高圧鋳造により形成された複合材料を示す縦断
面図である。
【図3】図2に示された複合材料より切出された複合材
料素材を一部破断して示す正面図である。
【図4】図3に示された複合材料素材の一部が押出し加
工された状態を示す縦断面図である。
【図5】図4に於て仮想線にて示された複合材料に対し
第二の押出し加工が行われることにより軸部が形成され
た複合材料素材を示す縦断面図である。
【図6】図5に示された複合材料素材に対し据込みが行
われる状態を示す縦断面図である。
【図7】図6に示された据込み加工により形成されたバ
ルブ粗形材を示す縦断面図である。
【図8】据込み加工時の複合材料の温度と据込み率との
関係を示すグラフである。
【図9】複合材料素材及び押出し加工された複合材料の
限界据込み率を種々のウイスカの体積率ついて示すグラ
フである。
【図10】複合材料素材、複合材料素材に対し押出し加
工された材料、押出し加工された複合材料に対し再度押
出し加工された材料の曲げ強さを種々のウイスカの体積
率について示すグラフである。
【符号の説明】 10…鋳物 12…複合材料素材 20…複合材料 22…軸部 24…傘部 26…バルブ 28…炭化ケイ素ウイスカ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】傘部及び軸部を有し繊維強化金属複合材料
    よりなるバルブの製造方法にして、実質的に塑性加工さ
    れていない繊維強化金属複合材料の一部を押出し加工す
    る第一の押出し工程と、前記複合材料の実質的に押出し
    加工されていない部分を押出し加工して軸部を形成する
    第二の押出し工程と、前記第一の押出し工程により押出
    し加工された部分を据込み加工して傘部を形成する据込
    み工程とを含むバルブの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05305380A (ja) * 1992-04-28 1993-11-19 Mazda Motor Corp マグネシウム合金製部材の製造方法
JP2008195984A (ja) * 2007-02-09 2008-08-28 Japan Steel Works Ltd:The 高強度金属材の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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